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1955-12-02 第23回国会 参議院 本会議 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十年十二月二日(金曜日) ○開 会 式 午前十時五十八分
参議院議長
、
衆議院参議院
の副
議長
、
常任委員長
及び
議員
、
内閣総理大臣
その他の
国務大臣
、
最高裁判所長官
及び
会計検査院長
は、
式場
に入り、所定の位置に着いた。 午前十一時
天皇陛下
は
衆議院議長
の前行で
式場
に出御、玉座に着かせられた。 〔
諸員敬礼
〕 午前十一時一分
衆議院議長益谷秀次
君は
式場
の
中央
に進み、次の
式辞
を述べた。 式 辞 本日
天皇陛下
の御臨席を仰ぎ第二十三回
国会
の
開会式
を挙げるにあたり、
衆議院
及び
参議院
を代表して
式辞
を申し述べます。 今次
臨時国会
は、
地方財政再建促進
に関する案件其の他の
審議
に関して召集されたものであります。終戦後十年
わが国政界
の各
分野
に画期的な
政治力
の
結集
をみるに
至つた
今日、
国会
を開会して
諸般
の重要問題を
解決
し、
国民
と共に
全力
を挙げて
国家
の興隆に
努力
し、
国運
の前途に光明をもたらさんとすることは、その
意義洵
に深いものがあります。 ここに
開会式
を行うにあたり、われわれに負荷せられた重大な
使命
に鑑み、
日本国憲法
の
精神
を体し、おのおの
最善
をつくしてその任務を遂行し、もって
国民
の委託に応えようとするものであります。 次いで
侍従長
は
御言葉書
を
天皇陛下
に奉り、
天皇陛下
は次の御
言葉
を賜わった。 御
言葉
本日、第二十三回
国会
の
開会式
に臨み、全
国民
を代表する
諸君
とともに、親しく一堂に会することは、わたくしの深く
喜び
とするところであります。
わが国
が、
独立国家
として
友邦諸国
と
国交
を回復してここに三年有余、
国民
の
努力
により、ますます
世界
の
信頼
と友好とを得つつあることは、
諸君
とともに
喜び
に堪えません。 しかしながら、
わが国
が、
民主的文化国家
として、更に
経済
の
発展
、民生の安定にその成果をおさめ、
国運
を隆盛に導き、かつ、信を
世界
に深めてゆく
ため
には、今後いつそうの
努力
を要することと思います。 このときに当り、わたくしは、
国会
が国権の
最高機関
としての
使命
を遺憾なく果し、また全
国民
が
憲法
の諸
原則
をよく守り、互に
協力
して各自の
最善
を尽すことを切に望みます。 〔
諸員敬礼
〕
衆議院議長
は御前に参進して、
御言葉書
を拝受した。
天皇陛下
は
参議院議長
の前行で入御。 次いで諸員は
式場
を出た。 午前十一時六分式終る ─────・─────
昭和
三十年十二月二日(金曜日) 午後二時三十一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第二号
昭和
三十年十二月二日 午後二時
開議
第一
常任委員長辞任
の件 第二
国務大臣
の
演説
に関する件 ━━━━━━━━━━━━━
河井彌八
1
○
議長
(
河井
彌八君)
諸般
の報告は、朗読を省略いたします。
—————
・
—————
河井彌八
2
○
議長
(
河井
彌八君) これより本日の
会議
を開きます。
議員大山郁夫
君は、十一月三十日逝去せられました。まことに
痛惜哀悼
の至りにたえません。
笹森順造
君から、
発言
を求められました。この際、
発言
を許します。
笹森順造
君。 〔
笹森順造
君
登壇
、
拍手
〕
笹森順造
3
○
笹森順造
君
参議院議員大山郁夫
君は、去る十一月三十日逝夫されました。私
ども同僚議員
といたしまして、まことに
痛惜
のきわみであります。ここに
同君
の生前を回顧いたしまして
哀悼
の辞をささげたいと存じます。 君は、
明治
十三年兵庫県に生まれ、幼少より頭脳明晰、学を好み、
明治
三十八年
早稲田大学政治科
を卒業、翌年
大学
の講師となられました。
明治
四十三年には
アメリカ
に留学、
シカゴ大学
にて二年間
政治学
を
研究
せられ、次いで
ドイツ
の
ミュンヘン大学
にて
国家学
を二年間
研究
、
大正
三年帰国され、
