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説明員(大政正隆君)
林業試験場の大政でございます。
林業試験場に関しまして御
説明を申し上げますが、お手元にガリ版刷りでございますが、「参議院
農林水産委員会に対する資料」というのを御配付申し上げてありますから、大体これはお読み願うのでありますが、一、二これを引用しつつ御
説明さしていただきます。なお、
林業試験場というものを正確に理解していただきますためには、このことを
一つお心にとめていただきたいのであります。つまり
林業試験場は国にある唯一の林業の
研究機関である。ですからその内容はすこぶる多岐にわたって、しかも対象とする経営の形態は国有林から民有林に至るまでということなのであります。そのために一本の
林業試験場ということになっておりますが、内容はすこぶる複雑なんであります。たとえば
研究で申しますれば、経済
研究から虫の
研究、あるいは治山治水の
研究から、パルプから、木材糖化の
研究というのが一カ所において行われておるのであります。これをどういうふうに運営していくかということにつきまして、
昭和二十六年に林野庁と協議の上に
林業試験場整備五カ年
計画というのを立てたのであります。そうしてその方向に向って着々進んできておるのであります。たとえば林産
研究に対する
建物というのは、参議院の諸先生の非常な御援助の下にできたというようなふうに進んではおりますが、実は
研究所として非常に稀有な例でありますが、東京の目黒にあります
建物は、戦火によって約八割を焼失したのであります。もちろん
施設も全部焼失いたしました。それから浅川にある
研究室は全部焼失したのであります。いずれも直撃弾によって焼失したのであります。これらの復旧と整備とを一緒にしていかなくてはならないということが非常な悩みだったのであります。しかも国の
予算として配賦されまする
予算は、大体において各
研究所のバランスということが大蔵御
当局の頭の中にありますのですかどうですか、トータルにおいて大体各
試験場並み、その金の中の大部分を建設の方へ回すということで
研究費が非常に少くなってきた。のみならず
器具機械はほとんど新しく購入しなくてはならん、こういうふうな
状態にあったのであります。それで先ほど来しばしば
お話がございますが、
研究場の
人件費と
事業費の
割合は、私いろいろな
研究機関について調べてみますると、まあ
日本の現状を加味していきますならば、ぜいたくを言わないところで
人件費三に対して
研究費七でいいのではないかと思っておりますが、現在は
林業試験場はそのほぼ逆でありまして、この一番
あとの表にございますが、
人件費六・三に対して
事業費、その中には
器具機械も入っておるかと存じますが三・七という
状態であります。それで明
年度の
予算におきましてはせめてこれを
人件費四に対して
研究費六、せめて今の率を逆転させたいという
意味で
予算を編成いたしまして、目下大蔵省の方へ提出する準備中のものであります。そこでこの
研究機関を運営していきますにどういうふうにすべきかということをいろいろ協議いたしましたが、まず木材になってからこれを加工する
方面、これを林産
方面といっておりますが、これと木材を作るまでの森林を育てる部分、これを林業
方面とかりに申しますと、この二つに分けて、この二つは非常に
性格が違いますので、林産
方面は目黒だけに集中いわしました。これも非常な困難を排しまして目黒に集中したのであります。そうして林業
方面はこれを目黒を
本場として各地方に支場を作るという
考え方をとったんであります。そうして林産
方面は東京に集中いたしまして基礎
研究から応用
研究までする。しかし林業
方面は、
本場が主として基礎もしくは全国的なことをいたしまして、支場がその地方特有の
事情に応じました林業の
技術の推進に貢献するために
研究をする、こういうような建前をとったんであります。そうしてそれまでかなりの支場というものが営林局に併置されておったのでありますが、営林局に併置いたしますと、民間の林業家はどうも
試験場は国有林の仕事ばかりしているんじゃないかという、まあこれは誤解も多いのでありますが、そういう点で御相談を受ける点が非常に少いのでありまして、これを国有林から離すという
計画のもとに、むしろ
