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1955-12-14 第23回国会 衆議院 議院運営委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月十四日(水曜日)     午後零時四十一分開議  出席委員    委員長 椎熊 三郎君    理事 荒舩清十郎君 理事 園田  直君    理事 長谷川四郎君 理事 福永 健司君    理事 松岡 松平君 理事 井上 良二君    理事 山本 幸一君       内田 常雄君    荻野 豊平君       松澤 雄藏君    山中 貞則君       池田 禎治君    栗原 俊夫君       中村 英男君    野原  覺君       矢尾喜三郎君    岡田 春夫君  出席政府委員          内閣官房長官  根本龍太郎君  委員外出席者         副  議  長 杉山元治郎君         事 務 総 長 鈴木 隆夫君     ————————————— 十二月十四日  委員小山亮君辞任につき、その補欠として岡田  春夫君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国会法の一部改正に関する件  文化財保護委員会委員任命につき同意を求める  の件  決議案取扱いの件  緊急質問取扱いの件  本日の本会議議事等に関する件     —————————————
  2. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それではこれより会議を開きます。  本日の本会議につきまして、先刻理事会を開きまして、議題その他について話し合いをいたしました。大体の話し合いは、円満に解決したものもあり、結論に達しないものもございますので、そのまま本委員会でご協議をお願いいたします。  第一の問題は、文化財保護委員会委員任命につき同意を求めるの件、川北禎一君、細川護立君の両君を専任する件でございます。理事会におきましては、再任に同意することになりました。いかがでしょう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 椎熊三郎

    椎熊委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。本日の本会議においてこれを決定いたします。     —————————————
  4. 椎熊三郎

    椎熊委員長 第二の海外移住審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求あるの件、これは社会党よりの御意見もあり、政府においても、さらに案を訂正したいとの申し出がありました。本日のところこれを留保するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 椎熊三郎

    椎熊委員長 さよう決定いたします。     —————————————
  6. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次は緊急質問でございますが、これはちょっと問題がありますから、あと回しにいたしまして、決議案が出て参りましたので、これについて御相談願います。日韓問題に関する決議案岸信介君外六十八名提出案文を読んでみます。    日韓問題に関する決議案     (岸信介君外六十八名提出)   政府は、日韓関係の現況にかんがみ、両民族永遠融和を期するため、この際新たなる決意をもって、韓国政府の深甚なる理解と反省を促し、あらゆる方途を講じて、速かにこれが根本的解決を図るべきである。   特に当面する漁業問題については、公海自由の原則に基づき、公海における漁船の安全操業を確保する措置を講ずべきである。   右決議する。 趣旨弁明は自由党の周東英雄君でございます。これに対して賛成討論申し出がございます。賛成田口長治郎君、自由民主党賛成赤路友藏君、社会党でございます。全会一致のかような決議案等について討論を用いることは、大体前例はございませんですが、問題の本質にかんがみて、重大問題でもあるし、特に賛成意見を述べたいとのことでございまして、理事会ではこれを了承することになりました。時間は七分くらい、まあ十分以内ということでございます。さよう決定してよろしゅうござにいますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 椎熊三郎

    椎熊委員長 さよう決定いたしました。
  8. 山中貞則

    山中委員 今、委員長から言われましたことにつけ加えます。重要問題であり、当面の懸案であること、これに加えまして、この決議案案文につきましては、共同提案でございますが、わが党と社会党との間に二ュアンスの差が若干ございますので、それについて、いわゆる自分たち立場主張を明らかにした方がいいという見解がございますから、今回は前例にしないという意味で、共同提案でございますけれども両方から討論者を出すということに賛成したいと思います。
  9. 岡田春夫

    岡田委員 私、きょう理事会に行けなかったのですが、今委員長から、全会一致という御意見があった。この趣旨はよく私もわかるのですが、これが配付になったとき、小会派代議士では、文案の中において異論があったわけです。ざっくばらんな話をいたしますと、これは理事会で話をすればよかったのですが、この文案の中で、たとえば「あらゆる方途を講じて、」という言葉がある。こういうことになると、何か武力を使ってもという言葉まで入るのではないか。そういうことでは、その趣旨はよくわかりますけれども賛成するのに困るのじゃないかという意見も実はあったのであります。そういうわけで、できるならばこういう点について、文案上ある程度の調整ができるのかどうか、こういう点をちょっと伺っておきます。
  10. 椎熊三郎