早稲田大学教授
となられました。
大正
六年
大学内部
の紛争に端を発した
同僚教授
の馘首を不当として反対し、
早稲田
を去られ、
大阪朝日新聞社
に入社し、
論説記者
となられ、翌七年十月には
寺内内閣
の
シベリア出兵
に反対して、
同僚記者
とともに
新聞社
を退き、翌年同志と雑誌「
我等
」を創刊、その後招かれて
早稲田大学教授
に復帰されまし た。しかし、君の
現実政治
に対する関心は次第に激しいものとなり、
昭和
二年には
労働農民党中央執行委員長
に就任、同時に
早稲田
を再び去られております。翌三年には
労働農民党
は
結社禁止
となり解散、君は
中央執行委員長
の職を退かれました。
昭和
五年には東京五区より
立候補
、
衆議院議員
となられ、
議会
にて
最低賃銀法
、
軍備縮少等
を提唱して活躍されました。
昭和
七年に君は
アメリカ
へ行かれ、
ノースウエスタン大学
の
政治学研究嘱託等
をされ、自後
昭和
二十二年まで十六年にわたる
亡命生活
を送られましたが、
昭和
二十二年十月、君は帰国に当
つて
国民
的大歓迎を受け、三たび
早稲田
の母校へ戻られました。しこうして
昭和
二十五年には
参議院選挙
に
京都地方区
より
立候補
、当選され、再び
政治
の
ヒノキ舞台
に立たれてからは、
国会活動
はもとより、
アジア
、
ヨーロッパ
、
ソ連等
へたびたびおもむかれ、
国際政治
の
分野
において活発に動かれ、寧日なきありさまでありました。
昭和
二十六年十二月には
スターリン国際平和賞
を受けられたこともわれわれの記憶に新たなところであります。 君は、節操の人でありました。君の生涯は、まさにあらしの中を突き抜け、突き抜け、ひたすらに
一筋
の道を歩き続けられた
苦闘史
であったと言えましょう。その
一筋
の道とは、
社会大衆
の
ため
のよき
政治
の
確立
という願いであったのでありましょう。君は
学問的素質
に恵まれ、学者でもありましたが、単に
学問
に携わるのみでは満足できずに、
現実政治
に飛び込み、渾身の力を
社会
の
改革
に傾倒されたことは、君が真摯な
情熱
の結果であったのではないでしょうか。君が温顔の中に秘められていたそのような
政治的情熱
は、
主義思想
の
立場
はいかにあれ、心から
尊敬追慕
の情を禁じ得ないものがあります。 今や
わが国
の
民主政治
における
政党
は分裂から
結集
に進み、新
発展
の時期を迎えていますが、一方において
国際政治情勢
は容易ならぬものがあり、
国会
の責務いよいよ重大を加えますときに、
同君
のごとき高潔にして洗練さ れ、かつまた、このような折に
国際政治家
としての君を失いましたことは、まことに本院の
ため
に痛恨にたえないところであります。 ここに
大山
君の御逝去に対し、つつしんで弔意を表し、君の御冥福を心からお祈りして追悼の
言葉
といたす次第であります。(
拍手
)
河井彌八
4
○
議長
(
河井
彌八君) お諮りいたします。
大山郁夫
君に対し、院議をもって
弔詞
を贈呈することとし、その
弔詞
は
議長
に一任せられたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
5
○
議長
(
河井
彌八君) 御
異議
ないと認めます。
議長
において起草いたしました
議員大山郁夫
君に対する
弔詞
を朗読いたします。
参議院
は
議員大山郁夫
君の長逝に対しまして、つつしんで
哀悼
の意を表し、うやうやしく
弔詞
をささげます。
—————
・
—————
河井彌八
6
○
議長
(
河井
彌八君)
日程
第一、
常任委員長辞任
の件。
内閣委員長新谷寅三郎
君、
地方行政委員長小笠原二三男
君、
法務委員長成瀬幡治
君、
外務委員長石黒忠篤
君、
大蔵委員長青木一男
君、
文教委員長笹森順造
君、
農林水産委員長江田三郎
君、
運輸委員長片岡文重
君、
逓信委員長瀧井治三郎
君、
建設委員長石川榮一
君、
予算委員長館哲二
君、
決算委員長小松正雄
君、
議院運営委員長郡祐一
君、
懲罰委員長
一
松定吉
君から、それぞれ
常任委員長
を
辞任
いたしたい旨の
申し出
かございましたいずれも許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
7
○
議長
(
河井
彌八君) 御
