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1955-12-03 第23回国会 衆議院 議院運営委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月三日(土曜日)    午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 椎熊 三郎君    理事 荒舩清十郎君 理事 園田  直君    理事 長谷川四郎君 理事 福永 健司君    理事 松岡 松平君 理事 井上 良二君       内田 常雄君    荻野 豊平君       佐々木秀世君    薩摩 雄次君       田村  元君    松澤 雄藏君       山中 貞則君    池田 禎治君       中村 英男君    野原  覺君       矢尾喜三郎君    久保田 豊君  委員外出席者         議     長 益谷 秀次君         副  議  長 杉山元治郎君         事 務 総 長 鈴木 隆夫君     ————————————— 十二月三日  委員岡田春夫君辞任につき、その補欠として久  保田豊君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  特別委員会設置に関する件  決議案の取扱いの件  本日の本会議議事等に関する件     —————————————
  2. 椎熊三郎

    椎熊委員長 これから委員会を開きます。  最初に、非上君から発言を求められておりますから、これを許します。
  3. 井上良二

    井上委員 昨日、衆議院の本会議開会中に、わが党の渡邊君は、場内交渉係として交渉中、前国会議席と、今国会議席が変っておるということを無意識のうちに忘れて、近道をしようとして、うっかり発言者演壇の裏を横切りまして、全く従来重い慣例となっておる演壇を通ったということは、本人はもちろんであり、われわれ社会党としても注意の足りぬところでありまして、議会運営上まことに遺憾なことでありますが、本人にも十分注意をいたし、かつわれわれ全社会党議員にも、演壇重要性ということを尊重するよう申し渡しました。今後かようなことのないよう十分注意いたしますから、与党委員方々の御了承を願いたいと思います。
  4. 福永健司

    福永(健)委員 ただいま井上君から御発言通り、昨日渡邊君が演壇の、しかもわが党の須磨君が演説中に、その裏を横切ったということは、私ども非常にびっくりいたしましたのであります。相当議員としての経験もあり、かつ議院運営委員である同君としては、ただいま無意識とか、不注意とかいう言葉をお使いになったが、いかにもその程度がはなはだしいと私ども感じたのであります。わが党内においては、相当強硬な議論もあるわけでございます。しかし、ただいま井上君から御発言があったその意の存するところは、私どもも了とするものではありますが、多数党員のおりますわが党としては、今直ちにこの席では了解いたしますとまでは言い切ることはできないのでございます。お話の御趣旨を伺いましたので、私どもにおいても、なるたけ井上さんの御趣旨に沿うよう、せいぜい努力をいたしてみたいと思います。なお御当人が見えてないのは、あるいは謹慎されて見えてないのかどうかわかりませんけれど、おそらく井上君のおっしゃったと同じ気持で本人もいるだろうとは思いますが、本来ならば、御当人もしかるべき方法をおとりになるのがむしろ適当ではないかと思います。しかし、ただいまの発言といたしましては、私ども今申し上げた通り、最終的の結論とまでは申し上げられないのでございます。御趣旨のほどは党にも伝えまして、善処方努力をいたしたいと思います。
  5. 松澤雄藏

    松澤委員 ただいまの問題ですが、われわれ若い者から見まして、まことに不可思議に思っておる一つの問題でもありますので、この機会に申し上げておきたいと思います。きのうわが党の須磨君の発言内容に、いかなる疑問点があったのか知りませんけれども社会党交渉係方々があそこに上ってきて、その帰りの結果がああいう結果になったのであります。ところがわれわれから見ました場合、きのうの発言内容において、そういうような節は毛頭われわれとしてはなかったような気がするのであります。党が違うというふうな意味で、一々何でも取り上げて相対的な立場においてやらねばならぬというふうな問題が今まででもあって、われわれ今回初めて国会に出て参りまして、不可思議に思うようなことが多々見受けられて参りました。特にきのうのようなことは、その点が特に強く考えられたのであります。それに、ああいうふうな結果というようなことは、総合的に見ましてまことに不可解千万な行動である。また議運のメンバーであり、議運においては相当発言なさっておる方がああいうことをなさるということは、われわれとしては、井上さんの発言もありますけれども、簡単に納得がいかない点があります。従いまして、率直にその点を申し上げておきたいと思います。
  6. 椎熊三郎

