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1955-06-28 第22回国会 参議院 農林水産委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十八日(火曜日)    午後二時三十八分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     江田 三郎君    理事            白波瀬米吉君            三浦 辰雄君            戸叶  武君            千田  正君    委員            青山 正一君            大矢半次郎君            重政 庸徳君            飯島連次郎君            溝口 三郎君            森 八三一君            亀田 得治君            清澤 俊英君            小林 孝平君            三橋八次郎君            東   隆君            棚橋 小虎君            菊田 七平君            鈴木 強平君   政府委員    農林省農林経済    局長      大坪 藤市君    通商産業省鉱山    局長      川上 為治君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       倉田 吉雄君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    林野庁指導部長 藤村 重任君    水産庁生産部長 増田  盛君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十年四月及び五月の凍霜害、  水害等被害農家に対する資金の融  通に関する特別措置法案内閣提  出、衆議院送付) ○農林水産政策に関する調査の件  (行政機関職員定員法の一部を改正  する法律案に関する件)  (漁業用燃油に関する件)  (狩猟に関する件)     —————————————
  2. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  3. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記をつけて。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案につきましては、内閣委員会の方で審議中でございますが、本日午前中に内閣委員会と当委員会との連盟審査をいたしまして、その際かねがね当委員会で問題になりました点を、委員の各位から申し述べていただいたわけでありますが、なお、この際次に読みますような申し入れをいたしたく存ずるわけであります。一応案を読んでみます。      案   昭和三十年六月二十八日       参議院農林水産委員長           江田 三郎  参議院内閣委員長   新谷 寅三郎殿    「行政機関職員定員法の一部を    改正する法律案」に関する申入ただいま貴委員会において御審議中の「行政機関職員定員法の一部を改正する法律案」について、農林省農林経済局統計調査部食糧庁及び林野庁等の主として現場に勤務する職員定員は、本日の貴委員会と当委員会との連合審査の過程において御了承の通りはなはだ実情に沿わないものがあり、その際問題になりました輸入食糧着地検査神奈川食糧事務所のサイロ及び農作物の被害調査等の状況はその一例に過ぎないのでありまして他にもかような不合理は数々見受けられ、この結果は、せっかくの施設の機能を阻害して国家経済上かえって不利損失を招いている現状でありましてはなはだ遺憾に考えられます。つきましては本法律案が可決せられます場合には、政府においてかような不合理を一刻もすみやかに是正するよう貴委員会の格別の御措置を願いたく 右当委員会の総意をもって申し入れます。  御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それではこれを申し入れいたすことにいたします。     —————————————
  5. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 次に、昭和三十年四月及び五月の凍霜害水害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法案議題にいたします。  本法律案は去る六月二十五日衆議院において修正議決され、同日本院送付、直ちに本委員会に付託されました。本法律案につきましては、去る二十三日の委員会のお取りきめによって本日残余の質疑を終り、直ちに採決に入ることにいたしたいと存じますから御了承願います。それでは御質疑を残されておる向きは直ちに御質疑をお願いいたします。  御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御異議ないものと認めます。ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  7. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記をつけて。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  8. 森八三一

    ○森八三一君 ただいま議題になっております昭和三十年四月及び五月の凍霜害水害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法案に対しましては、きわめて災害の発生すること遺憾でありますが、発生いたしました災害をすみやかに救済いたしまして、特に当面国家的な要請である食糧自給体制を確立するために、措置が講ぜられなければなりませんことは言を待つまでもありません。発生いたしました四月、五月の凍霜害を初めとする災害に対して、この措置だけでは十分ではないと思いますが、とりあえず本措置が講ぜられますことは急を要する問題でありますので、私は本案賛成をいたすのであります。しかし今後かような不幸なことが発生いたさないと保証をするわけにも参りませんきわめて遺憾な天然条件に置かれておるわけでありますので、この際以下申し述べまする付帯決議を付したいと思います。  一応付帯決議の案を朗読いたします。      案    「昭和三十年四月及び五月の凍霜害水害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法案」に対する付帯決議  一、本年六月の水害及び雹害等の災 害については、速かに被害調査を完うし、その救済に関して法的措置を講ずべきである。  二、第三項の基本的立法措置が講ぜられる以前に災害が発生した場合、その救済に関して、政府は、それが国会開会中であれば直ちに法的措置を講じ、又国会が閉会中であれば遺憾なくつなぎ措置を講じて必ず次期の国会において法的措置を講ずべきである。  三、この際政府は、従来或は今回採られたように災害の都度法的措置を講ずる遣り方を改めて、恒久的な基本立法を行うよう善処すべきである。
  9. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ほかに御意見ございますか。  他に御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。昭和三十年四月及び五月の凍霜害水害等被害農家に対する資金融通に関する特別措置法案を問題にいたします。  本案を原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手
  11. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 全会一致でございます。よって本案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました森君提出付帯決議議題といたします。  森君提出付帯決議案を本委員会決議とすることに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手
  12. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 全会一致と認めます。よって森君提出付帯決議案は、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告内容、第七十二条による議長に提出すべき報告書の作成その他事後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 異議ないものと認めます。よってさように決定いたしました。  なお、報告書には多数意見者署名を付することになっておりますから、順次御署名を願います。   多数意見者署名     白波瀬米吉  三浦 辰雄     戸叶  武  千田  正     青山 正一  大矢半次郎     重政 庸徳  飯島連次郎     溝口 三郎  森 八三一     亀田 得治  清澤 俊英     三橋八次郎  東   隆     棚橋 小虎  菊田 七平     鈴木 強平
  14. 江田三郎

    委員長江田三郎君) この際右の付帯決議に対して政府の決意を確かめておきたいと存じます。
  15. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) 今回政府といたしまして御審議を願いました昭和三十年の四月及び五月に発生いたしました凍霜害水害等に対しまする資金融通に関する特別措置法案につきまして、慎重御審議を願いまして、本委員会において御可決下さいましたことを厚く御礼申し上げたいと思います。  ただいま本法案の可決に当りまして、付帯決議をされたのでありまするが、付帯決議のうち第一項の六月の水害ひょう害につきましては、九州地方、北海道、東北地方、この地方にもうすでに災害が発生いたしておるのであります。この災害地につきましては、目下鋭意調査中でありますので、調査のまとまり次第、本付帯決議趣旨に沿って措置をして参る、かように存ずるのであります。  第二項の点につきましても、今後不幸にして災害が起きました場合には、この付帯決議趣旨を体しまして、政府といたしまして遺憾のない措置をとって参りたい、かように存ずるのであります。  第三項の恒久立法の問題でありまするが、この問題につきましては目下政府部内でいろいろ検討いたしておるのであります。また閣議におかれましても本問題につきましていろいろ御検討中であるのでありまして、私どもといたしましてもこの問題は目下きわめて重要な問題じゃないか、かように考えておるのであります。付帯決議趣旨を体しまして、今後検討して参りたい、かように考えておるわけであります。
  16. 重政庸徳

    重政庸徳君 今の説明では中国を落したのじゃないですか。中国もすみやかに調査して、その方法を講じなければならぬ。
  17. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) 概括的な例示をあげましたので……。
  18. 重政庸徳

    重政庸徳君 例示というてもほかの所は全部羅列して、中国だけ落しておる。
  19. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) 失礼いたしました。中国調査いたさせますので御了承願います。
  20. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 ただいまの例示には、同様に関東にも起っておりますが、それも落ちております。その点御訂正を願います。
  21. 清澤俊英

    清澤俊英君 新潟も落ちています。
  22. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) 北関東、新潟中国その他例示を落しましたことにつきまして陳謝いたします。全国各地にわたって調査いたします。
  23. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 四国も落ちておりますからどうぞ……。     —————————————
  24. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは次に漁業用燃油の件を議題にいたします。漁業用燃油の価格と需給を合理化いたしたい意図をもってかねて全漁連全国漁民を代表して石油類輸入外貨割当を要請されてきておりまして、この問題につきまして昨日は全国漁民大会を開かれ、また先ほど代表者から陳情がなされましたので、ただいまからこの問題について政府当局の見解を聞き、御協議を願うことにいたしたいと思います。
  25. 青山正一

    青山正一君 水産庁関係はどなたがおいでになっておりますか。
  26. 江田三郎

  27. 青山正一

    青山正一君 まず鉱山局長なりあるいは水産庁の係官に特にお聞きいたしたいのは、衆議院におきましては昭和二十九年十二月十六日、この問題に関してすでに決議がなされておる、それから参議院におきましても昭和三十年一月二十三日をもってこの問題に関して決議がなされておる。さらに昭和三十年四月三十日、これは二カ月前ですか、衆議院農林水産委員会におきましても、これは同様の決議がなされておりますのですが、こういう決議に対しまして、鉱山局長はどういうふうにお考えなすっておられますか。ただおざなりにこの決議をお読みになったかどうか、あるいは気持の上にそういうお気持を持っておられるかどうか、その点について承りたいと思います。
  28. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私は昨年の暮あるいは今年の初めにおきましても、参議院におきましても、また衆議院におきましてもそういう決議がございましたことはよく承知しております。またその決議の場面にも私出席いたしておりますので、その決議に対しましては私は十分尊重いたしておるわけでございますけれども、ただ外貨割当につきましてはこの委員会におきましても再々申し上げましたように、通産省としましては現在の段階におきましては外貨割当をするということはどうしても困るという考えを持っておるわけでございまして、問題は値段を引き下げることがやはりこれは第一義的な目的であるというふうに考えますので、私どもとしましては、四月一日からA重油についてある程度の値下げを実行して参ってきておりますけれども、さらにまたA重油及びB、C重油につきましても十分検討をいたしまして、農林省十分連絡をとりました上で、善処したいというふうに考えております。
  29. 青山正一

    青山正一君 通産省当局の方では通産行政秩序を乱すから外貨割当をしないと、こういうことがいつも理由になっておるわけでありますが、その通産行政秩序を乱すと、こういった理由一つあげていただきたいと思うのです。
  30. 川上為治

