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1955-05-10 第22回国会 参議院 予算委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十年五月十日(火曜日) 午後一時三十一分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
館
哲二
君 理事
池田宇右衞門
君
石原幹市郎
君
西郷吉之助
君 豊田
雅孝
君 成瀬
幡治
君 松澤 兼人君 堀木 鎌三君
木村禧八郎
君
委員
秋山俊一郎
君 伊能 芳雄君 植竹 春彦君 小野 義夫君
木村
守江君
佐藤清一郎
君 堀 末治君 安井 謙君 吉田
萬次
君 片柳
眞吉
君 小林 政夫君 中山 福藏君 溝口 三郎君
秋山
長造君 湯山 勇君 曾祢 益君 田中 一君 松浦 清一君 石坂 豊一君
深川タマヱ
君 武藤 常介君 千田 正君 八木 幸吉君
政府委員
経済審議庁次長
石原
武夫
君
経済審議庁調整
部長
松尾
金蔵
君
大蔵省主計局次
長 正
示啓次郎
君
大蔵省主税局長
渡辺喜久造
君
事務局側
常任委員会専門
員
野津高次郎
君
常任委員会専門
員
長谷川喜作
君
常任委員会専門
員 正木 千冬君
説明員
日本専売公社監
理官
宮川新一郎
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
昭和
三十
年度
一般会計予算
(内閣送 付)(
予備審査
) ○
昭和
三十
年度
特別会計予算
(内閣送 付)(
予備審査
) ○
昭和
三十
年度
政府関係機関予算
(内 閣送付)(
予備審査
)
—————————————
館哲二
1
○
委員長
(
館哲二
君) これより
委員会
を開会いたします。 本日は
経済審議庁
のほうから
説明
を聞きたいと思います。
経済審議庁松尾調整部長
。
松尾金蔵
2
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) 三十
年度予算
との
関係
もございますので、お
手元
に
配付
いたしております
昭和
三十
年度
経済計画
の
大綱
について私から御
説明
を申し上げたいと思います。 ここにとりまとめております
大綱
は、前に一月十八日の閣議の了解を経まして公表いたしました「
統合経済
六カ年
計画
の
構想
」に基きまして、その初
年度
としての本三十
年度
経済
の
目標
とその姿を
想定
をいたしまして、且つその
目標達成
のための
政策
につきまして基本的な
考え方
をとりまとめて示したものでございます。従いましてこの
構想
の組立て方なりあるいは
考え方
というような点におきましては、従来
経済審議庁
におきまして策定いたしておりました年々の、いわゆる
経済見通し
、あるいは
経済観測
というようなものとは、
かなり
その趣きを異にしておるものであります。この
内容
の詳細につきましては、このお
手元
の
資料
によりまして後刻またお読みとり願いたいと思いまするし、特にこの
政策面
の問題をこの
資料
の前半に
かなり
詳しくうたっておるわけでありますが、これらの点はすでに
経済審議庁長官
の演説にもそのおもな点は述べられたところであります。従いましてここではこの
配付資料
につきまして、この
資料
の九ページに掲げられております
主要経済目標
の
計数
を中心といたしまして、なお、あとの十七ページ以下に
参考附表
としてやはり
計数
を添付しておりますが、これらの点の
計数
を主として要約的に御
説明
を申し上げたいと思います。 まず三十
年度
の
経済活動
の
規模
を示します
一つ
の目安といたしまして、
国民所得
あるいは
国民総生産
及び総
支出
、これらの
経済指標
の
増加
、
成長
を
想定
をいたしまして、いわゆる
国民経済バランス
を試算いたしたのでありますが、その
国民総生産
はこの表のまん中やや
上段
に掲げておりますように、本
年度
七兆五千五百九十億円、前
年度
に比べまして二・六%の
上昇
を示すものと考えられるのであります。これは後ほどまた御
説明
をいたしますが、
分配国民所得
における約二%の
増加
と相
関連
する姿を示しておるものでありますが、
国民所得
の
内訳等
につきましては、後ほど御
説明
をいたしたいと思います。この総
生産
に見合いますところの
国民
総
支出
でございますが、この
国民
総
支出
の中におきましては、その大半を占めますところの
個人消費支出
の
動き
と、さらにまた
民間資本形成
をどのように予定するかということが特に重要な点でございます。これもこの表に掲げておるわけであります。その
個人消費支出
につきましては、
経済再建
のための
資本蓄積
あるいは
貯蓄増強
というような
政策
的な
見地
からいたしますれば、能う限りその
増加
の少いことが、その
見地
からは望ましいわけでありますが、しかし
片方
にこの表の
上段
に示しておりますような
人口増加
が一・二%ありまするし、また一人あたりの
名目
的な
個人消費
の
増加
を考えてみましても、やはり若干の、せめて一%
程度
の
名目
的な
個人消費
の
増加
も見なければならぬでありましょうし、こういう点を反映いたしまして、
個人消費支出
は前
年度
に比べまして、約一千億円の
増加
、
比率
にいたしまして二・三%の
増加
という計算をいたしたのであります。これに対しまして
民間資本形成
の額でございますが、これは
経済基盤
の強化のためにも、望ましい
生産施設
の
増加
、あるいは
個人住宅建設
、あるいは所要の在庫の
増加
というような点を見込まなければなりませんので、これは前
年度
に比べまして約千三百億円
程度
の、
増加
、
比率
にいたしまして、一一・六%の
増加比率
をここに
想定
いたしております。 このような
経済規模
におきまして、これを支えますところの
生産
の
水準
について御
説明
をいたしますと、まず
鉱工業生産
の
動き
でございます。これは御
承知
のように、昨
年度
は、いわゆる引き締めの年と言われたのでありますけれども、なお、
輸出
の
好調等
の
関係
もございまして、一・二%
程度
の
上昇
を示しております。本
年度
におきましても、当然
雇用機会
の
増大
のためにも、あるいは
経済自立等
の要請からいたしましても、できる限りさらに
生産
の
上昇
を
期待
いたすのでございますが、しかし前に述べましたような
国内
の
消費
、あるいは投資の
動向
のほか、のちに申しますような
国際収支
の
関係
で、
輸出増大
への
努力
をいたしますけれども、
片方
に
特需
の
かなり
大幅な
減少
を見るであろうという情勢を反映いたしまして、海外への
需要
の
動き
も合せて考えなければならないわけであります。これらの
内外
の
有効需要
という点から
判断
いたしますと、勿論前
年度
に比べて
有効需要
の
増加
はあるのでありますけれども、そう大幅な
増加
ということには必ずしもならないのではないだろうかというような
見地
からいたしまして、本
年度
の
鉱工業生産水準
は、前
年度
に比べまして、この表にございますように、一・五%
程度
の
上昇
、九−十一年基準で
指数
を見ますと、一六五・八という
程度
の
生産上昇
を予定いたしたのであります。 その次の欄に
農林水産生産水準
を掲げておりますが、これは
気象条件等
に非常に
影響
されるわけでございますが、一応これを平年
作並み
のものと仮定をいたしまして、ここにございますように、一応三・六%
程度
前
年度
に比べての増産を
想定
いたしたのでございます。 このような
生産
と
消費
、あるいは
内外
の
需要
というようなことのほかに、本
年度
には、引き続きましてやはり
健全財政
、
健全金融
の線の上で
判断
をいたすわけでございまして、これらの
関係
から本
年度
の
物価
の
動向
について
判断
をいたしますると、今後の
物資需給関係
はまず
一般
的に申しますと軟調に推移するものと
想定
をいたしたのであります。この表に掲げておりますように、
卸売物価
におきまして三十
年度
を通じて前印度に対する
年度間平均
の
比較
をいたしまして、約二%
程度
の
低下
を
期待
できるものといたしたのであります。またその下の欄にCPIと掲げておりますいわゆる
消費者物価
につきましては、これも前に述べましたような食糧あるいは
農産物等
の
供給増加
が、
気象条件
が許しまして、
供給増加
が予想されることに対しまして、
片方
に
個人消費
の
増加
が
名目
で
算定
をいたしますと、まず一%
程度
にとどまるものと考えられまして、これらの
観点
から
消費者物価
もやや軟調が予想されると思うのであります。このような
判断
に基きましてここに掲げておりますように二十九
年度
、前
年度
を一〇〇といたしまして
年度間平均
の
比較
をいたして見ますと、本
年度
九八・三、すなわち
年度間平均
の
比較
で一・七%
程度
の
低下
を予定いたしたわけであります。なお、このような
消費者物価
の
低下
を考慮に入れて見ますと、前に申しました
個人消費
の
名目
的な
消費水準
を
実質
の
消費水準
に直して試算をいたすことができるわけでございますが、これによりますと、ここに掲げておりますように
実質
におきましては前
年度
に比べて
消費水準
が二・八%の
上昇
というふうに
算定
をいたしたのであります。 次に
雇用
の
関係
でございますが、この
雇用
に
関連
いたします
人口
、総
人口
あるいは
労働力人口
の
計数
の
動き
はこの表の
上段
の方に掲げておるわけでありますが、ここで御覧になりますように、本
年度
において新たに加わる
労働力人口
は総
人口
の
増加
の
比率
を越えておりまして約二・一%の
労働力人口
の
増加
、絶対数に直しますと八十万をこえる
労働力人口
の
増加
が推定せらるるのであります。このような
状況
に対しまして
雇用就業
の
機会
を
増大
をいたしまして、これを吸収するためのものといたしましては、前に述べましたような、まず
生産
の
上昇
であります。さらにまた
住宅建設等
の
関係
もあるのでございますが、さらにこのような
経済活動
の
上昇
に相対応いたしまして
増加
いたします
商業部門
あるいは
サービス部門
への
就業者
の
増加
も
相当期待
はできると思います。しかしそれでもなおこのような新たな
労働力人口
の
増加
を考えて参りますと、そのまま放任をいたしますと、やはり
かなり
の
失業者
の
増加
を免れないのではないかというような事態にあると思われるのであります。従いまして当然ここには過渡的な措置として、本
年度
におきましていわゆる
失業対策事業
が実施されなければならないわけであります。これらの点は本
年度予算
に組まれております
対策
の有効適切な実施によりまして、三十
年度
におきましても終極のいわゆる
完全失業者
の数はここに掲げておりますように昨
年度
の
平均完全失業者
の数である六十三万人の
程度
よりも
増加
せしめないように措置することを期しておるような次第であります。なお、賃金につきましてはその
上昇
は本
年度
中を通じて前
年度
に比べますれば僅かな
上昇
にとどまるものと
想定
をいたしました。 以上申し述べましたような
生産
、
物価
、
雇用
、賃、金こういう
指数
の
動き
、これらの
変動指数
を見まして、すでに二十八
年度
、二十九
年度
における
分配国民所得
の
推定実績
がすでに出ておるわけでありますので、そのような
実績
ないしは
推定実績
の上にこれらの
経済指標
の
変動
を織り込みまして、三十
年度
の
分配国民所得
の
推計
をいたしたわけであります。これがこの表に掲げておりますように、本
年度
におきまして六兆三千二百三十億、これを二十九
年度
の
推定実績
の六兆一千九百七十億円に
比較
いたしてみますと、二%
程度
の
増加
と相なるのであります。
国民所得
の
内訳
は十七ページの下の半分のところに、第二表に掲げております。この
内訳
について御覧になりまするように、総額におきましては
名目
的に二%の
増加
を示しておるのでありますが、その中でもやはり
勤労所得
の
増加
が
労働力人員雇用等
の
増加
を反映いたしまして、ほかの
部門
の
伸び
よりは
比較
的大きな
伸び
を示しております。この表で見ますように、
勤労所得
の
増加
は前
年度
に比べまして二・七%ということになりまするし、また
国民所得
全体の
構成比
の中に占める率におきましても、約五〇%に達しております。これに対しまして
一般
の
経済
の
影響等
を反映いたしまして
法人所得
は二十八
年度
から二十九
年度
にも
かなり
低下
いたしておりますが、本
年度
におきましても若干の
低下
を続けるであろうというふうに予想されるのであります。 なお最後に、このような
国内経済活動
につながりまして、
貿易
及び
国際収支
の
関係
について御
説明
を付言いたしておきます。これは前の表の下の方の欄あるいは詳しくは十八ページの一番下の欄にも掲げておるのでありますが御
