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1956-02-03 第24回国会 衆議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月三日(金曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 松山 義雄君    理事 今松 治郎君 理事 臼井 莊一君    理事 木村 俊夫君 理事 山本 友一君    理事 青野 武一君 理事 中居英太郎君       生田 宏一君    伊藤 郷一君       岡崎 英城君    堀内 一雄君       眞鍋 儀十君  早稻田柳右エ門君       池田 禎治君    下平 正一君       田中幾三郎君    西尾 末廣君       正木  清君    松岡 駒吉君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 吉野 信次君  出席政府委員         運輸政務次官  伊能繁次郎君         運輸事務官         (海運局長)  粟澤 一男君         運 輸 技 官         (船舶局長)  山下 正雄君         運輸事務官         (船員局長)  安西 正道君         運輸技官         (港湾局長)  天埜 良吉君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      植田 純一君         運輸事務官         (自動車局長) 眞田  登君         運輸事務官         (航空局長)  荒木茂久二君         運輸事務官         (観光局長)  間島大治郎君         海上保安庁長官 島居辰次郎君  委員外出席者         運輸事務官         (中央気象台         総務部長)   吉村 順一君         専  門  員 志鎌 一之君     ―――――――――――――  昭和三十年十二月二十三日  委員大西正道君、栗原俊夫君及び竹谷源太郎君  辞任につき、その補欠として西尾末廣君、川島  金次君及び松岡駒吉君が議長指名委員に選  任された。 昭和三十一年二月三日  委員山口丈太郎辞任につき、その補欠として  田中幾三郎君が議長指名委員に選任され  た。     ―――――――――――――  一月二十七日  港湾整備予算算額等に関する請願柳田秀一紹介)(第二号)  滝湾及び羽咋港の港湾整備費増額に関する請願南好雄紹介)(第九号)  青梅線複線化等に関する請願木崎茂男紹介)(第一〇号)  北海道南部西海岸線国営自動車運輸開始請願伊藤郷一君紹介)(第一一号)  同(田中正巳紹介)(第二一号)  同(小平忠紹介)(第六二号)  京都市内東海道本線高架式に改築の請願田中伊三次君外一名紹介)(第二二号)  同(小川半次紹介)(第二三号)  石勝線敷設請願松浦周太郎紹介)(第二四号)  新潟海岸決壊防止工事費全額国庫負担に関する請願外一件(渡邊良夫紹介)(第四四号)  同外一件(大島秀一君外二名紹介)(第八〇号)  長野県陸運事務所松本出張所設置に関する請願原茂紹介)(第八六号)  同(下平正一紹介)(第八七号)  屑物類鉄道等級運賃引下げに関する請願加藤鐐五郎君外一名紹介)(第一一七号)  国電駒込駅舎建設促進に関する請願中村梅吉紹介)(第一一八号)  伊豆長岡地区関東乗合自動車株式会社経営  免許申請反対に関する請願外一件(中居英太郎紹介)(第一一九号) 同月三十一日  唐津市、呼子町間の鉄道敷設に関する請願保利茂紹介)(第一四三号)  東山隧道東口付近停車場設置請願田中伊三次君紹介)(第一四四号)  西鹿児島駅の本駅化に関する請願床次徳二君外一名紹介)(第一七三号)  道路運送法の一部改正に関する請願灘尾弘吉紹介)(第一七四号)  同(細迫兼光紹介)(第一七五号)  同(柳田秀一紹介)(第二〇六号)  桜島火山観測整備に関する請願池田清志紹介)(第二〇五号)  唐津市、呼子町間の鉄道敷設に関する請願井手以誠君紹介)(第二〇七号)  山野線デイゼルカー運転請願池田清志紹介)(第二〇八号)  肥薩線並びに山野線デイゼルカー運転等請願池田清志紹介)(第二〇九号)  宮之城線にデイゼルカー運転請願池田清志紹介)(第二一〇号)  肥薩線隼人、吉松両駅間に列車増発請願池田清志紹介)(第二一一号) の審査を本委員会に付託された。  一月三十日  氷見、羽咋間の鉄道敷設に関する陳情書(第三一号)  民間航空運送事業保護育成に関する陳情書(第三二号)  第十二玉栄丸の捜索に関する陳情書(第七八号)  古川駅起点循環路線国営自動車運輸開始陳情書(第八〇号)  野沢、会津西方両駅間の鉄道敷設に関する陳情書(第八一号)  海上物品運送特別法制定に関する陳情書(第八二号)  国鉄御徒駅南口開設計画調査に関する陳情書(第八三号)  有田駅、舞相間に国営自動車運転等陳情書(第八五号)  急行列車高千穂号客車増結運転に関する陳情書(第八六号)  松山空港解説に関する陳情書(第八七号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十一年度運輸省関係予算に関する説明聴取     ―――――――――――――
  2. 松山義雄

    松山委員長 これより運輸委員会を開会いたします。  去る二十一日の理事会において御決定いただきましたごとく、本日は運輸省関係予算について政府本より説明を聴取いたすことにいたします。  本日はまず運輸大臣より総括説明を聴取し、続いて各局長より所管予算について御説明を願います。
  3. 吉野信次