異議
ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。
—————
・
—————
河井彌八
8
○
議長
(
河井
彌八君) つきましては、この際、
日程
に追加して、これよりただいま
辞任
を許可されました各
常任委員長
及び欠員中の
社会労働委員長
並びに
商工委員長
の
選挙
を行いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
9
○
議長
(
河井
彌八君) 御
異議
ないと認めます。
三浦義男
10
○
三浦義男
君 ただいまの
選挙
は、その手続を省略いたしまして、いずれも
議長
において指名せられんことの
動議
を提出いたします。
阿具根登
11
○阿
具根登
君 私は、ただいまの
三浦
君の
動議
に賛成いたします。
河井彌八
12
○
議長
(
河井
彌八君)
三浦
君の
動議
に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
13
○
議長
(
河井
彌八君) 御
異議
ないと認めます。 よって
議長
は、
内閣委員長
に
小柳牧衞
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
14
○
議長
(
河井
彌八君)
地方行政委員長
に
松岡平
市君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
15
○
議長
(
河井
彌八君)
法務委員長
に
高田なほ子
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
16
○
議長
(
河井
彌八君)
外務委員長
に
山川良一
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
17
○
議長
(
河井
彌八君)
大蔵委員長
に
岡崎真一
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
18
○
議長
(
河井
彌八君)
文教委員長
に
飯島連次郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
19
○
議長
(
河井
彌八君)
社会労働委員長
に
重盛壽治
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
20
○
議長
(
河井
彌八君)
農林水産委員長
に棚橋小虎君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
21
○
議長
(
河井
彌八君)
商工委員長
に
三輪貞治
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
22
○
議長
(
河井
彌八君)
運輸委員長
に
左藤義詮
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
23
○
議長
(
河井
彌八君)
逓信委員長
に
松平勇雄
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
24
○
議長
(
河井
彌八君)
建設委員長
に
赤木正雄
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
25
○
議長
(
河井
彌八君)
予算委員長
に
西郷吉之助
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
26
○
議長
(
河井
彌八君)
決算委員長
に
田中一
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
27
○
議長
(
河井
彌八君)
議院運営委員長
に
石原幹市郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
河井彌八
28
○
議長
(
河井
彌八君)
懲罰委員長
に
中川幸平
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
—————
・
—————
