○三橋八次郎君 今の
お話はよくわかります。しかし
末端に、各町村に普及員を駐在させて村の農家の君となじみを作らなければならぬというのは当然のことであって、愛媛県は中地区制でありまして、私のおりましたときに、各町村駐在でございます。もう普及員はその村に、一人者であったら下宿をしなければならぬ、家族のある者はその村へ引越して来なければならぬというようなことをやっております。これはきわめて重要なことでございます。私
ども中地区に専門技術員が駐在しておらなかったら、郡の単位では忙がしくて行くひまがないんだ、こうおっしゃいますけれ
ども、それは実態をごらんになればよくわかります。昔郡農会というものがあって、郡農会に米麦、畜産、あるいは
果樹というものが一人ずつおりまして、それで
仕事は十分やっていけたのでございます。私は財政が許しますれば、それは各町村に専門技術者を駐在させるのもいいでしょう。しかしそういうことのできない今の状態で、こういう不合理な計画でいきますると、おそらくまた大蔵省の方から食いつかれまして、根こそぎ何もかも飛んでしまうという、こういう現象が起きますから、やはり財政的にも無理のない、また
指導上にも組織が充実できるようなもので進んでいかなければならぬという最小限度の線を
考えます場合におきまして、これは郡駐在ということが一番適当で、そうして下部のいわゆる旧町村単位にはぜひ一人ずつ駐在をするように、こういうことでいきますればいいのでありまするが、おそらくこれは専門技術員がいるけれ
ども、下部の町村には普及員が駐在しておらないという珍現象が私は起ってくると思う。そうなってきますると、頭でっかちになりまして、結局普及
事業の足というものは農家につかずに、中ぶらりんになってしまって、ほかの組織からまたねらわれるというような、こういう時代の来ることを非常におそれておるのでございます。それでありますから、これはどうしてももう一応お
考えを願いまして、まあ大がい私は二、三年前から旧町村単位に一人ずつ駐在することを主張して参ったのでございますが、ようやく今日
予算化ができて通るか通らぬかわかりませんけれ
ども、ぜひともこれはまた成功させてもらわなければならぬと思いますが、おそらくこの中地区制専門技術員駐在というこの
制度も、やはり最初から現実の線を組みまして、地区に駐在する二人の専門技術員の俸給を一人にかけまして郡に置く、こういうようなふうにして充実させていった方が、むしろこの
制度の成果を上げますためには適当な
方法ではないかと思うのでございます。ぜひ
一つそういうような
方向にさらに御
研究を願いたいと思うのであります。
それから話が飛びますが、
輸出球根の問題でございますが、これはただ
一つチューリップだけを取り上げておるようでございますけれ
ども、チューリップは古い歴史を持っておるものでございますが、チューリップ以外にグラジオラスでありますとか、あるいはまたクロフト・リリーというようなものはアメリカの方へ行って聞いてみましても、
日本の球根を非常に要求をしております。従いましてこれの生産を助長いたしまして中間業者を排して、まあ
日本のこの球根を植えまして、アメリカで作っておる様子を見ますと、大がい
日本から行った人が
日本から行った球根を作っておるような状態でございますから、農家から中間商社に移ってそれがさらに向うの業者に移ってそれが今後栽培する者に移るというようなこういう繁雑なものをのけるように御心配を願いまして、こっちで生産した球根を直ちにアメリカの栽培者の手に渡るようなこういう仕組みをとってもらいますると、
輸出も非常に私は増進すると思うのでございます。いろいろ球根栽培をやってみますが、中間業者のために全部失敗に終っております。アメリカヘ
輸出して金を取ると言って農家から集めまして、結局中間業者が金を取っておりまして、農家にはその金が
一つも渡らぬ、球根というものはこれは何にもならぬものだということで一時非常に盛んになったものがまた衰微をしていく、こういうような傾向をたどっておりますから、やはりこれはチューリップもけっこうでございます、やめろというのではございませんが、このほかに新しいクロフト・リリーでありますとか、あるいはグラジオラスでありますとかいうようなものをお加えを願うと同時に、今の
輸出の経路というものをもう少し農家の立場になってお
考えいただくことができないかどうかということをお伺いしたいと思います。