○堀末治君 それで
大臣の御意図はわかりました。いずれ私はこれは今申し上げました
通り、有志から依頼を受けたことでございまするし、あなたの御
意見はそういうことであれば、いずれまた参議院各会派でそのことを話し合いをいたしまして、幸いに各会派が御賛成下さるならば、そういうような方法に取り計らいたいと思います。いずれにいたしましても、これは全国民に最も関心が深いのでございますし、ことに北海道といたしましては、鼻先にいる。ほんとうにとの間まで自分の領土と思っておったのが今は人の地面になって、それがために非常に迷惑をこうむっていることは日々痛切に
感じているものでございますので、どうかとの上とも
大臣お骨折りでもございましょうが、全力を尽してこの目的貫徹のために御尽力たまわりますことを、切に希望してやまない次第でございます。
次に、農林
大臣にお尋ね申し上げたいのでございますが、これは今わが国が一番問題になっているのは食糧問題であります。それがためにいろいろ
農地の開拓については非常な御苦心をなさっていることはよくわかるのでありますが、ただ私は地面ばかり広げるのが要するに食糧問題の
解決の何ではない、かように
考えているのであります。私は決して農業の専門家ではございませんけれ
ども、現に
アメリカがあの
通りの広大な地域を持ち、機械農業を施行しておりながら、なおかつ品種の改良に非常な尽力をいたしているのであります。先年参りましたときにも、あの戦争中でも要するに品種改良をして、トウモロコシが二割ないし五割の増産を見たという話を
農林省で聞いて参った。私自身もはなはだ失礼でありますが、農産物を加工する業をいたしているのであります。北海道で主としていたしておりましたが、先年ブタノールを、トウモロコシを原料としてやりました際に、どうもそのトウモロコシの生産額が非常に少い。北海道といたしましては非常にトウモロコシが適産にもかかわらず、その反収が非常に少い。それは何かと申しますと、品種が非常によろしくない。こういうところから年々北海道の農事試験場あたりに相当の費用を出しまして、その品種の改良に尽力して参った。ところがなかなか――はなはだ失礼でございますけれ
ども、いわゆる官庁の仕事で一向に効果が上りません。やむを得ず私自身でうちの会社でちょうど終戦後から自分の手でこのトウモロコシの品種改良をいたして参ったのであります。それがちょうど六年、御承知でもございましょうが、六年たって初めてその品種が一代雑種ができたのであります。ちょうどできました際、一昨年あたりにいい品種ができたのでありますが、一昨年はあの
通り北海道は冷害、また昨年も冷害で、その品種がまだ十分に北海道の農家に回らないことを私は遺憾に存じておりますが、さようなことで品種の改良は極力なされなければならない、かように存じているのであります。ことにあなたもお聞きでございましょうが、昨年ちょうど陛下が北海道に御巡行遊ばされた際に、永山村農事試験場においでの際に、あすこの試験場の人が五割の増収の品種改良、まさにもう完成の域に達している、そのときに陛下にそのことを申し上げまして、非常に長い時間要したのでありますが、そのお方がいろいろな内部の
関係で今度その品種の改良を見ないで試験場をやめるというような結果になった。これは私北海道におってよく見ているんですが、どうも北海道庁の中の労組の
関係にはいろいろなそういう問題があって、そういうものが円滑に進まないことを見ているのであります。さようなことで、北海道として昨年も一昨年もあの
通り冷害を来たして、あそこで水田を作るなどということは果していいか、いわゆる適地適作主義をとらなければならない、こういうときに、そういう
状況であるのでありますが、そんなことで、私は北海道あたりをこれから
開発してゆく
開発の基本は、どうしても農業問題にあると思うのであります。それだけにどうしてもいわゆる品種の改良ということには全力を尽さなければ、せっかくの
開発費もむだになるのじゃないか。そんなことで、北海道のいわゆる農事の改良、品種の改良等は北海道の農事試験場ばかりにまかさないで、
農林省自体があそこに試験場をおいて、両々相協力し合ってやるということも非常にいいことでないか、かように存じておりまするので、そういうことについて何かお
考えがないか承わりたいのであります。