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1955-06-21 第22回国会 参議院 文教委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十一日(火曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————    委員の異動 六月二十日委員松本治一郎辞任につ き、その補欠として荒木正三郎君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     笹森 順造君    理事            吉田 萬次君            竹下 豐次君            荒木正三郎君    委員            雨森 常夫君            大谷 瑩潤君            川口爲之助君            佐藤清一郎君            堀  末治君            加賀山之雄君            安部キミ子君            村尾 重雄君            山田 節男君            松原 一彦君   国務大臣    文 部 大 臣 松村 謙三君   政府委員    文部政務次官  寺本 広作君    文部大臣官房総    務課長     田中  彰君    文部省初等中等    教育局長    緒方 信一君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君    文部省管理局長 小林 行雄君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工樂 英司君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国立学校設置法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○日本学校給食法案内閣送付、予備  審査)   —————————————
  2. 笹森順造

    委員長笹森順造君) ただいまより文教委員会を開きます。  まず、理事補欠互選議題といたします。  先日、理事荒木正三郎委員辞任のため、理事が一名欠けております。互選の方法は慣例により、委員長が指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないようでありますから、委員長荒木正三郎君を理事に指名いたします。   —————————————
  4. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、国立学校設置法の一部を改正する法律案議題といたします。
  5. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 初めにお尋ねを申し上げたい問題は、勤労青少年教育の問題でございますが、この前の委員会矢鳩君からもこの問題について大臣に質問があったのでありますが、私は最近この動労青少年教育の問題を担当している方々に会いまして、その人たちの痛切な叫びといたしまして、どうしても国立大学夜間学部を設置してもらいたい、現在も若干設置されておるわけでございますが、なおさらに設置してもらいたい、そういう要望が非常に強いのでございます。私も勤労青少年教育機会均等を実現するためにも、どうしてもそういう方針に沿うようにすべきではないかというふうな考えを持っているわけなんです。これに対しまして、松村文部大臣は、はっきりとした方針答弁されておらないわけですが、これは私はそういうあいまいにしておくというと、言葉は語弊がありますが、非常に重大な問題であると考えておるわけなんです。そういう意味において、この動労青少年教育機会均等を実現するために、今後国立大学夜間学部を設置していく、増設していくと、こういうことは必要な問題であるというふうに考えるのですが、文部省方針をお伺いしたいと思うのです。
  6. 寺本廣作

    政府委員寺本広作君) 文部省といたしましては、わが国におきまする大学の数がすでに相当多数に達しており、今日では数をふやすより、質を充実していくことが必要な段階に達しておると、こういうような基本的な認識に立って政策を考えておるわけでございます。従いまして、大学新設原則としては今後国立大学に関しては認めまいという考えでおりますが、ただ施設設備その他が転用できる場合であるとか、その他特殊の場合にはやはり絶対にこれの新設を認めないということでなく、そのときどきの事情に応じてこれを考慮する余地を残しているつもりでございます。ただ夜間大学となりますと、現在すでに十七の国立夜間短期大学もございますし、今度御審議願っておりますのに、やはり二ヵ所だけ短期大学を増設する案が含まれているわけでございます。また夜間学部は今日まで国立大学の中に五つほど含まれているわけでございますが、夜間学部をふやします場合には、大学の性格として研究に重きを置き、学者の、大学教授研究妨げにならないような面も考慮しなければなりませんので、国立大学夜間大学を必ず設置するようにという一般原則は、直ちには御賛同いたしかねる。ただ、今申し上げますように、原則としては増加しないけれども、特にそういう必要性の高いところで、設備施設の転用が可能なところ、また学問の研究妨げにならぬようなところというような条件がそろっているところには、考慮の余地がある場合があると考えております。
  7. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この東京大学夜間学部を設置する問題について、大学側が困るというような意思表示があったということを私は聞いたことがあるのですが、それは事実なんですか。
  8. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 私どもといたしましては、今お話のようなことを伺っておりません。
  9. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私はこの勤労青少年に、やはり夜間学部を設置して、これは全部の国立大学夜間学部を設置すると、そういうふうには言っていないのであります。現在では非常に数が少い、特に四年制は数が少い。むしろ私立大学の方が相当私は力を入れていると思うのです。むしろ国立大学よりも私立大学の方が学生相当収容して力を入れている。これは私はもっと国立大学の方で力を入れてしかるべき問題じゃないかと私は考えているのですが、それを単にあまりもう学部をふやさないのだ、そういう方針だというので、勤労青少年教育の問題をそういうことで押えていくということは私はどうかと思うのですがね、そういう点いかがですか。
  10. 寺本廣作

    政府委員寺本広作君) 問題はやはり限りある財源をどういうふうに使うかという問題に絡んでくる問題であろうと思います。現在まで大学の数が非常に増加いたしておりまして、これの充実が当面の焦眉の急となっておる現在の状況でございますので、やはり数の増加を押えて、質の充実に充てていきたいと、かような考えをいたしております。夜間大学におきましては、お話通り私立学校が長い沿革をもって非常に力を入れてやっておられることはお話通りでございます。それでこれはそうした沿革のある、成績の上っておる学校でおやりになる、それを助成していくということで、当面の場合この勤労青少年好学意欲を達成するのには方策として立てらるべき方策ではなかろうかと、かように考えております。
  11. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この問題についてはこれぐらいにしておきまして、第二番の問題として、文部大臣は今後は国立大学内容充実重点をおいてやっていきたい、こういうお話でございました。それでその内容充実という問題でございますが、さしあたりどういう点に力を入れようとしておられるのか私はお伺いしたいと思います。その内容充実という問題もいろいろあると思います。しかしどういう点にさしあたり重点をおいて内容充実していきたいというふうにお考えになっているのか、この点をお伺いしたいと思います。
  12. 寺本廣作

