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佐多忠隆君 非常にぬけぬけとよくもそういうことの御
答弁ができると思うのであります。(笑声)それは与党の諸君あるいは
自由党の諸君には名
答弁と聞えるそうですが、われわれには全くぬけぬけとよくもそういうことが言えたものだと思います。と言いますのは、歳入の減は既定のものの歳入の減をちゃんとやっているのです。歳出の増にしても、今度の
修正部分の歳出増の問題と、その他一、二を、今度は、これは今度の
予算のああいうふうな組み方をされれば、既定のこととして膨張するということを申し上げている。従ってこれはもうあなたが何と言われようと否定すべからざる事実なんです。見通しその他が違えばどうだというような問題じゃない。そこであなたはそれならばその対策として公債を発行しないで、経費整理、経費の減少をやるのだというふうにおっしゃった。それは何も知らない人ならばなるほど
大蔵大臣はいいことを言うし、名
答弁だと言うでしょう。しかし来年の経費を削るどころか、ことしの
修正の経費増はあなたは全く手をつかねて全部認めておられるじゃないですか。しかもあなたはわれわれに
予算の
編成方針を示し、あるいは
予算演説のときには、補助金の整理等を徹底的に、積極的にやるのだと、経費の重点的使用をやるんだということを非常に強調され、繰り返し述べておられる。しかるにあなたが繰り返し述べておられる裏には、それらの補助金なり経費の膨張がぬけぬけと行われておるのですよ。それをあなたは全部そうしてのんでしまわれておる。たとえば
妥結案の二百十五億、これは
内容的にいえば、あなたの御
説明にあるように経費の歳出の増加が百八億だと言う、減税が六十七億だと言う、投融資の増額が四十億だと言われる。ところが
自由党の当初案では、御
承知の
通り歳出の増は百二十八億だと言っておったはずだ、減税は百七十三億だと言っておった、投融資は百二十二億だと、合せて
先ほどから問題になっている四百三十億だと言った。それが
妥結した結果をみれば、拡大均衡だとか、何とかに備えるのだとかいうことが言われていたにかかわらず、百二十二億を前提にしておきながら四十億と、三分の一にこれは削減をしておる。あるいは減税も百七十三億だと言って非常にうそぶいておられたが、これも三分の一近くに減しておる。しかるに歳出増はどうなっているか。百二十八億と言われたやつが百八億、ほとんど査定を受けないでそのままぶんどられておるという状態である。しかもそれもその
一つ一つの経費を見ればはっきりわかるように大部分が補助金ですよ。あなたはこれを整理するんだと、それが今度の
予算編成方針の眼目なんだということを繰り返し御
説明になった。そうしてまた今もぬけぬけとそういうものをさらに整理をするんだ、減すんだとおっしゃる。しかしそういうことをぬけぬけと言いながら、実際は大部分が補助金を認めておられる。これならば
妥結した結果は、なるほど
妥結をやった方方は、かつて大蔵省で
予算の査定なり
予算のぶんどりに対抗したベテランの方々です。それらの人たちが今度は所を変えて、かつて防戦したその戦術をそのまま逆にお使いになって、
予算ぶんどりをやられた以外の何ものでもないのですよ。私はこれは大蔵省出身の
政治家諸君のために惜しむ。今は必ずや冷静にお
考えになって、大蔵省出身の議員諸君がまっ先に立ってこういうことをやられたことに対しては、非常な反省をなされているものと私は
確信をいたしておる。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そういうものをあなたは平気で認めておられる。これで一体
予算の
方針がくつがえされていないと言えますか。
総理大臣からまず御
答弁を願いたい。