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1955-11-21 第22回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十一月二十一日(月曜日)    午前十時三十六分開会     —————————————    委員の異動 十一月十七日委員佐多忠隆君辞任につ きその補欠として清澤俊英君を議長に おいて指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     江田 三郎君    理事            秋山俊一郎君            戸叶  武君            三浦 辰雄君            千田  正君    委員            青山 正一君           池田宇右衞門君            大矢半次郎君            菊田 七平君            重政 庸徳君            田中 啓一君            亀田 得治君            松浦 清一君            三橋八次郎君            森崎  隆君            溝口 三郎君            森 八三一君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   説明員    農林大臣官房予    算課長     昌谷  孝君    農林省農林経済    局長      安田善一郎君    林野庁業務部経    理課長     花園 一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○中央卸売市場法の一部を改正する法  律案田中啓一君外六名発議) ○農林水産政策に関する調査の件  (報告書に関する件)  (非常災害の場合における国有林産  物の売払に関する件)  (草資源改良造成及び利用増進に  関する件)  (昭和三十一年度農林省関係予算に  関する件)  (水産業振興に関する件)     —————————————
  2. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  最初に中央卸売市場法の一部を改正する法律案及び農林水産政策に関する調査の件についてお諮りいたします。  両件につきましては本日中に審査及び調査を完了することは困難でございますので、本院規則第七十二条の三によりまして、閉会中審査及び調査未了の旨の報告書議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお報告書内容及びその手続等委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。     —————————————
  5. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 前回委員会の決定によって、本日重ねてたばこ耕作による養蚕被害の件を議題にして、専売公社総裁答弁を求めることになっておりましたが、関係委員の御都合によってこの問題は後日に回すことにいたします。  前回委員会において台風被害対策に関する審議に関連して問題となりました、非常災害の場合における国有林産物の売り払いについて林野庁当局から発言を求められておりますから、この際お聞き取りを願います。
  6. 花園一郎

    説明員花園一郎君) この前の委員会におきまして御答弁申しました趣旨につきましてやや明確を欠いておる点がございますので、重ねて以下答弁をさしていただきます。  ただいまの救助法関係法令によりまして林野庁が払い下げいたします範囲につきましては、そのうちで特に時価よりも安く減額払い下げをする分が問題になるわけでございますが、これにつきましては、ただいまの法令でできます範囲につきましては、とりあえず市町村が管理する各種建物公用または公共用建物に一応限定が置かれるわけでございますが、それ以外のものにつきましては、一応一つ一つ個々大蔵省協議の上これをなすことができるようになっております。それにつきましては、一応時期的に応急復旧等に間に合わない場合もございますので、その点につきましてはその後種々大蔵省と折衝を重ねた結果、つまり時期的に急ぐものについてはすみやかにこれを省令において省令改正手続で法文化しておくべきであるという点におきまして、とりあえずただいまの省令の文句に公用もしくは公共用施設という言葉をつけ加えまして、これまで個々別々にきまっておりました分をさらにそのつど考慮が払えるように言葉をしようというふうにいたしたわけであります。さらにいわゆる救助法救助の用に供すという言葉につきましては、一応当初の省令制定の場合にはとりあえずはいわゆる厚生省側救助という用語の範囲を具体的に当ってみれば適用余地がないんではないかという観点に立って救助の用に供す余地はないという判定をしておったのでございますが、これについてはやはり将来起り得る場合を考えて、市町村都道府県救助の用に供する場合はできるというふうに範囲を広げることにいたしたわけでございます。一応これまでの説明で落ちておりました点を補足いたします。
  7. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御質問ございませんか。
  8. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私近ごろその点は詳しくないのですけれども、今のお話立木と、それから国が丸太にしたものとの区別によってさらに違うんだと思うのです。今のお話立木で払い下げる場合のお話であって、前に江田委員長が鹿児島に行って何された場合の応急災害復旧材というものには同様にやっぱり立木で売ってやる場合と、それから丸太になった、いわゆる救助のために作ったわけじゃないけれども、一般生産していた丸太救助措置に向ける、その向ける際に災害救助について、あるいは災害復旧についてできるかという二つの問題が含まれていたのだろうと思うのです。ですから今のお話は、私は立木をその救助のために払い下げる場合の御答弁だというふうに感ずるので、そうして研伐製品つまり官でお作りになっていた丸太というものをそちらに向ける場合においてはもっと広範囲にこれはやれるんだと、そしてなおかつ町村長が自分の町村民のそれが個々の家であっても町村長としてこれを一括購入してその目的に与えるといった場合はこれは含むんだ、含むというのはやれると解釈していいんだというふうに了解していいんですか、その点。
  9. 花園一郎

    説明員花園一郎君) 国有林産物と申しますというと、一応立木になるわけですが、省令では及び加工品という言葉が入っておりまして、製材の方も一応考えておるわけでございます。
  10. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうなると、今の省令をもっと明らかに変えなければ、できていた丸太をそっちの方に代用して救済に充てるということも今のところじゃできないと、こういうふうな解釈になるのですか。
  11. 花園一郎

    説明員花園一郎君) これにつきましては、当該林野の産物または加工品という言葉がございますですが、これじゃいけませんでしょうか。
  12. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私は聞いておるのであって、私は答えるだけの、最近事情を知りませんけれども、私は従来の精神からいっても、罹災民を救済する場合にその附近に一般植林として作っておった丸太を急に向けなければならない、また急に向けることが非常に適切だと考えられる場合ですね、それは立木処分の場合とは違って寛大にというとおかしいが、もっと簡易に払い下げられる規定が残っているように思っていたものだから御質問してるのです。立木処分と、それからできた製品加工品といいますか、製品とが全く同じ取扱いであると思わないものだから、それを聞いておるので、私の方がそこのところを聞きたいのです。
  13. 花園一郎

    説明員花園一郎君) いわゆる減額払い下げの場合の処置としては、これは加工品については林産物と同様に取り扱っておると私記憶しておるのですが、その点ただいまの御質問趣旨に私の御答弁が答えておりませんようでしたらさらに後ほど検討の上……。
  14. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 一つだけ。今の減額というのは、つまり安くの減額だと思うのですがね。私は私の質問自身もそこを明らかにしてなかったのですけれども、いわゆる普遍言うところの特定特売という、いわゆる時価で売る場合は、いわゆるできた製品というものならば、もっと広く応急のあれに間に合うことができるような措置の方法があると委員長のあの報告の中でも、何も減額してやるというだけを言っているのではなかったと思うのです。二色これまた含まれておったと思うのです。減額の分はそれでわかりますけれども、そうでなくいわゆる時価、しかしながら実際問題から見ればいろんな用途の思惑で入札する場合の値段よりは特定用途であり実際何といいますか、特定契約をしてもらった方が実際上安く上るというのでありますから、そのいわゆる特売、普通言う特売というものがその場合はできるのではないか、こういう意味なんです、私の言うのは。
  15. 花園一郎

    説明員花園一郎君) 製品予決令九十六条第十二号によりましてすべての場合にこれは活用できるようになっております。
  16. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっとこの前の委員会のときに私がお尋ねしたのは都道府県国有林野の所在する市町村、または隣接市町村区域内で仮設住宅等を建てた場合には当然適用すべきではないかということだったんですが、それはいけませんか。
  17. 花園一郎

    説明員花園一郎君) 都道府県につきましてはさらにその後内容検討いたしたわけでございますが、救助法発動があった場合に都道府県各種応急復旧につきましては、もちろん都道府県全域ということになりますと、これは全国ということになって意味が違うのでありますが、都道府県災害救助法発動区域に対して、その中に、その地域に持っておるものについて一々考えてみますと、一応公共事業関係による補助金が二分の一ないし三分の一出ているというのが実情でございます。こういうものについては減額払い下げという意味において特売はなくて、むしろいわゆる延納または時価相当額による売り払いを、ただし延納というようないわゆる予決令関係法令による措置で間に合うのではないかという解釈がありますので一応都道府県の行いますものについては特に応急救助の用に供するものについて以外は考えないと、ただし応急救助の用に供するものはこれは、たとえば応急復旧住宅でございますが、これは災害救助法の中の救助という言葉の中に含まれております応急復旧住宅でございますが、これはできるというふうに解釈しております。これは緊急を要するという意味においてできると……。
  18. 江田三郎