承知
のように二十九
年度
における
輸出
の伸張は非常に目ざましいものがあったのでありますけれども、その原因を分析いたしてみますと、
かなり
特殊の
要因
に支えられたと見られる点もあるようでありまするし、また最近における
輸出競争
の激化の
趨勢等
を考えてみましても、三十
年度
の
輸出
を、今後
相当
の
輸出努力
をいたしてみましても、前
年度
に比べてそう大幅な
輸出
の
増加
は
かなり
期待
がむずかしいのではないかというふうにも考えられるのであります。これを
かなり
まあ
比較
的固く
想定
をいたしますと、十六億二千万ドル
程度
の
輸出
ではないかというふうにも考えられるのでありますけれども、しかし六カ年
計画
に
想定
いたしました
輸出目標
に到達することのためにも、あるいはまた
経済
全体の
活動
の
成長
の足場を
輸出
の
増大
に置かなければならないという考えからいたしましても、本
年度
の
輸出目標
といたしましては、あらゆる施策を
前提
といたしまして、やはり十六億五千万ドル
程度
にはぜひ必要であるというような
観点
から、ここに十六億五千万ドルという
輸出金額
を
目標
として掲げたのであります。前
年度
に比べて約五千万ドル
程度
の
増加
になるのでありますが、これに対しまして
輸入
の
関係
は二十九
年度
中における
手持原材料
への食い込みというような点も考慮いたさなければなりませんので、これは前
年度
に比べまして一億二千万ドル
程度
の
増加
を予定いたしました。ここに掲げておりますように一応十九億一千万ドルを予定いたしておるわけであります。
他方特需
の
減少傾向
は、最近の
状況
を見ましても、本
年度かなり
の
減少
を覚悟いたさなければならないという
観点
から、三十
年度
四億二千万ドルの
特需
を見込みまして、これに
一般貿易外収支等
をあわせて
推計
をいたして参りますと、三十
年度
の
国際収支
は、一番下の欄に掲げておりますように、
名目
では五千三百万ドル
程度
の
黒字
、しかし
片方
にユーザンスによる
支払繰り延べ
の
増加
がありますので、それを差引きまして
実質
で考慮いたしてみますと、カッコ内に掲げておりますように、二千三百万ドル
程度
の
黒字
にとどまるものというふうに予想いたしたのであります。これを三億四千万ドル
程度
の前
年度
黒字
に
比較
いたしますと、本三十
年度
におきましては、
片方
に
輸入
の
増加
におきましてやむを得ない
輸入
の
増加
が一億二千万ドルありますることと、
特需
の
減少
が先ほど申しましたような
比較
で一億七千万ドル
程度
の
特需
の
減少
、この二つがマイナスの
要因
として響いてくるわけでございます。しかしそれでもなお
輸出
の
努力
によって最終的には
収支
の
バランス
をとり、若干の
黒字
を
期待
する、こういうふうに
国際収支
の
目標
を立てたような次第であります。 以上
計数
の要点についての大略でございますが、三十
年度
の
経済目標
の
計数
の御
説明
を終ります。
館哲二
3
○
委員長
(
館哲二
君) きのうお話申し上げましたように、三十
年度
の
予算
とそれから
経済
の
見通し
というような問題で
一つ
いろいろ御
審議
を願ったらどうかと思います。
木村禧八郎
4
○
木村禧八郎
君 ちょっと
資料
ですがね、前に
暫定予算
を
審議
するときに実は要求しておいたのですがね、それは「
総合経済
六カ年
計画
の
構想
というのが今
配付
になりましたが、この三十
年度
の
予算
を
検討
する場合に、この
資料
では当てにならない。これは高
碕長官自身
も言われたわけです。この備考に「本
構想
は中間的に取りまとめた試案であって、今後の
検討
により
目標数字
その他の点については変更があるものとする」、こうなっていますので、その中間的にとりまとめたものでないのを出してくれということになっていた。それがまだ出ていないのです。それとですね、一番重要な点は、
防衛計画
との
関連
が全然ないのですよ。これでは何ら役に立たないと思う。その点は前に念を押して要求しておいたのです。それをいつころ出していただけるのですか。その点をまずお伺いいたします。
松尾金蔵
5
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) ただいまお話のございました前のほうの、たしかあのとき
年次計画
というお言葉であったと記憶しておりますが、この点は当面三十
年度
の今の
目標計画
に移りまして、三十一年、三十二
年度
と、後年次のものを、
目標
といいますか、という
意味
で今
検討
いたしておるところであります。実はまだその
検討
を終えておりませんので、早急にというので、先般来その成案を急いでおります。
目標
の
関係
で、実は二十九
年度
の
実績
がその後にだんだん確定して参りました。そういう
関係
で若干の
計数
の
目標
の異同はあるかと思いますが、でき次第提出するようにいたしたいと思いますなお、
防衛計画
との
関係
は、これはいわゆる
防衛計画
というもの
そのもの
が私どもまだ最終的のものができておるというふうには
承知
いたしておりませんので、その
意味
から申しましても、六カ年
計画
の
関係
はやはり今後に
調整
の問題としては残るというふうになるのではないかと思いますが、まあ
計画
としてはっきり確定したものには今のところまだ十分できていないという
状況
でございます。
木村禧八郎
6
○
木村禧八郎
君 三十一あるいは三十二年の
計画
の
作業
をなしておられると思いますが、
防衛計画
を織り込まないで
作業
をやっても、実際には
意味
がないのじゃないか。おそらく
経済審議庁
は最初のこの案をお作りになるときは一応
防衛計画
は除くというよりも、大体
現状維持程度
として
作業
をしたと思うのですが、しかしその後やっぱり不足なので、
防衛計画
を織り込んで
作業
をやっているはずです。また、やらなければならんと思うのです。もしそれなくしてやっているのなら、非常に手落ちでありますから、至急
防衛庁
のほうにあなたのほうから連絡して、私のほうからも
委員会
でまた要求はいたしますが、その
防衛計画
との
関連
においてこの
自立計画
というものをわれわれに示してもらわないと、非常に何といいますか、
具体性
を欠くと思うのですね。何か
机上プラン
みたいなものを
審議
しているようなことになるのですよ。この点しかしやっておられるのじゃないのですか。やっているけれども出せない、こういう
意味
じゃないですか。
松尾金蔵
7
○
政府委員
(
松尾金蔵
君)
年次別計画
と申しましても、その
内容
をどれくらい具体的に積み上げたきちんとした、いわゆる
実行計画
と言えるかどうかという点は
かなり
問題があると思います。まして今の御指摘のありました
防衛計画そのもの
が不確定な状態にあるのでありますから、おそらく
木村先生
のおっしゃっている
意味
の織り込み方というのは、まあほとんど不可能に近いのじゃないかというふうに考えておりますが、なお、今
検討
中でございますので、内部でもよく相談をいたすようにいたします。御了承願います。
木村禧八郎
8
○
木村禧八郎
君 それじゃもう
一つ
具体的にお尋ねしますが、今「
昭和
三十
年度
経済計画
の
大綱
」について御
説明
ありましたが、これは今度の
防衛庁
の費用が八百六十八億になる、それから
予算外
の
国庫債務負担行為
の
金額
が百五十億になる、そういう
前提
で作られたものじゃないと思うのです。その前にこれは
作業
されているわけです。その後
アメリカ
との
折衝
でああいうふうに
防衛費
が変るでしょう。変れば当然またその
影響
がいろいろ出てくるわけですね。違ってくると思うのです。更にまたこの
長期計画
についても、今度の
日米共同声明
を見ましても、将来
相当
、あれで行けば
防衛費
はふえてくる。そうしますと、この
総合
六カ年
計画
これ
自体
が
相当
やはり修正しなきゃ
意味
をなさないと思うのです。これは御
承知
のように大体三十五年千五百億くらいの
防衛費
と一応なっておるわけですね。それに
賠償
を入れて千八百億になるのでしょう。とてもそんなことでおっつくはずないですよ。これはただあなたを苦しめるのではなく、実際問題として、
経済自立
と
完全雇用
を達成するために、こんな
ペーパー
・
プラン
じゃだめなんですよ。ですから、
防衛計画
と真剣に取り組んで、それを織り込んでみると、おそらくきっと、今度逆にこんな多額の
防衛費
は組めないという結論に私はなると思うのです。まだ
作業
をおやりにならないからそんなのんきなことを
説明
できるのだと思うのですが、それをこれから僕は真剣に取り組み、
作業
をやらなきゃいかんと思うのです。殊にジェット機なんか作る。それはたいへんな
防衛費
になるのですね。そういうことを早く織り込む
作業
をやってみないと、そうしないと、ただ
防衛費
をのけて、こういう
ペーパー
・
プラン
で、何だか
選挙用
としてはいいけれども、実際
国民
が
ほんとう
に
自立経済
と
完全雇用
を達成する場合、
防衛費
との
関係
をもっと深刻に考えなきゃならない。ほとんどもうこれじゃ
意味
なさないということが、この間の
アメリカ
との
防衛費
の
折衝
でわかってきているのです。ですから少くともこの
程度
でいいから、
昭和
三十五年の千八百億、
賠償費
を入れて千八百億というような、ああいう
防衛費
の
前提
で作られているのですから、これは根本的にまた
防衛費
を織り込んだら組み直さなければならないものだと思う。
相当
これは予想が変ってくると思う。そういう
作業
を
ほんとう
はやらなければいけないのじゃないですか。ですからどうしてもこの過程において、あなたの方からも
防衛庁
の方で一応
防衛計画
を固めなければできない、
意味
ないじゃないかということを、あなたの方からも要求されるのが当りまえだと思うのです。で、私は当然、そういうものを織り込んだものが出てくると思ったら、前と同じ刷りものが出てきているでしょう。それで、あなたも前のあれはいろいろと御存じだろうと思うのですがね。これではあまり、参議院の
予算委員会
だから、いいかげんでいいだろうと、どうもそういうようなことで出されているような感じがするのですよ。われわれ
相当
ばかにされたような印象を受けるのですよ。そういう
意味
でもう少し足しになるような
ほんとう
に
審議
の足しになるような
予算
を出していただきたいと思うのです。
西郷吉之助
9
○
西郷吉之助
君 ちょっと
関連
して。今の
木村
さんの御質問と大体私も同じ趣旨なんですが、まあ大臣がいるのじゃないから、
事務当局
から
事務当局
の意見を質しておきたいと思う。いろいろ今
説明
があったが、
防衛計画
ができていないから、本来なら当然六カ年
計画
を入れるべきであるが、できてないからやむを得ずそれを省いて、
防衛生産
というものを省いたきわめて不完全なものであるが、ここに作って出したというのか。これは政治的じゃないのですが、
事務当局
にはっきり聞いておきたい、その点どうなんですか。できてないから、やむを得ず
防衛生産
というものを全然のけて、不完全なものであるが、
防衛生産
をのけた
経済
六カ年
計画
というものを出して示したものであるか。その点だけは
事務当局
もはっきり言えると思うが、その点はっきりしていただきたい。
石原武夫
10
○
政府委員
(
石原武夫
君) お答えをいたします。先に
政府
が発表いたしました「
総合経済
六カ年
計画
の
構想
」というのは、いわゆるわが国の将来の
経済
的な
自立
と
雇用
問題の解決というようなことで、いかなる
経済規模
に将来六カ年の間に持っていけば、今申しましたような問題がほぼ解決できるかということからいたしまして、その
構想
ということで取りまとめたものでございまして、その
段階
で一応、発表になっておるわけであります。従いまして六カ年
計画自体
といたしましても、まだもちろん
完成
をしているものではございません。それで、その
構想
に基きまして、さらにこまかく今
経審
といたしましては
関係
の各省とも連絡をいたしまして、六カ年
計画自体
の
完成
と申しますか、そういう
作業
を今やりつつある
段階
でございます。それで今お尋ねの
防衛計画
との
関係
は、もとより六カ年
計画
を
完成
いたしますまでには、その中に
大綱
としては当然織り込むべきものだと思っております。
防衛計画
自身につきましては、いろいろどういうふうな装備をするとか、どういうウエイトでその
防衛計画
を作るかというようなことにつきまして、細部にわたりましては、これはもちろん
防衛庁
がお作りになるわけでございますが、
経済
全般の
関係
からいたしまして、
経済
力との
関係
からいたしまして、どの
程度
のものが防衛力の方にさかれるかという点は、六カ年
計画
と
調整
は当然必要だと考えております。今後この
計画
を
完成
する際には、
防衛計画
等もにらみ合せまして、その
調整
のとれたものにしていく考えでございます。ただ先ほど申しましたように、現在の
段階
では
防衛計画
