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1955-06-15 第22回国会 参議院 本会議 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十五日(水曜日)    午前十一時三十三分開議  議事日程 第二十四号     —————————————   昭和三十年六月十五日    午前十時開議  第一 千九百三十六年の危険薬品不正取引防止に関する条約批准について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)  第二 農業共済保険特別会計歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第三 昭和二十九年の台風及び冷害による被害農家に対して米麦特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第四 漁船保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第五 臨時通貨法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第六 岡山勝北地区暗きよ排水事業施行に関する請願委員長報告)  第七 岡山児島地区暗きよ排水事業施行に関する請願委員長報告)  第八 岡山吉備地区暗きよ排水事業施行に関する請願委員長報告)  第九 岡山地区暗きよ排水事業施行に関する請願委員長報告)  第一〇 林道改良補修費国庫補助に関する請願委員長報告)  第一一 木炭公営検査費国庫補助に関する請願委員長報告)  第一二 保安林国家補償制度等確立に関する請願委員長報告)  第一三 林道開設費国庫補助に関する請願委員長報告)  第一四 山地崩壊予防事業予算措置に関する請願委員長報告)  第一五 山地荒廃復旧事業等国庫補助増額に関する請願委員長報告)  第一六 災害林道復旧事業予算増額に関する請願委員長報告)  第一七 森林計画に基く林道開設年次計画実施請願委員長報告)  第一八 保安林改良事業費国庫補助に関する請願委員長報告)  第一九 大阪府古川沿岸農業水利改良事業等施行に関する請願委員長報告)  第二〇 災害崩壊地復旧事業促進に関する請願委員長報告)  第二一 長崎佐世保湾漁業禁止制限に関する請願(二件)(委員長報告)  第二二 治山事業費全額国庫負担に関する請願委員長報告)  第二三 かんがい排水機費用国庫負担に関する請願委員長報告)  第二四 蚕糸業振興に関する請願委員長報告)  第二五 漁港修築予算増額に関する請願委員長報告)  第二六 みつばちのアメリカ腐そ病を法定伝染病に指定するの請願(二件)(委員長報告)  第二七 生乳等価格安定法制定に関する請願(二件)  第二八 畜産物価格低落に対する緊急対策請願(二件)(委員長報告)  第二九 農業委員会職員経費国庫補助に関する請願委員長報告)  第三〇 農業改良普及事業費国庫補助増額等に関する請願  第三一 農機具共同利用施設資金わく拡充強化に関する請願委員長報告)  第三二 積雪寒冷単作地帯臨時措置法期限延長等に関する請願委員長報告)  第三三 団体営土地改良事業振興に関する請願委員長報告)  第三四 国営笠之原地区かんがい事業施行に関する請願委員長報告)  第三五 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法適用期間延長に関する請願委員長報告)  第三六 伝貧研究所設置に関する請願(四件)(委員長報告)  第三七 静岡県三方原用水事業者 工促進に関する請願委員長報告)  第三八 昭和三十年度林業予算に関する請願委員長報告)  第三九 漁港法改正などに関する請願(二件)(委員長報告)  第四〇 岩手県大船渡漁港修築工事施行に関する請願委員長報告)  第四一 林政刷新に関する請願委員長報告)  第四二 大井川農業水利事業促進に関する請願委員長報告)  第四三 桑園の凍霜害対策に関する請願(二件)(委員長報告)  第四四 高知県安芸漁港築造に関する請願委員長報告)  第四五 鳥類保護に関する請願委員長報告)  第四六 長崎県の漁港修築工事着工促進に関する請願委員長報告)  第四七 北海道十勝上流音更川かんがい用水に関する請願委員長報告)  第四八 漁港修築予算増額等に関する請願委員長報告)  第四九 米麦価格是正等に関する請願委員長報告)  第五〇 降ひょう被害農家救済等に関する請願(二件)(委員長報告)  第五一 保温折衷苗代補助増額に関する請願委員長報告)     —————————————
  2. 河井彌八

    議長河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 河井彌八

    議長河井彌八君) これより本日の会議を開きます。  デンマーク国会議員オレ・ビヨン・クラフト氏、その他多数の国々の国会議員諸君及び顕官名士MRA国際使節団として来邦せられました。その御一行が、ただいま傍聴席に見えておられまするから、ここにこのことを諸君に御紹介いたします。    〔総員起立拍手〕      ─────・─────
  4. 河井彌八

