○塩見
説明員
北洋漁業の許可の
方針等につきましては、現在まだ
方針が最後的な決定を見ておりません。大臣も来週早々にはきめるぐらいな腹組みで準備を進めておるようであり、また私の方もそのような準備で進めておるような
状態であります。こまかい点等はかなりございます。そういう点がきまっておりませんので、今までに大体申し上げられる範囲で申し上げます。
第一が母船式のサケ、マス
漁業でございますが、
操業規模は本年度における
操業の実態と、カン詰その他の製品の販売
状態等を
考慮いたしまして、アリューシャンの海域すなわち東側でございますが、これにつきましては新規の船団は増加しない、こういう
方針を固めております。それからオホーツク海海域につきましては、若干の船団の増加は可能である、こういうふうに
考えられます。その数につきましては大体四船団ないし五船団というふうなことでまだきちっと隻数、船団数等は確定いたしておりません。
それから第二は適格船の選定でございますが、母船は従来
通り経験技術その他能力を
考慮いたしまして、それで十分適格性のあるものの中から選定する、こういう
方針でございます。独航船も、大体従来と同じように、東の海域におきましては五十トンから八十五トン、オホーツク海海域においては船の装備も、今のところ幾らか海の方も平穏でございますから、四十トンから八十五トンというところでもって、
操業上安全を保ち得るだけの設備を有するものの中から道府県の知事に選考してもらって、その中から審査決定する、こういう
方針で参りたい。ただし独航船につきましては、やはりあの海域はかなり荒れることがございまして、やはり遭難の事故も絶えないということから、年々そういう点について安全に航海できるような設備を要求しておりますが、本年度は、昨年度の経験にかんがみまして、今までやっておりますことを一応申し上げますと、先ほどのトン数とディーゼル機関であるとか、無線電信機を備えること、方向探知機を備えること、それから搭乗作業員の災害予防装置を設備すること、速力が大体七ノット以上ということ、そういうふうなやり方できておりますが、昨年の経験にかんがみまして、超短波の電話機を装置する方がいいという結論に達しております。それと
漁夫たちの飲料水の
関係もございますし、海難等の危険もございますので、五トン以上の水槽を甲板下に設置してはどうかということ、それから常時使用するとろこの漁網の置き場を甲板下に設置するというふうなこと、それから先ほど申しましたところのオホーツク海に出漁する
漁船につきましては、測深儀を装置してもらうということが安全性を保つ上からいいのではないかと思いまして、そういうふうな点の
条件をつけて参ろうか、これはもちろん
関係者の
意見も徴しました上で決定して参りたい、こう
考えておるところでございます。
それからもう
一つ、やはり漁獲の上である程度むやみな競争が起るという問題もございまするし、
操業の安全ということもございまするので、一船当りの使用網数を制限して参ったらどうか、専門家の方からこういうふうな
意見が強く出ております。私らの方としては、大体の見当として、これは大臣と最後的な決定に至っておりませんが、アリューシャン海域におきましては大体最低四面反、オホーツク海におきましては最高三百反、こういうところが適当じゃないかと
考えております。昨年の場合幾らか若齢魚をとったというふうな地帯もございます。これらは資源保護の
関係もだんだんと
考慮して参らなければならないわけでございますが、その点につきましては、テクニカルにいろいろむずかしい問題もございます。網目も下手に制限いたしますとマスが入らないので、網の目と鮭鱒の時期とをきちっと
考えて、網目を鮭鱒の場合には制限して参ることも
考えられないことはないわけでございます。それからある程度若齢魚をとるというような、ことに紅ザケの問題でございますが、そういうふうな時期が非常にはっきりとしますれば、その時期にその海区は
操業しないというようなテクニカルな
方法もあるかと思います。これはほかの魚種はそれほど心配はないかと思いますが、現在やはり紅ザケにつきましては、これから先もでありますけれ
ども、国際的にも資源保護というふうな点で、われわれも注意していったらいいんじゃないかと思いますが、テクニカルにむずかしい点がございますので、まだ検討中でございます。うまい
方法がありますれば、できるだけ若齢魚の捕獲が行われないような
方法を講じて参りたい、こう
考えておるわけであります。
それから次は母船式のカニ
漁業でありますが、べーリング海の東部海域、今までやっておりますところでございますが、これは一船団を適当とする、これは当初からそうであります。箱数は当初予想したよりも幾らか多くとっておりますが、しかしながら魚族の減少したという傾向は認められません。それはある程度、
意見によりますれば、沿岸近くの方で向うのトロールが引いたためにその漁場が荒れまして、産卵場がむしろ沖に寄ったのではないか、沖に寄ったためにかえって魚族の繁殖上プラスが出てくるのじゃないかという
意見もございます。そこらの点ははっきりとはわかりませんが、大体今までの規模で継続してかまわない。ここ数年の経過から見ますと、増加する方にはもちろん行かないというふうなところで、一船団を適当とすると大体
考えております。
それからオホーツクの海域、すなわちカムチャッカの大体西岸でございますが、これは昨年二船団でやっております。それでやはり当初予想した
通りに、従来とっておりませんから非常に資源は豊富になっております。しかしながら漁場はこちらは従前と違いまして非常に制限されておる、こういう
関係は継続いたします。資源の点よりもむしろ
操業できる漁場の広さとそれから資源の移動、カニの移動というふうな点、いろいろ検討いたしまして、事務
当局としましては四船団がこの海域では適当ではないかと
考えております。とにかく一部の
意見では、十船団近く行ったってとり得るというふうなことを言う人がありますが、これはもちろん過去の三海里までとっていた
状態のもとでの前提でございまして、現在そういうふうなことは国際
関係から見ますとまだ無理でございますし、出漁早々でございますから、とにかく四船団ということが現在の
操業海域から見ますれば適当ではないか、これは現実に出漁するような各社の方も、大体においてそういう主張が支配して強い、そういうふうに見られます。われわれもいろいろ検討してみまして、大体四船団くらいが適当であろうかと
考えております。
もう
一つとしましては、べーリングの西部の方の海域でございますが、オリウトルスクから東のかなり北に寄りました海域でございます。これは昔
日本が
操業したこともございますし、その当時にはかなり無統制で多数の船団が入り込んだために、数年でもって漁場を枯らした、そういうところでございますが、一船団くらいは十分やれるのではないかというふうに
考えられます。このところにつきましては、
日本としてはやはり非常に経済的に採算のとれる
漁業種類、漁場というものが足りないわけで、
漁民としてはますます出ていきたいという気持が強いわけでございますから、こういうところは試験
操業としてでもやることが望ましいのではないか。外国としても、そういうところまで出ていって
日本がやるというふうなことについては、いかに
日本の
漁業が苦しい
状態にあるかということがよくわかるかと思います。そこに一船団くらいを試験
操業としてやるところがあればやらしてみたい、こういうふうに
考えております。こういう
状態でございます。ここらはまだ最後的にはもちろん確定に至っておりません。
大体は、大ざっぱに申しまして現在のところはその程度の進捗
状態でございます。