    吉野国務大臣 詳細なことはお手元に差し上げました資料によってごらん願いたいと存じますが、三十一年度運輸省所管予算につきまして大体のことをお話し申し上げたいと思います。  まず歳入予算でありますが、総額は六億三千七百八十六万二千円でございまして、前年度予算額の九億九千百九十二万五千円に比べますと、三億五千四百七万三千円の減少となっておりますが、この主な理由は、公共事業費負担金地方公共団体負担金の納付の特例に関する法律改正によりまして、地方債の証券により納付されることになって等のためであります。  次に歳出予算についてご説明いたします。当省の昭和三十一年度予定経費要求総額は二百四十四億六千三百八十万円でありまして、これを前年度予算額二百四十四億三千八百二十九万六千円に比べますと、二千五百五十万四千円の増加となっております。  以下そのおもな経費について御説明申し上げます。  まず第一に外航船舶建造融資利子補給に要する経費として三十一億三千二百八十万円を計上しましたが、これは三十年度以前の計画造船に対する既定の利子補給及び三十一年度の第十二次計画造船に対する利子補給を行うための経費であります。第十二次計画造船につきましては、日本開発銀行市中金融機関との融資比率を五対五の割合といたしまして、開銀資金百二十七億円をもって貨物船十六万五千総トンタンカー五万五千総トン、計二十二万総トン建造する計画でありますが、開銀回収金増加等によりまして貸付原資余裕を生ずる場合には、−昭和三十一年度内に三十万総トンに達するまで建造をはかりたいという所存でございます。なお三十一年度建造分に対する利子補給契約限度額十三億四千六十二万六千円及び損失補償契約限度額三十五億五千六百七十万五千円を国庫債務負担行為として計上いたしました。  第二は国際航空事業補助に必要な経費として三億二千五百九十三万円を計上しましたが、御承知のように日本航空株式会社は創業以来まだ日浅く、その経営内容を見ますと、国際線については操縦士外国人をもって満たしている関係上、人件費が相当膨張し、また航空機の購入資金を初め多大の借入金を背負っておりましてその利子負担相当額に上る等きわめて苦しい経理状態でございまして、国が何らかの助成策を購じない限り、各国との競争に立ちおくれ、これによる外貨の収入も望めず、ひいては日本航空界の将来に暗影を投ずる結果となるものと考えられるのでございます。そこで政府といたしましては、本年度も引き続き前述の補助金を交付いたしまして、本事業の健全なる発展をはかろうと意図している次第でございます。なお以上のほか日本航空株式会社に対する政府出資として、前年と同額の十億円を大蔵省所管産業投資特別会計中に計上しております。  第三は国際観光事業振興に必要な経費として八千万円を計上しましたが、海外からの観光客は年々増加傾向にある現状より見まして、さらにこの誘致を推進し、これによる外貨の増収をはかることがきわめて必要と考えられますので、財団法人国際観光協会に対し、その海外観光宣伝事務所関係の費用に充てるため補助金を交付して、わが国国際観光事業飛躍的進展をはかろうとするものであります。  以上の第一から第三までの経費は、いずれも外貨獲得ないし国際収支改善目的とした施策に要する経費でございますが、第四にこれと同種類の経費といたしまして船舶車両等輸出振興に必要な経費通産省所管貿易振興費の中に含まれて計上されております。これは輸出船舶等海外サービス機関及び鉄道信号保安装置モデルプラント設置に対し補助しようとするものでございます。  次に国内輸送力整備に関する経費について申し上げますが、第五に地方鉄道軌道整備補助に必要な経費として一千七百十万円を計上しました。これは地方鉄道軌道整備法によりまして、天然資源開発等のため特に重要な地方鉄道新設及びその運輸が継続されなければ、国民生活に著しい障害を生ずるおそれのある老朽地方鉄道維持に対し、補助するため必要な経費であります。  第六は鉄道鉱害復旧事業に必要な経費として九千三百八十一万四千円を計上しましたが、これは三十年度に引き続き特別鉱害復旧臨時措置法に基き、戦時中の石炭乱掘による鉄道被害復旧を促進するため、日本国有鉄道の北九州における鉱害復旧経費補助するとともに、三十一年度より新たに臨時石炭鉱害復旧措置法に基き、特別鉱害以外の一般鉱害による鉄道被害復旧につき同様の補助を行うためのものであります。なお木事業は、炭鉱地帯失業対策事業としての性格をも有するものであります。  第七は戦傷病者等日本国有鉄道無賃乗車船費国庫負担に必要な経費として三千六百五十二万七千円を計上しましたが、これは戦傷病者等日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律に基き、日本国有鉄道鉄道及び連絡船に乗車船する戦傷病者等運賃について国が負担する経費と、その事務地方公共団体に委託するため必要な経費等であります。  第八は離島航路整備補助に必要な経費として三千七百十一万九千円を計上しましたが、これは離島航路整備法に基きまして、離島航路用船舶建造または改造資金融資に対し、利子補給を行うための経費及び性質経営が困難な離島航路事業であって国が特に維持を必要と認めるものに、航路補助金を交付するために必要な経費であります。  第九は空港整備事業に必要な経費として、一億五千八百四十三万三千円を計上しましたが、その内訳は、東京国際空港駐機場新設に必要な経費として五千万円、小型機用飛行場整備に必要な経費として、九百四十三万三千円、国内航空用空港整備に必要な経費として、九千九百万円となっております。これらの経費空港整備事業性格にかんがみまして、三十一年度より公共事業費中に計上するごとといたしましたが、このうち特に国内航空用空港整備は、文化の発展とともに緊急の必要事となって参りましたので、今国会に空港整備法を提案し、あわせて御審議をお願いしたいと考えている次第でございます。  第十は航空交通管制官の養成に必要な経費として百十三万六千円を計上しましたが、これは現在、在日米軍が行なっている航空交通管制業務を早急に日本側で自主的に運営し得るよう、前年度に引き続き航空交通管制官六十名を養成するため必要な経費であります。  第十一は港湾関係でありますが、本年度要求額は、港湾事業に要する経費として三十六億五千百五十万円、港湾災害関連事業に要する経費として、五億四千九百四十一万五千円、港湾災害復旧事業に要する経費として、二十億五千百九十九万五千円、港湾事業附帯事務費として八千四十七万円、合計六十三億三千三百三十八万円を計上しましたが、これらはいずれも貿易振興輸送力の増強を裏づける港湾施設整備拡充するためのものであります。また災害関係予算は、昭和三十年以前の災害による港湾施設復旧を行おうとするものであります。なお、このほかに北海道港湾事業費七億八千九百万円を総理府所管に、特別失業対策事業費四億五千万円を労働省所管に計上しておりますが、これらの経費を加えますと、港湾整備のための経費総額は七十五億七千二百三十八万円となります。  次に災害防止交通安全確保施策に関連する経費について申し上げますと、第十二に海上保安庁関係経費として六十億九千七百十一万九千円を計上いたしております。このうちおもな経費を申し上げますと、警備救難態勢整備に要する経費として二億二千四百八万八千円、水路業務強化に要する経費として二百三十六万八千円、航路標識整備に要する経費として二億九百六十七万三千円等であります。これらの経費海上保安業務重要性にかんがみ、その強化をはかるため、老朽巡視船の代替として三百五十トン型巡視船建造するとともに、巡視船基地施設及びロラン局を初めとする航路標識整備を行う等のためのものであります。  第十三は自動車損害賠償責任保険特別会計への繰り入れに必要な経費として四千十八万三千円を計上いたしました。これは自動車損害賠償保障法に基き、年々累増する自動車事故による損害賠償を保障する制度を確立するため、自動車所有者及び使用者責任保険を強制し、政府はその六割を再保険するとともに、ひき逃げ事故による加害者不明の事故の場合も救済の道を確保しようとするものでありまして、その事務費及び加害者不明の事故の場合に支払われる保障金の一部を国が負担しようとするものであります。なお、自動車損害賠償責任保険特別会計予算としては、歳入歳出とも二十億五千七百五十八万四千円を計上しております。  第十四は気象業務整備でありますが、本年度気象官署としての要求額は二十六億二千五百八十万九千円でありまして、このうちおもなものは、上高層気象観測業務整備に要する経費として二億二千六十万四千、予報通信業務整備に要する経費として一千百四十七万二千円、海洋気象観測業務整備に要する経費として四百二十万円、水理水害対策気象業務整備に要する経費として二億四千四十一万六千円、航空気象業務整備に要する経費として一千五百七万六千円などであります。これらは台風等により年々こうむっております莫大な災害を、観測の的確と予報業務敏速化とにより最小限度にとどめ、また水資源利用高度化をはかる等の目的をもって、気象観測施設通信施設等整備を実施するために必要なものであります。  第十五に船員教育関係経費といたしまして、航海訓練所における練習船整備遠洋航海の拡充に必要な経費  一億二千四百四十一万三千円を計上しましたが、これは進徳丸の改修に要する経費商船大学および商船高等学校実習生に対し、年一回遠洋航海を実施するための経費であります。  以上が当省所管関係昭和三十一年度予算の概要でございますが、何とど御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  4. 松山義雄

