○加瀬完君 今問題になっておりまするのは、あなた方の
考えた国力相応ということと、私
どもの方の
考えてもらわなければならない国力相応の仕事の内容が違っている、それは
議論になりますからさらに具体的な問題について私は伺いたい。
それは、
経済六カ年
計画によりますると、特需に依存しないで
国際収支のバランスの維持によりまして
完全雇用をはかって行く、こういう
目的をもって強力な
経済政策を推進するということになっている、
目標といたしましては
国民所得を六カ年
計画の暁には七兆三千九百億、消費水準が
昭和二十八
年度に対しまして二四・九%、こういうふうに押えている。私の伺いたいのは、こういう所得、こういう消費水準というものは、来
年度の財政
計画の中に具体的にどういうふうに織り込まれて行くか、それともこの
計画はただ
計画であって、これを推進できないような別な要素、
防衛費の増強という要素が多分に入って来るのじゃないかということを懸念するから伺うわけであります。そこでこういう消費水準の
目標を維持するためには、幾つかの
前提条件が可能になって来なければならない。たとえば食糧の雲給
関係をどうするか、
完全雇用の問題をどうするか、少くもこういう大きな問題があると思うのです。そこで時間も迫っておりますが、食糧の需給
関係を伺います。
日本の農業は
国民の食糧を供給できないという現状であります。その原因の
一つとして、学者によりましてはMSAの小麦の輸入、あるいは本
年度のような余剰農産物の受け入れといった、こういう外国の農産物の受け入れ方というのに原因があると言われている。すなわちこのままでは
アメリカの過剰農産物の固定的な市場と
日本がなる、従いまして
日本の食糧というものは価格競争からずり落ちますから、
日本農業は主食栽培では経営が成り立って行かないので、多種的農業になる、フィリピンのように。これでは一体
日本の主食自給というものは成り立って行かないじゃないか、こういうふうに心配をしている学者たちは一人ではないのであります。
設例になりますが、
日本農業には二つの条件がある。外的な条件は
アメリカの余剰農産物のいい市場とされている。内的な条件といたしましては食糧が不足しておりますけれ
ども、食糧の価格というものは
経済作物に匹敵することができないから、
経済作物を作った方が得だ、こういう形になっておる。なお内外条件にマッチするように余剰輸入農産物によりまして、
防衛拡張をしようという相互共同
目的ということが加わっておる、それでありまするから、来
年度、再来
年度、受け入れ態勢はますますこれは強化されると見なければならない。そうすれば一方農家にとりましては農家
経済というものはますます逼迫するわけでありますから、もう商業的農業に堕さざるを得ない。主食など栽培しておるのは一番ばかだということになる。
日本の主食農業の主体性というものは全然なくなってきておるのであります。こういう
関係にあるときに、余剰農産物の対価による軍備拡張というものが
日本経済の基盤を弱化するということにもなるわけでございますので、こういう点を
考えあわせまして、学者たちの指摘しておりまする余剰農産物あるいは主食自給の
関係というものに対して、六カ年
計画の上からどういう見通しを持っておられるのか、この点をまず伺いたい。