○
竹下豐次君 関連して。荒木さんの今の御
心配、私もごもっともな
心配だと思っております。ただ、ただいまのところでは私はこの問題を
考えておりますのは、
余剰物資のもらい受けということにつきましても、
相当に
お話が進行しておるというような実際の
状態になっておる、それも
一つ頭の中におかなけりゃならない、それからまたもらわずに済むことでありましたならば、もらわないで
向うの申し入れを拒絶すると、こちらから願わないということが最も望ましいところでありましょう。しかし
日本の食糧
事情その他
一般に経済
関係等を考慮いたしましても、この際ほかの国からでも本当に人道的に好意を示してくれるという
状態があるならば、それを強いて拒絶するにあたらないのではないか、この際先ほど政務次官の
お話しによりましても
アメリカがいろいろ人道的の
立場の考慮に基いて、
日本に無償
贈与という気持のように承わるのであります。その裏にどういう
考えがひそんでおるか、それは私などには分りませんけれ
ども、そこまで疑ってみる必要もないのじゃないかと、もう一ぺん繰り返して申しますならば、
向うが好意でもってやるというならばもらい受けていいじゃないか、ただしもらうほうの心がけが必要だ、できるだけとり込めばいいのだ、金持から金を出すのは当り前で、貧乏人はもらうのが当り前だとかですね、もう、もらったんたから思返えしする必要もないというような
考え方でもらうというように国民がなっては、それはもう国を亡ぼします。しかし好意を示してくれるならばその好意を受けるし、それに報いることはいつになるか、またどういう形であるかわからないけれ
ども、これは報いる道は人間として尽さなければならない、というだけの心構えを
日本国民が持っておるならば、どこの国の示す好意であろうと、そのままに
受け入れるということがすなおでいいのじゃないかと私はこう思うのです。ただそういう心がけ、物をもらった、また物を借りる、便宜を与えてもらうというときには、ほかの形でまたお返えしをするという覚悟を持たない限り、もらったり借りたりしてはならない、かように私は思います。私の
考えだけでなく、そう
考えなければならない問題ではないかこ思っております。ただ問題は一応
心配になるのでありますが、この際ただでもらったのた、それを学童に
配給する、いかにも
日本は貧乏だ、
アメリカから助けられておる、
日本はだめだ、
アメリカの属国になってしまうのじゃないか、植民地になってしまうのじゃないかというようなふうに思わせる
状態でこれを
配給していく、ただでもらって
配給していくということでは大へんなことだと私は思います。先ほど次官の御
説明のうちに幾らか代金を取ると、安くはあるけれ
どもそれで
相当に堕落した気分を償うことができるのじゃないかという
お話でありましたが、そのお
考えは非常に私は姑息な
考えでありまして、それは五十歩百歩だと思います。どうも次官の今の御
説明によると、やはり弊害が多いのだ、あるのだということを御承認の上で、だからそれをそういう形で幾らかでも補おう、しかしまだそこに
心配の筋が残っているのだという
考え方が、頭のそこにひそんでおるのではないかと察しながら私は承っておったのであります。しかし私はこれは受けても、その受け渡すとき、そのとき、あるいはその後の
子供の
教育によりまして、何も
日本の
児童を卑屈なる精神
状態に陥れないで沈む
教育ができる、積極的にこれを利用して、立派な国民に仕上げるという材料に……教材にすることも私はできるのじゃないかと思います。と申しますのは、まあ
アメリカの好意をよく
受け入れての前提になります。この世界の
各国においては人道的にこういう問題を取扱って困っておるところを助けていこうというような行動を実際とっておるところもあるのだ、それは人間として当然
考えなければならないのだ、で、こういうことはいいことだから
児童の諸君におきましても、これから
日本は貧乏だけれ
ども、しっかり裕福な国に仕上げて、ほかの国の困っている人があればそれを助けていく、今度こちらから助けてやらなければならぬ、しっかり元気を出せというような
教育をすることは私は当然なことでありまして、まあ
心配が必らずないわけではありませんが、しかし
教育の仕方によりまして、それを償ってなおあまりある
状態へ私は持っていくことができるのじゃないか、そうさせるのが私は
文部省の大きな責任でもあるし、児輩をあずかっておる先生たちの努めでもあるのじゃないか、私はまあ、かように
考えておりますで、政務次官どういうふうにお聞き下さるか知れませんが、私は心からこの際これをそのように
一つ積極的に利用するように、
教育を進むるところに最善の努力をいたしていただきたい、かように私は
考えておる次第であります。非常にこれはむずかしいことでありますけれ
ども、しかし
考え方として私は正しい、最善の努力をしなければならぬ、かように
考えておる次第でありますが、次官どうでございましょうか、私の……。