○高田なほ子君 私は
日本社会党を代表いたしまして、
昭和三十
年度政府提出
予算三案及び民主、自由両党妥協による
修正案に反対の意を表さんとするものでございます。
もみにもんだ
昭和三十
年度の
予算、
政府原案は、
国会提出に至りますまでに、鳩山
政府の公約であります防衛分担金の削減をめぐって
日米間の折衝に難航を続け、内においては
政府与党の民主党並びに
各省の
予算復活に時をかせがす結果として、あさり尽された
財源は、きわめて弾力性の乏しい
予算案に変貌するに至りました。
政府はその弱体外交と不誠意によりまして、四、五月の暫定
予算を余儀なくされ、あまつさえ再度繰り返さないことを確約いたしましたはずの六月暫定
予算まで組むに至りましたことは、公党の
責任政治に対する大きな冒涜だと言わなければなりません。
このような
経過を持つ本
予算案は、またしても自由党の
修正要求四百三十億の圧力に屈し、
国会の論議を待つことなく、舞台裏のやみ取引によって、要求額を折半した二百十五億の
修正の幅をもって
衆議院を通過したのでございますが、この間バナナの叩き売りのような取引が行われました。この不明朗さは厳に
国民の前に批判されなければならないところと信ずるものであります。特に本院におきましても、同僚佐多委員によってこの非民主的な
修正経過を激しく追及されましたが、
政府はついにこれに対しまして明快な論旨をもってこれに答えることができませんでした。また、形式的にも
財政法上の過誤を犯し、当然耐火建築
補助金の項に復活しなければならない
補助金が、
建設本省の項に移されているのは、明らかにごまかしの
修正であって、このような
修正がもし許されるとするならば、今後どのような無理な
修正も許されることになってくるでございましょう。また、
軍人恩給の
増額におきましても、積算の基礎が全くでたらめで、
増額になりました十八億八千万は何ら根拠のない
数字であって、その他数え上げれば
修正上幾多の疑点を残しているのでございます。
特に
昭和三十
年度予算の基礎的な条件であります
米価問題に対して、
政府の態度はきわめて誠意を欠き、新たに採用することになった予約制度の実施に伴って早期に解決すべきであるにもかかわりませず、いたずらにこれを遅延させ、本院
審議に重大な支障を与えましたことは、まことに遺憾事と言わなければなりません。
政府の
米価審議会に内示した一万六十円の
米価につきましても、また
予算米価との差額の補てんの
財源につきましても、何ら具体的
数字的な根拠を示さず、単に食管
特別会計の操作によってまかなうという不都合な態度をとっているのでございます。特にまだ
米価審議会の結論は出ていないのであり、
政府はこの結論を待って
米価の最終的な決定をすると言っているのでありますが、もし
米価審議会の結論によって、
米価の最終的決定が一万六十円と異なったものになった場合に、これは明らかに
予算の
内容の変更をしなければならないということになると存じます。かかる事態を全然無視して、
予算の十分な
審議を阻害し、
審議を打ち切るという方法をとったことは、
国会の
審議権を奪う暴挙と言わなければなじません。(
拍手)
私どもは、民主憲法の示すところに従い、
国民のために尽すべきは民主政治の原則でありまして、いやしくも党利党略のとりこになり、
選挙目当ての臭気を感じさせるがごときは、議会政治運営に当って厳に排除しなければならないところであると存じます。
国民に政治不信の念をもしこの結果抱かしめることありとすれば、それはあげて日ごろ民主政治を口にする鳩山
政府の重大な
責任と言わなければなりません。私ども
日本社会党は、
国民の大
部分を占める勤労大衆を代表し、時代の良識をもって任ずるがゆえに、かかる非民主的な
経過そのものに対して、まず
政府に対し強い反省を求めるものでございます。(
拍手)
次に本案に対する反対の第一の
理由は、平和憲法をじゅうりんし、一路再軍備強化を深めるという、この違憲性を持つ本案の性格についてでございます。鳩山