    委員長江田三郎君) そうすると仮設住宅というのは今あなたの言われたあとの分に該当するわけですか。
  19. 花園一郎

    説明員花園一郎君) 応急復旧住宅の中に入りますれば該当します。
  20. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 仮設住宅というものは当然そんなものではないですか。
  21. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 ちょっと今のに関連して、それはこうなんだと私は思う。時価より安く割引いて売るという規定ならば今言ったようなかたい特段規定範囲でなければ困る。しかし委員長の言われておるようなものの中の一部だと思うが、府県なりあるいは町村なりでもって応急に復旧しなければならない、しかも個人住宅という場合である場合はその町村長、あるいは県知事の名において申込みをしてきた場合においては特段時価より割引いては売るという線に入れない場合はいわゆる時価ではあるけれども入札をして高いものに売るという考え方ではない、それを売ることができると、こういうことなんで、今聞いている答えというものは非常に誤解を生む、だから、国有林というものは世話になっている府県、あるいは地方の住民の人たち災害に対して横を向いているかのごとき感じを与えるが、事実あなたのような今でもその点については製品を払い下げしておられるのだと思うが、その点を明らかにしておいていただきたい。
  22. 花園一郎

    説明員花園一郎君) ただいま三浦委員のお説の通りでございまして、いわゆる救助法適用による応急復旧住宅というものは当面の厚生省解釈によります救助の用に供すという言葉の中身としての応急仮設復旧住宅であります。それ以外の一般的なものにつきましては、予決令の方で時価相当額ではあるが延納その他の措置を講じて特売をし得るということになっております。
  23. 江田三郎

    委員長江田三郎君) じゃよろしいですね。  ちょっと速記をとめて。  〔速記中止
  24. 江田三郎

  25. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは草資源改良造成及び利用増進の件を議題にいたします。  この問題につきましては、委員会におきましてかねて政府申し入れを行い、続いて政府の所見をただし、あるいは民間有志者意見を聞くなど、審議を進めて参りましたが、委員の各位からの御意見もありまして、本日これまでの審査の結果に基いて一応委員会意見を決定いたしたいと存じますが、よろしゅうございますか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それではそういうふうにいたします。  ちょっと速記をとめて。    午前十時五十二分速記中止      ——————————    午前十一時三十三分速記開始
  27. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記をつけて。  それではただいま懇談の間にお話し合い願いました申入れ安楽城君に読んでもらいます。  〔専門員朗読〕    草資源改良造成及び利用増進に関する件   本件について、去る昭和二十九年十二月七日の当委員会申入れによつて、政府は、さきに農林省内に革資源調査会及び草資源対策連絡協議会を設けるとともに、農林省機構を一部改正して畜産局草地改良課をおき、本格的な作業に着手するに至ったことは、適切な措置として了承される。   草資源の問題は、永きにわたる日本農業の盲点であり、この著しい立後れの克服のためには、衆知を集めた慎重な検討の要あることは言をまたないが、よって得た結論の迅速果敢な実施が肝要であることを申しそえるものである。   この間に処するに、別記事項が特に留意せられるべきものと思われるから、ここに当委員会の誠意をもつて申入れする。   なお、本問題に関し、当委員会は去る九月十五日及び十月七日の両日、参考人意見を徴したので、有要な参考資料としてその会議録を送付する。   昭和三十年十一月二十一日       参議院農林水産委員会    農林大臣殿    大蔵大臣殿    文部大臣殿    経済企画庁長官殿      記  一、草資源対策の策定に当っては、ひとり畜産振興のみを目標とすべきではなく、飼料及び土壌腐植補給源としての草そのもの利用とともに、浸蝕防止及び水源涵養等草機能利用をも図って、土地(農地、林地牧野、原野の外、農道、畦畔堤塘、河川敷、鉄道数等をも含めて)利用適正化及び高度化し、農林業生産性を高   める見地に立つこと。    従って、牧草地及び牧草改良とともに、天然草地及び野草の改良についても意を用いること。    特に技術的にも経済的にも新しい畑地農業乃至傾斜地農業営農形態を樹立する等視野の広い見地に立つこと。  二、速やかに関係機関一体協力体制をもつて、前項の見地に立つて、全国にわたる既利用及び末利用草地の分布、その所有及び使用関係草地及び草資源利用及び管理の優良及び不良事例、今後の改良利用余地等基本的事項調査し、画期的な振興対策樹立の基礎を確立すること。  三、前二項の見地に立って、現行の諸制度、諸立法及び諸施設を再検討し、その改善を図ること。特にその行政機構整備強化を図ること。  四、草資源改良造成及び利用増進に関する内外の知識を摂取して技術的及び経営的試験研究調査機構を整備充実するとともに、国立大学に草に関する講座を設ける等有能な専門技術者の養成につとめ、且つ、農、畜、蚕、林業の関係技術普及員に対してもこの方面に着眼して活動し得るよう研修の機会を与えること。    特に、傾斜地高度利用目的とする農林畜一体綜合試験地を設けるとともに、既存の種畜牧場等広大な土地を有する所に於ても、この見地に立って、新しい土地利用形態の実を示すこと。  五、草資源に関する啓蒙及び知識向上普及を図り、これに関連する国民運動をまきおこすこと。  六、草地改良造成事業は、その性格にかんがみ、公共事業として取扱うこと。
  28. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ただいま朗読しました草資源改良造成及び利用増進に関する申し入れ農林大臣経済企画庁長官文部大臣大蔵大臣にいたすことに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 江田三郎

    委員長江田三郎君) じゃ、さよう決定いたします。     —————————————
  30. 江田三郎

    委員長江田三郎君) では次に昭和三十一年度の農林省関係予算の件を議題にいたします。この件につきましては過般の委員会において農林省官房長から一応の説明を聞いたのでありますが、本日さらに詳細な資料の提出を受けましたので、この資料について重ねて補足的な説明を伺うことにいたします。
  31. 昌谷孝