自身がまだ固まっておらんようでございますし、われわれの
作業
が目下進行中でございますので、両者あわせて
完成
するように今後進めていきたいというふうに考えております。
西郷吉之助
11
○
西郷吉之助
君 ちょっと今の答弁で聞いておきたいのですが、そうすると、
防衛計画
ができてないから、今のあなたの
説明
なんですが、そうすると、この六カ年というのは長過ぎるじゃないか、中に織込む、できたら織込むというのは、六カ年も作っておいて、そうすると、六カ年のうちの半年かそこいらは
防衛計画
ができないうちは、それでいいかもわからんけれども、その先は全然不完全きわまるものだということになる。この点はどうなんですか。六カ年ですよ、この
計画
は……。
石原武夫
12
○
政府委員
(
石原武夫
君) 今お尋ねの趣旨があるいは十分のみ込めません点もございまして、ただいま答弁が食い違っておりましたが、お答えをさせていただきたいと思いますが、先ほど申しましたのは、この
計画
が六カ年でございますので、防衛の方の
計画
も長期、これは六年になりますのか五年になりますのか、最終的には私もよく
承知
しておりませんが、長期の
計画
をとにかく作るということになっておりますので、その間に、同じ年次の間につきましては
調整
をいたしていきたいという考えでおります。
西郷吉之助
13
○
西郷吉之助
君 もう一点聞きたいのですが、そうすると、
防衛計画
ができたら、この中に織り込むというわけですね、あなたの方は、
経済審議庁
は……。で、
審議
庁の方はどの
程度
、
防衛生産
があるべきだという考えは持っておるのですか。
石原武夫
14
○
政府委員
(
石原武夫
君) お答えいたします。
防衛計画
を織り込みますと申しましたのは、全体の
規模
としてですね、防衛の
規模
ということで考えるので、どの
程度
の防衛力というような大きな
金額
と申しますか、そういうところで織り込むので、こまかい
内訳
はこの
計画
の中に織り込むつもりはございませんが、その他の
一般
の
経済
との
関係
がございますので、そういう大ワクでは考えるという趣旨でございます。で、この際、これを作ります際に、われわれのほうの立場から申しますると、先ほど申しました六カ年
計画
の目的といたしておりまするところと、防衛の方の御要求もあることと思いますから、その辺の
調整
も考えなければならんわけでございますが、ただわれわれといたしましては、防衛力にさき得るものは、やはり
経済
の伸長と申しますか、発展に応じて織り込むということで、防衛の方の仮に御要求が非常に多くても、他の
経済
面との
調整
を図らなければならんということで、そういう立場で
一つ
調整
をしていきたいというふうに考えます。
西郷吉之助
15
○
西郷吉之助
君
委員長
、もう一点聞いておきたい。そうすると、
防衛計画
を、今年の中頃か、
予算
中か、それは知りませんが、できたら、これは根本的に違って来るでしょう。今さっき
説明
された数字なんか根本的に違って来るでしょうが、この点はどうですか。
石原武夫
16
○
政府委員
(
石原武夫
君) 先ほど私おりませんでしたので、詳しく御
説明
申し上げたあれを
承知
しておりませんので、まことに恐縮でございますが、六カ年
計画
の
構想
ということで発表いたしております数字がございまするが、それの細部につきましては、今後細部の
検討
を加え、作っていくということにしておりますので、われわれといたしましては、もちろん今後
検討
していきます際に、先に発表いたしました六カ年
計画
自身もあるいは変る場合が、その他の理由によってあると思います。これはこの前の発表いたしました
計画
自身につきましても、さような点を註として書いてございますが、いろいろな
意味
であの
計画
が全然変らないということではないと思います。今私どもの方も
作業
いたしておりますが、最近までに、すでに二十九
年度
の
実績
がはっきり出ております。あの当時作りました二十九
年度
の数字がはっきりできて、従って三十
年度
計画
というのもお
手元
にございますように、最近きめておりますので、
相当
元のデーターが変っておるというようなことからいたしましても、
計画
自身もある
程度
計数
の相違が出て来ると思いますが、ただ
防衛計画
との
関係
におきましては、われわれとしては大体
経済
の
伸び
に応じて考えていくというので、その
関係
から非常に大きく今のところは狂いはないようにいたしたいというふうに考えております。
木村禧八郎
17
○
木村禧八郎
君 私がまあ伺いたい一番の根本は、今あなたの御答弁になった、大体まあこまかい
防衛計画
の
内容
は、これはまた
防衛庁
に聞けばいいのですけれども、
経済審議庁
の立場として、あまりにたくさんの
防衛費
の要求があった場合、日本の全体の
経済
の、
総合
的に考えて、その発展を図る場合に、それは
調整
しなければならぬ。その点はわれわれ非常に重視しているのです。また、この六カ年
計画
は、いろいろわれわれ
作業
しない者は勝手な議論を加えましたけれども、
作業
自身としては非常によくできたものだと思っております。これは非常に実は高く評価しておるのです。しかしこれによりますと、やはり
防衛費
はそんなにたくさん組めないという
構想
になっておるのです。ところが実際は
防衛費
が非常に多くなる可能性が出てきておるわけです。そこでどうしてもその
防衛費
を織り込んで、これをもう一度よく
作業
し直してもらいたい。そういうふうな実はむしろむちゃくちゃに
防衛費
がふえると、三十五
年度
に
経済自立
も
完全雇用
もできないということになるので、
防衛費
をやかましく言うておるのです。そういう
意味
で、
防衛庁
の方に早く防衛六カ年
計画
を示せ、これを早く求めなかったら、せっかくあなたのほうでいい
作業
をしているのがくずれちゃうのですよ。それで今後の
作業
の仕方は、今私はあなたの御答弁で一応意を強くしたのですが、
防衛庁
のほうでこれだけ要求するから、はいといってそれを織り込んで、これをまるまるやるのじゃなくて、
防衛庁
の方が出てきたら、それは
総合
的な立場で無理だ、こうしなければいかぬという立場でおやりになるように……。それで大体大きく見て、
防衛費
は
国民所得
の何%くらいに押えるつもりであるか、その点どのくらいに押えて
作業
しておりますか、大体でいいですから。
石原武夫
18
○
政府委員
(
石原武夫
君) ただいまの問題は、防衛の今後の漸増と申しますか、方針の根本に触れる問題で、われわれ
事務当局
がお答えすべき問題でないと思いますが。
木村禧八郎
19
○
木村禧八郎
君 事務的に。
石原武夫
20
○
政府委員
(
石原武夫
君) あるいは大臣からお答え願ってしかるべきだと思いますが、ただいませっかくお尋ねになりましたので、一応の考えを申し上げたいと思いますが、
一つ
これが責任ある答弁だというふうな
意味
でなくおとりを願いたいと思います。その点御了承願えますれば、われわれといたしましては、今お話がありましたように、
国民所得
に占めている割合というものがございます。これは二%ちょっとか、約二%に近い数字でございますが、これが
国民所得
全体から見まして、
防衛費
にさく率がどの
程度
が適当かということは、これはちょっと一がいに言えないのじゃないかと思います。諸外国においては、よく例に引かれますが、率だけから見ると高い。それぞれの国の生活
水準
とか、いろいろな条件が違いますので、諸外国の例でこのくらいのパーセンテージがあるから、日本においても、これが妥当するということはとうてい言えないことであると思うのでありまして、われわれといたしましては、現状をベースにいたしまして考えていくということでしかるべきじゃないかと思います。現在占めております率が、今後
国民所得
が
伸び
て参りますれば、かりに同じ率を維持しても、ある
程度
絶対額は当然ふえていくことになりますが、その
程度
がどの辺の
程度
かというあるいは御質問でないかと思いますが、これは純粋に
経済
的にだけ
判断
を最終的にできる問題でございませんので、その間純
経済
的な
観点
のほかに、防衛という問題の
観点
から
調整
しなければならない。われわれといたしましては、現在
国民所得
に占めている約二%あるいは二%幾らという数字が非常に大きく変っていくということは、日本としては不適当ではないか。
経済
的な多少の
変動
はあると思いますが、このパーセンテージが大きく変るということは適当でないのじゃないかと一応事務的に考えております。
湯山勇
21
○湯山勇君 議事進行。御答弁になる方も御質問になる方も、やはり私ども勉強したいと思っておりますので、少し大きな声でゆっくりやっていただくようにお願いします。
木村禧八郎
22
○
木村禧八郎
君 もう
一つ
伺いたいのですが、さっき御
説明
になった「
昭和
三十
年度
経済計画
の
大綱
」の中で、
国内
自給度の向上という(3)の項目ですが、これについて数字的に少し伺いたい。 それは、この
総合
経済計画
の中で一番重要な点は実は
国内
自給度の向上の点だと思います。これはやはり
経済自立
の
観点
から
輸出
をふやし、
輸入
を減らすということは、外貨の節約ということのため必要かと思います。それで取り上げられておるのは、食糧増産が
一つ
と、海運の増強、これが第二、それから繊維の増産、合成繊維、アセテートの設備拡充、エネルギーについては燃料自給度の向上、大体この四つがおもなるものだと思います。そこで問題を具体的に考える場合、
昭和
三十五年にかりに
特需
なしで
国際収支
を
バランス
させるとして、三十
年度
から食糧増産、海運、繊維、燃料自給
政策
をやるについてどのくらいの資金が必要であるか、この四つについて具体的に伺いたいのです。 食糧増産については、
総合
六カ年
計画
として
国内
自給度を高めるためにどのくらいの資金が必要であるか、こういう
計画
はされておると思います。どのくらいの資金が要るか、それによってどのくらいの外貨が節約されるのか。それから海運については、
昭和
三十五年までにどの
程度
の船を作るのであるか、そのためにどのくらいの資金が要るのか、それによって外貨はどのくらい節約できるのか。繊維についても、燃料自給度についてもどのくらいの
政府
資金なりあるいは民間資金が必要で、それによってどのくらいの外貨が節約されるのか。この四つについて、できれば年次別にその所要資金、それからそれによる外貨節約が自給度にどのくらい役立つのか、これの数字を伺いたい。
石原武夫
23
○
政府委員
(
石原武夫
君) ただいまのお尋ねの点につきましては、私どもこの六カ年
計画
の
構想
を発表いたします際にいろいろ試算いたしました数字がございます。しかしそれは今各省と
検討
中でありまして、まだきまらず、この
程度
で
計画
自身がそれでいいかどうかという問題がございます。従ってそれに応ずるこれくらいという確たる数字はまだ実は持っておりません。ただ非常に大ざっぱに推算した数字はあるはずでございます。ちょっと今
手元
に持っておりませんので、後ほど調べましてお答えさせていただきたいと思います。
木村禧八郎
24
○
木村禧八郎
君
資料
として多少時日はかかっても、今日、明日ということでなくても、一週間か十日ぐらいかかってもいいのですが、その具体的な数字を
一つ
。どうせ将来の
目標計画
ですから、きちんとしたものを求めるのは無理かもしれませんが、大体三十五年までにどの
程度
の食糧増産を行い、そのためには千二百万石増産するならば千何百億の資金が要るとか、できれば年次別に、これはやっておるはずと思いますが、それでどれだけの外貨節約になるのか、これは外国
輸入
食糧の価格なんかの
変動
もありますから、現状をベースにしまして、この四つについて伺いたいのです。
石原武夫
25
○
政府委員
(
石原武夫
君) ただいまのお話、できるだけ御趣旨に沿うような
資料
を提出いたしたいと思います。ただお断りしておかなければなりませんのは、実は六カ年間、年次別はまだできておりませんが、年次別という御質問かもしれませんが、六年なら六年の初の三年というふうにトータルで概数を
一つ
できるだけ
資料
として御提出していただきたいと思います。
木村禧八郎
26
○
木村禧八郎
君 さっき
昭和
三十一、三十二
年度
の
計画
の際に、各省の意見を聞いてということですが、その二十二年くらいと、前半と後半くらいに
作業
をやっていただければそれでも結構です。
石原武夫
27
○
政府委員
(
石原武夫
君) お答えいたします。当初の三年につきましては今やっておりますが、あとの三年については実はまだ手をつけていない事情もございますし、六カ年
計画
を作ります際に三十五年は見当をつけておりますが、あとの三年の年次別の
作業
も現在進んでおりませんので、前半と三十五年というふうにお願いいたしたいと思います。
小野義夫
28
○小野義夫君 ちょっと私あとから来ましたから、あるいは
説明
があったかもしれませんが、二、三御質問申し上げます。なお、
資料
でできるならば補足していただきたいのですが、それは附表の第二表の
勤労所得
、それが農林水産業と営業と、それから兼業、こういう三つになっております。
勤労所得
