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1955-07-14 第22回国会 参議院 文教委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十四日(木曜日)    午前十時四十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     笹森 順造君    理事            吉田 萬次君            竹下 豐次君            荒木正三郎君    委員            雨森 常夫君            大谷 瑩潤君            川口爲之助君            堀  末治君            加賀山之雄君            高橋 道男君            安部キミ子君            高田なほ子君            矢嶋 三義君            村尾 重雄君            松原 一彦君   衆議院議員            赤城 宗徳君   国務大臣    文 部 大 臣 松村 謙三君   政府委員    内閣官房長官  根本龍太郎君    文部大臣官房総    務課長     田中  彰君    文部省初等中等    教育局長    緒方 信一君    文部省調査局長 内藤誉三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       工樂 英司君   説明員    総理府恩給局審    議課長     畠山 一郎君    外務省国際協力    局第一課長   星  文七君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○教育公務員特例法第三十二条の規定  の適用を受ける公立学校職員等につ  いて学校看護婦としての在職を準教  育職員としての在職とみなすことに  関する法律案衆議院提出) ○教育、文化及び学術に関する調査の  件  (原子力平和利用のための国際会議  への出席問題に関する件) ○女子教育職員産前産後の休暇中に  おける学校教育の正常な実施確保  に関する法律案高田なほ子君外六  名発議) ○女子教育職員産前産後の休暇中に  おける公立学校義務教育の正常な  実施確保に関する法律案木村守  江君外五名発議)   ―――――――――――――
  2. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいまより文教委員会を開きます。  本日の議題は、公報掲載通りでありますが、矢嶋委員より原子力平和利用のための国際会議への出席問題に関し、緊急質問を行いたいとの要求がありました。本件の取扱いについてお諮りいたします。
  3. 高田なほ子

    高田なほ子君 私は矢鳩君の御提案賛成するものです。しかし一昨日来引き続いて教育公務員恩給法律がかかっておりますから、その法律を一応上げて、しかるのちに矢鳩さんの御質問にお入りいただきたいという考えを持っております。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  4. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいま高田委員からの発言通りに、まず本日の公報の第一議案になっておりますることを先議とし、その終了後ただいまの矢嶋委員からの提案議題を取り扱うことについて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではさよう取り計らいます。  教育公務員特例法第三十二条の規定適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律案議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 高橋道男

    高橋道男君 お尋ねいたしたいのは、昭和十六年以前の問題となっている人たち身分でありますが、それはどういうように考えたらいいのですか。これは提案者に。
  7. 赤城宗徳

    衆議院議員赤城宗徳君) 身分は雇ということになっておったと思いますが、普通の雇と違いまして、普通の雇でありまするならば、その職種のうちで上の職種に上り得る、こういう道が開けておったようでありますが、雇ということであったようでありますけれども、この学校看護婦の場合は上に上る道が開けていなかった、こういう相違があるように見ております。
  8. 高橋道男

    高橋道男君 昭和十六年の以前ということで身分相違があるように思うのでありますが、ただいま問題とされるものにつきましては職務内容でございますね、それは名前はかりに変っても職務内容などは一貫しておるものであって、一貫していないものがもしあるとすれば、これは対象には入らない、こういうように了解してよろしゅうございますか。
  9. 赤城宗徳

    衆議院議員赤城宗徳君) この間私の方から申し上げましたように、昭和四年の文部省訓令によりまして、学校看護資格とか職務内容規定されておる、これが国民学校令昭和十六年に吸収されまして、その翌年の昭和十七年に文部省訓令がやはり出ていまして養護訓導執務要領というのが出ています。この両方の内容を比較検討いたしてみましたところ、ほとんど全部一致しておる、こういうふうに見ておりますので、概括的に吸収されたものである、こういう見通しであります。
  10. 高橋道男

    高橋道男君 私のただいまお尋ねいたしましたのは、もし同様の職務内容でないものがある場合にはこれは含まない、こういうふうに了解してよろしいかということです。
  11. 赤城宗徳

    衆議院議員赤城宗徳君) 巨細に調べると少しは差異がある点があるかもしれませんけれども昭和十七年の文部省訓令による執務要領あるいはまた昭和十六年に特に学校令によって法律的に認められたということでありますので、これを基礎といたしまして、少しは違うことがありましても、これをさかのぼって見る、こういうふうなことにしたいという趣旨でございます。
  12. 高橋道男

    高橋道男君 恩給局の方にお尋ねいたしますが、ただいま提案者からは昭和十六年以前の学校看護婦身分は雇であるというように仰せられましたが、そういたしますればこれと同様の職種ですね。それが文部省はともかくといたしまして、それ以外の領域に相当あるのじゃないかというように見えますが、その点の見解はいかがでございますか。
  13. 畠山一郎

    説明員畠山一郎君) お答え申し上げます。雇というふうになりますと他に相当あるのじゃないかと思っております。ただ一般の雇とは少し性格が違う雇ではないかと赤城先生の御説明でございましたが、性格の違いというところはいろんな意味考えられますが、かりに一般の雇と、あるいは雇その他嘱託ども恩給法公務員になっておりませんが、そういったもののうち、一般の雇と少し性格の違うものという観点でとらえますれば、他に相当あるのではないかと思っております。この前の委員会でもちょっと御説明申し上げましたように、現業庁におきまして現業事務に従事しておりますものは原則として上に上れないわけでございますが、そのものを優遇するために判任官待遇を与えておりましたが、これも恩給法上の公務員とはなっておらない。そのほか学校系統で申しますと、たとえば助手から講師になり、助教授、教授と上っていくことになりますから、このうち講師だけは恩給法に入っておりません。従って助手恩給法公務員、それから講師になって恩給法にはずれ、また助教授になって恩給法に入る、こういうことになっております。それから嘱託でございますが、嘱託は各庁にございまして千差万別であると思われますが、ある程度常勤的な職員に入る嘱託もおったと思われますが、その点につきましてもやはり問題があるのではないかと思います。それから官立、国立大学附属病院看護婦、もっと広く申し上げますと、現在の国立病院看護婦どもやはり一般的に申しますとちょっと特殊な職務でございますが、やはり雇クラスと申しますか、官吏でないということになっております。さらに広く申しますと、旧官吏制度のもとにおきましては、いわゆる公法上の関係にあったものだけが官吏として恩給法適用を受けておりまして、雇その他私法上の契約関係にあったものとなっておりますものは恩給法に入っておりません。そういった全般の問題に波及するのではないかと考えております。
  14. 高橋道男