    説明員昌谷孝君) 前回官房長から三十一年度農林省関係予算要求内容につきまして重点事項中心といたしました御説明をいたしたわけでございますが、さらにそのうち公共事業を除きました一般農林省所管予算につきまして各局別予算要求事項別の整理をいたしましたのでお手元に資料として配付いたした次第であります。この局別事項別予算要求の概要につきまして要点を説明いたしたいと思います。  まず全体の姿でございますが、三十一年度の要求農林省所管予算公共事業を除きました総額は五百三十三億でございます。昨年度の四百九億に対しまして約百二十億の増加になっております。その局別内容はここにお示しした通りでございます。以下局ごとに主要な問題につきまして注釈的な御説明をいたしたいと思います。  まず農林大臣官房予算でございますが、官房予算の中で問題になります事項は九番目の総合助成、十番目の小団地開発事業促進、この点が問題になろうかと思います。総合助成につきましては先般御説明いたしましたように、在来積寒地帯に対する総合助成施策のほかに、その他の特殊林地帯をも含め、またさらに特定の特に林野率の高い特定町村をも含めまして、そのような低位生産地帯に対する総合的な助成方式として強力に打ち出して参りたい、さような方向要求をいたした次第であります。  次の少団地開発事業につきましては昨年度から開始したわけでございますが、一般的に従来渇望せられておりましたこの種事業はさらに強力に推し進めまして、食糧増産に寄与するという見地に立ちまして、本事業につきましても相当大幅な増額要求をいたしております。なおこの中には先ほど来お話の出ておりましたような牧野改良、特に開拓地におきましての普通地草地改良事業、そういったものもこの事業の中で進めて参る、さように予定をいたしております。  次に、次のページに参りまして、新たに要求いたしておりますものが出て参りますが、その中で十五番目にあげておりますのは生産性向上という項目でございますが、これは昨年来ございました生産性向上本部というものがございますが、従来は農業関係をも含めました生産性向上本部というのがございまして、それが米国の資金を利用等いたしまして、各般の産業関係生産性向上の諸方策をやっております。ただ実績に徴しましてやはり農業関係特殊性からいたしまして、一般産業の一部門としての農業ではございますが、農業関係生産性向上を強力に推し進めるための手がかりといたしまして、三十一年度は特にその一般的な生産性向上方式の中から農林水関係を切り離したと申しますか、独立いたさせまして、その関係生産性木部を設け、新たに施策を強力にやって参る、さように考えておる次第であります。  それから総合食糧消費政策でございますが、これはすでに官房総合食糧消費政策室を設けまして、総合的な食糧自給度向上に関する諸調査でありますとか、あるいは食生活改善の問題でありますとか、そういった問題について、官房各局の立場を総合いたしまして施策を進めておるわけでありますが、その関係についての、少額でありますが事務費要求いたしております。  それからここに未定と書いてございます十七の項目は、御承知かと存じますが、米国大統領特別基金一億ドルを利用いたしまして、農業国際協力関係事業に充当するという一つ考え方がございますので、これをわが国の東南アジアに対する国際協力の一部に利用することを考えたことがあるわけでございます。ただ、その基本になります米国大統領基金の使い方、あるいは使途、配分につきまして、明確な段階に参っておりませんので、この際は未定といたしております。従いまして、この関係は、国が直接そういった技術研究所研修所でございますが、そういった研修所を設けて、東南アジアに対する農業国際協力のセンターを強力に進めて参る。あるいは国でやりますか、あるいは独立の財団法人組織によりますか、それ等も未定でございますが、そういう方向が固まり次第予算の必要なものについて予算化いたすという所存であります。  次の十八番目の海外派遣農村青年海外派遣関係でございますが、これは従来米国農村青年を四十名ばかり毎年派遣いたしております。この関係を継続いたしますと同時に、従来は、デンマーク中心にいたしまして外国営農関係の実地の勉強にデンマークに約八名だったと思いますが出しておりました。これを明年度はひとりデンマークのみでなく広げまして、スイスでありますとか、あるいは西独、カナダ、ブラジル等、それらの諸地域にもそういった中堅青年を派遣いたしまして、外国営農形態を勉強していただく、さように拡大して考えて参りたいと思います。  次の十九番でありますが、農林水産技術最高会議の設置に要する経費であります。これは、せんだって重要事項説明内容を御説明いたしましたので、詳細の説明を省略させていただきますが、在来各局それぞれに属しておりました試験研究機関運営を総合し、かつ強力にそれらの研究機関相互間の連係を保ちながら強力に進めて参るという構想のもとに、大臣附属機関といたしまして、農林水産技術最高会議、名前はかりの名前でございますが、そういったものを設けまして、委員長委員を六名、その下に簡素な事務局を設けまして、各局各試験場の試験研究に関する総合的な参謀本部的な役割を果していく、そういう構想のものであります。で、上に掲げました摘要のところにございます、会議運営に要する経費二億二千六百万円は、そのうちその最高会議企画をいたしまたその企画に基いて、各関係試験研究機関試験研究をいたしました成果を、最高会議の主宰のもとに逐年成果を持ち寄って検討して参る、そのような、いわば最高会議の事務的な運営に必要な経費がこのうち二千六百万円であります。残余の二億につきましては、最高会議の何と申しますか、各在来所属研究機関が持っております試験研究費のほかに、最高会議が、ひものつかないと申しますか、いわば調整保留的な機能を営みますための予備的な試験研究費最高会議に附属して最高会議予算として二億円を計上いたしておるわけであります。これは最高会議におきまして、明年度試験研究項目を調整し、新規にそれぞれの試験研究機関を動員して、新しい試験研究を行います場合の財源として、実行上はそれぞれ担当いたします試験研究機関最高会議から配付いたされる、さような方向で運用するものであります。  それから同じく最高会議のところに計上しております(2)の放射能利用関係経費一億二千六百万円でございますが、これは、それぞれの研究機関におきまして、放射能利用して参るために必要な経費新規に計上いたしたわけでありますが、それは各試験研究機関にわたっております。この内容といたしましては、現在日本試験研究機関でこなしておりますのは、アイソトープ利用試験研究段階にとどまっておりますが、これをさらに品種改良でありますとか、その他食糧とか、林産加工関係でありますとか、家畜衛生の病原菌の発見でありますとか、そういう高次の利用に押し進めて参りますためには、先進国の試験研究調査をよくいたす必要がありますので、この一億二千六百万円のうちの相当部分は各試験研究機関から、米国その他の先進国の試験研究機関、あるいは大学に人を派遣いたしまして、調査並びに研究に従事していただく、その関係経費であります。なお、そういった試験研究海外派遣旅費のほかに、現在アイソトープ研究室と申しますか、アイソトープ関係の研究自体の施設としてもまだ十分完備いたしておりませんので、それらを完備していない試験研究機関について、アイソトープ程度のところまでの完備をいたす、その関係予算であります。従いまして、使います試験場、所は、おおむねのめどはついておるわけでありますが、こういった新しい試験研究の領域の問題でありますので、私どもは事務的に各試験場、所の必要とします経費を、せっかく最高会議もできることでありますので、各試験研究機関に直ちに固定して予算化することなしに、一応それを総合一括いたしまして、最高会議項目予算化いたしたわけであります。最高会議が発足いたしますれば、今申しましたような著眼点で、それぞれの試験研究機関がどの程度原子力の利用にこの経費利用するかということをおきめ願って実行いたしていただく、さようなことにいたしております。  次に、農林経済局の関係でございますが、農林経済局の関係では、御承知の農業委員会関係経費農業協同組合に関係いたします経費農業共済に関係いたします経費・そういったような経費が重要な経費としてあるわけでありますが、これらのそれぞれにつきましては、さしあたりただいまの予算要求段階といたしましては、おおむね前年度の考え方をそのまま踏襲いたしま「して予算化いたしております。今後いろいろ問題点が出て参ろうかと存じますが、そのような見地要求いたしましたので、あまり目新しい変更は来たしておりません。農業委員会関係につきましては、町村合併に伴いまして、農業委員会の数の異同があるというような関係、その計数上のおもな異同でございます。農業協同組合につきましては、やはり昨年と同じような考え方に立っておりますので、大きな変更はございませんが、若干従来やっておりますそれぞれの整備あるいは事業活動の力をさらに強力にやって参るという意味での増額要求がございますが、考え方としての目新しいものは出ておりません。ただ事項としての六番目でございますが、資料の六ページの六番目のところにございます関係で、六番目に農業協同組合の整備強化という新しい要求がございます。これは農業協同組合の振興をはかりますための、何と申しますか、一つの基金のようなものを中央の団体がもちまして、これを活用いたしまして、系統組合の整備強化に役立つような施策利用いたして参る、そういう考え方をいたしております。これは金額的に申しますと、五億六千九百万円という金額でございまして、今申しましたような意味合いにおきまして、強力な施策要求いたしておるわけであります。  