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説明員(
安田善一郎君) 田中、東両
委員から、北海道の水害、特に八月以降におきまする水害の実情調査の御報告並びに根本的、応急的な対策、緊急に措置すべき事項等について御報告及び御
意見をいただきまして拝聴をいたしました。
農林省といたしましても、七月までの災害につきましては、過般の国会で皆様方の御尽力によりまして、必要最小限度と認められまする対策措置を講じ得ましたので、引き続いて八月以降発生の、北海道におきましては水害に重点をおきまして調査を進め、道庁
関係方面等からもなお報告もいただいておるのでありますが、東
委員から計数的な
お話しもございました
通りの報告を、道庁からは一般的にまた個別対策として詳細要望いただいておるのであります。農
作物及び農林水産施設に関しまする被害
程度、被害規模等が何としても対策の元でございますので、取り急ぎ調査をいたしておりますが、道庁の報告、統計調査
事務所その他の報告を見まして、なお確認を要するものが、最近の災害対策に関しまする一般的な要望等も加えまして、必要な部分が残っておるのも事実でございます。目下のところといたしましては、農地、林野、水産の施設被害は約四億円弱と押えておりますが、九月の下旬に、この
農林省としましての対策基準には査定を終るように手配中で、今やっておるわけであります。農
作物被害の方につきましては、これは地元からは、道庁からは水稲で約十億円前後の被害、麦、バレイショ、菜種、その他飼料
作物まで加えまして、これも十一、二億の被害を受けておりますが、この
関係におきまして、被害面積におきましても、減収量におきましても、私
どもの直接の調査では、そのまま申し上げますと、その二割か、三割ぐらいじゃないかという数字が出まして、実は本省としては多少困惑をいたしまして、一方は過大、一方は過小のうらみがあるかもしれませんので、地区をさらに詳細に町村別にいただいて、当方からもさらに詳細な、少くとも対策の基礎になる
程度の資料は固めるように再度指令中でございます。道庁から、先ほど東
委員からの二回、三回の被害個所の町村等、お望みになりました個所につきましても、何村でどれくらいというのを実はまだ正式にいただいておりませんので、私
どもから過般国会議員の方も見えましたが、道庁の方にもお会いいたしまして、早く道庁としての調査も出して下さるようにお願いをしておるので、それをやっておるようなわけであります。しかしながら、本年全国的な一般的な豊作傾向がほぼ確実になりつつありますが、それに反しまして、西
日本等を中心にします早害のほかに、この北海道の水害が過般生じまして、特に旭川に近いあたりの地区がだいぶんいためられて、この地区はかなり小さく、かつ広範囲に散在しておるようでございまして、おおむね二年、三年前からの冷害で苦しめられたところが、豊作の年に水害にいためつけられまして、
農家の方々に対しましても、まことにお気の毒でもありますし、国家的にもまことに遺憾なことだと思いまして、これに対する対策としましては、整備を、月末をおおむね期限として急ぎまする半面、北海道からの御要望も体しまして、よりより
研究中であるのであります。対策は特に北海道は北でございますから、冬季等のことも
考え、単作地帯等のことも
考えまして、可能ならば急ぐべきものという
立場に立ちまして、
大蔵省とも折衝を要するものは、その概況を話しまして、こういうことについて対策を講じたいがという話をいたしておるのであります。また
農林省自身において、既存の制度、既存の
法律をそのまま……、制度、予算等をそのまま運用すれば、ある
程度の対策を講じ得るものでございますので、これについては特に急ぐように準備中でございます。結論的に申し上げまして、まず第一に
農林省が措置しよう、他官庁に約束を、折衝をする用がないものは特に急げ、こういう建前からしまして、前国会で御審議、可決を願いました自作農維持資金の融通、開拓者営農資金の償還猶予、被害林業者に対する伐採調整資金の特別融資を
検討いたしましたるところ、要望額あるいは措置すべき額との間に差がある場合もあるかもしれぬが、ある
程度講じ得るじゃないか、こういう建前で
研究の具体化をしておるのでございます。また、前国会で御尽力を願いまして、施設
関係及び金融
関係としまして、農林災害対策の暫定措置の
法律を通していただきましたので、従来ならば被害事故ごとに地域をまた区切って、単行法を出すところを、政令の指定によりまして
政府部内において措置できる、施設も、災害復旧事業に関しまする国庫補助の点につきまして、また罹災者の農林業者に対しまする資金の融通につきましての措置をとることができることに幸いなりましたので、その
関係事項ば六、七月水害につきまして、北海道につきまして国会の開会中にこの
程度で措置をしたらどうかということで
処理することをいたしましたことともにらみ合せまして、それに照応しまして手続きをとりたい、なお連続被害の地域であるし、先ほど田中
委員、東
委員からも、北海道のこの地帯は根本的には基本対策をさらに強化して、一歩でも着手を要する原始河川のこともかね合した方がいい、救農土木もかね合してしたらいいという御
意見もありましたが、それらともかね合せまして、その措置を予備費要求の形でとる必要があるのではないかとも
考えておりますが、まとめまして申し上げまするというと、他省と、特に
大蔵省と折衝を要するものといたしましては、農地、農業用施設の災害復旧、建設工事の災害復旧、開拓者住宅の災害復旧、林業
関係、公共事業費予算の増額、罹災開拓者救済事業の実施、これらにつきまして予備費要求をいたしたいと思って、予算化の段階において原局とおおむねの