    政府委員川上為治君) 通産行政秩序を乱すという話も、必ずしもそういうことではございませんが、私どもの方としましては、外貨割当ということはこれはなかなかいろいろな問題があるわけでありまして、これはこの委員会におきましても何べんか申し上げておりまするけれども、現在重油外貨につきましては全体的にだんだん減っておる傾向にあるわけでございまして、しかもその減っておる中で、従来外貨を受けておりました業者の数は相当数に及んでおりますので、もしこれを漁連に認めるということになりますというと、それだけそれらの業者に対しまして割当てられる外貨が少くなることでもありまするし、また元売り業者あるいはその特約店系統業者からなるべく配給することが、これが現在の情勢におきましてはいいのではないかというふうに考えておりますので、そういう点から申しましても、この際外貨を特別に消費者団体に割り当てるということはどうかというふうに考えておるのであります。また単に漁業者団体だけではなくて、これはいろいろな方面に波及して参りまして、結局ほかのものもどうしても認めなくちゃならぬというようなことになりますというと、外貨の割り当てが非常に困難になってくるというようなふうにも考えますし、また輸入そのものにつきましては従来やはりそうした経験とルートを持ちましたものになるべく外貨を与えて輸入させた方がよくはないかというふうに私ども考えておるのであります。外貨を与えなくても何とかして値段を下げて配給を円滑にするということに努力をいたしますれば、その方で何とかやって行けるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  31. 青山正一

    青山正一君 かっての全漁連、いわゆる戦争前におきましては非常に資材関係配給は順調に全漁連がやったわけでありますが、そういったことを御存じかどうか、たとえば今あなたのおっしゃっておることは、漁業者が三万か五万くらいしかいないというふうな考え方でおそらく進んでおるのじゃなかろうかと思うのです。三百万人なりあるいは四百万人の漁業者がおるのだ、しかも非常に食糧の増強のために力を入れておる、こういったことを果して御承知になっておるかどうか、その点が非常に私どもにとっては遺憾に思われるわけであります。たとえば先般来問題になっておりますところのノリ輸入の問題、あるいはこういった問題に関しましては、あなたと同じ省の通産局におきましては非常に当委員会気持をよく考えて、そうしてこの生産者の建前をよく考えておるように思われるわけでありますが、この鉱山局はどういうわけでこの一部外貨割当をもらっておるそういった業者のみに重点を置くか、その点が私どもは非常に不思議でならないのであります。こういった点につきまして、さらにもう少し詳しくお聞きいたしたいのと、それからもう一つはその前に水産庁自身はただいまこの鉱山局のおっしゃった言葉を是認なさるかどうか、その点についてはっきりお答え願いたいと思うのであります。
  32. 川上為治

    政府委員川上為治君) 今、通産省といたしましては、やはり外貨割当は、インポーターに対しまして、すなわち従来の経験を持っておる輸入業者に対しまして極力外貨を割り当てるというような方針でやっております。これは私からそういうことを申し上げるよりも通産局の方からそういうようなことを申し上げた方がよいと思うのですが、しかしこれはどこまでも原則でありまして、中にはそういうような措置をとっていないものもあるわけでございます。石油につきましては、私どもとしましてはやはり従来経験を持っており、またタンクの設備とかそういうものを相当量輸入基地等において特に持っておるもの、それからまた輸入先との連絡が十分あるもの、そういうようなものに対しまして外貨割当をして、そうして輸入をさせたいというような考えを持っておりますので、私は朝鮮のノリの問題については詳しくは存じませんけれども石油についてはそうした考えでやはり外貨を割り当てて行った方がよくはないかというふうに考えておるわけでございます。
  33. 増田盛

    説明員増田盛君) 鉱山局長からいろいろ鉱山局としてのお立場のお話があったのでありますが、この点に関しましては、本問題に関しまして私どもが折衝を始めました当初からあまり変っておらぬように承わっております。私どもといたしましては先ほどいろいろおあげになりました理由に関しまして、やはり現実問題といたしまして、実際の取り扱い上鉱山局が現在までおやりになっております行政方針といたしましても一貫しておらぬように見受けられます点がありますので、その点に関しましては一々反対の御意見を申し上げ、なお、さらに業者としての実績あるいはタンク等施設に関しましても、これが将来全漁連がりっぱにこういう施設を持ち得るし、現在におきましても相当の規模の施設を持っておる、こういう点も強調してあります。しかしいろいろ私ども折衝いたしました結論におきまして、結局通産省方針としては今後新規の業者は絶対に認めない、こういう方針をごく最近において確認したばかりであるので、どういう理由があってもやはり外貨割当には応ぜられぬ、こういう強い態度に終始しておられますので、実はその点で外貨割当に関する限り、交渉が頓挫しておるというのが実情でございます。
  34. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記をとめて。   〔速記中止
  35. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記を始めて。
  36. 青山正一

    青山正一君 以上後ほど千田君なりあるいは委員長からも発言もあろうと思いますから、一応私の質問はこの程度にしておきます。
  37. 千田正

    千田正君 今、青山議員からのお尋ねに対して鉱山局長お答えがあったのでありますが、私はちょっとその点は立法機関行政機関との間の問題であるので、確かめておきたいと思うのであります。それは衆議院水産常任委員会においても決議をもって全漁連に対して燃油割当をすべきである、参議院水産委員会からも同様の決議がなされて、政府に対してその旨を申し入れたのでありまするが、ただいま鉱山局長お答えによるというと、その席上に自分もおってよく聞いておる。聞いておるが水産行政立場からどうしてもそれは了承するわけにはいかない、外貨割当に関してはかんべんしてくれ、こういうのでありまするが、行政機関立法機関からの申し入れに対して、何ら顧慮することができない、全然考えられない、こういうのですか。あるいはまた外貨割当ができないが、それにかわるべき何かを考えておる。それだから申し入れのことは十分わかりますが、ただいまの通産省立場からは外貨割当はできないが、かわるべき処置をしたい、こういう考えですか、それとも全然この水産委員会の両院の決議は無視するというのであるかどうか、そのお答えいかんによっては、私はこれは立法機関立場から衆議院なりあるいは参議院なりの院議をもって政府に対して警告を発しなければならぬ、鉱山局長の確信のあるところのお答えをいただきたいと思います。
  38. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私は、この参議院及び衆議院水産委員会におきまして決定されましたその決議につきましては、先ほども申し上げましたように、十分尊重申し上げますということを申し上げたのであります。またこの問題につきましては、大臣ともよく相談をいたしております。また与党の政調会におきましてもこの問題についてはいろいろ検討されたことも聞いております。私どもとしましては、この委員会及び衆議院水産委員会決議に対しましては、十分尊重をいたしております。ただ私は外貨割当ということ以外に、何とかして値段を下げることが、決議に対しまする私はやはりその線に沿った措置ではないかというふうに考えますので、このA重油についてはこれはあるいは水産業者団体の方から見ますというと、値下げの額が少いとおっしゃるかもしれませんが、その問題についてはさらにわれわれとしては調査し、検討もいたしますけれども、私としましてはA重油について四月の一日から約七百円程度下げて、いろいろな措置をとっておりますし、またB、C重油につきましても、たとえ関税がかかりましても、そうかからないような措置も講じたいというふうに考えておりますし、またA、B、Cの各重油について、なおそれでも値段が高いというようなことでありますれば、これはいろいろ現在われわれの方で調査もいたしておりますが、その調査が十分でき上りましたならば、われわれとしましてもこれは十分善処をいたしたいというふうに考えておるわけでございまして、あるいはその他の方法につきましても現在農林省とも連絡をとっていろいろ検討をしておるわけでございまして、水産業者の方々の御意見に対しましても、あるいはこの委員会決議に対しましても、われわれとしては十分善処をしたいというふうに考えておるわけでございます。
  39. 千田正

    千田正君 去年以来鉱山局長お答えはわれわれが要求しておる面と多少違っておる、というのは、これは水産庁も特に考えてもらわなくちゃならないのは、値段が高いから下げろ、だから外貨を割り当てろと、こういう一点張りでわれわれは要求しているのではないのであります。もちろん値段が高いから生産者にとっては非常にこれは困る、これは内容検討するというと、中間業者に搾取されておるから、生産者みずからが安いものを作って国の役に立てたい、こういう熱望であるのはもちろんでありますが、値段さえ下げればいいじゃないかという通産省側考え方は、これは一般のいわゆる半分の理論にしかあてはまっておらない、われわれの要求はそういう通産省値段さえ下がればいいじゃないかという観点とはおのずから幅が違う。われわれのは、今の水産業の一番大きな問題は何かというと、この燃油の問題で農業でいえば肥料と同じことである。しかも資本漁業は別としましても中小漁業並びに沿岸漁業零細漁民のためにはどうしても農業肥料にかわるべきところの燃油というものは、この漁業育成団体であるところの、指導団体であるところの漁業協同組合がその燃油なりあるいはその他の資材を供給することによって、多数の、あるいはこの一般漁民生活を保護し、そしてその生活の向上をはからなくてはならないという、こうした一つの効率的な、また漁民の要望にこたえる漁業協同組合一つ財政確立のためにも必要であるという面をあなたがたは考えておらない。これは通産省とすればもちろん値段さえ下げればいいだろうと、こういうことであるかもしれませんけれども、われわれからはそうはいかない、今、日本水産業のいわゆる外国輸出を担当する面というものは非常に大きい。現在あなたが外貨割当てておるところの油の輸入業者が、果してしからば外貨獲得にどれだけの貢献を日本のためにやっておるか、しさいに検討してみるというと、その半数はおそらく外貨獲得のために働いておらない。生産者が汗水たらして働いておって、そうして何とかして国のお役に立てようとして、そのために、育成強化の根本方針として油を必要とするのだと、こういう一つの筋道の立った問題に対してはお触れにならない、非常に要領のいい逃げ方であります。あなたがたの考え方からいえば、行政の対象はあるいはそうした商業に関する人たちの立場考えなければなりますまい。しかしわれわれ漁業立場から立つというと、日本いわゆる半分をしょっておるところの基礎産業であるところの漁業、さらにひいては国際漁業であり、かつまた輸出に寄与するところのこの生産業者に対して、当然安い油を供給し、そうして国際市場においても日本の生み出したところの水産物を外貨獲得のために役立たせなければならないということにおいて、それこそ滅私奉公の立場でやっておる、そういう点を考えておらないという点を私は非常に残念に思う。そこで私は水産庁にお願いするのでありますが、一体こういう問題は今の川上鉱山局長のお話のように、値段さえ下げればいいというものではないのでありまして、われわれが強く主張しておるのは、この基礎産業であるところの漁業農業よりもはるかにおくれておる。農業協同組合は一つの大きな経済団体として発足して、この農業の生産に大きな寄与をしているにかかわらず、漁業団体はいまだよちよちしている、しかもその経済確立のためには、どうしても肥料と同じような油を確保しなければならぬ、そういうことによって一般漁業者が救われ、零細な漁民が救われるのだ。こうした観点から私は農林省に対しては、たびたびこの問題に対し、お願いやら、要求やらしておるのでありますが、今の段階においてはどうもそこははっきりしておらない。そこで、生産部長はこの点はどうなのか、全漁連を育成するということは、やがて生産業者であるところの一般の沿岸漁民あるいは中小漁民が助かるところである、と同時に、これが輸出産業に大きなプラスになるのだという、こういう観点から要求しておるのでありますが、生産部長はどういうふうにお考えになっておりますか。その点だけを承わりたいと思います。
  40. 増田盛