    政府委員寺本広作君) 大臣が各種の委員会へ出られまして、大学内容充実についてこれまで答弁をしておられるところを要約して申し上げる方が適当であろうかと考えます。大臣考えられておりますことは、国立の各地方大学にそれぞれの特色を発揮さしていくような方向にもっていきたいというふうな考えでございます。各地方にあります国立大学をすべての学科を備えた総合大学に仕上げていくということでなく、それぞれの地方でそれぞれの沿革がある学校特色を発揮させることによってその内容充実さしていきたい、こういうことで明年度以降の大学に対する内容充実の手を打っていきたいというふうに考えておるところでございます。
  13. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今のお考えも私は一つのよい考えであると思いますが、しかし実際にそれではどこの大学がどういう特色があるかという点については文部省の方ではそういうことを明らかになっているのかどうか。しかも一般にそういう認められている、この学校ではこういう面について特色があり相当の成果を上げておる、だからこれは伸ばしていかなければならない。そういう点が各大学について、はっきりできるだけの具体性をもっているかどうか、お伺いしたいと思います。
  14. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 全部について申し上げますとこれは時間の問題もございますけれども、たとえば工学部といたしましても、静岡大学浜松工学部電子工学という点で特色があり、山梨の工学部醸造発酵工学という点で相当著明であります。あるいは群馬、福井等繊維工学であるというふうな面、また農学部につきましても、山形が米作単作地帯の農業あるいはある農学部畜産生産県として畜産に長ずるというふうに、土地の生産状況その他あるいは沿革によりましてそれぞれ現在ありまする特色政務次官お話のようにこの上とも長ぜしめて特色づけたいと考えております。
  15. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この問題につきましては日本学術会議からも政府に対して答申されておるといいますか、意見書が提出されております。で、その中には大学充実について、という表題で意見書が出されておるわけであります。その中の、いろいろ書いてありますが、非常に力を入れて要望している点は講座研究費、それから教官研究費、こういうものの増額をはかってもらいたいということが述べられております。こういう点について、大学内容充実についてはいろいろの問題があると思いますが、私はこの問題は非常に重要な問題であると思いますが、どういうふうにお考えになっておられますか。
  16. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) お話の点は大学充実の点で非常に重要な問題であり、御勧告を待つまでもなく文部省としては年々努力して参っております。たとえば講座研究費は先年倍額に直したことがあります。本年の御審議いただいておりまする予算におきましては庁費とかあるいはそのほか旅費の一部等多少は増額いたしておりますが、まだ十分とは申せないと考えております。また一番大事な教授力充実につきましては、やはり御審議いただいておりまする予算におきまして相当不完全講座充実を企図いたしておりまするが、これら教授力設備施設等につきましては、この上とも充実をはかって参りたいと思います。
  17. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そういたしますと、この講座研究費とか教官研究費というものは今後増額をしていくという方針であるというふうに承知していいわけですか。
  18. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) われわれといたしましては講座研究費教官研究費、また関連いたしまする科学研究費、これらは学術進歩教育充実のために今後ますます充実を期しております。
  19. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この講座研究費とか教官研究費旅費等に使われておるということが前の委員会等で若干指摘されたことがあります。これは私非常に重要な問題であると思います。これは旅費が不足しておるというふうなことから起っておるのかもしれません。しかしこういう費用がそういうために流用される、こういうことは非常に困る問題だろうと思います。どういうふうにお考えになりますか。
  20. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 講座研究費学生経費庁費等校費積算いたしまする積算基礎でございまして、その間もちろんこれは一体として使用すべきものであって、必ずしも流用するとか、あるいは紛淆が困るという性質のものではないと思いますけれどもお話のように、やはりなるべくなら積算通りに実施することが理想でありまするので、われわれといたしましては、ある年におきましては講座研究費そのもの増額をはかり、ある年においては周辺の経費である庁費学生経費あるいは旅費等増額をはかって今日に至っております。で、いずれの費用につきましてもそれぞれさらに充実する必要があると私ども考えております。
  21. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この講座研究費とか教官研究費光熱費とか、そういうために非常にたくさん使われてしまう。実際講座研究としての目的に利用される金は非常に少くなっていく。これの何分の一かに減ってしまうというふうな実情があるということを聞いていますが、やはり私はその周囲の予算ですれ、これをかなり増額してやらないと、せっかく講座研究費が組まれておっても、これが研究のためにほとんど使われない、こういう私は実例、事実があるのじゃないかと思いますがね。今局長はそういう点も考慮してやっていきたい、こういうお話ですから、これは今後大いに力を入れてやってもらいたいと思います。そうしないと非常に因る。
  22. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) お話通りでございまして、御審議いただきます予算におきましても、事務官出張費を従来三千円でありましたのを倍額に近い五千八百円に上げるというような点は、やはり御趣意のような考え方をもって講座研究費を助けたいという意図でございます。
  23. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それから第三番目の問題は学生定員の問題です。その中で今の学生定員の割り振りが国家要請に適応しているかどうかという問題についてお尋ねしたい。で、大まかに言って文科系統学生定員、それから理科系統学生定員、これが国家要請に適合したふうに考えられているかどうかという問題です。私は先日工学系統教授のみなさんと話し合いをする機会を持ったわけです。それから実際に産業界の人々もその中におられて、今日の大学学生定員については、工学部系統のいわゆる技術者ですね、そういう方面養成が不足しておるのではないか、そうして金のかからない文科系統の方が割合に多数を占めておる、これは国家要請からいって変えなければならんじゃないかという意見が出たことを記憶しております。この際そういう点を文部省としては、私は慎重に検討すべきだと思うのです。日本の今後の再建計画ともこれは関係のある問題だと思います。そういう問題についてどういうふうに考えておられるか。
  24. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 国立学校入学定員が約五万といたしますれば、そのうち二万三千が教育養成であります。それから一万七千が理工農医でございます。残りの一万が法経文学、いわゆる人文系でございます。従いまして人文系は全体の五分の一という程度になっております。私どもといたしましては、一般私立学校がどうしても人文系が多い関係がございますし、また経費関係等、国が力を入れますのがやはり理工系にありと考えておりまして、このところ、われわれが努力いたしておりますることは理工系充実でございます。今申しましたように、人文系が五分の一にすぎないというような数字は、決して世間で普通いわれておりまするように、国立学校人文系が過大であるということにはならぬように考えまするが、御趣意のような工学は将来とも充実して参りたいと考えております。
  25. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これは私は非常に大きな問題であると考えております。今五分の一というなにをお出しになりましたが、教員養成は別個の問題として考える必要があると思うのです。私は日本再建計画からいって、むしろ今後は理工科系統、この学生定員漸次やはり増加をはかる、そうして技術面の優秀な指導者養成に力を入れるべきではないか、こういうふうに考えているわけです。そういう点について局長答弁は、今のままでいいんだ、大体そういう答弁に受けとれるのですが、大臣からこれは伺いたいのでございますが。
  26. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) ちょっと私今来たばかりですから、局長から……。
  27. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 私も今のままでいいと申しているのではないのでありまして、先ほど申し上げましたように、文部省として充実いたしますのは、私学が人文系に非常に数も多いし、いろいろ経費がかかるというような点からみて、国立としては理工系産業振興、あるいは学術振興というような見地から、さらに充実して参りたいと、こういう増えであります。
  28. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 非常にうまい答弁で、さらに充実をしていきたい。しかし私にはよくわからないんですが、そういう文科系統学生定員理科系統学生定員の比率というものが、現在の状態で国家要請に適合しているのかどうかという問題です。私はもっと理工科系統に力を入れて、定員増加していく必要があるんじゃないか。私はここに文科系統を今減らせといっているんじゃない、もっと理工科系統を増員していく必要があるんじゃないかということをお尋ねしているわけです。
  29. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) これはやはり専門学科の種類にもよると考えております。絶対数におきましては、やはり昨年も今年も、理工科系統といえども、やはり就職に相当苦心いたしております。従いまして学術進歩その他とにらみ合せて充実すべき面がいかなる方面にあるかということを、将来ともまた検討して参らなければならぬと思っております。それからいま一つ人文系におきましても、従来文部省所管において一万という定員を擁しております人文系の大部分は、これは地方でございます。地方には私立大学がございませんので、従って地方の文理学部、その他人文学部等に依存する面がありまするので、文部省としては、やはり最小限度この程度人文系学生定員を維持しなくてはならないという考えをもって今日に至って参った次第でございます。
  30. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私は最近産業界の声として、技術者能力が戦前に比べて相当低下しているという話を聞くわけです。私はその方面のことをよく知りませんけれども、そういう声を聞くわけなんです。こういう問題は文部省の方でも、そういうふうな能力の低下を来たしているんじゃないかということについてはどういうふうに判断をしておりますか。
  31. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) この点につきましては、年々各方面の御意見をなるべく広く集めたいと心がけておりまして、お話のような御意見相当しばしば聞くわけであります。原因の一つは、今までここ二、三年に卒業いたしまする大学生は、中小学校以来、疎開とか勤労動員とか、あるいは途中における学制改革等に非常に悪影響せられまして学力が低下しておった要素が多いと思います。これらにつきましては、年々の卒業生が著しく改善せられておるという批判も広く伺うことで立証できるだろうと思います。いま一つは、新しい大学が、どちらかというと非常に広い、自分で工夫し、自分考えるというような基礎的学力養成に努めておる。これに対して昔の教育制度が、非常に細い狭い、しかし深い専門教育を与えておった。この学力の相違を、非常に狭く深いことをよしとして今日の卒業生をはかったといたしますれば、これは足りないと考えられるのでありまするけれども、同時に、将来応用の才能をもって伸びる人を養成するという点からみて、これはこれから先相当長い目をもって新しい教育が批判されることを期待いたしたいと思っております。