の中で、これは農林水産業に使用されているところの人たちの従業員の給与所得だろうと思うのですが、次の営業というのは、商業その他のすべての職業等、諸般の業務、いわゆる生活の資源を得るところの営業というものであるか。次の個人業主所得という点の農林水産業でありますが、これは普通の農家のようなもの、あるいは炭焼き、あるいは船を持って漁業をする、あるいは河川で漁業をするもの、個人に属するものをすべて第二番目でやっておられるようですが、その次のまた営業というのは、これは個人的ないろいろな、上の農林水産にあらざる一切の営業をいっておるのか。そこで、これでは少し表が漠然過ぎるので、私の希望するところは、
勤労所得
の中で、一体農林水産業は
勤労所得
の中では割合少いと思うのですが、とにかく三つに分けておりますから、この三つの
内訳
をほしいのです。純然たるお百姓の所得というのは一体どういう所得であるか。この勤労のほうは使用人であるからどっちでもいいのですが、ついでに農林水産を区別してほしいというのが
一つ
、それから営業というのはまことに漠然としているので、何もかもこれに入るということは少し大まかであるので、もう少し営業の
内容
を細かにできないか。日本の産業の系統によって、その営業の種目を細かく出してほしい。それから兼業その他というのでありますが、これは数字からいえばそう大きくありませんが、まあ
相当
のものでありますので、これらもできるならばもう少し細かくしていただきたい。それから個人業主の農林水産はやはり同様の
意味
をもちまして、一体われわれは農業所得というのはどれだけなのか、林業所得はどうなっているかということが実際に知りたいのです。そこでこれは農業に関する
国民所得
というのは1と2を合計すれば出るような格好になっている。それから林業についてもそうであります。営業ももう少し細かく、個人たると、勤労者たるとを問わず、同じような分類方法でもう少し詳細なものを出してほしい。それから個人の利子所得、これは大した問題じゃありませんからいいと思いますが、法人の所得につきましてまた同様に、一体法人の中にも非常に小さい法人がある。十五万とか十万とか、それは一体法人の中に入っているのか、個人の中に入っているのか、そういう細かいものまで
法人所得
として計上するのは、私は
法人所得
というものの本体を捕捉することにあやまちがあるのであります。そういう個人営業にひとしいもので、何々会社というのは、法人であっても、これはどこか個人のところに、もしそれがなっていなければいいが、なっているなら、それは他のほうに編入することが、われわれの
経済
ベースを取り上げる上にぴんと来るところのものになる。 それから官業の収入ですが、これも官業と申しましても種類は非常に少いのですが、もう少し詳細な
資料
をほしい。それから海外純所得、これはまあ……。それから
政府
と
消費
者の負債利子……。 ところで今度は第三の
消費
の問題についてでありますが、一人当り
名目
個人消費
というのが非常に大きな数字をあげているので、これも一体農民の階級に属するところの、
人口
の過半数にも該当するところの農民諸君の生活費というものは一体どういうふうになっているかということが知りたいのであります。 かようにやりますというと、
勤労所得
者の所得は、御
承知
の通り非常に
人口
が少くて、所得が膨大なんです。それとチャンポンになっているおそれがあるのでありまして、先ほど申しました業務に付帯しての私は
消費
経済
を知りたい。
国民所得
の分類に応じての一人当りの
消費
量が知りたい。それからまた租税公課の負担でございます。国税、地方税を通じての負担で一体農民層にはどういうふうに負担がいっているか、あるいは商工業者にはどういうふうに負担されているかということも、
消費
の面も、公課負担の面も、
国民所得
もできるだけ詳細明瞭な区別をした表を御提示願いたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
石原武夫
29
○
政府委員
(
石原武夫
君) お答えいたします。 ただいま御要求のございました
国民所得
のうちの細分でございますが、初めのほうの
勤労所得
なり、それから個人の営業所得、個人の事業所得、その辺は大体今御要求のありましたような詳細なものが大体
内訳
としてできると思いますから、それは
資料
としてできるだけ早く御提出いたします。 ただ
国民所得
のうち
一つ
、われわれの方として今御要求がございましたが、直ぐ出しかねますのは、法人の
内訳
でございます。大法人、小法人というお話がございましたが、それは実はそういうふうな統計をとっておりませんので、これはせっかくの御要求でありますが、直ちに出すということはできかねると思います。その点だけは御勘弁を願います。その他につきましては、
国民所得
につきまして御要求のありましたものは
資料
として差し上げたいと思います。 それから
消費
並びに税負担の問題でございますが、これはちょっと今即座にお引き受けいたしかねますが、いろいろ調べまして、あるいは税負担の方は大蔵省であるいはおわかりかもしれませんが、その辺もよく調べまして、一応現在といたしましては、
消費
は
国民
一人当りということで出しておりますので、ただいまお尋ねのように
内訳
ができるかどうか今即答いたしかねるのであります。研究はいたしておりますので、もし、できれば一緒に提出いたしたいと思います。
小野義夫
30
○小野義夫君 ごもっともなわけでありますが、今のいわゆる法人がわかりにくいでしょうけれども、大体税務署で調べる場合には、もう小さい会社である、あるいは同族会社、もしくはこれに類するようなものは個人と同じような課税をしているのだから、何かそこに大小という言葉は不適当かもしれませんけれども、個人企業に編入し得るようなものをなるべく分けて、そうしてみないと、だんだん今のように、つまらん会社が商売を法人にした方が便利であるということで非常に個人企業が法人化しておる今日におきまして、いろいろのわれわれの調査なり研究の面に非常にそれはややこしくなってくるので、できるだけそれは
一つ
何かでわかる方法がありますなら、
一つ
一そう御研究を願いたいと思います。
小林政夫
31
○小林政夫君 今の分は、大蔵省の法人企業統計を見ても中小法人と大法人が分れている。あなたの方の
国民所得
の
推計
は、
法人所得
は、それではどういうやり方で
法人所得
を
推計
しておられるのか。中小法人と大法人との区別がつかないような
推計
の仕方では困る。
松尾金蔵
32
○
政府委員
(
松尾金蔵
君)
法人所得
の
関係
は、
実績
としては資本金五百万円を境といたしまして、大法人、小法人で
実績
は出るわけであります。これは二十九
年度
の分を提出できると思います。三十
年度
の
推計
は、やはり一応は大法人、小法人に区別をして
推計
をいたすのでありますけれども、その結果、大法人及び小法人、それぞれの
法人所得
の
変動指数
のとり方が、大法人、小法人で趣きが違いますが、これを厳密に大法人幾ら、小法人幾らというふうにはっきり確定的なといいますか、
推計
という区別がむずかしいと、こういう
意味
で、
推計
の方は大法人、小法人の
内訳
をお示しするほどはっきりしたものでないというふうに申し上げたわけであります。
推計
の過程ではそういう過程をいたしております。
小林政夫
33
○小林政夫君
推計
の過程ではそういうふうにしておると、そうすると
法人所得
の
推計
というものは、今言われるあまり確信のある
推計
ではないということになるわけですね。特に私はこの前の
委員会
のときにもだめを押して、大蔵大臣から中小企業向け資金の需給推算の
資料
を出してもらうことになっておる。まあ出るそうです。出るそうですが、そういう出される
資料
がそういうふうな
法人所得
の
推計
のもとに出されたのでははなはだ頼りない
資料
になるわけで、当然大法人と中小法人との所得性向が、傾向が違ってくるということはあり得るのですけれども、それも業種別でだいぶ違ってくる。そういう
推計
をする以上はそこまで考えてもらわなければあまり正確なものではないということになる。
石原武夫
34
○
政府委員
(
石原武夫
君) ただいまの点は大蔵省当局でも御研究のようでありますから、両省でよく打ち合せてできるだけ、どの
程度
まで確信のあるものになりますか、よく相談いたしましてお出しするようにいたします。
小林政夫
35
○小林政夫君 特に中小企業問題というのは問題ですよ。あなたのほうの
計画
にも書いてあるごとく、中小企業
対策
については
相当
考えることになっているから、そういうのに
審議
庁がえらい中小法人を軽視するような
考え方
では困る。最も施策として重点をおいてもらわなければならぬ。大いに関心を持ち、研究もしてもらいたい。
湯山勇
36
○湯山勇君 今御
説明
していただいた
資料
についてお尋ねしたいと思います。十八ページの
実質
個人消費支出
の中でCPI、
総合
消費
財の
物価
指数
というのが一〇一・八になっていて、それが対前
年度
比九八・三になっております。ところが5の一人当り
実質
個人消費支出
にいたしましても、一人当り
名目
個人消費
にいたしましても、すべてこれふえているわけです。前
年度
比が。そうするとここだけで、しかもこれの要素となるのは、三十
年度
のCPIの見方をどうするかということによって前
年度
比が出てきておるわけですし、あるいは
個人消費支出
をどう見るかということによってこれが出てきておると思うのですが、これは
かなり
客観的な要素を持っているのでしょうか、それともただこうありたいという
程度
のものでしょうか。
松尾金蔵
37
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) お答えをいたします。個々の
個人消費支出
の総額は、御
承知
のように
国民所得
の中から引っぱって参りまして、税その他を抜きまして、個人可処分所得を出して参りました。その中から貯蓄性向、
消費
性向の
支出
を出して、
個人消費支出
の総額を出すわけでございます。この総額が出て参りますと、あとは総
人口
で割って
名目
に直し、それを
物価
指数
、CPIの
指数
で換算をいたしまして、あとは機械的に出てくるわけでございます。問題はどの
程度
客観的であるかという点は、
個人消費支出
の総額を出す際に、税の
関係
あるいは貯蓄性向、
消費
性向の
関係
のところに、まあ特に貯蓄性向、
消費
性向の
関係
のところに若干
政策
的といいますか、あり方が出てくる。まあこの
程度
で一応われわれは客観的だと思っているつもりでございます。
湯山勇
38
○湯山勇君 それでは通常これらのものは大体CPIと比例して増減する性質を持っていると思うのです。それがこの三十
年度
の特にCPIのところだけ少くなってきている、そうするとこれには何か特殊な要素がなくてはならないと思うのですが、それはどういうふうに見ておられるのでありますか。
松尾金蔵
39
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) CPIの
変動
は、実は二十九
年度
のときは、御
承知
のように二十九
年度
当初のまあ見込みといいますか、
想定
では、やはり
年度
の平均ではCPIが若干下るというふうにわれわれは
期待
しておったのでありますが、この点はまあ
期待
に反しまして、特に生鮮食料品等の増産が思ったように参りませんで、それらの
関係
も手伝ってこういうふうにCPIが上って参ったわけでございます。しかし三十
年度
は、先ほど来申しましたような
意味
で、まず平年作
程度
の
気象条件
に恵まれるならば、
農産物等
の
供給増加
が見込まれますし、特にCPIの
関係
では、御
承知
のように主食以外の生鮮食料品の占めますウエートが
相当
大きい
関係
がございますので、まあそのほか繊維品等の値下り等も予想いたしまして、まずこの
程度
の
消費者物価
指数
の値下りを
期待
できる。こういうことでこの部分だけがこの表で御覧になりますように下ることを
想定
いたしました。従いまして
名目
では一・一
程度
の
上昇
でございますが、
実質
では二・八という
上昇
を計算上
期待
できる、こういう考えでございます……。
湯山勇
40
○湯山勇君 私がお尋ねしようと思ったことを今答弁されましたので……、昨
年度
も同じような傾向をとりましたので、本年もまた同じような傾向をとって、あとでまた来
年度
になってからこれはこうだと、こういうことになりはしないかと思ったのでお聞きしたわけですが、一応それで了承いたしました。 それから次に、やはり同じ表で、先に御
説明
いただいた表の中で、
特需
の
減少
でなお四億二千万ドルの計算をしておられますが、これは大体その
内容
はどういうふうに見ておられるでしょうか、もう少し詳しくおわかりでしたら
説明
いただきたいと思います。
松尾金蔵
41
○
政府委員
(
松尾金蔵
君)
特需
の推定は相手方のあることでございまして、御
承知
のように非常に推定がむずかしいわけでございます。本
年度
におきまして四億二千万ドル
程度
の
特需