    説明員増田盛君) ただいまの御意見ごもっともでございまして、水産庁の本問題に対する基本的な態度といたしましては、もちろん魚類生産費の低減、これを達成するためには重油の引き下げにあることはもちろんでございますが、ただしかしこの引き下げをして恒久的に確立せしめるためには、やはり石油の販売の特殊事情にかんがみまして、これを使用する生産者自体の態勢が確立されなければ長続きはしないだろう、そのためにこそ全漁連を頂点といたします系統組織があるわけでございまして、私どもはこの引き下げ並びにこれの持続を確保するために、系統の組織の拡大を強くあわせて望んでおるわけであります。なおかつ、ただいまの御指摘の通り漁業におきます系統組織の強化のために、最も資材といたしまして大切でありますところの重油問題に関しましてこれを全漁連の強化のために一層役立たせる、系統組織の強化のために役立たせるということは当然でございまして、こういう点に関しましても、ただいま御指摘のありました通り、 私どもといたしましても全く同感に存ずる次第であります。
  41. 千田正

    千田正君 そこでさらに水産庁にお伺いするんですが、先ほど生産部長お答えによるというと、通産省はどうしても外貨割当しないと、こう決定しておる。しかし、今の漁民の声は、きのうの漁民大会にもある通り、どうしても割り当てろ。そこの間に、いわゆる政府農林省通産省の食い違いがある。われわれ漁民の要求しておるのは、先ほども私はるる申し上げた通りであります。しからば、どうしても通産省外貨を割り当てない、こういったような場合においては、どういう方法をもって一体この解決に当られる自信を持っておられるのですか、その点を承っておきたいと思います。何か具体的なそれにかわるべき……それじゃ外貨を割り当てない、どうしても割り当てない。しからばどうするか。具体的な方法がなければ、あくまでわれわれとしましてはやはり政府一般に対して、鳩山内閣に対して、はっきりした回答を得るまで考えなければならない。農林省当局は、いわゆる水産庁当局としては、一体しからばどういう具体的な方針があるのか、この漁民の声に対してどういう対応策があるのか、この点について承わりたいと思います。
  42. 増田盛

    説明員増田盛君) 私どもといたしましては、実は外貨割当の問題を当然に取り上げまして交渉して参ったのでありますが、これだけではなかなか進まない状態で、長い時間を経過いたしておるわけでありまして、従いましてこの間におきましても、事務当局といたしましては、何らか最終の目標に達するためにこれにかわるべき方法がないかどうか、あったら具体的にどういう方法だろうかという点をいろいろ検討いたしたのであります。なお、その間におきましても、通産当局に対してましてもいろいろそういう点に関しまして打診をいたしまして、いろいろやっておるのでありますが、たとたば需要者発注証明づきの割当ができないものかどうか、あるいは少くともこれにかわるべき、確実に全漁連の系統を通しまして相当数量の重油が末端まで流れる、しかもこの態勢を確実にする方法がないかどうか、こういう点でいろいろ努力をいたしまして折衝はしておるわけでございます。ある点に関しましては鉱山局の方々におかれましても、やはりこの点に関しまして交渉の歩み寄りができないかどうか、いろいろ御努力なさっておることはわかるのでございますが、何分にも私どもの方の主張と鉱山局の御主張の間には、やはりまだ相当な食い違いがございまして、なかなか本日私どもの方で確信をもってお答え申し上げるような段階には立ち至っていないという点をはなはだ遺憾に思う次第であります。
  43. 小林孝平

    ○小林孝平君 関連。通産省の方では、この割当をしない原則を確認したということでありますけれども、私はこれはすでに事務的に処理すべき問題ではなくて、非常に大きい政治問題だと思うのです。そこで先ほど鉱山局長の話では、大臣とも相談し、民主党の政調会においてもいろいろ相談があったようだ、こういうことでありましたが、一体河野農林大臣はこの問題について積極的に陣頭に立って通産大臣と折衝されたのですか、まずそれをお伺いいたします。
  44. 増田盛

    説明員増田盛君) 河野大臣に対しましては水産庁長官よりよくこの間の事情を申し上げてあるはずでございます。しかし大臣が直接通産大臣にお会いして、この問題に関しまして折衝したという点に関しましては、実は私承知いたしておりませんので、いずれ水産庁長官とお呼びいただきまして、お尋ね願いたいと思います。
  45. 小林孝平

    ○小林孝平君 これはきわめて怠慢だと思うのですね。こういう重大な政治問題になり、特に当委員会として、当時は水産委員会で、私は水産委員長をやっておったとき手続上したと記憶いたしておりますが、こういうふうに正式に当委員会において決議して政府に出してあるものに対して、しかも通産当局は一方的に割当を拒否し、これを割当をしないことを再確認したというようなことを言っているのに対して、大臣が動いたのか動かないのかわからないようじゃ、困るじゃありませんか。私は鉱山局長生産部長を呼んで話を聞くのもいいけれども、これは当委員会に両大臣を呼んでとくと話を聞かなければならぬと思う。委員長にまず要求いたしますが、すみやかに両大臣を呼んでこの所信をただす必要がある。こういう重大な問題を、一方的に割当をしない原則をきめた。当委員会決議があるにもかかわらず、何らの農林大臣から回答もなく、われわれはつんぼさじきに置かれて、そうして決定しました。そうしてただいま生産部長から聞くと、大臣は交渉したかしないかもわからない、こういうようなことでは、問題にならぬと思うのです。鉱山局長を相手にこれは幾らやっても、私は解決しないと思うのです。すでに昨年の決議をしたのは十二月なんです。それから今は半年を過ぎております。さっきから聞いておれば、善処いたします。善処とは一体鉱山局長何ですか。善処というのは、それに割当をせいという決議をしているのに、善処をいたしますということは、割当をするということなんです。あなたの言葉は、われわれは日本語を知らないと思って言っているのです。そういうあやふやなことを言わないで、やらないならやらないと言えばいいんです。善処をしますなんということは要らぬことです。ちゃんともっと男らしく、絶対にいたしません、こう言えばそれではっきりする。さっきから聞いていれば、善処とか何とか、ちっとも何もやっていないじゃないか。価格の値下りにしても——これは百歩を譲って、まだそこまで話を進展さしておらぬのだけれども、実際に価格が値下りして漁民が納得すれば、こんなことをいうはずはないのですよ。ちっともやらないから、そういう要求が出てくるのです。私は大体僣越だと思う、鉱山局長は。この問題について私は決議をしたときからの鉱山局長の御答弁を承わっても、あなたは一体こういう重要な外貨割当のごときものを、一方的に決定されて、それは大臣と相談されたかもしれないけれども、こういう国民の多数の人の要求を、単に何らの意見も聞かないで、一方的に割当をしないことを再確認をしたというようなことをぬけぬけとあなたが言われるのは、私は少々僣越じゃないかと思う。だから私はそういう鉱山局長の御説明を聞いているのもいいけれども、これは時間の経済上すみやかに両大臣を呼んで、そうしてとくと聞かなければいかぬ、特に先ほど民主党の政調会においてこの問題を審議されたようですと、それは審議されたでしゃう。審議した結果どうなったのです。民主党として正式に漁民のこの要求をじゅうりんして、これに耳を傾けないで、外貨割当をしないというふうに決定したのですか、これは念のために鉱山局長にお尋ねします。あなたの話を聞いておると、いかにも民主党が党議としてそういうふうに決定されたというように御報告になりましたが、これは民主党の水産行政に対するわれわれの認識としても、どうしても承わっておかなければなりませんから、念のためお伺いいたします。
  46. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私の方ではまだ正式に民主党の政調会からこういうふうにきまったという通知は文書をもって受けておりませんけれども、総務会及び政調会において外貨割当ということではなくて、値段を引き下げるべきだ。引き下げるように一つやるべきだということを御相談されて、それがきまったというふうに、これは政調会の一部の方々の方から、事務の方から聞いております。それからなお私は先ほど外貨を割り当てないということを再確認したいうことは私が申し上げたわけじゃありませんが、私の方としましては実は昨年の五月に外貨割当についてはこれ以上新規業者はふやさないということをこれを公表をいたして、これを出しております。これはもちろん原則であります。
  47. 小林孝平