  32. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 その次の問題として教員養成の問題についてお尋ねいたします。この教員養成の建前としては、四年制の大学教育をするということが本則になっておるように私は承知しております。また今後そうでなければならないというふうに考えているわけなんですが、過渡的な出発として二年制というものを認めて参りましたし、現に二年制というのは相当数あるわけであります。けれども、今日の実情からいっても、漸次二年制の志願者というものは減少している。特に大都会のある府県においては、四年制を希望するものが非常に多いと思います。これは非常に私は望ましいことであると思うんです。また教員養成の本旨にもかなうような事情にまできていると思うんです。そういう意味において、今後二年制を全然廃止するということは私も若干問題があると思うんです。しかし漸次四年制にまで延ばしていく、こういうふうに考えていかなければならないと思うんですが、この点について文部大臣に私は所見を伺っておきたいと思います。
  33. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) 大体お話し通り考えておりまして、漸次四年の制度に置きかえていきたいと思っております。
  34. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そこでその次にお尋ねしたいのは大府県ですね、相当人口の多い府県、そういうところにおいては教員養成の、四年制の一大学ではこれは学生定員の上からいっても、学生定員が非常に膨大になるというふうな点からいっても、一学校、あるいは一学部、そういうことに私は限定して考えていくということは無理があると思う。そういう特殊事情は十分考慮されなければならないというふうに考えるわけです。これは前の機会において衆議院においても決議された、こういう特殊事情については文部大臣は考慮する必要があるとお考えになっておるかどうか、お伺いしたいと思います。
  35. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) だいぶ専門的なことになりますので、局長から一応お答えいたしまして、なお私が必要ならば申し上げます。
  36. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 一般の問題といたしまして、四年制、二年制の問題につきましては、近来漸次二年課程を減少いたしまして、四年過程を殖やしつつあるわけであります。そうしてそれがお話のように都会地あたりにおいてその傾向が大きく、また北海道あたり僻地等を持つ地域におきましてはその傾向が少いのであります。ただお話のように大都会といえども学部、あるいは二大学を設置する方がいいかどうかというような点につきましては、現在大学充実という問題が非常に要求せられておりまして、むしろ拡張は当分、充実を先として見合わさなければならぬというような現状におきまして、直ちに大都会といえども、こういう大学学部を増設するという点について、いきかねる問題だと考えております。
  37. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると、今の局長答弁は、衆議院文部委員会におけるいわゆる決議ですね、これは適当でないというふうに説明されたのですか。
  38. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 御決議の方角に別に反対ではないのでございますけれども、この問題と大学行政、あるいは一般文部行政全般とにらみ合いまして着手の前後、あるいは軽重緩急というようなことを十分考慮しなければならぬ問題だと考えております。
  39. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私はこの問題は明瞭にしておきたいと思うのです。決議の趣旨には賛成なのか、あるいは反対なのか、そういう点は明確にしておいてもらいたい、かように考えます。
  40. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 決議のねらわれました教員養成教育充実、特にその四年課程の大都会その他特殊地域における充実をはかるべしという点につきましては、もとよりわれわれといたしましても努力すべき課題であると考えるのでございます。ただこれを考えました場合に、決議の問題となりますると、具体的に北海道から九州に至るまで、関連する同じ問題を包蔵する大学が非常に数多くございます。ともにこれは解決を求めておるわけでありまして、その一つを取って他を捨てるというわけにはいかないといたしますれば、全体を通観いたしますれば、われわれの計画におきましては一応施設設備において二十数億、あるいは経常費におきまして三億の余、人員にして六百人以上の増員、これはかなり大学行政につきましても大きな仕事でございまするので、まだこれを実現するというような計画が立ちにくいということを申し上げておるわけでございます。
  41. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 次の問題は府県立医科大学、これは漸次国立に移管する、こういう方針を従来文部省はとってこられたと私は承知しております。特に戦時中に府県立医科大学相当発足いたしました。これが自治体の財政上経営できないというようなことから漸次国立に移管していく、こういう方針を私は文部省としてはとってきたと思う。この方針は今後もとられるかどうか。これは松村文部大臣方針ではそういうのは打ち切りたいというふうにもとれないことはないわけです。この法律にはたしか鹿児島県の医科大学国立に移管するという点が私はあったように思うのですが、まだほかに残っている点もあります。そういう点は文部大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  42. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) 私の新設大学に対する考え方は先般も申し上げましたようなわけでありまして、もちろん財政の都合がゆるせばそれはまた何ですけれども、現在県でやっておる大学を国へ移すというようなことは、ただいまの場合においてはいたさない方が適当であって、そうしてそれをもって内容充実に充てしむべきものだと考えております。
  43. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると松村文部大臣になってからこの点については方針が全然変った、こういうふうに解釈せざるを得ないと思うのです。
  44. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) 私、以前の方針は存じませんが、今度ここにこれだけ出しましたのは、これはすでに先に予約ができ、また予算が、準備のための予算ができただけのものを入れましたのでございまして、これからあとはしばらく整理充実の面に全力を尽したいと考えております。
  45. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 まあこの問題はこの程度にしておきましょう。  最後に文部大臣にお尋ねいたしたいことは、中央教育審議会、あるいは日本学術会議、こういう機関から文部大臣、あるいは総理大臣にあてていろいろの要望事項が出ております。こういう機関の要望に対して文部大臣は十分尊重をしてやっていこうというお考えを持っておられるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
  46. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) これは、学術方面の最高の機関でありますこれらの決議等は十分に尊重をしていきたい。それは財政の都合などで直ちに実現するほどにはいきませんまでも、尊重はいたして処理していく方針には変りはございません。
  47. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私はその内容の一々を今大臣にお伺いしようとは考えません。そういう十分尊重してやっていこうというお考えであれば、私はきょうのところはそれで十分でございます。ただその中に一つだけ問題としてきょうあげたい点は、大学に入学を希望する学生と、それから収容する学生定員との間に相当の開きがあって、非常に入学難を来たしているということは御承知の通りであります。この問題は私は非常にむずかしい問題であると思うのでありますが、文部大臣内容充実をはかっていくのだ、だから今後学生定員を増強するという考えはまずないというふうに受け取れるわけなんです。一方しかし大学教育を受けたいという希望者は非常に多い、この資料によると大体三分の一程度が入学できておるというふうにも私には考えられる。特に最近は高等学校を卒業して、そうしてそのまま大学に入ることのできるのは大体半数以下ぐらいじゃないかと言われておると私は聞いておるわけです。大学でもいろいろあると思いますが、普通国立大学の場合は、特に著名な大学においては高等学校を卒業してから一年とか二年とか、あるいは多いものは三年も予備学校に勉強して、そうして準備をしてやらなければ入り得ない。このことがまた一面高等学校大学の予備校的な色彩を出してきて、最近私はそういう色彩が相当強く出てきておると思います。こういう問題はやはり私は重要な問題として考慮されなければならぬというふうに考えるわけなんです。もちろん国の財政面からいって、にわかに学生定員増加をはかるということはできないかも知れません。しかし今申し上げたような実情は、私は等閑に付することはできない性質の問題だと思うのです。そういう面からいって、この問題については文部省としても十分検討をしていこう、あるいは検討をされたかどうか、あるいは文部大臣のこの問題に対する所見をこの際お伺いして私の質問を終りたいと考えております。
  48. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) 今お話の点は非常に重大でありまして、そうして困難な問題だと思うのでございます。今お話のような入学の志望者は三倍、五倍、甚だしきは十倍などというように激甚な状態でございますが、一面卒業した人たちの状態をみますと、これがまた今日では数万も職を得ないものがいるというようなことでありまして、その問の調整というものが非常に困難なのでございます。最高学府を一つの修養の場所としておる学生はきわめて少いのでございまして、多くはそれによって職を求めよう、そうしてその職を得ないという現実では、どうも入口の門戸を拡げて、そうして社会への入口は狭められているという現在の状態では、その間の調整を非常に必要とすることはお話通りであります。先刻のお話もございましたが、大体社会に要する年々の卒業生は詳しく一度十分調査をする必要があるということをこの間大学会議のときにもそういう話を承わりましたが、事実その通りだと思いまするししますので、そういういろいろの面から一つよく研究をいたして決定すべきことだと考えて、これはぜひ文部省としてもその調査に努力をいたしたいと考えております。
  49. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は文部大臣がお見えになりましたから、一点だけお尋ねしておきたいと思います。と申しますのは、私は四月の初めにアジアの諸国会議へ出席します前日に文部大臣に、下関の吉見の水濃講習所、これは農林省の所管になっている学校でありますが、学校とは言いませんけれども、実際的には学校のような教育をするところでありますが、その水産講習所を文部省に移管して、単科の大学にする意思はないかどうかということをお尋ねした次第でございます。ところが大臣は、ただいま聞いたばかりのことだから、よく研究しておくとおっしゃいましたが、すでにもう三ヵ月もたちますので、大臣には、いろいろ十分なる御研究ができたと思いますが、この問題についての所見をお尋ねいたします。
  50. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) そのことにつきましては、その後農林省からは何らのお話もございませんし、こちらから進んで大学にするということもまだ考えておりませんので、そのままになっているようなわけでございます。実は農林省あたりの増え方は、学問の研究もそうでございましょうけれども、訓練ということに重きをおいておりますので、これらのことはどういうふうに考えておりますか、私のほうにはその程度しかわかっていないのでございますが、さよう御了承をお願いいたしたいのであります。
  51. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は今大臣お話を聞いて、少々おかしくなったのです。と申しますのは、私がインドへ行きます前に水産庁の長官は、はっきり、文部省のほうの話し合いがつけばいつでも、今年度中に移管するような準備を整える。それについて文部省の、今ここには稻田局長もおられますが、稻田局長ともゆっくり話したいし、また課長さん級の方は、しばしばこの問題で具体的な話をしておられるように聞いておりますが、大臣はそのことについて一向関心がなさそうに聞えますが、どうでございましょうか。
  52. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) これは一つ局長からよく御説明を申し上げます。
  53. 安部キミ子