研究それ自身の立場からというので六カ所ほどを想定しまして、これを少しずつ整備しておるのでありますが、現在青森、秋田の両営林局に併置されております支場を合体いたしまして東北支場にするということが宿題として残されておるのであります。これを明
年度の
予算としてお願いすることになっております。こういうような支場、
本場あるいは林業、林産体制をいたしますと、現在の定員では非常に足りないのであります。しかも当初出発いたしましたときは八百四十名でありましたのが現在は
行政整理のため七百六十二名になっております。これも現下の国の情勢を
考えまして、急にお願いすることは困難と思いまして、後に申し上げますが、本
年度においては林産
研究に
一ついて数名を
要求する、こういうふうになっております。
こういう
機構方面はこの辺で終りたいと思いますが、
一つ申し上げたいことは、図書館、標本館であります。現在林業に関する図書は、
林業試験場が
日本では特に非常に多くを保有しておるのであります。約十万冊をこえております。しかもアメリカなどは、アメリカの林業
関係の本は全部
林業試験場へ送る。これをコッピイして
大学方面へ送ってくれというように、現在ソビエト、中共を含めて外国から入っておりますが、これを入れる図書館が焼失したのであります。これを各
研究室に分散しておりまして、火災の危険が非常に多いので、ぜひこれを建てていきたい。そうして単に
研究所ばかりでなく、
日本林業全体の
一つの中央図書館的なものにして皆さんに御利用していただきたいと
考えております。それから標本館はちょっとお
考えになりますと、何か陳列品だけするところのようにお思いかもわかりませんが、これはもちろん普及宣伝の具にもなりますが、もっと重要なことは防腐菌その他の菌を培養いたしまして、これを全国に配るというような役目があります。たとえば現在木材防腐に関しまして防腐試験をするには、
林業試験場の培養した菌を使うということにきめまして、これを培養して送っておりますが、これに対して何ら行う
施設がないのでありまして、
研究室の一部でやっておりますが、これをお願いしたいと思います。そこで
林業試験場を運営いたします方針でありますが、森林の効果を
考えてみますと、森林が存在するためにすでに発する効果、すなわち治山治水のようなもの、あるいは林木を収穫することによって得られる効果、これらはっとに皆様方が御承知でもあり、広く言われているのでありますが、われわれとしてもう一歩
考えて参りますと、森林を経営するその中間において得られる効果、とりもなおさず雇用量と所得の増大でありまして、この
研究を進めることによって、地元山村の方々の利益に非常に資するのじゃないか、山村民の生活向上に資するのではないかと思いまして、主としてその
重点をこの三つに置いて進めるつもりでおりますが、それについて具体的に
研究員に
研究成果の経済効果をよくみきわめつつ
研究をしろということを言っているのであります。もちろん
研究には基礎
研究と応用
研究とありまして、経済効果の測定できるのは応用
研究に限るのでありますが、
林業試験場のような産業庁の付属
機関でありますと、応用
研究こそが主目的でありますから、もちろん基礎
研究もいたしますが、この経済効果の測定ということを
考えさしております。そうしてさらに偉大な
研究というものを目当てにしておりません。小改良、小進歩を目当てにして
研究を進めさしております。もちろん少数の人は大きな改革を望んで
研究を進めておりますが、大部分は小進歩、小改良ということに進んでおりますが、今までの
研究がそういう点に対して
日本においては非常に考慮されることが少なかった。従って
研究が一般社会遊離する、あるいは
研究成果が林業を、われわれの場合には林業でありますが、林業に貢献するところが少なかったというのは、この小改良、小進歩を目的とする
研究が比較的少かったからであろうと思いましてこの
方面に進めております。そうして目的といたしましては結局治山治水の問題もありますが、これは後に御
説明申し上げますけれ
ども、最後の目的は林業というものをもっと集約化していく、高度化していくという問題、さらに先ほど申しましたような少しでも多く
日本の一大問題になっております人口収容、雇用量の増大に寄与する方向に向うように、これが
一つの目的になっております。ですからこれから