  5. 栗澤一男

    栗澤政府委員 海運関係予算につきまして御説明を申し上げます。  第一点は外航船舶建造融資利子補給及び損失補償であります。この外航船建造融資利子補給並びに損失補償制度は、外航船舶建造資金融資いたします金融機関に国家が利子補給をし、またそれに損失補償をすることによりまして、海運会社利子負担の軽減をはかって、その国際競争力を増強し、外航船舶建造を促進して、わが国海運の健全な発達をはかることを目的とするという制度でございまして、昭和二十八年法律第一号、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び昭和二十八年法律第百五十号、臨時船質等改善助成利子補給法、この二つの法律に基きまして、昭和二十八年から実施されているものでございます。本年度予算といたしましては、利子補給金が三十一億三千二百八十万円、昨年度に比べまして三億七千三百万円ほど減少いたしております。それから同じく利子補給契約を結ぶ限度額といたしましては十三億四千六十二万六千円、これは昨年度に比べまして二億九千三百八十九万二千円の増額でございます。次に損失補償契約を結ぶ限度額は三十五億五千六百七十万五千円、これは昨年度より二十四億一千四百万五千円増額になっております。  以下この内容及びその増減等の事情につきまして申し上げます。まず利子補給でございますが、金融機関通常融資利率、これは金融機関によりまして日歩三銭一厘から二銭八厘くらいまでの差がございます。その当該金融機関通常融資利率と年五分との差額範囲内で補給するということで、利子補給法の第五条に定められておりまして、従来は大体六分程度の利子補給を行なっております。昭和三十一年度におきましては、最近の金利低下傾向にかんがみまして、まず昭和三十一年一月一日からは日歩二厘を現実に引き下げております。さらにこれを今年の六月一日から一厘引き下げまして、今までより三厘引き下げるということを期待いたしまして、それと同時に十二次船につきましては、三厘引き下げました市中金利と年三分との差額の二分の一を利子補給するということにいたしまして、従来はその差額全額を補給しておりましたが、十二次船につきましては二分の一利子補給するということにいたしました。これらの総計三十一億二千二百十万円というものを一計上した次第でございます。なおこのほかに先ほど申し上げました船質改善利子補給が一千七十万円ございますが、総計いたしまして、外航船利子補給金は三十一億三千二百八十万円ということになるわけでございます。その各次船別内訳は、お手元参考資料にございます通りでございます。  次に利子補給限度額でございますが、利子補給法第四条で、補給金総額予算で定める金額をこえてはならないものとされておりますので、この限度額年割りにいたしまして、お手元の表にございますように、三十一年から始まりまして三十七年まで総計十三億四千六十二万六千円というものが、この契約を結び得る限度額ということに定められております。  次に損失補償契約を結ぶ限度額でございます。これは利子補給法第九条によりまして、市中金融機関融資総額の百分の三十に相当する金額をこえてはならないということになっております。市中融資総額が百十八億五千五百六十八万三千円ということになっておりますが、その百分の三十、三十五億五千六百七十万五千円というものが十二次船の三十一年度契約を結び得る限度額になるわけでございます。  次に三十一年度の新造船建造計画でございますが、開発銀行融資いたします財政資金船価平均五割ということにいたしまして、全部平均いたしまして年度内に進水するという建前にいたしております。これは造船金額を払います場合に、契約で四分の一、起工で四分の一、進水で四分の一、就航で四分の一というふうに四回払いになっておりますので、この進水までの三回分を本年度中に払うということを平均で計算いたしたのでございます。従いまして三十一年度財政資金総額は、昨年の十一次船の残額三十八億円を加えまして、全部で百十八億円というのが本年度財政資金予定でございます。これに市中資金の百十八億円を加えまして外航船舶は二十二万トン建造するというように計画いたしております。その内訳貨物船が十六万五千トンタンカーが五万五千トンという計画にいたしております。なお開発銀行回収金増加等によりまして貸付原資余裕を生ずる場合には、二十二万トンの上にさらに八万トン、三十万総トンに達するまでは建造したいという計画になっております。第二に離島航路整備補助に必要な経費について御説明申し上げます。まず離島航路補助金でございますが、これは昭和二十七年法律第二百二十六号、離島航路整備法第三条に基いているものでございますが、公益上必要な離島最小限度輸送を確保するために、航路性質経営が困難な離島航路事業者に対しましてその欠損の一部を補てんする経費ということになっております。大体原則としまして、その離島にはその航路以外に交通機関がないというものを選定し、その航路が陸上で申しますと国道または都道府県道に相当するような重要な海上交通機能を有すること、またその航路によりまして郵便物あるいは生活必需物資輸送されているということ、また都道府県からそういう重要性を認められて補助金が交付されているということを選定の基準といたしまして、大体今まで航路補助金を出しております。これは三十年度におきまして二十八事業者、三十八航路補助しておりましたが、三十一年度におきましてはさらに三事業者、三航路を加えまして、事業者の数で三十一、航路数で四十一航路補助いたしたいと考えているわけでございます。次に離島航路船舶建造及び改造資金融資につきましては利子補給ができるという制度がございまして、船舶建造につきましては元本を二カ年据え置いて、自後八カ年の年賦均等償還船舶改造につきましては一カ年据え置きまして、以後四年間の年賦均等償還の条件で計算いたしました場合における各年度融資残高に対しまして年四分の割合で計算いたしました利子金額をこえない範囲内で利子補給をするということにいたしております。二十七年度から始めておりますので、三十年度までの継続分がございます。さらにこれに加えまして、三十一年度には新たな建造といたしまして三隻を予定し、これらを予算化しまして、お手元にございますような各年度分利子補給金を積算いたしました合計六百九十二万五千円というものが、三十一年度利子補給予算金額に相なる次第でございます。  なお三十一年度に新規計画いたしております新造船は、お手元の方にございますように新潟両津航路、博多−壱岐−対馬航路、名瀬−奄美各島航路の三航路予定でございます。  以上海運関係の御説明を終ります。
  6. 松山義雄