ということについても、個々の推定数字までにはいろいろ議論があったのでございますが、やはりいわゆる日米共同勘定に振り込まれまして使用されますいわゆる調達の
関係
の
減少
が一番大きく響いてくるというふうに
想定
をいたしておりました。そのほかのいわゆる円セールといわれます
個人消費
、あるいはその他の項目はあまり大きな
変動
ではございませんし、やはりいわゆる狭義の
特需
関係
の
減少
が一番大きい、大部分はそこの
減少
を
想定
いたしておるわけでございます。
湯山勇
42
○湯山勇君 その
内容
をもう少し、どれをどのくらいに見ておるということがわかりませんか、
個人消費
をどれくらいに見ているか。(「
内容
を
資料
にして渡してもらったら」と呼ぶ者あり)あとで
資料
にしていただけますか。
松尾金蔵
43
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) 今私どもここに持って参っておりますのは、傾向を見る
程度
の鉛筆書き
程度
でございますので、項目について後ほどまた相談いたしまして。
湯山勇
44
○湯山勇君 もう
一つ
。これはさっきの御質問とも
関連
して、
防衛計画
との
関連
ですが、三十
年度
の
計画
の中に出ておる
失業者
数というのを例にとってみますと、六十三万の
完全失業者
を見ている。これは自衛隊が増強になれば、この中から二万五千減るとは即断できませんけれども、そういうようなものを計算に入れれば、これは除かれるのじゃないかと思うのですが、そういう点の見当はあとで御修正になられますか、これもこのままで通されるのですか、あるいは今
年度
増強の分は入っておりますか。
正示啓次郎
45
○
政府委員
(正
示啓次郎
君)
予算
に
関係
ございますから、大蔵省主計局からお答え申し上げますが、
防衛庁
の作りました三十
年度
の防衛漸増
計画
は、御
承知
のように陸上二万人を中心にいたしまして、全体で三万一千幾らの増員になっておりますが、この案
自体
は非常に早く御
承知
のようにできておりまして、湯山先生の今おっしゃいましたのは、対米
折衝
その他でいろいろ最終的な決定がおくれた事実を御指摘のように拝承いたしたのでございますが、
経済審議庁
、あるいは労働省と来
年度
の
失業者
をどの
程度
に見込むかという相談のときは、非常に早くからこの増員
計画
というものをある
程度
見込んでおりました。もとよりこれは
予算
の場合におきまして、防衛分担金の減額が実現する場合という
前提
が付いておったことは申すまでもございません。しかしながら一応
政府
部内におきまして、最初に
防衛庁
が九百五十二億の要求を出しましたときからこの
計画自体
はございましたので、それらを全体として考えに入れまして、今の失業救済
計画
というものはできております。御
承知
のように来
年度
は
昭和
二十九
年度
日平均十七万人の
失業対策事業
による救済を、五万人ふやしまして二十二万人ということにいたしました。その他住宅を
相当
思いきって建てますとか、あるいは鉱害復旧をいたしますとか、いろいろのことを全体として
対策
を講じました上で、六十三万人の
完全失業者
の横ばい、こういう見方になっております。この点は
審議
庁その他
関係
の各省において十分打ち合せをいたしたのであります。
木村禧八郎
46
○
木村禧八郎
君 それに
関連
して。前に労働省が出しましたのは、
昭和
三十
年度
末では八十万という数字が出ておりました。二十九
年度
末は六十二万、六十二万というのは今年三月末の人員、あの点はどうなっておるのですか。
松尾金蔵
47
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) 先ほど
雇用
問題のところで
労働力人口
の点その他にも触れたと思うのですが、大体八十万以上の
労働力人口
の新たな
増加
が出て参りました。それに対して大体各
部門
別に
生産
の
伸び
その他を当って参りますと、大体吸収できるというものを差し引いて、何か特別の
対策
を講じなければいけないだろうと思われるものが、この計算は、まあ見方にもよるかと思いますけれども、私どもの考えでは、最終的には十三万くらいだというふうに見ておるわけであります。しかし前に約二十万と、こう言われておりました。いわゆる労働省で八十万といわれたのは、おそらくそれは六十何万に二十万加えて八十万という数字が出たのかと思いますが、これは
生産
の
伸び
等を考えますと、大体最終的には十二、三万の特別な失業
対策
をやればいいのかと思いますが、そのほかにいきなり
生産
部門
その他にそのままほうり込んで当然就業ができるというふうにはいかないものでございますから、そこには二十万人くらいについて職業補導をやって、
生産
なり産業方面に向ける。そうしますと二十万が、特別の措置を講じて吸収措置なり失業
対策
をやらなければならない、そういう
意味
で約六千万くらいの
完全失業者
に対して、ほうっておけば八十万くらい、こういう数字が従来私どもの方で出ておったわけでございます。
木村禧八郎
48
○
木村禧八郎
君 どうもその点納得できないのですけれども、それじゃさっきの(4)の企業の合理化、
生産
性の向上、こういうものによる失業がまた出ると思いますか、そういうものはどういうふうに見込んでいるのか。それからこれは全体の
経済
の
見通し
とも
関連
していますが、三十
年度
の
予算
を実行の結果、これは二十九
年度
と違って
相当
デフレ的な圧力があるのじゃないか、私は横ばいではないと思いますけれども、これは意見の相違ですが、しかしそういう点からも失業が出る。これを見越してどうも現在よりは
失業者
は横ばいというよりもむしろふえる。最初労働省の二十万というていたのは、大体私はあれは当るのじゃないか。それをいろんな
対策
によって吸収するといいますか、そのほかに合理化による失業というものをどれだけ見込むかということがこれは問題なんですけれども、この様子ではずいぶん
国民
運動まで展開して
生産
性の向上をはかって、それから合理化もずいぶん進めるようなことになっているのですね。これに非常に
努力
を払えば払うほど
失業者
がふえて来ますし、これなどはどういうふうに考えておられるか。 これは
経済審議庁
に伺いたいのですが、フランスなどでは合理化をやるときに、その産業の合理化した
失業者
をたとえば
関連
の第二産業ですか、企業ですか、そういうものに吸収できるという
計画
が立たなければその合理化をやらせない、そういうところに資金を注ぎ込まない、そういうふうな
総合
的な
計画
のもとに合理化をやっている。その合理化をやる場合に失業の問題をどういうふうに考えていくか、ただ合理化して
失業者
を出す、あと失業
対策
費を出して救う、こういうようなのじゃ実際
意味
ないと思うのですね。ですから今後やはりそういうことも立法を必要とするかもしれません、将来そういうことをやるについては……。そういうことを十分御研究ではないかと思うのですが、フランスなんかでは、ずいぶんそういう点、あるいはまた西ドイツですか、そういうこともずいぶん考慮されていると思います。その点
一つ
お考え下さい。それから外国のまあそういう例がありましたら、それからそういう立法例やなんかもあるのじゃないか、西ドイツもそういう立法例ありますね。そういうものもあったら
資料
としていただきたいので、将来やっぱりこれなんか立法化しなければならないんじゃないかと思うのです。ただ
失業者
を出しっ放なしの合理化というのをやっちゃいかぬ。ちゃんと手当をして、あと次にどれだけ吸収できるということにしておいて合理化をやる、そのくらいのことを考えなければ、
総合
計画
だと言えないと思います。それが
一つ
。 それから
生産
性の向上が非常に強く出てきておりますが、この
予算
を見ますと、一億五千万円か、余剰小麦ですね、あの方の受入円資金から出すことになっておりますが、これはMSAとの
関係
できているのか。どうもMSA
関係
の法律を見ますと、
生産
性本部というのが
アメリカ
にちゃんとありまして、これは
アメリカ
が各国に援助をしていますし、ですからこれは単に日本でこういうことをぽつんと考えたのじゃなくて、ちゃんとMSAの法律にもあるのですから、それと
関連
していると思うのです。従ってこれは余剰小麦のあれの中から一億五千万円使うについて、何かこれに条件があるのではないかと思います。おそらく条件があると思います。そういう点伺っておきたい。これは日本だけじゃありませんから、各国とも今
生産
性向上というものが言われて、
アメリカ
にこれは本部がありますから、それとの
関連
をわかったら
一つ
。
小林政夫
49
○小林政夫君 僕は今の
木村
君の質問にも
関連
するのでありますが、まあ
国内
自給度の向上だとか産業の合理化、
生産
性の向上、それから新技術……科学技術の振興と新産業の助長育成、前から
経済審議庁
には要求しておるのでありますが、こういう抽象的な表現の具体的
内容
ですね。そうしてこういうことをやった結果は、鉱工業の
生産
指数
というものが一・五%ですかふえる、こういう
内容
をどの産業、これは財政投融資とも
関連
して、どういう
内容
でこうなったかということの
資料
が出せれば出してもらいたい。そして同時に今の
増大
した八十四万の労働
人口
をどの産業、どの
部門
にどれだけ吸収するのか、その結果が失業
対策
人口
が十三万あるいは二十万というようなこと、こういうはっきりしたこまかい業種までいかなければ、大体どの産業というようなことの具体的
内容
ですね、それが出せるかどうか。
松尾金蔵
50
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) 就業面への吸収といいますかの問題は、これはまあ非常に推定がむずかしゅうございますが、私どもの方の一応のこういう計算の上で見ますと、全国にいわゆる
失業者
がどの地域にどういうふうに集団的に出てくるということは一応あとの問題でありまして、総
人口
、総労働
人口
、それに対する総
就業者
というような見方をして参るわけであります。従いまして同じ
生産
業
部門
におきましても、
部門
によってはもちろん合理化、まあその他の事情から就業面から追い出される者も出てくると思いますが、しかしまあ
片方
に同じ産業面で吸収する面もあるわけでございます。そういう点はただ全体として
生産
の
伸び
、あるいはその
関係
からくる産業
活動
の
伸び
というだけで見て参るわけでございます。これを
実績
で見てみますと、二十九
年度
、昨
年度
あのようにいわゆる引締め、デフレの時期であったのでありますが、御
承知
のようにそれでも全製造
部門
では、
就業者
の絶対数はやはり十万以上
増加
いたしております。特に
商業部門
、
サービス部門
等におきましては
相当
数の
就業者
増加
、
商業部門
ではまあ五十万くらいの
就業者
増加
という
実績
の統計が出ておるわけであります。そういう傾向を追いまして、三十
年度
の
生産
の
伸び
、あるいは全体の
経済活動
の
伸び
を見て、全体の中間的な見方で数字を一応はじいてみたわけでございますので、ただいま御指摘になりました何々産業部面でこういう合理化をしたならば どれだけの
失業者
が出て、それがどこに行くかという具体的な数字の追い方は実はやっていない。昨
年度
におきましては、御
承知
のように石炭
部門
その他で
かなり
の、
相当
数の失業問題が発生いたしたのでありますが、そういう場合には御
承知
のように、たとえば北九州地区におきましては、いわゆる鉱害復旧事業の繰上げでありますとか、あるいは公共事業のやり方、あるいは吸収の仕方等に特別の施策をやるというようなことで、実際の具体的な数字を追ってそのときに施策をやる。
計画
といいますか、
見通し
の上では、全国の、全体の産業
活動
の
状況
を見てやるという
程度
で、この点はまあ何といいますか、
想定
と実際の
失業者
の具体的な
対策
ということには若干のずれがあると思います。
計画
といいますか、
目標
の上では、そういうことで先ほど申しましたような吸収が全国的な見方から見ればできるというふうに
想定
いたしておるわけでございます。
石原武夫
51
○
政府委員
(
石原武夫
君) ただいまお答えいたしましたほかに、
生産
性の本部の
関係
の一億五千万円の問題の御質問が先ほどございましたから、それにお答えいたします。先ほどお話がございましたように、諸外国におきましては、私の
承知
しておりますところでは、
生産
性本部の
生産
性向上の運動をいたしました際に、たとえば英国とかそれらの国々におきましては、MSA資金の見返り、そういうものを使ってこの費用の一部に充てられたというふうに聞いております。しかし今回日本で今度考えられておりますのは、いわゆる余剰農産物の見返り円と申しますか、その資金のうちから一億五千万円を経費の一部に充てたいということになっておりますので、これにつきましては、これを実施するについては、何らか
アメリカ
側から、それの実施についての条件があるということは私は何も聞いておりません。これは例の余剰農産物の見返り円二百十四億の使途につきましては、向うから、この分はこういうものに使えという指示は何もございませんで、こちら側からこの運動をいたします際に、この