    ○小林孝平君 だからこれは非常に重大なんです。これは民主党の水産行政がどういうあり方であるのかということを国民が批判する重大な問題なんです。それを鉱山局長はいかにも党議としてこの割当をしないということに決定したごとくあなたは発言されているのです。これは知らないものが聞けばそう思うんです。いかにも石橋通産大臣と相談してそういうことがきまった、あるいは党議としてきまったというように受け取れたのです。私もそういうふうにとれたのだけれども念のために聞いてみたのです。聞いてみれば何だ、あやふやなものだ。そんなことは政調会政調会としてある限り、そういうこともいろいろ研究するでしょう。そんなことは当りまえです。そういうことはあるけれども、なおわれわれはこいうことを、漁民はこういうことを希望しているのです。それから外貨割当につきましては再確認でなくて昨年の五月原則的にきめた、昨年の五月にそういうことがきまっていることはわかっているのです。それでは困るといって決議をしたり、いろいろの陳情をやっているのです。そういうことに耳をかしたらいいじゃないですか。そういう話がきまったことぐらいはわかっている。きまったことはわかっているから、一つ改めてもらいたいということでやっているのです。これは実に容易ならぬ問題である。これはこの石油割当の問題だけでなくて、行政がそういうふうに一方的に、いかにも公権を背景にして国民の意思をじゅうりんして、何でもやるというようなやり方をやられては、私は非常に困ると思う。これは鳩山内閣の趣旨にも反すると思うのです。総理大臣はそういう態度でないと思うのです。私は予算委員会においてもこれは追及してはっきりしたいと思っておりますけれども先ほどから繰り返して申し上げるように、委員長はすみやかに両大臣を呼んで、そうしてこの事態を明らかにしてもらいたいということを要求します。
  48. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 今、小林君から両大臣を呼んでということがございましたが、もちろんその必要があると思いますが、とりあえず本日は事務当局の方から事務的な考え方を聞きまして、その結果によりまして両大臣に当委員会へ来ていただくように措置をいたしたいと思います。
  49. 千田正

    千田正君 今、小林君の質問に対して、鉱山局長お答えは非常にこれは重大な影響があると思う。それで僕は民主党じゃありませんから断わっておきますが、かりに私が民主党の議員であったら非常にこれは迷惑千万なことだと思う。ここにあるいは民主党の議員の方もおられると思うが、今のお話によるというと、民主党の政調会なり党議をもって外貨を割り当てないときめた。そうして値段を安くするということにきめた。こういうことになると、民主党は全国五百万の漁民に対しては何らの理解を持たない、こうわれわれは考えてもよろしいかどうか、これは非常に大きな問題だろうと思うのであります。外貨を割り当てない、あるいは値段を下げる。外貨を割り当てないがために値段がちっとも下らない、値段を下げる方法としてしからばどういうことをやっておるか、方法としてわれわれは外貨漁民に割り当てろと、こう言っているんです、値段を下げる方法として。通産省行政対策ではちっとも値段が下らない。相変らず中間あるいは元売り業者によって利益は壟断されておる。生産業者にはちっとも利益にならない、プラスにならない。だから外貨を割り当てろということを要求している。しかしその外貨を割り当てない、しかも値段を下げる。値段を下げるという点はどうかというと、結局あなたの関係しているところのいわゆる業者値段を下げろという指令を出すくらいなことでしょう。そういうことではとても末端の生産業者には本当に安い燃料は入ってこない。だからこそわれわれは外貨を割り当てろ、この漁民の大宗であるところの全漁連に割り当てろということを要求しておるのであって、民主党がかりにさようなことはやらないということになるならば、民主党内閣及び民主党なるものは日本漁業者に対しては何ら考えておらない、かように受け取らざるを得ないのでありまして、あなたの発言は非常にこれは重大な問題であると思う。私はここに民主党の議員がおられるとすればおかしいと思う。こういうことを聞いたら、もしその議員がおられるならば堂々とこの問題を発表してもらいたい。私はあなたの発言は非常に重大であるがゆえに、もう一ぺん聞かして下さい、そのいきさつについて。
  50. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは私の方では別に文書をもってそういうことがきまったということの通知を受けておるわけではありません。私はただ政調会の方で、そういうふうに民主党としては政調会としての態度をきめたというふうに聞いておるわけでございまして、これはもちろん私はもっと真疑のほどを確めたいと考えます。その点御了承願いたいと考えます。ただ私は決してこの委員会なりあるいは衆議院委員会におきまして決議されておる全漁連に対しまして外貨を割り当てろという問題に対しましては、われわれの方としましては今までもこの委員会でも何べんも申し上げておりますが、現段階におきましては私は外貨を割り当てる前に、やはりわれわれとしていろいろな措置を講じて、どうしてもそれでうまくいかぬというときは、これはいろいろ方法を私どもとして考えなくちゃならぬというふうに思っておるわけでございます。
  51. 清澤俊英

    清澤俊英君 私はあまりこの問題に対して詳しくわかりませんのですが、漁民大会の方から決議文が出ております。その決議文には「特に燃油の価格は独占的市場支配のために暴騰の一途を辿り、今や漁業の再生産を維持する条件は根底から覆されるに至った。」こう言うておるのであります。この陳情決議の文句を御了承願えますか。これが了承できますか。うそだと否定できますか。
  52. 川上為治

    政府委員川上為治君) 石油の価格が独占的であるかないかという問題につきましては、これはいろいろ議論があると思うのですが、少くとも日本はほとんどその大部分の油を外国から買っておりますし、しかもFOB価格あるいは船賃というものにつきましては、ほとんどこれは外国の、一つの果してカルテルがあるかどうか、私はよくその辺はわかりませんが、しかし大体FOBの価格というのは世界的にきまっておりますし、また船賃につきましても大体これは一定の基準がきまっておりますので、そういうことに関する限りにおきましては、私はこれは石油については世界的な一定の価格があると申し上げても差しつかえないだろうと考えます。
  53. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうすると、これはうそだというのですか。この表現の仕方は独占的ということはいろいろな意味にとられるから、とっておくとしても、市場支配によって暴騰の一途をたどるということは、これは否定されるのですか。その点に対して……。
  54. 川上為治

    政府委員川上為治君) 現在重油につきましては、需要に対しまして十分な、これは単に漁業関係だけじゃありません、全体の需要に対しまして十分な供給をいたしておりませんので、勢い値段がある程度高くなっておるということは、これは私は決して否定しておりません。しかしながらこれ以外の、たとえばガソリンでありますとか、そういうものにつきましては比較的に私の方としましては潤沢に出しておりますので、この価格が非常に割高であって、そしてこれは独占的な価格によって支配されておるというようには考えておりません。ただ重油につきましては、現在非常に需要に対しまして配給量の方が少いですから、非常に強気であるということは事実でございます。
  55. 増田盛

    説明員増田盛君) 重油価格の変動でございますが、私陳情の方は見ておらないのでございますが、大体FOB価格は、なるほど国際的な関連におきまして決定されると思いますが、これが一たび国内に入って参りますと、ただいま鉱山局長のお話もございましたように、生産費等を基礎にして、一定の市場価格ができるのじゃないのでありまして、やはり不足なところへ需要が多い点があり、しかも全体として独占的な価格を維持するのに非常にうまい仕組みになっておるように見受けられるのでありまして、私どもの方でも研究不十分でありますが、やはり例の朝鮮動乱が発生いたして以来の価格の趨勢を見ますと、FOB価格あるいは船運賃というものとまた別個な値段の足取りを示しておりまして、相当この重油価格の変動は、私どもから言いますと、危険なように見受けておるわけでございます。
  56. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 今の問題に関連してちょっと生産部長鉱山局長に聞いておきますが、FOBトレードというものは、世界的にきまっておるということならば、これは国内における卸の相場、小売の相場、適正価格は幾らだということが当然出るわけでございますが、今のお答えを聞いておりますと、通産省の方と農林省の方とは非常に異なった見解を述べておられるのですが、これについて通産省なり、農林省なり、それぞれFOBの価格をもとにして、幾らが適正価格であるかということは、後ほど資料として出していただけますか。
  57. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私の方としましては、衆議院のやはりこの委員会におきまして、そういう資料の提出の要求がありまして、そういう資料は出してございますが、ただ資料につきましては、現在これはわれわれの方としまして、たとえば業者の店舗に入って帳簿をひっくり返してそして細かく検討して、利潤はどの程度が一番いいか、どの程度になっておるか、あるいはその再製費がどの程度になっておるかということを細かく調べる権限は実は持っておりませんので、はなはだこれは厳密な意味における資料ではないと思いますけれども、われわれできる限りの資料を出したいというふうに考えております。
  58. 江田三郎

    委員長江田三郎君) いつまでに出せますか。
  59. 川上為治

    政府委員川上為治君) これはなるべく早く出したいと思っておりますが、この委員会の御要求の日取りがどの程度でありますか、私の方としましてはなるべく早く出したい、一週間程度の間には出せると考えております。
  60. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 水産庁はどうですか。
  61. 増田盛

    説明員増田盛君) 実は適正価格の点でございますが、私どもの方といたしましては鉱山局がただいま言われた点よりも水産庁自体といたしましては、実は正確な全体の調査資料は何もないわけでございまして、しかも販売方面におきます適正マージンなりあるいはそれに対するいろいろその間の費用等という点も、実は全般を推しはかるような資料はないわけでございます。従いまして全部それによって推定するような資料は実は出しかねると思いますけれども、できるだけ私どもの方といたしまして、ただいまあります資料に基きましてお出しいたしたいと考えております。
  62. 清澤俊英