    議長河井彌八君) 去る九日、内閣総理大臣から、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員大矢半次郎君、森八三一君、清澤俊英君の任期満了に伴う後任者を指名されたいとの申し出がございました。  つきましては、この際、日程に追加して同委員補欠選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  6. 松岡平市

    松岡平市君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  7. 上林忠次

    上林忠次君 私は、ただいまの松岡平市君の動議賛成いたします。
  8. 河井彌八

    議長河井彌八君) 松岡君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よって議長は、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員大矢半次郎君、森八三一君、清澤俊英君を指名いたします。      ─────・─────
  10. 羽生三七

    羽生三七君 私はこの際、濃縮ウラン受け入れ協定仮調印に関する緊急質問動議を提出いたします。
  11. 戸叶武

    ○戸叶武君 私は、ただいまの羽生君の動議賛成いたします。
  12. 河井彌八

    議長河井彌八君) 羽生君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。羽生三七君。    〔羽生三七君登壇拍手
  14. 羽生三七

    羽生三七君 目下各方面で多くの論議を起しております濃縮ウラン受け入れ問題に関しまして、時あたかも日米間の話合いがほぼ成立して、近日中にワシントンで仮調印の運びとなったように聞きますので、この際、問題の重要性にかんがみまして、日本社会党を代表して二、三の問題についてお伺いいたします。  この使い方によっては、大量殺戮兵器ともなり、あるいは使い方によっては、人類福祉に貢献をするものであるこの原子力考える場合に、われわれは兵器たる原子力を否定し、原子力が平和的に利用されることを衷心より歓迎するものであります。その意味で、世上心配されているような、いわゆるひもつきでない限り濃縮ウランをどこの国から受け入れようとも反対をする理由はないわけであります。しかし率直に申して、この問題に関する限り、しょせん私どもは全くのしろうとでありますから、学界の意見を十分尊重しなければならぬと思うのであります。しかるところ、日本学術会議原子力問題委員会は、藤岡委員長の名において去る六月四日、政府に次のような申し入れを行なっております。申し入れば左の通りであります。   日本学術会議原子力問題委員会は、濃縮ウラン受け入れに関する対米交渉の結果いかんが、今後のわが国原子力開発方針に少からぬ影響を与えるものと考えます。従って政府においては、まず交渉基本方針について、原子力利用準備調査会総合部会意見を十分に徴され、かつ国民事態をできるだけ理解させるよう努力されることを希望いたします。また具体的には次の二点について特に留意されることを望みます。  一、交渉に当っては、妥結を急ぐことなく、内外の情勢、将来の見通しを十分把握しつつ、これを進めるべきであり、少くとも世界諸国原子力研究開発状況が発表される今夏の原子力平和的利用のための国際科学会議の結果を見定めることが望ましいと考えます。   二、協定内容は、濃縮ウラン受け入れに直接関係する事項にとどむるべきであり、将来にわたる約束を含むような事項及び今後の日本原子力開発方針をあらかじめ規制するような事項はこれを避けるのが適当であると考えます。  以上が学術会議原子力に関する委員会藤岡委員長の名前における政府に対する申し入れでありますが、この場合われわれといたしましては、今、藤岡委員長政府申し入れたと同様な、もし協定を結ぶとすれば、世界諸国原子力開発状況が発表されるこのジュネーブ会議の結果を見定めるまで協定を延ばしてはどうかと考えるのであります。だから、私のお伺いしたい第一点は、それまで政府協定を延期される意思はないか。これが質問の第一点であります。なぜ政府がそのように決定を急ぐのか、私どもとしては非常に疑問に思うのでありまするが、少くとも学術会議は権威ある機関だと考えております。その権威ある機関の当問題に関する特別の委員会が、今申し上げましたような申し入れをしておるのに、なぜそのように政府はお急ぎになるのか。しかもわれわれは根本的に何も反対しておるのではないので、ジュネーブでこの夏開かれるこの問題に関する国際会議の結果を見るまでお待ちになったらどうかというだけのことでありまするので、政府がこの際われわれの要望を入れて、あるいはまた学術会議要望を入れて、どうか協定をそれまで延ばされんことをわれわれは希望するものであります。(拍手)なお、藤岡教授は、念のために申し上げますが、協定が若干おくれても、たとえば明春の一月ごろになっても別段差しつかえはない、明年中に十分の手配ができるということを、一昨日の参議院外務委員会で申し述べられておりまするので、何ら根本的の妨げはないと考えております。これがお尋ねしたい第一点であります。  次に、政府外務委員会で、協定調印は憲法第七十三条の三の規定に基いて単に調印するだけであるから、これの是非の判断は、協定承認国会に求めた際、国会がしかるべく判断をされたらよいという答えをされておるのであります。しかし、いやしくも国際的取りきめである限り、調印した案件について国会が異なった議決をするというようなことは、実際問題としてはきわめて困難であります。また、仮調印から正式調印までの間に新しい情勢変化が生じ、それに伴って修正を必要とするような事態が起った場合、仮調印をしたものを修正ができるとお考えでありましょうか。