程度
の金をこの
金額
の中から使いたいというふうに希望をいたしておりますので、私の
承知
しております限りでは、現在までのところでは、何らの条件もございませんので、今後ともそうした
アメリカ
との間に特別の資金を使うための条件というものはないものと考えております。 それからなお次に小林
委員
から御要求がございました点、あるいはちょっと聞き落しがあるかと思いますので……お答えいたしますと、自給度の向上につきましては、先ほど
木村
委員
からも御要求がございまして、今のお話の三十
年度
の増産量と申しますか、これは
資料
として差し上げるようにしたいと思います。二番目は、たしか失業
関係
十三万なり何なりの
関係
の
資料
ということであったろうと思いますので、これも
一つ
先ほど御答弁申しましたが、必要がございますれば、
資料
として差し上げるようにいたしたい。それから三番目の科学技術と申しますか、新技術等を具体的にどういうものを考えているかというような点であったろうかと思います。この点につきましては、
一つ
はそうした新技術を、新産業を育成するために財政資金を導入するという問題もございまして、開発銀行等の資金を配分いたします際に、われわれとしてはさような面にも一部考えようというふうに考えておりますが、現在まだその配分につきましては
関係
各省との間にも話し合いが進んでおりませんので、最終的な案はちょっと早急にはお出しをいたしかねるかと思いまするが、一応こういうようなものを大体考えるんだという
程度
のものでございますれば、打ち合せをいたしまして御
説明
をいたすことができるかと思いますので、少し時間を貸していただきますれば、
関係
省とも相談をいたしまして、その上で
一つ
御
説明
をいたすようにいたしたいと思います。
小林政夫
52
○小林政夫君 その点ですね。前からこの
経済
六カ年
計画
の
構想
が発表されたときから、御
承知
のように
経済
安定
委員会
、あるいは本会議でも質問なりお願いをしたはずなんですが、今の
調整
部長
ですね、あなたのお話を聞くと学者の
推計
のような話なんで、本当の
目標
を立てるということ、その
目標
というのがコーン博士、その筆法による
推計
のようなことで、これは学者ならそれでいいんだけれども、
政府
としては施策としてやるのだから、それはどうやるという裏づけがなくちゃならない、具体的な……。特に六カ年
計画
という、こういう案を打って、この
程度
のことをやろうというわけで、少くともすべてのものについて
計画
経済
をやっておるというのでないんだから、あらゆる
部門
について、その
計画
をはっきりしてもらいたいということは無理でしょうけれども、重点産業等については少くともここにアイデアとしてあげられておる問題については、具体的な
内容
が伴っておらなければ、これだけのことは言い切れない。またそういう具体的な
内容
が伴っていなければ、われわれとして拝聴するのは学者の
推計
と変りはない。
政策
として考えるというわけにはいかない、
経済
評論みたいなものになる、その点がどうなのか。ただ
推計
をしただけで、実際の具体的な施策が伴っていない。たとえば
説明
としては三十
年度
の
予算
は六カ年
計画
の初
年度予算
であって、
計画
の第一
年度
であるということを言われておるけれども、実際にこの
予算
とこの
計画
とはマッチしておるのかどうかということは、言葉だけで言われても、ああそうですかというわけにはいかない。そういう点が具体的にわかるような、なるほどこれは六カ年
計画
の初
年度
だという
内容
にわたってわかるような具体的
内容
ですね。そういうことを今の開銀資金等の問題もこれから打ち合せてやるんだというようなことじゃだいぶん……。
予算
はもう出されておる。そのうらはらの問題として、少くとも
鉱工業生産
というものをこの
程度
に
増大
させるんだ、こういう
増大
になるんだというのじゃなくて、させるのだということでなくちゃならぬ、
政府
の方針としては……。
松尾金蔵
53
○
政府委員
(
松尾金蔵
君) 私先ほどの御
説明
に、あまりこう自信のないような御
説明
をしたかと思います。なお
説明
が足りなかったかと思いますが、要するに先ほど来の
説明
いたしましたような
労働力人口
の
増加
と各産業
活動
の
状況
を見まして、どれぐらいが吸収できるかという数字をはじきまして、そして結局産業
活動
の本来の進み方で参りますと、八十万以上の
労働力人口
の
増加
に対しまして約六十七万ぐらいになりますか、七十万ぐらいのものは各
部門
に割り振って見ると、産業
活動
なり、
経済活動
の
状況
で吸収できる。しかしあと放っておいては吸収できないものが十三万ぐらい出て参りますから、その数字は
予算
の編成に当って、いわゆる
失業対策事業
の際の
対策
の純増の
計数
として
予算
にも組まなければならないというふうに、
予算
の編成のときにはそういう思想で
予算
にも織り込まれておるわけでございます。ただ先ほど申しました十三万とか、二十万とかいわれておりましたものの差は、これは究極では産業
活動
のところのそれぞれのところに吸収されるのでありますが、しかしそれも新たに出てくる
失業者
になるおそれのあるものを、すぐ就業の
機会
に持ち込むわけに参らないものが数万ほどある。それに対しては職業補導というような方策を一定期間とって、それぞれの産業
部門
に吸収させる、そういうことを
予算
の措置で準備をしてございます。そういう
意味
で、全体の数字は全国グローバルの数字でございますけれども、そういう
予算
を用意いたしまして、あとは
失業者
が現実にどこにどのくらい出てくるかということを追っかけて、いわゆる機動的な運営をできるだけやって、失業問題の解決をやっていきたい、こういう仕組みになっておるわけでございます。
木村禧八郎
54
○
木村禧八郎
君 今の御答弁で私は重ねてこの失業
対策
の重要性を感じておるのですが、これはこの
総合経済
六カ年
計画
のどういう
経済
体制で行うかという根本の問題にこれは触れてくると思うのですよ。ですからまだ質問しておりませんが、どういう体制でやっていくというのか。これが今の利潤追求の自由
経済
でもっていって、そうして過剰投資、あるいは二重投資、いろいろな弊害があるのですけれども、特にこの失業の問題、あるいは
完全雇用
をうたっているから、これを考える場合、どうしてもただ合理化をやって
失業者
が出てきて、それじゃそれはどっかで吸収するのだろう、
生産
がふえる過程においてどこかへ吸収する、そんなことで一体やっていけるかどうか。そこで私は
経済審議庁
としては、今後やはりこの点もどういう体制をとっていくかということも、研究される必要があると思うのです。それでよその国でそういうことはやっておるのですから、こういうことも参考にされて……、確かに西ドイツで法律も出ておるわけです。そういう
失業者
が出るような合理化をやってはいけない。一応やるについては、
失業者
がどこに吸収されるということが確定されてから、
見通し
がついてから、その合理化人員を吸収する、その証明がなければやらぬというようなことにまでなっているのです。その点はさっき質問したように今後の重要な問題ですから、一応外国の例なんかも調べて、すぐじゃなくていいのですが、
資料
がありましたらお願いいたしたいと思います。 もう
一つ
は、さっき
説明
された
生産
性本部のことですが、
アメリカ
の指示を受けないとのお話しですが、これは過剰小麦の見返り円をこれに使う、しかしそれは日本が自主的にこっちの考え通り使えると思いますけれども、これはもう少し御研究の余地があるのじゃないかと思います。MSA過剰小麦の買い入れは、あれはMSAという法律の中にあるのですよ。この前はそれに基いて協定を結びました。あれはMSA小麦の受け入れば、MSAとは無
関係
じゃないわけです。あれは法律の中にちゃんとあるのでありまして、前に通過されておるのですよ。MSAの法律に過剰小麦の処分というのが、法律としてあとで追加されたのです。ですから、あれはMSAの一環になっておるわけです。だからそんなに簡単に私は扱ってはいけないのじゃないかと思いますが、もう少し調べてみていただきたい。あとになって
アメリカ
さんから、そんなに勝手に使えないのだ、やはりそれにひもがついているのだということが、それははっきりしたひもか、あるいはゆるいひもかわかりませんが、何か私は条件がついてくるに違いないと思うのです。それは今後の
折衝
の過程で出てくると思うのです。
石原武夫
55
○
政府委員
(
石原武夫
君) ただいま
木村
委員
からの外国等の例を調べろという点は、われわれも調べまして、もし
資料
ができましたら提出さしていただきたいと思います。 それから余剰小麦の代金のうちのMSAが
生産
性本部の方へ配分をするという点は、今回今交渉しております余剰農産物の受け入れにつきましては、これはMSA法ではございません。昨年処置いたしましたのはMSA法に基くものでありますが、今回は法律が新しくできておりますので、MSA法に基くものでないことは明らかでございます。ただ、今お話のようにひもがつくのじゃないかという点でございますが、これは元来いまの余剰農産物の見返り円を使うか使わんかにかかわらず、これはいろいろ
生産
性の向上に関して
アメリカ
から援助を受けるとかいうような、向うの技師に来てもらうとか、こちらの人を向うに派遣して向うで実地に講習するとかいう問題もありますので、その辺の
関係
につきましては、これはいかなる財源によりましても、向うと話合いで参るということは、これは当然なることと思います。ただあの財源を使ったゆえに特別にひもがつくという点は、今のところわれわれとしてはないんじゃないかというふうに考えております。これは、今回の協定の最終案がまだきまっておりませんから、もちろんまだ最終的にどうこうということを申し上げる
段階
ではございません。これは今度の余剰農産物の受け入れの協定のときにはっきりすることになろうと思いますが、現在までわれわれが
承知
しております限りにおきましては、あすこから財源を使う
関係
で、さらに
生産
性向上本部の
活動
についてひもがつかないだろうというふうに考えておるわけであります。
一つ
いま御注意がございましたので、十分
関係
省の意見も聞きまして、研究はいたしてみたいと思います。
木村禧八郎
56
○
木村禧八郎
君 私、今
生産
性本部を設けること
自体
が、
アメリカ
のサゼスチョンで出てきたのじゃないかと思うのですよ。突如として出てきたものじゃない、日本が考え出してこういうものをやっておるのじゃない。また国際会議にも日本が出ておりますよ。パリでやったのにちゃんと出ていますよ。ですからそういう簡単なものではない。ですから、いまの過剰小麦の受け入れがMSAと
関係
がないとすれば、今度はどういう形であれは買うのですか。
石原武夫
57
○
政府委員
(
石原武夫
君) 私が申しましたのは、昨
年度
実施いたしましたのは、MSA法の条文に従って協定を結んだわけです。今度は、ちょっと正確な名前は忘れましたけれども、新しい立法に基いて、それによって協定を両者間で結んで、そして受け入れるということになる、そういうことでMSA法に基くものではないというふうに申し上げたので、もちろん両国間の協定に基くことになることは当然であります。
館哲二
58
○
委員長
(
館哲二
君)
資料
の要求があるようですから……。
八木幸吉
59
○八木幸吉君 食糧増産の
対策
費と増産の
実績
について農林省の方へ
資料
の御提出をお願いしておいたのですが、まだ御提出がありません。そこで
経済審議庁
にお願いしたいのですが、将来の食糧増産
対策
をお立てになる上において、過去の
実績
をむろんお持ちになっておると思うのですが、過去十カ年の食糧増産
対策
費とその
実績
を調べたものを御提出いただきたいと思います。
石原武夫
60
○
政府委員
(
石原武夫
君) ただいまの御要望は、過去十カ年というお話でございますが、
経済審議庁
に、ちょっと果して過去十カ年さかのぼりまして、あるかどうかはっきりいたしませんので、先ほどのお話でも農林省に御要求になっておるというお話でございますので、農林省とよく連絡をいたしまして、あるいは農林省から御提出を願うことになるかもしれませんが、いずれどちらから御提出をするように取り計らいます。
八木幸吉
61
○八木幸吉君
経済審議庁
ではさような
資料
は、たとえば五カ年でもございませんか。ございますか。
石原武夫
62
○
政府委員
(
石原武夫
君) ちょっと私この席ではっきりあるかどうか、不案内なものでございますからさよう申し上げたので、あるいはあるかもしれませんが、いずれにいたしましても、両省でよく相談いたしまして、御要望の
資料
をどちら側からか提出さしていただきたいと思います。
八木幸吉
63
○八木幸吉君
経済審議庁
独自の見解で
資料
があると思いますが、もしあれば、農林省がお出しにならなくてもお出しいただくことをお願いしたいと思います。
小林政夫
64
○小林政夫君 さっきの話に返りますが、今
石原
次長は出すというのだから、それを拝見してからでもいいのですが、
増大
した
労働力人口
をどの