    清澤俊英君 それで外貨の問題を別にして考えましても、市場価格が変動して上っておるということは事実なのです。それを中心にして問題が起きておる。その点だけでもまだはっきり直していない、これじゃ問題になるに違いない、これを完全に要望にこたえるものにしておればそういう問題は出なかった。なされないから出るのです。現在どうやっておられるか、この点を一つお伺いします。これから先ぴたっと押えて、漁民が要求するものにぴたっとできますか、できませんか。まずそれが前提だと思う。またさして行こうという事務当局として一つの構想をお考えになっておるのかないのか、ないとなれば仕方ない、要求通り外貨でも割当ててやって行く方法より結論としてはありませんでしょう。どうなっておりますか、何とか押えましょうと言っておりながら一つも押えておりません。はなはだおかしな話になっておる。これははっきりしてもらいたい。
  63. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは私から申し上げるまでもないことでありますけれども、われわれ現在公定価格制度もありませんし、それからこれの命令の法律的なバックもございません。従いまして私どもは極力行政指導によりまして何とかして値段を下げるようにあるいはその数量を確保するようにという措置をとっておるわけでございまして、その点につきましては昨年の四月、五月ごろからずっと行政的な指導をとっておるわけでございます。これは大体この程度はこの地区においては確保すべし、またこの程度は常に重油タンクに持っておれ、またいつどういう場合がありましてもいつでも重油を出せるような措置を講じておく、あるいはまた価格につきましては、とにかくA重油につきましてはこの七月から各漁港別の基準価格を作りまして、この価格で販売してもらいたいということもやっておるわけでございまして、全然私どもがこの問題について何もやっていないということではないわけでございまして、われわれとしましてはできる限りの措置を講じておるわけでございます。しかしながらこの問題につきましては相当問題がありますので、何とかして、単にA重油だけでなく、B、C重油につきまして、漁業関係のものにつきましては、なるべく値段を引き下げて、そして配給の方も確保するように何とか一つしなければならぬということで、いろいろこれはほかの方法についても検討しておるわけでございまして、決してわれわれの方としましては、ただこの問題をなおざりにしておるわけではございません。
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこが問題ですよ。まあわれわれが、そう言うのであるならば、一つの立法をしてこの問題に基本的なものを形づけるのが私どもの役目かは知りませんが、しかしながら現実の行政にあずかっているお方が、こういう目的を行政措置でやっているが、どうしてもだめなんだから、これをほんとうにその目的を達するためには、これくらいのことを考えなければならぬくらいのことは、お考えになっているのか。一番当事者なんだ。結局、法律を与えられればいいんだから、おれは法律内で勝手にやっているのだと、これはごく下級の官吏のいうことかしりませんが、いやしくも局長としてあずかってきて、それでうまく行かないとしたら、何とかもっと考えてやって行くことがほんとうじゃないかと思う。あなたの今おっしゃっていることを聞いていると、直す意思が何もないのだ。われわれが税務署へ行って、税務署で税金のことなどをかけ合うと、あなた方が作った法律なんだから、あなたがたが直してきなさいというのと同じものの言い方だろうと思う。こんなことでは私は問題にならないと思う。石油の死命を左右する地位におって一番よくわかっている。与えられたものだから、これよりどうしようもないと……。どうしようというのだ。どういう構想を持っておるか、それをお聞きしているのです、私はわからぬのだから、初めから。
  65. 川上為治

    政府委員川上為治君) 先ほどから申上げしますように、A重油につきましては四月の一日から値段もちゃんと地区別にきめまして、そしてこれを守るような措置を講じております。またB、C重油につきましても、われわれはこれと同じような措置を近いうちにとりたいということを申し上げておるのでありまして、ただA重油の価格なりB、C重油の価格がなお高いということであれば、われわれの方でも十分それは調査もし、検討もしまして、それを全体的に引き下げるような措置を講じますということを申し上げておるわけでございます。
  66. 森八三一

    ○森八三一君 本件に関しましては十分論議が尽されましたので、その内容的なことは省略をいたしまして、ごく端的にお伺いをしてみたいと思うのです。先刻来鉱山局長は、本院の農林水産委員会なり衆議院農林水産委員会決議をいたしました全漁連割当すべしということを尊重するとおっしゃっております。われわれがそういうような決議をいたしましたことは、先刻千田委員からも詳細お話がありましたように、今日、独占的な資本や産業資本のために非常に困難な立場に追いやられておる中小企業者、農民、漁民というような経済的弱者を救って参りますためには、協同組合の組織を通じて行かなければならぬ。これはひとりわれわれが考えておるだけではなくて、ただいまの政府もそのことを施政方針演説できわめて強く述べておる。前の内閣もその方針を打ち出しておる。そういうことを考えつつ全漁連割当をすべきであるという結論を得ておるのであります。それを尊重するとおっしゃるのだから、当然結論が出てこなければならぬと思いますが、一体、鉱山局長は両院の決議をどう受け取っておられるのか。その受け取り方をまず一つお伺いしたいと思う。
  67. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私どもとしましては、先ほど来、再々申し上げますように、両委員会決議につきましては、十分その趣旨を尊重いたしておるわけでございますけれども、一方外貨割当につきましてはいろいろ問題がありますし、また商業系統におきましても約全国四千程度の特約店なり小売業者がおるわけでありまして、これはそれぞれタンクの設備を持ち、あるいはまた普通の重油をかかえてやっておるわけでございますので、われわれとしましては従来の系統で、何とか値段を安くしてうまく配給することができれば、それが一番けっこうではないかというふうに考えてやっておるわけであります。決して私は両院の委員会決議を、これは十分尊重しておりますけれども、一面においてはどうしてもそういう問題がありますので、われわれとしては現在の段階におきましては、外貨漁連に与えないで、何とかして値段を下げて配給が確実に行くようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
  68. 森八三一

    ○森八三一君 ただいまのお話ではっきりしたのですが、両院の決議したその趣旨を、鉱山局長は十分理解をされておらぬ。ただ値段を安くすればそれでよろしいという半面だけを受け取っておられて、他の半面を御理解がないのです。そこでお伺いをいたしますが、全漁連では、承わりますると、昭和十三年以来、今われわれが要望しているような、また全漁連傘下の五百万漁民の諸君が希望しているような立場に置かれておった。それが戦時中でありますか、統制のためにその権利を剥奪せられて今日に及んだというのであります。かつてそういう立場におったというわけでありますので、それを復活せしめるということは、これはあなたが今お考えになっている現在四百からあるものの立場を擁護して行くということに私は通ずる結果になるのじゃないかと思いますが、そういう点はどうお考えになりますか。かつてその実績を持っておったものが、戦時中に統制のためにその権益を剥奪せられた。そうして新しいものがここにできた。それを守るということは、もう一歩伸ばして行けば、その前の実績者を保護するということにまで当然考えが及ばなければならぬ、私はそう思うのです。それはどうお考えになるか、お伺いいたします。
  69. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私は全漁連がかつて元売り業者であったということは聞いておりますけれども輸入業者外貨をもらって輸入をしていたということは聞いておりません。
  70. 森八三一

    ○森八三一君 全漁連が要望していることは、その組織を通じてですね、傘下の組合から漁民までつながりを持った運動を展開して行きたい。そのことが漁業全体を発展せしめて行くためには非常に大切な要素になるのだということを強く要望しているのです。そのことをお考えになれば、当然これは全漁連をして行わせるということに発展をしなければならぬ。それが過去における実績でもあったということでありますので、そのことを内閣の方針としても当然考慮せられなければならぬと私は思いますが、そうお考えになりませんか。
  71. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは私の独善になってはいけないということで、私どもの方としましては、通商局とかあるいは通産次官とか、あるいは大臣に御相談し、まあいろいろな方々と御相談しましてやっておることでございまして、まあ通産省の現在の段階におきましては、やはり値段を下げることがやはり先決問題ではないか、配給を円滑にすることが、これが先決問題ではないかというふうに考えまして、外貨を割り当てるということは、いろいろ他に波及しますので、あるいは全漁連以外にもいろいろ言ってきておるものもたくさんありますので、そうしますというと、外貨の問題が非常に紛糾しまして、全くこれは非常に極端なことを言いますというと、収拾がつかぬようなことになりますというと大へんなことになりますので、われわれといたしましては、先ほど来再三申し上げましたように、外貨全漁連に与えないで、何とかして値段を下げて、そうして配給を円滑にしたいということに全力を尽したいという考えでやっておるわけでございまして、決して今先生のおっしゃいますような、そういうことがわからないというようなことではないのでございます。
  72. 森八三一

    ○森八三一君 委員長に希望いたしますが、先刻小林委員からも発言がありましたように、この問題は事務的に局長生産部長と論議をしておってもらちがあかないと思います。やはり農林、通産両大臣のお出ましを願って、はっきりと結論を得るということの手続を希望いたします。
  73. 青山正一

    青山正一君 その両大臣がお見えになるときに、願わくばこういうことはできるかどうか知りませんが、民主党の幹事長なり、あるいは政調会長、それから全漁連の責任者、こういったものを一つ参考人としてぜひお呼び願いたい、こういうことを特にお願いしたいのです。もうこれは政治問題ですから特にお願いいたします。
  74. 江田三郎

    委員長江田三郎君) よく検討してみます。
  75. 東隆

    ○東隆君 私は大臣を呼ぶことにも賛成でありまして、その前にちょっと伺っておきますが、私は石油に関する鉱山局長の仕事の範囲がどこまでか一つお聞きしておきます。どこまで石油に関して鉱山局長として仕事をされるか。
  76. 川上為治

    政府委員川上為治君) 石油につきましては、これはもちろんわれわれ法律に基いてやっておるわけでございますが、外貨割当につきましては、これは通商局と私の方と合議してやっております。決して外貨割当について鉱山局だけで勝手にやっておりません。これは通商局と一緒に合議をしてやっております。それから精製業者の指導、あるいはまた特約店の指導、それから石油関係のうちではやはり原油の増産についての指導、そうした方面をやっております。これはもちろん先ほども申し上げましたように、一定の法律のワクがあるわけでありまして、これはたとえば公定価格制度とか、あるいはその配給統制というようなことは現在やっておりませんので、そういうことはやれません。しかし、何とかして行政指導によって配給が円滑にいくように、あるいは価格が下るようにということでやっております。
  77. 東隆

    ○東隆君 先ほど、今年五月ですか、去年の五月ですかわかりませんが、輸入業者は原則としてふやさないことに決定をした、こういうお話がありましたが、これはどこでおきめになったのですか。
  78. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは通商局と私の方と相談をしまして通商局の公報としてこれはたしか出ております。
  79. 東隆