河井彌八
29
○
議長
(
河井
彌八君) この際、お諮りいたします。
鹿島守之助
君から、病気の
ため
会期中請暇の
申し出
がございました。これを許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
30
○
議長
(
河井
彌八君) 御
異議
ないと認めます。よって許可することに決しました。
—————
・
—————
河井彌八
31
○
議長
(
河井
彌八君)
日程
第二、
国務大臣
の
演説
に関する件。
鳩山内閣総理大臣
、
重光外務大臣
から、
発言
を求められております。この際、順次
発言
を許します。
鳩山内閣総理大臣
。 〔
国務大臣鳩山一郎
君
登壇
、
拍手
〕
鳩山一郎
32
○
国務大臣
(
鳩山一郎
君) 私は今回、
国会
の指名によりまして、三たび、
内閣総理大臣
の重責をにない、第三次
鳩山内閣
を組織いたしました。 御
承知
の
通り
この
内閣
は、新たに発足した
自由民主党
を
基礎
として成立したものでありますが、それだけに、われわれは、今までより一そう強くその責任の重大なることを自覚するとともに、
国民
の
信頼
と期待とにこたえる
ため
、
全力
を振りしぼ
つて
国政に当ることを決意しております。新
内閣
の
施政方針
につきましては、引き続き開かれる第二十四
国会
において申し述べることになっておりますので、ここにおいては、ただ私のいだく
所信
の
一端
を披瀝したいと思います。 元来、二大
政党対立
は、私の古くからいだいていた
政治
の
理想形態
でありましたが、今回
保守陣営
は
自由民主党
の誕生によってついにその大合同を達成いたし、一方
社会
党もその
統一
を
実現
することによってここに二大
政党
対立
の形をとるに至りましたことは、
国家
の
ため
まことに
喜び
にたえないところでございます。これによって、
わが国
の
議会政治
は、従来しばしば、分立した幾つかの
政党
の間に見られた不明朗な
政治的かけ引き
の
余地
を完全に遮断いたしまして、
政策
の
審議
にその精魂を傾けられるという正常な道を歩むことができるからでございます。
民主政治
は断じて力による
政治
であ
つて
はなりません。私はこの
機会
に、二つの
政党
はあくまでも言論によって争い、多数決によって決するという
原則
の上に立つよき先例を積み重ねまして、それによって動かしがたい
議会政治
のルールを作り上げ、
国会
の品位を高めまして正しい
民主政治
の姿を
確立
しなければならないと考えております。 さて、第一次、第二次
鳩山内閣
は、
平和外交
の
推進
と
国民生活
の安定に
努力
して参りましたが、新
内閣
もこの
方針
を強く推し進めることは申すまでもございません。 まず
日ソ交渉
においては、わが方の主張の
実現
をはかりつつ、できる限り早期に
妥結
の方向に導くという従来の
方針通り折衝
を継続するつもりでございます。同時に、
日比賠償等
につきましても積極的に
解決
をはかり、
アジア諸国
との
国交調整
に力をそそぐ
所存
であります。 一方
国民生活
の安定については、ようやく緒についた
住宅建設
に一段と意を用いまして、また
社会保障
の拡充や
中小企業対策等
にも一そうの
努力
を払いたいと考えております。 さらにわれわれはこの
機会
に、保守党による絶対多数
党内閣
の仕事としまして、新たに次の三つの目標をかか げ、強力にその
実現
をはかりたいと存じます。 その第一は
憲法
の
改正
であります。
わが国
を真の
独立国家
に立ち返らせる
ため
には、何よりもまず国の大本を定める
憲法
を
国民
の総意によって
自主独立
の
態勢
に合致するよう作り変えることが大切であることは言うまでもありません。この
ため
に
内閣
に
憲法調査会
を設置する手段をと
つて
、慎重にその準備を進めなければならないと考えております。 その第二は
行政機構
の
改革
であります。
わが国
の
行政機構
には、占領中に作られた制度がそのまま存続しているものが数多くあります。
政府
はその
ため
早急に
行政審議会
を拡充強化しまして
検討
を加え、
国民
の便宜をはかることを最重点としまして、その組織と
機構
を国情に適合するよう全面的に
改革
するつもりであります。 その第三は
税制
の
改正