    安部キミ子君 ちょっと局長さんの発言待って下さい。私は大臣の所見が聞きたいのです。先ほども申し上げましたように、もう三カ月もたちますので、こういうふうに国立学校設置法の一部を改正する法律案というようなものが出ている以上は、この問題も含めて、文部省はすでに用意ができていると思って、実はきょうここに出たわけです。先ほどは大臣がお見えにならない様子でありますので、私は質問をしないというふうに皆さんには申しましたけれども、この問題はやはり大臣の肚を聞かなければ、ほかの局長さんやそのほかの文部省の方も、話のしようがない、方向の前進がないと思いますので、私は文部大臣の心からの決意と所信を聞きたいと思います。
  54. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) よく調べると申しておりましたが、その後になりまして、この大学移管には先刻来も申し上げました通り相当に詰っておりまして、すでに先に予算措置をいたしたもの、約束をいたしたものということに限らざるを程なくなりまして、農林省のものを移管するということまでは運ばなかったのでございます。さよう御了承をお願いいたします。
  55. 安部キミ子

    安部キミ子君 そうしますと、庁及び農林省のほうからは、大臣には一言もお話がなかったということになりますか。
  56. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) 私のほうから、それをこちらのほうへ下さいということは申したことはございませんです。
  57. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は水産庁ないし農林省から文部大臣に対して正式な申し入ればなかったかということを聞いておるのです。
  58. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) それはちょっとお待ち下さいませ。
  59. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 私のところにも、水産庁からあるいは講習所御当局から何らの申し入れはないのでございます。
  60. 安部キミ子

    安部キミ子君 そうしますと、私が四月以前にいろいろお話しまして、御承知のように稲田局長もいろいろな経過をお話しまして、九月には大学設置審議会にかけようかというふうに考えておるというふうな御意見も聞いたと思いますが、その後その話は水産庁からも全然話もないし、それから文部省でも全然この話を取り上げてみんなは討議しなかったということになるのですか。
  61. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 九月にかけると申したのではなくて、もし移管するということになれば九月を過ぎてはできないと、昨年の九月過ぎに申し上げた次第でございます。正式には水産庁長官からもあるいは講習所当局からも、文部省には別に移管を受けてもらいたいという話し合いはございません。ただ課長と課長との間において、一体大学になるにはどういう要件を備えたらいいかということを、先方の課長が私の局の課長のところへ聞きに来たことがたしか一回かそこらあるように記憶いたします。
  62. 安部キミ子

    安部キミ子君 大臣は今後大学についての考え方を、特色を発揮したような学校の形式にしたい、いわゆる総合学でなくて、そういうふうな単科の大学にしたいというふうな御意向があるやに先ほどの発言で承わったのでありますが、そういうことになりますと、当然この大学も単科の大学の行き方で出発しなければならないと思いますが、大臣はどういう考えでおられましょうか。
  63. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) それはちょっと私の誤まりであったかも知れませんが、特色を持たなくてはなりませんけれども、総合大学を単科大学に移すというような考えではないのでございまして、総合大学のうちにも特に特色を持たせる、こういうことを申し上げるわけでございまして、そこの学制の変革を意味するものではございませんのです。
  64. 安部キミ子

    安部キミ子君 そうしますと、国立学校設置法の一部を改正する法律案の骨子というものはどこにあるのですか、主目的。
  65. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) これは法律の改正法規でございまするので、具体的に予算に計上して新設する学部がどこそこであるということそれ自体を明示するのに意図したものだと考えております。
  66. 安部キミ子

    安部キミ子君 そうしますと、骨子という、目標というものなくしてただ法案を作ったということになるのですか。
  67. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) かくのごときいわゆる官制的な意味を持ちます法案はただ事実を事実として明らかにする以外には目的を持たない性質のものだと思っております。
  68. 安部キミ子

    安部キミ子君 目標がなくてそのような形式を逐って法律を出すというようなことがあるかどうか。これは大変私はおかしい話だと思いますが、どうでしょう。
  69. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 法案の理由といたしましては、国立大学学部及び大学院並びに国立短期大学の開設等について規定する必要がある。これが、この法律案を提出する理由であると考えます。
  70. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は教育というものは一つの目標がなければならないものだと思う。その下に教育が成り立つと思います。従って先ほどいろいろ荒木さんのほうからも国家要請にそぐわない教育をしている。たとえば理科系統が少いとかというような話もありました。また文部大臣は、国はどういうところに要請をしているかわからぬけれども、入学したいという人はたくさんあるのに学校は少い。あるいはせっかく学校を出ても就職ができない、こういうふうな矛盾したのが日本教育の現状だと思う。この行き方ではどうにもならないとおっしゃったのが先ほどの文部大臣の私は発言だと思う。そうすると、今の日本教育は一体何の目標があって教育機構が成り立っているか、教育というものがなされているか。私はこれは意味がないと思う。こういうことをそのままに放置しておくということは、文部大臣としてもまた国としても重大問題だと思いますが、文部大臣はどう考えられますか。
  71. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) お話の次第はよく承わりますが、これを出しましたのは、今日ではずっと学校の設立も法規によらざるを得ませんから出しましたのでございまして、これを出す一つ一つにつきましては、それはそれぞれの目的もあるわけでございまして、そういう意味においてどうか一つ御了解をお願いいたしたいと思うのでございます。
  72. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は教育というものは根本的な方針があって教育がなされなければならない。国の教育方針というものがこういうふうにあって初めて文部省はその方向に動いていくというのが私は文部省の行き方であり文部大臣教育方針じゃないかと思うのです。ところが今の日本教育はそうでなくて先ほど申した通りであります。私が今水産講習所を単科の大学にしてもらいたい、これは私個人の要望じゃありません。当然国の方針とすれば、今東京に単科の水産大学がありますけれども、またほかには総合大学の中に水産学部というものがありますけれども、地理的にもまた今後の水産上の立場に立って考えましても、当然下関のあの地に単科の水産大学を作ることが当然だし、また完全な大学の組織になっているその機構をそのまま水産庁ないしは農林省に移管して、文部省は知らん顔をしてこれを放って置くというようなことも私は相当責任問題だと思うわけです。当然教育機構は文部省に統合した一本のものにして教育はなされなければならないし、国の大事な予算も非常に合理的に国民が納得する方向に使ってもらうことが私は文部大臣としての責任でもあると思う。全国にたくさんの学校がありますけれども、他省の所管になっている大学というのはおそらく水産講習所だけじゃないかと思うわけです。このような状態に置かれて、私は農林省のほうから何の申し入れがないとか、あるいはこちらのほうから働きかけて話を持っていくことは物ほしそうに思われていやだとかいうふうな、そういう何といいますか、セクト的な気持でこの大事な教育を放置しておくということは私はどうかと思う。当然文部省は進んで、これではいけないのじゃないか、またその学生の立場に立ちましても、四年間も五年間も学校に行って教育を受けておりながら、大学卒業生という資格ももらえないし、中等教員以上の資格ももらえないというふうな立場では就職にも困るのだ。あらゆる観点から当然これは文部省に移管してもらって、そうして単科の大学の立場で、ことに日本が占めている水産業界の責任ないしは立場というものは非常に重大であります。これは私が申すまでもないことでありますので、積極的な文部省の動きが私は望ましいと思っておったわけです。先ほど申しましたように、私がこの話を大臣に御相談しましたときに、あれは四月の初めでありましたから、もう間もなく三カ月になります。こういうふうな大学問題が取り上げられるようになれば、当然この問題も何かの形で解決されようとする曙光が見えるのは当然だし、また今日の質問にしましても、私は大臣にりっぱな御答弁をいただけるものだと思っていました。私は大臣が先ほどお見えにならないから、この問題は出すまいと思いましたけれども、せっかく大臣もお出でになったし、この問題を放置しておけば、九月の大学設置審議会にもいろいろな用意が間に合わないということになりますので、私は今日大臣の御意見を聞きにきたわけでありますけれども、そういう事情でありますので、大臣お話を開きますと、余り関心もなさそうだし、また研究もしてお出でにならないようだし、また文部省の方も積極的に水産講習所へでも視察に行っていろいろなデーターをとってきて、こうこうこういう結論になるというような熱意もなさそうだということを見ますと、私は非常に遺憾だと思う。そして強くお願いしておくわけなんですが、九月の大学設置審議会に、この問題が当然持ち出されるように、水産庁ないし農林省の方にも積極的に働らきかけていただいて、妥当な結論が出ますように、これは要請といいますか、そういうお願いを兼ねてしておく次第であります。質問はこれで終ります。
  73. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 他に御発言ございませんか。他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べをいただきます。別に御意見もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。国立学校設置法の一部を改正する法律案議題に供します。本法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  76. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、本院規則第百四条により、本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続きにつきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     吉田 萬次  竹下 豊次     荒木正三郎  雨森 常夫     大谷 瑩潤  佐藤清一郎     川口爲之助  加賀山之雄     安部キミ子  村尾 重雄     松原 一彦   —————————————
  78. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、教育、文化及び学術に関し大臣に質疑のある方はこの際御発言願います。なければ前回の理事会において御同意を得ましたように、次の法案の審議に移りたいと思います。         —————
  79. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 次に、日本学校給食会法案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  80. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 速記を始めて。
  81. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 お尋ねいたします。現在財団法人日本学校給食会というのがありまして、そこで給食の世話いたしておるのでありますが、これを今回おやめになりまして、日本学校給食会というのを新たに設立される、こういう案になっておるようであります。もとより何かの必要があってこういうふうに制度をお変えになることであろうと思いますが、現在の財団法人日本学校給食会がうまく運営ができ得ないのでありましょうか。おそらくそうであろうかと思いますが、もしそうだったら、その状況をまず承わりたいと思います。
  82. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) ただいま御質問のように、従来学校給食用の物資の配給と申しますか、供給につきましては、ただいま御指摘のように、財団法人の日本学校給食会というものが、これは主として脱脂粉乳でございますが、やっておりまして、ただ、最近全国的に学校給食が非常に普及して参りまして、従って、日本学校給食会が取り扱う学校給食用物資、主としてこれは脱脂粉乳でございますが、非常に量が大量になって参ったのでございます。年間約一万トンに上る脱脂粉乳を取り扱うというようなことになって参りました。従って、こうした非常に大量の物資、従って、これに伴いまして、金額としてもかなり大きな金額のものを取り扱うということになりましたので、どうしてもこれは国の代行的な仕事というように考えられるわけであります。従って、こういった大きな仕事を扱うには、やはり法令の根拠の下に、もっと国の監督も厳にいたしまして、一そう徹底するということが必要じゃなかろうか、また場合によりましては、この特殊法人にいたしまして、国としてもこの給食会に助成をするということも必要になって参るというふうに考えまして、従来の財団法人日本学校給食会を解散して特殊法人にする、こういう趣旨の法案を御提出申し上げたわけであります。
  83. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 ただいまの御説明を承わりまするというと、別に現在の財団でもって運営にあやまちがあったとかいうようなことがあるわけじゃないが、一そう強化するために特殊法人の日本学校給食会というものにしたい、こういうふうの御説明のように承わりますが、財研法人そのままにおきましたならば、政府の監督、指導とかいうようなものが特殊法人にした場合よりも力の弱いものになるというような、そういうふうの使いわけはあるのでございましょうか。私は法律をよく存じておりませんので、その区別を、財団法人の場合と特殊法人にした場合とどれだけ法的に相違があるか、国の監督の上において、国の指導の上において。その御説明をお願いしたいと思います。
  84. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 先ほど申し落しましたが、現在の財団法人日本学校給食会に何か欠点がある、あるいは非違があってこの際これを特殊法人に改組するというわけのものではございませんので、私どもとしてはこの学校給食の仕事をよりよく円滑に行うという目的のために特殊法人にするということを実は考えておるのでございます。もちろん財団法人日本学校給食会で従ってこれこれの欠点があってということではありませんけれども、やはり先ほど申しましたように、これは所管大臣文部大臣になるわけでございますが、監督官庁としての監督の系統もはっきりさせる、場合によっては監督の命令もこの特殊法人に出すという規定も設けておりまして、法令の根拠のもとにこれを運行していくことの方が、一財団で、まあ、いわば隠密にと申しますか、まあ、はっきりしない形態のうちにこの大きな仕事をやっていくのはいかがなものであろうか、こういうふうに考えて、従って特殊法人になりますれば、学校給食の仕事も本来ならば国で直接やるか、あるいは国の代行的機関でやるべきものであるが、国でやるということになりますというと、これはまた非常に人員等も要するというようなこともありますし、そういった面から代行的機関としての特殊法人を作った方がいいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  85. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 私が申しまするのは、財団法人のままにしておきましても、政府の監督の手が及び得るものであったならばそのままにしておいてもいいではないか。それを組織をおかえになるについては、財団法人のままにしておいちゃ、法規の上で政府の手が、監督の手が伸び得ないような制限でも受けるようなことがあるならば、少しでも手の伸びやすい特殊法人に組織がえするということが必要であるであろうけれども、もしその不安がないならばそのままにしておいて、今までの指導、監督がゆるかったならばそれを強めていくということでいいのではないか。何か法律の根拠が、どこに違いがあるかというのが私の疑問なんです。
  86. 寺本廣作