考えをまず取りまとめて、基礎資料を得てから最終案にするということでいたしておる次第でございます。
営農資金の融通及び災害資金の償還等につきましてのことは、これは予算的な予備費要求を要しませんで、規定予算の中で、融資ワクさえとれればやっていける見通しでございますので、特にこれも、これはやさしい分もあるかと思いますので、その措置を
経済局においてとっておるのでございます。また冬季の賃金
収入それ自身としても、将来の災害防除対策ということばかりでなしに必要だという御
意見もある半面、米麦の安売りの必要も一部にはあるではないかという御
意見もございますので、これについて多年
研究のことでございますので、そういう罹災地には増配は慣例にもなっておりますからいたします。代金の代約ならばすぐ措置もとれますので、まずそれをやることが第一かという
考えも持っておりますが、安売りをいたします場合には、御
承知の
通り法律が要りますので、これは次の臨時国会等におきまして、特に当
農林委員会の皆様方に御尽力を願いまして、その措置についてお打ち合せを申し上げたいと思っておるわけでございます。そのうちに特に二点、田中
委員からは石狩川と天塩川の総合開発などの点について、もっと抜本的に着手すべきでないかということの御
意見がございましたが、北海道におきましては、北海道開発庁開発局の手において実施はいたされておりますが、もちろん
農林省の予算にも計上されておる
仕事でもございますので、この点については深く認識をいたしておるつもりでございまして、石狩川においては若干の着手、いわんや
計画はすぐ実行できる、着手の方法があるが、天塩川はまだそこまで至っておらぬということが。ございますので、これらについて少しでも着手を早くし得るように、部分的に将来
計画に資するところば、既存の予算で何かできないかを今農地局でやらせておるのであります。またつい先日総合開発の見地から、土地改良、河川その他また根幹の工事と支川工事との進捗度の度合が適当でないために部分効果も発揮し得るところを発揮できないのは、
経済企画庁を一つ立てて、
大蔵省にももう少し理解していただいて、効果を発生することを早くするように、各工事がそろって効果を得るようにする措置を閣議
決定いたしましたので、特に石狩川についてば、その分の応用がきかないかという建前でただいま
研究をいたしておるのであります。東
委員からの風倒木が大量生じましたことの
影響があり、原始河川等の現地の実情があって、なかなか本質的に問題があるのだという点につきましては
お話の
通りでございまして、北海道開発をこの面に向ける必要があると思いますが、すぐ本年この災害対策でどうするかということにつきまして、これはすぐ具体案が浮ばないのでありますが、御一案としまして臨時救農事業で土堤でも作れという話があり、これは先ほど申しましたように、賃金
収入、こういう点もあるようでございますが、そういう点で救農土木事業の
研究過程の段階のことを申しますと、なかなかむずかしいのじゃないか。お叱りを受けるかもしれぬが、むずかしいのじゃないかという気がやや
関係者の間に起きておるようであります。と申しますのは、まあ一般的にも豊作気味で、災害が部分的にひどくても何とかもう少し地方庁か、
農家自身の共同の力によってやれぬかという
意見が、また本年は予備費が非常に少ないのでむずかしいのじゃないか、こういうこともありますが、私
どもとしましては、これを、第一には本年度から小団地開発の事業の予算をある
程度計上させていただきましたので、現在公共事業が行われがたい小団地を対象としまして、この運用によりまして何かできないかというのでありますが、災害の半ばにおきまして予算施行を急ぐこともございまして、北海道については二十七市町村を実は指定をいたしましたので、道庁はこの該当地域を除いてどうだということに、まだ
意見をいただいておりませんので、この点について
研究したいと思いますが、この
関係の地元負担の六割につきましては、
政府融資、公庫融資を
考えたいと思っておるのであります。また下半期の北海道の継続国有林野事業、労務者雇用につきましては、重点をこの方面にも施行して被害地の災害対策にすることがかなりできるということの
研究をいたしておるのでございます。それだけでは十分でないという資料をまとめ得ましたならば、これを予備金を要求したいと思っておるわけであります。過年度災害の補助金の交付を早期交付せよ、建設省
関係の土木
関係はすでに出したという
お話がございましたが、多少の時間的行き違いがあったかと思いますが、三十年度の農業土木の過年災の補助金もおおむね実は
農林省も割当て済みでございます。ただ先月の当
農林委員会の決議申し入れをいただきましたように、一部の保留がしてあるわけであります。この保留につきましては、
大蔵省は災害対策、災害が将来生じた場合にはそれにやり繰りして使ってくれないだろうかという
意見が、まあ大して強くもありませんが、来ました。われわれは新規事業及び団体経営事業、県営事業以下の小さい経営の事業につきまして、災害対策でない使い方をいたしたい。こういうことで、月末ないしは来月初旬を目途に全部
決定をいたす予定で、一部の保留がございますが、その本来の使い方の
考えをどうするか、またその分がまだ渡っていないじゃないか、こういうことがありますれば、そのような
考えで保留をいたしておるものでございます。大体今進行いたしておりまするものについての対策は、おおむね以上のようなふうに
考えておるのでありますが、なおほかに道庁等を中心にいたしまして、さらに広範囲な対策の御要望がございますが、これにつきましても、
農林省としてやや消極的な事項がございますが、それもなお引き続いて
研究をいたしておる次第であります。