であります。
税制
は
国民生活
に最も深い
関係
を持つものでありますが、従来の
税制
がその仕組みも複雑である上に、
国民負担
の面からも不
均衡
の感のあることは事実であります。そこで新
内閣
は、この際衆知を集めて
税制全般
に根本的なメスを入れまして、
国民
に喜んで
協力
を願、える新
税制体系
を作り上げたいと念願をしております。 さらにこのほか、いま急速に
解決
を迫られている
地方財政
の行き詰まりにつきましては、いずれ
通常国会
において
中央地方
を通ずる抜本的な
打開策
を講ずる考えで、目下その
具体策
を
検討
中でありますが、とりあえずの措置については今
臨時国会
に
提案
いたしたいと思っております。 以上、私は
所信
の
一端
を申し述べましたが、
所内閣
は絶対多数の上に立ちながらも、
少数党
の
意見
を十分聞い て、
民主政治
を守り、どこまでも謙虚な
態度
で
国民
の声に耳を傾けまして、
国民
と共に歩む明朗な
政治
を行う決意であふれております。 ここに
国会
を通じて
国民諸君
の御
理解
と御
協力
を心からお願いする次第でございます。(
拍手
)
河井彌八
33
○
議長
(
河井
彌八君)
重光外務大臣
。 〔
国務大臣重光葵
君
登壇
、
拍手
〕
重光葵
34
○
国務大臣
(
重光葵
君) 私は、わが
対外関係
についてその概要を申し述べんとするものでございます。 これが
ため
には、まず最近の
国際情勢
の
動向
についても言及するの必要があると思います。
世界
が
共産陣営
と
自由民主陣営
とに分れて激しく冷戦が続けられて参りましたが、この
形勢
は 本年七月、
ゼネバ
に開かれました
米英仏ソ
の
首脳者会談
によって緩和せられ、
原子爆弾
による戦争は回避せられたかの観を呈しまして、全
世界
は一応安心をいたしたのでありますがこの
会談
においては、両
陣営和解
の
基礎
となる諸問題の処理は、すべて次に来たるべき
外相会議
にゆだねられた
状況
でございました。 十月、
ゼネバ
に開かれました四国の
外相会議
におきまして取り上げられた問題は、第一、
ドイツ
の
統一
と欧州の
安全保障
、第二、
軍備縮小
、第三、東西の
交流等
の問題であったのでありますが、
ソ連側
と
米英仏
の三
国側
との間に、これについて何一つ
意見
の一致を見るものがなかった。のみならず、根本的の
対立
が一そう明瞭となって来まして、その調和は少くとも当分は不可能のことであるとの結論に達したようでございます。 現に
ヨーロッパ
における
情勢
は、勢力の
均衡
によって大いなる動揺はないようでございますが、中近東においては、英国の主催する
バグダッド会議
におきまして
反共防衛態勢
を固めんとしておるのに対し、
共産陣営
は
エジプト等
の
アラビア諸国
に働きかけて、さらに
アジア
諸
地域
にも手を延ばさんとする
動き
が見られているのであります。かような
ソ連側
の
積極政策
は、最近原水爆の実験の報道と相待って、いたく
自由民主陣営
の神経を刺激しておるありさまでございます。かくして、
国際情勢
は再び緊張の度を増してきたと言わなければならぬ
形勢
でありまして、この
形勢
がいつまで続くか今日、にわかに予断はできません。しかしながら、
各国
ともその
動向
には対処せざるを得ざる
情勢
と思われます。 かかる
情勢
のもとに、
日本
の
政策
及び進路がいかなるものであるかということについては、
各国
とも異常の注意を払
つて
いるのは当然でございます。
日本
は戦後十年にしてようやく
再建
の途上にあり、
サンフランシスコ条約実施
以来、
自由民主陣営
の一員として
独立
を完成し、新たに
国家
の
建設
を急がねばならぬことは言うまでもございません。
自由民主
の
国家
としての
日本
を
再建
する
ため
には、どうしても
自由民主主義諸国
との
協力関係
を国策の基調として
平和外交
を
推進
することが肝要であるのでありまして、第三次
鳩山内閣
の
方針
もまたここに存するのでございます。 この
根本政策
を進める
ため
には、
わが国
の立っておる
立場
、
政府
の
政策
につきまして、諸外国、特に友好国に対して誤解の
余地
なきょう、明確にこれを了解せしめておくの必要がございます。かようにして初めてこれら
諸国
との
協力関係
