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1956-02-08 第24回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月八日(水曜日)    午後一時五十九分開議  出席委員    委員長 松山 義雄君    理事 今松 治郎君 理事 臼井 莊一君    理事 畠山 鶴吉君 理事 青野 武一君    理事 中居英太郎君       岡崎 英城君    佐伯 宗義君       關谷 勝利君    中嶋 太郎君       眞鍋 儀十君    井岡 大治君       池田 禎治君    下平 正一君       正木  清君    松岡 駒吉君       小山  亮君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 吉野 信次君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      植田 純一君         運輸事務官         (捕獲審検再審         査委員会事務局         長)      土井 智喜君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道副         総裁      小倉 俊夫君         日本国有鉄道理         事         (経理局長)  石井 昭正君         専  門  員 志鎌 一之君     ――――――――――――― 二月四日  委員田中幾三郎君辞任につき、その補欠として 山口丈太郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 二月六日  鉄道抵当法の一部を改正する法律案内閣提出  第一六号)(予)  捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一七号)(予) 同月三日  長野県陸運事務所松本出張所設置に関する請  願(松平忠久紹介)(第二三六号)  道路運送法の一部改正に関する請願福田赳夫  君紹介)(第二二七号)  同(田中彰治紹介)(第二三八号)  同(加藤鐐五郎紹介)(第二三九号)  大糸線の全通促進に関する請願下平正一君紹  介)(第二四〇号)  久大線に快速列車増発請願楢橋渡紹介)  (第二四一号)  同月七日  国鉄只見線敷設請願松井政吉紹介)  (第三四四号)  国鉄赤穂線全通促進に関する請願杉山元治  郎君紹介)(第三四五号)  道路運送法の一部改正に関する請願笹本一雄  君紹介)(第三六三号)  同(高木松吉紹介)(第三六四号)  同(伊東岩男紹介)(第三六五号)  同(小林かなえ紹介)(第三六六号)  同(眞崎勝次紹介)(第四二六号)  同(八田貞義紹介)(第四二七号)  同外三件(田村元紹介)(第四二八号)  同外一件(塚田十一郎紹介)(第四二九号)  同外一件(神田博紹介)(第四三〇号)  同(鈴木周次郎紹介)(第四三一号)  同(熊谷憲一紹介)(第四三二号)  同(薄田美朝君紹介)(第四三三号)  同(小林かなえ紹介)(第四三四号)  同(伊藤好道紹介)(第四三五号)  磐城西郷信号所を普通駅に昇格の請願助川良  平君紹介)(第三七七号)  都井みさき沖黄金瀬灯台設置請願伊東岩  男君紹介)(第三七八号)  国鉄石巻柳津線敷設請願村松久義紹介)  (第四三六号)  瀬戸、西大寺両駅間に駅設置請願亀山孝一  君紹介)(第四三七号)  三陸鉄道気仙沼線敷設請願村松久義君紹  介)(第四三八号)  釜石線並びに山田線電化促進に関する請願  (鈴木善幸紹介)(第四三九号)  東北本線複線化等に関する請願鈴木善幸  君紹介)(第四四〇号)  国鉄小本線全通促進等に関する請願鈴木  善幸紹介)(第四四一号)  平内地区に汽動車駅設置請願鈴木善幸君紹  介)(第四四二号)  橋場線の復旧促進等に関する請願鈴木善幸君  紹介)(第四四三号)  の審査を本委員会付託された。  同月四日  松山空港開設に関する陳情書  (第一七六号)  旭川市に中継飛行場開設陳情書  (第一七八号)  青森、函館間の航送貨物運賃引下げに関する陳  情書(第一七九  号)  三江線の全通促進に関する陳情書  (第  一八一号)  遠信鉄道敷設促進に関する陳情書  (第一八二号)  定点観測業務再開に関する陳情書  (第二〇八号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件 鉄道抵当法の一部を改正する法律案内閣提出第 一六号)(予) 捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を 改正する法律案内閣提出第一七号)(予) 昭和三十一年度国鉄予算に関する説明聴取     ―――――――――――――
  2. 松山義雄

    松山委員長 これより運輸委員会を開会いたします。最初に、去る六日予備審査のために付託になりました鉄道抵当法の一部を改正する法律案内閣提出)及び捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)の側法案提案理由を聴取いたします。
  3. 吉野信次