政府は、防衛分担金を削り、これを住宅難緩和に充てることを公約いたしました。
国民は、旱天に慈雨を望む気持で、この公約に深い関心を示したはずでございます。しかし実際は、事志と異なりまして、量質ともに強力な軍備政策を誓約せざるを得ない結果となりました。すなわち、防衛分担金削減に関する
日米共同声明は、具体的にその
内容を明らかに示しております。まず第一に、防衛分担金は百二十五億の
数字的な
減少を示したのでございますが、これは全部
防衛庁費に回す条件がつけられております。その結果、
防衛庁費は
昭和二十九
年度七百四十三億から、
昭和三十
年度八百六十八億という飛躍的な
数字を示し、これに加えて
予算外
契約百五十四億、前
年度繰越金二百二十七億と、
昭和三十二
年度にまでまたがる
航空機
関係の
予算が含まれておりますことは、まことに前例を見ない過酷な条件と言わなければなりません。それのみならず、飛行場の拡張を誓約し、在
日米軍の
使用する施設の
所有者並びに提供者に対する
補償費として実に八十億の
予算が計上されておるのでございます。講和発効以来、
わが国内にある軍事基地の膨張は、一路日を追うて強められ、総坪数三億五千一百万坪は、今日すでに四億一千万坪に拡大されております。しかも四十カ所に上る飛行場周辺における環境はきわめて悪化し、青年の精神をむしばみ、日ごと夜ごとに打ち続く爆音によって、
児童の慢性不眠症が起り、また
農業生産あるいは漁業生産に重大な支障を与えておるのです。立川基地における飛行場拡大に対するあの民衆の憤激は、私どもは、じっと直視しなければなりますまい。しかるに、共同声明において飛行場を拡大し、滑走路の拡張とともに、さらに巨大なる飛行場
建設が恒久的軍事基地
日本を作り上げつつあることは、貧に苦しむ
国民経済への負担もさることながら、この事態が世界平和に対する脅威を投げかけ、アジア十四億の民衆の期待を裏切り、
国際紛争の平和的解決を願う人類の崇高な努力に対するまことに愚かしい挑戦と言わなければなりません。(
拍手)しかも共同声明によりますれば、防衛分担金の削減は本
年度限りであることを明記し、あわせて
昭和三十一
年度及びそれに引き焼く年間において、自己の資力のより大きな
部分を防衛
目的のために振り向けることが
日本政府の意向であり政策であることを、
日米両国の名において明らかにしておる点であります。顧みれば、安保
条約の第一条には、「平和
条約及びこの
条約の効力発生と同時に、アメリカ合衆国の陸軍、空軍及び海軍を
日本国内及びその附近に配備する権利を、
日本国は、許与し」、この諸権利許与に対する
国際的な義務を受諾した
日本の立場を認めた前吉田
政府並びに現鳩山
政府は、明らかにこれに対する発言権を喪失しているがゆえに、唯々としてアメリカ側の言う要求に対して屈せざるを得ないのは、まことに理の当然と言わなければなりません。しかもこの
予算案を裏づけるものとして、国防
会議の構成等に関する法律案、また濃縮ウラン受け入れに関する仮
協定を結び、
国民の非常な心配と憂慮のうちに、着々として実質的に再軍備が強行されておるのでありますが、その半面、
国民の願ったあの住宅公約は、全く真夏の夜の夢として一瞬のうちに消え去る状態であります。まことに公党の公約不履行として、大いにこの点は糾弾されなければならないところでありましょう。わが
日本社会党は、独立と平和の名において、
防衛関係費一千二十七億の削減を両社共同組みかえ案の骨子として主張して参りました。すなわち、消費的支出の多い
一般会計予算をまず健全な自立
経済態勢に切りかえるため、これを
国民生活安定の方向に向けようとするものでございます。
さらに第三の反対
理由は、本
予算案の欺瞞性についてであります。
政府は、
予算編成の
方針として一兆円の
ワクを堅持することを繰り返し繰り返し主張しておりました。なるほど、
政府原案では、
一般会計の
歳入だけ見ますと九千九百九十六億となり、
衆議院の