が
推進
せられ得るのであります。私が過般
鳩山総理
の意向をもたらして渡米し、
米国当局
と忌憚なき
意見
の交換をなし、
双方
の
理解
を深め、さらに
両国
の
協力関係
を増進することに努めたのは以上の
趣旨
に基くものでございまして、その後引続き
米国
との間におきましては、常に密接なる連絡を保
つて
、
諸般
の問題について
協力
に努めている次第でございます。 さてわが
平和外交
を
推進
して
世界
の平和に
貢献せん
が
ため
には、いやしくもいまだ
国交
の回復せられていない国との
関係
を
正常化
することに
努むべ
きことは当然のことで、
ロンドン
における
日ソ
間の
交渉
もこの
見地
によって進められておるのでございます。
交渉
は去る六月一日から始められまして、
正式会談
は回を重ねること十五回に及びましたが、
ソ連全権
が、九月、
国連総会
に出席の
ため
ロンドン
を離れました結果、わが
全権
も一時帰朝し、現在に至っておりますが、
ソ連全権
が再び
ロンドン
に帰り、
交渉再開
の準備でき次第、さきに発表せられました日
ソ共同声明
の
趣旨
に従って、わが
全権
も
ロンドン
に再任する用意がある次第でございます。これまでの
交渉
の経過はすでに説明してきた
通り
、でありまして、最も重要なる問題は、
抑留者引き揚げ
及び
領土
に関連する諸問題でございますが、
引揚問題
については、わが方は当初より在
ソ抑留邦人
全部につき、
即時送還方
を熱心に要求して今日に至っておるありさまであります。また
領土
問題については、歴史上常に
日本
の
領土
であった諸島の返還は当然これを主張せなければならぬのでございます。しかし、これらの問題について今日までのところ、十分に
妥結
を見るまでに至っておりません
状況
であります。しかしながら、
日ソ両国とも
に、本
交渉
においては現に第三国との間に有する
関係
はこれを認め、また内政に干渉しないという
基礎
の上に
平和条約
を締結して
国交
の
正常化
をはからんとすることに至っては
双方
とも
意見
の合致を見ているのでございますから、
政府
としては、今後の
交渉
においては国論の帰趨に従い、
既定方針
に基き、主張すべきはあくまで主張して所期の
目的達成
に努めたいと思っておる次第でございます。
日本
が
アジア
における
民主国家
として
新興アジア諸国
との間に
正常国交
の樹立をはかることは、ひとり
平和外交推進
の
見地
より重要であるのみならず、
日本
の置かれた
地理的条件
よりして喫緊の事柄であると思うのであります。 最も緊密な
関係
にあるべき
日韓両国
が、依然として
正式国交
を樹立し得ない
状況
にあることは、
政府
の最も遺憾とするところであります。
わが国
といたしましては、すみやかに
韓国
との間の諸懸案を
解決
し、
両国永遠
の
和親関係
を樹立したい
所存
でありまして、
韓国側
におきましても、わが方の
態度
に同調されんことを衷心より希望してやまぬものでございます。しかるに最近
韓国軍事当局
は、いわゆる
季ライン
を越える
日本漁船
はこれを砲撃撃沈することあるべき旨の発表を行なっております。
政府
はこの事実を重要視してその真意の那辺にあるかについて目下
韓国政府
に照会中でございます。なおまた、さらに
韓国側
に不法抑留せられておる
邦人漁夫
の救出の問題がございます。これについては
韓国側
に終始
厳重交渉
をいたしておるのでございます。 次にビルマとの賠償問題は幸いに
解決
せられまして、
国交
が開かれましたが、今や
賠償実施
の問題が非常に重要となってきたので、
政府
においては極力
努力
の結果、
賠償実施
の取りきめが本年十月に至って成立することができまして、直ちにその運用を見ておるのであります。さらにまた
国交
を回復する
ため
には、その前提として賠償問題の
解決
をはからなければならぬ
アジア諸国
がございます。 フィリピンとの賠償問題につきましては、久しく内
交渉
の段階にありましたが、その結果、先方からあら
ため
て
提案
がございましたので、わが方においてもこの
提案
について目下慎重に
検討
中であるのでございますが、
日比両国
が本問題未
解決
の
ため
に長く
国交
を回復することのできぬままに推移することは、
アジア地域
の
平和確立