    椎熊委員長 松澤さんに申し上げますが、きのう各派の交渉委員方々議長席に殺到したのは、須磨君の演説内容に関することではなく、外務大臣演説の中に不穏当な個所があるということで、取り消しを申し込まれたようであります。
  7. 松澤雄藏

    松澤委員 間違えました。取り消します。
  8. 椎熊三郎

    椎熊委員長 その際議長におかれましては、速記録調査の上、不穏当の個所があれば善処するということでおさまったのであります。その後、速記録等を取り寄せて調査してみましたが、速記録の上からは不穏当と思われるような個所もないかのように思われるのであります。議長におきましても、あえて取り消しをすべき個所は認められないという御意思のようであります。  そこで、ただいま井上君から丁重なごあいさつもありましたし、福永君からの御意見もありました。与党の方としては、党に帰ってよく相談するということですから、本日のところは、この問題はこの程度にしておきたいと思います。御了承を願います。     —————————————
  9. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次いで本日の議事に関して御相談申し上げます。前回の運営委員会決定いたしました通り、きのうは運営委員会決定通り無事議事は終了いたしました。引き続き国務大臣の流説に対する質疑が本日行われます。お手元にプリントを差し上げてありますように、本日は自由民主党前尾繁三郎君が第一陣、次は社会党河野密君、次は社会党成田知巳君、次は小会派クラブ中原健次君でございます。これをもって昨日の総理大臣外務大臣演説に対する質疑は一切終了することに相なります。本日は、予定通りこれを遂行したいと思います。ただここに、参議院が目下本会議開会中でございます。多数の質疑者があって、一時過ぎころまでかかる。従ってこちらは定刻に開くことは不可能なような状態でございます。たとえば一時十分に終ったとしても、昼食をとる時間くらいは認めてあけねばならぬと思いますから、約三十分程度は御了承を願います。従って、本日の本会議定刻というわけにいきません。すなわち参議院の閉会後三十分の余裕を置いて本会議を開くということに御了承を願います。
  10. 井上良二

    井上委員 参議院質疑の時間がおくれて、衆議院開会がそれに伴っておくれるということは、自動的にやむを得ないといえばやむを得ないことですけれども、少くとも衆議院定刻に本会議を開くということを申し合せをいたしております関係上、参議院に対して、衆議院として定刻に本会議が開かれるように質疑関係を調整願うよう、衆議院議運委員長として一つお取り計らいを願いたい。また参議院は、衆議院が午後一時に開くことがわかっておりながら、一時過ぎまで質疑を続けるとは不届きなことである。われわれとしましては参議院側の反脚を求めて、おそくも十二時半ころまでには質疑を打ち切って、衆議院の方の開会に支障を来たさないように、一つ議事運営について向うの委員長に申し入れをしてもらいたい。今後の開会関係もありますから、事前にそういうことについて打ち合せをしていただきたい。
  11. 椎熊三郎

    椎熊委員長 ごもっともであります。今後のことにつきましては、さっそく参議院交渉いたしますが、本日は、かようなことがあっても困ると存じまして、半前に事務局から、一時前に参議院会議を終るように連絡をしておきました。しかるところ参議院では、本日十時定刻に始めないで、十時二十五分に始めておる。その上五人の質疑者がありまして、きょう一日で終えてしまった方がかえって両院に迷惑がかからないのではないかということで、多少の無理をしておるような状態もありましたので、本日は多少やむを得ない点もあったのではないかと思われる節もあります。しかし、将来のことにつきましては、参議院運営委員長相談申し上げるつもりでありますから、御了承を願います。
  12. 池田禎治

    池田(禎)委員 理事会でも、井上さんの言ったようなことは一々取り上げられておる。やはり参議院は、大体正午をもって終るということが慣例なんですから、きょうのような特殊の事情というものを認めないわけではないけれども、やはり慣行というものは強く主張して、衆議院定刻に開かれるということを——「前中は参議院、午後は衆議院ということの慣例は、委員長がかわられた機会でもあるから、厳重に守るように願いたい。このことは、幾たびかこの委員会でも申し合せをしてありますので、特に重ねて要望いたします。
  13. 椎熊三郎