  7. 山下正雄

    山下政府委員 船舶局関係重要事項等につきまして御説明申し上げます。輸出船舶等海外アフターサービス機関設置についてという資料を出しておりますが、船舶わが国の最も重要な輸出品の一つでございまして、その輸出実績プラント輸出の全体のワクの九十%を占めている次第でございまして、繊維及び鉄鋼と並びまして外貨獲得の上に大きな貢献をいたしております。すなわち昭和二十九年度におきまして総トン数五十八万総トン金額にいたしまして約一億三千万ドルの輸出契約実績を上げております。昭和三十年度に入りましてその実績はさらに急に伸びまして、本年一月末までにすでに前年度の三倍を上回る約百七十九万総トン金額にいたしまして約四億二千万ドルに達しておりまして、本年度末の予想といたしましては約五億ドルに上るというような予想をいたしております。しかもその輸出先はほとんど先進国でございまして、船舶優秀性につきましては欧米各国が広く認めているところでございます。  従いまして現在輸出船日本にも相当多く行われておりますけれども、やはり欧州諸国におきましても同様な事業がございましてますますこれらの各国との競争が激化する傾向でございます。従いましてこれに対処するために、船舶輸出国としましてのわが国の立場の不利を補い、輸出船舶の信用を維持するということが、今後の受注の持続をはかる上に非常に重要になってきておるのであります。すなわちわが国の輸出しております大型一船の活動の舞台である北米並びに小型船舶または小型の内燃機の輸出先であります東南アジアにおきまして、これらの船舶、機関の事故の防止、消耗品の補給、故障機械の修理、交換といいますか、アフターサービスを積極的に行う必要がありまして同時にこれらの市場の動向の把握ということ、それから既成市場の拡大ということをはかる必要があるわけでございます。このため、わが国造船及び関連工業の業界の機関によりまして、ニューヨーク及びバンコックに強力なアフターサービスを行う機関を作りたいというふうに計画をいたしておるわけでございます。しかしさしあたっては最も緊急性のありますニューヨーク市場をまず開きまして、そうして次に東西アジア方面のサービスを考えていきたい、こういうふうに考えております。  ニューヨークに作ります機関につきましては、大体こういうような考えを持っております。技術者を中心といたします若干名の構成員をもって、次のような仕事を行う予定でございます。ニューヨーク市場向け大型輸出船についての事故の防止、事故原因の調査及び消耗部品の交換という仕事でございます。それからこういう船につきまして、船主と国内メーカーとのいろいろの連絡あっせんをいたします。そのほか一般的のサービス業もいたします。それからそのほかにニューヨーク市場の動向の調査というようなものをいたしたいと思っております。  この運営に要します経費でございますが、この経費は業界が原則として負担いたしまするが、これに国が一部を補助するという建前でございまして、国が補助いたします補助金は、機関設置の初年度の調弁費及び事業運営費の一部を補助するというような考えでございます。この経費は通産省の所管貿易振興費の中に一括計上して予算を要求いたしております。  以上簡単でございますが、御説明といたします。
  8. 松山義雄

  9. 安西正道

    ○安西政府委員 船員局と航海訓練所のおもな項目につきまして御説明申し上げたいと思います。お手元に御配付申し上げております資料の五をごらん願いたいと存じます。  まず第一にILOの海事予備総会が来年度開催される予定になっております。わが国は一九五一年にILOに復帰いたしまして以来、毎年各種の会議に代表団を派遣いたしまして討議に参加するとともに、幾多の条約案の批准を行なって参っておりますが、一九五五年に常任理事国の地位を占め、国際労働界における重要性を認められるに至っております。海事関係につきましては、戦後昨年、失業補償関係、雇い入れ契約関係、最低年令に関する条約、健康検査に関する条約の四つの条約を批准いたしまして、合同海事委員会に船員側の委員を送っております。が、昨年のILOの理事会におきまして、一九五七年に海事総会を、また一九五六年に海事予備総会を招集することが決定されております。海事に関する総会は、一九四六年のシアトル総会以来十年ぶりでございまして、船員の賃金、労働時間及び定員に関する条約の全般的な改訂を初め、重要な問題が審議される予定になっております。予備総会にはわが国を含めまして、海事に特に利害関係を有しまする二十一カ国が参加いたしまして、実質的討議が行われるものでありますから、わが国が国際労働界と世界海運に占めております地位と役割とからいたしまして、この討議に参加いたしまして、完全な成果を上げるために代表団を派遣する必要があると考えております。  次に小型船舶職員の養成補助金についてでありまするが、小型船舶の海難事故は非常に多く、昭和二十九年度中に発生を見ました全海難のうち約九〇%が少型船舶の海難事故でございまして、多数の貴重な人命と約十億円に上る財産を喪失している状況であります。従ってこれらの防止をはかるためには、素質のすぐれた小型船舶職員を養成、確保する必要がありますので、ほかに正規の教育機関もございませんので、この目的の講習を行う者に対しまして必要な国庫補助を与えてこれを奨励し、昭和三十一年度におきまして、年間七千六百余名の職員を養成せしむる計画であります。これに要する経費といたしまして二百七十万円要求しておりますが、これは本年度予算と同額でございます。なおこの以外に漁船の船員の講習に要する経費といたしまして、農林省関係で相当の予算を要求いたしております。  次に航海訓練所予算でございまするが、これは先ほど大臣が御説明いたしましたように、練習船整備遠洋航海に要する経費と二つございます。練習船整備に要する経費といたしましては、進徳丸が大正十二年に建造されまして、船令が三十三年になっております。昭和二十年の七月に爆雷で沈没いたしまして二十二年の五月に引き揚げまして応急修理を施して現在に至ったものでありまするが、今後なお練習船として使用いたしまするために、外板、肋骨、縦通材等の一部を取りかえまするとともに、メイン・エンジンを改修いたしまして、補強工事を施すに必要な経費であります。この補強によりまして今後なお十年間の使用にたえ得る見込みであります。経費といたしましては八千五百八十五万円を計上いたしております。次に遠洋航海に要する経費であります。船員としての絶対要件であります慣海性、忍耐力、判断力とシーマン・シップの涵養をはかるとともに、船舶職員として必要な技術を修得せしめ、激烈な国際海運競争にたえ得る船員の賛成をはかることが必要と考えておりますが、お手元資料にございますように、本年は一部の学生に二回遠洋航海を実施したのでございますが、来年度は、商船大学、商船高等学校の航海科と機関科の実習生の大部分の生徒に対しまして、年四回の遠洋航海をいたしまして、少くとも一回は遠洋航海に参加するというようなことができるように、必要な経費を計上いたしておる次第でございます。以上でございます。
  10. 松山義雄

