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安部キミ子君 私は
教育というものは根本的な
方針があって
教育がなされなければならない。国の
教育方針というものがこういうふうにあって初めて
文部省はその方向に動いていくというのが私は
文部省の行き方であり
文部大臣の
教育方針じゃないかと思うのです。ところが今の
日本の
教育はそうでなくて先ほど申した
通りであります。私が今水産講習所を単科の
大学にしてもらいたい、これは私個人の要望じゃありません。当然国の
方針とすれば、今東京に単科の水産
大学がありますけれ
ども、またほかには総合
大学の中に水産
学部というものがありますけれ
ども、地理的にもまた今後の水産上の立場に立って
考えましても、当然下関のあの地に単科の水産
大学を作ることが当然だし、また完全な
大学の組織になっているその機構をそのまま水産庁ないしは農林省に移管して、
文部省は知らん顔をしてこれを放って置くというようなことも私は
相当責任問題だと思うわけです。当然
教育機構は
文部省に統合した一本のものにして
教育はなされなければならないし、国の大事な
予算も非常に合理的に国民が納得する方向に使ってもらうことが私は
文部大臣としての責任でもあると思う。全国にたくさんの
学校がありますけれ
ども、他省の所管になっている
大学というのはおそらく水産講習所だけじゃないかと思うわけです。このような状態に置かれて、私は農林省のほうから何の申し入れがないとか、あるいはこちらのほうから働きかけて話を持っていくことは物ほしそうに思われていやだとかいうふうな、そういう何といいますか、セクト的な気持でこの大事な
教育を放置しておくということは私はどうかと思う。当然
文部省は進んで、これではいけないのじゃないか、またその
学生の立場に立ちましても、四年間も五年間も
学校に行って
教育を受けておりながら、
大学卒業生という資格ももらえないし、中等教員以上の資格ももらえないというふうな立場では就職にも困るのだ。あらゆる観点から当然これは
文部省に移管してもらって、そうして単科の
大学の立場で、ことに
日本が占めている水
産業界の責任ないしは立場というものは非常に重大であります。これは私が申すまでもないことでありますので、積極的な
文部省の動きが私は望ましいと思っておったわけです。先ほど申しましたように、私がこの話を
大臣に御相談しましたときに、あれは四月の初めでありましたから、もう間もなく三カ月になります。こういうふうな
大学問題が取り上げられるようになれば、当然この問題も何かの形で解決されようとする曙光が見えるのは当然だし、また今日の質問にしましても、私は
大臣にりっぱな御
答弁をいただけるものだと思っていました。私は
大臣が先ほどお見えにならないから、この問題は出すまいと思いましたけれ
ども、せっかく
大臣もお出でになったし、この問題を放置しておけば、九月の
大学設置審議会にもいろいろな用意が間に合わないということになりますので、私は今日
大臣の御
意見を聞きにきたわけでありますけれ
ども、そういう
事情でありますので、
大臣の
お話を開きますと、余り関心もなさそうだし、また
研究もしてお出でにならないようだし、また
文部省の方も積極的に水産講習所へでも視察に行っていろいろなデーターをとってきて、こうこうこういう結論になるというような熱意もなさそうだということを見ますと、私は非常に遺憾だと思う。そして強くお願いしておくわけなんですが、九月の
大学設置審議会に、この問題が当然持ち出されるように、水産庁ないし農林省の方にも積極的に働らきかけていただいて、妥当な結論が出ますように、これは
要請といいますか、そういうお願いを兼ねてしておく次第であります。質問はこれで終ります。