修正の結果は九千九百十四億となっておりますが、これは単なる
数字上の操作による一兆円の
ワクの堅持であって、実際にはすでにこの
ワクはくずれておるのでございます。
地方財政の困難を救うため、たばこ専売益金の中から三十億円を直接地方公共団体に回しているが、これは本来、
地方交付税交付金として
一般会計を通じて交付すべきものであり、また昨年まで
一般会計から毎年十数億円を
繰り入れていた開拓者資金融通
特別会計への資金供給を
昭和三十
年度は
財政投融資で十億円を
出資することにしてあります。かくて、四十億は
一般会計の
ワクから押し出されておりますがゆえに、すでに一兆円の
ワクはくずれておると見なければなりません。さらに、本
年度から新設される
地方道路税七十三億、
地方財政に交付する
入場税の収入百三十五億、いずれも
一般会計に姿を出さず、直接、
特別会計に
繰り入れられておりますので、
昭和二十七
年度の放漫
財政と全くその
規模を同じくするごまかし
予算と言わなければなりません。(
拍手)かくて一萬田
財政の
基本方針はくずれ、二百十五億の自由、民主両党の妥協
修正案によって一そう
選挙目当ての
補助金総花式に逆戻りしたことは、全く注目に値する点と言わなければなりません。さらに、食管
特別会計の
赤字穴埋めの手段として百億のインベントリー・ファイナンスを食いつぶすに至ったことは、
予算の弾力性を失い、かつ風水害の多い
日本においては、一荒れ百億と言われるこの悲しい運命の前に立たされた
国民生活を、一そう不安に陥れていることになります。さらに再軍備の強行による
地方財政の
赤字はその限界に達し、これを穴埋めするために増税、人員整理を前糧にした
地方財政整備促進に関する特別
措置法案、また地方自治法の
改正は、いずれも中央集権と
国民生活の圧迫かねらい、教育
財政を破壊し、弱い婦人労働者を首切り、大学を卒業しても就職の目当てもない青年に対して絶望を与える以外の何ものでもございませんが、こうしたことは単なる公約無視というのみではなく、深くその不明を
国民に謝すべきでございましょう。(
拍手)
反対
理由の第四として、鳩山内閣の一枚看板であります
経済六カ年
計画は、一体どのように
国民生活の上に反映されたでありましょう。総合的な
経済計画のない本
予算案は、実質的には弱い者が犠牲になるように仕組まれております。本年三月の完全
失業者は八十四万人に及び、これに対して二十二万人の救済策にとどまっております。さらにボーダー・ライン階級の人々は、優に一千二百万をこえていると言われておりますが、これまた救済対象になるのは、わすかに二百万人にしかすぎません。しかもこの二百万人中の五八%は就労者であり、働いても働いても、なおかつ一日五十三円の生活扶助を求めなければならないこの窮状は、一体何を物語っているでしょう。まして、この零細な扶助からさえ漏れた一千万に及ぶ人々は、どこに生命の保障を求めるのでありましょう、昨三十日の各新聞紙が報じました常磐炭鉱地区の労働者の奥さんや娘さんなど四十二人が、特飲街に泣きながら売られているというこの記事は、再軍備の増強のために圧縮された
政府の
経済六カ年
計画のこの実態を雄弁に物語っているではありませんか。(
拍手)しかるに
政府はこの現実に目をおおい、本
国会に石炭合理化法案を提出しております。
政府は炭鉱合理化の名のもとに、六万名に上る労働者を、これを八十四万の完全
失業者の群れの中に新たに追い込もうとしているではありませんか。すでに今日まで五十八億の巨額を投じて縦坑開さくをやりましたが、その
効果の見るべきものもなく、さらに四百億の巨費を投じて六十八本の縦坑を掘さくせんとしておるのでありますが、これはただ大炭鉱を有利に導き、中小炭鉱の崩壊と七万人の労働者の首切りを目さしたものであって、こうした反動立法こそ鳩山内閣の
完全雇用のその実態なのであります。
あまつさえ結核対策を豪語した
政府は、