  11. 天埜良吉

    天埜政府委員 港湾関係公共事業費の三十一年度要求について申し上げます。  港湾取扱い貨物量の増大と入港船舶増加、特に船型増大の世界的な傾向に対処いたしまして、かつ港湾荷役の合理化をはかるために、まず外国貿易関係のある港湾整備する。特に横浜、神戸、名古屋、東京、関門の諸港を整備したい。次に工業原材料の輸送関係のある港湾整備して、産業の合理化に寄与したい。そのために苅田、宇部、松山、清水、八戸、秋田、新潟等の諸港を整備したい。次に港湾内における船舶災害を防止するため、防波堤等の外郭施設及び水域施設の整備を行なって、海難防止のための避難港の整備を促進したい。このために尻屋、名洗、御前崎、鼠ケ関、七類、輪島、大島等の諸港を整備したい。次には地盤沈下等に基く高潮の浸入と、海岸決壊から港湾を防禦して、かつ港湾施設自体の災害を未然に防止するための防災事業を促進したい。これは大阪泉南海岸、瀬戸内海の沿岸、新潟、門司等の諸港でございます。次には旅客輸送並びに海上輸送の安全をはかるために、離島、僻地の港湾を重点として、地方中小港湾整備していく。福江、厳原、西之表、安房、神津というような諸港でございます。それから、これは総理府の予算に計上されて、こちらへ移しかえになる分でございますが、北海道港湾については、特に北洋漁業の根拠地である諸港の整備を促進したい。函館、釧路、稚内、紋別、花咲等であります。それから港湾災害復旧事業については、原則として残事業の約四〇%を完成するように措置したい。なお労働省所管予算に計上されるはずでございますが、都市における失業者の増大に対応して、港湾事業のうち労務費の大きい事業を選んで、失業救済のため特別失業対策事業を実施したいというふうに要求をしております。  その要求額につきましては、港湾事業費として三十六億五千百五十万円、三十年度は三十六億三千四百九十七万円、千六百五十二万円の増でございます。直轄港湾改修費につきましては二十億五千六百万円、三十年度に比べて一億三千九百万円の増でございます。それから港湾災害関連事業費につきましては五億四千九百四十一万五千円、三十年度に比べて一千七百六十七万五千円の増でございます。次に港湾災害復旧事業費につきましては二十億五千百九十九万五千円、三十年度に比べて三千六百七十万一千円の減でございます。次に港湾事業附帯事務費でございますが、これは八千四十七万円、三十年度に比べまして三百二十二万一千円の増でございます。合計しまして公共事業費六十二億三千三百二十八万円の要求でありまして、三十年度に比べますと八百十七万五千円の減でございます。  北海道の港湾事業費につきましては七億八千九百万円、三十年度に比べて三千九百万円の増でございます。公共事業費合計いたしますと七十一億二千二百二十八万円、三十年度に比べまして三千八十二万五千円の増でございます。なお特別失業対策事業費の要求は四億五千万円でございまして、三十年度に比べて一億四千万円の増でございます。港湾関係事業費全体といたしましては七十五億七千二百三十八万円でございまして、三十年度に比べて一億七千八十二万五千円の増となっております。  各項目の各港湾につきましては、ただいまこの事業内容等について検討中でございますが、大体ただいま申し上げました通りで、お手元資料に大体のことを載せてございます。なお三十一年度はいずれ臨時措置の特別立法として審議されることと思いますが、公共事業費補助率が上るようにただいま大蔵省とも折衝中でございます。大体以上の通りでございます。
  12. 松山義雄

    松山委員長 次に植田鉄道監督局長。
  13. 植田純一

    ○植田政府委員 資料の番号七でございますが、鉄道監督局関係の御説明を申し上げます。  第一は地方鉄道軌道整備補助に必要な経費でございまして、千七百十万円でございます。この地方鉄道軌道整備法は、昭和二十八年の法律第百六十九号で制定されました法律でございまして、この法律に基きまして補助の対象となります地方鉄道は、天然資源の開発その他産業の振興上特に重要な新線、北海道を初めとしまして、国土総合開発計画上盛られておるような重要な新線、並びにそういう新線の運輸の確保、また災害の防止のための必要な大改良、このほか対象となりますのは、設備の維持が困難なために老朽化した地方鉄道であって、その運輸が継続されなければ国民生活に著しい障害を生ずるおそれのあるものということになっておりまして、この法律制定以後今日まで補助の対象といたしまして認定いたしました会社は十八社でございます。  次に鉄道鉱害復旧補助に必要な経費でございますが、これは二つに分れておりまして、鉄道特別鉱害復旧事業費の補助、それから鉄道一般鉱害復旧事業費の補助、この二つに分れております。第一の鉄道特別鉱害復旧事業補助は、特別鉱害復旧臨時措置法に基きまして、戦時中の石炭乱掘に伴いますところの鉱害復旧補助でございまして、これは昭和二十五年に法律が制定されまして、二十六年度から引き続き補助を実施いたしております。それで三十一年度におきましてこの要求額七千三百六万四千円、これでこの法律の対象といたしますところの鉱害復旧は全部完了する予定でございます。これは申し上げるまでもなく、炭鉱地帯失業者の就労対策費としての性格を持っておるわけであります。補助率は三十一年度におきましては、従来の八〇%を九〇%に引き上げまして、工事件数は十二線、十八件でございます。先ほど申しましたように、三十一年度におきまして復旧工事は完了いたすわけでございます。  次に鉄道一般鉱害復旧事業補助二千七十五万円、これはさきに申しました戦時中の石炭乱掘による鉱害復旧以外の一般の鉱害復旧を促進するための臨時石炭鉱害復旧措置法に基く補助でございまして実は三十一年度から初めて鉄道に対する補助が認められたわけでございます。補助率といたしましては復旧補助金の四〇%、そのほかに復旧事業団の事務経費といたしまして一・五%、これを合せまして要求額が二千七十五万円ということでございます。三十一年度におきましては工事件数十線、十三件を対象として考えております。  次に戦傷病者等無賃乗車船費負担に必要な経費でございますが、これはさきの国会で成立いたしました戦傷病者等日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律に基く経費でございます。この戦傷病者等の実態は厚生省が握っておりますし、また実際この実施の手続その他におきましては、都道府県にいわゆる証明書等の事務を委託しなければならぬということで、いろいろ事務折衝を重ねまして、ここにございますように要求額三千六百十三万七千円、このうち先ほど申しました都道府県に仕事を委託するための事務委託費七百六十一万円、その他負担金ということにいたしております。これは大体戦傷病の程度に応じまして三段階に分ちまして、それぞれの段階に応じまして十二回、六回、四回という乗車を認めるという考え方で進んでおるわけでございまして、四月一日実施を目標といたしております。  そのほか、輸出振興のための信号保安装置モデル・プラント輸出についてという資料を、実は本日追加といたしましてお手元にお配りいたしましたので、この点につきまして簡単に御説明を申し上げておきたいと思います。私どもの所管いたしております輸出振興といたしましては、鉄道車両があるのでありますが、プラント輸出といたしましては、船舶に次ぐ大きなウエートを持っておるわけであります。特に来年度施策といたしまして、お手元にお配りしてありますように鉄道信号保安装置のモデル・プラント輸出ということを考えておるわけであります。従来東南アジアの鉄道は、輸送量のそう多くないという関係もございますが、信号保安方式が非常に簡易であり、原始的でありまして、今後大いに改良する余地がある、しかもこれらの鉄道は、開発がだんだん進んでおりますので、信号保安装置は当然近い将来に改善をはかっていかなければならぬということが明らかなのであります。それで実は信号保安装置のモデルを、最もそういう必要に迫られておる関係の国に提供いたしまして、その国の信号保安装置の改良の場合に、全面的に日本の信号保安装置を使うようにしむけていくということを目的といたしまして、信号保安装置のモデル・プラントとして、タイ、カンボジア、インドネシア、大体この三国に電気信号の一組を設置するという考え方を持っておるわけでありまして、それに要します製作費の五〇%を国で補助したいという考え方でございます。この施策につきましては、船舶のアフターサービスと同じように、貿易振興のための経費といたしまして、通産省の経費の中に見込んである、かような状態でございます。  以上をもちまして、鉄道監督局説明を終ります。
  14. 松山義雄