    椎熊委員長 承知しました。  そこで、国務大臣発言に対する質疑は以上の通りであります。     —————————————
  14. 椎熊三郎

    椎熊委員長 昨日来懸案になっております特別委員会設置の件でございます。
  15. 福永健司

    福永(健)委員 本件につきましては、昨日の議院運営委員会では、休憩後に開かれた本会議において決定をいたしたいということになっておったわけですが、その後社会党とわが党との折衝の過程において、今日に持ち越されたのであります。いずれにいたしましても、たびたび申し上げております通り、今臨時国会会期も短かいのであるし、しかも残されたる日数はさらに短かいという面が考えられ、一刻も早く特別委員会機能を発揮せしめるために、ぜひ本日の本会議のに劈頭決定を願いたいと思います。内容につきましては、従来設置されておりました海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会公職選挙法改正に関する調査特別委員会行政監察特別委員会、これを引き続き設置することとし、なおそのほかに、新たに科学技術振興対策に関する調査特別委員会委員数二十五名で設置されんことを提案いたします。
  16. 井上良二

    井上委員 本日、特別委員会設置することには私ども異議ございませんが、われわれ社会党といたしましては、従来ございました貿易振興に関する調査特別委員会を、今回の与党側の提案によりますと廃止するということでありまして、新しく科学技術振興特別委員会設置したいということでございます。科学技術振興特別委員会は、各省にまたがっておる関係もあり、当然これは特別委員会として審議すべき重要な案件を含んでおるから、設置することには異議はございません。しかし貿易振興特別委員会をこの際廃止するということにつきましては、われわれの党としては反対でございます。ぜひこれもあわせて設置を願いたい、こういう強い希望を持っております。
  17. 椎熊三郎

    椎熊委員長 ただいま両党の意見が開陳されまして、自由民主党では、海外同胞引掛及び遺家族援護に関する調査特別委員会行政監察特別委員会公職選挙法改正に関する調査特別委員会科学技術振興対策に関する調査特別委員会、以上四特別委員会設置するとの主張でございます。これに対して社会党は、以上四つは賛成であるが、そのほかに、旧来ありました貿易振興に関する調査特別委員会設置せよとの要望でございます。この問題は、数日来両党の国会対策委員長幹事長書記長等の間に数次会合が行われて相談を重ねて参りました。本日も早朝来、先刻まで協議をされたようでございましたが、両党の意見が一致しなかったということでございます。従って両党の会合では、あげて議運委員会決定にゆだねる、そういう結論であったそうでありますから、話し合いがつかなかったことはまことに遺憾でありますが、とりあえず両党が一致しておる四委員会、すなわち海外行政公職科学、以上四つ委員会は両党の意見が一致しておりますから、これを設置することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 池田禎治

    池田(禎)委員 決定なさるについては、今までの慣例からすれば、いろいろの慣例に基くところの道があると思う。たとえば、両党のそれぞれの対策委員長会議等において決定を見なかったといえども、本委員会に付託された案件としてありまするならば、たとえば特別委員会を作る場合において、国会法に基きますならば、委員長はその委員会互選ということになっておるけれども、従来投票を用いずして、各党一致した話し合いをもって委員長を選任しておることが、第一国会以来の慣例でございます。私は、この際それも含めて、この委員会としては一回も論議されたことはないが、やはり、もうそういう慣行を破るなら破るだけの新しい事態がありまするならばいざ知らず、従来の慣例からいけば、この委員会に付議されておる案件として御相談をしておる、この際はどうかというと、たとえば新聞紙等を見ますと、すでに委員長自由民主党の方ですべておとりになるように発表になっておる。発表になったのか、新聞社の推測であるのか別としても、しかしそういうことになるならば、党としておきめになったとしても、やはりこの委員会は、そういうことも従来懇談をして参ったのでありますから、当然それはお取り上げを願いたい。こういうふうに思っておる。
  19. 福永健司