    吉野国務大臣 それでは鉄道抵当法の一部を改正する法律案から提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  鉄道抵当法は明治三十八年施行以来、他の法律改正に伴い必要とされる応急的改正が数度行われましたけれども、制度的には今日に至りまするまでほとんど見るべき改正がなされていないのでございます。従いまして約五十年間の時代の推移により、運用上いろいろと不便な点が生じて参りました。近年におきます同法の利用は逐年増加いたしておりますので、運用上の欠陥を除くことによって一そう金融を円滑化するため、同法を改正することといたしたのであります。  おもな改正点は、第一に鉄道財団抵当権消滅後も六ヵ月間存続することにいたしております。現行法上は、鉄道財団に設定された抵当権消滅いたしますれば鉄道財団も同時に消滅することになっておりますので、抵当権消滅後その財団を他の抵当権目的といたしますためにはあらためて鉄道財団をもう一ぺん組成し直す複雑な手続をとらなければなりませず、日時と費用とを要し不便でございますので、抵当権消滅してから後も六ヵ月の間は鉄道財団をそのまま存続することといたした点であります。  第二に鉄道財団拡張制度を設けることといたしております。現行法によりますと、鉄道が延長されました場合は、その部分について別に鉄道財団を組織し、もとの債権の追加担保といたしておりますが、延長部分が短区間の場合はそれのみで独立性を有しないこともありますので、このような場合にもと鉄道財団を一体として財団を形成できる拡張制度を認め、所要規定を設けることといたしました。  第三に鉄道財団分割及び合併制度を設けることといたしております。現行法もとでは分割及び合併制度が認められておりませんので、償還によって余剰担保価値を生じましても財団の一部を抵当権目的から除くことができず、また共同担保によって合併制度のない不備を補っておりますが、登録手続上煩雑でありますので、鉄道財団分割及び合併制度を認め、これらに関する所要規定を設けることと致したのでございます。  右に述べました諸点のほかに、鉄道財団組成手続上第三者の保護に関する規定を整備し、法律上の係争を予防するため、鉄道財団成立登録を設け、あるいは過料の額を適正化する等の趣旨の規定を設けることといたしております。  以上この法律案につきまして概略御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申します。  次に補獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、申し上げます。  捕獲審検所検定の再審査に関する法律は、日本国との平和条約第十七条に規定する義務を履行するため、連合国要請がありました場合には、旧捕獲審検所検定いたしました事件で、連合国人所有権関係のあるものは、国際法によって再審査することを目的とする法律でございます。捕獲審検の再審査義務について、平和条約におきましては期限が定められておりませんが、事柄の性質上、平和条約の效力が発生いたしました後、比較的短期間連合国要請が出尽すものと予想せられ、国内法であるこの法律存続期間は当初三年と定められておりましたところ、さきの第二十二回特別国会におきまして三年を四年に改められ、すなわち昭和三十一年四月二十七日限り失効することとなっております。しかしながら再審査要請に関する連合国の状況にかんがみまして、なおその要請に対する受け入れ態勢を整備しておくことは、平和条約を誠実に履行するために必要なことと考えられます。これがためにはこの法律の一部を改正いたしましてその存続期同をなお一年延長いたし、その間に連合国模様を見たいと存じます。これかこの法律案提案いたしました理由でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御決下さいまするようお願い申し上げます。
  4. 松山義雄

    松山委員長 この際、国鉄総裁に就任されました小倉俊夫君よりあいさつをいたしたい旨の申し出がありますので、これを許します。小倉俊夫君。小倉説明委員 私、このたび国鉄総裁重責に任命をいただきました小倉でございます。当今国鉄は、施設の面におきましても財政の面におきましても非常に重要問題が山積いたしまして、まことに微力、浅学非才の私には重責この上ないことでございまするが、この上は粉骨砕身して、懸命の努力によりまして事に当って参りたいと思います。何とぞ皆様の御鞭撻、御支援のほどを心からお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  5. 松山義雄

    松山委員長 次に捕獲審検所検定再審に関する法律の一部を改正する法律案について、捕獲審検審査委員会事務局長土井智喜君より補足説明を聴取いたします。
  6. 土井智喜