の
ため
、まことに遺憾とするところであるのであります。そこで
政府
といたしましては、すみやかにこれが
妥結
に努めて、その
解決
を
実現
したいと考えておる次第でございます。このほかに、インドネシア及びヴェトナムにつきましても、賠償問題の
解決
を必要とする
状況
でございます。 なお昨年末
カンボジア国
が
賠償請求権
を放棄して
わが国
に対する友情を示してくれましたことは、すでに御
承知
の
通り
でございます。最近
同国
は、さらに
中立国
にあったわが財産に対して権利を放棄するという
意思表示
を表明して参りました。
同国
の示された再度の好意に対し、私はここに深い謝意を表明する次第でございます。
同国首相ノロドム・シアヌーク殿下
が近く
わが国
との
親善協力関係
を増進する
ため
に来朝することに相なっているので、同
殿下
を国賓として歓迎申し上げることに決定をいたしております。 近時
わが国
の
対外経済
は著しい
発展
を遂げている次第でありまして、
経済外交
は
政府
の特に重きを置いているところであります。
貿易
の
拡大
をもたらした要因の一つである
世界経済
の
拡大傾向
は、
米国経済
の繁栄を映じて、今後も持続するものであると見られますが、他面各
市場
における
通商競争
はますます激化の
傾向
にあると判断いたされるのであります。この間にあ
つて
、
関係国
と個別的に必要なる
交渉
を行うのほか、
わが国
が
一般国際社会
における公正平等な地位を回復する
ため
には、
政府
はこれまで
最善
の
努力
をいたして参つたのでございます。幸い去る九月
ガット加盟
の
実現
によりまして、今や
国際経済
諸
機関
のすべてにおいて、
日本
は
主要加盟国
として活躍することができることになりましたことは、大なる進歩であると考えております。
わが国
の輸出が今後着実に伸びていく
ため
には、
相手国市場
においてでき得る限り摩擦を生じないよう、一段の工夫が必要でございましてその
ため
、わが商品と
貿易
の
やり方等
について、
国際的評価
を高めていくように、各方面の
努力
が要求される次第でございます。
政府
といたしましては
ガット
、
国際通貨基金等
の
精神
、
趣旨
にのつとり、公正なる施策を進め、もってこれら
諸国
の危惧と疑惑とを除いて
わが国
に対してなされておりまする
差別的待遇
の留保を撤回せしめるように、鋭意
交渉
を進めておる次第でございます。 なお
貿易
の
自由化
の
動き
にも対応いたしまして
各国
との通商
交渉
において積極的に
貿易
を
拡大
することに
努力
をいたす必要がございます。特に
わが国
の主要
市場
であるスターリング
地域
との
関係
におきましては、過般の日英
貿易
取りきめによって、今後
貿易
は大いに増加せられることに相なりました。そのほか、対ドル
地域
貿易
につきましても、最近
わが国
の輸出は著しい伸張を示しております。 他方東南
アジア
、中近東、中南米等、
わが国
にと
つて
特に重要な
関係
にある
諸国
との間におきましても
貿易
は伸展を示しておりますが、さらに進んで、これらの国々に対しては
経済
開発に
協力
するという
方針
のもとに相互の親善
関係
を一そう増進すべく
努力
をいたす
所存
でございます。 以上、最近におけるわが
日本
の
平和外交
の概況を述べた次第でございますが、私の外交報告はこれを終ることにいたします。(
拍手
)
河井彌八
35
○
議長
(
河井
彌八君) ただいまの
国務大臣
の
演説
に対し質疑の通告がございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
36
○
議長
(
河井
彌八君) 御
異議
ないと認めます。 次会は、明日午前十時より開会いたします。
議事日程
は、決定次第公報をもって御通知いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十二分散会
—————
・
—————
○本日の
会議
に付した案件 一、故
議員大山郁夫
君に対する
哀悼
の辞 一、故
議員大山郁夫
君に対し
弔詞
贈呈の件 一、
日程
第一
常任委員長辞任
の件 一、
常任委員長
の
選挙
一、
議員
の請暇 一、
日程
第二
国務大臣
の
演説
に関する件