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内田委員 佐久君の謙虚なる
お話、まことにけっこうであります。ただこの
預託金の六十二億は、まだ
大蔵省と話し合いがついていないという
お話でありますから、これは私
どもあなたを
鞭撻いたしますし、また月曜日にもこの
委員会が続いて開かれる
予定でありますから、当
委員会の要望なり決議なりの形によって、
大蔵省が大いにこの方に頭を向けるように、この
委員会でも
一つ委員長にお骨折りを
お願いいたしたいと思います。
それから
中小企業金融公庫、
国民金融公庫、
商工中金でありますが、それぞれ
理事の方が
参考人としてお見えのようでございますけれ
ども、これにはいろいろ問題があるようであります。これは
参考人の方にもぜひざっくばらんに
お話を願いたいのでありますが、たとえば
中小企業金融公庫であります。これは御
承知の
通り、今大部分が代理貸しであります。代理貸しでありましても、甲種の代理貸しといって、
代理店である
地方銀行等が八割の担保責任を持った
貸し出しでありますために、
地方の
代理店銀行がなかなかこの
貸し出しを取り次がないという実情は、これは
理事の國府田君も十分おわかりだろうと思うのであります。従って、
中小企業金融公庫には、
政府としては
一般会計から若干の金が行き、また
資金運用部から金が行くのでありますが、その金がむしろだぶつきぎみでありまして、なかなか
地方銀行がその金をのんで、
一般の
中小企業者に貸し出さないという
状況が今までもあり、今もあるのであります。現に私
どもが、これは国
会議員でありますし、
地方民の要請を受けまして、これらの問題につきましていろいろ働くこともあるのでありますが、なかなか
地方銀行がこれをのまない。もし金があれば自分の金を先に回す、あるいはまた
中小企業金融公庫の金を貸した場合には、これはしてはならないことでありますが、自分のところの
貸し出しの償還に回させるというような、少くとも自分の取引先でない
中小企業者については
代理店のあっせんをしないという傾向が実は多分にあるのでありまして、私が感じておるところの面からしますと、
中小企業金融公庫は、
資金量をふやすという問題、これはもとより大切でありますが、それよりももっと前に、与えられた
資金をいかに有効に積極的に
代理店をして
貸し出しさせるかという問題があると思います。そのために今回、先般から直接
貸し出しの道を広げたようでありますけれ
ども、これもなかなかアイデアはいいでありましょうが、実際は人手がないというようなこと、また
国民金融公庫のような十万や二十万の金を貸すのと違いまして、
審査に時日を要しますために、なかなかそれも及ばない状態であります。どうしても
代理店貸し出しの
方法を実際に合うように、また手続を簡単にするなり、いろいろしてぜひ
改善をしていただきたい。
佐久君の案には、
中小企業金融公庫については
代理店をふやすというようなことが書いてありますが、ふやすのは、これはもとよりけっこうであります。
資金量をふやすのもけっこう、
代理店の
窓口をふやすのもけっこうでありますが、ただ従来の四百の
代理店を四百五十にしてみても何にもならない。
信用金庫や信用組合が
中小企業代理店、ただ
中小企業代理店であるという看板を掲げることによって自己の信用を高めるという作用しかない。また
中小企業金融公庫におきましてもろくな
ワクも与えられないのでありますから、その辺の問題を十分
一つ考えていただきたい。これはどういうことになっておるかということをあとから國府田さんからも御
説明をいただきたいと思います。たとえば
国民金融公庫とこの辺が大へん違いまして、
国民金融公庫の方は直接貸しをやっている。申し込み一〇〇に対して
貸し出しが七〇%なり、六五%とかという
数字が出るのでありますけれ
ども、
中小企業金融公庫に集まった金というものは、その陰に
代理店が寄せつけないでけ飛ばしているものがたくさんあるのでありまして、
中小企業からのなまの申し出に対して、
公庫の
貸し出したのが何十パーセントになっているかということをぜひお調べになっていただきたいし、またその結果をお知らせ願いたいのであります。これは
中小企業金融公庫を責めるのではなく、あなた方とともに私
どもは国民として御協力をして、この
機関の真の使命を十分に発揮させるようにいろいろの面で御協力したいという面から申し上げておるのでございます。
それから
国民金融公庫でございますが、ここに第三・
四半期の
ワク百五十一億を百五十八億にふやすと書いてあるのです。これはぜひやってもらいたいのですが、先般私が
国民金融公庫から聞きましたところによりますと、
資金運用部の金が
計画通り入ってきておらない。そのために従来の
計画による
貸し出しでさえもおくれておるのだ。いわんや第四・
四半期の
計画分を、第三・
四半期に繰り上げて貸そうと思っても、金がないのだ、もっぱら
回収金にたよるしかしようがないというようなことになっておるようであります。これは
委員の諸君も御
承知のように、
資金運用部の
