○武藤委員 国鉄法の改正に関連をしまして、その次に第四十九条の問題
——先ほど申しましたように四十六条と四十九条が国鉄運営の
中心になる条文だと思うのです。四十九条について伺いますが、四十九条は請負その他についての一般公開競争入札に関する規定であります。読んでみますと、四十九条「
日本国有鉄道が売買、貸借、請負その他の契約を
締結する場合においては、公告して一般競争入札の方法に準じ申込をさせ、その最低又は最高の価格による申込者又は申込者との価格その他の条件について公正な協議を経て定めた者とこれをしなければならない。但し、」これからが問題です。「但し、緊急な必要のある場合、一般競争入札の方法に準じてすることが不利である場合又は政令の定める場合においては、この限りでない。」というこのただし書きが非常に問題なんです。私は大体こういうものは原則に従いまして、一般公開した競争入札によらなければならないと思うのです。これをやらないで、好きかってな随意契約をするから、鉄道会館のような問題も起りますし、今度の新宿民衆駅の問題も起ってくると
考えます。この例外の緊急の必要がある場合、それから不利である場合、政令の定める場合というのは、御承知の
通り国鉄法施行令二十五条の六でございますけれども、「契約の性質又は
目的が競争を許さない場合」こうなっておりまして、要するに緊急の必要がある場合、あるいは不利益である場合、契約の性質または
目的が競争を許さない場合というときには随意契約をしてもよろしいということになっておりますが、一体その判断はだれがするかということになりますと、国鉄総裁がすることになるわけであります。従ってどういう随意契約でも、その認定、緊急の必要があるかどうか、不利益であるかどうか、あるいは契約の性質、
目的がこれを許すか許さないかというような問題は、すべて国鉄総裁にまかされている。
自分のやることを
自分で判断をしてきめるということにあるのであって、全く情実がここに入り込む余地があるわけであります。そのために、行政管理庁の調査を見ましても、国鉄の積算によるところの予定価格と競落申し込みの価格とがほとんど一致をするという、まことに不思議な話でありますけれども、そういう例がたくさん出てきている。従って今度の民衆駅の問題にしましても、初めから特定の高島屋なりあるいは新宿建物株式会社というものを予定をしまして
——ちょうど鉄道会館を予定したように予定をしまして、それとの話し合い契約によってこれだけの莫大な国鉄の財産を貸し付ける、処分をするということになるわけでありますが、この点が非常にガンだと思うんです。これを改正しなかったならば、国鉄の運営というものはいつまでたちましてもいわゆる国鉄一家によって龍断をされまして、次から次へと弊害が絶えないのではないかと
考えられます。この四十九条についての、言いかえをするならば一般公開入札に関して御
意見を承わりたい。あるいはこういうふうな例外規定、ただし書きを置いてもいいけれども、いいとすれば、その判断は国鉄総裁が
自分で
自分のことを判断するんではなくて、
国会なり政府なりにその緊急の必要があるかどうか、あるいは不利であるかどうか、あるいは契約の性質または
目的が競争を許さないということであるかどうかということの判断権を国鉄から奪いまして、
国会なりあるいは政府なりに持ってくるということになりますれば、このただし書きというものは乱用されないで済むと思うのでありまするけれども、そういう点に関する運輸大臣の御見解を承わりたいと思います。