    土井政府委員 ただいま運輸大臣より改正法律案提案理由説明がございましたが、補足いたしまして現行法律及び改正案提案の経緯につきまして御説明申し上げます。  今次戦争、すなわち大東亜戦争または太平洋戦争といわれました今次戦争中におきまして、日本海軍が拿捕し、それを旧捕獲審検所検定を行いました船が千六十八隻、約千隻ございます。いずれも軍艦にあらざるところの一般商船につきまして捕獲が行われたのでございます。戦時国際法から申し上げますれば、交戦国が敵が敵船捕獲するということは戦時国際法上認められました捕獲権の行使でございます。当時はそれに基いて旧捕獲審検所捕獲検定を行なった船舶でございます。しかるところ終戦の事態を迎えまして、この平和条約規定におきまして、連合国要請があました場合においては、前に捕獲審検所が行なった検定について、再審査をするという義務が立てられたわけでございます。それで現行法律によりまして、運輸省の外局に捕獲審検再審委員会設置されまして委員長国際法の長老でございます信夫淳平博士、その他国際法学者及び関係行政機関の職務を持っておる者が委員会を構成しております。今までのところイギリス、オランダ、フランス、ギリシャの諸国より再審査要請がございまして、再審査を続けて参りました。しかるところ国際関係の現状に照しますと、当初の三年の期間は、昨年の国会におきまして、なお終結するには未だ早いというような情勢で、もう一年期間を延長する必要があるということで一年延ばされた次第でございます。その後の国際情勢におきまして、まだフィリピンのごとき平和条約の批准を見ておらない今日において、その再審査に関する受け入れ態勢を終結してしまうことは、なお時期尚早ではないかという関係がございますので、この法律時限法であるという建前をとりましてもう一年延長いたしまして、そうして連合国模様を見たい、こういうわけで提案いたした次第でございます。この一年という期間は、いわば国際関係における日本の消極的な期待でございますので、そういう意味で一年の期間をもって改正案提案いたした次第でございます。なおこれに追加して申し上げれば、この一年の間にフィリピン等から要請が参りますれば、従って、その査審中においては審査事務は続行されることになりますので、それによって受け入れ態勢が整備されるということに相なる次第でございます。以上御説明申し上げました。
  7. 中居英太郎

    中居委員 手続の問題ですが、先ほど運輸大臣から鉄道抵当法の一部を改正する法律案提案理由説明がございました。運輸大臣は、提案理由説明を申し上げます。こういうことだったわけですが、委員長からの当初の発言は、予備審査のための一応の参考意見としての説明を聞くのだ、こういう説明でございました。聞くところによると、この鉄道抵当法改正法案は、衆議院には予備付託せられて、参議院正式付託になっているそうでございます。どういう理由参議院正式付託をして、衆議院予備付託をしたのであるが、その理由を私承わりたいと思います。すべての法案は、今日の憲法の規定衆議院優先ということが大体規定せられておるのでありまして、特別の理由がない限り先議すべきものではない、こう思うわけでありまして、参議院正式付託をしたその理由を承りたい。
  8. 吉野信次

    吉野国務大臣 私の承知しておるところでは、必ずしもそういうふうになっておらぬと思うのです。あれは国会の方でおきめになるものと承知しております。
  9. 松山義雄

