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説明員(大戸元長君) まず第九条の方から御
説明いたします。これの趣旨は、ただいま
局長が申し上げましたように、糸値が二十三万円になってどんどん騰貴しているときに、その一定の数量を政府が持ちまして、それを輸出には必らず売って行くということによって、糸値が上ったときに輸出の確保を続けるということを眼目として、そういうふうな糸を持とうというための
規定でございます。大分条文が細かく
規定いたしておりますので、おわかりにくいと思いますので、条文を読みながら
説明さしていただきます。
「第九条の二 政府は、第二条の
規定により売り渡す生糸として輸出適格生糸(輸出に適する
種類、繊度及び品位の生糸で省令で定めるものをいう。以下同じ。)を保有する必要があるときは、農林大臣の指定する者を
相手方として、その者が、農林大臣の定める条件に従い買い入れて保管する輸出適格生糸のうち、その買入後政令で定める期間を経過してなお保管しているものを買い入れる旨の契約を締結することができる」。ここでまず「第二条の
規定により売り渡す生糸」と申しますのは、本法の第二条で、政府は糸値が最高価格になったときは、その申し込みに応じまして最高価格で糸を売るという
規定が二条にしてございまして、現在のところでは最高価格は二十三万円、本生糸年度及び来生糸年度については二十三万円でございますが、この二十三万円で売り渡すべき生糸として糸を持つわけでございますが、それは二十三万円になったときに、その糸値
一般を抑えるためには、相当多量に持たなければならないのでありますが、今度の
改正によって特別買入れをいたしますのは、先ほど申し上げましたように輸出に向ける糸でございますので、その持ちます糸といたしましては、輸出適格生糸を保有するために買うのでございます。そこで輸出適格生糸と申しますのは、そのカッコの中に書いてございますが、「輸出に適する
種類、繊度及び品位の生糸で省令で定めるものをいう。」と申しまして、省令で定めることになっておりまする糸の
種類と申しますのは、白繭糸、黄繭糸、これが
種類でございます。玉糸という糸がございます。これも
種類でございます。そのうちの黄繭糸と申しますのは、今日はほとんど生産されておりませんので、問題になりません。それで指定といたしましては白繭糸、それから玉糸というようなものが輸出適格生糸として指定されることになると思います。それからその次の繊度と申しますのは、糸の太さでございます。これは大体二十一中、十四中というのが普遍的な糸でございますので、現在も最低価格に達しましたときに十九万円で買い入れます糸の繊度といたしましては、十四中及び二十一中が指定してございますが、輸出に適するものといたしましては、そのほかにいわゆる特太生糸というようなものがございますので、あるいはそういうものも輸出適格生糸としては包含させるかもわかりません。それから品位と申しますのは、今申しましたその同じ二十一中の糸の中でも、いろいろA格、B格、C格、あるいは高級物になりますと6Aから5A、4A、3A、2A、A、B、C、というふうに生糸検査に基きますところの格づけが行われておりますが、この中で高格の糸、つまり輸出に適しまするところの糸を指定することになります。従いましてこれは十九万円下値押えのために買い入れますところの糸の範囲よりは、ずっとしぼられまして、いい糸だけを買う、こういうふうな形になります。それが輸出適格生糸でございます。その輸出適格生糸を保有する必要があるときには、農林大臣の指定する者と買い入れの契約をいたすわけでございます。その「指定する者」と申しますのは、現在
考えておりますのは、主として製糸業者がこの目的のために会社を作りまして、その会社が糸を買って保管をするということにいたしたいと思っておりますが、これをかりに保管会社というふうに呼ぶといたしますと、その保管会社が農林大臣の定める条件に従って、保管する生糸を買う、こういうことでございます。そこでその保管会社が「農林大臣の定める条件に従い」、どういう条件かと申しますと、その会社は、製糸業者がそこへ糸を持って参りました場合には、一応それを買い戻し条件付で買うわけであります。従いまして買い戻し条件付をつけてございますので、その糸は将来いつでもそこへ入れた製糸家が買い戻すことができる、こういう糸でございます。と申しますのは、先ほど