これは特に外務大臣にお尋ねしたいのでありまするが、仮調印から正式調印までの間に新しい情勢変化が起る、たとえばジュネーブ会議によりて各国原子力の公開がおくれて、それでもっと協定を新しくやり直した方がいいといったような事態が起った場合、一たん仮調印をしたものが修正できるかどうか。これが質問の第二点であります。  次は質問の第三点。問題の第九条は本文中から削除し、その代案として両国の覚書を交換することになったようでありまするが、いわゆる交換公文であります。この場合、実際には発電用原子炉を受ける場合は、別に特別の協定を必要とすると言われております。しかりとすれば、なぜ交換公文中に特にしるさなければならないのか。全部これを削って、もし新しいその発電用原子炉を受ける場合には、そのときに改めて協定を結んだらいいのではないか。なぜこの際、しいて、たとえ交換公文中にしろ、これを挿入しなければならないのか。この点を明らかにせられたいのであります。これが第三点であります。  次に、かりに協定を結んだ場合、アメリカ国内法として「一九五四年アメリカ原子力法」を持っていると同じように、日本でも将来何らかの国内法を制定するようなことは起らないか。これはきわめて重要だと思うのであります。今はそういう必要はないように政府は言われておりますが、このウランを貸与するアメリカが、国内法として原子力法を持っているのでありますから、それと同じように日本も何らか将来特別の国内立法を必要とするようなことが起らないか。これは国民権利義務その他に重要な影響があると思いますので、特にお尋ねをいたします。これが質問の第四点であります。  次に日本と米国が本問題に関する協定を結んだ場合、他の国との協定、たとえば日本と英国と協定を結ぶというようなこと、そういう自由は認められるかどうか。先般デンマークアメリカイギリス両国協定を結んだような新しいケースがありますが、そういう自由は認められておるか。あるいは何らかの制約を受けるのか。これが質問の第五点であります。  最後にお尋ねしたいことは、若干私見も差しはさみますが、さきに参議院外務委員会で一政府委員は、決定を急ぐ理由として、アメリカ議会都合をあげておられました。なぜ日本都合を先にお考えにならないのか、この点は、はなはだ遺憾に考えるのであります。そういう意味でわれわれは日本の立場から、この際、政府が率直に国会了解も得るという意味であるならば、協定内容をすみやかに御発表願いたいのであります。また政府の話によりますというと、協定は、仮調印をしても、本調印ジュネーブ会議の済んだあとになるかもしれないと言っておられますが、この理由を明らかにせられたい。また仮調印が済んだならば、すみやかに今国会協定承認を求めるような措置をとるのか。この点も明らかにしていただきたいのであります。  以上が私のお尋ねしたい要点でありますが、お答えによっては再質問をさしていただきます。(拍手)    〔国務大臣鳩山一郎登壇
  15. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) 羽生君のただいまの御質問に対しましては、大体において外務大臣からお聞きとりを願いたいと思います。調印はいつごろかということにつきましては、本調印をいたしますのは、よく検討したあとにいたしたいと考えております。しかし協定を結ぶことは、やはり基本的研究なり調査を促進するために効果があると思うものでありまするから、あまり延ばしたくはないというような大体の考え方を持っております。    〔国務大臣重光葵登壇
  16. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 順次お答え申し上げます。濃縮ウラン受け入れ交渉の件が重要な問題であるから、国民によく理解せしめなければいかぬ、急ぐ必要はないという御趣旨は、その通り考えております。十分理解せしめて、そしてこれは交渉しなければなりませんので、今日までもいろいろな機会に、機会があるたびに、十分に説明をいたしておる次第でございます。そして急いではおりません。なお、学術会議ですか、藤岡博士意見等は、十分に参照して処理をいたしておるつもりでございます。  次に、仮調印をした上で修正ができるかという御質問に対しては、仮調印をいたしましても修正はできると申し上げ得るのでございます。しかしながらその修正をすることが、果して調印者の利益であるかどうかということは、それはそのときに十分考えなければならぬと思うのであります。  それから第三番目の交換公文があるかないか。トルコとアメリカとの条約の第九条がこれに問題となっております。第九条の件は、お話通りに将来の発電力に関係することでございますから、これは直接濃縮ウラン受け入れの題目ではございませんから、これははずすことに了解を得ました。ただ、今問題となっておりますのは、何かの形式で、もし日本側が将来希望する場合においては、将来の発電力の問題についても援助アメリカから与えるという、むしろ一方的の了解を取りつける趣旨交換公文をいたそうかという今予定を持っております。しかし、これは日本側の希望がなければ援助を受ける必要が少しもないのでございます。  それから第四の、国内法を将来制定する意向ありや、これはさようなことを今予想しておらないことを申し上げます。  第五点の、他の国との協定は自由であるか、これは自由でございます。何らいわゆるひもつきはございません。将来のことは、日本独自の見解によって決することができるわけでございます。  第六番目の、何ゆえに急ぐか、内容はなるべくすみやかに知らしたらよかろう、それはその通りに私ども考えております。急いでおるわけではないということを申し上げます。しかし交渉が双方の満足するように妥結します場合において、かりにいわゆる仮調印、イニシアルをすることは、これは区切りをつけることでありますから、これは差しつかえないと、こう考えております。  それでお答えは済んだと考えます。以上。(拍手)    〔国務大臣高碕逹之助登壇拍手
  17. 高碕達之助