    高橋道男君 ただいま御説明のあった相当多くの職種に波及するかもしれないというお考えでございましたが、むろんこれは法律化しなければそういうことはないと思うのです。ここで当然そういうふうにならないか。
  15. 畠山一郎

    説明員畠山一郎君) 仰せの通りでございます。
  16. 高橋道男

    高橋道男君 その場合に学校看護婦に相当する人たちはほかの職種と比べてきわめて特殊の立場にあった、あるいは特殊の身分関係のものであるというような御判断はできないものでございましょうか。
  17. 畠山一郎

    説明員畠山一郎君) 学校看護婦職務内容あるいは職務重要性ということになりますといろいろ考え方があるとも思われますが、その点につきまして他と比べて果たして重要であったかどうかということは私としてはちょっと申し上げかねますが、恩給法適用を受けさせるかどうかということは職務重要性ももちろんでありますけれども、官職の形式法令上の根拠がどうなっていたか、給与任免関係法令上の根拠はどうなっていたかということが主たる資料となってとらえられておりますので、その点からいたしますと学校看護婦が他の現在の恩給法適用を受けていないものに比べて、まず優先的に恩給保護の適期を受けさせるべきものだということは考えられたいと思います。
  18. 赤城宗徳

    衆議院議員赤城宗徳君) この間もちょっと申し上げましたが、今恩給局課長からお話がありましたが、国立病院看護婦あるいは国立大学附属病院、こういうものにつきまして調べましたところによりますと、今でもそうでありますが、戦前の陸軍病院においてあるいは国立大学附風病院看護婦でも、婦長は判任官待遇を受けている。そういうことで、いわゆる恩給法上の公務員として取り扱われる道が開けておるように調査の結果出ております、数は非常に少いのでございますが。でありますから、学校看護婦の場合とは、私の見解でいえば違うと思います。あるいは講師の場合におきましても、助手から講師になり助教授になる、これまでの道が開けておる。学校看護婦の場合には、そういう道が開けておらなかった。制度そのものとしてあとから国民学校令によって追認されたと、こういう形であるから、まあ恩給局見解でありましょうけれども、私の見解から見まするというと、そうこの法律によって拡大されることはもちろんありませんけれども、今後といえども、法制化して拡大されるものはまあないのじゃないか。ただ一つだけ私の調べたので、これに似たようなのがありますが、もとの三等郵便局であります。特定郵便局長の旧在職年の通算というのが恩給法の附則にありまして、「昭和二十二年十二月三十一日現在において恩給法第二十条第二項に規定する準文官としての特定郵便局長であった者が引き続いて同条第一項に規定する文官としての特定郵便局長となった場合においては、その文官としての就職に接続する当該準文官としての勤続年月数の二分の一に相当する年月数を同法第十九条第一項に規定する公務員としての在職年数に通算する。」こういうのがありまして、これが少し似通ったように感ぜられますが、この提案されておりまする法律そのものによって、もちろん拡大されることはありませんが、また新たに法制化する場合においても、例が希少といいますか、ごく少いのであります。こういう見解を持っておりますので御了承願います。
  19. 高橋道男

    高橋道男君 恩給局のかたにお伺いする問題でありますが、そうしますと、この学校看護婦という立場の方は、従来恩給法対象になっていなかったので、当然この恩給に関する国庫納付金は出していないかと思うのでありますが、その点いかがですか。
  20. 畠山一郎

    説明員畠山一郎君) 出しておりません。
  21. 高橋道男

    高橋道男君 提案者にお伺いいたしますが、その点納付金は今まで納めていない。この法律が成立した後において、さかのぼって納付金をするものであるか。それとも、これは特殊の恩典によって不問に付していかれる御方針であるか。その点いかがですか。
  22. 赤城宗徳

    衆議院議員赤城宗徳君) 高橋委員も御承知の通り恩給基金は積み立てておりません。共済組合のほうは積み立てておりまするので、共済組合関係であるならば、これはあとからでも績み立てなければならぬと考えますが、恩給関係であるから、恩給基金はあらためてさかのぼって積み立てなくて、納付しなくていいというふうに認めてもらいたいという希望でございます。
  23. 高橋道男

    高橋道男君 最後に、これは文部省に伺いますが、御意見を伺っておきたいのでありますが、この法律案についての御態度ですね、それはどういうように政府としてはお持ちであるか。それをお伺いしておきたい。
  24. 緒方信一

    政府委員緒方信一君) 政府全体といたしましては、まだ意見がきまっておりません。これは学校看護婦の従来の実態につきまして十分な調査ができておりませんので、財政負担等につきまして的確な資料がございませんために、政府全体といたしましてのこの法案に対しまする意見調整というようなことはできておりません。その意味におきまして、はっきりした実はこの前の衆議院文教委員におきましても表明いたすことを差し控えさしていただいたようなわけでございます。現在もその程度でございます。その点御了承願います。
  25. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 他に本案に対して御発言の方はございませんか。他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。
  27. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 議事進行。ただいまの初中局長発言をもって改正国会法五十七条の内閣所見と了承するわけでございますか。でないと、討論採決した後に疑義が起った場合は重大でございますので、委員長所見を承わっておきたいと思います。
  28. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 委員長といたしましては、ただいまの文部省初等中等教育局長緒方信一君の発言をもってこの際における内閣意見発表と認めて差しつかえないものと了承しております。
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点念のために委員会にはかっておいていただきたいと思います。
  30. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 委員会では、ほかにただいまの委員長発言について御意見があったならば御発言を求めます。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 一応念のために申し上げておきますが、議員提出法律案において、予算関係し、あるいは予算を増額する等の場合においては、その提案をいたしました院において内閣意見発表する機会を与えなければならないという規定がございます。なおこの法案提出衆議院においてなされておりまして、衆議院においてその機会がすでに与えられておるものと了承しております。参議院におけるこの場合においては、ただいま慎重を期して矢嶋委員お話になりましたように、内閣としての意見を述べる機会を与えるということは、してけっこうなこととは思いますが、国会法の五十七条の三の規定によっては、必ずしもこの参議院委員会においてはその取り計らいをすることが要求はされておらないのであります。ただ親切にそのことをすることがけっこうだと思います。従いまして、ただいまの御注意のありましたように、文部省のほうから説明を求めたのでありますが、大体委員長の了承しておりますることにおきましても、文部大臣の意向は先ほどの局長発言相違のないものと認めておる次第であります。念のために申し上げておきます。  この件に関して異議ございませんかか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 笹森順造