お話し申し上げますことは、みな基調がそこにありますので、その点をお含みとり願いたいと思います。
で、どういう方向で進めておりますかということを、実はこれ一口で時間がないので、申し上げたいのでありますが、先ほど申し上げましたように
林業試験場は非常に
性格の変った
研究所の総合
研究所という形をとっておりますので、その
一つの
研究所に匹敵するものを部としてありますから、この部についてほんの二、三くらい触れていきたいと思います。
第一は経営部でありますが、御承知のように林業が意識的に経済ということが強く取り上げられて参りましたのは、何と申しましても
終戦後であります。そこでこの経済
研究が非常におくれておりますので、私
どもとしてはまずわが国、ひいては世界の経済
機構の中における林業の位置づけということに努力をしようということになっております。さらにまた林業の雇用量と所得の増大、これは先ほど申し上げましたがその方向に進めてゆく、これが大きな今後の
林業試験場の方向でありますが、さらにもう少し具体的に申しますと、それより多少はずれるかもわかりませんが、
牧野あるいは草原といった方がいいかもわかりませんが、この経営の合理化、これに向って進めていきたいと思っておるのであります。御承知のように今次の戦争が終りますまでは、
牧野研究、
牧草に関する唯一の
研究所は
林業試験場であります。それが
終戦によりましてGHQの進駐になり、NRSの勧告によってその一部分を
農業の
方面で取り上げることにしたらよかろうという勧告によって分離されてくるのでありますが、さらに酪農経営が
終戦後急速に進歩するという形で、その二つが結び合いまして
農業における
牧野研究と、林業における
牧野研究、これにおのずから二つの方向が現われてきたのではないかと、こういうふうに思うのであります。
牧野と一概に申しますが、
牧野というべきものと草原というべきものがこみになっておるのでありますが、これにいろいろな点にわれわれとして、林業としてタッチしなければならぬという
考え方が入るのであります。
一つは、現在
農業方面で主力を入れておられるのは乳牛であります。乳牛の飼育ということになりますと、おのずから非常に集約的な飼法が必要なのでありまして、この点はすでに御
説明されたことでありますから、この点はもちろんわれわれ林業試験のタッチする面ではないと思います。そのほかに
考えられますことは、つまり乳牛以外の家畜、肉とか毛とかを利用する家畜、この点についての飼育はむしろ林野その他を使ってもかまわないのではないかという
考え方が
一つと、現在
牧野法の適用を受けますような
牧野は、これを利用することのできない小さい
農家があるのでありまして、これらの所有しているいわゆる乳牛以外の家畜をどういうふうに
考えてこれを飼育していかなければならぬか、これはもちろんこの問題自身は
行政の問題でありますから、われわれ自身の関知と申しますか、深く立ち入るべきものではないのでありますが、その
方面の
研究を進めていきたいと思いまして、三十一
年度におきましては森林の中に家畜を入れた場合に森林が果して阻害されるか、あるいはいわゆる
飼料植物ができないか、つまり牧畜と林業とが同じ土地において両立し得るやいなやという問題を、この一番
あとにたしか書いておいたと思いますが、この一番
あとの表の前にありますが。明
年度の「混牧林経営に関する基礎的
研究」として
予算を請求しておるのであります。
さらにもう
一つは、経営部でお願いしょうと思っているのは、森林資源の
調査方法であります。これらは日進月歩のものでありまして、すでに林野庁で実行に移されているのでありますから、これをさらに進んだ方向に、学問というものは日進月歩でありますから、その方向に進めていきたい、こういうふうに思っております。
次は、木を育てます造林でありますが、造林は、何といっても
林業試験場の中核であります。この造林にはいろいろ育種
方面のこと、それを保育していく
方面のこと、あるいはその
環境のこと等いろいろありますが、保育する
方面におきましては、従来の保育
方法が国有林経営を対象にしておりましたのを、民有林経営というものを考慮の中へ入れてやる、あるいは国有林経営一の将来を見通してその方向に向って、端的に申しますと、早く切れる、短伐期林業を
目標として
研究を進めていきたいと思っております。