    政府委員寺本広作君) お尋ねの御趣旨の通りでございます。財団法人であれば、御承知の通り民法の法人として民法の規定に基く主務大臣の監督権ということになります。文部省ではその主務大臣の監督権を行使するための省令を作って、省令に基いて監督いたしております。しかし監査であるとか、命令であるとかいうようなことは、民法に基く規定では十分に行えない状況でございますので、大量の物資を政府に代行して扱わせます関係もございますので、この際監督の権限を強化し、あわせて事務費の助成などをいたしたいと、かようなことで、まあ法律的な根拠をほしいわけでございます。
  87. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 そうすると、こういうふうに承わってよろしゅうございますね。その監督は政府としてできないわけではないけれども文部省としてはできるという点を今度変えまするというと、その点が伸びやすくなる。しかも、この給食の問題はもとより文部省が中心になってやるべきであると、こういうふうのお考えと了承してよろしゅうございますか。
  88. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 大体まあ政務次官がお答え申し上げた線でございますけれども、なお私ども特殊法人にいたしますと、職員も御承知のように公務員的な取り扱いを受けるわけでございます。職員の身分等も変って参ることになるわけであります。それからこれは、役員につきましては文部大臣が任免権と申しますか、解任権等も持って参りまして、従って先ほどの公務員的な取り扱いと合せて、まあ民法の財団法人と違って、罰則の適用も場合によっては受けるというふうなことも起り得るわけでございますので、監督権も従来の財団に比べて非常に強化され、強くなって参る、こういうふうに考えている次第でございます。
  89. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 ただいまのお話によりまして特殊法人となると、いわゆる官庁同様になる。従ってこれがちょうど育英会のようなふうになるものと解釈いたします。そうすると、従って会計検査というものも厳密に、私はこの措置というものがきわめて妥当であると考えております。  それからミルクの問題でありますが、大体これは農林省との関係が非常にあるのでありまして、今度農林省では酪農奨励のために六千五百万円の補助金を出しておりますが、ところが、この国内産ミルクの大体の量というものは、私が見たところでは脱脂ミルクを十二万トンだと思いますが、そのうち国内産が二千トンでありますが、これがポンド七十五円であります。それからアメリカから輸入するものがポンド十八円くらいだと想像いたします。そこで七十五円のものが補助金によりましてこれが六十円となる。その六十円というものと、この十八円というもののプール計算によりまして、大体府県においては二十円くらいのものになると思います。ところで運賃だとか、保管料だとかというものが児童の負担になって、事務費、連絡費あるいは検査費というようなものが国庫の負担となっているように解釈するのであります。これにつきまして今後六大都市に対する処置というものが別扱いになるように用いておりますが、そうでございましょうか。
  90. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 従来大都市に対しましても、県内に対する取り扱いは大体その県内にある都市を分けませんで、一県平等の取り扱いをさせて実はきているのでございます。この点につきましてはいろいろ意見がございまして、大都市には大都市の行政上の要望もあるし、大都市には学校給食に関する事務の総合的な企画、あるいは配給面もぜひやらしてもらいたいという要望も在来から非常に実は強くあったのでございまして、文部省としまてもいろいろ検討はいたしておったのでございますが、人口まあ大体五十万以上の都市については、一応その大都市の主管の行政としてその大都市に学校給食に関する企画的な仕事、あるいは配給に関する仕事もやらしたらいいのではないかという、一応の結論に達しまして、このたびの自治法にはそういった趣旨の法規の改正が出ているような次第でございます。
  91. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 これはきわめて重要な問題でありまして、六大都市というと、福岡も入ると思いますが、この大都市というものがもし切り離される場合を想像いたしますると、運賃、あるいはその他の面が非常に便利であって、大都市の生徒、児童というものの負担というものが非常に軽くなります。もちろんその土地に港湾があれば船によって直ちにそこへ運ばれる、しかも運搬ということはきわめて簡単に行われる、ところが山間の僻地へ参りますると、運賃とか保管料とかいうものが相当にかかると思います。それがプールによって計算されておりますると、県のうちでも受ける子供の恩恵ということが同じことでありまするけれども、しかしここに六大都市というものが別になりますると、私は愛知県でありまするけれども、名古屋での子供の負担というものとそれから僻地におけるところの山間の子供の負担というものがそこに変ってくると思います。私はなるべくこういうふうのことについて都市とか六大都市だけが特別な扱いを受けるというようなことなくして、一般が同じような恩恵を受ける、そうして負担の均衡ということがはかられるほうが適当ではないかと考えますが、大臣どういうふうにお考えになりますか。
  92. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 先ほどちょっと申し忘れましたのですが、在来は県内一本の区々的な値段でやっておりましたのですが、このたびの地方自治法の改正がありましても、できればその範囲を政令で定めたい、従ってまあ値段というようなものについてはなるべくただいま御指摘のありましたように、大都市は非常に交通の利便等もありまして安くなり、僻遠の地は非常に高くなるといったようなアンバランスがなるべく生じないように、できるだけその範囲は政令で定めるというようなことにして参りたいというふうに現在考えております。
  93. 松村謙三

