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政府委員(
小林行雄君) ただいま上程になりました
日本学校給食会法案について、補足して、その大要を御
説明申し上げます。
日本学校給食会は、第一条の目的に明らかでありますように、
学校給食用物資を適正円滑に供給し、あわせて
学校給食の普及充実とその健全な発達を図り、もって
学校教育の一環として実施される
学校給食の目的の達成に寄与せんとする特殊法人でありまして、本
法案は、この
日本学校給食会の設立、組織、業務及びその運営、給食会に対する監督及び国の助成等に関して必要な事項を規定することを
内容とするものであります。以下、本
法案における主要事項について、御
説明申し上げます。
第一に、給食会の供給する
学校給食用物資とは、
学校給食の用に供する食品等で、
文部大臣の指定するものをいい、現在その主たるものは乾燥脱脂ミルクであります。給食会が取り扱うミルクの量は、年間を通じて莫大な数量に及んでおります。
給食会は、これらの
学校給食用物資を、政府の計画に従って買い入れ、営利の目的を介入することなく適正な売り渡し価格を定めて、全国的に公正円滑な供給業務を行うとともに、さらに政府の施策に協力して
学校給食の普及充実に関する業務等も行うことになっております。これが特殊法人の主たる事業であります。
第二に、給食会は、第九条の規定により、役員として、
理事長一人、
理事三人以上五人以内及び監事二人を置くことといたしております。これらの役員は、給食会の業務運営の責任を負う機関であります。
役員は、第十一条の規定により、給食会の目的を達成するために必要な学識経験を有する者のうちから、
文部大臣が任命することとなっておりまして、専任者を建前としておりますが第十三条の規定により、役員としてその職務の執行に支障がないものと
文部大臣が認めて許可した場合は、他の職業に従事することができます。また第十四条の規定により給食会の役員及び職員の地位は、特に、この法人の性質上刑法その他の罰則の通用について、法令により公務に従事する職員とみなすことにいたしております。
第三に、給食会の業務の適正な運営を図るために諮問機関として、評議員会を設けております。評議員会は、第十五条及び第十六条の規定により明らかなように、十人以上十五人以内の評議員で組織され、定款及び業務方法書の変更、毎事業年度の
予算、重要な財産の処分または重大な義務の負担、訴訟又は訴願の提起及び和解その他給食会の業務に関する重要事項で定款で定める事項について、
理事長の諮問に応じ、又は必要と認める事項について建議することを主たる任務とするものであります。
評議員は、第十七条の規定により給食会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、
文部大臣が任命することになっており、その任期は役員と同様に一年となっております。
第四に、給食会の供給する
学校給食用物資の売り渡し先とその売り渡し価格の規制に関することであります。給食会が行う
学校給食会用物資の供給は、第十九条の規定により、
文部大臣が指定する者以外の者に供給してはならないことになっており、かつその売り渡し価格についても第二十条の規定により
文部大臣の認可を必要とすることといたしております。
これらは要するに
学校給食用物資が適正かつ効果的に利用され、
学校給食法第二条に規定する
教育目標の実現を促進するとともに、児童の保護者が負担する給食費を極力軽減せしめようとする趣旨にほかならないのであります。
第五に、定款及び業務方法書の変更、
予算及び決算については、
文部大臣の認可または承認を受けることを要するものといたしております。又給食会は、第六項の規定により、
文部大臣が監督するものでありまして、
文部大臣は給食会に対して監督上必要な命令をなし、
報告を徴し、または所属職員をして立入検査をさせることができるのであります。しかしながら、
学校給食用物資のうちには、農林省に
関係のあるものも予想されますので、
文部大臣と農林大臣が協議して定めるものに関しては、その売り渡し価格、業務方法書または事業計画の認可をする場合には農林大臣の同意を得てしなければならないことになっております。
なお、第三十一条においては、農林大臣は給食会に対し、随時その業務及び資産の状況に関し、
報告を徴し、また
文部大臣に対して第二十七条の規定に基く監督上の命令を発することを求めることができることも規定しているのであります。
給食会の助成に関しては、第三十二条の規定により国は
予算の範囲内において、給食会の
事務に要する経費を補助することができることになっております。これらの監督及び助成に関する諸規定は給食会の業務の特殊性及び公益性に基くものでございます。
第六に、給食会の設立に関する
事務は、付則第二項以下に規定しておりますように、
文部大臣が設立
委員を任命してこれを処理させることにいたしております。設立
委員は、それにふさわしい学識経験者のうちから任命されるわけであります。
第七に、財団法人
日本学校給食会は、給食会成立の日に解散し、その権利義務は給食会がこれを承継することにいたしております。
最後に、この法律の施行期日は、準備のための期間も必要がありますので、
昭和三十年十月一日といたしております。
以上がこの
法案の大要でございます。何とぞ御
審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。
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