予算にも実質的にも、結核対策をきわめて後退させておるのです。二百九十二万の多きに上る結核患者の出で、入院を要する者は百三十七万人にも達しておるのに、これを収容するベットはわすかに二十一万にしかすぎません。しかも結核患者のつえともなるつき添い婦の数は全国でわずかに四千二百人にしかすぎません。しかもこのようなつき添い婦を、これを廃止しようとする血も涙もない結核対策は、果して社会保障制度の拡充を看板にした鳩山内閣のやってよろしいことでございましょうか。(
拍手)
住宅の不足はさらに三百万戸と言われておりますのに、
政府の薄い
予算の手の伸びるのはわずかに十七万五千戸にしかすぎません。さらに嵐が吹いても、ぎしぎしと音を立てる危ない危険校舎が、子供が歩けばなまづめのはがれるような危ない校舎が総坪三千万坪に達しておりますが、今
年度の
予算ではそのうち二十万坪を回復するにとどまります。教職員の定員の不足とともに、小中学校校舎の不足はまさに六百八十一万坪を数えておりますが、これらの回復のためにPTAの寄付は逐次負担率を増しまして、
昭和二十八
年度は八十億、
昭和二十九
年度は八十七億と二重に
国民負担の率を高めていることは、何という子供に対する愛情の欠除でございましょうか。(
拍手)
一般会計から見ます社会保障
関係の
予算は八百四十六億という
数字を示しておりますが、これはわずか一握りの
自衛隊の費用八百六十八億を二十億も下回っておることは、まことに
国民を愚弄するもはなはだしいと言わなければなりません。善良なる
国民は、戦争に負けたことが原因であると強いあきらめの念を持っておりますが、かの農繁期における働く主婦のために設けられた季節託児所は、農家の生産と農家の母と子を守るために実に大きな愛情を少い
予算で投げかけておったのでありますが、この
予算わすか三千万を全面的に削って、一機二億円のジェット機生産に拍車をかけるということは、とうてい常識では判断することのできないところだと存じます。(
拍手)一方
国民の健康保持の美名のもとに、健康保険法の
改正を企図しておりますが、これは
昭和三十
年度末、約百億の
赤字中二十億を被保険者の保険料率五分引き上げ、標準報酬の改訂、給付を受ける家族の制限などによって、被保険者の負担増を立法化せんとするものであって、この姿こそ
国民窮乏の上にあぐらをかく
経済六カ年
計画の実態と申し上げても過言ではないと思います。しかも食うに食ない今日の
国民の前に、農業政策をサボリ、
政府はアメリカの余剰農産物受け入れの
協定を結んだのでありますが、これはアメリカで余って始末に困った農産物を受け入れ、特に学童の福祉拡大の美名のもとに、これを無償給与するというのでありますが、この無償給与がいかに学童の自主精神に悪影響を及ぼすかは、すでに本院においても、たびたび指摘されたところであります。国内にはあり余るなま牛乳の処理に困り、しかも子供の好むなま牛乳を与えず、乾燥脱脂ミルクを与えてアメリカの市場を学童の上に求めるがごときは断じて承服のできないことであります。しかもこれらの見返りとして、六十一億の巨額をもってアメリカの軍人及び軍属の住宅をこの狭い国内に建てるがごときは、全く私どもの了解に苦しむところでございます。余剰農産物を受け入れていかにその一部で電源開発や
農業生産力の増大をはかると申しましても、それは
経済自立への道ではなくて、逆にアメリカ
資本に従属した
経済の強化であることは何人にも明白なことであります。(
拍手)余剰農産物の一部における愛知用水
投資の実態は、アメリカの余剰機械の
消化と、
日本に工場を持つに至りましたバヤリーズのジュースの原料であるオレンジの栽培にすぎぬというではありませんか。しかもアメリカ産の麦を何とかうまく
国民に食べさせるために、その宣伝費として、見返りの一部七億二千万の全額はアメリカの市場開拓のために予定されるに至っておりますことは、食生活改善の名のもとに進められる隷属
経済の最たるものと言わなければなりませんが、
日本の自立
経済を犠牲にするかかる
予算の裏づけに対しては、絶対に承服することはできません。(
拍手)真に