    国務大臣松村謙三君) 今の局長答弁でおよろしうございますか。私も事務的のことはあれですが、やはり都会地方もできるだけ均一にいたしたいとは考えております。
  94. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 よろしゅうございますこれは。それからもう一つ、私はただいまの問題につきましてはなるべく均霑させていただくよう、六大都市の子供だけがというふうなことがないように、全国的にこれを処置していただきたいという希望を述べておきます。  それからもう一つ希望を述べておきますのは、この問題は農林省との関係が非常に深いと思います。従って生乳を飲ませるにいたしましても、地方的にあるいは脱脂乳を、これを使うにいたしましても、農林省のほうからも文部省に対する重圧が加わりはしないか。それからまた文部省が酪農奨励のためにどういうふうの方針をとってくるかも知れないということでありまするが、ただいま申し上げましたように、一ポンドの差でも、すでにどうかというと、七十五円と十八円というような差ができてきておるときであります。これは非常に大量のものでありまするから、従ってこの影響するところが大きいと考えます。従って文部大臣が農林省に対する立場というものもあると思います。従って相当いわゆる文教の立場からこの問題については関心をもたれまして、適当な方法を講じていただきたいということを希望を述べておきます。
  95. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 委員長からただいまの重大な御発言に対してお答えをしたいと思いますが、ただいまの吉田委員の御発言を尊重いたしまして、適当なる機会において農林当局からこの問題を聴取したいと思って、さよう取り計いたいと存じます。  なおこの際申し上げますが、文部大臣に対する他の要求もございますので、この際特に文部大臣に御質疑のある方は御遠慮なく御発言を願います。
  96. 川口爲之助

    川口爲之助君 この法案は一面において指導機関であり、また一面においては企業体でもあるように考えます。そこで事業の資金が借り入れ金とそれから利子補給、これによって賄われておると考えるのでありますが、万一給食費の不払い、もしくはその他の事故によりまして欠損を生ずるというようなこともないとも限りません。さような場合における経理関係はどういうことになりますか。
  97. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 日本学校給食会がただいま御指摘のありましたように一面指導と申しますか、普及の面の仕事もいたしますが、併せて物資の配給といったように企業的な仕事もいたします。この企業的な面で、たとえば月々粉乳の配給をいたしていきます上に、災害その他のような非常に大きな思わざる欠損が生ずると、非常災害のようなものについては、やはりこれは国の財政的な援助でこの欠損を補わなければならんと思います。しかし通常の経済関係から生ずるような、まあ経済変動と申しますか、多少の経済変動、その他まあ通常の欠損というようなことにつきましては、やはり学校給食を受けます学童、あるいは府県、父兄から徴収いたしまする学校給食費で、ある程度賄っていかなければならないものと考えております。
  98. 川口爲之助

    川口爲之助君 地方によりましては給食費の不払いがかなり多く出ているところもございますので、その種のものは、やはりその土地の学校なり、あるいは教育庁、いわゆる支所において整理をされることになりますか。
  99. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 事実地方で、実際学校で給食費の支払いのできにくいような子供もだんだんございますが、現状ではそれに対しましては市町村等でその経費をある程度持ってやっておるというものが相当ございます。また中にはPTA等でこの経費相当負担してやっておるというのが実情でございます。
  100. 川口爲之助

    川口爲之助君 この給食会の役職員でありますが、現在の財団法人の組織を拝見いたしますると、大部分が公務員によって組織されておる。今回の場合が兼職を禁止する、専任を建前とするということに相なっておるようですが、この組織はどういうふうになされますか、その点を承わりたいと存じます。
  101. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) これは現在の給食会、財団法人としての給食会は、従来文部省の管理局長が会長であり、理事長は専任でございますが、理事は大体関係のございましたところの、ことに府県の代表的な給食関係の職員というようなことで仕事をして参っております。今回の特殊法人になりました場合に、この役員といたしましては、理事長は大体専任、それから理事は三人以上五人以内ということになっておりまするが、実際に専任といたしまするものは一人でございます。それから幹事も大体一人。あとの理事あるいは幹事等についてはやはり関係各省の人間、その他まあある程度の兼職を認めざるを得ないことになると思います。この特殊法人としての予算につきましても、そうした建前で予算の編成をいたしております。
  102. 川口爲之助

    川口爲之助君 そういたしますと、兼職を禁止するという建前は、ある程度緩和されるわけですか。もしこの専任の者をもって充てるということになりますれば、相当程度に人員が減らされるのではないかと、かように考えますが、いかがですか。
  103. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) この法律案の第十三条に兼職の禁止ということで条項がございますが、ここにございますように理事長はこれは当然専任でございます。それから理事も専任は一人として、あとの二人乃至三人程度は職務の執行に実際に支障がないということを見定めて、これは兼職を認めざるを得ないようなことになっております。予算の建前からいたしましてもそういうふうになりますので、実際ここに、第九条に役員として載せてございます理事長一人、理事三人以上五人以内及び監事二人というふうになっておりますが、実際に専任者としてこの給食会の役員となる者は、ただいま御質問にございましたように、この表記通りの数字にはならない、ある程度減った数字になるということになるわけでございます。
  104. 川口爲之助

    川口爲之助君 この給食会の運営に対する予算を拝見しますと六千万何がしかということになっております。そのうち五千万が施設補助費、それからして競りの一千余万円が事務費、運営費ということになっておりますが、今私の申した専任の者をもって充てるならば、一千余万円の経費相当軽減されるのではないか、かように考えます。そこでなるべく兼任をやめて専任の者でやってもらいたい、かように希望するわけです。
  105. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 日本学校給食会の事務費に対する本年度の予算は、先般資料の御要求がございましてお配り申し上げたと思っておりますが、本年は大体四月から九月までは財団法人としての経費で組まれておりますし、十月以降がこの特殊法人ということで組まれております。財団法人としましては三百九十五万八千、それから特殊法人として六百九十九万五千ということになっております。ただいまお尋ねの件でございますが、専任者を多くするということは、これは専任者として給与を相当やはり出さなければなりませんので、かえって特殊法人としましては役職員の給与が増してくるということになると考えております。
  106. 川口爲之助

    川口爲之助君 この会の取り扱います物資、これは脱脂粉乳と麦でございますか、この二つに限られておると思いますが、その他に何か取り扱う予定はございませんか。
  107. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 従来財団法人といたしまして扱って参りました主たる物資、学校給食用物資といたしましては、これは先ほど来御説明申し上げましたような脱脂粉乳でございます。ほとんど業務の大半はこの脱脂粉乳の取扱いということでやっておりましたのですが、それ以外にも多少地方の御要望等もございまして、水産のカン詰を取りまとめて農林省等とも話し合いまして、ごあっせんをしたこともございます。将来この特殊法人に切りかわりました場合を考えてみますと、やはりさしあたっては在来の財団法人の現状でいくことになると思いますけれども、遠い先のことになりますと、やはりいろいろ地方で要望しているもの等もだんだんございますので、そういった面、たとえば何と申しますか、マーガリンであるとか砂糖であるとか、そういうようなものもある程度考えて給食用の物資として取り扱われるような要望もございますので、そういうものも時期が参りますれば勘案することになると考えております。
  108. 川口爲之助

    川口爲之助君 先日本会議において大臣は国内産の粉乳それからなま乳の団体給食をいたしたいと、こういうふうにおっしゃられました。このなま乳を団体給食するということは、今畜産振興法の問題もございましたが、その面から見ましてきわめて重要な問題であります。なま乳を給食するということになりますと、地方によりましては不可能な所もございますが、可能な場合におけるなま乳の給食の方法、そういったようなものは、どういうことに取り扱われますか。この点を一つ
  109. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 学校給食を実施いたします建前といたしまして、やはり食生活の改善ということとあわせまして、父兄の負担ということもある程度考えざるを得ないわけでございます。で、先ほど来御質問にもいろいろございましたが、現在まことに残念なことでございますけれども、国内産の脱脂粉乳にいたしましても、またなま乳にいたしましても、従来外国から輸入した物に比べて比較的割高でございます。従ってなまのままで脱脂粉乳にいたしましても、なま乳にいたしましても、これは学校給食に比しますと、父兄の負担が非常に高くなってくるということもございまして、かなり障害が実はあるのであります。ただ脱脂粉乳等につきましては、本年度から多少農林省の方にも学校給食にのせる脱脂粉乳に対する援助としまして予算が取れておりましたので、そうしたものを取るつもりでおります。なおなま乳につきましてはこれはただいま御指摘のありましたように大体酪農地帯が中心でございまして、酪農地帯等で比較的手軽になま乳を採用することができる所につきましては、従来も文部省としてもできるだけなま乳を採用するように勧奨をしておるわけでございます。可能な地帯ではできるだけそういった方法をとっていただいて、衛生的な面から間違い等も起らないような工合で、できるだけそうしたものを採用してもらいたいということも考えております。  いずれにいたしましても文部省としては、やはり学校給食を通じまして、あわせて国内の酪農というものが振興されるということになりますれば非常な幸いであるというふうに私どもとしては考えておる次第であります。
  110. 川口爲之助

