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国務大臣(杉原
荒太君) お答え申し上げます。これまで保安庁時代、たびたび批難事項が出ましたことは、まことに申しわけない次第でございます。実は今
国会にも報告されております二十八年度の決算報告におきましても、会計検査院から不当事件として、二十六件にも上る指摘を受けているので、この点われわれ深く反省いたしまして、改善の実をあげるために全力を尽したいと考えている次第であります。この今までの批難事項のどういう点が悪いかという点を調べてみまするというと、おもなるもの大体三つくらいの種類に分け得られると思います。第一は調達計画の立案の基礎になります編成装備表、これの
検討が十分でない。部隊において
現実に使用しております使用の
実態の把握というものの
検討が欠けている。その結果といたしまして、不用不急というような物品を購入した結果になっている。こういったのが
一つの重要な点であります。それにつきましては、実は編成装備表の
根本的な
検討ということがまず第一に必要だと思いまして、実は部内に、これが
根本的
検討の特別の
委員会を作りまして、各専門別に六つの分科会を作りまして、今着々
検討いたしております。その中で
検討済みのものは、すぐこれを実施に移すということで、電気機械等が五十
項目に上るものが、すでに実施に移している次第であります。なお装備品等の在庫の状況の把握、それから使用による消耗度の測定というようなところに留意いたしまして、実情の把握ということを考えている次第でございます。
それから第二に、批難事項になっておりまするので、原価計算、仕様、規格についての
検討が不十分だ、そこからいろいろなものがきているのだ、こういうことでございますが、この点につきましてはいろんな点から
検討を要するわけでございまするけれ
ども、昨年の七月に各幕僚統一的の調達の機構を一元化しまして、そうして調達実施本部というものを設け、専門の職員を充実いたしましてやっている次第でございますが、その中で特に新しい計画といたしましても、この原価計算につきまして船舶建造の
関係というのが非常に重要な部分でありますので、従来は原価計算課でそういうことも含めてやっておりましたが、船舶建造
関係は新しく独立いたしまして、今度の
予算の成立を見ましたならば実施したい。それからさらに仕様の
関係でございますが、今度
予算の成立を見ましたならば、また仕様課というものを新しく作りまして、そうして各陸海空幕から作成してきましたものをすぐ原価計算課に回すのでなくて、一ぺん仕様課でそれをチュックする。そうして回す、こういうふうにいたしたいと思います。それからなお原価計算等につきましての
関係職員の教育ということが非常に大事でございますから、業務学校にとくに会計のコースを設けまして、そこで
関係職員の再教育をやっている次第でございます。
それから、第三の批難事項といたしましては、物品の検収及び工事の監督が不十分であった、そうしてまた物品の検収等につきまして、もっと科学的の検収をやらなければいかぬ、こういうことでございます。それらの点につきましては、今検収
関係、検収に当る職員を整備いたしまして、また物品納入の検収基準をさらに整備し、さらに調達実施本部においての検収設備をさらによくいたしまして、科学的の基準によって検収ができる、こういうふうなことでおおむね励行を期している次第でございます。なお全般にわたりまして、部内の監査、調達実施本部に監査室というものを置きまして、そこには特に優秀な人間を配置いたしまして、それからさらに行政考査
委員会というものを部内に設けまして、陸海空各幕におきまして、陸上監部、海上監部、航空監部、各幕の監査と相待ちまして、この内部監査の強化、大事な国費をいやしくもむだづかいとか、あるいは乱費とか、そういうことでなく、むしろ積極的にこれを効率的に、むしろこれは当然のことである、また、会計検査院の批難を受けるまでもなく、われわれやらなければならぬことでございますから、その点は特に大きな重点を置きまして
一つ最大の努力をいたしておる次第でございます。