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説明員(黒河内修君) ただいま御提案になりました
日本中央競馬会の
国庫納付金等の臨
時特例に関する
法律案につきまして、補足説明をいたしたいと存じます。
趣旨はただい左政務次官から申し上げましたように、
日本中央競馬会が昨年九月十六日に発足いたしまして、当時といたしましては百三十億程度の馬券の発売を見込みまして、そして民営に移りまして、経営がある程度安定してやっていけると、こういうような考え方であったわけでございますが、御
承知のように最近の上半期におけるデフレ基調の経済情勢でありますとか、あるいは各種の競輪その他の競技との競合の問題、特に中央競馬は御
承知のように都心部から相当離れた場所に競馬場がございますために、売り上げが思うように伸びないというようなことで、本
年度の見通しといたしましては、一月からこの十二月一ぱいにおきまして約百十億程度、これはお手元に資料として差し上げてございますが、勝馬投票券の収入といたしましては約百十億程度しか実績が上らない。かような現状でございまして、法制定当時の考え方、それから昨年の幕におきまして、私どもが
日本中央競馬会の
予算を認可したときに考えました当初
予算の予定額面十五億に対しまして、著しく減少をしておる。かような状況になっておるのでございます。もちろんこれに対しましては、
政府といたしましては、極力競馬会の経営の合理化をはかっていただくために諸般の指導監督につきまして、たとえば実行
予算を編成いたしまして、管理その他一般経費の節減というような点は、極力指導監督をして参ってきたのでございますが、いかんせん、先ほども申しましたように、勝馬投票券自体の収入がきわめて予想を下回っておるというような現状、それから一方におきましては、御存じのように現在の中央競馬会の競馬場施設というものは、
昭和の初めに日本競馬会時代に、あるいはそれ以前のクラブ時代に作った施設が国営に移管され、昨年また中央競馬会に
政府出資の形におきまして出されておるというようなことでございまして、その多くは戦前の築造にかかりまして、たとえば中山競馬場のごときは木造建築でございますが、すでに耐用年限を八年も
経過している。かようなことでございまして、最近専門家にいろいろと
調査をお願いいたしましたところ、これが改築は緊急に行わなければならない。かような
調査結果も出ておりますので、私どもといたしましては、先ほど申しましたような経営状況、あるいは施設の現況からみまして、この際何らかの
措置を講ずる必要がある、かように考えておるわけでございます。
そこで、本法案にございますように、この五年間の暫定期間につきまして、年二回の臨時競馬を競馬会に
許可をいたしまして、その二回の臨時競馬につきましては、
日本中央競馬会法二十七条一項による、いわゆる開催による納入金の免除をいたそう、こういう考え方でございます。それでその免除したものは競馬会の差しあたり中山の競馬場のスタンドの改築が当面の問題であろうかと思いますが、それの復旧の
関係に使っていきたい。その他の復旧の計画につきましてはお手元に差し上げてございますが、これは大体競馬場のうち特に四大競馬場につきまして、差しあたり何とかいたさなければならないというもののおもなものを一応私どもが
調査いたしましたのを書いてございます。なおこのほかにもいろいろ厩舎その他につきましてたくさんございますけれども、おもなものについてここに書いてありますように、約十億程度の復旧あるいは改築が必要である。そこで私どもといたしましては、大体年二回の臨時競馬によりまする
政府納付金の免除が大体毎
年度約二億円程度のことを考えておりまして、約五カ年間におきまして、少くともここに計上されておりますような主要スタンド等の改築あるいは復旧をいたそう、かように考えておる次第でございます。
そこで、それにつきまして、たとえば具体的にはそれではどういう程度の減免額になるかということを、これはたとえば中山競馬場において来
年度行なった場合に、どの程度の減免予定額が出るかということにつきまして、資料として提出してございますように、約二回分といたしまして一一%相当額が一億五千八百四十万円程度になる、これは現在の
日本中央競馬会の競馬場におきまして、
全国で最もよく売れる中山競馬場の場合につきまして、大体この程度のものが予想されるという、私どもの一応の本年の実績によりまする推定でございます。この程度のものを考えていったらどうだろうか、かように考えておる次第であります。
以上大体主要な点につきまして、補足説明をいたした次第でございます。