○竹下豐次君 その重点的に取り扱う必要があるでないかという問題につきましても、大臣御記憶になってないかもしれませんが、前の
委員会で、私そういうことを申しまして、大臣のそのときの御
答弁では、いろいろ複雑な問題もからまって、なかなか簡単にそういうことに手がつけられないような問題もあるが、よく
研究してみたいという御
答弁があったのであります。そのときに私いろんなこの問題、地方問題としても政治問題などがからまってなかなかうるさい問題になりましょう、御
研究をよくお願いしましょうということでそのままにお別れしたわけてあったのであります。今でもその
考えは私は少しも変っておりません。いろいろ
考えてみましても、ある地方にある総合
大学のうちの一つの
学部をやめてほかに回すというようなことにかりにするというと、その問題を簡単に
考えると、それは地方の問題としてはいかにも自分たちの
大学が虐待されたというようないやな気分がする問題で、これは政治的にも複雑な問題が起りかねないというふうにも一応
考えられるのでありますが、しかしそれを他に回すかわりにほかからは自分の
大学にある他のつまり重点的に観察される
学部のほうを増大してもらうということになりますれば、結局差引勘定同じということになりまして、地方としても損得はない。残るところは集中された
学部というものができる、またいい先生も集まるし、卒業生もよく
学校を卒業することができるということになって、ぜひそういうことをすることが必要じゃないか、かように私は
考えておる次第であります。しかし非常に一番厄介なのは政治問題がからまるということじゃないかと思っております。それにまた
予算も幾らか検討しなければならないことになりますから簡単じゃございません。骨の折れることだと思いますけれ
ども、これはぜひ一つやっていただく方向でもってこの問題は中央審議会のほうに諮問していただきたいものだと私は
考えておる次第で、私の希望をつけ加えて申し上げておきます。
それから
大学院の問題についてお尋ねいたします。実はこの間当
委員会から三重県それから岐阜県、兵庫県三ヵ所に
調査に出張に参りました。そのときに神戸
大学に行きましたのでありますが、神戸
大学、もうおそくなりまして暗くなってからで長話するひまがなかったのでありますが、学長さんから一番
最初聞きました声は、私の
大学には七つ部がある、そのうち三つだけに
大学院がある、ほかはないのだ、非常に困りますからみな置くように一つお計らいを願う、こういう御発言だったのであります。これは学長のお立場としては自分の支配し預かっておる
学校の七つのうち三つしがなくて、あと四つがないというのですから、ほかの
関係の
学部長からいえば、いかにも学長から虐待されたような気持を持ちやすいことでありまして、
学部長としてはこれはそういう発言のあるのも、その立場のみを
考えれば無理のない発言と私は聞いたのであります。しかしそういうことでもって各
学部の実質の検討が足りないで、そうして内輪の均衡とかというような
考え、それのみじゃなかったのだろうと思いますが、もしそういうことがあるとすれば、これはみなを
大学院にしなければ困るのだ、各
大学部に
大学院を置かなければならないということになってしまう。そんなことはとても許さるべきことじゃない、しかしそういう発言をたまたま聞いたのでありますけれ
ども、あるところから想像しまするというと、各
大学長とも全部とは申しかねますが、大かたどの学長もなるべく
大学院を置いてもらいたいという希望を持っておられる、そういうまた運動が
文部省に対してさかんに繰り返されるのじゃないかということを私は気づかうのであります。とてもそれを一々お受けになることはできないし、また受け入れてもらっては困る。それを受け入れるということになったら、申すまでもなく
大学院のレベルというものをうんと下げるよりほかにしょうがないのであります。そういう点についてどういうふうのお
考えを持っておられますか。
それからなお神戸
大学で出ました話の一部分でありますけれ
ども、私は無遠慮に私の意見としては申しませんでしたけれ
ども、一部の意見にはこういう意見があるという形で申し上げたのでありますが、今のように
大学院をたくさん作っておいたらレベルが下ってしまって、ほんとうの大栄院の
研究というものはできなくなるのじゃないか、そんなことだったら外国の
大学院などにも負けてしまう心配はないだろうか。むしろこれをしぼって少数に集中してほんとうの
研究のできる
大学院を作ることのほうが今のゆき方よりもいいのではなかろうかという説を持っている人がありますけれ
ども、いかがでしょうかという
質問をこっちから出してみたのでありますが、ところが
学部長さんがたいていおそろいでありますから、私の発言に対してはみんなこうやってよく聞いておられるのでありまして、そうして最後に一人の先生の発言でありましたが、それは
大学院の上に、もう一つほんとうに力がある
大学院を作ってもらわなければだめであります、こういう発言があったのであります。私もそういうふうに実は平生思っておる次第であります。もっとも
文部省のほうであるいは今度重点主義と申しますか、たとえば
東京大学の
大学院にはうんと力を入れてやる、ほかの
大学院にはそう言っちゃ悪いけれ
ども、あまりそう力を入れないのだというような
予算の配分でもされる、あるいは
教授の陣容問題についてもお
考えになるというような
考え方があるとすればそれは別でありますけれ
ども、今の
大学は平等というような
考えでゆきましたならば、
東京大学などにしても今までの
大学院の
研究費よりも下ってしまう心配があるのじゃないか。この
大学院の
研究というものが
一体いいものであろうかどうであろうかというよりも、私はそれじゃとてもだめなんだから、この際思いきってこれを少くする、今指定されたものを取り上げるようにというところまで申し上げるのじゃございませんが、少くともあまりふやさないようにできるだけ重点主義にりっぱな
大学院に仕上げてもらいたいという念願を持っておるわけであります。この点大臣どういうふうにお
考えでございましょうか。