    椎熊委員長 岡田君は少し思い過ぎていないですか。わが国の憲法は、外交問題を武力解決することができない憲法でありますから、「あらゆる方途を講じて、」ということは、平和的手段によるあらゆる可能な範囲内のいろいろな方法によってやる、こういうことであって、武力に訴えるという意味はごうまつもないわけです。そういうことを予想しない文章でございます。
  11. 岡田春夫

    岡田委員 そういうふうに感情的になられては困る。
  12. 椎熊三郎

    椎熊委員長 感情的ではございません。
  13. 岡田春夫

    岡田委員 それは私が言っておるのでない。代議士会でそういう意見があったから、そういう言葉に対して調整ができますかと言うのです。
  14. 椎熊三郎

    椎熊委員長 そういう意味でありません。あらゆる平和的手段における解決を期待しておるのであります。
  15. 山本幸一

    山本(幸)委員 「両民族永遠融和を期するため、」と、前段に書いてあるんだから…。
  16. 岡田春夫

    岡田委員 きょう、理事会に出られなかったから、実はこういうふうに言っておるわけなんです。別に反対するために言っておるのじゃない。
  17. 椎熊三郎

    椎熊委員長 御趣旨はわかりました。  それでは満場一致、この決議案を上程し、可決することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 椎熊三郎

    椎熊委員長 さよう決定いたしました。     —————————————
  19. 椎熊三郎

    椎熊委員長 外務委員会から、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本政府アメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)が上って参りまして、これは賛成討論要求がありましたが、社会党から自発的に賛成討論を撤回されましたから、委員長報告通り満場一致ですね。
  20. 岡田春夫

    岡田委員 それは違います。反対があります。
  21. 椎熊三郎

    椎熊委員長 小会派の一部ですか。
  22. 岡田春夫

    岡田委員 小会派の全部なんです。理事会に出ませんでわかりませんが、この前の総理府設置法の一部改正一括上程するのじやありませんか。
  23. 井上良二

    井上委員 委員会が違うのです。
  24. 椎熊三郎

    椎熊委員長 一括上程ではありません。
  25. 岡田春夫

    岡田委員 両方とも、実は私らの方は反対なんです。それで討論をやめろとおっしるなら、それでもわれわれは固執しませんけれども、一応私の方も反対討論の通知だけは出してありますから、その点だけ言っておきます。
  26. 椎熊三郎

    椎熊委員長 討論を省略して、起立採決で決定するごとに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 椎熊三郎

    椎熊委員長 さよう決定いたしました。     —————————————
  28. 椎熊三郎

    椎熊委員長 そてれでは本日の議事日程その他について事務総長から説明を求めます。
  29. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 ただいまおきめになりましたところによりまして、劈頭文化財保護委員承認の件を諮っていただきます。それからただいまおきめいただきました決議案を上程いたしまして、趣旨説明周東英雄さん、それから田口さんと赤路さんの十分以内の賛成討論がありまして日程に入ります。日程一、二、三は一括上程いたしまして、「特別委員長有田さんの報告があります。これには小会派反対でございます。これには賛成討論がございまして、西村直己さんと岡良一さんの賛成討論がございます。それから外務委員会から上って参りました原子力協定承認を求める件が議題になって、これには討論がございません。
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは日程第一より第三までは一括上程で、有田喜一君の報告があって、賛成討論西村君、岡君。そのほかに反対討論申し出があります。岡田春夫君、小会派であります。
  31. 福永健司

    福永(健)委員 私は、少数者発言をこばむ理由はもとよりないのでございまして、できるだけ拝聴いたしたいと思いますが、しかし一面において、民主政治というものは、やはりある程度の数がなければいけないということも、いろいろ申し上げるまでもない。ことに労農党諸君が御希望なさるだけ、すべての場合に発言を許すということになりますと、諸君の方は、ごくわずかの数で毎回どなたかが大いに言論の威力をふるわれる。社会党及び自由民主党の方は、これに反して何百分の一かの発言の機会しか各個の議員にはないということになるのであります。かような点については、民主政治らしい常識的な解決もはからねばならぬ今日の場合におきましては、反対討論は御遠慮願いたいと存ずる次第でございます。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員長 いかがですか、岡田君。こういう状況でございますから……。
  33. 岡田春夫

