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1955-06-27 第22回国会 参議院 内閣委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十七日(月曜日)    午前十一時五十七分開会     —————————————    委員の異動 六月二十四日委員郡祐一君辞任につ き、その補欠として中川以良君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     新谷寅三郎君    理事            宮田 重文君            木下 源吾君            松原 一彦君    委員            井上 知治君            木村篤太郎君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            上林 忠次君            野本 品吉君            千葉  信君            松本治一郎君            田畑 金光君            松浦 清一君            堀  眞琴君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    行政管理政務次    官       森   清君    行政管理庁次長 山中 徳二君    行政管理庁管理    部長      岡部 史郎君    運輸政務次官  河野 金昇君    運輸大臣官房長 山内 公猷君    労働大臣官房総    務課長     堀  秀夫君    労働省職業安定    局長      江下  孝君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    運輸省船員局教    育課長     富田 正久君     ————————————— 本日の会議に付した案件 ○運輸省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○委員派遣承認要求の件 ○行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○労働省設置法等の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  たず、運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑お願いいたします。運輸省からは政務次官河野金昇君、大臣官房官房長山内公猷君説明員として船員局富田課長港湾局園田課長等が出席しておられます。
  3. 千葉信

    千葉信君 第四条の改正の関係ですが、ここに「賠償及び国際協力に関する事務」というその相手国たるビルマだとか、それからやがて賠償の決定するかもしれないフィリピン等の場合に、運輸省関係等でその協力を求められている内容は一体どういうものというふうにお考えになっておるのですか。
  4. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 賠償並びに国際協力事務につきましては、従前運輸省関係に載っておりませんでしたが、最近それらの事務がようやく緒について参りまして、具体的な問題も起って参りましたので、今回第四条第一項中の第十四号の十四をそこに提案いたしておりますような条文に変えまして、十四号の十一といたしまして新しい権限の補いをいたしておるわけでございますが、その内容といたしましては、ただいま御指摘になりましたように、具体的にはビルマ賠償フィリピンの沈船引き揚げの問題が具体的になっております。ビルマ賠償につきましては外務省との関係になるわけでございますが、一応一億五千万ドル、うち二億は賠償でございまして、五千万ドルは国際協力、こういう項目に聞いております。運輸省の中におきましては、まだ具体的な問題になっておらないわけでございますが、賠償につきましてはプラントものとして船舶あるいは鉄道車両というものが一応考えられておりますが、この点につきましては、まだ具体的に問題にされておらない状態でございます。また五千万ドル十ヵ年間の国際協力の分野といたしまして、これも具体的になっておらないのでございますが、造船所を合弁で作るという話が一部にあるわけでございます。そのほか国際協力につきましては、賠償に伴う国際協力一般国際協力というものがございまして、一般国際協力につきましては、国連関係事務もようやくその繁を加えております。たとえば国連関係におきましては、私どもの方で最も関係の深いのはエカフェの問題でございまして、この交通関係各般委員会連絡をとっております。そのほか、WMO、気象機関あるいは飛行機関係のICAOという面につきましても国際協力の面で御協力を申し上げております。そのほか最近コロンボ関係技術者の養成の協力でありますとか、国際連帯関係各国に強くなって参りまして、それらの技術的な面においての協力の問題が相当多く出てきております。
  5. 千葉信

    千葉信君 今のところではどこで一体そういう事務運輸省はやっておりますか。
  6. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 賠償につきましては、主といたしましてこれは外務省が扱う事務でございまして、われわれの方は実体官庁といたしましてそれを受けますので、各所管のところでやっておりますが、窓口を一つにし、統制ある仕事を進めなければならないということで、運輸省におきましては賠償参事官を置きまして、そこでとりまとめてやっております。それから国際協力事務につきましては、官房企画課におきましてそれぞれそういう事務とりまとめをいたしておりますが、運輸省全体といたしまして、そういう事務に当っておりまして、ただいま私があげました賠償参事官あるいは企画課のそういう話は、それらのとりまとめをするようにいたしておるわけでございます。
  7. 千葉信