局長が申しましたように、政府が直接市場から買い入れますと、その影響で、たとえば今日糸値が二十万円いたしておりますときに、政府がいきなり市場からかりに千俵なり、二千俵買うとしますと、たちまちその影響を受けて市価が高騰するということになりますので、一応この会社が買い上げますが、その後市価が上ればいつでもこの糸は買い戻し条件でまた市場に出て行くわけでございますので、この会社が買って保管することによって、なお市場には悪影響は起りません。そこでそのようにして会社が持っております糸、これをそういうふうな買い戻し条件で買へということを農林大臣が定めておくわけでございます。そういたしまして会社が六ヵ月持っておりましたが、その間糸の著しい値上りもなかったために、その糸はそのまま製糸家から買い戻しの申し入れがないままに六ヵ月を経過いたしました場合、その六ヵ月を経過したあかつきには買ってやる、こういう買うぞというところの契約を、その保管を始めるときにおいていたしておくわけであります。このように買い入れを会社が行います前に政府と契約いたしますから、銀行もこの糸に対しては会社に融資をつけてくれるはずでございますので、この会社はそのような買い戻し条件付で糸を買ってそれを保管することができるのでありまして、ちょっと機能といたしましては平たく申しますと、質屋に似ておるわけでございます。製糸家が糸を一応その会社へ持って行って金をもらっておる。その後糸値が上ればそれを引き出す。しかし引き出さなければいわば質流れでございますが、その質流れになった糸を政府が買う、こういうことによりまして、何ら市場には悪影響を与えることなく、政府が輸出適格生糸を保有することができるわけでございます。しからば政府が買います値段はどういう値段で買うかと申しますと、それが第二項に
規定されております。「2 前項の
規定により契約を締結する場合における政府の買入の価格は、政令で定めるところにより、海外における生糸及び主要繊維の市価並びに物価その他の経済事情を参酌して、農林大臣が定める。」、この買い入れの値段を農林大臣がきめます要素といたしましては、そこに書いてございますような海外の生糸の値段あるいは競争繊維でありますところのレーヨンその他の主要繊維の価格というものをおもに参酌いたすわけでございます。その理由といたしましては、政府が買い入れをいたします値段は、最低価格よりも高いところで買うわけでございます。最低価格は先ほど申しましたように、十九万円でございますが、十九万円ならば、これは現行法の
規定によりまして、幾らでも政府が申し込みに応じて買うわけでございますが、実際十九万円まで落ちるというのは非常に市価が異常に悪いときでございまして、本法が始まりましていまだ一度も十九万円の買い入れは行われておりません。従って政府は今のところ一俵も持っておらないわけでございますので、政府がこの輸出適格生糸を保有するために買い入れをいたしますとすれば、当然十九万円よりは高いところで買うわけでございます。しかしながら政府で買いますのが非常に高い価格で買いますれば、これは当然いつでも政府が買えるわけでありますが、そのような高い価格でかりに政府が、最高価格が今二十三万円でありますが、二十二万円というような糸値で買いますというと、なるほど政府には入って参りますが、その間、政府が一定の数量を買います間は、市場の価格がその二十二万円まで上ってしまって、そこへ維持されるというようなことになります。そういたしますと、そういう高い価格では海外は買いに参りません。従って輸出を阻害することになりまして、本法の企図する輸出振興の結果とは全く逆なことになりますので、そのような高い値段で政府が買うことはできない。そこで政府が買います価格は、政府の買い入れによってそのために市場価格がそこまで持ち上げられるようなことがあっても、それによって輸出が減退するというおそれのない価格、そういう価格をきめなければならないわけでございます。これをたとえば現在の市況について見ますと、現在アメリカでは一ポンド当り四ドル五十セントならば買い得る、その辺で安定していれば買う、こういう向うのほうの業者の