それから九番目の肥料関係でございますが、これも量的な増加のほか新しい考えはございません。  次の副業関係、それから農村の電気導入関係でありますが、これにつきましては、農村の電気導入関係につきましては、従来指導のための事務費が十分予算化いたされておりませんので、あの法律の趣旨を徹底いたして参るのに十分でないという感じを持っておりますので、そのような指導のための事務費を計上いたしております。  それから十三番目の関係でございますが、これは先般申しました明年度重点事項一つとして取り上げております農林水産物の輸出の振興でございますが、この関係につきましては、従来は生糸の関係を除きましては、農林省の行います輸出振興は主としてと申しますか、もっぱら国内の輸出農林水産業振興というところに重点があったのでありますが、これをさらに拡大いたしますとともに、今現に生糸について海外の同業者、あるいは海外の需要者と提携いたしまして、海外市場の拡大、あるいは広くはその商品の世界的な需要の増進ということをはかって参る、その趣旨で生糸にとどめず、広く一般の輸出の可能な農林水産物全般にわたりまして、そのような海外における需要の増進ということを強力に推し進めたい、さように考えまして、八ページの13の2というところに、海外農林水産物の市場調査宣伝委託費というものを五億五千万円計上いたしました。これは昨年来の生糸関係を吸収いたしまして、それにさらに業界の動きといたしまして、海外の同業者との提携がある程度緒についておりますマグロ関係、サケ、マスの関係中心に、その他の農林水産物をも含めました海外の需要増進、市場調査を強力にやりたいというわけでありまして、ニューヨークとロンドンに事務所を設け、なお生糸の関係は特殊事情がございますので、ロンドンからフランスのリヨンに駐在員を出させまして、そのような海外の機構を整備いたしまして、個々の製造業者が個々ではなかなか手のつきません海外の同業者との提携、つまり単なる輸出振興ということで参りますと、直ちに外国の競争業者との摩擦が起りますので、輸出振興もさることながら、海外の同業者と提携しての需要の開拓というところにむしろ重点を置いた施策をやって参る、さように考えておるわけであります。事業主体といたしましては、現在の農林水産物の輸出振興会というものがございます。これをさらに強力なものに整備をいたしまして、その輸出振興会の事務所として、今申しましたような海外組織を整備して参りたい、さように考えております。  それから十四番目の経費は流通改善経費の一端でありますが、生鮮食料品の流通改善のための主要施策といたしまして、主要都市の中央卸売市場の施設の整備を今年に引き続きまして年次計画によって推し進めて参るそのための補助に要する経費であります。  それから十七番目の災害の営農資金の関係は、御承知の一連の災害のたびに生じます利子補給でありますとか、また若干損失補償の必要が起りますものについてその予算的な用意をいたしたわけでありまして、この要求の中にはまだ八月以降本年度の災害として認められました営農資金の融資額に見合いますものの計算がまだこの段階では計数が漏れております。これは引き続きまして計数がやっと明確になりましたので、なるべく最近の災害の手当の分まで追加いたしまして要求をいたすことにして目下大蔵省とその分を含めました相談をいたしております。  十八番目の災害共済関係は、先ほど冒頭に申し上げましたような意味合いにおきまして組んでおりますので、特別に御説明をいたす問題はないかと存じますが、市町村合併の関係で共済組合の末端の単位が移動いたしますに伴いまして末端組合の事務所あるいは事務費の整備のための経費に重点と申しますか、ある程度の増加の額が出ております。  それから一番最後の十三ページのところに飛びまして、摘要の七番のところにございますように、農業共済基金の資金貸付金といたしまして、例の二十九億を要求いたしております。これは御承知の基金の資金繰り関係と申しますか赤字の、発足当時からの懸案事項であります。  農林経済局の関係の場所といたしましては、農業総合研究所、肥料検査所、輸出品検査所、農村工業指導所といったようなものがございます。これらにつきましては、それぞれの機能の充実という見地で増額は要求はいたしておりますが、特に特記いたすべきものはございません。  それから次に参りまして統計調査部でありますが、統計調査部の関係につきましても若干新規の統計調査を予定いたしておりますが、基本在来の統計調査の組織の維持、運営、拡充ということに尽きますので一括してそういう程度に御了承願っておきたいと思います。  それからそういうことで飛ばしまして次の十九ページに参りまして農地局の関係予算ですが、農地局関係といたしましては、新規項目といたしましては三番目の愛知用水公団及び農地開発機械公団の監理に必要な経費がございます。これは農地局に両公団の監理をいたしますための監理官室を設け、監理官を置いて厳重にいたして参る、そういう構想がございますので、それを要求いたしております。  それから北海道の開拓関係の実習の問題でございますが、これも従来現地からの熾烈な要望に基くものであります。  それから八番目の農業移民の関係でありますが、農業移民の関係といたしましては、官房に掲げました海外の青壮年の派遣のほかに、農地局といたしましては、今後この移民の関係の仕事を大いに積極的にやりたいという考え方から、この摘要にございますように家族移民八千五百、単身移民五百人を一応目標といたしまして、それの出身地から送り込む現地に至りますまでの一貫した調査、あるいは世話をいたしますための経費を組んでおります。なお、そのほかに移民の受け入れられそうな適当な国の識者をわが国に招聘をいたしまして、日本の農村の実態をよく見てもらいまして、移民の必要性と申しますか、日本からの移民の送り出しの必要なこと、あるいは適当であることを広く海外に認識をさせたいという趣旨予算を計上いたしております。  それから九番目、十番目、開拓地の営農指導、あるいは農村建設青年隊等につきましては、それぞれ従来の行政をさらに積極化するという趣旨増額要求がございます。  それから十一番目の開拓融資保証制度につきましては、最近の保証金の運行の方向から見まして、新たに出資金を増額いたして参る、さような関係で出資増に必要な経費要求いたしてございます。  それから十二番目に、開拓者資金融通特別会計への繰入、あるいは繰り入れますのに一般会計資金を使わず、運用部資金を使っておりますので、その運用部資金を繰り入れたものにつきましては、資金利子の差額を一般会計から補給をいたしまして、開拓者融資営農資金の特別会計が逆ざやにならないような措置を講じております。  その次の十三番目は、機械開発公団の関係と申しますか、世銀関係の上北、根釧の両地区の機械開墾がいよいよ本格的に事業が始まるわけでありますが、その関係の営農指導を特に重点を置きまして、新しい営農形態の樹立ということに遺憾なきを期する、その趣旨経費であります。  以下自作農創設維持、あるいはこの関係は、自作農創設維持の一連の従来の関係経費要求であります。  鉱害につきましても同様であります。  それから農地といたしまして、明年度相当の重点を置いておりますのは、二十二ページの事項番号の二十二番でありますが、土地改良事業の監査の徹底ということ、この関係につきましては、監査官九名を設置いたしまして、事前あるいは事後の土地改良事業関係の監査に遺憾なきを期して参りたいということで、新たにこの監査に従事する人員の増加要求をいたしております。  それから経済効果の確認に必要な諸調査も従来にあまり予算化しておりませんが、これを要求いたしまして、公共事業というものの実効の高率化あるいは適正化ということにそれらを含めまして重点があるわけであります。農地関係の一般会計としては、公共事業関係を除きます一般会計の予算要求としては大体そういうようなことであります。  次に農業改良局の関係でありますが、農業改良局の関係といたしましては、初めの方に出ておりますのは、それぞれの関係の本省経費でありますが、四番目に種子の関係経費をまとめて整理いたしております。金額的にはおおむね前回と大差のない金額を要求いたしておりますが、原々種圃といたしましては稲、麦、大豆、とうもろこし、甘藷、原種圃といたしましては稲、麦、大豆、とうもろこし、馬鈴薯、それから採種圃といたしましては稲、麦、大豆という関係というものが主要農作物種子確保の関係の一連の事業であります。  それから菜種につきましては原種圃がございます。  それから共同育苗費につきましては、これは受益関係が、その育苗費を中心にいたしまして農家に参りまするので、その趣旨から申しまして、御承知の改良基金の方丈貸付金で実行いたして参る、さように予定いたしております。  それから主要作物の関係でありますが、主要作物の関係も従前通り原々種圃から採種圃に至ります一貫した種子の確保対策を考慮いたしておるわけであります。  肥飼料作物関係項目といたしましては、原々種圃で取り上げます項目は、四倍体の紫雲英、寒冷早植地向け紫雲英、それから原種圃で取り上げますのは四倍体の紫雲英、寒冷地向けの紫雲英のほかに、暖地向けの紫雲英、青刈大豆、青刈エンドウ、クロバーを新たに追加いたしております。それから採種圃の段階に参りますと、四倍体紫雲英のほかに耐雪耐寒性の紫雲英、そういったような項目を計上いたしております。  それから災害対策用種子予備貯蔵であります。これは従前もやっておりましたので御承知の通りでありますが、種馬鈴薯、麦、雑穀、それから蔬菜、それらにつきましては、災害対策用の予備貯蔵をそれぞれ考えております。  