    国務大臣(高碕達之助君) お答え申し上げます。  大体外務大臣の御回答で済んだと思いますが、濃縮ウラン受け入れの問題につきましては、先に海外に派遣いたしました学術研究団調査を基礎といたしまして、原子力平和利用準備委員会が中心となりまして、いろいろ研究いたしました結果、ただいま交渉中でございますが、ジュネーブ会議の結果を待ったらどうか、こういう意見もありますが、当方の意向が先方において受け入れられる限りにおきましては、必ずしもジュネーブ会議の結果を待つ必要はないと、こう考えております。また原子力法案につきましては、ただいま外務大臣お答えいたしましたごとく、現在のアメリカにおける法案は主として秘密保護ということが主体になっておるようでありますが、今回われわれが受け入れます濃縮ウランは、これは平和的利用ということが主体でありますから、アメリカとは全然異なっておりますから、アメリカと同じような法案を立法する意向はございません。
  18. 羽生三七

    羽生三七君 自席から簡単に再質問してよろしうございますか。
  19. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御登壇を希望します。    〔羽生三七君登壇拍手
  20. 羽生三七

    羽生三七君 ただいまの御答弁で一番私どもの理解しがたい点は、先ほどのお答えを総合してみて、必ずしも急ぐわけではないが、仮調印をするだけだ、従って本調印ジュネーブ会議後になっても差しつかえないというような含みのある御答弁であります。そうだとすれば、先ほど申し上げましたように、仮調印をしたあと、しかも外務大臣お話では、ある程度修正がきくからということを言われましたが、実際問題として私はそれはなかなか困難と思いますので、われわれ根本的に何も反対しておるわけではないのでありますから、この受け入れというものが、濃縮ウランの貸与というものが、公正な平和的な原子力利用である限り、人類福祉のためにこれは歓迎すべきことでありますから、何もあくまで反対するわけではないのであります。そうだとするならば、ジュネーブ会議が開かれれば、そこでもって各国原子力利用状況が全部明らかになって、それでわが国協定を結ぶ場合にも非常に都合のいい、いろいろなケースが出て来ると思うのであります。それまでお延ばしになるということが、何も日本にとって、今お急ぎになっておるこの協定を若干延ばしても、それによって日本のこの研究が遅れるものでもないし、またアメリカが今やらなければ、今すぐ協定をしなければ、あとからではこれを貸与しないとかいうのであれば、まことに私はそれはおかしいと思う、アメリカの態度というものは。でありますから、今せっかく、本調印ジュネーブ会議後まで廷ばしていいというなら、仮調印もいっそのことジュネーブ会議後までお延ばしになったらどうか、これを重ねてお伺いいたします。(拍手)    〔国務大臣重光葵登壇拍手
  21. 重光葵