資金、すなわち郵便貯金の成績が非常に最近悪くなってきている。これは
銀行預金利子を無税にした等の影響その他のいろいろな影響があるでありましょうが、
大蔵省の発表の
数字によります限り、
資金運用部資金すなわち郵便貯金の量が
計画よりもはるかに下回っている。そのために先般、これも
商工委員会に非常な
関係がありますところの開発
銀行に対する
政府の与える
資金を百三十億削減して、それを
一般金融機関に肩がわりをするというようなことで、大部分のしわを開発
銀行に寄せたようでありますけれ
ども、どうもそれだけでは済まないので、やはりしわが
国民金融公庫に対する
計画資金や
中小企業金融公庫に対する
計画資金に及んでいるようでありますが、一体
政府はどうなさるのか。
資金運用部でしわができた場合に、それをやはり開発
銀行のような仕組みだけにかぶらせるのか、あるいは
国民金融公庫その他の
中小企業金融関係の方でも一緒にかぶるのか。しわをどのように処理させるのかという
方針にも関連するのでありますが、せっかく
佐久君が、こういう
国民金融公庫の
資金量あるいは
中小企業金融公庫の第四・
四半期の
資金量をふやすと書いておりましても、これが私が長々と申し上げたことに必ずひっかかっておるはずでありますから、作文だけでなしに、
資金運用部の金の少くなったことのしわは大
企業に寄せて、
中小企業には
計画通り、いやここに書いてある
計画以上に出すつもりなら、書いただけじゃなしに、ほんとうにやる覚悟を示していただきたい。私
どもも応援しようということで、この点も十分御検討を
お願いしたいのであります。
それから
商工中金でありますが、さっきの
加藤委員の
お話でありますと、これは金がふえているが、実際にはあまり金が出ていないというような
お話であったように思いますが、これは必ずしもそうではないので、私が聞いておりますことは、ぜひ
一つ御研究を願いたいことは、
商工組合中央金庫というものは、組合
機関でありながら非常に組合に対する
貸し出しの手続が煩瑣でありまして、本店においてはさようなことはないと思いますが、本店は全国に
一つしかないのでありまして、大部分の活動は
地方四十幾つかの支所を通じて活動しておるのでありますが、支所の能率がきわめて悪い。これは全国の定評であります。これは私は
商工中金のファンでありまして、いかなる御援助も申し上げるつもりで従来やってきておるのでありますが、ぜひ
一つ支所の業務運営について、しかもこれは
一般の
金融機関と違うのでありますから、何らかの御検討を願いたい。ことに
中小企業等協同組合法が改正されまして、先般各府県に府県中央会という協同組合の中央会ができ、また近く全国にも全国中央会というものができるでありましょう。これらの府県中央会並びに全国中央会がたよるところは、
金融についてはあなたの方の
商工組合中央金庫というものを系統
金融機関として非常にたよっておるようでありますが、しかし
中小企業協同組合中央会ができたときから、
商工中金等も
相手になれぬというような声もあるようでありますから、ぜひ
一つその辺の業務運営について御研究を願いたい。なおまた先般の予算修正に伴いまして、
商工中金に対しましては
資金運用部から金が行かないで、
一般の
金融市場からもっぱら商工債券で金を募っておられるようでありますが、
金融市場がよろしいために商工債券の発行成績というものが、私は順調にいっておるのではないかと思う。順調にいかない面がありましたならば、これは
一つ中小企業庁においても研究していただいて、ほかの
金融債とは違いまして、
商工中金債につきましては何らか特別の
政府のお力添えをしてやらなければならぬ。必ずとってやって、貸方は十分
中小企業に行き渡るようにぜひやっていただきたいと思います。
最後にこのかみ合せでありますが、
一般市中銀行の貸方でありますけれ
ども、
先ほども触れましたように、金が余ってきておりますから、
一般の
市中銀行も
中小企業に手が及ぶでありましょう。従って
全国銀行協会等の去年の申し合せ、また今年の申し合せも、これをぜひやれというようなことを通産省を通じてか
大蔵省を通じてかプッシュをしていただきたいのでありますが、これについて思い出していただきたいのは、二、三年前に試験的だったと思いますが、
市中銀行に
中小企業専門店舗というものを幾つか指定して作らせたことがある。それがどうも今日うやむやになっているのじゃないかと思われますので
——あるいはうやむやになっていないかもしれませんが、このように通産省みずから
市中銀行を
鞭撻して、金が楽になった
機会に中小
金融の一環をかつがせようという際に、あの構想をもう一ぺんしっかり立て直して、ほんとうに
中小企業者が
一般銀行と取引しやすくなるような
方法はないだろうかということを御研究願いたいと思います。しかし今まで申しましたこと、ここに書かれましたことは、
一つ一つ点を拾ったようなものでありまして、最初に申し上げましたように、
一般の
金融情勢はいいのでありますが、こういうことで困っておる
中小企業が果して救われるかどうか。
一つ現実の処理についてもう一ぺん御考慮、御研究を願いたいということを私の意見として申し上げたいと思います。