    千葉信君 それから三十八条の都市交通審議会関係ですが、「運輸大臣諮問に応じて都市における交通に関する基本的な」云々というその都市というのは、大体どのくらいの範囲でお考えになっておりますか。それからまたその交通内容について、その範囲はたとえば相当最近における東京都の場合、その他の大きな都市の場合を見ますと、通常乗用車といわれるものも相当輻輳した交通状態になり、こういうものも含まれて考えられるのが、それからまた、同じくその交通関係ということになりますと、各省所管にわたる道路建設の問題も当然出てこなければならない、たとえば建設省所管道路あるいは橋梁等関係、それから警察庁所管交通警察に関する関係、こういう問題等もあるのであります。これらに対しては一体どういうふうにその総合調整された杉で計画しようとしておられるのか。
  8. 河野金昇

    政府委員河野金昇君) こまかい点はあと官房長からお答えさせますが、まず大体この交通調整と申しますか、大きい都市にまずこれはやらなければならぬと思いますが、それは大体今考えているのは東京、まあ京浜、あるいは大阪中心とした京阪神、名古屋あるいは北九州、福岡ぐらいを今のところは考えておりますが、必要に応じてそれはまた拡大して行くことであろうと存じます。この都市交通審議会は、今のところ運輸省付属機関として運輸大臣諮問に応ずるという建前をとっておりますが、御質問のようにこれは大きな問題でありまして、差し当っては付属機関として研究して行くつもりでありますが、その研究の過程において、よその省との共管の問題で出てくるだろうと存じます。そういうような場合は、決して運輸省付属機関であるから、どうしてもここでやるんだというような、そういうけちななわ張り的な考え方じゃなしに、そのときに応じた方面にこれを発展させてもいいと考えておりますが、とりあえず、そういうような根本的の調査等をするために、差し当りは運輸省においてやって行きたいと考えております。
  9. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) ただいまの政務次官の御答弁を敷衍させていただきたいと思います。  初めに交通情勢でございますが、非常に大ざっぱなお話でおそれ入るわけでございますが、戦前から現在まで大体全国の輸送量が四倍、九年ないし十一年に考えますと四倍くらいふえております。それに対して輸送力と言いますか、どれだけ運べるかという能力でございます。これは大体二倍でございまして、昨今特に東京大阪方面乗車効率が、ピーク通勤時に三百倍というような点がこれを如実に物語っているわけであります。それで運輸省交通の主官省といたしまして、現在大体各陸上交通機関輸送力は、ただいま申しましたように、戦前の二倍程度までふえて参りました。それで輸送力をふやしますのには、まず何と言いましても、第一段階に既存の輸送力をふやす、たとえば電車等の編成両数をふやしたところの各般の施設なり、乗降場を延伸いたしますとか、あるいは列車のスピードを上げますとか、あるいは列車の間合いをつめますとか、そういう各般既設輸送力をふやす手を戦後打って参りました。その集積が大体輸送力戦前に対して二倍程度に上げられた結果でございますが、現在の輸送情勢は特に逼迫をいたして参りまして、そういう既設輸送力を増強するというだけでは、もうとてもどうにもならない段階に立ち至っているわけであります。特に東京都におきましては、どの国鉄あるいは私鉄をとってみましても、通勤時の一番混む区間をとりますと三百倍ぐらいになりまして、われわれの見込みでは、東京都の人口が年に四十万程度ふえて行くという見込みをとりますと、ここ四、五年の間に、ピーク時には定員の約四百倍を輸送しなければならない、この通勤時の輸送は不可能であるという見通しでございますが、現在定員に対する三倍のお客さんを輸送して参りましても、こういう状態でございまして、昨今問題になっております打ち切り乗車廃止問題等も起って参るわけでありますが、これが四倍になりますととても輸送ができにくい。そうなりますと、根本的には新しい線の増設というものを考えなければなりません。そうなりますと、交通網というものを合理的に考えて行く必要がありますし、それに伴いました高速輸送力を増強する必要も起こって参るわけであります。その必要から都市における輸送基本計画をまず設定する必要に迫られて参っておるわけでございます。その第一段階といたしまして、本年度におきましては交通関係調査をやりたい、それは東京大阪を取ってやりたいと思っておりますが、一応交通というものも静的な状態で把握いたしますと、はっきりしたものが出ないのであります。やはり動的な状態、ファンクションにおきまして、この交通状態通勤の最も高い輸送時におきましてつかみまして考えませんと、人の流れというものが、静かに出ました数字の上だけでも把握しにくいということで、私たちといたしましては、本年度東京大阪におきまして適当の時期にそういう交通調査をまずやって行きたい、それに基きまして、戦後一応交通網というものもできましたが、都市動き方というものも、これまた静的に把握できませんので、動的に動いておりますので、それを把握した基本的な計画を立てたい、その第一歩を踏み出したいという気持でございまして、そのために運輸大臣諮問機関を作りたいというのがほんとう趣旨でございます。  それからただいま千葉先生の御質疑のその範囲でございますが、これも今私が御説明いたしましたように、通勤通学というものを何とか解決したいというのが私たちの第一の希望でございまして、その範囲からいたしまして、大体通勤通学範囲内の交通圏というものを一応念頭に入れております。釈迦に説法ではなはだおそれ入るわけでございますが、戦前におきましては大体通勤基準というものは三十キロ考えればよろしい、都心中心で三十キロ以内の範囲考えればいいということで大体まかなっておりましたが、戦後都市構造が大きくなって参りましたので、これもまた審議会で十分御検討になっていただくわけでありますが、非常にラフな考え方でございますが、大体五十キロぐらいをその対象として考える必要があるのではないか、これも非常に未確定な、私だけの数字でございますが、一応数字的にはそういうことが考えられますので、東京を例に取ってみますと、大体鎌倉でありますとか、あの辺の衛星都市を網羅したもので基本計画を作る必要があろうかと考えております。他の官庁との関係につきましては、ただいま政務次官が御説明申し上げた通りでございまして、この審議会の進展によりまして、あるいは内閣に置いていただきまして、各庁の御協力を得る必要があろうかと思っております。またこの審議会におきましても、各庁の専門家その他公共団体方々にも入っていただきまして、フランクに御議論願いたい、かように考えておる次第でございます。
  10. 千葉信