  15. 眞田登

    ○眞田政府委員 自動車関係のおもな事項について御説明申し上げます。  その一つは自動車損害賠償保障法関係予算でございますが、この法律は昨年二十二国会で御審議願いましたものでございます。十二月一日から任意加入を開始いたしまして、この二月一日から強制加入ということで発足いたしております。ただし事務の都合と申しますか、加入関係の都合でこれを分けまして、二月一日、二月十一日、二月二十一日というふうに分けて、ただいま実施に入っておる段階でございます。この関係予算といたしましては、歳入歳出おのおの二十四億五千七百万円ということになっておりますが、この特別会計は三つに分れておりまして、保険勘定と保障勘定、業務勘定でございます。保険勘定と申しますのは、政府が行なっております再保険のための勘定でございまして、これが二十二億二千九百万円、これは再保険の関係で入って参ります収入が十七億五千万円、それからこの三十年度に開始いたしますので、その繰り越しのものが四億五千八百万円で、その他雑収等を合せまして二十二億という金になるわけでございます。それから保障勘定と申しますのは、御承知の通りのひき逃げ、その他無資格者が運転した、そういった場合に被害者の保護のためにする勘定でございますが、これが一億八千九百万円、これの内訳は保険勘定から受け入れますものが約四千万円、それから自家保障その他のものから受け入れますのがやはり四千万円、それから一般会計から出しますものが一千三百万円、それからもう一つ大きいのは実際に加害者等が見つかりましたときに回収しますもの、これは雑収として計上しておりますが、これが七千万円、これらを合せまして一億八千九百万円という勘定になるわけであります。業務勘定と申しますのは、これらの仕事をやりますために必要な事務経費でございまして、三千八百九十万円ということになっております。これらを合せまして歳入歳出二十四億五千七百万円ということになるわけであります。このうち国の負担いたしますのは、事務費の繰り入れとしての二千六百万円と、それから保障事業関係に国が負担いたします一千三百万円、合せて四千万円、こういうことになってございます。昨年度は二千六百万円が一般会計からの繰り入れでありまして——昨年度と申しますのは三十年度でありますが、三十一年度は四千万円、約一千三百八十万円程度の増となっております。  それから大臣の説明にはございませんでしたが、なお自動車関係として重要な事項について簡単にお話申し上げたいと思いますが、一つは東京−神戸間高速自動車道経済調査でございます。それは本年度も同じ予算をもらったのでございますが、来年度として四十八万五千円という予算を計上いたしております。これは現在の自動車の発達に伴って、どうしても高速の自動車道が要るということで、国会の方でも縦貫自動車道というものについて御提案になっておりますし、なおほかにも弾丸道路といいますか、東海道を通る自動車道の計画などもあるようでありますが、こういったものにつきましてわれわれといたしまして鉄道輸送の実態あるいは自動車輸送の実態をよく調べまして、今後そういった自動車道ができるとすれば、どういうことになるか、あるいはどういうような自動車道が望ましいかというふうなことについての研究をいたしたい、こういうことで予算を計上しておるわけでございます。  それからもう一つは、最近の自動車の発達に伴って、いろいろと自動車の使用が必ずしも適正でない、あるいは事故が続出しているということにつきまして、その根本に立ち入って、違法な使用を禁止し、また事故を防止したい、そういう意味で、ただいままでも多少はやっておったのでありますが、事業の監査を定期的に計画的にやりたい、そしてその事業の運営が適正であるかどうか、労務管理がうまくいっているかどうか、車両の点検その他について落度はないかどうか、そういったようなことについて、十分にその事業の根本を監査しまして、事故の防止と事業の適正な運営に資したい。そういう意味で、本省で約五十五万円、陸運局で五十万円、合せて約百万円程度の予算を計上いたしております。以上が自動車局として、来年度特に力を入れてやりたい仕事の概要でございます。
  16. 松山義雄