    松山委員長 ちょっと速記をとめて   〔速記中止
  10. 松山義雄

    松山委員長 速記を始めて。  両法案に対する質疑は次会に譲ることといたします。     —————————————
  11. 松山義雄

    松山委員長 これより国鉄予算について吉野運輸大臣より説明を聴取いたします。
  12. 吉野信次

    吉野国務大臣 昭和三十一年度日本国有鉄道予算概要について御説明申し上げます。  予算編成の基本についてでおりますか、収入におきましては今年度経済情勢の好転が引き続き来年もある程度持続するものと想定いたしまして、特に貨物収支を最大限に見積り、一方支出におきましては避けられない経費増加もありますので、極力合理化に努めまして、一応収支の均衡をはかったわけであります。  次に収入支出予算について損益資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。  損益勘定予算は、前年度予算基礎としまして編成いたしました。まず収入について申し上げますと、鉄道旅客輸送人員は対前年度増三・三%で三十八億七千万人、人キロでは九百十二億八千万人キロといたし、旅客収入一千三百二十一億円を見込みました。また鉄道貨物輸送トン数は対前年度増大・四%で一億六千七百万トン、トン・キロでは四百四十三億八千万トン・キロといたし、貨物収入一千二百八億円を見込んでおります。これら旅客貨物輸送に要する列車キロは三億七千五百万キロで、対前年度八・七%の増加とはっております。以上の旅客貨物収入のほか、雑収入等を合せまして二千七百二十二億円の収入を見込んでおります。次に経営費について見ますと、人件費につきましては昭和三十一年度昇給を見込んで算出いたしておりますが、このほかに期末手当一・五ヵ月分、奨励手当半ヵ月分、休職者給与等を見込んでおりまして、給与の額は一千五十一億円となっております。また物件費関係につきましては、動力費の大宗であります石炭費として二百八十八億円、修繕費として五百四十八億円、その池業務費等合せまして経営総額二十二百八十八億円であります。以上の諸経費のほかに資本勘定への繰り入れ三日二億円、利子百二十二億円予備費二十億円を合せまして、損益勘定支出合計は二千七百三十二億円となっております。次に資本勘定について申し上げます。先ほど申し上げました損益勘定より受け入れます三百二億円、資金運用部よりの借入金五十五億円、鉄道債券発行による二百五十億円、不用施設等売却による三億円、合計六百十億円を収入として計上いたし、このうち五百八十三億円を工事勘定繰り入れることにいたしております。このほか、借入金償還としての二十五億円は、前年度同様資金運用部よりの借入金年賦償還額並びに既発行鉄道債券の一部の償還に充てられるものであり、出資としての二億円は、帝都高速度交通営団増資に伴うものであります。  次に工事勘定について申し上げます。その内容について申し上げますと、まず新線建設費についてでありますが、前年比二十五億円増の五十五億円を計上いたしております。電化設備につきましては、現在施行中の浜松路路電化工事を引き続いて行うため三十一億円を計上いたしております。なお米原−大阪間は三十一年十月開通予定でございます。また新たに東北線、北陸線の電化工事費として十億円、これに伴う電気機関車五十六両、三十七億円、その他工事費として二億円、合計八十億円を計上しております。通勤輸送力緩和対策として、京浜、山手線分離工事に九億円、その他中央線大阪付近等に二十二億円、電車増備百五十両、二十六億円、合計五十七億円を計上しております。以上のほか諸施設の取りかえに百五十億円、車両の取りかえ百三十億円、総係費を含めまして支出合計は五百八十三億円となっております。これらに要します財源としましては、さき資本勘定の御説明の際申し上げました通り資本勘定より五百八十三億を受け入れてこれに充てることにいたしております。なお以上の諸計画実施に要します職員数は四十四万七千七百二十五人でありまして、給与総額といたしましては、休職者給与をも含めまして合計一千二百六十六億円を計上いたしております。  以上御説明申し上げました日本国有鉄道予算は、今後の経済界の動向にもよりますが、これに盛られました予定収入を上げますには、格段の努力が必要があろうと考えられますし、また工事計画もより一層のサービス改善輸送近代化のためには、決して十分とは申しがたいのでありますが、日本経済の安定に資するため、公共企業体としてより一そう能率直上をはかり、サービス改善に努めますとともに、さらに経営合理化を行いまして経費の節減に努力いたすよう指導監督をいたしたい所存でございます。  以上昭和三十一年度日本国有鉄予算の大綱につきまして御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上御承認あらんことをお願いいたします。
  13. 松山義雄