育種でありますが、育種は御承知のように、選伐、交配、突然変異、この三つをねらうのでありますが、選伐に関しましては
林業試験場で
考えまし一た、たまたまそれがスエーデンの
方法と一致いたしまして、現在国有林で広く試験に移し、また実行に移されております精英樹の選伐でありますが、これば戦後ある
程度完成したのでありますが、さらにわれわれとしては交配を目当てにする、たとえば北海道
方面の非常に成長のおそいエゾ等にかわるに外国の松を取り入れて、これを交配して、新しい松を作っていったらどうだろうかというような問題その他を
研究しているのであります。ところが突然変異になりますと、最近問題になっておりますのは、先ほど
農研の所長の申されましたように、放射性物置のガンマー線の利用であります。コバルト六〇、これを利用いた、します、いわゆるガンマーフィールドと申しますのは、その面積、アメリカあたりの例をみましても、四十万町歩をこえて、これを立てますのに、私
ども計算したことはありませんが、おそらく一億に近い金がかかるのでありますので、これらの
研究ばとうてい一
試験場のするところではないというので、この総合の
研究所の設置を要望しておったのでありますが、たまたま来
年度と申しますか、
予算源は別のようでありますが、
農林省官房においてこれを新しく作るというお
考えのようであります。これはわれわれとして非常に喜んでいるのでありますが、御承知のように、
放射能として出ます中のガンマー線、波でありまして、波長が約十のマイナス九乗から十のマイナス十一乗センチメーターくらいだと思っておりましたが、レントゲンでありますというと、たしか十のマイナス六乗から十のマイナス十二乗くらいで、実は林業の中におきましてすでにレントゲンを利用いたしまして、杉その他の成長刺激になるという結果が出ておるのであります。それでかねてからこのガンマーフィールドの実現を希望しておったのでありますが、これができました場合には、林業
方面も含めてこの
研究所が運営されることを希望してやまないのであります。
次に、この造林の問題で
一つ取り上げられなくてはならないのは、ようやく林業におきましても肥料をやるということが問題化しつつあるのであります。この肥料をどういうところにやったらどのくらいの効果があがるか、山におきまして、あるいは苗畑にどういうふうにやったらいいかというような問題の、ある部分は解決しておりますが、ある部分は解決しておらないのでありまして、この点に関しまして、明
年度は林業肥料の施用法の
研究ということでまず第一歩を踏み出すために
予算要求をしておるのであります。
次に、土壌
調査部でありますが、これば本来土壌
調査を目的として出発したものでありまして、現在におきましては八十万町歩をこえる二万分の一の地図ができているのでありますが、とこでは先ほど申しました肥料
関係を土壌
調査部でやっておりますので、この土壌
調査部の将来というものは、
日本に
一つの土壌
調査図を作る、すなわち土地利用区分を完成する、それと同時に、今のような肥料問題を取り上げるというので、
予算要求は先ほど申し上げた通りであります。
次に、こん虫及び病害に関する
研究でありますが、この
研究の将来ば、先ほど来
お話がございましたように、予察の問題に尽きると思う。結局最後は
病虫害が発生しないような方向にいくべきである。あるいは発生するのをあらかじめ知って、被害初期のうちにこれを絶滅する方向にいくのが、これがノルマルな
考え方と思いますが、その前に、われわれの
方面ば
農業よりも多少おくれておりますために、林業薬剤の問題、あるいは天敵の問題というのを取り上げておりますが、来
年度は林業薬剤に関する
研究費を
予算要求しております。と申しますのは、
農業でわかっている薬剤なら、それを使えばいいじゃないかという
考え方が出るのでありますが、実は三十メートルも高いところへ噴き上げますのには、もう噴霧機の能力を越しております。ですから、気流を応用するとか、あるいは飛行機を使う、その場合に添加剤として加えられておるものと実際の薬剤との比重その他の
関係があって、実際はそこへ届いているのは薬剤ではなかったというような点、それらの点がいろいろと
研究されねばならぬ。また虫の種類もだいぶ違っておりますので、これらの虫に対してどういう薬がきくかというような点で、この点について
研究したいというので