    川口爲之助君 大体話はわかりました。なま乳につきましては一つこれから力強く指導していただきたいと、かように考えております。以上で終ります。
  111. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 ここに給食法が出ましたにつきまして、余剰農産物による小麦の輸入ということが根幹になってこの問題ができたのかと思います。またこれを機会に、かような法案ができたということはすこぶるけっこうなことだと思います。これはたとえ余剰農産物がないようになりましても継続しておやりになるかどうか、お伺いいたします。
  112. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 実はこの時期はたまたま符合したのでございますけれども学校給食会の特殊法人化ということにつきましては、在来からも学校給食関係で非常な要望がございました。私たちとしては前からいろいろ検討して参ったのでございます。従って今後この余剰農産物の受け入れということが何年あるか、この点はわかりませんけれども、そういったものが打ち切られることがありましても、この学校給食用物資の配給という面については、この学校給食会が取り扱っていくようにいたしたい、こう考えております。
  113. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 私はここで希望を申し述べるのでありまするが、学校給食におけるミルクあるいはパンですね。パンというようなものが非常に味が悪くて、そうして本当に子供が給食というものに対してなれるというような点が比較的薄くないかと思います。従ってここで砂糖でも少量加味するということにおいて一そう効果的にこれが実施せられるのではないか。しかも砂糖そのものは蔗糖にいたしましても果糖にいたしましても粗糖にいたしましても、カロリーの面から考えまして非常に私は重要なものだと思う。ことに政府がかような問題に対し干与しておやりになるということだったら、巷間買うところの砂糖と違いまして非常に安く手に入る、しかも子供が喜んで給食に応ずるというような点から考えましても、私は非常に砂糖の輸入ということ、砂糖の配給ということが大切なものだと思いますが、これに対する当局のお考えはどうであるか、承わりたいのであります。
  114. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 乾燥脱脂ミルクにつきまして、学校の先生あるいは給食を受けます子供の中にうまくない、味が良くないというようなことできらっておるという風評も確かに私どもも承わっております。実際いろいろな方面の先生のお話を承わりますと、確かにそういった子供もあるけれども、順次そういった子供も給食を受けておる間には、なれて来る者も多いようだというようなことになっております。私どもも脱脂粉乳というものが御承知のように非常に栄養上価値の高いものでございますので、そういった面で味の改善等も行なってもらって、できるだけおいしく飲んでもらうというようなことに努力をしてもらいたいということで、関係者に対していろいろ指導を実はしておるわけでございます。  ただいまお話のございました砂糖の点でございますが、そういった面も一つの方法かと思っておりますが、ただこれはまあ強制的にそれをやらせるということになりますと、やはり父兄負担ということも合せて考えなければなりませんし、ただそういった面から強制的に全国的にこれをやれということは申しませんけれども、なお希望のある向きに対しては学校給食会の方で将来検討して需要を取りまとめて、そして場合によってはこれを農林省等とも話し合いまして配給するということ等も考えてみたいと思います。
  115. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 それからせっかくこの法案ができまして、今度実施の面についてでありますが、実施するということに対して学校そのものから考えまして、これに対する専任とまでは費用がなくていかんでしょうけれども、これに対して関心を持ち、これに対して指導をするという私は人がなければならんと思うのです。先生の中で、かような問題に対して衛生上からもあるいはその他の方面からも、これに対して指導をするところの立場の人、しかもこれを監督して、そして伝染病なんかも防ぐというような方面から考えましても、指導者というものが非常に必要なものだと思う。従来見て参りますというと、かような炊事に等しいものは女の先生がやるものであって、男の先生が干与するものではないというふうに考えられておったのでありまするが、本当にこの問題を実施し、そしてこの問題に対する意見を持つのは男のしっかりした先生でなければならんと思うのです。そうすると、そういうふうの人がやはりその学校に対して一人や二人は私は必要なものじゃないかと、かような点から考えまして、いわゆる栄養士というようなものが雇える学校でありまするならばけっこうでありますけれども、おそらく農村へ行きましたならば、さようなものを雇うという余裕はないと思います。従ってそれに対して講習でも開いて、そして実際面に当るところの人間を養成する心要がありはしないかと思うが、それに対してどんなお考えを持っているのですか。
  116. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 学校給食を実際行います上で、いろいろ人的な組織の面で、現在ではまだ不十分な面がございます。例えばただいまお話のございましたように衛生面を担当します者、あるいは栄養的な指導面を担当いたしますそういった者につきまして、最近は相当学校給食の普及と共に、ある程度そういった面の人的組織も順次整備されては参っておりますけれども、まだ相当不十分なところもございます。文部省といたしましても従来財団法人の学校給食会と協力いたしまして、全国的に学校給食の関係指導者の講習会、ことに栄養管理の面あるいは衛生管理の面についての指導者の講習会というものを、年間ブロックにわけまして何回か実施して参っておりますが、今後もこういった面もこの特殊法人になりますれば、より一そう強化されて実施されることになると思います。
  117. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 それからもう一つ、父兄の負担の方面についてでありまするが、この給食はいいということを知りながら、しかもどうだというと廃止した所が相当あると思います。その原因が何であるか。しかも設備までして廃止したのは何であるかと言いますと、これは家庭の負担であります。この家庭の負担ということでありますが、大体子供が学校へ通うようになりますと、続いて二、三人通うのが普通の家庭だと思う。そうすると、一人に対する費用というものが三倍あるいは四倍になるおそれがあります。しかもそれが俸給の生活者である、あるいは相当な収入があるという人でしたならば、これが実施はきわめて楽で、金を出し得るでしょう。しかしその日その日にかせいだ金によってこれを負担するということでありますと、一回にこれを徴収するというような費用というものは、おそらくこれはないと思うのであります。従って負担の方面から、かような問題に対して、でき得る力を持っておりながらでき得ないという、いわゆる準要護家庭でなくて、そうしてしかも負担にたえ得ないような者が相当私はあると思う。かような問題が各地方に惹起しまして、そうしてこの給食方面に対する実際の実行をはばんでおるようにも考えられますが、もちろんかような問題まで文部省として指導するとか、あるいはいろいろあっせんするとかということはでき得ないと思いますが、一通りかような点は考慮せられなければならんと思いますが、かような問題に対しても何とか考慮がしてもらえるものでしょうか、どうでしょうか。
  118. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 従来設備をしたにかかわらず、あるいは施設を作ったにかかわらず廃止したものもございます。実はその非常に大きな原因となりましたのは、昔と申しますか、四、五年前から無償給食、アメリカからの贈与物資でやっておりましたのが、その後有償に切りかわったということで、その以後父兄の負担が非常に重くなりまして、従っておやめになった所もございますが、最近またそうしたものの中で、だんだん再開されておる所も出てきておる現状でございます。いずれにいたしましても父兄の負担が重いということのために学校給食が伸びないということは非常に残念でございます。先ほどお尋ねもありましてお答え申しました中に、そういった給食費の払えない児童のために、市町村等でいろいろ苦心いたしまして、市町村等で一部分を持ってやっている、あるいは学校のPTA等でその経費の一部を負担しているというようなものもだんだんあるわけでございますが、文部省といたしましても、ここ数年来、ただいま御指摘になりましたような準要保護児童に対して、何とか擁護の手をのべたいと思って、いろいろ工夫しておりましたが、現在まだ実施し得ることになっておりませんけれども、もし事情が許せば、将来余剰農産物等が入ります際に、でき得れば準要保護家庭の児童に対しては幾分でもこの負担を軽減するような方法を、できれば講じたいということで、今研究中でございます。
  119. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 ごくこまかい質問でありますが、条文で意味のわからないところがあるので、お尋ねしたいと思います。  第四条の二項に、「必要な地に従たる事務所を置く」というのがありますが、これはどのぐらいの数になるものですか。
  120. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) この第四条の第二項の「従たる事務所」でございますが、まあでき得るならば、中央の財団法人日本学校給食会を特殊法人に改める際に、中央地方を通ずる機構の充実ということで、各府県程度に特殊法人の事務所を置きたい構想も実はあったのでございますけれども予算等の関係で、これは本年度はそれを見送るということになっております。しかし将来財政の事情が許すことになれば、各府県にそれぞれ特殊法人の出先と申しますか、支部と申しますか、そういうようなものを置いて、一体的に配給業務等を行いたい、こういうふうに考えております。
  121. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 そうしますると、第五条に、定款に掲げる事項が規定してありますね、事務所の所在地というのがありますね、三に。これをそんなにたくさんのやつを一々ここに掲げることにしますると、定款の変更をするときには、文部大臣の認可を受けなければならないということになっているかと思うのですが、大へんわずらわしいことじゃないかと思います。主たる事務所ぐらいでいいじゃないかというのが私の疑問なんですが、その点いかがでございましょうか。
  122. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 創設の際のさしあたりの事務所の所在地、第五条の第三項の事務所の所在地は、現在の中央に置かれます東京都におかれます主たる事務所だけを掲げるつもりにいたしております。
  123. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 意見はこの際述べないつもりでありますが、簡単でありますから申し上げますが、もう法律がこれでできますと、これを主たる事務所というふうな意味だとおっしゃるけれども、この事務所の所在地という言葉を使っておけば、従たる事務所を当然含むのです。そうすると、法律の改正手続をもう一ぺんおとりにならなければならない。むしろ主たる事務所ぐらいのことにしておけばいいのじゃないかと、事務的のことは私はよくわかりませんが、四条に、主たる事務所、従たる事務所と、はっきり二つ並べて書いてありますから、ただ事務所と書いておきますというと、当然これは両方含む。そうすると法律の改正を、もう一ぺんやらなければできない、あるいは定款の変更の場合、文部大臣の認可をそのつど、地方の小さいものを御変更になるような場合、認可を得なければならない、こういううるさいことが起るのじゃないかと思うのです。この点は一つなおお考えになったらどうかと思います。  それから第十二条の「給食会と理事長又は理事との利益が相反する事項については、」これはどういう場合が予想されるでありましょうか。いろいろありましょうが、一、二の例でも結構であります。
  124. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) この第十二条の役員と給食会との間の利益の相反する事項でございます。大体まあ抽象的に考えられますのは、給食会と役員との間に売買がこれはあり得ると一応考えられます。それから、あるいは貸借と申しますか、そういったような売買とか貸借というようなものを一応想定しております。
  125. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 理事長が専任でなくて他を兼任している場合ですか。兼任しない専任の場合でもやはりそういうことが考えられるわけですかな。
  126. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 一応専任者としても個人としてというようなことも考えられるのじゃないかと思います。
  127. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 第十二条ですね。「理事長及び理事は、他の職業に従事してはならない。」ただし書きに「文部大臣がこれらの役員としての職務の執行に支障がないものと認めて許可した場合」、これはどういう場合を予想しておられるのですか。
  128. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) まあ先ほど来申しましたように、理事長につきましては、これは兼務を認めないという考えでおりますが、理事の一部につきましては特に関係官庁の中から適任者が任命される場合、関係官庁の中のその関係の官吏等で適任者が任命される場合、これは兼務を認めざるを得ない場合が生ずると思うわけであります。それから監事につきましては、別にこれは兼職を禁止しておりませんが、先ほど申しましたように予算の面から大体一人だけの監事の有給監事が認められておりますので、他のものはやはり適当なものがございますれば、兼務をさせるということになると思います。
  129. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 そうすると、会社の重役とかいうような人が理事長なり理事を兼務するというようなことはお考えの中にはないわけですね。
  130. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 大体今お尋ねの通りでございます。そういうことは一応考えておりません。
  131. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 第二十条の「売渡価格について、文部大臣の認可を受けなければならない。これを変更」するときも同じだ。これは先ほどもちょっとお話が出たようでありましたが、今度地方にいろいろな違ったものが余り多くない量において売買されるというような場合を予想しまするというと、すべてそれを一々文部大臣の認可を受けなければならないというような窮屈な規定にしておいては、ずいぶんめんどうが起りはしないかと思いますが、その点はいかがでございますか。
  132. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 現在の財団法人、日本学校給食会のやり方を御説明申しますと、脱脂粉乳につきまして、輸送費の関係を除きまして、一ポンド全国的共通に幾らということに一応いたしております。それにそれぞれの府県までの輸送費を加えたものを売り渡しの値段といたしております。従って売り渡しの値段をきめます場合に、各府県別の輸送費を除きまして、他は全国的に大体一ポンドあたり幾らという共通の値段で売り渡すということにいたしております。
  133. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 現在の配給といいますか、売り渡し物資については、大体問題ないかと思いますが、その後さっきちょっとお話が出ましたが、それぞれ地方別に新しいものが加わっていく、供給されるものにですね。そういう場合を予想してお尋ねしているわけでありますが、それらは幾らもふえないから、そのままで多少の面倒をみてやってもいいというお考えかとも思いますけれども、その点はいかがですか。
  134. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 実際に各府県あるいは市町村で学童が給食を受けます場合の一々の売り渡し値段にまで大臣の方で認可をするというようなことには考えて私はおらないわけでございます。大元の点での売り渡し価格という点について一応考えております。
  135. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 その書き方でそういうふうに言えますかね、「前項の」という。  それからこれは立法の形式のお尋ねですがね、二十八条の三項で「第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」と、こうありますね。こういう種類の条文というのは、ほかの法律にもございますか、例が。ちょっと注意的な規定でありまして、何かあまり見なれない私としては条文だと思っておりますから気がついたのですが、これは書かぬでも当然そのことだろうと思います。これは注意的な規定だろうと思いますが、何か特別な理由でもございますか。
  136. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 大体特殊法人関係の法規にはこういったものが入っておるようでございます。そういった面から申しますと、一種の例文的な規定になっておるようでございます。
  137. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 ほかにもたくさんございますですね。
  138. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) はい。
  139. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 それから三十一条に、「農林大臣は、給食会に対して、随時、その業務及び資産の状況に関し、報告をさせることができる。」、これは農林大臣の立場としてはこういうふうの考え方が起るだろうと思いますけれども、直接の監督の責任は文部大臣にあるということになるだろうと思っておりますが、この際両方からいろいろな報告を要求されるということになると、ずいぶんうるさくはないか、できるならば文部大臣、農林大臣に、その必要を感ぜられる場合には、文部大臣を通じてというようなことにでもしたらどうか。この二項に農林大臣文部大臣に何なりを求めることができるというような規定もありますので、そういうふうに一本にまとめた方が、少くとも給食会の方は助かるのじゃないか、こういうふうなお考えがあるのですか。それは何か農林省と文部省との間にいきさつがあったことじゃないかと思いますけれども、いかがでございますか。
  140. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) この学校給食用の物資につきましては、これは農林省といたしましても非常なる強い関心を持っておられます。で、この給食用物資の配給ということが、やはり国内のいろいろな農産物の消費面で非常に大きな影響がございますので、農林省としては、ある程度学校給食会に対して指導監督の権限も持ちたいという希望も実はあったのでございますが、いろいろ話し合いをいたしました結果、学校給食会に対する監督官庁は、二十六条にございますように文部大臣一本である。従って監督命令も文部大臣が命令を出すということにいたしているのでございます。ただ、ただいま御指摘のありましたように、農林大臣としても、ある場合については文部大臣を通じてこの監督命令を発することを文部大臣に求めるということができるようにしておりますが、あわせて三十一条の第一項で、これは給食会に対して報告をさせる、この程度のことは、実は現在の財団法人日本学校給食会でもこの程度のことはやっておりまして、その間別に農林省との間にトラブルを起すというようなこともやっておりませんので、この程度は認めてもよかろうということで、この条文を出しております。
  141. 吉田萬次