    松山委員長 次は荒木航空局長
  17. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 航空局関係について申し上げます。資料の九番目をごらんいただきたいと思います。  一は、国際航空事業補助に必要な経費でございますが、要求額三億二千五百九十三万円でございます。国際航空事業は、御存じのように非常に競争が激しく、また飛行機が日々進歩して参りまして、それに追随するために新型機の買い入れをしなければならぬという情勢にありますほかに、IATAと申しまして、世界の主要航空会社が組織を作って、ちょうど海の方の海運同盟に似たようなものを作っておりまして、そこで運賃が統一的に決定され、勝手にきめるというわけにも参りませんので、黒字への転化が容易でなく、諸外国においては政府出資、免税、補助金等の交付によって、助成措置をいたしているようでございます。わが国の航空事業は、御存じのように非常に立ちおくれており、日航の国際線のみに対して前年度に引き続き補助金を交付し、国際競争力を授けてやろうというわけでありまして、外国人を全部日本人に切りかえるということを建前といたしているわけでございます。現在ではまだそこまでいっておりませんが、日本人と外国人との場合を比較してみますと、給料が四倍、ある人によっては五倍という状態でありますので、その差額補助しようとするものであります。次は乗務員訓練費の補助でございますが、これが一億二千四百八十九万六千円、これは大型機も高性能になりますと、それに使えるためには、非稀な訓練を要するわけでございますが、その要する経費の五年償還ということで、既往のものの五分の一、当該年度の五分の一を合せた金額でございます。三番目は、航空機購入利子の補給でございますが、国際線のために便っております飛行機の購入資金のうち、年利が五分までは競争力があるだろうというわけで、それをこえます分について、差額補助しようとするものでございます。  次は空港整備事業に必要な経費要求額として一億五千八百四十三万三千円、ローカル飛行場の整備でございますが、これは御存じのように札幌から東京、福岡という幹線だけでありまして、地方の交通ということに対して、まだ航空はその使命を果していないのであります。従来この予算を要求して参ったのでございますが、今まではゼロでありまして、やっとことし十二億五千五百万円を要求いたしまして、一億円とれたわけでございます。その一億円のうち、百万円だけ設計費、事務費その他に回されまして、実際の整備費が九千九百万円でございます。三十一年度におきましては、要求額より非常に少いのでありまして、十分なことはもちろんできませんが、まず天気のよいときに飛行機が飛べる、発着ができるという状態まで持っていきたいと思いまして、稚内、高松、大村、熊本、鹿児島の飛行場を整備したいと考えております。次は東京国際空港の整備五千万円でございますが、これは現在駐機場が八つしかございませんので、夕方から飛行機が混雑して参りまして、同時に駐機し得ないではみ出すものがあって困るという状態でございますので、新たに舗装いたしまして二機分の駐機場を増設するわけであります。次は曽根飛行場の整備でございますが、これは九百四十三万三千円でございます。これは東京、大阪、北九州というようなところにおきましては、大きい飛行場に対しまして小型機のために補助飛行場を持つということが必要でございますので、その意味において今まで東京においては調布、大阪においては阪神というものを整備したのでございますが、今度は北九州の曽根を整備しまして、一応整備が整ったということに相なるわけでございます。  次は航空交通管制官等の養成に必要な経費でございますが、これはしばしば申し上げましたように空の交通整理でございまして、これがあることによりまして日航機が安全に正確に飛べることになっているわけであります。しかしこれは人員の訓練ができておりませんのと施設ができておりませんために、米国側との協定によりまして、目下米国側が行なっているわけでございます。日本側が人員、施設を整備してやれる力ができたと認定したときに、日本側に空の支配権を返してくれるという約束になっております。そこで今まで人員の整備をいたしますために年年人員をもらいまして、三十年度末までに二百四十四名の養成を完了する予定でございます。これらの訓練終了者は逐次米軍の管制局、入間川、福岡あるいは羽田、大阪、板付、千歳そのほか十カ所の管制塔に入れまして、実習とかあるいは試験に合格した有資格者は米軍勤務者と一緒に輪番に入って、業務に従事している次第でございます。しかしまだ日本全体の空の整備を行うということになりますと、全体で五百六十二名の人を要するという勘定になりますので、なお三百十八名の要員を訓練しなければならない、こういう勘定になるわけであります。これらを逐次訓練いたしまして、三十五年度の初めから完全に日本人によりまして、日本語でもって自由に飛行機が飛べるという状態にいたしたいと考えているわけでございます。  なおこのほかに、運輸省所管予算に計上いたしておりませんのでその資料に記載してございませんが、日本航空に対する政府出資金といたしまして、産業投資特別会計から十億円を前年通り支出するということに相なっております。
  18. 松山義雄

    松山委員長 次は間島観光局長
  19. 間島大治郎

    ○間島政府委員 観光関係予算といたしましては、重要なものは観光事業補助金でございまして、昭和三十一年度八千万円を計上いたしております。この補助金国際観光事業の助成に関する法律に基きまして、昭和二十五年以来国際観光事業を実施する団体に交付して参ったのであります。昭和二十五年に始まりまして、昭和二十八年度が七千三百万円で最高でございまおしたが、二十九年度、三十年度はそれぞれ五千二百五十万円に減額を見てったのでありますが、その後外客の来訪及びその消費額が逐次増加して参りまして、昭和二十九年におきましては約八万七千人、またその消費額は百四十億に達したのであります。昭和三十年におきましても、かなりの増額が見込まれるのであります。運輸省といたしましては、昭和三十五年を目途といたしまして、これらの数を現在の倍以上に増加するという計画を立てまして、昭和三十五年に外客来訪を十九万九千人、またその消費額を三百三十億円程度に上げるという目標を掲げて計画を立てておるのでありますが、三十一年度はその第一年度でございますので、海外宣伝事務所の増設あるいは海外宣伝の強化、外客受け入れ態勢の整備というようなことに重点を置くことにいたします。こういった事業を実施いたす必要上、三十一年度におきましては、これらの事業を行う財団法人国際観光協会に対しまして、約一億四千万円の予算を組ませまして、そのうち海外事務所費その他海外宣伝費を中心といたしまして、八千万円の補助金を計上いたしたような次第でございます。  なおこの国際観光協会は、従来国際観光事業を各種の団体に分けてやっておりましたのを、昨年六月に統合して作りました財団法人でございまして、その寄付行為者は、日本国有鉄道、東京都、日本交道公社並びに全日本観光連盟の四者でございます。しかしこれに醵出をしております団体は、各都道府県を初めといたしまして、民間の観光機関、各種の交通機関を合せまして約百七十に達しておるのでございますが、これらからそれぞれ利益の程度あるいは負担能力の程度に応じまして醵出金を支出させておるのでありまして、その裏の紙に予算を計上いたしておりますが、そういった団体から約六千万円を来年度は支出させまして、総額一億四千万円でこの事業を行わせる、こういう予定にいたしておる次第でございます。
  20. 松山義雄