それからその次の項目に参りますと、農業生産力増強施設普及奨励という項名が書いてございますが、ここで水稲健苗につきましては、県の指導費につきましては従前通り補助費でやっておりますが、施設費につきましては先般御説明申しましたように、新たに改良基金の制度を設けまして、基金を計上いたしております。  それから耕土培養事業といたしましても同様の考え方でございまして、監査指導費と効果確認圃場設置費につきましては補助でやっておりますが、秋落水田等改良事業費とか、酸性土壌改良事業費の面は基金の機能にゆだねることにいたしております。  次の西南暖地につきましても同様の考え方であります。  それから潅漑水温調査事業費であります。これは新規でありますが、これは潅漑水の取り入れ口の水温の問題についての調査でありますが、この調査と見合った事業といたしましては、改良基金の方の保証勘定の方で、この取り入れ口の水温の調整のための施設といたしまして、最近普及段階に入りましたビニール利用施設の設置ということが考慮されております。  それから通し苗代等解消対策費でありますが、これも基金の方にいっておりまして、新たに従来ありませなんだ指導費を計上したわけであります。  それから次が特殊土壌対策費でありますが、特殊土壌対策につきましてはここにありますように、やはり県の事業費なり効果確認圃場の設置につきましては補助をやっておりますが、その他の一般の事業費につきましてはおおむね基金に行ったものが多いのであります。その関係を特殊土壌の関係の従来の予算措置と三十一年度の予算要求のやり方につきまして簡単に対比して申し上げますと、シラス対策につきましては従来防災茶園と防災桑園について補助が出ておったわけであります。この関係明年度は五カ年計画の第三年目でもございますので、政良基金の方へ計上いたしました。それから次のヨナ対策といたしては、やはり防災茶園と防災桑園でありますが、これも本年度シラスと同様五カ年計画の三年目でありますので、直接の補助を基金の方に切りかえをいたしました。それからアカホヤに対する対策でありますが、従前は一括補助でやっておりましたが、そのうち効果確認圃場の設置だけを補助に残しまして、あとの補助は基金の貸付金の方に入れました。それからイモゴの対策でありますが、イモゴ対策につきましては、機械の購入とその機械の運営が主体でありますが、三十一年度はこれに必要な機械の整備は補助金で引き続き整備をいたす、これは三十一年度で所要機械の整備を終る予定であります。機械は従前通り補助をいたしますが、その機械の運用、つまり具体的に申しますと、オペレーターの費用でありますとか、あるいは機械を動かしますための燃料関係の費用、そういったものは基金で見る、さような考え方にいたしております。  なお、以上申しましたのは、特殊土壌対策のうちの非公共事業といたしまして改良局が従来補助金をもってやっておりました事業についての措置でありますが、このほかに公共事業としてやっておりますものにシラス対策がございます。このシラス対策は先ほど申しましたように、防災茶園、防災桑園につきましては従来改良局が補助してやっておりますので、これは基金に切りかえるのですが、土地保全関係公共事業として行われておりましたシラス村策事業は、従前通り公共事業として三十年度十五地区をやりましたが、三十一年度は十九地区にいたしまして、引き続き補助事業としてやって参るようにいたしております。それからなおこのほかにボラ、コラ、あるいは花崗岩地帯、こういう特殊の地帯の土壌対策が公共事業で三十年度十七地区実施したのでありますが、三十一年度は引き続きまして二十六地区につきまして、公共事業の補助事業として実行いたして参る、そういう考え方で、特殊土壌対策につきまして改良局の関係と申しますか、一般非公共と公共との関係、またその補助と基金への切りかえとの関係は、以上御説明いたしましたようなことになっております。  それから次の北海道農業振興でありますが、これは従前やっております心土耕混層耕の機械の整備でありますが、これはあと一年で終りますので、引き続き北海道に対する分だけ補助として機械の購入を要求をいたしております。それからなお北海道の特殊事情としての輸出用のサイトウ、エンドウの品種が従前の輸出最盛期に比較いたしまして品質的に非常に退化をいたしておるという関係がございますので、この輸出用の豆類の原種圃を設置する新規要求をいたしております。  それから次のページに参りますと、米作日本一、これは従前の継続でございます。それから農産物の取引所指導監督経費でありますが、これは農産課といたしまして農産物の取引所の監督に当っておるわけでありますが、そのための経費として特定した経費が従前ございませんのでこれを要求し、監督の強化を期したいというわけでございます。それから十番目は、主要農作物の畑作振興対策として新規に一億一千万円ほどのものを要求いたしておりますが、これは先ほど北海道について申しました心土耕混層耕の考え方を内地府県に及ぼしまして、内地府県につきましても、ある特定の畑作地帯につきましてはこのような心土耕混層耕をやることによって土地生産力の拡大をはかって参りたいというわけであります。従いまして経費の主たるものは一番にありますトラクターの購入費であります。これは北海道の場合は道庁に対する補助をいたしまして、道庁がトラクターを購入いたして実施をいたしておりますが、内地府県につきましては後に畜産の方に出て参ります牧野改良のための農機具と申しますか、大農具の購入費と考え方を統一いたしまして、従前の二分の一補助を改めまして国が直接機械を買いまして関係府県に貸し与えるという施策をとることにいたしました。これは一つ事業の実施あるいは機械の総合的有効な活用をはかるということでありますし、もう一つはそれぞれの県に相当の負担になるわけでございますので、県の財政負担を軽減するという見地からも、この際二分の一補助を改めまして、国が買いまして貸しつけるという制度にいたしまして、機械そのものの運営の効率化をはかりますとともに、地方財政負担を軽減いたしたいという趣旨であります。これは従いまして国といたしましては、目下の考え方といたしましては、五年くらいかかりまして県から貸付料を納めてもらいまして、大体従来の二分の一県が負担しておりました額に相当する金額程度の貸付料が国に入りました段階で、国から県に所有権の移転をする、そのような考え方をとったらいかがであろうかと、さように考えております。でこのような心土耕混層耕によりまして、畑作地帯の生産性向上をはかるわけでありますが、そのねらいといたしましては畑作の麦、大豆その他につきましてそのような土壌改良土地改良をやりますのと並行いたしまして、一つの畑作体系を新しく模範的に打ち立てて参るというねらいをしておるわけであります。従いましてその関係といたしましては改良基金の方に模範的な指導地区の設置に必要な経費を、何と申しますか、セットになった模範地区を、土地改良、土壌の改良から発し、肥培管理、病害虫防除といったような一連の畑作を振興して参るに必要な諸作業をセットにいたしまして、模範的な畑作経営の樹立をやって参る、そのようなねらいのある経費であります。  次の特殊農作物の生産確保の関係でありますが、これは摘要に出ておりますようなチョマ、イグサ、ハッカ、除虫菊、茶、オリーブ、ミツマタ、コウゾといったような、いわゆる特産物についての種子の改良、あるいは増産の奨励であります。なお、それと輸出球根の原種圃といたしましては、チューリップを引き続きやっております。それからもう一つの特殊な農作物といたしましての北海道のテンサイにつきましては、従来の原採種圃の経費のほかに、テイサイの利用の増強をはかるという趣旨から申しまして、茎葉の乾燥飼料化ということについて試験的に北海道の農業試験場に乾燥機を補助いたしまして、従来テンサイが当然総合的に利用さるべきでありながら、茎葉の飼料化ということについて十分の経済効果を上げておりませんので、この関係の経済効果の向上のための試験的な施策を考えております。それから特殊農作物の第四といたしましては、輸出用の果実のカン詰の新品種と申しますか、桜桃につきまして、平塚の園芸試験場のほうで新しく相当自信のある品種の育成をやっておりますので、これを急速に産地に普及いたしたいという趣旨での新しい桜桃品種の普及、その何と申しますか、新しくとりましたその穂木の頒布のための経費を計上いたしております。それから紅茶につきましては、製法もだいぶ世界的に申しますと日本は立ちおくれておるようでありますし、輸出されますものがとかく低廉かつ低品位のものが輸出の対象になっておるように思われますので、これを最近の国際的な需要に見合った、新しい需要に対応させるための諸施策を講じて参りたい、その関係であります。  それからお茶の原種農場につきましてはここに書いてございます。施設の新営に若干新しいのがございますだけで、特別に従来の考え方につけ加えるべきものはございません。  それから種苗検査、これも同様でございます。  それから次の植物防疫につきましては、国の防除器具の新規購入がございますが、主眼といたします防除組織の整備につきましては、予察網の充実を続けますほか、防除器具の購入につきましては、三十年度から始めました防除器具の市町村分の整備を年次を追って進めて参るということになっております。なお都道府県分につきましては、やはりこれも年次計画によります三十一年度分を計画通り実行いたすのでございます。それから農薬の整備の欠損補てんのための経費でありますが、これにつきましては、従来のと申しますか、三十年度は全国段階で備蓄をいたしましたものにつきまして、つまり異常災害の発生のための備蓄を全国段階でいたしておりますが、これを従前通り進めますほか、平常発生分につきましても、市町村段階で需要期に一度に発注することなくもあらかじめ春ごろから早期に発注をいたしまして、手持ちをいたしまして、つまり農薬の早期手当と申しますか、そういうことによりまして緊急の事態に備えると同時に、価格なり、需給関係の混乱のないようにいたすという趣旨で、市町村段階での早期購入の奨励をいたしますための金利なり何なりの補助を考えております。