    福永(健)委員 ものの順序として、まず設置するということをおきめいただいて、それからその委員長をどうするかという御意見であろうかと思うのでありますが、新聞等に、委員長をきめる場合において、わが党の候補者というようなものが出ていたやに私も思います。けれども特別委員会委員長は、今池田君御指摘通りに、委員会において互選するのでございますから、当迷執委員会において、だれを委員長にするということは、論ずる方がおかしいと思うのであります。委員長をどうすべきかということにつきましては、池田君の方におかれては、池田君の方の御意見がおありだろうと思います。そこで設置後において、当該委員会の内部、その他の方法において御主張を願いたいと思います。それなるがゆえにというので、この委員会での決定を延ばすということは、私は筋違いだと思います。
  20. 池田禎治

    池田(禎)委員 今、福永君が言った通りです。特別委員会委員長は、国会法に基いて互選ですけれども、従来、この委員会でそういうことの話し合いもいたしておったことは事実で、これは慣例でございます。慣例を守るということは、委員長がしばしば本委員会で言われたことであって、国会慣例を破るには、破るだけに値する事態、納得すべきものがなければならぬということは、あなたが多年運営上において主張されて参ったところの実績でございます。私もまた、この委員会で原則として委員会設置するかどうかということをきめて、しかる後に委員会でやることはわかります。ただ、そういう問題は、そこにまかせるんだということで、従来の慣例を破っておるのか、そういうことも御論議願いたい。私はただ延ばそうというのでなく、一応話をしようじゃないかと言っているのです。それに対して、いや、それは今回は設置された特別委員会にまかせる、国会法の条文に基くそのままでいくのだというふうにおやりになるのかどうか、その辺のことを私は言っておるのです。ここで設置を引き延ばそうというのではない。そういうことも含めて論議しなくてもよろしいのか、こういうことを言っておるのです。
  21. 福永健司

    福永(健)委員 ただいま池田君御指摘の点は、そういった意味も含んで、おそらく社会党書記長なり、国会対策委員長なり、その他関係の各位が、わが党の幹事長その他に折衝されたものと私は了承いたします。そこで先刻委員長の申しました通り数次にわたりましてそうした折衝を重ねた結果、池田君が意図せられておられますような工合にこの幹事長書記長との間における折衝では結論が完全についていないというのが、現在の状態ではなかろうかと思います。と申しますより、むしろこの種の会談では、社会党主張されるような工合には参らなくて、結局運営委員会の方に戻ってきたということではなかろうか。よって私は、ここまで参りました事態のもとにおいては、慣例としてと言われますが、当時の事情による話し合いでございまして、この慣例ということにつきましては、いろいろございます。与党が完全に過半数を制しておるような場合においては、委員長は、責任を持って与党がみな占めるというようなことも、むしろこの方が原則的な慣例であるとも思うのでございますが、この点については、いずれがどうであるかということについては、あえて議論をしようと思うわけではございません。そこで国会法に定むる通り特別委員長互選するという手続、これをとればよろしいと思うわけでございます。現在の事態のもとにおいては、そういうことにきめて、事を運んでいただきたいと思います。
  22. 椎熊三郎

    椎熊委員長 ちょっと池田さんに申し上げますが、私個人的の意見をここで申し上げたくない、全く白紙でございます。あなたが常に慣例を重んじたということを言われましても、私は、今慣例通りやれと主張しておるのでも何でもありません。そこで、両党の主張があるのですから、十分に論議を尽していただく。それから委員長をどうするかということについては、法規上の規定等がない場合はここで大いに相談して、両党が納得するようないい方法、判断が発見されれば非常に好ましいが、法規決定しておるのですから、私は、ここではこの問題は論議する範囲じゃないじゃないか、こういうふうに考えられるけれども、私は個人的意見を申し上げるのではなくして、両党の委員間において御議論下さいまして、結論を発見していただきたい。私ここに申し上げたのは、この四つ委員会設置するということには両党の意見が一致しておるようですから、この四つをまずきめて、それから社会党主張されておる委員会を設けるかどうかということ、これも御議論を願いたい。こういう段階をとってお話を申し上げておるのであります。御了承を願えますならば、ただいま申し上げた海外行政公職科学、以上の四特別委員会設置することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 椎熊三郎