部門
に吸収するという、こういうことですね。この
資料
を出していただきたい。そして今
対策
を要する失業
人口
について技術補導をやるということでありますが、今までの技術補導というのは木工屋さんの補導というような、補導所はみな木工をやっている。これをどの
部門
にどのように吸収するかという大きなはっきりした施策を持っておらぬと、折角技術補導をしても、あなたの方に言うことじゃないけれども、何にもならない、むしろ過剰
生産
を助長するようなことになる。少くともあなたの方で重点をおいておられ、あなたの方で、
政府
の方で
計画
を持ってこれだけはやるというものについて合うような技術補導をやっていかなければならぬ。そういう
意味
においても今私のお聞きしている具体的
内容
についてここで言えるぐらいの確信があり、基礎がなければなかなかこう
計画
を——さなきだにむずかしいのに、できがたいのじゃないか。 それから
石原
次長のあれはすこぶるあいまいなことですけれども、いま新産業の問題について、新産業の助長育成についてこれから各局とも打ち合せして、一応の数字を出すということでございましたが、ここにあげてある石油価格、木林利用の合理化、石炭利用の拡大、チタン等の新金属、このようなものについては財政投融資をどうするとか、それについて民間資金はどうついてくる、従って三十
年度
の
生産
はどうなるか、あるいは三十
年度
にはまだいろいろな
プラン
トその他をやるだけで、
生産
は出ない、こういうことについても少くともここに名前をあげてあるものについては、具体的な
説明
を載せるようにしていただきたいと思います。
館哲二
65
○
委員長
(
館哲二
君) それでは次の問題に移るようにしたいと思いますが、いかがでしょう。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
館哲二
66
○
委員長
(
館哲二
君) 今度は歳入の面で
一つ
お話を聞くことにいたしたいと思いますが、税のことについては、きのう主税局長からお話がありましたので、税以外のことについて主計局長からも一応のお話はありましたが、正示主計局次長からも一ぺん
説明
を聞くことにいたしたいと思います。
正示啓次郎
67
○
政府委員
(正
示啓次郎
君) 昨日主税局長から御
説明
がございまして、税のことは非常に詳しい御
説明
がございましたようですから、税のことについてはあとで御質問がありますれば、主税局長からお答えを願うことにいたしまして、歳入につきまして、税以外について簡単に補足をいたしておきたいと思います。
予算
の
説明
二十二ページ以降に歳入のことがずっと出てございますが、主計局の立場から見まして、税金、これは国税、地方税、それから専売益金、全体を合せましての
国民所得
に対する
比率
をちょっと見ますと、二十八年が一五・八%、二十九年が一四・九%、三十年は一四・六%というふうに逐次下っております。これはすでに数字にお当り下されば明白だと思いますが、そこで、二の税の二とは先ほど申しましたように飛ばさせていただきまして、二十四ページの専売納付金でございますが、これが多少表向き減っているように見えますが、この理由は主計局長から申し上げました通り、地方のたばこ
消費
税の平
年度
化、並びに本年はたばこ
消費
税にかわるものといたしまして、三十億だけを専売公社から交付税特別会計に特に繰入れをいたす
関係
でございます。たばこの
消費
の
関係
でございますが、これもすでに申し上げたかと思いますが、非常に高級品の売れ行きが悪くて、嗜好が
比較
的下級の品に片寄っているということを申し上げたいと思います。これまた
予算
の
説明
の中にございますが、簡単に申し上げますと、三十
年度
におきまして、たばこの
国内
販売の予定数量は千九十一億本、
金額
にいたしまして二千百八十六億円でございます。これは二十九
年度
の
実績
と
比較
いたしますと、数量は千二十七億、
実績
は千二十七億でございます。これは
予算
千三十七億に対して千二十七億、
金額
は二千百二十九億の
予算
に対して、二千百八十八億というふうでございます。すなわち数量ではやはり六・一%の
増加
になっております。
金額
ではしかしながら四・七%の
増加
にとどまる。ここに要するに
比較
的高級の品が売れないという点があげられておるわけでございます。なおたばこの販売本数を
国民
一人当りに換算いたしてながめて見ますると、二十八
年度
一千百十一本、二十九
年度
一千百六十五本に対して三十
年度
は一千二百二十本というふうに数量は
伸び
ておるのであります。これは
昭和
九−十一年の平均に対しまして四・三%の
増加
に当っております。まあ
相当
消費
量は
伸び
ておるのでございますが、御参考までに諸外国の
消費
とここで
比較
をいたしてみますると、
アメリカ
では二千四百三十四本、イギリスでは千九百九十五本、フランスでは千三百三十本というふうでございまして、まあ諸外国よりはまだ低い
状況
であるということでございます。 以上申し上げましたように、非常にこの数量はある
程度
伸び
ておるのでありますが、嗜好あるいは
需要
と申しまするか、これが
比較
的低い方に集中しておるというふうな
関係
で、今度の専売益金の確保につきましては、専売公社御当局におきまして、いろいろと御苦心があるわけであります。十本当りの販売単価をよく
比較
いたすのでございますが、二十九
年度
の
予算
におきましては二十円五十銭で見ておりましたが、
実績
は非常に悪うございまして、十九円台に落ちたこともたびたびございます。これは毎月の
状況
を見てみますると、そういうふうでございます。そこで三十
年度
といたしましては二十円一銭というふうに、これも
相当
かたく見ておるのであります。しかし先ほど申したような
状況
でございまするので、公社といたしましては、経営の合理化、販売面での新しい工夫、さらにまた場合によりましては、
国民
の嗜好に投ずるような新製品を考究するというふうな施策も行なっておられるように伺っておるわけであります。大体その辺のことをつけ加えまして、専売納付金の御
説明
を終らしていただきたいと思います。 それから同じく二十四ページの官業益金及び官業収入、これは昨日やはり御
説明
があったかと存じますが、結局国営競馬の
関係
が昨年廃止になりまして、民営になりました
関係
で、減収が生じておる。しかしながらこの国営競馬の収入は別に雑収入の面におきまして、去年よりは少し内輪になっておりますが、大体同じものが入ってきておることは申し上げたかと思うのであります。 なお
政府
資産整理収入、これは二十五ページでございますが、これが十億七千四百万円の
減少
になっておりますが、この点は国有財産の処分の収入が
相当
いろいろ工夫をいたしておりますが、やむを得ない
減少
が起っておるのであります。本年はある
程度
スクラップ等も法的措置を考えておるのでございますが、それでもなおかつまあかつてのような目ぼしい財産の処分ができないような
関係
から減っております。また鉱山の引き継ぎ財産整理収入等もある
程度
減って来ておりますので、このような
減少
になっておるというふうに御了解をいただきたいと思うのであります。 それから雑収入は、先ほど申し上げました二十五ページの雑収入でございますが、これは先ほど申し上げました日本中央競馬会の納付金が九億八千四百万円こちらの方に振りかわって入って参りますことが一番大きな理由でありますが、そのほかに特別会計の恩給負担金、あるいは特別調達資金の受け入れというふうなものが昨年に比べまして若干
増加
をいたしました。それらの
増加
が全体として四十六億一千四百万円というふうに見込まれておるわけであります。 最後に二十六ページの前
年度
剰余金でございますが、これは二十八
年度
に新しく生じました剰余金を計上いたしておるわけであります。これは大体は歳入の
増加
、このうちの約三百二十億あまりが歳入の
増加
でございまして、八十何億が歳出の不用に伴うものであったように
承知
いたしております。 以上簡単でございますが、歳入の租税以外につきまして簡単に補足をいたしまして、歳入全般につきまして御質問がございますれば、主計局長、私の方からお答えいたしたいと思います。
木村禧八郎
68
○
木村禧八郎
君 今度の
予算
は非常に弾力のない
予算
とよく言われておりますが、財源の面で。そこでちょっと伺いたいのですが、今後かりに一荒れあって、百億あるいは百五十億、かりに百億なりの災害復旧、そういうふうな場合にどこを見たら財源が見つかるか、今の
政府
の資産整理収入もあまり
期待
できないし、専売の方もあまり——むしろ減って行く。そうなると結局最後の点は自然増収がどの
程度
見込まれるかということになるのですが、今年は割合自然増収があった。今度どのくらい一まあ全然ないということはないでしょうが、その点はどのくらいの余裕を持って考えておるのでしょうか。
渡辺喜久造
69
○
政府委員
(
渡辺喜久造
君) お答えいたします。 今年二十九
年度
は御
承知
のように、御
承知
といいますか、昨日ですか御
説明
申し上げましたように、大体二百四十億
程度
の自然増収があったわけです。これは砂糖
消費
税とか揮発油税の繰り上げ徴収による増五十億
程度
のものが入っておるわけです。まあ従来主税局の見方がとかくかた過ぎていろいろ御非難を受けた点もありますが、今年はそういう御非難を受けないようなつもりで
予算
が組んでございます。
経済
の
動き
がどういうふうに働いて参りますか、何とも先のことでございますので、われわれもそうはっきりしたことは申し上げられませんが、今のところわれわれはまあプラス、マイナス決算はおそらく今度組んだ数字に比べまして、そうないんじゃないか、時期も例年でございますと十一月頃に、昨年の十一月頃に本
年度
の
予算
を組むわけでして、一年半前に先行きを見通さなければなりませんが、本年は大分
予算
の提案がおくれたことも、最近の新しい
資料
を材料に使い得たということからしまして、
比較
的確実な数字がつかみ得るんじゃないか、こういうような
意味
からしまして、自然増収が
期待
できるか、あるいはどれくらいか、われわれの方としましては、まあ自然増収とかそういったものの出ないような
意味
の一ぱい一ぱいの
予算
を組んだというふうに考えております。その
程度
に御了承願いたいと思います。
木村禧八郎
70
○
木村禧八郎
君 たばこはいつもピースで問題になるんですが、前もピースが売れなくなって下げたのですね、五十円を四十円に下げた。それをまた五円上げたわけです。また売れなくなった。これはやはり下げたらどうなんでしょうかね。
宮川新一郎
71
○
説明員
(
宮川新一郎
君) 昨年ピースの値段を四十円から四十五円に引き上げました。その結果もございましょうけれども、御
承知
のように
国内
経済
全般がデフレになり、それに
アメリカ
あたりで
かなり
の肺ガンの問題等が出まして、そういうことやいろいろからみ合いまして、
一般
にその高級たばこというものがニコチンが多いだろうというふうな印象を持ちまして売れ行きが
減少
いたしておるというふうに見ております。今ここで定価を改訂いたしましても果して売れ行きが
増加
するかどうかという問題につきましては、実は公社におきましてもいろいろ研究をさせておりまして、たとえば世論調査などもいたしてみたのでございますが、五円値下げをするとピースを吸うかというような質問に対しまして、約四千人ばかりを対象にして調査いたしたのでございますが、吸うという率が非常に少うございまして、そういうようなことを考えまして、ただいま主計局の次長から御
説明
いたしましたように、今年の専売益金の見込みにつきましては、
相当
減額と申しますか、公社としては非常につらいような計算になっております。ここでピースの値を上げますと、非常に端的な標準でございますが、かりに光がピースにいくという場合を
想定
いたしますと、光を吸っている人の五〇%
程度
がしんせいにいかないととんとんにならないというような計算もできまして、ただいまのところ、ピースの値下げをすべきではないという結論に達しまして、今回は見送ることにいたしておる次第でございます。
木村禧八郎
72
○
木村禧八郎
君
資料
を……。この前に二十九
年度
の
予算
で問題になりましたけれども、今度の
予算
の中には特別会計の方に回しちゃって
一般
会計に入れるべきものはやはり省かれている。二十九
年度予算
と同じように。ですからやはり今度の
予算
についても、その当然
一般
会計に入れるべきものも入れて計算した
資料
を
一つ
出してもらいたいと思います。それが一兆幾らになるか。それはまた去年のものも、二十九
年度
はもう過ぎたものですからもう出してもいいでしょう。前にこだわって出さないようですが、どうせ
実質
的には一兆を超しているものですから。
吉田萬次
73
○吉田
萬次
君
関連
して。ただいまの
木村
委員
の御質問と同じようですが、今度の専売益金の三十億円を特別会計へ繰り入れられたということは、われわれから考えるところは、
一般
会計に繰り入れらるべき性質のものである。特別会計に繰り入れられるということは、一兆円のワクというものに固執してそうして繰り入れられたように考えるが、どうでしょうか。
