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矢嶋三義君 そこで総括しまして、
先ほど来の
大臣のお
考えを承わっていますと、私は
教育の
振興という
立場からは、簡単に申すと、
文部大臣は
教育環境の
改善整備ということをお
考えになって、その
立場から
文教政策をお
考えになっていると、か
ように了承しました。しかもその
教育環境の
改善整備というものを、
予算を伴わない、物心で言うならば、精神的な方面に非常に
重点を置かれて、それで
教育政策を
展開し
ようと、こういうことを
考えておられることが明確になりました。これはまことに
政党の大領袖であるし、政調会長も勤められ、
わが国の財政経済全般に通暁されておる
文部大臣らしく、また
松村文部大臣個人の性格面も表われているかと、私はつくづく今感じているわけですが、私はこの一面は、とやかく申すわけではありませんが、半面非常に欠けているのではないかと思うのです。
予算を伴う面は、私は非常に影が薄くなっているのではないか、
日本の
教育界は、私は冒頭に申し上げました
ように、
わが国の現在の政界における第一流人物と自他ともに認めている
松村国務大臣を
文部大臣に迎えたということは、いろいろな期待もございましょうが、今の困窮しておる
わが国の財政界において、できるだけ
教育予算を確保することによって、もちろん精神的な面もあるわけですが、その
予算の裏づけのある
教育政策を
展開することによって、子供の成長と幸福を守る
ような、か
ような社会を作る
ようにしていただきたい、か
ような私は、
日本の
教育界の希望というものが、期待というものが
大臣にかけられていると思うのです。私はその角度から見た場合に、このたびの
予算というものは、総括的に私は非常に期待を裏切るものではないかと思うのです。具体的にはいずれ
事務局を相手に数的に
審議して参りたいと思いますけれ
ども、たとえば、父兄が最も悩んでおるところの、また父兄の
負担にかかっているところの
教育施設面については、大体七%程度の削減を一律にやられております。特に、御
承知の
ように、市町村合併促進とともに、新たに施設を建築しなければならないという事態は、至るところに生じているわけですが、それが逆に減額をされて参る。さらには理科
教育振興法、産業
教育振興法あるいは
義務教育国庫負担法に基く教材、図書館法に基く
予算、こういう
教育の実質的
展開面に必要な
予算というものは、一律に一〇%から、廃業
教育振興のごときは二〇%近くも減額されておる。これはすべて父兄の
負担にかかって行くものであり、その父兄の
負担ができない場合には、それだけ
教育というものは、
予算面から低下、崩壊していくわけでありまして、この点に関する私は
文部大臣の期待は非常に大きかったと思うのですが、その点が今度の
予算面に具体的に現われていない点を、私は全国の
教育関係者とともに遺憾に思うのでございますが、
大臣はどういう御所見を持っておられるのでありましょうか。