○岡田
委員 あまり法律論議ばかりやっているとあれかもしれないから、適当にしますけれ
ども、私はその解釈はやはり問題を糊塗するために歪曲をしつつある
一つの解釈をとっているのだと思う。もしこの白書の言う通りに、台湾
政府の警察留学生であるというならば、なぜ四条の四項という規定があるにもかかわらず十六号を使ったかということ、これの証明にはならないと思う。なぜならば明らかに台湾の
政府によって身分を保証された留学生である場合において、四条の四項を適用しないで、ことさら特殊な規定であるところの十六号を引用して、これによって入国させているということは、これは何らかの別な
理由があるのではないかと解釈せざるを得ないと思う。しかしこの点についてはあまり法律解釈ばかりやっても水かけ論になりますからよしましょう。もっと具体的に進みましょう。
先ほど仮放免の取り消しについては勝手に出て行ったのだ、だから身柄を拘束したのだ、こういうふうなことを言われたが、そこで
一つ引揚援護局の方に伺いたいのですけれ
ども、
引揚援護局ではこの洪進山という人に対して、十一月十日過ぎに舞鶴まで行く運賃あと払いの証明書を出しているじゃありませんか。
引揚援護局としては、この人が舞鶴に行って興安丸に乗るための運賃あと払いの
政府の証明書を発行している。しかも先ほど入管の次長が言われたけれ
ども、実は十七日に初めて入管に行ったのではなくて、その以前に十二日か十三日に入管の東京事務所に洪進山君が行っている。そして、私は今度の興安丸に乗りたいから乗せてもらいたいと言ったところが、東京事務所の担当官は——確か本局の警備課のはずだと思います。そこにいる中村警備課長も知っているのじゃないかと思うのだが、本局の警備課に電話をかけて、洪進山君が帰るそうだがという話で、それならば帰したらよろしいだろうという
意味の回答があったといわれています。こういう事実があって、そのときには洪進山君は、それではそのままで帰ってよろしい。そして、そのときに御念の入ったことにはこう言っている。本局の方の答えとしては、華僑総会が舞鶴で正式の手続をするから、予定通りそのままで運賃あと払いの証明を
引揚援護局からもらって、身柄だけ舞鶴へ行けばよろしい。こういうことを言ったと言っている。洪進山君はこれを聞いている。これに基いて洪進山君は行動したのであるとわれわれは聞いている。そこで第一点として、
引揚援護局ではこの証明書を出したことがあるのかないのか。勝手に洪進山君が切符を買ってこの汽車に乗ったのかどうか。
それからもう
一つは、入管の東京事務所を通じてこういう事実があったのかどうか。そして、これに対して了解を与えたのかどうか。この点についても伺いたいと思います。