国民の窮状を憂えるなら、憲法調査会の賞用も、宙に浮いているような新生活運動費五千万円も、
補助金制度によるおびただしい乱費も、食うに食ない多くの人のために、働くに職ない多くの婦人たちのために、有効に適切に
使用されるが理の当然だと私どもは考えます。(
拍手)
わが
日本社会党は、この現状を打開すべく、非
生産費である
防衛関係費を削減することによって、事実上一千億に及ぶ
減税と、
社会保障費の
増額を初めとする
国民生活安定の
経費の
増額を
予算組みかえにおいて主張したのであります。今日の世界情勢から見ましても、
防衛関係費の問題に手を触れることなしには、当面する
日本経済の困難は何
一つ打開することができないと強く信ずる次第でございます。(
拍手)すなわち
政府原案並びに民自両党の
修正案によりますと、
減税案は一律
減税であって、その結果、たとえば月収二万円の独身者は、わすかに三百二十八円の
減税でありますが、月収二十万円の高額所得者は、四千六百八十六円の
減税を受けるのでありまして、上に厚く下に薄い、さか立ち
減税案であります。(
拍手)これに対してわが社会党は、不公正な
減税の抜本的
改正を目ざして、
所得税率を累進制に変更し、低額所得者には大幅に
減税し、高額所得者からは若干の増収をはからんとするものであります。また
資本蓄積のための各種の租税特別
措置は、その大
部分は、大
資本、大会社の利益に奉仕し、しかもそれの利益の
増加が実際にコストの引き下げのためにまじめに使われているという保証は何らないのでありますが、その額は、
昭和二十五年以来、本
年度を含めまして、実に六百億を突破している状態であります。わが社会党は、
法人税率を三段階に分け、業種別、各段階別に見て、真にやむを得ない一部を除いては、一切これをとりやめ、
所得税、
法人税にそれぞれの増収分を見込んだのであります。酒税についても税率の軽減をはかり、これが増収分を勘案いたしまして、四十三億の減を見込んだ、わけであります。間接税は、税率の引き下げとともに、大衆必需品の課税廃止という抜本的
減税案を示しました。期末手当、石炭手当の
減税措置を講じながら、ここに約一千億
減税による民生安定を基幹としたわが社会両党組みかえ案は、ついに
衆議院において少数をもって否決の運命をたどったのでありますが、しかし、歴史は必ず、民自両党の共同
修正に対し、私どもの組みかえの主張を厳正に批判し、私どもの主張は、近い将来には必ず民衆の圧倒的な支持を得るに至ることを信じてやみません。(
拍手)
要は、うその公約を広げて民衆をたぶらかすことでなく、
国民の勤労意欲にこたえて、乏しきを憂えず、ひとしからざるを憂えるの政治道義を確立することなしに、何で自衛権の確立があり得ましょうか。(
拍手)私ども
日本は、原水爆三度の洗礼を受け、その痛手は今なお続き、
国民の戦争を回避する熱意はまことに熾烈なるものがあります。過般、原爆症に倒れました高校生千葉君を中心として、学友の作りました映画、「無限の瞳」は、ひとしくわが子の成長をこいねがう全国のお母さん、お父さん方の涙を、そして憤激をしぼり、しかもこの熱意は原水爆禁止署名にも現われ、二千四百万を突破するに至ったことは、いかに
わが国民が平和を熱愛し、戦争を避ける熱意に燃えているかを、雄弁に物語るものと言わなければなりません。(
拍手)アジア
会議を中心として、世界の平和を願う民衆の声に耳をふさいで、よしない軍備の拡張で、
国民の健康や知識や、そして最後の生存権までも奪うことは、まことに世界の平和に貢献しなければならない
日本民族の使命を忘却したものと言わなければなりません。(
拍手)平和と独立と生活の安定を求めるわが
日本社会党は、人類の希求する真理にもとるおそれのあるところのこの
政府原案、並びに自由、民主両党
修正案に対しまして、断固反対の意を表して、討論を終りたいと思います。(
拍手)
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