一般的な見解でございますので、その辺でありますれば、たとえ政府がその辺の価格、一ポンド四ドル五十セントと申しますことは、こちらの値段に直しますと大体一億二十万円でございますが、その
程度の価格でありますれば、政府がそういう価格で買い入れをいたしまして、その結果附随的な効果として糸値がその辺にまで一時的にせよ上っても、海外に対して迷惑はかけない、輸出の阻害にはならないというふうに
考えられますので、そのような海外が買い得る値段であり、かつまたそれよりも安く売ることはむしろ必要がない、必要以上に安い価格になるというような点を押えまして、定める。その定める
方法等につきましては政令で
規定をいたしておく、こういうふうにいたしたいと思っております。これがその政府の買い入れ値段の
規定でございます。
それから三項は、政府がこの輸出適格生糸をそういうふうな
方法で特別買い入れいたします数量を限定しておる
規定でございまして、これは今度同時に提出されておりますところの糸価安定特別会計法の
改正によりまして、政府が糸の買い上げのために使い得る金はおおむね六十億円になるわけでございます。六十億円と申しますと、大体三万俵くらいの糸が買えるのでございますが、これは糸価が非常に値下りいたしまして十九万円になったときの下値押えのために必要な金でありまして、この金を全部使ってこの特別買い入れをやるということは、本法の根本的な目的にも反しますし、またそんなに多量な糸をこの特別買い入れによって確保しておく必要もございませんので、この特別買い入れによって買いますところの輸出適格生糸の数量々限定しようというのが第三項の
規定でございます。朗読さしていただきます。
「3政府は、第一項の契約に基く買入の結果保有する輸出適格生糸の数量(第二条の
規定による買入又は第十二条の二第一項の
規定による加工若しくは交換の結果保有している輸出適格生糸がある場合には、その数量を含む。)の合計が生糸の輸出を確保するために必要と認められる一定数量をこえることとならず、かつ、その輸出適格生糸の数量の合計に他の政府保有生糸の数量を加えた総数量が農林大臣の定める生糸の価格の異常な騰貴を防止するために必要な数量をこえることとならないように、同項の契約を締結するものとする。」非常に条文が長くなっておっておわかりにくいと思いますので、それを切りまして、そのちょうど四行目のところに「かつ、」という字がございますが、その「かつ、」というところの前までと
あとは別の要素を
規定いたしておりますので、その「かつ、」までのところを御
説明いたしますと、政府がこの第一項の
規定によって、つまり特別買い入れによりまして持つ生糸の数量、これはカッコ書の中は後ほど
説明いたしますが、この特別買い入れによる生糸の数量の合計が、生糸の輸出を確保するために必要と認められる一定の数量をこえてはならない、こう
規定いたしております。そこで、「生糸の輸出を確保するために必要と認められる一定数量」と申しますのは、次の四項で、「前項の一定数量は、政令で定める。」と書いてありますが、この数量を政令であらかじめ定めておくわけでございます。この数量はどういう数量かと申しますと、先ほど申し上げましたように、糸値が二十三万円という最高価格になった、あるいはそれ以上の価格になった、その場合に、この二十三万円、内需も輸出も含めて全部の糸値を二十三万円でとめておくためには、非常にたくさんの生糸を必要とするので、場合によっては政府はそれだけ多量の生糸を持っていない場合もあり得るわけでございますが、その間、少くとも輸出だけは二十三万円で出せるようにするとすれば、それはどのくらい持っておればよいかと申しますと、これはなかなかむずかしいのでございますが、従来の経験などにかんがみましても、そういう非常に異常な相場が出るというのは、何らかのこの一時的な異常な状態でございまして、そう長続きはするものではない。従いまして、かりに政府が、一ヵ月くらいの輸出量、あるいは一ヵ月半くらいの輸出量が適当でありましょうが、とにかく一定の長さの間は、たとえ普通の市場から輸出へ出て行く糸がなくても、政府で持っている糸だけでつながる、そのうちには異常な高値状態がおさまるというようなことを
