○中島(巖)
委員 公共事業費の
削減の問題できょうは議案が出ているわけでありますが、この問題は御
承知のように与党間でも相当紛糾がございまして本
会議を一日延ばした。また本日の
委員会におきましても
瀬戸山、
二階堂両与党
委員から痛烈な批判があったわけであります。私もこの問題については
政府の本
年度予算の編成
方針において根本的に何らの一定した
方針がないのだ、こう断定せざるを得ないわけであるのであります。その理由といたしましては、本
年度予算は七月三十一日に成立したのであります。それで臨時
国会は十一月二十日に召集されている。わずか本
予算成立後三カ月と二十日しかない。しかもこの
公共事業費につきましては先ほど
大蔵政務次官は皆さんの御希望とかいうようなことを言うけれ
ども、これは
政府の提案でわれわれの
国会が議決したのである。ことに住宅問題などについては、七月三十一日の
予算の成立であるから日本住宅公団におけるところの
計画などはとうてい実現できぬだろうということでわれわれはこれに対する
削減を迫ったのであるけれ
ども、断然これはできるという
建設大臣の声明のもとに、その他の住宅の問題においても、あるいは
災害復旧の問題にあっても、みなそういう
説明のもとに与党が強硬に押し切ったのであります。そうして三カ月二十日足らずにしてこの
公共事業費を全面的に八十八億
削減する。実にけしからぬ話である。これは
政府委員の方に
説明を求めても困難だと思いますけれ
ども、ぜひこの次の
委員会には
大蔵大臣と
建設大臣に列席していただきまして、そうして
政府の責任の所在をはっきりすべきものである。ことに二月総選挙における一萬田
大蔵大臣などは住宅四十二万戸建設を目標にして戦ってきた。それが聞くところによると、
公営住宅五千五百戸
削減して九億五千万をこれから捻出する。実にけしからぬ
政府の態度である。こういうふうに私は
考える。それでこれらの問題につきましては、いずれ
大臣が
出席した場合にその政治責任を追究いたしたいと思うのでありますが、
事務当局でもけっこうですからもしおわかりでありましたら次の問題について
お答えを願いたいと思うのであります。八十八億
公共事業費削減、そうしてこの中で農林
関係で三十億、建設
関係で三十億、
地方の
関係で二十八億というようなうわさを聞いている。それから住宅
関係で五千五百戸を
削減して九億浮かすというようなことを聞いている。それで一応与党の反対に出会いまして、本日も
建設大臣並びに
大蔵政務次官の答弁を聞いていると非常にお茶を濁している。
建設大臣は節約の分とかいうようなことを言っているけれ
ども、これは相場の変動なんかによりまして予定した
工事額が非常に低くなった場合には
節減ということが言えるものですけれ
ども、
工事をやめておいて
節減という理屈はないわけであります。従って当然この特別
国会に
予算の
決定をした
事業は、三月三十一日までに遂行できるように
事務当局は
努力すべきである。しかも七月三十一日に成立して、三ヵ月二十日しかたたないのに、
公共事業費八十八億
削減なんて実にとんでもない不見識な、けしからぬ話である。それは別として、この八十八億をどういうところからどういう
節減をしようとしたかという内容について
大蔵政務次官からお伺いしたい。これは与党の反撃に出会いまして、ついにあいまいとして現在お茶を潤しておりますけれ
ども、必ずそのときにはそれなりの案があったと思うから、その案はこういう案であったということをお示し願いたい。われわれはこの案を見て、今後も
政府の
公共事業に対して十分注意して監視しなければならぬ。それが第一点。
第二点といたしましては、先ほどから住宅問題が出ておりましたけれ
ども、今度新しく
政府が立案したのは、先ほど
二階堂委員からも指摘いたしました住宅融資の保険法、これは現在どの
程度実績が上っているか。それからもう一つは、住宅公団法による資料、これの進捗状態、それから増改築分に対する申し込みがどのくらいあり、現在までどの
程度実施されているか。特にこの三つは今回新しく
政府が立案いたして
国会を通したものであるから、この資料をお願いしたい。そのほか金融公庫並びに
公営住宅につきましても、現在の進歩状態の御報告を願いたいと思うのであります。
それから、これは
公共事業費とは別の問題でありますけれ
ども、
河川局長から御
説明願ってもけっこうでありますが、実は愛知用水公団の
関係であります。これは農林
委員会の所管になっておりますけれ
ども、御
承知のように長野県の牧尾橋にダムをこしらえて、木曽川水系を使って愛知県の知多半島一帯の灌漑用水に充てるというのでありまして、ダムの問題と
河川の問題は当然建設
委員会の所管であらねばならぬ。それで昨
年度におきましても、私建設
委員会を代表して
北海道の
災害を視察いたしたのでありますが、鷹泊ダムによるところの
災害が最も大きかった。その他各地においてダムの問題で
災害が非常に大きいことは、
委員の
皆様御
承知の
通りであります。しかも牧尾橋のダムは非常に大きなもので、一億立方メートルとかの貯水用だそうでありますけれ
ども、この地帯はガスの発生が非常に多い。それと地盤が砂れき層である。断層が非常に多い。とにかく地質的にあらゆる悪条件を備えておる。これでロックヒル・ダムをこしらえるという構想のもとに進んでおるというお話でありますけれ
ども、
河川局としてはこれにタッチしたかどうか。そしてその状況はどういうふうであったか。でき得るならば、あるいは
通常国会でもよろしいけれ
ども、当然農林
委員会と建設
委員会の合議にすべきものである、こういうように
考えるわけであります。この点も御配慮願いたい、かように
考えるわけであります。
結論といたしまして、この
予算編成をしてわずか三カ月と二十日にして
公共事業費八十八億の
削減、しかもそれは
地方財政が困窮しているからという
説明でありますけれ
ども、
地方財政の困窮は今日わかったものではなくて、特別
国会の四月五月、六月において、各
地方団体より猛烈な陳情があったわけであります。従って
政府に、この
予算編成に対して、一貫した確固たる
方針がないじゃないか。これに対して
大蔵政務次官の所信をお伺いいたしたい。それから次に八十八億の
公共事業費削減の内訳はどういう話をしたか、その内訳をお聞きしたい。それから
住宅局長に対しましては、先ほど申しました住宅融資保険法においてどれだけの成果をおさめたか。それから増改築分の申し込みはどの
程度になっているか。日本住宅公団法による公団の
仕事はどんな進歩状態であるか。それから
公営住宅、
公庫住宅の進捗状況、これだけの御答弁をお願いしたい。かように
考えます。