    ○東隆君 もう一つ伺いますが、通産大臣と鉱山局長は話をされた、こういうことでありますが、その場合に石油外貨割当全漁連が申し出ておるが、これには割当をしない方がいい、こういう積極的な意思でもって相談をされたかどうか、そのことをお答えを願います。
  80. 川上為治

    政府委員川上為治君) この問題につきましては、大臣にもときどきお話申し上げておるのでありまして、私はこの問題はきわめて事重大であることもよく存じておりますので、私が勝手にこれはやっておるわけではなくして、次官、あるいは大臣にも十分この問題は御相談申し上げてやっております。
  81. 東隆

    ○東隆君 全漁連外貨割当をするということを積極的に申し出て相談をする場合と、それから消極的に出る場合と非常に違うのです、問題が。これは割り当てない方がいいのだと思うと、こう言うのと、それから割り当てる方がいいのだがどうですかと、こういって相談をすることと非常に違うのです。それで私は鉱山局長にどういう態度でもって臨まれたか、相談をするときに全漁連に割り当てない方がよろしいと、こういう態度でもって出られたか、私はもしそうだとすると、通商局の範囲を出ておるのではないかと、こう思うのですが、その点はどうですか。
  82. 川上為治

    政府委員川上為治君) もちろん大臣にお話し申し上げる前に、通商局の方と事務的にいろいろ相談をしまして、通商局とわれわれの方としましては、同一歩調で大臣にはお話を申し上げております。その際に、お前は、大臣に申し上げるときに漁連には割り当てるべきでないということを言って、積極的にそういうような態度をとったかどうかという問題でありますが、これは私はやはり従来のいろんな問題、あるいは現在の外貨の事情、配給の状況、いろんな点を考えまして、判断としてはやはり価格を引き下げ、そして配給を円滑にすることが第一義的に考えられますので、外貨の問題につきましては、いろんな波及するところが非常に多くありますので、なるべく外貨を割り当てないで、そして価格を引き下げ、配給を円滑ならしめるような措置をとりたいというように申し上げておりますが、それはもちろん大臣の御判断でありますので、その間いろんな事情の問題については、十分大臣にお話申し上げております。
  83. 東隆

    ○東隆君 今の鉱山局長のお話でありますが、割り当てない方がよろしいと、こういう考え方で相談をされておるようですが、そこで私は鉱山局長がそこまで世界の情勢、貿易その他を十分に考えられておやりになっておるのでありますから、私は協同組合と、それから業者がこの仕事をやる場合に、どちらが最も適当したものであるか、こういうことについての価値判断をどういうふうにやられたか、それをお聞きしたいのです。
  84. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私はこれは協同組合のことの専門ではありませんので、そういうことを申し上げるのはどうかと思うのですが、やはり私は一長一短があるのではないかというふうに考えております。従いまして特にまた日本におきましては、商業者相当たくさんおりますので、しかもこれは中小企業者が非常に多くありますので、やはり私は商業者ということも十分頭に入れてやるべきではないかというふうに考えます。
  85. 東隆

    ○東隆君 私は今のお話を聞くと、協同組合のことはよく知らないというお話ですが、知らないで、そうして割当をしない方がいい、こういうようなことは非常に漁民を侮辱をしておる、中小企業者よりも、商工業者よりもずっと数が多いのです、国民の数としては、その非常に多くの人に影響を及ぼすことを石油業者がやっておるのは、これはなぜかというと、利潤の追求です。営利会社です。そっちの方の利益を擁護して、そして片方は生活にもう関係するような、非常に影響の大きい方面を犠牲にするわけです。私はそういうやり方は官吏として間違った考え方だと思います。鉱山局長がもし通商局の方面の仕事にまで入り込んで、そして外貨割当に対して全国の漁民に大きな影響を及ぼすような、そういうことを、これはだめなんだ、こう言うのは、これは非常に間違ったことではないか、役人としてそういうことをやるべきではない、公正な立場に立って当然全漁連割当をすべきだ、こういう考え方が出てこなければならぬ、擁護しているのは、石油業者ばかり擁護している。石油業者ばかり擁護したって何にも国のためになりません。混乱を起すと、こう言われるけれども、協同組合を通して石油配給をやってどこに混乱が起るのです。系統をちゃんともってそうしてその組合員が消費者です。そこで公正なマージン、取り扱い経費をとってそうして配給をする。それがどこに配給混乱を起すのか。混乱を起させるのは業者が今までとっておったところの利益が少くなるから、それだけじゃありませんか。これ以外にどこにありますか。業者を擁護するというそのことだけしかない。何かそこにくされ縁か何かがあるように思われる、また思われてもいたし方がないと、こう考えられるのですが、そういうことは、私は鉱山局長はされぬと思うのです。しかししさいに考えて下さい。この関係は協同組合は決して利潤の追求をやりません。この系統を通して配給をするときに横流れはいたしません。資金が焦げついたと、こう言われておりますけれども、この系統を流すことによって固定した資金、こういうようなものは次第にこれは解決がつくし、決して混乱を起さない。非常に配給のルートは正しく行われて、とうてい混乱どころの騒ぎではありません。最も必要としておるところに流れて行くのです。品物を故意に少くして、そうして値段をつり上げたり、そんなことはいたしません。この正しい協同組合による消費、協同組合による配給、これを公正な役人は考えなければならぬ。それが、鉱山局長が通商局の仕事の中に入り込んで、そうして協同組合に外貨割当をしない方がいいという立場に立ってそうして上司に対して相談をする、これはとんでもない話である。上司をして間違いさせることになる。その罪実に大きいと思うのです。そう考えませんか。
  86. 川上為治

    政府委員川上為治君) 先ほどからも申し上げますように、外貨割当につきましては私の方にも権限がありますし、また通商局にも権限がありまして、両方で協議して相談してきめることになっておりますので、私は自分の与えられました権限、あるいは職務によってやっておるわけでありまして、決して通商局の権限にまで進出してやっておるわけではありません。その点はそれは十分御了承を願いたいと思うのであります。  それから大臣に私が御相談するときも十分通商局と事務的に相談しました上で両方とも同じように考えをもって話をいたしておりますので、両方で話がつかん場合におきましては、あるいは次官なり大臣なりに裁決を求めることがありますけれども、今までわれわれは通商局とはそういうような両方対立してやったことはほとんどございません。それに両方でよく相談しまして両方の意見を調整してやっておりますので、その点も御了承を願いたいと思います。
  87. 江田三郎

    委員長江田三郎君) この問題につきましてはまだ御意見があると思いますが、先ほど小林委員なり森委員の方からも御意見がありましたように、結局鉱山局長だけと押し問答をしましてもなかなか解決がつきませんので、ごく近い機会に農林大臣、通産大臣の出席を求めましてさらに十分に審議をいたしたいと思います。
  88. 亀田得治

    亀田得治君 追って大臣も呼ばれるというわけですが、鉱山局長の態度がはなはだこの国会意見を無視したやり方をとっておられる。こういうことについては私やはりわれわれの前でそういうことが言われておる以上は一本くぎをさしておきたいと思うのです。そこで鉱山局長にまずお聞きするのですが、衆議院、あるいは参議院の通産委員会等におきまして全漁連に対してそういう油の割当をしてはならない、そういう一体決議があったのかどうか、その点まず伺いたい。
  89. 川上為治

    政府委員川上為治君) 全漁連に対しまして外貨割当をしちゃいかぬという決議があったということを私は全然聞いておりません。
  90. 亀田得治

    亀田得治君 そうすれば全漁連の問題について決議をしておるのは結局はこの衆参の農林委員会だけなんです。先ほどから局長が農林大臣に対して意見を述べておるときに自分の意見だけを言っておる。一番大事なのはあなた自身の意見じゃないでしょう。何百万という人たちに関係のある大きな政治問題なんですから、そういう問題については通産委員会では衆議院でも参議院でも積極的な全漁連に対して割当反対の決議も何にもない、むしろ農林委員会においては再三こういう問題を出して非常に強い要求があるんだ、それをまず言うべきなんでしょう。そのほかのことはただ区々たる意見なんだ、だから大臣においてこういう事態になっておるから十分大所高所から一つ検討願いたい、これが第一番の出方です。大臣が判断するについて、しからば一つ少しこまかいことについてあちらこちらの意見を聞きたい、その段階で君らは個人的にその話をしたらいいじゃないか。この国会決議を尊重しておる、尊重しておると口先ではそう言っておりまするが、実際上は今説明を聞いておりますると、それは口先だけなんだ。ちっともそのことが実行されておらない。もし実行されておればそういうふうな経過説明というものはあり得ないと思うのです。だからそういうことは一つやはり決議があった以上は必ずその背後にはそれだけ大きな問題があるわけだから十分これはもうまじめな気持でやはりそれは取り扱うべきである。こういうふうに、すべきであると私は考えます。幾ら言ってもこれは同じかもしれませんが、はなはだ私ほかの通産委員会等で反対の決議等があったらまた別ですが、何もそういうものがない。はなはだ局長の取扱い方は単なるこれは石油業者、そういう人たちの立場に立ったやはり見解、片寄った立場なんですね。質問してもしようがないという人もありますから、一つ見解だけ私ここで述べておきたい。
  91. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ただいまの問題につきましては、先ほど申しましたように追って農林、通産両大臣の出席を求めてさらに審議をいたしますが、当農林水産委員会は別にこの問題については今まで決議をしておりません。しかしながらその前身でありました水産委員会では御承知のように本年早々決議をしておるわけでありまして、当委員会としましてもたしか四月の末でありましたか、五月の初めでありましたか、この問題について農林大臣、鉱山局長も御出席になりましたが、そこでいろいろ外貨割当について意見を申したのでございます。それから本日の委員会でも別に決議はいたしませんが、しかし先ほど来自由党、緑風会、左右両派社会党、無所属等の代表者がそれぞれ同じような態度で申しておられますので、私はあらためて決議をする要もなく、当局でも十分当委員会の諸君が考えておられる方向はおわかりだろうと思いますので、今後大臣の出席を求めますまでに事務当局でもさらに十分な御検討を願いたいと思います。特にこの新規のものは認めないというやり方につきましては、これが不足物資の輸入の場合には必ず超過利得というものが伴いましていろいろな業界で問題を起すわけであります。  そういうようなことにつきましても先般の、たとえばノリ輸入の場合には新規なものを認めるような方向をとっておるのでありまして、通商局の態度というものははなはだ一貫性を欠いておるわけであります。また超過利得を伴うものにつきましては超過利得吸い上げというようなこともやらなければならぬというように、普通の余っているものと違って、足らないものの輸入についてはこれは特に考えていかなければならぬ。その際考える場合に、漁民団体である漁業協同組合につきましては私どももこれを保護育成すべしという立場から漁業協同組合の育成強化のために国費もだいぶん使っているわけでありまして、この漁業協同組合、あるいは農業協同組合というものをどう評価していくかということに対しての東君の質問に対する局長の答弁は少しわれわれとしましてはふに落ちない点があるようでございます。そういう点十分お考えになりまして、この次の大臣出席までに事務当局としてもただいま亀田君の言われましたような一つ一方的な態度でなしに、御研究をしておいていただきたいと思います。  それから、先ほど要求いたしました、この適正価格が幾らであるかとい資料は、これは農林省農林省通産省通産省別々に出していただきたいと思います。別に御相談の要はないと思います。先ほど意見を聞いておりましても明らかに違う見解を発表しておられるのでありますから、別々な資料をいただく方がいいと思います。  それではこの問題はただいま申しましたように、後日大臣の出席を得てやることにいたします。
  92. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 次に狩猟の件でございます。  かねて狩猟において空気銃の取扱いが問題になっておりまして、すでに両三回の委員会議題になったのでありますが、この件に関連しまして別途地方行政委員会において審議中でありました銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案がすでに本院を通過いたしまして、新しい時代に対処し、かつまた二十五日及び二十六日の現地視察の結果をも参考といたしまして、新たな問題として御審議を願うことにいたしたいと思います。  なお、本日はこの問題の当面の責任者であります林野庁の藤村指導部長からこの問題についての御所見を聞き、続いて御審議を願いたいと思います。
  93. 藤村重任