    岡田委員 その点は、私の方もよくわかりますが、一応はやらして下さいということをお願い申と上げます。
  34. 椎熊三郎

    椎熊委員長 そうすると、多数の御意見は、岡田君の今回の発言は許すべきでないという意見が多いようでございますから、さよう決定してよろしゅうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それではさよう決定いたします。     —————————————
  36. 椎熊三郎

    椎熊委員長 先刻社会党がお持ち帰りになりまして御相談をお願いいたしました国会法改正の件は、どうなりましたか。
  37. 山本幸一

    山本(幸)委員 はなはだ時間をかけて与党皆さんに申しわけないと思いますが、実は先ほど私ども相談をしようと思って寄ってみたのですけれども対策委員長が、急に参議院でちょっともめごとがあって手を離せないというので、相談の時間がなかった。はなはだ恐縮ですが、きょう一日お待ち願いたい。参議院が片づけば、本会議が済めば、直ちに相談して御回答申し上げます。まだ二日あるから、きょうだけ一つ……。
  38. 山中貞則

    山中委員 参議院のごたごたは、社会党さんだけにあったのでなく、私の方もそれに対応いたしましてごたごたしたのでありますが、私どもは、より忠実に、参議院にわざわざ足を運んで相談いたしました。その結果、社会党さんの方で主張しておられました懲罰の問題について今国会で可決せんとするならば、会期延長についてある程度の——みだりに延長しないという原則を確立しておくのが正しいじゃないかという御意見に基きまして、わが党においても一応草案ができておりましたから’それを持っていきまして、もし社会党さんがこういうものと一緒にやるならば賛成すると言われた場合の処置まで、私どもとしてはきめて参っておるわけですが、いかがですか、本会議終了後でなくて、連絡さえすれば話がつくわけですが、本日何とか片づけるということにいきませんか。
  39. 野原覺

    野原委員 今、山中君から言われた点は、出先のわれわれとしてはほんとうに努力します。できるだけ皆さん意思に沿いたい。ところが事情は、参議院で実は議案の問題で朝来紛糾しておって、対策委員長が調停に立たなければならぬ、そういうような党内事情がございますので、そこのところは与党皆さんに御了解いただきたい。本日のところ留保願いたいというわけですから、これは一つ党内事情ということで、砦さんにもそれぞれ事情があって私どもも了解したこともあるわけだから、そこは無理を言わないで、本日のところ留保ということにしていただきたい。
  40. 山中貞則

    山中委員 その問題を留保するなら、しぼって留保したいと思うのです。私どもの党の最終方針としては、今申し上げた会期延長に対する若干の規則条項を挿入して賛成が得られるならば、あしたまで延ばしてもよろしい。しかし、そういうことにしぼったものでなくて、今国会において通過させることについて、社会党としてはほかにもいろいろあるから、単に会期延長規則のみたけでは困るというような御意見であるならば、会期延長規制は、遺憾ながらこの次の通常国会における諸般の国会法改正のときに検討する材料として残しておいて、私どもが、内々できるならば全会一致で提案したいとして草案を出しております。案を本日やりたい、そういう方針です。それについて明日まで待ってくれ、とおっしゃるなら、議題をしぼって、懲罰に関する条項会期延長に関する条項を、あしたまとめてあなた方が持ってくるということなら留保してもよろしい。
  41. 池田禎治

