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石原幹市郎君 それじゃこれは別の機会にやります。
最後に、もう時間が非常に少くなりましたので、簡単に
外交問題につきまして、
総理の所見を承わっておきたいと思います。
外交問題については、昨日の
衆議院で、本日は
参議院の本
会議で論議されましたので、ごく一、二の点を重ねてただしておきたいと思います。今回の日ソ交渉は、私は
国民の最大関心事であろうと思います。
考えようによりましては、先年のサンフランシスコ平和条約の時よりも問題は大きく、かつ困難であろうと思うのでありまして、これは何といっても
国民の総力のうしろだてのする非常に強力な内閣が強力な態度で、あるいは
言葉をかえれば、超党派
外交的にやっていかなければなかなかやりきれない問題であろうと思います。しかし今日の情勢を見ますと、きょうの本
会議でもわかりますように、左翼政党から非常に激励され、拍手を受けた。(笑声)志を同じくする保守政党からは非常に冷眼視しされておる。こういう事態を見ますときに、私は前途まことに暗たんたるものを感ずるのであります。しかしこれをずっと
考えてみますのに、もう何回もここで論議されましたけれ
ども、私は今日までの
外交に関する
総理大臣の言動は、率直に言って、危くてついていけないというような感じがいたすのでありまして、今日までの
総理が言われたいろいろの失言というか、まっ先に私
どもラジオで聞いておりまして非常にびっくりしたのでありますが、二つの中国の独立論の問題でございます。これは常識人として、あるいは単なる国
会議員としての
鳩山さんが言われるならば、これは私は納得できると思うのでありますが、一国を代表する今では頭でありますね、その
総理大臣が、中国が二つある、これはりっぱなそれぞれ独立国でありますということ、重ねて日華平和条約を結んで
日本はどういう、いわゆる
外交上の国際法
関係でどういう立場をとっておるのかということは、私は
総理大臣としてはやはり慎重に
発言してもらわなければならないと思うのであります。それから今回の日ソ交渉の最初になりました戦争終結宣言というようなこともあります。
日本から一刻も早く戦争終結宣言を出したいのだ、出さなければいけないのだということを言われた。それからまた物議をかもした、例の平和のためならば
日本に
原爆を置いてもいいのだ、これは仮定的な
質問というか、仮定的なことで答えられたのでありますが、こういうことも、まことに言わぬでもいいようなことを言われる。その他たくさん、こういうことは一々あげれば数多い言動があると思うのでありますが、これではわれわればかりじゃない。おそらく極論すれば、閣内でも、内閣の中でも心配でなかなかついていけないというような気持を持っておる人が相当あるのではないかと思う。今日になって初めて各党を回って、いかにも責任の一端を——一端とまではいかないにしても、いわゆる超党派
外交みたいな格好に持っていきたいということを言われても、それは無理じゃないか。
現に、
鳩山さんが
吉田前
総理を非難攻撃された一番の目標は、秘密独善
外交を
吉田総理がやるということで非常に非難された。
鳩山総理の行き方は、これはもうどこから見て毛秘密とは言えない。むしろあけっぱなし過ぎて困るくらいであります。独善ということは、
考えようによっては、むしろ
鳩山総理の方が独善じゃないか。専門家とか、閣内においてもあまり相談もされないで、ひょいひょい、一、二の進言者があるかもしれませんが、思いつきを発表されておる。これはむしろ
鳩山さんの方が独善じゃないかという感じすら持つのでありまして、こういう行き方では、これはまことに失礼な言い分でありまするけれ
ども、ついていけないという感じを私は持つのです。
総理はたびたび、やはり
外交というものは超党派的にやらにゃいかぬ、超党派
外交、国をあげての
外交でなければいかぬということを
自分で非常に言われるのでありますが、
自分で超党派を言いながら、
総理が今まで言ってこられた言動は、これはだれも危くてついていけないような言動をとっておられる。あなたは、
総理のいわゆる超党派というのは、わしの言うことをみんな聞いてくれというような超党派でありますから……。
総理大臣は、
外交は超党派でやらにゃいかぬということを始終最初のころは言っておられたが、どういう超党派という
考えであったのか、
総理の信念をここで再び伺っておきたいと思います。