    松山委員長 なお国鉄予算について、運輸省植田監督局長より補足説明を求めます。
  14. 植田純一

    植田政府委員 お手元にお配りいたしております日本国有鉄道予算参考資料という横書きの資料によりまして、補足説明を申し上げたいと思います。三十一年度日本国有鉄道予算の全貌は、この表の二ページにある第一表の通りでございます。運輸収入基礎となっております輸送量でありますが、旅客輸送人員は、この右の摘要欄にございますように三十八億七千万人、これは前年度に比べまし三二・三%の増を見込んでおります。また貨物輸送トン数は一億六千七百万トンでありまして、前年度に比べまして六・四%増を見込んでおりますが、これによりまして運輸収入は二千六百四十四億円、前年度に比しまして百五十二億円の増収を見込んでおります。旅客収入におきましては、輸送人員増加に伴う増収が三十二億円、それから貨物収入におきましては、鉱工業生産指数の上昇、輸出の活発化等、今年度の下期の状態が三十一年度におきましても持続いたしますといたしまして貨物輸送トン数増加を先ほど申しましたように見込みまして金額にいたしまして百十九億円の増加を見込んでおるわけでありますが、この収入合計二千六百四十四億円、この運輸収入の確保につきましては、格別の努力を要すると考えておるわけであります。なお雑収入につきましては、第一表にもございますように、本年度に比べまして約九億四千万円の増加を見込みまして、八十七億円を計上いたしております。このほか政府会計よりの受け入れ、これは鉱害復旧関係政府会計からの繰り入れでありますが、これを見込みまして収入合計は二千七百三十二億円でございます。  これを財源といたしまして損益勘定支出に充てるわけでありますが、経営費が二千二百八十八億円のほか、利子及び債務取扱い諸費百十二億円、資本勘定への繰り入れ三百二億円、予備費二十億円、こういうふうに計上いたしておりまして、この経費内訳は一ページ飛びまして第三表に示してございます。すなわち給与につきましては、前年度予算単価に三十一年度中の昇給を見込みまして積算いたしました。また人員は前年度同様、損益勘定におきましては三十七万三千九百十八人でございす。全勘定におきましては四十四万七千人でございます。なお期末手当といたしましては基本給の一・五ヵ月分、奨励手当といたしまして〇・五ヵ月、このほか休職者給与等合せまして、給与総額損益勘定におきまして千五十一億円でございます。物件費のうち、おもなものといたしましては、動力費が三百五十六億円、費が五百四十八億円でございまして、以上の経営費合計は、先ほど申しましたように二千二百八十八億円でございます。このほかに資本勘定べの繰り入れが、これも先ほど申しましたが三百二億円、利子及び債務取扱い諸費が百二十二億円、及び予備費が二十億円、合計が二千七百三十二億円でありまして、損益勘定収入と見合っておるようなわけでございます。  次の第四表は、資本勘定内訳表でございます。損益勘定からの受け入れが三百二億円でありますが、そのほかに不用施設等売却、これが三億円の収入を見込んでおります。そのほか外部資金といたしまして、鉄道債券発行による収入が二百五十億円、このうち公募が二百四十億円でありまして、利用鉄道債券が十億円、合計二百五十億円であります。また資金運用部からの借入金が五十五億円でございまして、合計資本勘定収入全体は六百十億円であります。三十年度に比べますと、鉄道債券外部資金におきまして相当ふえておりまして、約六十九億円の増となっております。これに対しましてこの資本勘定支出といたしましては、このうち五百八十三億七千万円を工事勘定繰り入れまして、諸般の工事に充てるわけであります。そのほか出資は、ただいま大臣の御説明にもありましたように、帝都高速度交通営団増資に充てるための出資が二億円、それから借入金等償還が二十一億五千万円でございまして、合計が六百十億円、資本勘定収支が合っておるわけであります。次にこの資本勘定から繰り入れました五百八十三億円の工事経費内訳が川五表でございます。新線建設五十五億円、通勤輸送五十七億円、幹線輸送強化が二十六億円、幹線電化が八十億品、交流電化が二億五千万円、ディ一ゼル動車が十四億七千五百万円、車両増備が八億円、関連工事が十億円、これはいわゆる利用債によりまして都市計画等実施に関連して施行する工事の額でございます。取りかえ及び諸改良が二百八十億円、それから総係費が四十九億四千万円、合計五百八十三億円という工事経費内訳となっておるわけであります。なお、それぞれ工事経費内容の大ざっぱなものにつきましては、摘要欄に示してございます。また先ほど大臣から御説明がありました通りでございます。  なお第二表は、以上の収入支出予算勘定別に項に区別いたしまして表わしたものでございます。  以上この資料につきまして補足説明を申し上げた次第でございます。
  15. 正木清

    正木委員 委員長に三十一年度日本国有鉄道予算審議するための参考資料を要求したいと思います。一つは三十年度、現年度の、実際に作ることができるのであるならば、十二月ごろまでのものを望むのですが、貸借対照表並びに損益計算書を出してもらいたい。第二点は、国鉄政府から多額の借入金をやっておるわけですが、それの年度借り入れ金額、それから支払い年度別償還計画、それから借入金に伴う年度別利子総額、この二つをさしあたって参考資料として当委員会に御提出を願いたいと思いますが、ただ委員長を通じて当局からお聞きをしたいことは、実際問題として十二月末の貸借対照表なり損益計算書がで、きるかどうか。できなければ、無理にお願いをしても仕方がありませんか、できておるか。できるとすれば何月ごろまでのものが御提出願えるか。
  16. 石井照正

    ○石井説明員 損益計算書並びに貸借対照表は、毎月試算をいたしております。これはただ現場からの報告の累積だけでございまして、それだけでは全部がつかめないわけでございます。と申しますのは、中央で保留して操作しておるのが入っていないわけでございます。それを加えて計算してやらなければほんとうの表にできませんので、十二月ということを私今自信をもってお引き受けいたしかねますが、できるだけ最近の時点をとらえたものを作ってお目にかけることでお許しを願いたいと思います。
  17. 正木清