    池田(禎)委員 今の山中君のお話はごもっともですが“実は私、対策委員長にも個人的には申し入れしました。きのう委員長にも、与党理事の方にも、社会党としての私見を私は申し上げた。この臨時国会でこういう問題を上げるということについては、必ずしも賛成できない、しかし、こんな何もないときに上げておきたいということの希望は、私も了解できる、けれども、われわれの方としても、会期をみだりに延長しないというような精神が盛られるならば、あえて拒否するものでもない、かりに通常国会に入ったとて、私の方では何らそういうことはもめるということはない、審議を延ばすという考え方はないから、そういうこともあわせて考えてもらいたいということを申し入れた。私が引き続き議運をやるかどうか知らぬが、もし議運をやったら、私は責任を負うということを申し上げた。そういうことの話し合いについて、私は対策委員長にも話した、従って同意を得ております。われわれとしても、その点でに特にごだわることはありませんが、臨時国会は御承知のように短かい。しかも数日前に出されたのであって、臨時国会劈頭に、こういうことを与党としては用意しておるという話し合いがあれば、社会党としても、もっと早くから対策委員会にかけて御相談願っておきますが、これもあなたの方の都合であるかどうか存じませんが、会期の終り近くなってこういう話し合いを出したんだから、私は、臨時国会で必ずしもそういう意味のことをやらなくてもどうだろう。ただし、それについてわれわれとしてはこう答える用意があるということを私は申し上げてあるつもりでありますが、そういうことで一つ御了解いただきたい。
  42. 山中貞則

    山中委員 唐突に出したというふうにおとりになっておるようだが、しかし実際は、御承知のように休会中もずっと研究して参ったことですし、成案を得て、これがよかろうといって出しましたものも、今まで研究して参りました一次案、二次案、三次案というものまで全部御提示して、研究の便に資するようにした。決して唐突ではないと思います。それといま一つ、私どもが今国会にぜひ通しておきたいというのは、せめて衆議院だけでもということで、今池田さんが言われたように、この国会は二大政党対立の形で発足して、今まで私どもの運営したところでは、お互い最大限に譲歩して円満にいっており、またかかっておる案件議案等につきましても、比較的紛争を予想されるものが少い。そうして会期延長等のごたごたも、大体において今回は論議する必要もなさそうである。こういう非常に円満であり、またスタートの第一歩であるときに、こういう今後の紛争のもとになるものは、一応われわれせめて衆議院だけなりとも、みずから規制する態度を内外に表明する。これは自分たちの党の立場のみならず、議会に対する二大政党対立に伴う国民の信頼感を一そう引き上げるのに都合がいいじゃないか、こういうことで、党の立場を離れて御相談申し上げたのです。だから留保するにしても、池田君の言われるように、そこまで原則的に御賛成ならば、今の国会を延長する場合の規定等を御考慮になって、明日これを決するということで留保していただくならばけっこうだと思います。
  43. 野原覺

    野原委員 山中君の言われることもわかりますけれども国会法ということになると、これはお互いの行動を、与党野党も、つまり国会全体がこの法によって規制を受けるわけです。だから一つ政党国会法改正について成案ができたからといって、これを直ちに強引に押し切るというようなことは、やはり与党でも、野党でも考えなければならぬ。だから私ども主張は、皆さん成案提出された、これは現実に出ておる。この成案についてわれわれ十分検討したい。これは数日前から出ておって、国会対策委員会でも二回にわたって一応検討しております。先ほどの理事会でも社会党の言い分は主張したけれども皆さんがもう一度相談して来てくれと言うから相談に行ったが、実情は、対策委員長とも十分に会う時間的余裕がなかった。だから、本日のところ留保していただきたいということです。従来の議運の慣例としても、本日のところ留保で、ずっとやはりやってきておる。明日は明日で皆さんが押し切ろうと、どうしようと、明日また理事会が開かれるし、議運相談をしたらいいと思う。私どもは、皆さんの趣意に沿うように出先は努力します。ただし党は、十分意見をまとめて国会法改正には対処したい、こういうわけですから、本日のところ留保ということでお願いします。
  44. 山中貞則

    山中委員 今の野原君の発言言葉を受け取る場合に、誤解があるといけないが、私どもは、これは自由民主党の党の案として持ち出して御研究願っておるのでなく、私ども考え方その他をいろいろと調整をして、事務局に、こういう考え方に合う成案はどういうふうなものがあるかということで、一次案、二次案、三次案と出させて、皆様方に御研究願ったわけで、私どもは、これを通したいという積極的な意思は持っておりますが、自分たちの党でやろうという気はない。そこで、できるならば共同提案ということで、今までの慣例通りいこうじゃないかということを申し上げておるわけなんです。
  45. 池田禎治