    ○吉田萬次君 各府県に対して、この各府県が融資をしておりますこの問題に対して、いわゆる運賃と保管料というものに対して、府県相当な額の融資をしております。私の県で申しますると、二千万円からこれに対して融資をしている。地方財政の窮乏の折から、こういうような問題に対して融資をすることに対して、困っている県があるやに聞いておりますが、この融資に対して何らかの補助とか何とかいうようなことはできるものでしょうか、どうでしょうかということと、それからもう一つ寺本次官にお伺いしたいと思いますのは、私の方では相当砂糖を要求しております。ことに蔗糖のカロリーということから考えまして、精製の砂糖ではなくして、砂糖というものに対してこれを加えるということは一挙両得のように考えまするので、この砂糖というものを要求した場合に、文部省としては、これに対して何とか方法を立てていただいて、便宜をはかって配給ができるようにしていただけぬかということをお伺いしたいと思います。
  142. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 初めの府県学校給食会でやっておられますいろいろな、そういう諸掛りに対する補助と申しますか、融資に対する補助の点は、いろいろ名府県でも御要望はございますようでありますけれども、現在ではそこまで特殊法人としては扱い得る段階になっておりません。将来の問題として研究させていただきたいと思います。  それから後段の方の脱脂粉乳に加えまする蔗糖の問題でございますが、在来も各府県から御要望もございまして、農林省等とも話し合ったことがございますが、値段の点等でなかなか折り合いのつかなかったことが実情でございます。
  143. 笹森順造

    委員長笹森順造君) 日本学校給食会法案の審議については、本日の委員会はこの程度とすることに御異議ございまませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 笹森順造

    委員長笹森順造君) それではこれにて散会いたします。    午後三時四十八分散会    ————・————