それから都道府県段階につきましては、そのように平常発生分のおおむね半量に近いものを市町村が早期購入をいたしますので、大体において県段階では、そのそれぞれの町村が早期手当をいたしましたものにつきまして、何と申しますか、県段階ではでこぼこ調整と申しますか、一つの安全弁的な備蓄をやるという意味におきまして、平常発生分の約一割分に相当する量を県段階で手当をいたす、そのような考え方になっております。  次に参りまして、機械化の促進の関係といたしましては、現在やっております機械の検査の関係を拡充いたしますほか、展示施設でありますとか、あるいは農業機械の利用の合理化の促進のための諸施策をやって参る、さようになっております。  それから十八番目の都道府県農業試験場の試験研究に対する一連の補助でありますが、これは御承知の指定試験でありますとか、育種試験でありますとか、原種決定試験等、いろいろ従来都道府県の試験場を利用あるいは活用いたしまして、国の試験場との有機的な関連のもとに各種の新しい施策が生まれてきたわけでありますが、その関係を引き続いてやって参ります。なおその中には次のページにございますような新しく考えているものもございますが、個々につきましては省略させていただきます。  それから三十二ページに参りまして、農業試験場に、畜産についても、特に先ほど来お話しがありましたような総合的な意味で、畜産関係試験研究にも今後重点を大いに置いてやってもらおうという意味におきまして、特に一般の農業試験場に対する試験研究費補助を分けまして、ここに十九番の番号で一本独立して畜産関係、特に牧野草地利用の増進といったようなことに重点を置いた関係試験研究の計画を持っております。  それから二十番目に掲げましたのが農業改良普及事業でありますが、これは基金制度の考え方の前提になっております改良普及事業を強化拡充いたしまして、改良普及事業と一連の国の助成が表裏一体の関係になりまして、国の助成と改良普及事業がそれぞれ切り離さないでうまく強力に動くということによりまして、それが前提になって、従来の補助金改良基金にと申しますか、改良基金制度というようなものの考え方もそういう普及員の施設面あるいは物的な面への積極的な介入と申しますか、そういうことが前提になっての制度でございますので、改良普及事業につきましては、特に末端まで改良普及の事業が浸透いたしますような意味合いにおきまして、組織の充実、拡張を考えております。  それから二十一番目の農業講習でありますが、これはやはり従来ここにありますような県、あるいは特殊の法人組織の各般の農業関係の講習施設を活用して、農業改良に資するという趣旨での補助であります。  それから二十二番目に改良基金の運営管理として十六億八千九百万が出て参りますが、これは先ほど来申しておりましたような意味での貸付金勘定について、国が三分の二を補助し、また融資保証勘定につきましては県に設けられております今の基金が、貸付金のほか同時に損失保証をいたしまして、その損失保証をいたします分について利子の補給をいたすと、その利子補給に必要な経費補助金であります。そのようなものが計上せられております。詳細につきましては前回お話がありましたので、省略させていただきます。  それから改良関係の場所といたしましては、ここにあげましたようなそれぞれ場所がございますが、これも事新しく御説明の必要はないかと存じます。  次に畜産局でありますが、畜産局といたしましては、この二番目の畜産技術振興という経費が上っております。これは本年度二千万円、明年度一億一千六百万円ということで計上いたしておりますが、これは現存畜産指導事業が非常に不活発でありますのにかんがみまして、畜産の末端農家に対する技術指導、畜産経営、畜産技術についての指導の体制を固めて参るための施策といたしまして、畜産経営診断事業というような名前で、関係の団体を組合、網羅いたしました一つの体制を整えまして、末端農家の今申しました経営指導を具体的に取り上げてやって参るという計画を持っておりますが、このための経費であります。従いまして、県におきまして県畜産会、中央におきまして中央畜産会ができまして、かような現存農家にそういう技術指導、サービスをやっております末端職員を持っております団体を糾合いたしまして、その団体職員のうち約六千名でございましたかを、特にこの経営診断事業のために動員をいたし、それによって明年度さしあたり四万戸について経営診断事業をやり、有畜農家の経営の改善を考えておる、その関係経費であります。  それから次の三番目に家畜の改良増殖、この関係は従前の家畜検査でありますとか、種畜購入補助のほか、新規に数年来試験的に導入いたしましたジャージー種につきまして、これを現実に日本の風土に、経営に適する方向に品種の積極的な日本的な意味のジャージーの固定と申しますか、方向を固めて参る必要がございますので、そのジャージーにつきまして、特に従来入れました種母畜の能力の検定、また同時にそういった登録基準の設定、そういった本格的なジャージーの日本化ために必要な経費を組んでおります。  それから四番目のジャージーの輸入でありますが、ジャージーの輸入につきましては、従前御承知のように、国が買いまして貸付をいたしまして、頭金を、子返しを併用して特定の地区に入れて参ったわけでありますが、三十年度予算でこれは二カ年計画で従来やっておりますので、三十年度は新規に二地区についてジャージーを購入いたすことになっております。この三十年度に新規に取り上げました二地区につきましては、明年度に全く同じ方式によりまして、残余の三百頭あたりを購入して参ることになります。それからそれ以外のジャージーは、目下交渉が最終段階に大体きておるように聞いておりますが、世界銀行資金の活用によりまして、ジャージーの導入を考えておるわけであります。明年度は二千五百頭を世銀借款によりまして導入いたすことに計画を持っております。で、三十一、三十二両年度を通じまして、五千頭、その半分の二千五百頭を、三十一年度に世銀を使いまして、この二千五百頭のうち一千三百頭が機械開墾地区といわれております、根釧、上北の周辺地区に導入されます。それから残余の千二百頭は、これ以外の一般のと申しますか、上北、根釧以外の一般の集約酪農地域のうちジャージー種の適当だと思われる地域に新たに導入せられるわけであります。従いまして、財政支出面におきましては、従来牛の賞付代金が計上されておりましたので、畜産局としては相当の金額になっておったのでございますが、牛代金そのものは財政支出の必要がございませんので、財政支出面では相当の軽減になっております。財政支出として負担いたしますのは、購買官を派遣して購買の事務をやる、そういった購買関係の間接費的なものだけになりまして、牛代金は世銀、それから世銀が貸しません残りの船運賃でありますとか、そのような一連の円資金につきましては、それぞれ金融で、機械開発公団の機能の拡大を伴いますが、機械開発公団の機能をこういった牛の取扱い業務まで含めることを前提といたしまして、予算はそのように一般財政支出の面では軽減して参ります。  それから次の草地改良事業でありますが、草地改良事業につきましては、先ほど来いろいろお話が出ておりますようないろいろの問題を含んでおりますので、ここに五番目の事項までの中にあげてあります費用としましては、二番目に書いてあります牧野の土壌調査ということが新しく取り上げられております。これは耕土培養事業、あるいは開拓地の開拓不適地度の土壌調査といったような土壌調査、あれと同じような方法で、あれよりもやや広範囲のサンプリングになりますが、同じような方法をもちまして、改良予定草地につきましてまず土壌調査を行い、その土壌調査を基礎といたしまして、土壌改良あるいは播種等を行なって参る、かような意味合いで土壌調査新規に計画いたしております。従いましてこれの事業実施主体は、県段階におきましては、県の農業試験場が一連の土壌調査の拡大として担当いたすわけであります。それから土地改良事業そのものといたしましては、従来の高度集約牧野につきましては、高度集約牧野の造成改良は、ここに計上いたしておりますのは、まず事業設計の適正化を期するという趣旨から申しまして、県におきまして、事前あるいは事後の指導監督を十分に行う、それから高度集約牧野は集約酪農地域におきまして、先ほど申しましたように国が機械を買いまして、それを高度集約牧野改良の根幹とするという趣旨に切りかえました。それから改良牧野につきましては、一般的な事業をさしあたり補助することを控えまして、県をして改良牧野につきまして展示的な改良を行わせる、そういうふうな線で考えを固めております。  それから次の北海道の畜産振興につきましては、これは例のルーサンでありますが、ルーサンを北海道に普及するということにつきまして、従前失敗の歴史を繰り返しましたルーサンでなく、最近の模様によりますと、非常に適応性が強いのでありますので、このルーサンの普及をやるわけでありますが、このルーサンそのものの普及は、改良基金から耕作についての資金は農業改良基金の貸付金勘定でそれぞれの適地に所要資金を出します。でここに計上いたしておりますのはそのルーサンの利用のための一つの問題点であります集約後の利用の確保の問題といたしての乾燥機の設置であります。これも先ほどテンサイ糖の項で申し上げましたとほぼ似たような考え方でありますが、それらのルーサンの適地のうち、特に濃霧地帯等乾燥の困難な地帯につきましては、機械乾燥を考慮いたしております。
  32. 田中啓一