    池田(禎)委員 山中君の言っておることは、ごもっともで、早くから提示もされて、社会党としても、満場一致でやりたいというお話もあったのですから、私ども根本的に、原則的に反対はないということを申しておる。ただ時期、方法等については、多少社会党としても、国会法を早くからどうするかということは、常々本委員会で協議しておることでありますけれども、さて国会法を正式に、たとい一部なりとも改正するということは、大きなできごとです。これは私の方としても、御承知のように社会労働委員会が事実上回転できないじゃないか、こういう委員会は、すみやかに分離すべきでないかということを、与党の中にも、社会党の中にも言う人がある。それで、そういうことをやるなら一緒にやったらどうかという考え方もあるわけです。私どもは、そう急ぐべきでないという考え方を持っておった。しかし与党としだ、早くこの問題だけ解決したいということを主張しておるなら、よく幹部に伝えてありますから、明日できるだけできるようなかまえで臨みたいと思っております。
  46. 椎熊三郎

    椎熊委員長 国会法改正懲罰委員会の件は、趣旨においては社会党反対でないということでありますし、それから会期延長の件は、特に社会党から、これをあのままにしておいて懲罰だけを変えるということはどうかという御注文があって、事務局で考えられた案もできたわけですから、両方ともびっくるめて本質的の反対はないわけであります。ただ各党の党議をきめていく手続上に多少の時間がかかるということですから、明日はぜひ本会議でこれを扱うということを前提として本日のところは留保する、こういうことでいかがでしょう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 椎熊三郎

    椎熊委員長 さよう決定いたしました。本日は留保いたします。  なお、日韓問題に関する決議案が可決された直後、政府から外務大臣発言要求がございます。当然これを許しますから御了承願います。     —————————————
  48. 椎熊三郎

    椎熊委員長 官房長官が見えました。引揚者在外資産処理に関して、自由民主党並び社会党両派から同じ趣旨緊急欄間が出ております。これが今日まで留保されておりますゆえんのものは、政府において答弁準備がまた整っておらぬということで、これは非常に重大な問題でもあるし、関係者は非常に熱心に運動しておる問題でもあるから、政府にも十分用意の上答弁してもらいたいという趣旨から、本日まで留保された。そうして本日の先ほどの御決定では、本日もなお留保して、明日でもやろうかということになっております。従って井上さんから、政府のこれまでの準備の経過、あるいは現在の段階等について質問したいということであります。
  49. 井上良二

    井上委員 引揚者在外資産処理に関する緊急質問提出されましたが、政府の本件に対する答弁準備ができないから待ってくれ、こういうことで、実はこれが引き延ばされてきておるのですが、これは政府としてはもってのほかだと思う。というのは、すでにこの案件につきましては、衆議院では去る六月二十三日の本会議において、在外資産処理促進に関する決議というものが満場一致でされております。その案文の内容は、「政府は、在外資産処理に関して、さきに在外財産問題審議会を設置し、在外財産に関する基本的問題その他これに関連する重要事項について審議処理しつつあるが、いまだその根本的解決を見るに至っていない現状である。よって、政府は、状勢の推移に即応し、速かに在外財産問題の処理を促進して財政上及び法律上必要な措置を講ずべきである。」という趣旨決議がされておるわけであります。この決議に対して政府は、お説の点は十分専索いたしまして善処しますという答弁がされておるわけであります。しかるに、ここに約半年経過しておりますのに、今日この在外資産処理に関する緊急質問をしようとする場合、なおかつ政府はこの答弁に対して十分な準備ができていないというに至っては政府の怠慢もはなはだしいといわざるを得ないのであります。一体これはどういうことです。衆議院決議趣旨を尊重しないつもりでありますか。この点を明確に御答弁願いたい。
  50. 根本龍太郎