    椎熊委員長 御異議ないものと認めまして、設置するということに決定をいたします。
  24. 池田禎治

    池田(禎)委員 設置には反対しておりません。あなた方としては、貿易の問題はお作りにならないという見解、その見解の調整を、この際私どもはやはり含めて棄えてもらおうと思って言っておることであって、今ここで新たに科学技術振興対策特別委員会というものを作るくらいならば、私は、当然貿易も、もう一ぺん考えられないかということを言うのです。何となれば、これをここで切り離して、貿易は残して、また相談するということになると、当然あなた方の主張されるごとく、事実数でいくなら、正直に言って問題になりません。福永さんは、国会法の定めるところと言いますけれども、私どもは、そういう形で国会慣例をやっておらない。この委員会は、必ずしも法規一点ばりによって運営されておらなかった。そのときの情勢を勘案することはもちろんである。いかにすれば国会運営をスムーズにし、民主的にするかということがこの委員会の使命であって、必ずしも数によって戦ってきたのではない。時によれば、従来の慣例である大会派順と言いますけれども、第一党から議長を出すことなく、必ずしも絶対多数党によって委員長を出すことなく、そういうことの運営は、国会運営全体として考えようということで本委員会はしばしば扱ってきたわけです。私どもとしては、今日のごとく与党が二百九十九名の絶対多数を持っておるから、やはり国会法の示すところによって数できめていくというならば、もう論議の要はない。それなら本委員会は全く形式的なものになって、賛否の起立だけでどんどん採決すればいいということになる。そういうことのなからんことをこいねがうことが、今私の申し上げておる趣旨であります。だから貿易の問題は、できるだけそれを入れた上で考えてもらいたい。
  25. 椎熊三郎

    椎熊委員長 池田君に申し上げますが、実はせっかくの申し出でもあり、非常に熱心な御主張でもあるものですから、今日まできめずに、党の前脳部の間で円満なる妥結を見たいというので、数次にわたっての会見を繰り返されたということは、単なる法規一点ばりで、数できめていくということでなしに、この会の当初に両党申し合せた、話し合いの上で円滑なる運営をしていきたいという趣旨のもとに、今日までやってきたのであります。そうして、きょうの結果から見ると、話し合いが、合致した結論を得られないものですから、そこで議運にまかせるという意味は、議運においておのおの主張をして結論を出せということだと私は心得ておる。あなたが言われた趣旨は十分わかります。その通りだとも思いますけれども、この段階に至りましては、やはりそのために結論を延ばすということも、私はどうかと思う。短かい会期ですから、せっかく作った委員会機能を発揮できないような状態にしておくことも遺憾でございますので、できれば本日あたりその案を出して、きめるものはきめる、こういう考えでございます。
  26. 福永健司

    福永(健)委員 池田君は、貿易振興に関する調査特別委員会を本国会においても設置すべしという点を力説されるわけでありますが、この点につきましては、先刻来申し上げておりますような経過をたどって、結局設置するということには意見の一致を見ないわけであります。そのことによって、他の委員会のことも未解決のままというわけには参らないと思うのであります。もう本国会は、日数もあまり多くないことであります。今池田君重々御主張の点は、私ども承わって帰りまして、よく党首脳部等にも伝えまして、さらに相談もしたいとは思いますが、現在私どもの達しております結論は、先刻来しぱしぼ申し上げた通りであります。一つその辺、問題を分けていただいて、御解決を願いたい。  なお、私この際ちょっと申し上げておきたいと思うのであります。池田君の言われる従来の慣習ということでございますが、従来の慣習二つございまして、社会党さんが与党でありました当時においても、委員長与党で全部占められたというような前例もあったことは御承知の通りであります。与党側委員長を占めるという前例の方が、時間的に見ますれば、はるかに長かったこともうかがわれるのであります。そこで、いずれの前例をとるかということで意見が分れるわけでございますが、池田さんの言われるように、旧来の慣習ということになりますと、池田さんの言われるような方法のみが慣習であるように誤解を生じますので、私どもは、その二つ慣習のうち、いずれをとるかということについて、あなた方と私ども意見が違う。さしあたり特別委員会につきましては、そういうことが言えると思うのであります。私は、ここでどちらの慣習がどうということをあえて議論しようというのではありません。今後ともある問題でございます。私どもは、従来の慣習というのは、池田君が言われたことのみが慣習であるというように認識してないということを明らかにしておきたいと思います。いずれにいたしましても、議論も相当尽されておるのでありますから、順次結論を出していただきたい。私の理解では、先ほど、もう設置することは済んだと思うのでありますが……。
  27. 池田禎治

