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矢嶋三義君 官房長官並びに
文部大臣も御多忙の身でございますので、要点を伺いますが、
文部大臣、先般私はあなたに、この
委員会で東大を視察した
一つの反省として、あの東大でサイクロトンを研究されている世界的にも有名な若き学徒常本
助教授の海外視察その他の件について伺って、大臣としても非常に驚いたと、遺憾だということを述べられたということは、あの東大にして学者が一年に二人程度しかあの国費をもって海外研究に出張できないと、かような状況にあるということに大臣も遺憾の意を表されたのでありますが、このたびの
国際会議には、伝えられるところによると、世界各国の有名なる原子物理学者が競ってお集まりになるようです。そして一面では原子炉については国際見本市が開かれるのではないかと、かようにも伝えられているわけです。従ってこれらの人選その他について事実上事務を推進しているところの
文部省の当該大臣として私の伺いたい点は、この代表団並びに顧問団には原子物理学の日本の第一線にある人物、そのかたがたの文献というものは、研究論文というものは外国の原子力研究学徒もちょいちょいと引用しているほど相当レベルが高いものだと、部分的にはレベルが高いものだということを私は専門家から承わっておるわけですが、そういうかたがたを派遣することによって世界の現在におけるところの原子力事情というものをつぶさに吸収することができるし、新しい原子力時代に処することが日本の国としてもできると思うのです。従って私は原子物理学の第一線級の人物を代表団、顧問団に相当数私は入れるべきだと、かように
考え、さらにその出張旅費について
政府としては各官庁が持っているところの外貨割当のうちから支出すべきだという
方針で予備金の支出を渋っているということを承わっております。ところが学術
会議その他には外貨の割当が僅少であるというので、具体的に言うならば、
教育大学の朝永教授のごときは旅費不十分にして出席おぼつかないのではないかということが伝えられているわけですが、これは日本の科学水準の向上、科学
教育の振興というものを一枚看板にされている松村
文部大臣としては何らかの所感を持っているかと思います。従ってこれはいずれ閣議にかかるでございましょうが、原子物理学の専門家を相当数入れるということに対してどういう
見解を持っているか、さらにそれらの代表の出席の旅費、これらを予備金から支出することについて閣議において
文部大臣はいかなる態度をとることが妥当であると、お
考えになっているか、この二点を私は伺いたいと思います。申し上げておきますが、国際諸競技というものがよく行われます。私はこの意義を非常に大きく評価しておりますが、その都度閣議決定によって予備金が支出されるということは非常にけっこうなことだと思っております。従ってこのたびのこの原子力の
国際会議に学徒を派遣するに当該官庁において外貨の割当が僅少なるために行けないというならば、こういうときこそ私は予備金の支出をもって世界の各国の学徒に劣らないところの日本の原子物理学の第一線の人を多数送っていただきたい、こういうふうに私は要望いたしたいのですが、
文部大臣の答弁のあとに予備金の支出その他については相当の政治力の影響性を持つところの根本官房長官の御答弁を願いたいと思います。