    根本政府委員 御決議の点は十分承知しております。実は御承知のように、在外資産の具体的な処理となりますと、これは非常に広範な問題が含まれておるのであります。まず御承知のように、一番多くの問題があるのは中国関係であります。満州、中国におった日本人が一番多いのであります。これの在外資産の確認の方法がないということに非常に難点がございまして、そのためにいろいろな調査をいたそうとしても、その手続ができない。それから韓国との問題は、御承知のように、日韓関係がこのために重大な暗礁に乗り上げておるということでございます。他の第三国というようなところは、ほとんど円満に解決しております。一番難点の問題だけが具体的に手をつけることができない。そこで利害関係者の方からは、この場合、暫定的なつかみ金で何とかせよという陳情がございます。しかし、これも今、日本財政上から見ますと、そういうふうなつかみ金にいたしましても、数千億かかるような案が出ておるのであります。従いまして、この点について具体的にどうするかについては、いろいろの関係、問題がございまして、せっかく学識経験者によって組織されております審議会におきましても、まだ実は具体的な答申を得られないという状況でございます。政府は、熱心にこの問題を取り扱っておりますけれども、いまだ結論が出てないという状況でございます。ただし、先般関係者から強い要望がありましたので、従来審議会には、いわゆる学識経験者のみが出ておりまして、利害関係者の方から出ていないというので、これについては、一名そこに入れて要望に沿うておる次第でございます。  なお私は、これは井上先生からもいろいろ言われてあっせんの労をとっておるのでありますが、しかしながら、非常に問題は大きくて、根本的解決はにわかにできないといたしましても、少くとも三十一年度予算編成の場合には、何らか一歩前進するような措置を講ずべきであるという意見によって、私は、外務省当局並びに大蔵省当局に強くその措置を要請しておる次第でございます。そういう意味において、今御指摘になりました点は重大な問題で、ございまして、政府も十分に努力しておりますが、質問されましても、非常に抽象的な形になるであろう、それでけっこうならばあれでありますが、具体的に、今政府のこれに対する措置ということは、まだまとまっていないという状況でございます。
  51. 井上良二

    井上委員 ただいま官房長官からの御答弁によりますと、実際調査がまだ十分整うてないから、従ってこれが法的、予算的措置が直ちに具体化することは困難であるが、しかし何とか審議会審議を促進さして、三十一年度の予算においては、その一角でも姿を見せたい、こういう非常に熱意のある御答弁でございます。私は、その答弁でけっこうだと思います。その答弁を、少くとも本会議を通してこの関係者や、一般関係の国民に、政府趣旨を明らかにしてやることが、問題の紛糾及び政府への猛烈な要請運動を一時納得さすことになる手段ではないかと思いますから、政府の方としては、最大限に答弁のできる具体的な資料を集められてそうして目的を明らかにされて、解決の具体的な方法についても手段を講ぜられて、本会議を通して答弁をされることが必要でないか、こう思います。
  52. 福永健司

    福永(健)委員 井上君からの御見解もあり、政府側から官房長官発言をされたのですが、明日、今までいろいろ話が出ましたことを考慮してこの扱いをどうするかということをきめるといたしまして、きょうは留保ということに願います。
  53. 井上良二

    井上委員 今の私の意見に対しての政府側の御意見を承わっておきたい。
  54. 根本龍太郎

    根本政府委員 今私が申したことは、井上さんにおいて、ちょっと微妙な点で解釈が違うといけませんから申し上げておきます。私が申し上げたのは、私はあっせんに努めておる。ところがこの問題は具体的な方策が得られずして、ただ官房長官があっせんしておっても、具体的な答案ができないのに言ってもしょうがないというので、閣議がまとまらない。たとえば、その誠意は十分ある。大蔵省でもそれは何とかしたいけれども、しからば具体的につかみ金一万円、あるいは五万円といっても、そういう不確定なことでは出せない。また外務省では、何らかやるとするならば、在外資産と何らか関係ある基礎的な条件が整って、合理性がなければならぬ。その理由を見出すことができないというので、いまだにこの意見がまとまらない。にもかかわらず、私は皆様方の強い要請がありますから、何とか来年は一歩でも前進するように努力してほしいと、陳情者の代表として私はやっておる状況であります。その点を——。
  55. 池田禎治