    池田(禎)委員 先ほど来の福永さんのお話はよくわかりました。私どもも、本臨時国会は短期間でもあるから、早急に作るということの申し合せには賛成しております。しかも、きのうの再開の本会議に必ずきめようということまできめたことが、両党の話し合いによって今日まで延びたのだから、これ以上延ばすということは、私どもできません。今言う意見の一致せざるものを除いての特別委員会を、とりあえずここできめる、このことには私は異論ありません。ただ福永さんの言われた慣例については、第一国会以来、与党が全部占めた場合と、しからずして各党の比例に応じて按分した場合とあることは、私も十分了承しております。いずれがいいか、お互い議論があると思いますが、私も、今日の委員会主張しようとは思っておりません。ただ貿易については、私どもの観点としては、ぜひ必要なものである、従来日中貿易等につきましても、いろいろな取りきめ等も議員団で行なったこともありますし、こういうことも関連しておるから、ぜひともこれはそのように願いたいというのが主張である。今とりあえず、意見が一致しなければ、しない分だけは残しておいて、他は決定して、しかし当然貿易についても、与党でも持ち帰って意のあるところは御相談するというお話ですから、ぜひともその点について御協力願いたいということを申し上げておきます。
  28. 野原覺

    ○野原委員 特別委員会設置にからんで、委員長の問題までも議論が出たわけです。その委員長の問題について、慣例がどうこうということで、池田君と福永さんとの間にいろいろ意見の相違もあったように思うわけですが、この問題は、やはり慣例ということになりますと、相当明確にしておかなければならぬものと私ども考えますので、委員長の点については、これは次の委員会の議題としてもらいたい。従って、委員長の問題までからめてここで決定するという不明確なことをしないで、先ほどのは四つ特別委員会設置についての採決であったと思いますから、従ってそれだけをきめて、委員長についてはこの次の議運の議題として、慣例についても、やはり議論としてはいろいろ意見があるわけでございますから、明確ならしめる意味で、そういうお取り計らいを委員長にお願いしたいと思います。
  29. 椎熊三郎

    椎熊委員長 野原君の御意見ですが、委員長の問題で、慣例法規も何もないのであれば、これを延ばして次の議題にするということも言えるのですが、委員会設置すると決定した以上、その委員会委員長をどうするかということは、法規に明確になっておるのですから、これを疑問として残すことは委員会としてはできないのじゃないか。委員会自体において相談の上どうきまろうとも、これは別でございます。当委員会としては、法規を無視して、これを疑問として残すことはできない。
  30. 池田禎治

    池田(禎)委員 今野原君の言っておることは、そういう慣例等もあることだから、それは一つあらためて委員長の問題については相談してくれということであって、あなたの言う通り委員会設置するということをきめれば、これは明らかに法文上から申しますれば、国会法の示すところによって委員会互選になる、これは当然です。ただ野原君は、従来の慣例等に基いて、やはりこの次の委員会でこの問題を取り上げてもらいたいと言われておる。従って、そういう点についてはまた御相談を願いたいと思います。
  31. 椎熊三郎

    椎熊委員長 この問題で、実はざっくばらんに申し上げますと、三日も四日も両党の間で相談したのです。そうして結論がつかぬということなんです。そこで妥協するとか何とかいうことだと、この委員会では取り上げられないので、やはり党同志の責任あるところで妥協するならしてもらわなければならない。妥協できないとなれば、この委員会はやはり法規に基いて一つ結論を出さなければ、この委員会の責任はとれないと思う。そこでこういうことはどうですか。四つ委員会ができるということに決定したのですから、これはよろしい。しかし、貿易振興に関する特別委員会を置くか置かぬかということは、きょうはこれ以上論議しないということにしておいたらどうですか。
  32. 池田禎治