予算要求をいたしておる次第であります。
皆様方と一番密接な
関係と申しますか、いつも御注意を受けますのは、防災
方面でありますが、実は土壌侵食の問題が林業において問題化してきましたのは、実に戦後であります。
戦前は土壌侵食というのは
考えられなかったのであります。というのは、そういう事実がなかったのであります。あっても非常に狭かった。この土壌侵食の問題は、現在は土壌力学的な
研究に進んでおりますが、将来はこれを物理化学の手法を入れた
研究に進むべきものと思い、その方向に進みつつあります。防災と申しましても、先ほど森林が存在するによっての効果の中に防災も入れましたが、私の
考え方では、最も完全な林業を経営する場合には、土地を破壊するということを
考えてほだめだ、ちょうど、最も完全な工場経営は
機械を破損してはならないと同様に、最も完全な林業経営は土地を破壊してはならない。ですから防災
研究も経済林と保安林と両立する点はどこにあるかというような方向に向って
研究を進めていきたいというふうに
考えております。
それから防災の問題といたしまして、実は被害防止という消極面だけは取り上げられるのでありますが、ここに忘れてならないのは水資源であります。現在わが国において、水産、森林、水というのが三大資源であるというふうに説く方もありますが、その水資源の
研究は、これをいかに
調節して水資源を活用するかという
研究をしておるのでありますが、実は
林業試験場のこういう
研究個所は岡山県以西には
一つもないのであります。そこで
日本全国の山の中の水の動きがわからないのであります。そこで来
年度においては九州において少くとも一ヵ所これを作りたいというので
予算化しておるのであります。
最後に、林産
方面でありますが、私
どもの見通しといたしましては、木材利用というものの将来は、ちょうど石炭の利用が経てきました過程を経るのではないかと思うわけであります。つまり構造材あるいは燃料として出発しておりますが、将来はこれは化学的利用に向って進むものである、というふうに
考えて、その方向に
重点を置きつつあります。しかしながらこれは遠い将来の問題でありまして、またいかに遠い将来におきましても、燃料として石炭の価値がまだ認められておりますように、構造材その他に木材が使われることは当然であります。ただ使われ方が違ってくる、すなわち木材そのままに使わずに、これに加工をしていくというようなことが問題になると思っておるのであります。そこでこれはもうすでに三年ほど前から
予算を
要求し、それをいただいて着々整備しているのでありますが、木材加工
技術に関しましての
予算を
要求しているのであります。
最後に、化学的利用でありますが、化学的利用にはパルプその他いろいろございますが、われわれとしては立ちおくれてはならぬと思いますのと、北海道においては、ことに問題といたしまして木材糖化の問題がございます。この問題は不肖私が
委員長をいたしまして、数年来北海道からの
予算をいただきまして、東京で木材糖化の基礎に関する
研究を進めて参ってきたのでありますが、多少その方向もわかって参りました。この際これをもう少し中間試験にし、これはいろいろな
方法があるのです、濃塩酸法とか、濃硫酸法とかいろいろな
方法がございますが、これを比較検討する
意味におきまして、木材糖化の
研究費を
予算に出しております。
なお、
明年度予算で出しておりますのは、北海道の風害対策であります、御承知のような大風害を受けまして、これは北海道の風害そのものを対象にするのはもちろんでありますが、このまあ、言葉は悪いですが、絶好のチャンスをとらえて風に対する森林経営というものをどういうふうにしていくかという
研究の端緒を得たいというので、これに対する
予算も
要求しております。
以上が
林業試験場の姿、あるいは将来の方向、さらにその第一歩として明
年度要求申し上げている事項、並びに
隘路について申し上げたのでありますが、もう一りこれは皆さま方からごらんになれば、非常に小さい問題と思いますが、
試験場として切実に困っておりますのは、同一構内に林産
研究施設を作りましたために、苗畑がすっかりつぶれてしまったのであります。そのためにこれは昨年来
要求して認められないのでありますが、苗畑の敷地を
要求している次第であります。
多少混雑した御
説明を申し上げまして、お聞き苦かったと思いますが、以上で終ります。