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政府委員(
伊能繁次郎君) さいぜん来
石井経理局長、
観光局長から、お尋ねに対しまして
経過並びに
国鉄の
考え方は申し上げました
通りで、私も拝承いたしておりましたが、沿革的には
石村先生御
指摘のように、この
推薦旅館制度は
戦前においては本来の
趣旨は若干違っておりましたが、
国鉄旅館指定制度から発展して、戦後の
日本の
観光旅客並びに
国鉄関係、その他
一般関係旅行者の利便をはかるためにできまして、今日まで大きな
功績を残したことは、
国鉄当局としてもさいぜん申し上げた
通りでありまして、たださいぜん
石村先生御
指摘の、今般
国鉄がその
運営について各
方面からいろいろときびしい御
批判をいただいておる。従ってみずから反省して御
批判に対するおこたえもし、また是正すべきものは是正しようということで、いわゆる
外郭的団体の
整理というものにも手をつけた次第でありまして、この点について
国鉄の何といいますか、志した点、率直に申しますと、
国鉄が
世の中から信頼を回復しようという
誠意のほどは、これはまあ
皆様に一部御
理解が得られたかと思いまするし、また、今後も、
国鉄のそういう面についてはいろいろなすべき施策はやらなければいかぬ、かように
考えておりますが、その
一端として
外郭的団体の
整理に
国鉄推薦旅館が上ったと、これにつきましては、さいぜん
石村先生御
指摘のように、過去における、また今日までの
推薦旅館のよかった面、また若干であっても一部
批判をされた面もないではないということで、
国鉄としては、全体のいわゆる
外郭的団体の
整理の際に、
業務上どうしても必要なものはこれは当然残すべきである。しかし、
業務上どうしても必要であると言いがたいものについては、この際、
世間の
疑惑を招かないようにという
意味で
整理をする。その中に
国鉄の
推薦旅館が入ったということは、私
どもまことに遺憾だと存じておりまするし、さいぜん
観光局長からもお答え申し上げましたが、この種の
制度については、
運輸省としても、
国際観光旅館という
指定推薦制度もありまするし、これらについて、現在必ずしもそれが
批判の的になっているということは私
ども聞いておらないのであります。従って、
国際観光旅館であると
国鉄推薦旅館であるとを問わず、これらのものが
国鉄なるがゆえに
批判を受けるということについては、
国鉄側としては大いに
自粛自戒をして、今後そういう
批判を受けないように
努力をしなければならぬという点は御
理解がいただけると存じますが、その結果として、
推薦旅館というものが非常にいい
制度であって、角をためて牛を殺すというようなことになっても、これまた非常な御迷惑をかけるということで、
国鉄自体としても、全体の問題としては十分今後も考慮をしたいという
考えはあるようですが、当面の問題としては、一応
世間に公けにしたという
意味で、この際は一応
決定をして、事態の
推移を見よう、こういう
考え方でありまして、さいぜん御
指摘のように、期限はなお三十二年の三月一ぱいとか伺っておりますので、その間に、
ほんとうにどこからも
批判を受けない、りっぱなものである、また
国際観光旅館、
国鉄推薦旅館につきましては、
行政指導の面で、
観光局等においていわゆる
設備改善のための
融資その他についてもいろいろとあっせんをしていくという利点もありまするし、全体的な角度から一応きめはしましたが、なお
時日のあることでありまするから、おそらく、
国鉄においても十分この問題は
決定はしましたものの、将来の
推移も研究してみたい、
考えてみたいということで、目下わずかでも
世間の
批判を招くような、あるいは
誤解を招くような点については払拭をしたいという決意でありまして、これは必ずしもさいぜん
お話のありました、
世の中へ
媚態を呈するというような、これらのことによって当面を糊塗するというような
考えではないのでありまして、その辺のところは十分従来の
国鉄推薦旅館関係の方々初め、
石村先生におかれましても、
国鉄の意のあるところ、
国鉄の
誠意という点もおくみ取り下さいまして、将来果して皆さんの今日まで御
努力をされ、
国鉄と
協力をされてきた面が
ほんとうにりっぱなものであって、どこからも非難がないということでありますれば、これはもう
国鉄としては何も遠慮することがないと私
どもは
考えております。従いまして、そういう点について
決定はしましたが、さいぜん来
経理局長の
お話の
ごとく、
十分時日もあることでございますので、私
どもも将来について
国鉄当局において十分御
検討を願って、正しい道に進んでいくようにということは申しておる次第でありますので、御了承いただきたいと思います。