    池田(禎)委員 だから、いずれあらためてまた相談する。
  33. 椎熊三郎

    椎熊委員長 そういうことがあるかもしれない、また議題になるかもしれないが、本日のところは社会党の要求があったというととだけで、結論には達しなかったということにしたらいかがですか。
  34. 池田禎治

    池田(禎)委員 けっこうです。あらためてわれわれとしてもそういう意味のことを提議いたします。
  35. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それではただいま御賛成いただきました海外行政公職科学、この四特別委員会設置することに決定いたしまして、本日の本会議堅頭、議長発議をもつて御決定を願いたい、満場一致をもってきめていただきたい。そうして社会党主張貿易振興に関する特別委員会は、本日のところ両党の意見一致せず、そのまま持ち越しとしておく、留保しておく。
  36. 福永健司

    福永(健)委員 なお、あとで誤解があるといけませんから申し上げておきます。池田君から、委員長のことについて次回に云々というお話がありましたが、あの言葉のまま残っておりますと、当該特別委員会委員長互選ということについて議運相談することになっておるという、そういう誤解があるといけませんから、そういう問題は残っていないということを……。
  37. 池田禎治

    池田(禎)委員 それは私が先ほど委員長に申し上げたことであって、法規上においてはそういうことはない。しかし慣例等においてあることだから野原君が言われたわけで、そのことについて御相談を願いたい、こういうことなんです。
  38. 野原覺

    ○野原委員 法規にあることは私ども知っております。衆議院規則の百一条に、明確に「特別委員長互選は」云々という規定がある。ところがこの規定があるにかかわらず、この前の国会においては、委員長の問題は必ずしもこの規定によって実証されていないわけです。そのゆえんは、またいろいろあったでしょう。しかし最も近い私どもの体験によれば、話し合いによってこの百一条というものは全く空文化されてきておる。こういう点もありますから、やはり議運としては、あらためてこれを論議の対象にしていただいて、皆さんが百一条でいかなければならぬということになるか、あるいは、なるほど国会運営上、社会党の言うことにも耳を傾けなければならぬ点もある、こういうことになるのか、そのことは、次の議運の議題として結論を出すことじゃないか。今百一条でいくのだということは、私どもとしては納得しがたい。
  39. 椎熊三郎

    椎熊委員長 旧来といえども百一条を無視したわけではないのです。互選による手続を省略してきめておるのです。それはあらゆる本会議における選挙でも何でも、法文を無視してそういうことを勝手にきめたりするわけじゃない。互選すべきところだが、初めから明確なことなら、わざわざ互選する必要はない、手続を省略しても同じ結果に到達するのだからというので、法文を決して無視しておったわけではないのであります。  それではこの問題はこれで打ち切りにしていただきまして、次に移ります。     —————————————
  40. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次は決議案の取扱いについてお諮り申し上げます。社会党から本日、勝間田清一君外七名提出で、    昭和三十年度一般会計予算補正、昭和三十年度特別会計予算補正及び昭和二十年度政府関係機関予算補正の提出を求める決議案   本院は、政府が昭和三十年度一般会計予算補正、昭和三十年度特別会計予算補正及び昭和三十年度政府関係機関予算補正を本国会に提出すべきことを要求する。   右決議する。という決議案が、これに理由書を付して提出されております。理由書はお手元に配付してあるはずでございます。そこでこの取扱いでございますが、このことについて、委員長のところに自由民主党から交渉がありました。それは、昨日社会党国会対策委員長勝間田清一氏から自由民主党の方へ、年末手当の問題あるいは地方財政の救済の問題等で、政府は本国会に補正予算を出すべしという強い要求がありましたそうです。それに対して自由民主党の方は、政府と目下折御中だということで、結論は私どもまだ聞いておりません。そこでこの決議案通りのむことができるかどうかということは、いまだ党の態度が決定しておらぬので、本日のところは、この決議案を上程することを留保してもらいたいとの意見といいますか、注文といいますか、そういうものがありましたので、つけ加えて御報告申し上げておきます。
  41. 福永健司