    説明員(藤村重任君) 私は林野庁の指導部長藤村でございます。  ただいま委員長より説明を求められましたので、この狩猟法の一部改正の意見等が関連をしておりますので、まず現在の林野庁で考えております狩猟行政と申しますか、これに関係いたしまして一言意見を述べさせていただきます。  大正八年に狩猟法が制定されまして、その後幾たびか改正をいたしましたけれども、もともと狩猟法の趣旨は、だんだん日本におきます鳥獣が減っていくという現象がだんだん見えて参りまして、特に狩猟によってそれが減少していく場合にはある法制的な措置をもってこれを規制し、そうして保護増殖の方法等も講ずるという意味合いを含んでおるわけであります。なおこれとうらはらになりますのは、鳥獣と申しても一つの自然の中にあります生物の成長の状況でございますので、自然の生物のバランスがだんだんこわれている状態が、一方には人口の増加、あるいは産業の発展等によりまして非常に変っていく、これに関連いたしまして鳥獣の数が減退し、その鳥獣の数が、あるいは種類が減っていきますその反動として害虫が非常に増殖して有用な資源がそのために食い荒されるというように私たちの生活並びに経済等にいろいろの影響を受けておりますので、それらも考慮いたしまして特に狩猟によって捕獲いたします鳥獣をその種類をある程度きめ、あるいはその狩猟の時期を法律によってきめ、あるいは狩猟手段をある程度法律によって規制するというようなことによって私たちの入間の生活並びに産業の経済的な内容を豊かにしていくというのがこの内容になっていると理解いたしております。ところが最近ますますこの自然のバランスといいますか、これが社会の変異によりましてますますこわされていく状態が見えて参っておりますのは、一方には先ほど申し上げましたように、有害な病害虫が非常に資源を食い荒すというような現象として現われ、このために年々二億数千万円の国費を支出せざるを得ないような状態もあるわけでありますし、なおこの有益鳥獣の保護増殖に一部国費の支出をいたしておりますけれども、まだ非常に微々たるものでございまして、これの目的を達成するのには今後一方には法制上の再検討をする部分もございますし、一方にはそれを裏づける財政、あるいは税制等の検討も加えていくということが必要になっているように存じております。従いましてこれらを総合いたしまして、先ほど来いろいろ問題になっております空気銃の問題にいたしましてもその一環として、あるいはその一部としてこれを理解してその取扱い方をいかにするかというような考えで判断していけばいいのではなかろうかというような見解を一応持っておるわけでございます。  まあ、概括的にはそういうことでございますが、なお御質問等がございますればそれによりましてまた御説明をいたしたいと存じます。
  94. 森八三一

    ○森八三一君 ただいまの御発言から結論は、一体林野当局としては空気銃をどうすべきかという点について結論がありますれば結論を聞きたいし、解決の過程であってまだ結論が庁としては出ておらないといたしますれば指導部長の御研究になりました私的な御見解でもいいと思いますが、それをお伺いいたしたい。ただ私の聞いておるところでは、林野庁としては空気銃は捕獲の器具として用いない方がいいのではないかというようなおおむねの結論らしきものを得ておられると承わっておりますが、その辺の事情をまずお伺いをいたしたいと思います。
  95. 藤村重任

    説明員(藤村重任君) ただいま森先生の御質問でございますが、現在空気銃は、あるいは禁止とか、あるいは制限して許可制にするとかという問題がございますが、結論といたしまして林野庁として、まだこれをはっきり決定する段階には至っておりません。ただ、これは私の私見もまじえて恐縮でございますが、現在の狩猟法では、銃器の中に空気銃を除くということになっておりまして、空気銃を別扱いにいたしておるわけでございますが、これはある形態といいますか、火薬を使いませんけれども、一応、その撃ちます形態といたしましては、これに非常に類する道具でございますので、これを銃器として一括して取り扱って、ある程度これの監督、あるいは許可等をいたしていく段階が現在は除いてございますので、まず第一段階として一つ一ぺんに禁止するという、飛躍的な処置でなく、過渡的なそういう段階を経て、そうして、その結果どうしても普通の猟銃と違う点に基いた被害といいますか、その目的とするところが達せられないという結果が得られますならば、そのときまたあらためて考えてもいいのではなかろうかというような考えをいたしております。
  96. 森八三一

    ○森八三一君 委員長の高配によって、二十五日に現地を視察いたしました際に、関係の専門家から伺いますると、現在、山野に生息をいたしておりまする鳥類の中で、捕獲を認められておるものは、スズメとハトとカラスの類と大体三種類よりないということであり、問題になっておりまする空気銃でそういうものを捕獲をしようといたしますれば、もちろん、その性能にもよることではありまするが、常識的にはスズメ以外には捕獲の対象になる鳥類はいないのではないかというふうに思われるのであります。そういうように思われるのに、今お話のように、一気に禁止はいかがであろうか、火薬を用いてやる銃器のランクに一ぺん入れて、それで目的が達成されない場合にはその次の処置を講ずるというようにお話がございましたが、そういうような措置を講ずることによって、今空気銃の問題がやかましい論議の対象になっておるのは、むしろ、禁止されておる鳥類を誤まって撃ったかもしれません、あるいは故意でやるかもしれませんから、その原因はどこにあるかわかりませんが、相当そういうものが捕獲せられておって、それを取り締るということは事実上不可能である、さらにそれが一般の大衆に対していろいろの危害を及ぼしておるという事実が随所に発生しておるということなどを考えますと、そういうようなステップを一つ踏んでいくという処置を考える必要はないのではないかというように考えられますのでありまするが、そういうようにお考えになることは何か他に理由がありまするのかどうか、と申し上げまするのは、終戦後空気銃が製作その他が自由に認められたということのために、そういうような製作その他に従事をしている人があるので、そういう方面を考慮しての配慮であるのかどうか、といたしますると、専門家の御意見では、全国に現在四万丁程度のものよりないということでありました。その被害というものはそう取り上げて論議をする必要はない、現に四月一日からパチンコの連発式ですか、私はやったことがありませんから知りませんが、それが禁止されることによって相当の問題を起しておりまするが、射幸的なことをこの際禁止すべきであるという大きな大乗的見地に立ちますれば、あえてそういうようなことも強行されておるという現実に思いを合せますれば、そういうような考慮を払う必要もないではないかというようにも思われるのでありますが、今の指導部長の御発言は、一つ段階を経て行った方がよろしいというようなふうに受け取りましたのですが、その理由はどこに存するのかをお伺いいたしたいと思います。
  97. 藤村重任

    説明員(藤村重任君) ただいま森委員のお話で、一段階を設けて、しかる後にまたその結果によって考慮すると、先ほど私申し上げましたことでございますが、その内容といたしましては、現在私ども調査いたしておりますところから言いますと、現在猟銃は全国十二万丁くらいが使われておるという結果でございますが、空気銃は、現在登録されておりますのが二万七千か八千丁くらいのところでございますが、両方比較しますと、まだ空気銃の登録数はさほどではございません。ただ未登録のものが相当あって、これが特に人家の近く等でいたずらに使用される結果、新聞等にございますように相当一般に被害を及ぼすという結果もこれは認められるわけでございますが、狩猟の方からこれを見ますと、先ほどお話のように、たとえばスズメとかハト等のほんの一部がその対象になるというようなお話でもございますが、一般の被害防止に対しましては、これは狩猟法の面からでございませんで、私どもは狩猟行政の担当者といたしまして、非常に有益な鳥獣を保護する、そのための狩猟制度でございまするので、それを主体的に一応考慮せざるを得ないわけでございます。そういう立場から考えますと、現在非常に監督しにくい、あるいは登録いたしましても、その登録の手数料等が五百円以下というようなことになっておりますし、一方これを銃器として取り扱いますと、一般の狩猟税としての対象になりますので、その点の経済的な内容等も十分差が出て参りますので、また一度にこれを禁止するという前の、いろいろの段階を踏む必要があるように思うわけであります。なお空気銃の製作に関しまして、いろいろ考慮をいたしておるかというような御質問でございますが、そういうことは、私ども一向に頭の中に入れないで、全く有益鳥獣の保護繁殖等のために、狩猟の形態あるいは方法等をどうするかというような意味合いから考えておることを御了承願いたいと思います。
  98. 森八三一

