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山下義信君 それから、
厚生省の所管であるならば、私はもうその方面のことは全然しろうと、無学でわからないのですが、いやいや、一般の
国民でも学閥的には通暁している者は少いと思うのですが、荒筋としてあれを見ますと、これから原水爆の実験は幾らどこでされても、一向日本の
国民には危害もなけらにゃ悪い影響はないのだ、ちっとも差しつかえはないのだというような、取り方によってはそういう誤解を招くおそれがある。あれはどこで発表したのか、今ここに
新聞を持っておりませんが、
政府の機関のむのが公的に発表したのか知らぬが、もしそういうものを発表するんだったらよほど
注意をして、
国民に誤解を与えないように、わかるとように、
厚生省が責任を持って発表せにゃ私はいけないのじゃないかと思うのですね。一向危害がないのか、危害というと悪いが、悪影響はないのか、何ら痛痒を感じないものか、どうなんですあれは。もしそういう水爆実験をされて、それが空気によって、気流によって、日本のこの谷に落されても一向何ともないという、ああいう発表を
国民にされて、もうそれでいいのですか、どうなんですか。それで私は、こういうことをみていて、昨日
舞鶴から帰って、いろいろ留守中のいろんなものを見ていると、一昨昨日でありましたか、
厚生大臣は、衆議院の予算
委員会の
質疑応答で、この水爆実験によって放射能の危険が増大しているのはどうか、こういう
質問が衆議院の予算
委員会であった。これは毎日
新聞でありますが、
大臣は、最近アメリカのABCCが放送したという、一向原爆の人体に対する影響は、俗に言う原爆病なんというものは、事実はないのだということをアメリカ側が否定した、それを引用なさった。これは記事は簡単であるから私はわからない。間違いじゃないかと思うのですが、従って影響はきわめて少いというような答口弁をなさって、それからまた今後国立でそういうような原水爆関係の障害の予防あるいは対策、いろんなものの施設を作るのだというようなことの
質疑応答があったというようなことが出ている。私はこれは短時間ではいかぬと思うから、あらためて当
委員会が適当な時期に私はこれを取り上げていただきたいと思うのです。
委員長に、これはこの
機会に要望しておきます。今日は時間がありませんから、また私
どもの研究もみじんでありますから、ここで詳細な
質疑応答をするいとまがございませんが、これはこの穂のことを、水爆の実験の放射能の影響の問題であるとか、あるいは原爆の影響の問題であるとかというような事柄が筋が立たなくてこんがらがって、そうして人体に影響のあるようなないようなことがこんがらないようにどこかで整理してもらいたい。そうして
当局の所見というか、そういうことも整然と
一つ一貫した御
方針、施策というようなものもよくわかるように
一つ出していただきたいと思います。
そこで私はここで
質問することは、今日の
新聞の報道、衆議院では、一向人体には痛痒も感じないというような、影響がないのじゃというようなことは、これは先の
黄変米の
お話じゃないが、それでもう決定的に、今後水爆の実験がどこでされても、
国民には水爆の影響は何らないので、何ら心配はないのだというような
印象を受ける。ある
一つの
新聞はそれは
学者によって違うのだ。そんなことはまだ研究がみじんなんだ。それはどこの空気を取ってきたのか、どこの観測か知らぬが、そんなことを言うのは軽率だと言って、まだ被害甚大説を言っている
学者もある。そういうことは学問の研究と
国民感情の、この国際情勢の、水爆の禁止運動をやっておるところの、この戦争が平和かという問題とこんがらがっちゃっている。どこかの空気をちょっと取って、
学者が研究して、それをすぐ学問的に人間の健康に、命にどうとかこうとかという学問的なことと、おそるべき人類破滅の水爆の競争だ、実験だ、戦争だ、平和だという問題とですよ、
国民をして混乱させて、錯覚をさせるような、そういう発表がですね、権威ある機関とか、そういう公的な機関を通じて行われるということは、私は非常に軽率だと思う。
国民が混線しますよ。ですからそういうことも
厚生省がもし所管ならば、これは傍観しておることはできないと思う。学閥の研究と実際の影響と、何だってかんだって、あなた水爆の実験のそこの放射能が大気を汚染して、日本をぐるぐる回って何ともございませんというようなことは、
学者が実験室で言うことと
国民の感情とは一致しませんよ。これは私の言っていることは無学な者の言っているばかげた叫びで、
学者は一笑するかどうか知らぬが、それだって
ソ連の水爆について言うのか。マーシャル群島の福竜丸の水爆実験はえらい影響を及ぼして、マグロを捨てたじゃありませんか。それは今度の
ソ連の水爆について言うのか。ついせんだってはあれだけ騒ぎを起して、われわれ
国民の身近かに危険が迫ったんじゃありませんか。
そういうととが今朝の一流
新聞のトップ記事にずっと報道されて、それが
厚生省の所管で、何らそれに対して
国民に誤解のないように、よく理解をさせるように、何らの措置もとられぬということはそれでいいのか悪いのか。私はけさ
新聞を見ると、あっ、これは非常に重大なことを報道されておるが、これは
一つ厚生省にも気をつけてもらわなければならないということを感じたんです。これは水爆の問題ですから、今ここで水爆の放射能のこの問題について、
厚生省は一体日本の
国民にさらに影響がないのかどうかということについて、どういう所見を持っておられるかということも、この
機会に私はお述べを願っておきたいのです。
それから今のこんがらかっていることが、この
新聞記事、衆議院の予算
委員会の
質疑応答を見ても、アメリカのABCCがあの日本に落した原爆についてのその影響あれによるところの影響を受けた人はいないのだというようなことの声明をしばしばしている。これも
全国の
新聞に載せた。こんなけしからぬことってあるもんじゃない。これはもう権威者がみな、東大の教授からしてみなでもって原爆の影響があるということを事実をもって証明して、死亡もしているという生きたそこに事実があるのでしょう。そしてABCCにはあなたの方の予防研究所からちやんと所長が行っているんです。そして原子病に対する治療というようなものも、いろいろ
厚生省が尽力してやっているのです。それを原子病によるそういう患者というものは、日本にはいないのだということをアメリカ側が発表して、これは公式の官辺のあなた方の方から何らの所見も発表されないということは、私はこれは奇々怪々だと思うのですよ。これは世紀の重大問題ですからね。
森永も
黄変米もでありますが、それ以上に重大なものは水爆の影響とか原爆の影響ですね。これは所管しておるあなた方
政府の方の官辺筋かこれに対してノー・コメントなんていうことはあるはずないのですから、
厚生省の方では、まず水爆の放射能に対しての研究というのは、一体何を研究して今朝のごとき発表をしたのか。人体に影響があるのかないのか、ないというならあなたの方が四億五千万円で要求しようとしている放射能影響研究所ですか、それなど必要ないんじゃないか。今朝の研究発表で人体に何の影響もないというならば研究の必要も何もないじゃないですか。これからどんどん水爆の実験をどこでやってもいいのですか。そうではないでしょう。何か特殊の事情で、特殊の場合をとらえて、
学者が特殊の研究で、今の段階ではこうだというならば、
新聞ならすみっこの方に三行で報道するか、あるいは報道しなくてもいいことなのです。それが水爆実験だというから大きく報道され、
国民が読んでみて、水爆は幾らやられても何の影響もないのだそうだというような
印象を与えやすいような報道が今朝されておるので一ありますから、私はこの
機会に
政府当局の公式の発表をもしここでお述べを願えるならはいただきたいと思うのです。