考えまして、そういう点から一定の数量を定めておきたい、こういうように思っております。大体今申し上げましたような
考え方からいたしますと、大体一万俵くらい政府が特別買い入れで買って持っておればよいのではないか、こういうように
考えられるのでございます。そこで、かりにそういう一万俵ということとするといたしますれば、その一万俵という数量はあらかじめ政令で定めておくわけでございます。そこで、この第三項の「かつ、」までの
規定は、政府が特別買い入れをやる数量は、政令で定めてあるかりに一万俵といたしますると、その一万俵をこえてはならない、こういう
規定でございます。その第一行目のカッコの中は、現在のように政府がまだ一俵も糸を持っておらないときは、この輸出特別買い入れのために、今申しましたかりに一万俵といたしますと、この一万俵までは買えるわけでございますが、将来の事態を想定いたしまして、かりに、政府がこの特別買い入れをやります以前に、糸値が下りまして十九万円、つまり下値押えのために政府がある
程度の糸を買い込んだといたします。そういたしまして、その政府の
一般買い入れによる、 つまり最低価格による買い入れによって持った糸の中に、輸入適格生糸、つまり先ほど申しました
種類、繊度及び品位の輸出に向く糸があったといたしますれば、その分はもう一万俵から差引いておけ、と申しますことは、そだれけ持っておるなら、その分だけは特別買い入れで買わなくともいいではないか、かりにそういうような糸をもうすでに政府が三千俵持っておるといたしましたときには、この特別買い入れで買い得る糸は先ほどの一万俵から三千俵を引いた残りの七千俵ということになるわけであります。それがカッコの中の第二条の買い入れ、それから、「又は第十二条の二第一項の
規定による加工若しくは交換の結果保有している輸出適格」品、これは後ほど出て参りますが、政府が繭を買うことがあります。今度の
改正によって政府が繭を買うことになるのでございますが、その繭で買ったのを政府が繭のまま持っているわけには参りませんので、これを加工いたしまして、あるいは交換いたしまして、生糸として持つことになりますが、それによって持っている生糸の中に輸出適格生糸がある場合には、それもその一万俵の中のワク内である、そういう糸があれば、この特別買い入れのできる数量はさらに減るわけでございます。そういう言うにいたしまして、まず一定数量、この特別買い入れのできる一定数量を限定いたしております。
それから、その「かつ」、以下でございますが、この「かつ」、以下は、政府の保有する数量が相当多量になりまして、この特別買い入れ以外の
方法によりまして、たとえば先ほど申しました最低価格維持のために十九万円で政府が買った糸、あるいは繭で買って糸にした生糸、そういうものが相当多量にございまして、その生糸に、さらにそれにこの特別買い入れの数量を加えますというと、必要以上に多量の糸を政府が持つことになる場合、こういう場合には特別買い入れはやらない、そこで必要以上と申しましたが、必要以上ということはどういうことかと申しますと、糸値が上りまして二十三万円になったときに、政府が
自分の糸を持っておれば、その二十三万円という相場を押えることができるわけで、その二十三万円という最高価格になったときに、政府が放出をして、その相場を押えることのできるに十分な
程度の数量の糸ということでございます。それだけ十分糸を持っているときには、もうこの特別買い入れはそれをこえてやることはできない、こういう
規定でございます。そこでその場合輸出適格生糸をどの
程度持つか、特別買い入れによって持つ糸の数量は政令で、先ほど申しましたように、かりに一万俵なら一万俵と定めるわけでございますが、最高価格に達したときには、糸値全体を押えるためには一体どのくらいの数量を持っておればいいかということは、なかなか算定が困難でございまして、いろいろ理論的な数字も出し得ないことはございませんが、必ずしもこういう糸の値段というのは、そのように理論的に動くものではございませんで、この数量はまあ政府が相当の数量を持ちましたときに、いろんな要素を
考えまして、あるいは繭糸価格安定審議会等の議を経ましてきめることと相なると、こういうふうに
考えております。
それから五項でございますが、「第六条の
規定は、第二項の場合に準用する。」、第六条の