    池田(禎)委員 今この委員会では、きょうは留保ということになって、あしたまた議題にすることになっておるが、明日でも緊急質問をやるなら、今あなたの答えられた事柄について、こういうふうにしたいと思うが、具体的にはまだできない、しかし、こうやっておるということは言える道があるのかないのか、それとも今日の場合においては、政府としては答弁ができないというお考えか。実は私の方でも、昨日の代議士会で、これは自由民主党の方も出しておるのにどうしてできないのかという質問が出て、実は政府答弁がなかなか微妙で、困難だからと言ったところ、そんなけしからぬ話があるかというので、あべこべに私はこういうことを申した。そういうことをいっても実際問題として一人五万円ということになると五百億、三十万円で三千億という金だから、政府もいろいろ苦労しておると言ったら、そんな政府の代弁者みたいなことを言う必要がどこにあるかと言われた。私は、あなたに頼まれた覚えはないけれども政府も、自由民主党の方でも、陳情に来られて、その代議士の方は相当苦労されておることを私ども知っておる。しかしこれは放置できない。極端なことを言う者は、こういうことを言う。では、社会党緊急質問をこれに対して要求したけれども与党が聞かなかった、政府に答えるべき何ものもないから、そんなら採決をして破れたというなら、国民は納得するだろう、政府にその誠意がない、社会党主張したけれども、多数の横暴の前に破れたという形を出したらいいじゃないか、そのことを国民の前に示せばいいじゃないか、こういう意見代議士会では出たけれども、私は、けんかをするのが目的じゃない、どうすればあの引揚者の窮状に対して何らかの形において解決できるかということを考えるのが、現実政治家としての道じゃないか、従ってわれわれは、けんかでしりをまくって帰るのは簡単だが、何とか質問をし、政府から誠意ある答弁ができるように計らうことが道と思うから、さらに与党とも話をして、何とかしたいということを代議士会答弁をして参った。従いまして、イエスかノーか伺わなければ、いつまでも留保でいって、結局できないのだということになると、私も政府の代弁みたいなことをして、とんでもないことになるが、その辺、官房長官は忌憚なく、答えられるだけでも政府としては応じますという、こういうお考え方を言えますかどうか。
  56. 根本龍太郎

    根本政府委員 この問題については、先ほど私が申し上げたのが事実でございますので、そういう事実について答弁するというのも、国会としてどうかとも思われますが、これはいずれ相談してみなければならないと存じます。直ちに、それではそういうふうにいたしますということは、私ちょっと言いかねますので、いずれ関係大臣にもはかって御返答申し上げたいと思います。
  57. 池田禎治

    池田(禎)委員 官房長官の言うことは一応了としますが、明日もそのことができぬようだったら、私ども仕方ありません。社会党として要求して、少数で否決されてもいたし方ありませんということを今日申し上げるほかない。そのときになっても、政府としては答える道がないからできないとおっしゃれば、言わぬものを言えというわけに参りません。いわんや、われわれは数をもって、そういうことを院議をもって決定すれば、政府もおっしゃらなければならぬ。もし表決において破れれば、人をつかまえてきて壇上で言わせるわけにいきませんから、仕方ありませんけれども、そういうようなことをいたしたくない、やはり自由民主党の方でもこれを取り上げ、何とかして政府にも善処させるということを言っておるのを率直に知っておるわけです。明日までにはその方の対策をおきめ願いたい。これは強く願います。
  58. 野原覺

    野原委員 僕は、質問があったら、政府としては現状を答弁したらいいじゃないかと思う。だから議運で論議しておること自体、私はどうもふに落ちないけれども在外資産の問題については、与党でも、野党でも、一体どういう実情になっておるのかということを質問したい。それで大橋さんと、私の方の古屋氏が質問を通告しておるわけです。そこで政府としては、その点については官房長官も誠意を持って努力しておると言われることだから、実は現状はこうなんですということを答弁したらいいのであって、引揚者諸君の期待に沿う答弁ができないから質問はどうだろうかということは、議運としては行き過ぎじゃないかと思う。だから、私は委員長にもお願いしますけれども緊急質問の必要があるならば、政府は現状を答弁するということで、できたら本日取り上げていただきたい。明日でもよろしいから取り上げてもらいたい。
  59. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは官房長官に対する質疑はこれでよろしゅうございますね。  そこでこの問題の取扱いは、本日留保でございますが、明日やるといたしましても、緊急質問の旧来の前例から見ますと、二本同じものが出ておる場合は、各党で調整をとることになっておりますから、両党問の話し合いの上、適当に御決定を願います。それではこの緊急質問は明日に延期いたします。  本日の本会議は正二時でいかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 椎熊三郎

    椎熊委員長 明日は定刻より本会議を開きます。従って十時半理事会、十一時運営委員会を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。     午後一時二十三分散会