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説明員(和田正明君) ただいま
議題となりました
昭和三十年四月及び五月の凍霜害、
水害等の
被害農家に対する
資金の融通に関する
特別措置法案につきまして
内容を御
説明を申し上げます。
実は本日午前中の衆議院の農林
委員会で二点につきまして
修正がございまして議決になりましたので、
最初にこの
修正点を申し上げたいと思いますが、
一つは、第一条で四月の凍霜害、水害、五月のひょう害というふうに融資対象を限定をいたしておったのでございますが、四月下旬の凍霜害に引き続きましては、同一地帯が五月の上旬に同様凍霜害を受けましたのと、水害も四月の九州のほかに、五月の下旬に
北海道に一部水害がございました等の
関係で、法案の第一条が「
昭和三十年四月の凍霜害若しくは水害」となっておりますのを、「四月及び五月の凍霜害若しくは水害」というふうに御
修正になられたのであります。その次の第二点の御
修正は、二条で農作物の被害を主として
被害農家に限定をいたしておったのでありますが、特に
北海道の五月の水害につきましては、まきましたばかりの農作物の種子が水で流される等の事情がございましたので、昨年の二十九年の春の凍霜害のときの法案と同様に、耕作上の被害が総収入の百分の十をこえる旨の市町村長の証明がありました場合にもこれを融資の対象農家として取り上げるという
趣旨の
修正が本日可決をされましたわけであります。
修正はその二点でございます。
以下の
内容でございますが、融資総額は四億五千万円ということを予定をいたしておるのでありますが、ごく最近までに統計
調査部で判明をいたしました被害面積が、全国で約二十七万一千町歩ございますので、そのうち融資の対象になります被害が三〇%をこえますものにつきまして各作物別に減収量を計算し、さらにそれに統計
調査部の
調査によります現金支出分を乗じて計算をいたしますと、約四億三千万円という
数字が積み立てられて参るのであります。さらに、別に昨年の二十九年の春の凍霜害等の災害に関しまする法律での融資総額は、六億五千万円ということに相なっておるのでございますが、そのときの融資対象面積と今回の災害の被害面積とを比較をいたしますと、今回の災害の被害面積はちようど昨年の七割程度に当
つておりまして、こまかに融資の所要金額を計算いたしました場合にも先ほど申しました四億三千万円であり、また昨年の融資ワク六億五千万円との比較をいたします場合にも昨年の大体七割程度ということになりますので、それを
数字をまるめまして、融資ワクを四億五千万円というふうに一応決定をいたしたわけであります。なお、融資を受けます対象は、被害が三割以上ありました農家についてでございますが、主として肥料でございますとか、代替用の種苗でありますとか、あるいは農薬、それから家畜を飼います農家ではその飼料といったようなものの購入
資金、いわゆる営農
資金を貸付の対象にいたしております。一戸当りの貸付限度は一応最高五万円、それから償還期限は原則として二年といたしておるのであります
が、開拓農家と果樹栽培農家につきましては、この償還期限を三年、利率は、六分五厘が原則でありまして、開拓農家につきましては、これを五分五厘が最終の貸付金利になるようにいたしております。国は、都道府県、あるいは市町村がこの法律に基きまして災害農家に金融をいたします場合に、利子補給をいたしまして、今申しました六分五厘、開拓者につきましては五分五厘になりますように処置をいたすわけでありますが、その場合に都道府県、あるいは市町村に対しまして、その公共団体の負担額の半分を国から補助をいたす建前にいたしております。従って、
数字で申し上げますれば、国の負担部分が二分五厘であり、都道府県、あるいは市町村の負担部分が二分五厘、こういうことになるわけであります。これに要します
予算につきましては、利払いの時期が明年二月ごろになりますので、十二月の通常国会の際に補正
予算で御処置をいただくように
考えております。それから次に貸付をいたしました場合に、滞り貸しが生じまして、金融機関の損失をかけるおそれがありますので、その場合には融資ワクの四割を限度として損失補償をいたす建前にいたしておるのでありますが、その四割の損失補償のうち、二割を国が持ち、残り二割を都道府県、あるいは市町村が持つ、こういう建前になっております。なおこのたびの被害が昨年あるいは一昨年の被害を受けました農家と重複をいたします場合には、昨年あるいは一昨年の
措置法によりまする融
資金の償還を延期をする
措置を認めてやりませぬと、農家の経営上
支障を来たすと思われますので、これらの重複して被害を受けた農家につきましては、従前二年の期限で貸付をしてありましたものはその償還期限は三年に、三年で貸付をしておりましたものは、それを四年に延期し得るように
措置をいたすように附則で規定をいたしたわけであります。
なお、この法案を用意いたしましてから以後、六月に九洲の地方に水害があり、また昨日でございますか、けさでございますか、関東の方にひょう害等もあったようでありますが、これらにつきましてはなお統計
調査部の
調査数字が最終的に確定をいたしておりませんので、四月及び五月のすでに古く被害を受けました農家に対する融通
措置を一応急ぎまして、これ以後の災害につきましては、統計
調査部の
調査数字が確定次第、必要な
措置につきましてはこの法律とは別途に立法
措置を講じて
措置をいたして行きたい、かように
考えております。
以上簡単でございますが……。