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梶原茂嘉君 当然そう私はなければならぬと思うのであります。間々それが牽制されるということのないように一つこれはお
考え願いたい。ということは、二千三百五十万石という
数字は決して妥当な
数字ではないのであります、食管の
制度から言えばですよ……。現実の動きはこれは別であります。それから消費者価格据え置きはけっこうでありますけれども、消費者の価格というものはやはり量と関連するのでありまして、現在の配給量は御
承知のように消費地においては七日のところ、八日のところと非常に少いのであります。産地においても十五日であります。従って消費者の
立場から言いますれば、この配給される量がふえれば必ずしも現行価格を据え置く必要がないのでありまして、現行消費者価格を据え置く必要はない。これはやはりコストを高く買えばそれは当然消費者が
負担すべきものと思う。消費者の
立場は配給量がふえれば高くなってもやむを得ない、差しつかえないというのが私偽わらざる気持であろうと思う。これは現にやみ米と比較すれば確かに安いのであります。家庭経済から言えば多少配給価格が上りましてもその方がはるかに好ましい。従って配給量と消費者価格とのにらみ合せというものは、これは十分農林省でもお
考えを願いたい。配給量を減らしていって価格を据え置いても、消費者の
立場から言えば大して意味はないのであります。その点は今回の
制度を
実施する上においては十分お
考えになって私はしかるべきじゃないかと思うのであります。
それからいま一点、これは酒米の
関係であります。先ほど金額を聞いたのでありますが、
数字もある程度増強されるようであります。過去におきましても酒米を増したことがあります。しかしそのときは
相当政府の集荷がよくできたときだと記憶します。現在のように消費者に対する厳重な消費規制を行なって、わずか七日、八日の配給をしながら、大事なものを酒米に回すということは、これは私食管
制度の建前から言っても、現実の現在の配給の状況から言いましても適当な施策とは思えない。かりに二十万石の酒米を増すのであれば、これはまず消費者に振り向けられるべき私は性質のものだろうと、こう思うのであります。財源等の
関係で非常に無理をされること、これはよくわかりますけれども、そういうためにはさらに特別の集荷というものをお
考えになれば十分それは目的を達し得ると思うのであります。簡単に消費者の配給を非常に圧縮して酒米を増すということは、現在の
制度においてははなはだ遺憾なことであります。それだけの
努力を集荷の面に一つ振り向けていただきたい、こう思うのであります。
それから、これは一つ農林大臣にお
考えを、研究を願いたいと、こう思うのであります。現在生産地におきましても、消費地におきましてもそうでありますが、消費者価格であります。生産地においては、御
承知のように現在の生産者価格におきましても、配給価格から見ましても
相当率は下回っておるところがある。そういうところの消費者は配給米は取らないのであります。それよりも安いいわゆるやみであります。これはやみと言えるかどうか問題でありますが、この配給価格よりも安い米が
相当動くのであります。従って配給は辞退する。一方同じ県内におきましても、現行の配給率ではやり切れずに高いやみで買うという状況になっております。そういう場合においては一定の
ワク内で県内ぐらいの操作を私はお
考えになっていいんじゃないか、こう思うのであります。こういう操作ができ得れば消費者のためには非常にいいことだと思うのであります。現在の配給が非常に一律主義であって、そういう面の弾力性というものは全然ないのであります。こういう弾力性というものはこれは農林省
自体がおやりになっていいんじゃないか。ことに外米等につきましては、御
承知のように地区によって
相当現在の外米については品質は悪くても価格が安いために要望がある。ある地区においてはそれに対する需要が非常に少い。そういう場合においてはやはり弾力的なる一つの配給上の操作というもの、これは当然もう
考えられていいんじゃないか。終戦直後のような非常に窮迫したときは別でありますけれども、これだけ余裕が出てくれば同じ配給統制と言いながら、そこに弾力的な操作をやるということは、配給日数の少いのを調整していくことにもなり、また配給価格とやみ価格との間の調整が