    ○森八三一君 今お話のように、登録せられておるのが二万五千丁だ、専門家のお話では全国に百万丁ぐらいは普及しておるのではないかと、警察当局の取調べでは六十万とか七十万というふうなことであり、未登録のものが非常に多い。それから、その空気銃で補獲し得る鳥類というものは限界があり、その限界の中でも、空気銃によって実効を上げ得る対象はまず常識的にスズメ程度であるといたしますると、実際問題としては取締りは不可能である、登録の制度があっても、登録をしておらぬ方が四十倍もよけいになっておる、対象の捕獲鳥類がきわめて局限されておるので、有益鳥類を捕獲いたしましてもその取締りは実際上の問題としては不可能であるといたしますれば、そういうような段階を踏んでいくことはむしろナンセンスだというようにも思われるのでありますが、そういうようにお考えになることは空気銃というものが存在するために有益鳥類に対してはそう大きな被害を与えていないのだという前提に立っておられるのか、相当の被害を与えておるというように認識されておるのか、その辺はいかがでございましょうか。
  99. 藤村重任

    説明員(藤村重任君) 空気銃の登録数と実在数との問題は、これは登録されておりますのははっきりわかりますが、あとはいろいろの調査もございましょうけれども、やはりこれは一つの推定等もありまして、まあ私たち責任者として十分責任を持って申し上げるような数字ではないような気もいたしますが、ただ未登録があるということはこれは否定できないことと思うわけであります。また猟銃を使用する場合に、これの免許を受けるわけでございますが、この猟銃の免許は大体現在はほとんど十分監督等も行き届きまして、また狩猟税等の関係もございましてこの銃につきましては現在の状態ではまずこの程度で取締り等はいいのではないかと思いますので、それと同列にこれを取り扱いました場合にはやはり現在の猟銃と同じような、成果を得るという一応の期待は持てると思うわけであります。  なお空気銃による有益鳥の被害でございますが、これは空気銃による鳥の、特に小鳥の被害というものはこれの判定はなかなかむずかしいのでございまして、役所でいろいろ調査いたしましても、その殺傷の内容を判別し、かつそれを統計的に押えるということは、いわば不可能に近い状態で、ただ推定あるいは推測等によって考えておるにすぎないのでございますが、全然有益鳥獣のために空気銃が相当使われておって害がないということは申し上げかねますけれども、どの程度有益鳥がそれによって減少しておるかということはことで申し上げかねる状態でございます。なお鳥の生息個所、あるいは環境に基きましていろいろ種類の鳥が生息いたしております場所から判定いたしまして、また空気銃が使われます常識的な地域といいますか、そういうことから判定いたしまして、まあ割に小鳥の種類とその空気銃が使われます場所等を結びつけて一応推定する程度でございますので、全然無害とはもちろん申し上げかねますけれども、どの程度ということは、ここで申し上げかねることをまことに遺憾に存ずるわけであります。
  100. 森八三一

    ○森八三一君 もう一ぺん速記をやめて懇談したらどうですか。
  101. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっとその前に僕は二つほど聞きたいのですが、この第一点は今、カラス、スズメそれからキジバト、サギというようなものが撃てるそうですが、将来スズメ等をも禁鳥の中へ入れていくという考え方はないのかどうか。それはただ単に害鳥であるとか益鳥であるとかいう虫を食うとか食わぬとかいうことでなしに、東委員あたりがよく言う、ロンドンではスズメが手のひらまで来るそうですが、そういうふうに人生にもっと潤いを与えるというような見地からも、この鳥の保護というものは考えていかなければならぬじゃないか。従って将来もっと禁鳥の範囲をふやす考え方はあるかどうかということ、それからこの空気銃にいたしましても、あるいは鉄砲にいたしましても実は非常にびっくりしたのですが、私たちもそのくらいしか撃つ鳥がないということは知らんかったわけです。で、念のために私どもの党の連中にメンタルテストをかつてやってみたわけです。君一体空気銃で撃てる鳥が何ぼあるか知っているか、まずモズがあがってくる、ホホジロがあがってくる、何やらがあがってくる、次々と出てくる、これはだれに聞いてもその程度のものなんで、おそらく空気銃を持っておる諸君だってホホジロなんかを撃ってはいかぬということは知らぬのじゃないかと思うのですが、そういう点についての今まで啓蒙が非常に足らぬと思うのですが、幸いかどうか知らぬが、今度の増額予算の中には、有益保護鳥の何か保護の経費は新しく目が出て何ぼか入っておりますが、そういうもので巣箱を作るということもけっこうでしょうが、もっと小鳥は撃ってはならぬのだという宣伝啓蒙ということに力を入れるような御用意はないのか。さらにもう一つは、禁猟区というものの設定をもう少し積極的にやるという考え方はないのか、その三点をちょっとお聞きしたいのです。
  102. 藤村重任

    説明員(藤村重任君) 禁鳥をふやすような気持があるかどうかという第一点の御質問でございますが、現在狩猟鳥といたしましては、狩猟法施行規則で二十六種類指定しております。その中にカモ類というのがございまして、この中にいろいろカモの種類もございますが、それをいろいろ全部入れますと、非常に、種類の内容を分けて入れますと、四十種類ぐらいあると存じます。それでその中にもちろんスズメが入っておりますが、たとえば例をスズメにとりまして、これを禁鳥の中に入れて十分保護するかどうか、これは一例でございますが、あるいはその他の鳥を禁鳥として保護増殖するかということでありますが、これはその鳥の食性といいますか、いろいろ私たちの生活あるいは産業等に関係がございます鳥の関連を十分研究いたしまして、そうしてこれを禁鳥にして今後保護する方がいいというはっきりした結論が出ますならば、これは人生の潤いを豊かにする意味合いで、あるいはその他のプラスの面を考えまして、ふやすことにやぶさかではございません。なおこの有益鳥獣の認識、一般気持が非常に日本では粗であって、外国で非常に鳥がなついて手のひらにも乗ってくるという状態を見ますと、まことに日本の現在の状態では鳥を見れば石を投げるとか、あるいはすぐ取るというような、こういう一つの慣習といいますか、あるいは教育といいますか、そういう非常に好ましからざる自然愛護の反対の現象がございますが、こういうのはやはり一つの社会啓蒙という線でございますので、十分この啓蒙宣伝等にはさらに今後力を入れたいと思っております。現在、たとえば愛鳥週間等もございますが、そういう一時的な啓蒙活動ではなくして、あらゆる時期を通じ、あらゆる段階におきまして、あるいは教育の中に、あるいはその他のリクリエーション、あるいは登山、講演あらゆる面の機会におきましてさらにこの啓蒙宣伝的な活動を旺盛にいたしましてこの面に必要な予算等は今後さらに増加をお願いいたしまして強化したいと、かように存じております。  なお禁猟区につきましては、現在三百程度設定いたしてございますが、これはだんだん、特に森林の内容が薄くなり、あるいは荒廃の度が進んで参りますと、鳥類の生殖、繁殖の場を駆逐されて行く状態がだんだん広くなっていきますので、これは先ほど申し上げましたような一つの自然のバランスを保つ意味からも今後この数をふやし、さらに禁猟区の内容を充実するような方途を講ずる必要があるということをこれは痛感いたしております。なお、これに必要な予算等もやはり必要でございますが、現在、たとえば昭和三十年度の予算は四百万円程度しかございませんので、さらに先ごろ修正していただきましたけれども、まだまだこれらの施設を充実いたしますのには不足でもございますので、こういう面も今後さらに一般の世論のお力をかりて強化いたしたいと、かように存じております。
  103. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 ちょっとお尋ねしますが、全国にかすみ網というものが相当あっちにもこっちにもやっておれらる。戦前は非常に盛んで一時禁止されておったのですが、今日はどういうふうになっておるのですか。
  104. 藤村重任

    説明員(藤村重任君) かすみ網によりまして秋の渡り鳥を捕獲する、こういう方法日本では相当古くから実行されておったのでございますが、だんだん鳥類の減少に伴って害虫等も多くなるというようなことから先般来、これを禁止いたしまして、狩猟法によってかすみ綱は禁止いたしまして、現在かすみ網による捕獲はこれを認めてございません。ただ、かすみ網によって捕獲されます渡り鳥は果して害鳥であるか、益鳥であるかということについて一部にいろいろ疑問の向きもあり、あるいは場所によりましてはかすみ網を相当生活の具といいますか、それによって生計を立てる人も一部には昔からあったわけでございますが、私たちから申し上げますと、そのかすみ網によって捕獲される渡り鳥がほんとうに一般の産業的にあるいは特にその辺の環境維持のために害であるか益であるかということを科学的に調査いたしまして、この判定をさらに確実にいたしたいというので、先ほど来一部特定の人を指名いたしましてその人に調査を依頼しておるという状態でございます。
  105. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 あれはなんですか、一部地方にまだ相当やっておるのですが、あれは知事が許可するのですか。
  106. 藤村重任

    説明員(藤村重任君) あれは知事ではございません。今の調査のためにはこちらで農林大臣が特定の人に調査を委託しておるという形でございます。
  107. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 調査をするのにあれだけ大量にとっているのですか。
  108. 藤村重任

    説明委員(藤村重任君) その判定のために材料をまず必要といたしますので、材料の提供のために(「必要の度をこえてか」と呼ぶ者あり)委託をしておると、こういうことであります。
  109. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと速記をやめて。    午後四時五十五分速記中止      —————・—————    午後五時二十二分速記開始
  110. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記をつけて下さい。  それではこの問題につきましては、次の委員会までに各党ともそれぞれ御協議をお願いし、そして次の委員会で警察庁、通産当局、農林当局等の出席を求めまして結論に到達をいたしたいと思います。  本日は、これで散会いたします。    午後五時二十三分散会      —————・—————