    国務大臣重光葵君) お答えをいたします。  今お話しの通りに、この問題については、日本科学振興のため、またこれを平和的に利用することは人類福祉のためであるから、これに異存はないのであるというお話もございました。われわれはまさにその見地に立ってこれを進めておるわけであります。従いまして、今日日本側の自主的の措置を何ら拘束を受けない、また今日予想し得るような不都合のないことがはっきりした場合に、合意に達したときにこれに仮調印をすることは私は当然であろうと思います。しかし本調印に至るまでは、まだ時期もございますし、これが絶対に、重要なことがその後に起った場合に変えられぬということでもございませんし、それは本調印までに時日をもって十分考慮して行きたい、こう申し上げておるわけで、これは私は非常に合理的な考え方だと、こう思っておる次第でございます。(拍手)      ─────・─────
  22. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第一、千九百三十六年の危険薬品不正取引防止に関する条約批准について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず委員長報告を求めます。外務委員長石黒忠篤君。    〔石黒忠篤登壇拍手
  23. 石黒忠篤

    石黒忠篤君 ただいま議題となりました千九百二十六年の危険薬品不正取引防止に関する条約批准について承認を求めるの件について、外務委員会における審議経過及び結果を御報告申し上げます。  この条約は、一九三六年に、国際連盟主催のもとにジュネーブで開催せられました麻薬不正取引防止会議において作成せられたものでありましてわが国は同年六月二十六日に署名を行なったのでありますが、その批准戦争等理由で今日まで延期せられて参っておるものであります。この条約は、わが国がすでに当事国となっております麻薬に関しまする三つ条約がございまして、それを補足する条約でありまして、この三つ条約に対する違反行為を国際的に訴追処罰するための措置を拡充することを内容としておるのであります。従ってわが国は、この条約当事国となる場合には、麻薬害毒流入に対しまする防衛態勢を強化するということができるばかりでなく、麻薬の分野における国際協力に貢献することもできるのでございます。そこで政府はこの際、これの批准を行いたく、国会に対してこれが承認を求めるというのが提案の理由であり、内容であるのであります。  委員会は、本件に関連いたしまして国内における麻薬取締り実情等につきまして質疑を行なった後に採決をいたしましたところ、全会一致をもって、本件承認すべきものと決定をいたした次第でございます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  24. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本件採決をいたします。本件を問題に供します。委員長報告通り本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  25. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって承認することに決しました。      ——————————
  26. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第二、農業共済保険特別会計歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案  日程第三、昭和二十九年の台風及び冷害による被害農家に対して米麦特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案  日程第四、漁船保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案  日程第五、臨時通貨法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上、四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。大蔵委員長青木一男君。    〔青木一男登壇拍手
  28. 青木一男

    青木一男君 ただいま議題となりました四法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、農業共済保険特別会計歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案について申し上げます。  昭和二十九年度における風水害、冷害等が異常に発生し、農業共済保険特別会計の農業勘定における再保険金の支払いが著しく増加したために、多額の歳入不足を生ずることとなったのでありますが、本案は、この歳入不足を埋めるために、昭和三十年度において、一般会計から二十八億円を限り、この会計の農業勘定に繰入金をすることができることとし、この繰入金については、後日この会計の農業勘定において決算上剰余を生じた場合は、再保険金支払基金勘定に繰り入れるべき金額を控除し、なお残額がある場合は、当該繰入金額に相当する金額に達するまでの金額を一般会計に繰り戻さなければならないこととしようとするものでございます。  委員会審議に当りましては、農業共済保険の制度上の諮問題、なかんずく保険制度成立の見通し、被害の決定問題等について質疑応答がなされましたが、詳細は速記録によって御承知を願います。  質疑を終り、討論採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました力  次に、昭和二十九年の台風及び冷害による被害農家に対して米麦特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案について申し上げます。  去る第二十回国会において成立をみました昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律に基いて、昭和二十九年の大風雨等による被害農家に対し、都道府県知事の認定を受けたものに、米麦特別価格で売り渡す措置を講じたことは御承知の通りでありますが、本案は、この特例措置によりまして、食糧管理特別会計に見込まれる損失を埋めるために、昭和三十年度において一般会計から一億二千万円を限り繰入金をすることができることとしようとするものであります。本案審議の詳細は、速記録によって御承知願います。  質疑を終り、討論採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、漁船保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案について申し上げます。  最近において漁船乗組員の抑留が異常に発生し、漁船乗組員給与保険法による給与保険にかかる政府の再保険事業損失を生するに至ったのでありますが、この損失を埋めるために、事故の性質にかんがみて、一般会計から漁船保険特別会計繰入金をする措置をしばしば講じて参ったことは御承知の通りでありますが、さきに第二十回国会において成立を見ました漁船保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律によりましては、昭和二十八年十二月一日以降、同二十九年十月十五日に至る間の損失を埋めるために、一般会計から千五百万円を繰入れることができることにしたのであります。しかるところ、その後引き続いて保険事故が異常に発生し、本年三月三十一日までに約七百万円の損失が生じたのでありまして、本案は、この損失を埋めるために、昭和三十年度においてさらに一般会計から七百万円を限り、この特別会計の給与保険勘定に繰り入れることができることにしようとするものであります。本案審議の詳細は、速記録によって御承知願います。  質疑を終り、討論採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  最後に、臨時通貨法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行の臨時通貨法に認められている臨時補助貨幣の最高額は十円でありますが、本案は、今回新たに五十円の臨時補助貨幣を発行することとし、この五十円の臨時補助貨幣は千円までを限り法貨として通用する旨を規定いたそうとするものであります。本案審議の詳細につきましても、速記録によって御承知願います。  質疑を終り、討論採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  29. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。四案全部を問題に供します。四案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  30. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よって四案は、全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  31. 河井彌八