    千葉信君 ただいまの御両所の御答弁からわかりますことは、この審議会は、たとえば社会保障制度審議会だとか、その他の審議会の場合におきますように、一定の調査をして、そのあとで総合的な結論を出すという建前に立っておるというよりも、そういうものも考慮しながら、一方では適時適切に、動態に対応するような、諮問に応ずるというような形の審議会、そういう両者を併用するような形に持って行かれるというお考えですか、総合的に十分調査検討してこうだという結論を出す審議会等もありますが、この場合ではそういう点もやると同時に時々刻刻動いてゆく状態に対応するため、その時々の状態に応ずる調査研究等についても大臣諮問に応ずるという、そういう建前と、両者併用という格好でこの審議会を運営して行くというお考えだというふうに、ただいまの御答弁ではとれるのでございますが。
  11. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 大体御指摘のように、まず第一段として諮問をし、御答申を願いたいことは、都市交通網をどうしたらいいか、あるいはその基本的な計画はどうあるべきかというような点につきましてお伺いすることになっておると思います。それから時々刻々の点につきましても、これは行政範囲内でございまして、たとえばどういう調査をするかということにつきましても、あるいはお伺いすることになるとも思いますが、これは主たる目的ではございません。ただその点が非常に今困難でございますが、この審議会におきましては、そういった具体的に、従前ありましたように企業をどうするかというようなものではないのでございまして、ほんとう利用者側に立ちまして、こういう交通難をどうしたら解消できるかという基本的な問題について御審議願いたいというのが運輸省考え方でございます。
  12. 千葉信

    千葉信君 先ほどの御答弁にもありましたが、都市交通審議会ということになっておりますが、現在の都市交通状態等から考えますと、ただいまお話のように、運輸省側としてサービスを提供するという考え方に立っているわけですね。その交通の問題の解決という点ばかりではなく、都市におけるいろいろな交通の事情を考えますと、やはり直接には警察庁関係であるとか、あるいわまたその道路をどういうふうに修改築するというような問題とあわせて交通問題の解決が当然なされなければならない、そういう意味から言いますと、運輸省内に設けられるということになりますと、なかなか所期の目的を達成するためには、そっちにぶつかり、こっちにぶつかるというような問題が起ってきはしないか、そういうようなことになりますと、先ほどお話がありましたように、内閣に設けるということが都市交通の緩和とか、交通の全般的な解決という点でかえってやりやすくなるんではないかという見解を私は持っておりますが、その点についてはどうですか。
  13. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) そういう点は私たちもまあ一応は考えの中には入れておるわけでございますが、先ほどから御説明をいたしましたように、戦後の交通状態というものは戦前と違いまして大きく動きました。その状態につきまして、運輸省におきましてまだいろいろ研究をずっと続けて参っておるわけでございますが、各種の調査その他につきまして、どういう流れで、どう動かして行くかという基本的なものはまだ決定しておらない状態でございます。それで私たちといたしましては、まず運輸省交通政策責任省であるものが確固たるものを持たなければならない、持った上で各省との関連があればその上で考えたいということでございまして、この審議会ですべて解決をするということができれば幸いでございますが、それにはむずかしいという点が多々出ましたならば、ただいま御指摘のように、内閣にもう一ぺん御審議を願いまして置くということも考えております。まだしかしそういういろいろの御意見を拝聴するという機関を持たないので、とりあえずその機関を持たしていただきたいというのがお願い趣旨でございます。
  14. 松原一彦