    福永(健)委員 委員長が言われたようなこともあるかと存じますが、この種の案件は非常に重要な案件でございますから、本会議に上程することは、きょう出てすぐというわけには参らぬと思います。わが党においても十分研究さしていただきたいと思いますので、次回の本会議以後においてこれを上程することに願いたいと思います。
  42. 池田禎治

    池田(禎)委員 従来の決議案等については、御承知の通り、今福永さんの言われたように重要な決議案のことでありますから、与党において研究するということはごもっともです。われわれといたしましても、これは私どもが申し上げるまでもなく、短かい臨時国会でございますから、すみやかにこれを上程できるように格段の御配慮を願いたい。ことに今年末闘争というような事態が起きておりまして、交通機関、通信機関等におきまして、いろいろな支障を来たすような事態を惹起しておることは現実の事実でございます。われわれとしても、でき得べくんば満場一致でこういうことをきめて、そうしてそういう取り計らいができるように政府としての措置をいたしてもらいたいという強い希望を申し上げて、すみやかに上程できるような御配慮を願いたいと思います。
  43. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは本決議案につきましては、本日は、社会党側よりただいま説明申し上げました決議案が提出せられたということを私から報告するにとどめておきます。     —————————————
  44. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次に、社会保険審査会委員の任命につき両議院の事後の承認を求める件、事務総長から御説明を願います。
  45. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 昨日内閣から、ただいまお手元に配付してございます藤田宗一さんにつきまして、社会保険審査会委員に任命したので事後承認をいただきたいとの申し出がありました。同氏は昭和二十八年の九月一日に任命になりましたのでありますが、本年八月三十一日に任期満了になっておったのであります。それで国会が閉会中でありましたので、内閣がすでに九月一日に再任いたしたものでありますから、規定によりまして両議院の承認を求めて参ったのであります。
  46. 池田禎治

    池田(禎)委員 よくわかりました。党に持ち帰りまして相談した上にいたしたいと思いますので、本日は留保願いたいと思います。
  47. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それではただいまの社会保険審査会委員の任命につき両議院の事後の承認を求める件は、各党とも党に持ち帰って御相談を願いまして、次の議運までに決定をして臨んでいただきたいと思います。     —————————————
  48. 椎熊三郎

    椎熊委員長 本日御相談申し上げる件は以上をもって終りました。  そこで次回の本会議は、定例日たる来週火曜日午後一時から開きたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 椎熊三郎

    椎熊委員長 御異議ないものと認めて、さよう決定いたしました。従って来週火曜日午前十時半、議運理事会、十一時より本運営委員会開会することにいたします。     —————————————
  50. 山中貞則

    ○山中委員 散会される前にちょっと事務局に質問があります。傍聴者の取扱いですが、外国人に対しては差別待遇をしておるのじゃないかと私は思うのです。というのは、去る開会式において、一般の国民には外套その他一切の着用を禁じて、身体検査までやって傍聴さしておる。ところが開会式については参議院の方ですが、外人は外套、帽子を着用したままで陛下のおいでになる開会式の傍聴席におる。その事実を僕は知ったわけです。これはあなたの問題じゃないのですが、当然国会の問題です。従って衆議院においてもそれに準ずるような取扱いをするとするならば、これは国権の最高機関である国会、独立国における国会の中での取扱いではないと思う。郷に入れば郷に従えで、日本に来ておる外人は、ことに国会に入らんとするような者は、国会慣習に従ってもらいたいと思うのですが、ただいままでの取扱いはどうなっておりますか。
  51. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 ただいままでの取扱いは、同様に取り扱うようになっております。
  52. 山中貞則

    ○山中委員 衆議院では現在そうやっておるのですね。
  53. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 やっております。
  54. 山中貞則

    ○山中委員 しかし参議院では、ただいま私が指摘したような事実が、しかも重大な開会式のときに行われておったようでありますから、事務的な連絡を委員長相談の上とられて、そのような失態のないように今後取り扱ってもらいたい。以上でございます。
  55. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 承知いたしました。
  56. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは本日はこれをもって散会いたします。    午後零時二十四分散会