    委員長笹森順造君) これより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  33. 高橋道男

    高橋道男君 私はこの法案賛成をいたします。まずこの学校看護婦として長年、見方によりましてはきわめて下積み地位にあって、学校衛生、特に児童を守る上に誠意努めておられ、今回この法案対象となられた方々に対しては敬意を表する次第であります。この法案につきましては、いろいろな問題が含まれておると思いますので、法文自体としては一条のきわめて簡単なものでございましたけれども、私としては時間をかけて質疑をすることのお許しを得たわけでございます。  その問題点とすべきものは、質疑段階において明らかにされましたように、過去において恩給対象としての身分のなかったと思われるものを遡及してその身分を認めた。またただいま提案者からの御説明によりますると、国庫納付金なしにこれだけは恩給を給付することを認めてあげたいというような点、それから学校看護婦として、この法案だけによって見ますれば、常勤非常勤の別が必ずしも明瞭でないというようないろいろな点があると思うのであります。しかしただいま申しました常勤非常勤の問題につきましては、これは提案者の御説明にもございましたが、教育公務員特例法の第三十二条の規定適用するということによりましても、その対象とすべきものは常勤に限るということが考えられると思うのであります。一方昭和二十八年の十一月に人事院から両院並びに内閣に対して恩給制度に関する勧告が行われた、その勧告によりますと……、もちろんこれは勧告されただけであって、国会なり内閣においてこれを確定したものとして取り上げておるわけではございませんけれども人事院という一つ国家機関として、権威ある機関として、意見発表をされたものでございますから、その限りにおいては相当の根拠を持つものだと私は思うのでありますが、それによりますると、官吏雇用人の別なく、すべての常勤公務員恩給制度適用すべきものであるというような点、それから恩給納付金を負担しなかった場合には、その期間に応じて給付額を減額するというような方針がございますところを思いますると、国庫納付金が負担されていなくても、必ずしも恩給をことわるものじゃないというような見解も生まれてくると思うと同時に、方針としましては、官吏雇用人の別なく、常勤であればこれを恩給給付対象にしてもよいというような一応の見解は得られると思うのであります。ただ現段階におきましては、先ほど申しましたように、この勧告国会並びに政府において確定して取り上げられておるものではございませんから、今回のこの法案に盛られているものは、せんだっての質疑段階において提案者から申されたように、異例中の異例として私ども考えたいと思うのであります。国庫納付金をされていないというような点につきまして、あるいはほかの人たちとの不平等というようなことが起ることは明らかなようでございますけれども、私はこの点は長年、先ほど申しましたように、下積み地位に甘んじて誠意勤めて来られたその内容並びに費をもって納付金に代る勤めであるという意味から、是認することが私としてはできると思うのでございます。以上の諸点から私は本案賛成いたしまするが、ただいままでの質疑応答によりまして、与党あるいは提案者政府との関係が必ずしもこの案の作成に当って円滑な協議を得られなかったというようなことがあると認められる点は私まことに遺憾とする点でございます。今後あるいは同種の内容を持つような法案が立案されないとも限らんと思うのでありますが、国家の現状からいたしまして、この法案はこれは異例中の異例ということで、賛成はいたしますけれども、今後もし同等の資格身分というようなものに対して立法措置が講ぜられるようなことがないとも申しませんけれども、そういう場合には十分与党政府あるいは提案者との間に意見の疎通をはかられて今回のような印象をわれわれにお与えいただかないように重々御注意を願いたいと思うのでございます。なお法案が成立した後におきまして、この施行に当りましては、政府の当局が当然当られるわけでございますけれども質疑段階において明らかにされましたところを厳重にお守りいただいて、拡張解釈のないように、ぜひ円満に施行が行われるように希望して私の討論を終ります。
  34. 吉田萬次

    吉田萬次君 私も本案に対して賛成をいたします。しかしながら本案提出せらるるに当りまして提出者の御説明を承わり、また質問を申し上げた場合において、予算の裏付けに対するはっきりした御答弁がなかったのであります。これはおそらく衆議院でこの問題が爼上に上った場合において軽率にこれを取り扱い……、軽率と言っては失礼でありますが、きわめて検討は十分にせられなかったということを伺うのであります。本案はきわめて小さいものでありますけれども、しかしこれを理論上に検討しましたならば、私は相当疑義がある問題だと思います。ことにさかのぼっての身分というものにつきましては、私は先ほどの初中局から来られたあの説明に対して、やはりここに疑義を持つものであります。しかしながらその将来を考えまする場合において、これは解消せられていくものであって、一時的な、暫定的なもののようにも考えられる点から考察しまして、私は本案賛成をいたす次第であります。しかしながらこの問題につきましては、さような疑義のある点を御了承下さいまして、将来に対するこの法案に対してのすべての施行せらるる、運営せらるる面についての監督を十分にしていただきたいということを申し添えておきます。
  35. 高田なほ子

