○渡邊
説明員 今のお尋ねの点は、実は私の方でやっておりますので、私から御
答弁さしていただきたいと思います。現在まで数字がはっきりしておりますのは、十月末におきましての租税及び印紙入両の収入額であります。これは十月末の累計でありまして四千二百五十六億、
一般会計だけであります。
一般会計の
予算額が御
承知の
通り七千百七四十八億、収入歩合といたしましては五四・九%。われわれが収入の
状況は順調に進んでいるかどうかという点を考えて参ります場合におきまして通常とっておりますやり方に従って御
説明申しますと、前年におきましては、
予算が七千七百八十三億、決算が七千九百八十四億、十月末でもって四千三百二十六億という収入の
状況でありました。この四千三百二十六億の
予算に対する割合が五五・六%、決算に対する割合は五四・二%、こういう数字になっております。一応季節的な変動がございますので、月数だけでは問題が言えない、大体この%を見ながらわれわれは判断しております。決算に対する割合がほぼ同じ数になりますと、大体自然増収はゼロということになります。それから
予算に対する割合がほぼ同じであれば、相当の自然増収が出ることが期待されます。現実の数字はちょうどその中間をいっている、こういうところでございまして、われわれの方としましては、ある
程度の自然増収を期待できるのじゃないかと思っております。
しかし、もちろん今申しましたのは非常に総括的な話でございまして、結局個々の具体的な各税についてわれわれは一々当っております。御
承知の
通り、額として非常に大きいのが所得税、法人税、酒の税金であります。所得税について一応見て参りますと、収入歩合は今年の分が五四・八%になっております。昨年は、
予算に対する割合が五一・九%、決算に対する割合が五二・三%、昨年は所得税はちょっと
予算を切りました。それで決算に対する割合の方が大きくなっております。法人税の場合におきましては、本年の収入歩合が五〇%、昨年は
予算に対して五三・五%、決算に対して五四・一%、これは本年の方が数字が落ちております。それから酒の税金でございますが、これは本年の割合が五八・三%、昨年は
予算に対して五八・五%、決算に対して五四・五%。
ただ御
承知のように、本年と昨年との間にはかなり幾つかの違ったファクターがあるのじゃないかと思っております。第一のファクターは、これはむしろマイナスのファクターでございますが、本年は七月から減税を行なった。従いまして減税の
効果が八月以降に数字に出てきます。それまでは減税前で入ってくるということを考えてみなければならぬと思います。同時に、この年末におきまして選択控除の問題とかいろいろの問題が、これは源泉でございますが、一時に固まって出て参ります。そういったような
関係がございまして、減税の全体が下半期の方にくるということをやはり頭に入れて見なければならぬ。
それから、これは主として法人税について言えることでございますが、昨年は三月の方が業績がよくて、九月が少かった。今年は三月が少くて九月が業績が上っております。従って、その点をやはり頭に入れて見る必要があるだろうと思います。法人税について簡単に言いますと、われわれの方で見込んでおりましたのは、昨年の九月の決算に対してこの三月が横ばい、それから三月に対して九月が一三%くらい上昇するだろうという見当で見ておりまし。七三月は昨年の九月に比べて九九・幾つでしたか、ちょっと忘れましたが、ほぼ横ばいというのが大体当っていたようでありました。それから九月が、こないだずっと調べて参りましたところでは、これは正確には申告がまだ出ませんからわかりませんが、一応大きな会社につきまして、大体われわれの方の国税庁を通じまして問い合せたところによりますと、二八%くらい上っているのではないかという数字を一応得ております。見方において三%増、そうしますと半年分ですから三十億弱だろうと思っております。
それから酒の問題ですが、酒についてはこういう
傾向にあるようでございます。ビールは御
承知のように七月に非常によく、四十二万石出ました。これは昨年に比べてはるかに多うございまして、戦前戦後を通じて実は最高の出方をしたようであります。しかし八月以降は大体従来と同じです。現在
予算に二百十万石を見込んでおりますが、大体勝負がついておりまして、われわれの見込みでは二百二十万石から二百二十五万石の間だと思っております。十万石ふえますと約二十億増収になります。ただこれもおわかりだと思いますが、特級酒、一級酒の売れ行きが非常に落ちております。特級酒は七万石見積っておりますが、五万石ちょっと切るのではないかと思っております。今までの
状態ですと四万石台だと思います。一級酒は三十二万石見積っておりますが、今の
状態ですと二十七、八万石じゃないか。この方の減収がばかになりません。大体ビールの増を食べてしまうような
状態のようです。それから合成酒の出方が最近だいぶにぶくなっております。しょうちゅうは順調に出ております。かれこれいたしまして、
予算程度が大体いいところではないかというふうに酒については見ております。
そういったわけでございまして、全体としまして、実はこの暮れのボーナスの
関係がどうなるか、同時に暮れにおいて、ことしはいろいろ従来と変った減税が入ってきておりますから、それがどんなような
効果として現われるか、実はこれがわれわれの方も非常にまだ見通しのきかないところでございまして、私もそんな
意味で
責任ある数字は言えませんが、数十億の自然増収は出るんじゃないか。百億とまではちょっと行かぬじゃないだろうか、七、八十億くらいかというようにいっておりますが、あまりはっきりしたものとしてちょっと言い切れない。ただこれも要らぬことかもしれませんが、専売の方が御
承知の
通り成績が悪うございまして、私の聞いておるところによりましては、益金が七十億近くといっておりますが、七十億見当減るんじゃないかというような話を伺っておるのであります。従いまして、歳入全体として見ますと
予算を切ることはないと思いますが、大きな自然増収を期待することは、今年におきましては無理だというふうに考えております。