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千葉信君 これは当然そういうふうに今後やってもらわなければならぬと思うけれ
ども、もっと悪いことがあるのです。もっと悪いことがあるというのは、あなた方の方では一定の人件費を各省に割り当てる、割り当てられた各省は、これは各省とは言いませんが、任命権者はあなたの方からもらった人件費を引き伸ばしをして処理をする。たとえばあなたの方からの配算の
予算によると、七百八十人しか割当がない。その七百八十人分を、今度は千百人とか、千二百人という格好で、非常にそれはひどい給与額にして、そうして
職員を使っているという事実があるのです。こういうことも、結局あなたの方との折衝によって解決すれば解決がつくかもしれないけれ
ども、あなたの方の交渉に応ずる態度いかんによって、結局そういう、はっきりいえばあくどいやり方がとられているということなんです。そういうやり方の一環として、今問題になっているこの当然失業保険法の六条、七条等によって事業主は、それから任命権者は、おれの方にもこういう失業保険の被保険者としての雇用者がいるという届出を
政府に、これは労働省になりますが、届出をしなければならないことが、はっきり
法律に規定されているのです。それをやらなければ罰則を受けるのです。六カ月とか、五万円とかの罰金を受けるということは、ちゃんとわかっていながら、みすみすごまかしている。こういうことはやはり僕はそういう場合は、あなたの方でうんと
予算をふやして、どんどん出してやれということを言っていいのじゃないんですか。少くともそんなことのないように、さっきと同じように、あなたたちばかり悪いというのじゃないが、これは両方で考えてもらわなければいかぬ。
それから、まだあるんです、問題は……。
予算の配算の
関係とか、何とかは別として、今申し上げたように、日々雇い入れられる
職員を雇い入れて、使役をする、そうして最初は、どうせこれは六カ月以上続けて雇用をするつもりだから、これはまあ失業保険の対象にしなくてもいいんじゃないかというので、そういう言いのがれで雇い入れて使っている。ほんとうにそれなら、これは失業保険法の七条にも、それほどぶつからない。ところがそれを今度六カ月近くなって、当然その
職員は失業保険の被保険者になっていないんだから、この人はやめても、失業保険はもらえない。ところが六カ月以上になると、ほんとうに続けて採用してれば、今度はこの人に対しては、御承知の
通り国家公務員等退職手当暫定措置法によって、退職手当を出さなければならない、退職手当を出すその金が窮屈なもんだから、六カ月近くなると首切っている。あなたたちは財布のひもばっかり締めて、
予算さえうんと締めればいいという考えでやっているから、そういう困った問題が起っていることを、君が、僕は知らないはずないと思うがどうだ。あなたたちが、知らないというなら、知らないでもいい。そういう事実があることを、あなたたちは考えなくちゃいかぬ。これはうそや、はったりでも何でもない。実際にそういう事実を、私は確めているのですよ。たくさんある。それがちょっとや、そっとではないんだ。第一それがうそだと思うなら、あなた方人事院へ行って、人事院で、
日本の制度の
行政機関の中で働いていた
職員、日々雇い上げの
職員で、六カ月以下で退職したものの数と、六カ月以上で退職しているものの数を数えてごらんなさい。六カ月以上勤続しているのは、現在の状態から言っても、六カ月以上のものは二万七千人です。ところが今言ったような、失業保険の
関係ではごまかして採用して、失業保険の被保険者としないで、今度は退職手当を支給しなければならぬ期日が近づくと、無情にもこいつを、首を切ってしまう。いろんな難くせをつけて首を切る。ひどいところになると、これは実際にあった問題ですが、
恩給局に行ってごらんなさい、十五日間休んだら、そいつはもう首だ。常識じゃ考えられない。そういう内規まで作っておって、そうして六カ月以上勤続するものを防ぐようなことをしているから、六カ月以上のものは二万七千人で、六カ月以下のものは十万以上なんていう事態が起ってくる。うそだと思ったら人事院へ行ってきてごらんなさい。人事院の調書にはっきりしていますから……。これじゃあもうその任命権者の失態だとか、間違いだとか、あくどいやり方だなどと、すましちゃおられないと思うのです。なぜかというと、
予算の
関係が出て来ますから、これはそこにおられる岸本君なんかも失業保険の問題についてはずいぶんその著書ではっきり意見を主張しておられるのだから、私はその点では岸本君の意見に同感です。同感だが、その事実が行われていないところに問題がある。岸本君もその著書で日々雇い上げの六カ月にならないものは、これは当然失業保険の被保険者たるべきものだ、これですね、やはり私はこの点はもう少し
予算をあずかる方々として、御考慮いただかなければならぬものだ。現実に起きている問題です。