    田中啓一君 これは何と読むんですか。ちょっと読めない字が書いてありますが。
  33. 昌谷孝

    説明員昌谷孝君) 高蛋白でございます。ミス・プリントでございます。高蛋白乾燥、これは中味はルーサンでございます。  それから飼料の自給経営地の関係でありますが、これは過去二カ年でありましたけれども相当の成績をおさめておりますので、これを年次計画通り来年度も補助によって完成いたしたい、さような考え方であります。なおこの項目の三番目に乾燥調整施設補助金というのがございますが、これは先ほどの北海道についてのルーサンとやや似た構想であります。北陸等れんげ地帯を中心にいたしまして、そのように北陸地帯等飼料作物の利用面で、気候風土の関係から利用が十分に行われがたい地帯がございますので、それらの地帯につきまして、北海道あるいはテンサイ糖あるいはルーサンの場合と比較いたしますと、やや簡易な乾燥施設を県の農業試験場に補助をいたしまして、試験的にそれがそれらの普及されました飼料作物の地帯に出動いたしまして、集約的に急速な乾燥貯蔵の展示的な普及をやる、そういう経費であります。  それから八番目の有畜営農の確立、これは御承知の有畜農家創設特別措置法によります所要の明年度に必要な利子補給額であります。なお申し落しましたが草地改良のところで高度集約牧野の機械は、先ほど申しましたが機械で抜根整地をいたしましたあと、なお土壌調査それから抜根整地をいたしましたあとの土壌改良の資材費、あるいはタンカルでありますとか、燐酸肥料でありますとか等は、農業改良基金の貸付勘定の方で、それに必要な費用を手当いたすことにいたしております。それから種子につきましてもこの種子は大体におきましてそういった土壌改良なり、整地なりの大工事の必要のないところに重点を置いて、種子だけの補助金要求されておったわけでありますが、この草地改良についての必要な手当につきましても、農業改良基金の方で所要の資金の融資をはかるというふうに考えております。  それから九番目の流通飼料の需給及び価格安定、これは飼料需給安定法に基きます審議会等一連の事務費であります。  十番目の飼料の品質改善は、これも飼料の品質改善に関する法律に基きます飼料の品質検定の経費であります。  十一番目が新規になっておりますが、約七億円の要求になっておりますが、これは三十年度におきまして飼料需給安定法に基きまして、食糧管理特別会計が飼料の所要量の買い付けをやる、それを適正な価格で売却をやることになったわけでありますが、三十年度につきましては、そのために生じます食糧管理特別会計の損失は約四億五千と予定されたわけでございますが、これは当初一般会計で要求いたしておりましたが、食管会計の総合的な処理の一端として一般会計から特別の繰り入れをしないということで解決はいたした、明年度はまだその根本方針がきまっておりませんので、取りあえず昨年度と同様一般会計からこの方の損失を補てんいたしまして、食管会計として安心して飼料需給安定操作ができますような資金の手当をする。  それから十二番目は酪農振興とありますが、主として考えられておりますのは、生産者団体の集乳あるいは送乳の自主性を確保いたしますための集乳施設、送乳施設の整備の補助金でございます。具体的に申しますと、いわゆるクーラー・ステーションの設置と、それに関連いたしました冷却タンカーの設備であります。  それから十三番目の経費は家畜及び畜産物の流通改善経費でありまして、これは模範家畜市場の設置を計画されております。  それから十四番目は畜産信用協会の出資及び指導と書いてありますが、畜産局が新たに目下計画いたしておりますのは、畜産関係の販売購買につきましての畜産農民の自主性を確保いたしますために畜産農民の農協利用率また畜産関係農業の農協系統の利用率が、ただいまの段階では、他の農産物に比較いたしまして非常に低いわけであります、この畜産農民の農協利用率また畜産関係農協の系統利用率を高めることによりまして、畜産の経済、流通過程におきましての畜産農民の自主性を高めて参り、これによりまして、先ほどの技術指導の体制の強化と相まちまして、畜産と、何と申しますか、自主性の確立ということをねらいまして、このような農協の畜産事業に必要な資金を系統農協から導入いたしますについて、従来十分でないわけでありますので、これを強化いたしますための信用保証を、ちょうど現在あります開拓関係の中央、地方の保証協会と同じような保証をやります関係経費を計上いたしてあります。  家畜疫病予防等につきましては若干新しい項目がございますが、特に目新しいのもございませんので、これは略します。  それから十八番目に追加的に出ておりますのに、草資源開発利用に関する総合的実態調査というのがあります。これは先ほどの御意見にありましたような優良な事例、あるいは不良な事例を特別に抜き取り的に調査をいたしまして、現在別要求いたしております草資源対策協議会の審議資料に供すると同時に、将来の草地制度の改善、あるいは草地に関する権利、利用関係の調整の基礎資料にいたそうというものであります。なお、草につきましての傾斜地利用の問題につきましては、那須の草地部の周辺の適当な個所を選びまして、傾斜地利用した草飼料作物、あるいは草を中心にした傾斜地利用の営農資源的な施設を、別途改良局の方で考えております。  それから場所関係は省略いたします。  蚕糸の関係は大体従前の施策に比してあまり特段のものはございませんが、明年度特に重点が置かれておりますのは、八番目にちょっと出ておりますように、エクスホリエーション高点生糸の生産の確保と申しますか、けばのない生糸、今後の海多市場における適応性を考えました新しい繭、新しい生糸の系統的な整備、研究段階から一貫いたしましたこの新しく市場における適応性のある品種を培養、育成して参るという関係が特別にねらわれている関係だと存じます。大体蚕糸につきましては以上の通りであります。  それから食糧庁の関係につきましては、一般会計の問題といたしましてはあまり申し上げるべき問題はないかと思いますが、四十三ページの事項名8の食生活改善でありますが、これは今年度は食生活改善、特に学校給食の関係の所要経費中心になりまして十七億余組まれておったのであります。明年度もいわゆるグラントの具体的実施細目がこの段階で明確でございませんので、この関係経費要求をまだいたしておりません。差し控えておりますので、この関係が金額的に一割程度のものに落ちているわけであります。いずれグラントの初年度交渉が固まり、引き続き第二年次の実行計画が固まりますれば、この関係の追加要求が出て参るわけであります。  それから林野の関係も同様特別会計あるいは公共事業が重点になりますので、ここにあります特別会計、公共事業を除きました一般会計の問題といたしましては、さほど問題事項はございません。大体従来通り考え方がそのまま踏襲せられております。  次に水産の関係に移らせていただきますが、五十ページの水産の関係では、新しく問題になります点は、五十二ページの七番目の新漁場の開発というところが、金額的にはさほどふえておりませんが、このような摘要に書いてありますような意味合いにおきまして相当問題になろうかと思います。  それから次のページに参りまして十番目、十一番目、沿岸漁村振興あるいは水産増殖でありますが、この沿岸漁村の振興につきましては、今回新たに沿岸振興総合助成事業補助ということで、漁村として十分の生産力をあげておらないと申しますか、非常に行き詰まりを呈しております沿岸漁村につきまして、ちょうど積寒地帯なり何なりについて行われておりますと同じような趣旨での総合助成施策を計画いたしております。でそれは次の水産増殖の関係で出て参ります沿岸漁村に対する一つの増殖施設をも含めました新しい沿岸漁村の振興助成方策を考えたわけでありまして、なお漁村あるいは水産だけで十分でない漁村のことも考えまして総合的な漁村振興計画を樹立するに必要な経費総合助成項目の一項目として計上いたした次第であります。  その他五十五ページに中小漁業融資保証保険特別会計へ繰り入れ等、金額的にはこの制度の事業の拡大に伴う新しい財政支出がございますが、内容的には御承知の通りです。  十八番目も同様であります。  水産関係の流通改善施策といたしましては、五十七ページの二十一番目にありますように、先ほど農林経済局のところで中央市場の施設整備を申し上げましたが、このほかにここで考えられておりますのは、冷凍魚等の新製品の普及、特に冷凍魚を家庭用の消費品として普及して参るための一連の施策に重点が置かれております。この二番目に書いてありますフリーザーの設置費補助金も、冷凍魚を品質あるいは味覚を損じないで家庭に直結さして参るために必要な施設を補助して参ろう——小売店舗等への整備でありますが、そういうことを考えておるわけであります。  それから事務的と申しますか、あまり考え方の変っておりませんものは省略さしていただきたいと思いますが、大体そういう見地で拾いますと、水産関係は以上のような状態であります。  五十八頁の三十番目の海外漁場の開発につきましては、従来の海外漁場調査をかなり積極的に拡大いたそうという考え方のもとに、東南アジアあるいは西南アジア方面の調査等、新しい地帯の調査費を計上いたしております。  それから以下五十九ページに若干の新規構想新規予算要求が出ておりますが、それは主として長短波を利用しての漁船と陸地との連絡でありますとか、あるいは無線を使いましての無線網の整備でありますとか、そういった漁業あるいは気象の関係等出漁漁船と陸地との連絡のための諸施設が考えられております。  それカニ、国際関係の問題に入り、さらに水産関係の技術改良普及事業でありますが、これも従来の技術普及事業の強化拡充ということに尽きるかと存じます。  それから水産庁の所属船舶の現状につきましては六十一ページにございますような新進計画を立てております。  以上多少端折りまして恐縮でありましたが、明年度公共事業を除きました一般の予算要求の特別事項別の大ざっぱな内容は大体以上申し上げましたようなことであります。
  34. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  35. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記を始めて。  それでは予算の問題につきましてはさらに次の機会に質疑なり十分なる調査をいたしたいと思います。     —————————————
  36. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは最後にもう一つ、ちょっと時間がおそくて恐縮ですが、中央卸売市場法の一部を改正する法律案議題といたします。  この件に関しまして農林省では過般当委員会において報告されましたように、去る十一月四日中央卸売市場対策協議委員をきめ、十一月十二日対策協議会が開かれたようでありますから、本日はその対策協議会の模様を伺って、本法案を審議する参考にいたしたいと存じます。
  37. 安田善一郎