    高田なほ子君 法案に対して賛成をいたします。昭和十六年勅令第百四十八号に上って国民学校令施行せられまして、それに伴って養護教諭養護助教諭制度が制定せられて、恩給法上の公務員としての取扱いが行われるようになったわけです。しかし養護教諭の前身であります学校看護婦学校衛生婦または養護婦として学校に勤務した期間の切りかえ措置が全然考慮せられず、それがために今日まで実際に勤務して三十有余年もまじめに職場に出ながら、いまだに普通恩給受給者が一名もないという不合理か状態でありました。学校看護婦学校衛生婦または養護婦などの学校教育上における役割については私から申すまでもございませんが、全学童の健康を守るために非常な奮闘をし、しかも今日までいかんなくその役割を果してこられました養護教諭方々が、今日この改正をみるに至ったことは、むしろ私どもとしては遅きに失するきらいがあるようにすらも考えられるわけでありますが、幸いにして本委員会におきましても大多数の御賛同のもとにこの法案が通過いたしますことは、まことに喜びにたえないわけであります。  しかしただ一言申し上げておきたいことは、恩給法改正が通過いたしますると、養護教諭身分が安定したのゆえをもって、経験の深い技術的に優秀な養護教諭が、ややともすれば首の座に据えられるのではないかというような一まつの危惧をさえ私どもは今日持たざるを得ないのでありますが、この恩給法改正によってそうした反面の矛盾が決して起らない、身分を保障するのだ、こういう観点に立ってこの法律が尊重されることを心から望んでやまないわけであります。  さらに養護教諭の今日の配置状態はきわめて適正な配置が行われないために、学童保健衛生については必ずしも万全を期し程ない。どうぞこの法案通過を機といたしまして養護教諭適正配置が早急に行われると同時に、国においてもこの法案とうらはらの関係にある養護教諭養成機関の設置が一日も早く確立されることを心から希望いたしまして、本案に対する賛成意見を述べるわけであります。
  36. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 他に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。教育公務員特例法第三十二条の規定適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  38. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全会一致でございます。よって本案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本院規則第百四条による本会議における口頭報告内容、同第七十二条により議長に提出すべき報告書作成その他事後の手続き等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     吉田 萬次  竹下 豐次     荒木正三郎  雨森 常夫     大谷 瑩潤  川口爲之助     堀  末治  加賀山之雄     高橋 道男  安部キミ子     高田なほ子  矢嶋 三義     村尾 重雄  松原 一彦
  40. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に先ほど委員会において決定になりました矢嶋委員からの提案による緊急質問議題原子力平和利用のための国際会議への出席に関する件、これを議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。
  42. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 御承知のように八月八日からジュネーヴで万国注視のもとに原子力の平和利用の国際会議が開催されるわけでありますが、この会議の重大性については今さら申し上げるまでもないと思います。わが国にとりましても米ソ等原子力の先進国の状況をつぶさに視察し、学びとる点は学びとって、原子力に関しては比較的におくれているわが国の今後の問題解決の一つのステップとしなければならんと、かように考えておるわけでありますが、この会議に参加するについては、参加準備協議会というのが設けられて、鋭意準備されておると承わっております。その参加準備協議会には科学技術行政協議会あるいは学術会議等もタッチされておりますので総理府に関係がありますし、内閣の官房長官たる根本さんに、これらの点について伺いたいと思って御出席を願ったわけです。  そこで要点だけ伺いますが、この国際会議へわが国の代表を派遣するについては、その団の構成並びに旅費の支給等については、いつ最終決定される予定でございますか、伺います。
  43. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) まだ最終決定する段階にきていないと思っております。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 代表を派遣することについては内閣としては方針をきめられておるものと了承しますが、いかがですか。
  45. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 代表を派遣すべきだという意見はありますが、何人を派遣するかということについてはまだ決定いたしておりません。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 会議は八月八日からでありますが、私は準備が相当に進んでいなければならないと思います。閣議では最終決定していないでしょうが、いわゆる各関係官庁間で構成されておる準備協議会においては相当の進捗を示しておると思いますので、その点について大体どういう構想なのか、お漏らしを願いたい。
  47. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) ただいま外務省の経済協力局が中心となりましてスタック、学術会議、そういう方面と協議中という報告を聞いております。
  48. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 委員長に伺いますが、外務省の関係で大臣、さもなくば政務次官、それができない場合は所管局課長内容をよくわかる人の出席要求をしておったのでありますが、現在出席されているでございましょうか。いかがでございましょうか。出席していないとするならばその理由いかん。お答えを願います。
  49. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいま所管担当課長がユネスコの会議に出席中でありますので、矢嶋委員の御要求によって連絡のために車を差し向けておる現況であります。
  50. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 所管課長についてはわかりました。大臣、次官並びに局長についてはいかがでありますか。