    議長河井彌八君) 日程第六より第五十一までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 河井彌八

    議長河井彌八君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。農林水産委員長江田三郎君。    〔江田三郎君登壇拍手
  33. 江田三郎

    ○江田三郎君 今国会において六月四日までに農林水産委員会に付託されました請願は六十一件でありまして、この審査を終えましたので、その経過並びに結果の大要を報告いたします。  右の請願趣旨は多種多様でありますが、これを大別いたしますと、岡山勝北地区暗きよ排水事業施行等、土地改良事業に関するもの十一件、長崎佐世保湾漁業禁止制限、あるいは漁港修築予算増額等、水産業に関するもの十件、馬の伝染性貧血症研究所の設置等、動植物の防疫に関するもの六件、林道の改良補修に関するもの四件、凍霜害及び雹害対策に関するもの四件、生乳の価格安定等、畜産関係のもの四件、未墾地買収価格、治山治水及び山林災害に関するもの各三件、その他保安林に関するもの、積雪寒冷単作地帯振興法の期限延長に関するもの各二件、木炭公営検査費国庫補助、蚕糸業の振興、競馬法の改正、農業委員会に対する補助金の復活、農業改良普及事業の拡充、農機具金融、米価の適正、野鳥類の保護、保温折衷苗代補助金等に関するもの各一件であります。  委員会におきましては、これらの請願について政府当局の意見をも徴し、慎重審議いたしたのでありますが、その中でも、北海道十勝上流音更川の灌漑用水に関する請願、すなわち十勝土地改良区がその水利権に基いて利用している音更川の水量が、糠平電源開発工事の施行に伴ってはなはだしく低下したのに対して、(一)、既得水利権と許可水量を確保すること、(二)、明年潅漑期前に取水施設及び付帯施設の改良工事を電源開発会社の負担で実施すること、(三)、水温上昇の措置を講ずること等の事柄を、重政委員の紹介によって、地元の音更町長等かち請願されたものでありまして、委員会におきましては、本問題に特別の関心が払われ、農林省、建設省、通商産業省、経済審議庁及び北海道開発庁等の当局の出席を求め、事情を究明し、当局の措置を遺憾として善処が求められ、各当局もこれを了承いたした次第であります。  かくて審査の結果、未墾地買収価格の引上げ、さばきん着網漁業の集魚灯使用解禁に関する請願等、四件についてはその結論を留保し、(「議長々々、政府が来てない」と呼ぶ者あり)すでに法律を改正した競馬法中一部改正に関する請願を除き、ただいま議題となりました五十六件は、全会一致をもって議院の会議に付し、採択の上内閣に送付し、政府を促してすみやかにこれが実現を期すべきものと決定いたしました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  34. 河井彌八

    議長河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  35. 河井彌八

    議長河井彌八君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により、これにて暫時、休憩いたします。    午後零時十四分休憩      ——————————    午後二時四十六分開議
  36. 重宗雄三

    ○副議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時四十七分散会      —————————— ○本日の会議に付した案件  一、積雪寒冷単作地帯振興対策審議   会委員選挙  一、濃縮ウラン受け入れ協定仮調印   に関する緊急質問  一、日程第一 千九百三十六年の危   険薬品の不正取引防止に関する   条約批准について承認を求める   の件  一、日程第二 農業共済保険特別会計歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案  一、日程第三 昭和二十九年の台風及び冷害による被害農家に対して米麦特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案  一、日程第四 漁船保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案  一、日程第五 臨時通貨法の一部を改正する法律案  一、日程第六乃至第五十一の請願