規定は、現在最高価格及び最低価格は毎年定めることになっておりまして、その定めたときにはこれを告示する、こういう
規定でございます。そこでこの特別買い入れの価格、先ほど申しました政府が特別買い入れをやります価格をきめましたときには、これを告示しておけという
規定でございます。
それからその次の第九条の三の
規定と申しますのは、逆に今度は政府が非常にたくさんの糸を持って、必要以上にたくさんの糸が政府にたまった場合には、これを売ることができるという
規定でございます。現行の
規定では、政府が持っている糸を売ります場合は
二つしかございません。
一つは第二条の
規定によりまして、糸値が最高価格に達したときに、その最高価格で申込に応じて売るわけでございます。それからもう
一つは、現行の十二条の
規定にございますが、政府の持っております糸が、あるいは虫が食ったとか、あるいは品質が低下したというために整理売却をいたしたり、あるいは新規の用途のために売る、この整理売却、または新規用途のための売り渡しは、時価に準拠してやることになっておりますが、そういう
二つの場合しか政府は糸を売ることを
規定いたしておりませんので、今度のこの第九条の二は、政府が最高価格を押えるために必要であると
考える数量以上に政府が糸を持ってしまったというようなときには、そのこえる部分につきましては最高価格でなくとも売り渡してもいいと、こういうことを書いておる
規定でございます。朗読いたします。「第九条の三政府は、第二条の
規定による買入又は第十二条の二第一項の
規定による加工若しくは交換によって保有する生糸の数量が、前条第三項の農林大臣の定める生糸の価格の異常な騰貴を防止するために必要な数量をこえるときは、そのこえる部分に相当する数量の生糸を売り渡すことができる。」「第二条の
規定による買入」は、先ほど来申しておりますところの糸値が最低価格に達したときに、最低価格維持のために買い入れる買い入れでございます。十二条の二第一項の
規定によって保有する生糸と申しますのは、繭で買ってこれを糸と交換し、または糸に加工して政府が持つ場合の糸でございますが、こうやってその二条または十二条の二の
規定で政府が持った生糸の数量が、先ほど申しました最高価格維持のために必要であると認められる数量をこえるという場合には、そのこえる数量を売り渡すことができるのでございます。そこでこの売り渡す場合の値段は、これは会計法
一般の原則に従いまして時価で売るわけでございますが、その時価で売りましても一それは政府がそういう糸を売り出すということが、また市場の価格を引き下げることになりますので、政府がこういう余剰生糸を資金繰りの
関係で売ります場合にも、市場価格が相当
程度高いときに限って売ることができるというふうにいたしております。それが二項の
規定でございまして、「前項の
規定による売渡は、生糸の価格が、政令で定めるところにより、繭の生産費の額に生糸の製造及び販売に要する費用の額を加えて得た額以上である場合に限り、することができる。」ここで「繭の生産費の額に生糸の製造及び販売に要する費用の額を加えて得た額」と申しますのは、現在十九万円、二十三万円の最低価格、最高価格を定める基準となっておりますところの、一口で申しますれば、生糸の生産費、コストでございます。従って市場価格が生糸のコスト以上である場合に限って、この糸の持ち過ぎた分量を売り渡すことができる。こういうふうになっておるわけでございます。
それから第三項は、「第一項の
規定による売渡は、生糸の時価の悪影響を及ぼさない
方法によってしなければならない。」これはかりに市場の価格がこの生産費以上でありますれば売っていいわけでございますが、かりに政府がこれによって売り渡す余剰生糸の数量が一万俵といたしましても、この一万俵を一時に市場に放出いたしますと、それによって市価が暴落するというようなことがありますので、売り渡し
方法も市場の時価に悪影響を及ぼさない
方法で売れと、たとえば一万俵売り出します場合にも、これを何回かに分割して平均売りをして行きますとか、あるいは売る前に相当前に予告をいたしまして売るというような
方法を講ずることが必要なわけでございます。
以上が大体生糸の方の買い入れ及び売り渡しに関する
規定でございます。