  51. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 大臣はただいま予算委員会に出席中でありますので、こちらに呼び出すといたしましても時間がかかると思います。ただいま文部大臣が見えておりますから、矢嶋君、もし文部大臣質疑がありますならばこの際に御発言を願います。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部大臣にも簡単に伺いますが、私のお伺いしている点委員長お答えをしていただきたいと思うのですが、大臣と課長はわかりましたが、次官、所管局長はいかがなさっておるでしょうか。
  53. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいま外務政務次官は農林水産委員会が開かれて出席中であります。局長もまた他の会議に出席中でありますので、こちらから連絡中であります。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そう御答弁を願いますと、速記がついているからあえて聞かざるを得ない。他の会議とはどういう会議でしょうか。
  55. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 連絡を受けてお答えします。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 質問を続けますが、ただ速記がついている以上、私はあえて大臣と言わない、内容がわかればいいんだから。所管局長、所管課長でも内容さえわかればいいのです。ここまで政府側の出席を下げて要求しているわけですが、大臣から所管課長に至るまで説明のできる方が一人も御出席いただけないということについては、質問者としては遺憾に存ずることを表明いたしておきます。  そこで、文部大臣に伺いますが、ただいま八月八日からジュネーヴで開かれます原子力平和利用国際会議の件について日本代表団の派遣、それから団の構成その他について根本官房長官に一、二伺ったところでございますが、この国際会議に対しまして、直接所管大臣ではないわけでございますが、しかし団の構成をする場合、これは卑近なる関係があります。また松村文部大臣が、来年度以降におけるところの予算要求に関連して、あるいは原子力研究所、あるいは大学におけるところの原子核講座等の新設等、松村文政の構想とも関係があるわけでございますので、私は文部大臣にこの際伺いたいことは、この国際会議に大臣はどういう御見解を持っておられるかということと、これらの派遣並びに団の構成その他について、文部大臣としてどの程度御関知なさっておられるか、お伺いいたしたいと思います。
  57. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) お尋ねのことにつきましては、関係の各省を総合いたしまして、予算関係もございますから、団の組織ができております。これは内閣の所管でございますから、根本さんからお答え申し上げたことと思いますが、できておりまして、近いうちの閣議におきまして決定を見ることと存じております。何らその間に支障を起さないで、着々準備が進行いたしておるわけでございます。
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 所管の大臣でない松村文部大臣がそれほど御承知であるのに、官房長官の先ほどの御答弁は非常に心外でございます。私は他点があって伺っておるのではありませんが、もう少し率直に官房長官として御存じになっている点をお答え願いたいと思うのです。今文部大臣の御答弁のように、団の組織はできている。近く閣議で最終決定をすることになっておって、着々と準備が進んでおるという御答弁でございまして、私も大体新聞、ラジオ等を通じ、あるいはこれらに関心を持っておる人々を通じて、大体さように私は了承しておるわけでございますが、八月八日の会議を前にして、官房長官の先ほどの御答弁はですね、全く私は心外だと思います。ただいまの松村文部大臣の答弁との食い違いを所管の官房長官としてはいかようにお考えでしょうか、あらためてお答えを願います。
  59. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 松村文部大臣から補足答弁があります。
  60. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) ちょっと私の補足をいたしたいと思いますのは、ただいま申し上げましたのは、主管省ではございませんけれども、そういう学術の会議でございますが、そういう下ごしらえは大体私のほうでいたしておりますから、その状態を申し上げたのでございます。まだ官房長官の方へはそれらの成り行きを十分報告をいたしていないのであろうと思いますので、この点だけを申し上げておきます。
  61. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 私が先ほど矢嶋さんの御質問にお答えしたのは、最終決定はいたしていないという点と、それからこの構成等につきましては外務省の経済協力局が中心となりまして、その関係方面の事務当局と連絡をして進めていると、こういう点を申し上げたのであります。従って、現在まだ最終的決定はいたしていないのでございます。矢嶋さんの御質問の問題は、おそらく予算関係の問題で、構成人員の負数と、その具体的な数字についてだろうと思うのです。その点については、まだ私のほうには報告がきておりません。大体の話し合いが進んでいるということは聞いておりまするけれども、最終的にどうした構成人員か、具体的な人名についてはまだ私のほうに連絡が参っておりませんので、その点を申し上げておきます。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 では、根本官房長官の人柄を知っていますから、私はその点は了承しますが、それで最後にあなたのところへ質問が参りますが、今出席された方は所管課長だと思いますが、さようでございますか。
  63. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいま外務省国際協力局第一課長星文七君が見えております。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 所管課長に伺いますが、あなたのところは窓口でございますから一切承知なさっていると思いますが、ジュネーヴの原子力の国際会議に日本代表団を派遣することは、官房長官の答弁によって、方針としてきめている、団の構成その他については文部大臣の答弁に明らかなるごとく、関係官庁において鋭意準備を進めているということでございますが、団は何人くらいで構成することに事務当局で方針がきまりましたか。並びにその候補者も決定したように承わっていますが、それらの点について要点をお伝え願います。
  65. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 矢嶋君ちょっと御相談いたしますが、速記ちょっとやめて下さい。   〔速記中止〕
  66. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 速記始めて下さい。
  67. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 一分くらいしかかからないから課長答弁して下さい。それから文部大臣質問します。
  68. 星文七