正示啓次郎
74
○
政府委員
(正
示啓次郎
君) ただいまの
木村
委員
並びに吉田
委員
の御質問、あるいは
資料
の御要求につきまして一言申し上げておきたいと思うのでありますが、私どもは二十九
年度
の
予算
あるいは三十
年度
の
予算
を通じまして、いわゆる一兆のワクに拘泥をして、本来ならば
一般
会計に入れるべきものを特別会計で経理するとか、あるいは
一般
会計を通じないで操作をしたとかというふうなことは実は考えておりませんのでございます。三十億の問題を一応例にお引き下さいましたから御
説明
を申し上げますが、これは昨年作りましたたばこ
消費
税をいわば増額をすべきであったかも存じません。しかしこのたばこ
消費
税につきまして、主税局長、専門家がおられるのでありますが、実は非常に偏在いたしております。特にいわゆる富裕団体と貧弱団体との間の偏在が
一般
的な偏在でございますが、昨年新しく設けていただきました際に、この割合でございますが、百十五分の十五というものを市町村と府県に御
承知
のように分けたわけでございますが、その際百十五分の十を市町村にいたしまして、五を府県にいたした。警察を府県に持っていくような場合でございまするからどうであろうか非常に心配をいたしたのでございますが、当時やはり自治庁ではこれが正しいというふうな確信を持っておられましたし、私どもも一応計算上はこれは正しいということで、さようにいたしたのであります。ところが
年度
の途中で御
承知
のように警察費の不足問題が起りまして、これは非常に大問題でございましたが、どうもわれわれにはぴんとこなかったのであります。それは市町村で警察をやっておるときには、何とかかとか、やりくりがついたのが、府県に来るとどうして足りないのであろうかという非常な疑問に逢着をいたしまして、いろいろ実態調査をいたしたことは御
承知
の通りでございますが、結局、しかしこれは御
承知
のように、ある
程度
交付税の率を修正いたしまして、暫定的に修正をいたしまして、解決をいたしました。本年はいずれまた地方税法の改正をお願いいたすのでございますが、果してこの現在のたばこ
消費
税の分け方、すなわち百十五分の十五というこの分け方をそのままにして、あるいはそういうパーセンテージの上に積み重ねて府県と市町村の間に分けていいものかどうか、これは非常な大きな問題でございます。いずれ地方税法で十分これは御
審議
を願わなければならぬと思うのであります。自治庁もこの点については
相当
研究をしたのておられるようでございます。そこで
予算
を組みますときには、とにかくあの大へんお世話になりました交付税の率、百分の二十五というあの率が二十二に下りましたときに、当時の大蔵大臣が、地方行政
委員会
におきまして、発言は速記録にちゃんと残っておりますが、たばこ益金等で、という表現を使っております。たばこ益金等で三十億
程度
のものを何とかいたすように考慮したい、ということを言っております。まあその辺もございまして、一方においては、今申し上げたようなたばこ
消費
税の配分の適正化という問題とからみ合いまして、とりあえず、本年は一年限りの特別措置として、本来ならば地方税で処理する、すなわち
一般
会計には全然無
関係
でございますたばこ
消費
税として地方税で処理するものを、暫定的に一年限り特別の措置として、公社からいきなり交付税の方へ繰り入れて交付税に付加して
配付
する。この場合、ロスは全然ございませんことは申すまでもございません。そうして本当に困っている地方団体の財源に潤いをつけよう、こういう趣意に出たわけであります。あの閣議決定が発表になりまして、いきなり新聞でたたかれたときには全くあぜんといたしまして、われわれ全く考えも及ばなかったことを指摘されましたように思っております。先ほど
木村
委員
の特別会計云々の問題は、これは預金部の問題とか、国債の元利償還の問題とか、去年だいぶお叱りを受けたのでありますが、これまた決して一兆円
予算
をやるという考えでもございませんので、むしろ事務を簡素にいたすとか、経理の手数その他を省略していくという合理化の、
木村先生
お得意の合理化の線で実は考えました。決してカムフラージュするためにやるという考えではございませんで、ただ二十八
年度
までこうやっておったものを二十九
年度
以降どう組みかえたかということでございますれば、これは事実でございますからお出しをいたすわけでございますが、わざとやったものを出せとおっしゃられますと、これは実はそういうことは全然ございませんので、それぞれ今申し上げましたような理由を私どもとしては考えまして、その方がベターであるという
判断
のもとにやっておりますので、その点だけは一応お断りを申し上げたいと思います。ただ二十八
年度
に経理をした経理方法を二十九
年度
、三十
年度
においてどう変えておるか、その事実だけを出せとおっしゃられれば、これはお出しをいたすことにやぶさかでありません。
湯山勇
75
○湯山勇君 今のに
関連
して。二十八
年度
様式でやれば二十九
年度
の一兆億というものは一兆五百億、それぐらいになっておりますね。それで同じようなことでやれば、今度の一萬田一兆というのは幾らになるか。そういう数字も
一つ
出しておいていただきたい。
正示啓次郎
76
○
政府委員
(正
示啓次郎
君)
資料
の御要求でございますから、先ほど申したような、二十八
年度
まではこういう経理であったが、二十八
年度
どうなったかという変遷を示した表は作りたいと思いますが、今仰せられた一兆五百億というふうなものには、私はならないんじゃないかと思うのでありまして、それはおそらく例の入場税、これは御
承知
のように国税に移管になってしまいました。しかしながら、これは全く入場譲与税として国が取りますが、特別会計で譲与いたすわけでございます。国の方は一割をいただくだけであります。これを
一般
会計で取るべきであとるいうことは、これはかっての
配付
税の例からいいましても、おかしいのでありまして、私どもは、あれは全く先例から申しましても、あのころは一兆
予算
というものはございませんでしたが、先例から申しましても、ああいうやり方がむしろ自然の姿じゃないか、さように思っているわけでございますので、ただ、先ほど申し上げましたような
資料
で御覧をいただきますが、今御指摘になりましたような大きなものにはならないのでございまして、ことに入場税は、二十八
年度
は地方税でございます。二十九
年度
から国税に移管をいたしたわけでございますので、二十八
年度
様式を基礎にして
比較
する場合も、入場譲与税のごときものは、これは今おっしゃられたものの中には入っておらないというふうに一応御了解を得ていただかないと、ミスリードいたしますので、その点はお断り申し上げておきます。
小林政夫
77
○小林政夫君 僕は正示さんは今の専売益金の
説明
はあまりしゃあしゃあとできないと思う。というのは、監
理官
が変ったけれども、このたばこの専売益金というものは、
消費
税の形で税と製造原価と分けてもらいたいということを前から言って、何とか考えるということになっておるはずなんです。一言の断りなしで、こういうものをさっと出されては困ると思いますが、その後の経過はどうですか。
宮川新一郎
78
○
説明員
(
宮川新一郎
君) 以前、前国会等におきまして小林先生からそういうようにいたせという御意見がございまして、たびたびお叱りを受けておったことも、私ども一後生監
理官
としてよく
承知
をいたしております。実は昨年先生の御主張、まことにはなはだ失礼な言い分でございますが、ごもっともではないかというふうに、われわれ
事務当局
の方で
検討
いたしまして、実は御
承知
のように昨年三公社の公共企業体合理化
審議
会というものがございましたが、その合理化
審議
会に税金
部門
とその他の部分を分けて、公共の企業
努力
の発揚にも資したいというふうに考えまして、提案いたしたのでございます。非常にこれは専売公社合理化
審議
会といたしましては、一番問題になった点でございまして、各
委員
相当
いろいろ御意見がございましたが、結論的に申し上げますと、何と申しますか、たばこ専売というものは、そういう税金で取らないで、
一つ
の定価の中にそういう税金
相当
部分を織り込んで
国民
が——
消費
者が吸っている間に、知らず知らずに税金
相当
分を納めておるというふうな格好にするのが、専売制度の妙味のあるところではないだろうかというような意見が決定的な意見になりまして、しかし、それだけで何らの措置もやらないのもいかがかと思われましたので、今
年度
から
予算
関係
の参考書類の中に、製造原価、管理費、小売人の手数料等明細をつけまして、結局差額が幾らであるかということを一応明らかにするような格好にいたしまして、同じような措置を決算においてもつけまして、国会の御
審議
を通じまして、
国民
にどれくらいの税金を吸ったことになるかということをはっきりさすのが適当ではないかというふうに考えまして、一応そういう措置をとったわけでございます。なお先生の御意見のあるところは、われわれといたしましては、なお
検討
いたしまして、
機会
を得て、さらに実施に移すように、なお研究を進めるようにいたしたいと考えておる次第でございます。一応の経過を御報告申し上げます。
木村禧八郎
79
○
木村禧八郎
君 正示さん、先ほどの
資料
を作っていただくときに、正示さんの御意見で、たとえば入場税は自分の意見によれば、これは
一般
会計に入れるべきものじゃないという、こういう御意見によって
資料
の作成を違えてもらっちゃ困るのですよ。御意見は御意見として一応別にこれは討論するとしましても、二十八
年度
と二十九
年度
、三十
年度
の違う点をこれは出していただけばいいのです。入場税は、ああいうものは二十八
年度
にはなかった、それをやはりつけ加えてもらわないと……。あなたの
判断
によって、これは入れぬ方がいいと省いてもらっては困ります。それから租税の払戻金なんかも、そういうものをあなたの
判断
力によって落しちゃ困るのです。それは議論は議論として……。一応そこのところは正確に
資料
として出していただきたい。
正示啓次郎
80
○
政府委員
(正
示啓次郎
君) お答え申し上げますが、決して私の考えでどうする、こうするという
意味
じゃございません。これは先ほど申し上げましたように、入場譲与税は、先例から申しましても、国税に移管いたしましても、その九割は地方に
配付
いたす譲与税でございますから、それは特別会計で処理するのが、先例から申しましても、自然のものである。これを客観的に事実に照らして一応申し上げておるわけでありまして、自分の考えだけで
資料
を作るということは、毛頭ございません。
植竹春彦
81
○植竹春彦君 たばこの販売価格とそれから製造原価との
比較
表で、さっき正示さんの御
説明
でちょっと数字を確かめておきたいのですが、二十九
年度
十本当り二十円五十銭と言われましたですね。三十
年度
は二十円一銭ですか、十銭ですか。
正示啓次郎
82
○
政府委員
(正
示啓次郎
君) 二十円とび一銭でございます。
植竹春彦
83
○植竹春彦君 そうすると、もう一ぺん正示さんにお尋ねしたいのですけれども、去年はたしか製造原価が二十二円から二十二円五十銭がらみで、三十
年度
は十九円五十銭から二十円がらみに製造原価を引き下げる
努力
をしておられるのじゃないか。もしそうだとすると、販売価格の方が安くなって、製造原価がかかるということになりはしないか、その辺御
説明
願います。
宮川新一郎
84
○
説明員
(
宮川新一郎
君) 製造原価の点について御
説明
申し上げます。たまたま
手元
にありますのが、二十九
年度
の補正
予算
におきましての見込み
金額
でございますが、工場原価は、富士が十一円九十五銭一厘、ピースが八円四十八銭四厘、光が七円四銭五厘、しんせいが三円八十五銭四厘、それに対しまして今
年度
の製造原価でございますが、富士が十三円とび二銭、ピースが九円とび九銭、光が七円四十三銭、しんせいが四円四十四銭というふうになっております。これに販売及び管理費、地方
消費
税並びに小売手数料を加えまして総原価になるわけであります。
植竹春彦
85
○植竹春彦君 そうすると、それが幾らになるのですか。これには一千億本作られて、六分三厘の増収をして、逆に
金額
から申しますと、五十二億円減収しておられますね。それで製造原価と販売価格とは、はなはだ食い違うのではなかろうか、そういう質問の趣旨でございます。
宮川新一郎
86
○
説明員
(
宮川新一郎
君) ああそうでございますか。製造原価の方は若干上っております。しかしこれは益金にそう大きく響くような
金額
ではございませんで、問題はやはり先ほども正示次長から
説明
申しましたように、単価が、昨年二十九
年度
補正
予算
に比べまして、十本当りの単価が全体的に減っておるということが原因と考えるのであります。
湯山勇
87
○湯山勇君 バットは……。
宮川新一郎
88
○
説明員
(
宮川新一郎
君) バットは、昨年の工場原価が三円三十七銭でしたか、今
年度
は見込みは三円九十二銭でございます。
館哲二
89
○
委員長
(
館哲二
君) ほかに御質問ございませんか。 それでは本日はこの
程度
で散会いたします。 午後三時五十二分散会