相当できるのでありまして、これは一つ大臣に御
検討を私は希望するわけであります。
それから最後に食管
制度の今後の問題について伺いたい。大臣は先ほど
田中委員の
質問に対してもお答えになったのであります。大臣の御意向はわかるわけであります。ただ
大蔵大臣も言われましたように、とにもかくにも現在の
制度は十数年運営して参って
相当行き詰りの段階にきたということは、これを否認する者は私はないと思う。特に今回のこの予約集荷
制度というものは、これの成否にかかわらず、成果が上る上らないにかかわらず、私は食管
制度の転換を示唆するものだと思うのであります。この結果を見て来年一つとくと
考えるとかということではおそらく済まない問題だろうと思う。一つのこれはやはりくるところまできたチャンスと思うのであります。しばしば農林大臣はいわゆる自由販売、それには準備がいるということを言われた。準備なしに簡単に切りかえることができないと言われている、それは私その
通りだと思う。ただ食管
制度が行き詰ったことは事実でありますけれども、また現在の配給がきわめて不十分であることも事実でありますけれども、しかもなお全体の消費者の
立場になりますると非常な安定感を与えておるのであります。この安定感は私決して過小評価してはいかぬと思うのであります。大きな一つの安定感を与え得る。これを簡単に統制を撤廃してしまえば、おそらく数年ならずして思わざる
財政負担をせざるを得ない事態に私はぶつかると思う。従って簡単に統制撤廃はできませんけれども、現状で推移するわけにはいかないのであります。従ってこれは
政府としてもやはり一つの目標というものをおきめになって、私自由販売がいいとは言いません、しかし現状ではいけないのでありますから、とにもかくにも大体の目標というものをおきめになって、そうしてその
方向に準備を進めて行かなくちゃいけない。準備というものは机上でプランを書いても準備にならないのでありますが、また簡単に備蓄をしただけで準備ができたというわけではない。現在の食管
制度の運営の中でこれは着々準備をやって行かなくちゃいかぬと思う。ところが従来とも準備々々ということで日を暮して何もやっておらないのであります。これじゃとうてい今後の切りかえはできないと思う。早く一つ目標を、大体のところをきめて、そしてその準備というものにすぐにでもかかって行くということが私は大事じゃないかと思うのです。実はそういう準備というものはこれまでにすべきであった。ところが残念ながらその準備が行われなかった。早急に準備的の措置というものを現在の食管
制度のもとでやって行くということを私必要と思うのであります。ぜひこれはそういう
方向に一つ進めてもらいたい。そうでないと、また目標なしに、また現実の準備なしに一年経過すればますます抜きさしならぬことになると思う。今度の予約集荷
制度は、昨日も申し上げましたように、とにもかくにも一歩
政府の統制力が後退したのだ。後退したところに線を引いたのであります。しかもそれが半面においてやみが非常にふえるということを意味するのであります。ところが御
承知のように厳重なる罰則があって、五千万以上の
国民はそれにひっかかっておるわけです。非常に不愉快であります。法務大臣はそれに対して検察行政上のほんとうの
責任をおとりになっておるのか、なっておらないのか、さっぱりわからない。こういう状況をこれ以上放任していって、私正しい農業政策なんというものは行えないと思う。一日も早くこれを一つ転換する私は機会が来ていると思うのです。真剣に一つこれは農林大臣として勇気をもっておとりになったらいいと思う。従来、ことに最近であります。食管に関する重要な問題は全部ほかに回しちゃって、ほかの御
意見を尊重されて動かしておられるやの疑い、疑いというか、そういう傾向があるのであります。保利さんのときもそうであります。
〔
委員長退席、理事
池田宇右衞門君着席〕
一方
責任を持たれるのは
政府自体であり、農林大臣であります。農林大臣がまずその
意見を
責任を持って出していただくということを私は期待したい。河野農林大臣はそういう私勇気のある人だと実は今まで思っていたのであります。あまり重要なことを全部ほかにまかして、その御
意見々々々というのではなくて、河野さん
自体の一つ
責任と見識で進めるように私は期待するわけであります。別段御答弁を求める意味合いはありません。