    説明員(星文七君) 代表は五名ということになっております。これは代表が五名以上置くことができないという規則に基いて代表五名になっております。その顧問という者を随行することができることになっております。今のところは大体全部で十二、三名の代表及び顧問をまぜた全権代表団というものを構成してあります。そういうあれで進めております。
  69. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官並びに文部大臣も御多忙の身でございますので、要点を伺いますが、文部大臣、先般私はあなたに、この委員会で東大を視察した一つの反省として、あの東大でサイクロトンを研究されている世界的にも有名な若き学徒常本助教授の海外視察その他の件について伺って、大臣としても非常に驚いたと、遺憾だということを述べられたということは、あの東大にして学者が一年に二人程度しかあの国費をもって海外研究に出張できないと、かような状況にあるということに大臣も遺憾の意を表されたのでありますが、このたびの国際会議には、伝えられるところによると、世界各国の有名なる原子物理学者が競ってお集まりになるようです。そして一面では原子炉については国際見本市が開かれるのではないかと、かようにも伝えられているわけです。従ってこれらの人選その他について事実上事務を推進しているところの文部省の当該大臣として私の伺いたい点は、この代表団並びに顧問団には原子物理学の日本の第一線にある人物、そのかたがたの文献というものは、研究論文というものは外国の原子力研究学徒もちょいちょいと引用しているほど相当レベルが高いものだと、部分的にはレベルが高いものだということを私は専門家から承わっておるわけですが、そういうかたがたを派遣することによって世界の現在におけるところの原子力事情というものをつぶさに吸収することができるし、新しい原子力時代に処することが日本の国としてもできると思うのです。従って私は原子物理学の第一線級の人物を代表団、顧問団に相当数私は入れるべきだと、かように考え、さらにその出張旅費について政府としては各官庁が持っているところの外貨割当のうちから支出すべきだという方針で予備金の支出を渋っているということを承わっております。ところが学術会議その他には外貨の割当が僅少であるというので、具体的に言うならば、教育大学の朝永教授のごときは旅費不十分にして出席おぼつかないのではないかということが伝えられているわけですが、これは日本の科学水準の向上、科学教育の振興というものを一枚看板にされている松村文部大臣としては何らかの所感を持っているかと思います。従ってこれはいずれ閣議にかかるでございましょうが、原子物理学の専門家を相当数入れるということに対してどういう見解を持っているか、さらにそれらの代表の出席の旅費、これらを予備金から支出することについて閣議において文部大臣はいかなる態度をとることが妥当であると、お考えになっているか、この二点を私は伺いたいと思います。申し上げておきますが、国際諸競技というものがよく行われます。私はこの意義を非常に大きく評価しておりますが、その都度閣議決定によって予備金が支出されるということは非常にけっこうなことだと思っております。従ってこのたびのこの原子力の国際会議に学徒を派遣するに当該官庁において外貨の割当が僅少なるために行けないというならば、こういうときこそ私は予備金の支出をもって世界の各国の学徒に劣らないところの日本の原子物理学の第一線の人を多数送っていただきたい、こういうふうに私は要望いたしたいのですが、文部大臣の答弁のあとに予備金の支出その他については相当の政治力の影響性を持つところの根本官房長官の御答弁を願いたいと思います。
  70. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) ただいまのお尋ねでございますが、個人のことにつきましてはこれは別でございますけれども、大体の構想といたしましては、この会議に日本を代表するに十分な代表団を組織するような考えでやっておりますことはこれは当然のことでございまして、その方針で人選も各関係省において行われておるわけでございます。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部大臣はその予備金の支出、それから原子物理学者が顧問代表団に入らなければならぬという第一点は大臣も私に同感を表したと思うのですが、旅費等の支出についてはいかように閣議において努力されるのが文部大臣として妥当であるという御見解を持っておられるかという点をお答え願いたいと思います。
  72. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) 今お話の原子物理の側の人を入れるか入れぬかというようなことは専門的なことでございまして、今直ちに私ここで申し上げかねますが、よく部内において御趣旨の点について御相談をいたしたいと思います。  それからもう一つはこの会議の代表団にすべて織り込んで原子の問題の人を全部、全部じゃないが大げさに送り、そのために予備金の支出を必要とするかどうかというようなことにつきましてはいろいろの関係もございますので、ここでいかようにするか申し上ぐることはでき得ないのでございます。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 問題重大だから大臣ちょっと待って下さい。私は文部大臣の御答弁はいつも敬意を表し拝聴しているわけですが、きょうの文部大臣の答弁は私は断じてこれで引き下るわけにいかないと思う。私はジュネーヴの会議が原子力関係の国際市場になり、あるいは原子力の後進国に対する売り込み戦のような市場と化するかもしれない、こんな私も見解を持って見ていないわけでもないのです。しかしある程度原子炉がどんなものがあるとか、それから平和利用の程度がどういう状況にあるかという世界の原子力関係の大ざっぱなものは私はつかめると思う。この原子物理学者が行くか行かぬかということは専門のことで云々という、こんなことは大臣聞えませんよ。伝えられるところによると、この団長はジュネーヴの総領事の田付さんだというのですが、そういうクラスの人が幾ら行ったって、これは原子炉がずっと並んでいて、専門的なものがあってもわかるものじゃないのですよ。これはあなた、原子物理学者が行かなきゃならぬということは明確でしょう。最近の原子力協定でもこれは根本官房長官御存じの通り、あの原子力協定についても専門家を入れなかったために誤訳問題が起っているでしょう。その誤訳は仮調印だからそれでいい、本調印のとき書き直すというような問題が起っているでしょう。これでもやはり専門家がいなくて、ただ外交折衝の技術面だけで処理しようというようなところにそういう過誤というものはできるわけであって、このたびの会議に原子物理学者が相当数行ったらいいだろう。これは専門でも何でもなくて、これは良識ですよ。私はそう考えるので、そこで大臣にその点伺ったわけですが、さっきお出でになったときは大臣相当はっきりした方針で答弁しかかっておったのですが、急にちょっと方針が変られたようであって、私は非常に心外な答弁を承わっておるのですが、重ねてお伺いします。
  74. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) 海外派遣の留学生のことについての御質問は、かねて承わっておりまして、これはぜひ漸次多く海外へ有為な学徒を出して行くということは先般申し上げました通りで、その方針でやっているつもりでございます。今回の会議のことは、これはまた別でございまして、これらの会議のことにつきましては、先ほど来申し上げました通り、各関係省におきまして大体御趣旨のように会議の目的に沿うように十分の構想を練って代表団を作りつつあるわけでございますから、私といたしましては先刻申し上げた通り、各省その趣旨で十分研究をいたして最善を尽したいと考えております。
  75. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう終ります。具体的に大臣にお伺いします。さっき大臣は本委員会に出席したとたんに、私の質問に対しまして、実際この学術会議関係のことであるから、事務的なことは文部省の事務当局でやっている、従って自分は承知しているのであるが、そのことはまだ官房長官に伝えていないから、自分は承知しているのであるが、その団の組織はできている、こういうような御答弁をなさいましたが、その団の中に原子物理学者が入っておるのでございますか、入っておりませんか、お伺いいたします。
  76. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) それは今各省と文部省とそういう下話はいたしておりますけれども、やはり外務省のほうが主として連絡をおとりになっていることと思いまするし、今どういう学者がどうなっているというようなことは、今まだ私は存じませず、申し上げる機会でないように思いますので、何か外務省のほうでお考えがあって御答弁できますならばどうぞお願いいたしたいと思います。
  77. 星文七