    説明員安田善一郎君) 当参議院の中央卸売市場法改正につきまして継続審議法律案がございますが、農林省におきましてもかねてこの市場に対しましては種々の角度から改善方を研究することが必要であろうというので対策協議会を設けて研究することになっておりましたが、ただいま委員長からお話がありましたように、かねて人選を進めておりました委員につきまして、三十五名のお方につきまして四日に任命していただきまして、十二日に最初の会合を開きました。委員は水産生果物双方にわたりまして生産者側、市場開設者の側、卸、仲買い、売買参加者ともいうべき方々、その中には小売の方も当然含むのでありますが、そういうお方々の外に、学識経験者とでもいうべき御研究の深いお方々をもちましてお願いをいたしておるのであります。農業協同組合特に販売組合とか漁連系統の方々、冷凍施設等の関係のお方々をも含めましてお願いをいたしております。特に畜産の関係のお方も御参考にと思って入っていただいておるわけであります。この協議会の委員は生産者、出荷者側、卸、小売、仲買い、市場開設者側とこう申しておりますが、一応人数にあまり多くを期待することも協議の実質上の進め方としましてどうかと思いますので、その立場を相当最大限度に代表し得るような意味においてというので、すべて学識経験者としてお願いをいたしておるつもりでございます。従いまして一応国会議員とかいう御経験のある方につきましても、あるいはくだもの専門のお方とかあるいはもっと他の、地方の代表等としてでもお願いした方がいいというお方々につきまして、必ずしも十分に、網羅的に行きませんので、この協議会の進行に応じまして御報告を申し上げたり御相談を申し上げたり、また御意見をお聞きすることは別途これ以外のお方々にでもそれぞれ私どもにおいて御連絡を申し上げておいて御意見を伺おうとして進めようといたしておるのでございます。十二日は東大教授の磯辺秀俊氏を座長にいたしまして、まず第一回としまして自由にいろいろの角度から御意見のまずあることを発言をしていただくことで進めまして、結局朝から夜相当おそくまでやりましたが、自由発言は各事項にわたり、一般個別の問題の開陳に終りました。来たる二十四日引き続いて第二回の会合をいたしまして、その会合の模様を拝聴いたしまして、座長の御統率のもとにだんだんと個別事項をコンクリートにしぼりまして、御意見をまとめて御答申を願うこと、いろいろの意見があげられまして、相対立をいたしておりますこと、さらにこれに関連しまして、いろいろ御発言のあるところの必要事項をさらに取り上げること、今後のこの対策協議会をどういうふうに持って行って、いかに継続ないしは終結せしめるかということについては、御意見をいただくことにしておりますが、原則としまして非公開の会議で、委員の自主的な会議をお願いをいたしておるのであります。しかし簡明な、なるべく能率的な会合をねらいまして、必要に応じまして農林省の事務当局から議事進行なり委員の御要求に応じまして必要な資料なり考えなりを述べまして、なるべく急速にまとまるべきものはまとめ、なお討議を継続すべきものは継続するようにお願いをするように御了解を願っていただくことになりました。  御発言がありましたのは、多岐にわたり、また簡潔を得ておらないのは申し上げました通りでありますが、あわせまして、まだ会議は糸口で、序の口でございまして、これからというところであるわけでございます。しかし、ただいま申しましたような委員の構成とこの協議会の委員の御発言、御協議の結果の取扱いについてのことでございますので、いつか適当なときには参議院の農林委員会にも御報告をしようと思っておったわけであります。今後もそういたしたいと思っております。その以上に大体この協議会は生鮮食料品の流通問題全体を扱うかどうか、特に中央卸売市場のあり方及び運営の方針はどうだろう、その開設者は現状で適当であろうかどうか、卸売人は今のような様子でいいかどうか、特に単一制か複数制か、これを官庁の認可制等にかからしめることがいいかどうか、現在の市場は大正十二年の卸売市場法ができた当時とは違いまして、当時は主として市場は消費地の消費市場として考えたが、現在は六大都市等においては集散市場の色彩があることが現行法規や運営において適当であるかどうか、仲買い制度が確立しておらないとともに法規の上で明瞭な取扱いをされておらないではないか、取引の公正を期するにはもっと将来の取引形態も加味して改善をする余地があるのじゃないだろうか、官庁のないしはこれに準ずべき何かの仕組みがもっと監督権を強くすべきではないだろうか、場外の類似市場か何かの扱いをいかにすべきか、地方の条例で中央卸売市場の抜けているところを埋めつつある方面もあるし、ある意味では類似市場を地方条例をもって、中央卸売市場法があるにかかわらず中央卸売市場法と同じような取扱いを条例で無理にしている点などを検討すべきではないか。生活協同組合とか生産者の、出荷者をどのように扱うかということなどを中心にいろいろ意見の御開陳があった段階でございます。以上でございます。
  38. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 閉会中における本改正法律案審査はこれをもって終り、来たる臨時国会においてこれが取扱いをきめたいと存じますが、よろしゅうございますか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 江田三郎

    委員長江田三郎君) さよういたします。     —————————————
  40. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それから次に水産業振興に関する件を議題にいたします。  この件につきましては前回に引き続いて本月は水産庁長官から政府の方針について説明を伺うことになっていましたところ、水産庁長官は就任早々ブラジルへ出張、最近帰朝されたばかりでありますので、本日取りまとまった説明を伺うことは困難と存じますから、後日に譲ることにいたしますが、よろしゅうございますか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 江田三郎

    委員長江田三郎君) さよういたします。  ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  42. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記をつけて。  では本日はこれで散会いたします。    午後一時十四分散会