  21. 島居辰次郎

    ○島居政府委員 海上保安庁の予算についての資料は十一でございます。  昭和三十一年度要求額は、総額六十億九千七百十一万九千円でございまして、これを前年度予算額の六十億八千六百二十二万八千円に比べますと、差引一千八十九万一千円の増加になっております。予算人員は一万七百七十五人で、前年度の一万七百二十四人に比較しますと、五十一人の増加になっておるのであります。  次に要求額内訳について申し上げますと、第一に海上警備救難費といたしましては、四十五億五千百五十一万六千円を計上いたしました。これは海上保安庁法の定めるところの、あらゆる法令の海上における励行、海難の救助、海上における犯罪の予防及び鎮圧、犯人の捜査及び逮捕に関する事務を処理するために必要な経費でありまして、本庁初め、全国に九カ所の管区海上保安本部、五十カ所の海上保安部、三十七カ所の海上保安署を置きまして、所掌事務を処理しておるのでありますが、これに必要な人件費事務費等が二十四億九千五百九十四万一千円、そのほか主要の各基地に巡視船九十四隻、港内艇二百十七隻、それから航空機といたしまして、全国五カ所に双発の軽飛行機二機、ヘリコプター六機を配置しておりますが、これらの維持運航費といたしまして十五億七千四百九十四万五千円、及びこれらの事務の実施に当って必要といたします陸上通信施設としては、中央と各出先機関、それから出先機関各相互間を結ぶ有線電信、電話等の専用料といたしまして三億二百三十二万二千円並びに各管区本部通信所九カ所、保安部通信所十五カ所、小規模通信所三十カ所、機雷の探知所二カ所の維持費といたしまして一億三千五百六十二万三千円と、海上保安大学校、海上保安学校におきます職員の教育訓練に必要な経費の四千二百六十八万五千円とであります。  第二に海上保安費といたしましては、十億六千四百四十一万円を計上いたしました。これは水路、航路標識に関しまする業務を処理しますため必要な経費でございまして、このうち人件費事務費等が六億八千二百七十七万円で、水路部の所掌いたしております水路の測量及び海象の観測、水路図誌等の調製、刊行等に必要な経費の一倍一千九十七万九千円及び灯台部の所掌でございます航路標識、これは二千一十六基でございますが、これの維持運営に必要な経費二億七千六十六万一手円でございます。  第三に船舶建造費といたしましては、一億九千六百四十万九千円を計上いたしました、これは老朽巡視船の代替といたしまして三百五十トン型の巡視船一隻の建造並びに九百トン型水路観測船の無線施設、航海計器等を整備するために必要な経費でございます。  第四に航路標識整備費といたしましては、二億九百六十七万三千円を計上いたしました。これは灯台十二基、灯標一基、霧信号一基、電波標識二基及び遠距離電波標識でありますが、ロランの一部を整備いたしますための新営費一億七百四十七万五千円と、既設航路標識の改良改修費九千七百六十五万五千円並びにこれらの工事に伴う附帯費であります四百五十四万三千円でございます。  第五に海上保安施設費といたしましては、七千五百十一万一千円を計上いたしました。これは海上保安行政上必要な施設の経費でありまして、ヘリポート、これは広島に設ける予定でございます。それから洞海湾の道伯山の信号所及び唐津の小規模通信所、油津、秋田におきます船員詰所の新設、それから門司、長崎の巡視船係留施設、それから福岡の浮桟橋、あるいは秘密通信装置の整備とか、旧海軍型無線送信機の改造及び海上保安大学校、海上保安学校の施設の補修等に必要な経費でございます。
  22. 松山義雄

    松山委員長 吉村説明員。
  23. 吉村順一

    ○吉村説明員 気象台関係の御説明を申し上げたいと思います。資料の十二であります。  気象台といたしましては、気象観測の的確と気象の予報、警報の精度の向上並びに迅速化また水資源利用高度化をはかることを目的といたしまして、特に気象観測施設及び送信施設等の整備をはかりたいと考えておりますが、そのおもなものは、第一に上高層観測業務の整備に必要な経費でございます。これは二億二千六十万四千円でございますが、新規事業のおもなものを申し上げますと、前年度に施設をいたしました鳥島測候所の観測業務の運営費と、新たに福岡管区気象台に上高層観測施設を設けまして業務を開始するための経費であります。その次は北海道の稚内外三カ所にレーヴィン観測をいたしておりますが、これを新しいGMD−IA方式に切りかえていく。それから稚内外八既設官署に台風等の異状気象時に特に回数をふやしまして、増回観測をするための経費でございます。それらに要する経費はここに計上いたしてあります二億二千六十万四千円でございます。  次に予報通信業務整備でございますが、これは一千百四十七万二千円でございます。気象台では通信系統が非常に古く、近代式になっておりませんので、特に予報精度の向上をはかるために、気象観測資料を迅速かつ多量に通報させるために、さしあたり三十一年度におきまして東京と大阪、それから東京と福岡の二つの幹線に、新しい通信方式といたしましてテレタイプ回線を新設いたしたいと考えておる次第でございます。これに要する経費は、先ほど申し上げました一千百四十七万二千円でございます。  その次は海洋気象業務整備でございます。四百二十万円でございます。これは海洋観測業務を整備いたしまして、気象災害の防止、軽減をはかるため、海洋気象観測船に近代式の電磁式海流流速計を三個、三隻の船に設備をするためのものでございます。  その次は水理気象業務整備であります。四千九百四十二万六千円でございますが、これは重要河川の水源地帯に降水の観測施設、通報施設を整備強化いたしまして、水資源利用高度化と水害の防除に資するためのものでございまして、三十一年度におきましては特に木曽川水系、最上川水系、利根川水系を対象といたしまして、下の方に書いてございます各種の雨量計、雪量計等の施設をいたしたいと考えておる次第でございます。  その次は水害気象業務整備でございますが、一億九千九十九万円でございます。これは台風及び梅雨期等の降水による水害によって、毎年人命、財産が甚大な損害をこうむっておりますので、この被害を防止、軽減するための対策といたしまして、前年度に引き続きまして新潟外三県に、下に掲げられておりますように各種の雨量計、雪量計の外、無線電話等の施設をいたしたいと考えておる次第でございます。  その次は航空気象業務整備でございますが、一千五百五万一千円でございます。これは阪神、東京都の調布、九州の小倉市の曽根でございますが、ここにおきます飛行場が民間航空に使用されることになりましたので、航空保安上必要な気象観測、予報施設を整備しようとするものでございます。  おもなものは大体以上の通りでございますが、なおつけ加えて申し上げますと、以下研究所施設の整備に必要な経費、これは一千十九万五千円でございます。研究所は以前の陸軍の老朽施設を引き継ぎましたので、施設がほとんど皆無といってもいいくらいな状態でございますので、特に研究所の施設の整備をはかりたいと考えておる次第でございます。  次は地磁気観測所の整備でございます。これは鹿児島県の鹿屋に地磁気観測所の出張所がございます。これを整備いたしまして、北海道の女満別、柿岡とあわせて三地点で地磁気の観測をいたしまして、国際的観測に協力し、この観測成果を応用して民生に寄与するため、前年度に引き継いで整備をはかろうとするものでございます。  その次は測候所の新設でございますが、これは東北における穀倉地帯でございます新庄市に新しく測候所を新設いたしたいと考えておる次第でございます。  その次は鳥島測候所の整備でございます。ここは非常に不毛の地でございまして、水もない、植物もできないような地でございますので、特に冷凍機室と電源施設の整備をはかりたいと考えております。以上がおもなものでございます。  気象台といたしましては、三十一年度総計二十六億二千五百八十万九千円をお願いいたしておりまして、前年度に比べますと二億二千九百十六万六千円の増になっております。簡単でございますが一応御説明を終ります。
  24. 松山義雄

    松山委員長 本日は以上をもって散会いたします。なお次会は公報をもってお知らせいたします。    午後零時七分散会