    説明員(星文七君) ただいまの御質問でございますが、まだ最終的に決定しているわけではございませんが、事務当局のレベルで考えております中には、今御質問の物理学者といわれる、それに相当すると思われますのは、藤岡博士、それから東京工業大学の教授の武田博士、こういう方々が一応代表団に参加していただくつもりでおるわけでございますが、こういう方が物理学者、御質問の方に相当するのではないかと思います。
  78. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 矢嶋君に申し上げますが、文部大臣は約束の時間を、もう経過しておりますので、次の会合に参りますからこれにて。
  79. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 一点だけですから。
  80. 笹森順造

    委員長笹森順造君) それは約束の時間を矢嶋君が守ってもらわなければ困りますから……、簡単にお願いします。
  81. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部大臣にさらに伺っておきます。事務的なことをあなたのほうで進められていると言うのですが、この団の構成については、たとえば学術会議の原子核特別委員会等から、こういう人物が最も適任者で優秀であるから、この人物を団の構成に入れてほしいというような、こういう要望のあった点については、私は尊重をして団の構成をはからるべきと思いますが、大臣の御所見いかがでございますか。
  82. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) もう一度ちょっと。
  83. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 学術会議の原子核特別委員会というがごとき、そういう学術会議ですから公的でございますが、そういう専門の機関において、こういう人が最も適任であるから、団の構成の決定に際しては団に加えてほしいというような正式要望があった場合には、団の構成を内容において、取り運ぶに当っては私はそれを十分尊重してやるべきものだと考えますが、文部大臣の御所見いかがでございましょうか。
  84. 松村謙三

    ○国務大臣(松村謙三君) それは私のほうの主管ではございませんけれども、私のほうの話合いを何する場合には、もちろん学術会議の意向はこれはやはりしんしゃくの中に入りますことは、これは当然であろうと思いますが、それらの人選のことにつきましては、まあ専門家もいることでございますから、今ここに私として必ずどうするということも申し上げることはできかねると思います。
  85. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官に伺いますが、私は官房長官御多忙と思いますから長く時間はかけません。おだてるわけじゃないのですが、日本の保守政党でサイエンスの方面のセンスを持たれている政治家は割合に少いと思うのです。ところが根本官房長官は私はその点はこのセンスに対しては、はなはだ敬服している点、常々もっているわけなんですが、だからというわけではないのですが、ここで承わりたいのですがね、その点はこのジュネーヴのこの国際会議についてはとやかく申しませんが、私は結論としてそういうあなたの所管している学術会議等の方面から、こういう人物を団の構成の中に入れてほしいという要望があったならば、その要望を入れて、そうして団の構成をし、乏しい予算の中でもありますが、どうしてもそれぞれの所管庁の予算でまかなえない場合は予備金は僅少ではありますけれども、こういう場合にこそ私は予備金の支出というものを閣議において確定して、そうして最も有力なる、効果的な団を構成して派遣すべきものだと、こういうふうに私は考えるのですが、官房長官の御所見と、今後いかように御努力いただけましょうか、お伺いいたしたいと思います。
  86. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) この学術会議その他からいろいろの候補者が推薦されて、それに基いて外務省の国際協力局あるいは経審あるいは文部省関係のほうで今原案を作成中のようであります。その結果私のほうに提出されて参りますので、その際において考慮する段階だと存じております。なおその際に予算関係についてもこれは各省で操作し得る限度において考えておるようでありますが、もしこれに関連して関係閣僚並びに事務当局において、どうしても予備金支出を必要とするということで私のほうに要請がございますれば、そのときには十分考慮して措置いたしたいと、かように考えておる次第であります。
  87. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官は私は退席して異議ございません。そこで外務省の所管課長にお伺いいたします。間もなく終ります。所管課長に伺いますが、あなたのところは直接窓口で、各関係官庁間の調整その他の世話役をされておると思います。それでただいま官房長官の言われましたように、原案の作成というものはきわめて大事なことと思います。その原案は私はできているということを承わっているわけでございますが、代表五名に顧問十二、三名というのはさっき答弁がございました。それはどういう方々で構成されておりますか。
  88. 星文七

    説明員(星文七君) 先ほども申しましたように、まだ最終的にきまっておりませんで、御承知のようにこの会議に出られる場合は、普通の学術会議と違いまして、国際連合主催の政府間の会議でございますから、政府代表という格好で行かれるわけでございます。従いまして閣議の決定を問わなければならないわけであります。そこまでに、まだ持っていく段階にありませんので、私がこれから申し上げる人名は、大体私たちが各関係の省、機関と連絡いたしまして、その予算などの工合も考慮いたしましてきめた内定の案でございますから、そういう前提のもとに御了承願いたいと思います。代表は先ほど申し上げましたように五名、代表の団長にはジュネーヴの総領事の田付領事、あとの代表の四名は医学博士の都築さん、それから資源調査会副会長の安芸さん、それから先ほど申し上げました藤岡博士、それから工業技術院の院長の駒形氏、この五名の方を代表として予定いたしております。それから顧問には先ほど申しましたように、東京工業大学の武田博士、それから東大の工学部の矢木栄博士、同じく東大の農学部の三井農学博士、それから同じく東大のアイソトープの関係でありますが、加藤工学博士を大体予定いたしております。その他代表団の世話役に外務省の事務官が行くことになっております。大体こういうふうなことであります。
  89. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それらは事務当局として最終的に原案をまとめて、そうして閣議決定をしていただく日時の目途をいつごろに立てて作業を続けておられるのですか。
  90. 星文七

    説明員(星文七君) 来週の閣議を一応予定しております。来週の火曜日、十九日であります。あるいはもう二、三日おくれまして、来週の金曜日の閣議になるかもしれません。国際連合の事務総長に通知する期日が迫っておりまするし、でき得るならば来週の十九日の火曜日の閣議にいたしたいと思います。
  91. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 学術会議の原子核特別委員会で、教育大学の朝永教授をぜひ加えたいということを委員会からも学術会議の会長からも強く要請されているということを承わっております。私は断っておきますが、この質問をだれからも頼まれてやっておるのではありません。また朝永教授がこれらの問題についてどういう見解を持っておるかということは、あるいは雑誌で幾分承知しておりますし、先般当委員会で原子核研究所の開設に関するところの公述人として呼んで、若干の御所見を承わった経験もあるわけなんですが、別にだれにも頼まれてやっているのでないということを断っておきますが、まあ朝永教授をどういうわけで代表団あるいは顧問団に、あなた方はピックアップされないのか承わりたい。
  92. 星文七