    正木委員 委員長に御理解を願えれば大へんけっこうだと思うのですが、本年度予算説明の中でも、非常な努力を要するものと考えられる、こういうように非常に大事をとって実は説明に当っておるわけなんです。私どもの受ける感じはまさにその通りだと思うのです。そこで実はこの予算の仕組みというものは、三十年度の当初予算と対比してのパーセンテージの表わし方なので、実際に三十年度は非常な皆さん方の御努力で実績は上っておるそうでございますが、ひとまず私個人としては全体として相当不安の点もありますので、ぜひ相当的確な資料を出していただいて、参考資料にさしていただきたいという点でございます。  それからもう一つは、委員長を通じて確かめておきたいと思うのですが、私国鉄の電化五カ年計画資料はもらったのですが、あの中に資金計画の具体的な計画案というものが載っておるのかどうか。載っておるとすれば資料はちょうだいしなくてもけっこうですが資金計画というものが載っていなければ、電化五カ年計画の資金計画と関連する一切の資料を出していただきませんと、この三十一年度予算案というものは審議が非常に骨になると考えます。  それからもう一点は、これは運輸省に要求したいと思うのですが、幸い運輸省国鉄経営改善のために経営調査会をお作りになって、すでに大臣にはその答申が出たと承わっております、そこでこれも資料として、答申及びその委員会においてなされた答申の内容説明書、この二つを当委員会へ御提出を願いたい。
  18. 石井照正

    ○石井説明員 電化五カ年計画につきましては、すでにお手元にお配り申し上げてございますが、資金計画もその中に掲げてございます。  それから先ほどお話がございましたが、正木先生のお話を承わっおりますと、今年度全体の見通しがついた表でないと御参考にならないのじゃないかという感じがいたすわけでございます。それで御要求の趣旨は、実績をわかるだけ現在に近い限度においてとって、そうして年度一ぱいの推算的な要素も加えたものを、ごらんに入れた方が、かえって御理解がしやすいのじゃないかと思いますので………。
  19. 松山義雄

    松山委員長 それでは資料はそういうふうに取り寄せます。  この際十河国鉄総裁より発言を求められておりますので、これを許します。
  20. 十河信二

    ○十河説明員 予算の全般につきましては、先ほど運輸大臣から、いろいろ御説明があり、また補足説明もありましたので省略いたしまして、私から皆さんにお願いを申し上げたいとを一言つけ加えさせていただきたいと思います。  三十一年度予算におきましては、財政の根本的立て直しをはかりたく考えまして、経費の節約、合理化等、種々努力をいたしましたが、収支の間に、先刻も御指摘のありましたように、均衡をとってはおりますが、相当骨が折れるということをわれわれも覚悟いたしております。懸命の努力をして皆さんの御期待に沿うようにいたしたいと考えております。この予算におきまして特に痛感されますことは、皆さんも御承知の通り、減価償却費の額が非常に少いという点であります。その結果老朽施設の取りかえ資金も十分でありません。また外部資金の調達も相当ふえております。これにも努力も要しますし、またこういう状態はそう長く続けることができないのじゃないか。現下の施設の状況にかんがみまして、こういう状態をそう長く続けておっては、輸送上いろいろな支障を来たすのではないかと考えますので、皆さんの特に御配慮をいただいてそういう点の改善をはかりたい、こう考えております。また国鉄経営改善いたしますために積極的な・万策といたしまして、私は大体大きく電化とディーゼル化というものを取り上げているのであります。皆さんの御理解を得まして、三十一年度予算にも、きわめて不十分ではありますが、ともかくもこの規模の予算でこれだけ計上することができたということは、全く皆さんの御支援のたまものだと感謝いたしておる次第であります。しかしながら私どもの希望とは相当隔たりがあります。なおこの点についても皆さんの御理解と御支援をお願い申し上げたいと思います。  国鉄の業務運営の改善につきましても、先刻もお話がありましたように、運輸省で設けられました経営調査会の御答申もあります。また行政管理庁の御意見もあります。国会は申すに及ばず、国民の皆さんからのいろいろな御意見も取り入れまして、今後一そう経営合理化サービス改善努力する覚悟であります。何とぞ皆さんの一段と御同情ある御支援をお願い申し上げたいと存じます。
  21. 松山義雄

    松山委員長 本日はこれをもって散会いたします。   午後二時四十九分散会