    説明員(星文七君) 私、一番初めに申し上げるべきだったと思いますが、今ピックアップということをおっしゃいましたのですが、私たちの外務省の国際協力局としてお世話しておりますけれども、この問題は御指摘のように非常に専門的な分野にわたっておりますので、到底外務省だけで人選その他の交渉を続けることができない。そういう見地から学術会議それから各省の方々を集めまして、御参集をいただきまして、そこで十分どういう学者、人物を出せば適当であるかということを十分御審議願うような機関を作りまして、この三月以来、実はその努力を続けてきたわけであります。一週間ばかり前でございましたが、大体今申し上げましたような原案、これに近いものができまして、そこで御披露いたしまして御意見を聞きましたところ、学術会議の方から朝永博士を出したいという声が、意見がございました。しかしこれまた予算関係で学術会議の方で一つ努力してみるということで、その場はそれで終ったわけでございますが、私最近聞きましたところによりますと、学術会議でもどういう事情があるか、その事情はよく承わっておりませんが、予算関係があるかもしれませんし、あるいは朝永先生御自身が出られるか出られないか、その辺の御事情も私よく存じておらないわけでございますが、ともかく一応これはドロップした。朝永さんの件でごさいますが一応ドロップしたというように聞いております。その実情については全然私ども知っておりません。大体現状はそのようでございます。
  93. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 基本的な点を二点伺っておきます。作業を進める事務当局の中としては、そういう学術会議等の公式に表明される意向を尊重されて作業を続けられるものと、事務を続けられるものと了承しますが、その点。  さらに先ほど大臣、官房長官にお伺いいたしましたが、予算の点は各省のすでに割り当てられた予算のワク内において、あまり苦労されることなく、他の角度から最も有力なる団の構成というものに配意されて、そうしてどうしても予算問題が起りましたならば、これは内閣の問題として予備金支出の要求をするなりそういうことをして、することに値するところの問題だと私はかように考えるわけですが、さような角度から事務当局として事務をまた推進されるべきものじゃないかと思いますが、その基本的態度、二点についてお答えおき願いたいと思います。
  94. 星文七

    説明員(星文七君) 私、この事務を扱っております担当課長といたしまして、全く私も同じ心組みで今までずっとこの仕事をやってきておるわけでございます。今御指摘になりました以外に、もう一つの選考の態度といたしまして、このジュネーヴの会議は御承知のように全部で議題が百近い議題があるわけでございます。で、それに該当するその議題についてあらかじめ五月の初めでございましたか、日本からも論文を提出しております。わが国は全部で三十四提出いたしました。この三十四のうちで、さらに六つの論文が特に選ばれまして、この分についてはできればその書いた著者自身が会議に臨んで、それが口頭発表する。それに対して質疑応答がありましてやる、そういう形をとっております。従いましてこの論文を作成した人並びにその論文の中で、今申しましたように選考されて、特に討論対象となるもの、こういうものの書かれた、こういう論文を書かれた方の選考ということにも、今おっしゃいました二点以外に、さらに加えるべき基準であると考えております。
  95. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この件に関する私の質問を終ります。  他にこの件に対しての質疑の方がなければ、私は最後に、先刻教育公務員特例法第三十二条の規定適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律案が本委員会討論、採決をされたわけでございますが、この過程において起った一件について私は保留をいたしておきます。その点は改正国会法の第五十七条の三に基いて予算を伴う法律案を審議するに当っては内閣意見を述べる機会を与えなければならないとなっておるわけでございますが、この審議の段階委員長は、これは衆議院の議員立法で、衆議院の審議段階において内閣意見を述べる機会を与えたから、参議院では別に与えなくてもいいが、親切に云々という解釈をされました。これはこの国会法第五十七条の三の解釈、今後の運用について先例となるきわめて私は重大な部類に属する問題と考えます。国会法改正の場合、私は国会法改正委員会委員としてこれを審議したものでございますが、この確定解除については若干の疑義を持っているということだけをこの際発言いたしておきます。
  96. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 矢嶋君にお答えをいたしますが、私自身もただいま御指摘になりました条文の解釈については若干の疑義を持ちまして、このことを取り計らっております専門の者についてつぶさに討議、検討いたしましたところ、先ほど私が申し上げました通り意見でありましたので、この際一応そういう具合に取扱いをいたしましたことを御了承願います。  なおそれらの疑義については、それぞれの機関がありますので、明確化していただくことが委員長としても今後の委員会を取り運んで行きます上において便宜でありますから、関係の方において特にこの点を明確にしていただくことを、この際この法案の立案に当った関係上、矢嶋君にもこちらから要望申し上げておきます。
  97. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に明確にいたしておきますが、このことは先刻可決した法律案の成立の有効、無効とは無関係だということを明確に申し上げておきます。ということは、あの審議の段階において委員長は、ただいまの初中教育局長発言をもって内閣意見を述べさせなければならないという内閣意見委員長は了承するが、各委員異議ございませんかと委員長が諮られたときに、各委員異議なしと発言され、これは速記に残っておるわけでありますから、この確定解釈がいかに落着こうとも、先刻可決しましたところの法律案の有効、無効の問題と無関係であるということを、あらためて明確に申し上げておきます。
  98. 笹森順造

    委員長笹森順造君) なおこの際委員長から発言しておきますが、慣例上ただいま私が解釈いたしましたように現在まで慣行が行われておる点を申し添えておきます。  午前の審議はこの程度にして、午後一時半より開きたいと思いますが……ちょっと速記をとめて。    午後零時十五分速記中止    ――――・――――    午後零時三十六速記開始
  99. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 速記を始めて下さい。  女子教育職員産前産後の休暇中における学校教育の正常なる実施確保に関する法律案と、女子教育職員産前産後の休暇中における公立学校義務教育の正常な実施確保に関する法律案との比較研究につきまして審議を進めたいと思いますが、特にこの問題に関しましては、専門員室において両二案の対照表を作ることを依嘱しておりました等につきまして、これから審議をいたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 笹森順造

    委員長笹森順造君) それではさよう取り計らいます。ついてはこの問題に関しては、懇談の形において行いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  それではさよう取り計らいます。    午後零時三十九分懇談会に移る    ――――・――――    午後一時十五分懇談会を終る
  102. 笹森順造

    委員長笹森順造君) それでは委員会を再開いたします。本日はこれで散会いたします。    午後一時十六分散会    ――――・――――