    松原一彦君 関連して。ちょっとその審議会構成、構想を話していただきたい。
  15. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 審議会構成につきましては、大体委員を二十五名以内ぐらいにお願いいたしたいと思っております。これはまだ私の方も確定をいたしておらない、一応事務的な考え方であるという御了承を願いたいわけでございます。それで関係官庁では、運輸、大蔵、建設自治庁経済審議庁というようなところに委員お願いをいたしまして、それから地方公共団体といたしましては、東京大阪、それから交通関係機関といたしまして、国鉄及び私鉄自動車というような方々お願いいたしたい、経済金融関係方々、そのほか学識経験者利用者の代表も入っていただきたいと思っております。それから報道関係、こういった方々を今一応念頭に入れておるわけであります。
  16. 上林忠次

    上林忠次君 これは建設省の方にはこれに似た審議会のようなものとか、あるいは交通関係についての道路整備に対する研究機関はないのですか。
  17. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 首都建設審議会がございます。これは東京でございますが、東京都の都市計画をどうするかという中に交通関係を取り扱っておられます。それから、これに関連いたすものといたしましては、東京都に都市交通審議会という都条例で都知事が作られたものがございます。
  18. 上林忠次

    上林忠次君 これはちょっと思いつきみたいなことでありますが、東京都で考えますと、郊外に放射しておる各私鉄あるいは省線関係鉄道がありますけれども道路整備が悪くて、その放射線の各線間の横の連絡がうまく行ってないようなことを、ちょいちょい武蔵野を歩いて感ずるのです。道路が悪いために途中まで来るけれども、それ以上行けない、中途半端なところに終点がありますために乗客も少い、これはまあ一に道路関係であります。道路さえよくなったら両方の市街地を連絡するようになる。そんなことでわれわれとしては不便を感ずることが多いのですが、こういうような点はどこで主として考究しておられるのか、そういうようなことについて運輸省の方でお考えになっているのか、感づいておられるのかどうか、早急にこういうところも考えてもらわなければいかぬ。特に放射線郊外に通ずる鉄道間の連絡が悪いと思いますが、まあ今度こういうような審議会ができますから、さようなことを主として考えられるわけでありますけれども、どこでこういうようなことをやっているのか、建設省の方で考えておられるのか、運輸省連絡が足らぬのじゃないかというような気持が私はするのです。それから今新しい大きな道路を見ておりますと、将来ここに電車がつくのだというようなことを言う。電車を今つけるなんというのは、交通関係現状から見て、施設費あるいは燃料の関係から見て、電車をつけるか、バスで行くか、そういうふうな点はどういう具合に考えておられるのか。戦争中は鉄が足らぬというのでどんどん鉄を回収するために電車をやめた。今これから電車をつける時代ではないじゃないか、バスに変る時代ではないかと思うのですが、そういうような点はどういう工合に考えておられるか。
  19. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 大体東京中心におきましての御質問であるというように考えますので、一応東京を例に取りましてお答え申し上げたいと思います。東京交通大阪と比べまして都内直通が非常に不便であるという理由一つ山手線というものが東京の旧市の周辺をめぐらしておりまして、これがあたかも万里の長城のごとく、これを突き抜けて都内に入って来るのに相当道路の面からも困難をいたしておるのが一つ理由でございます。これがまた放射線上の客がまっすぐ東京中心に入れないという一つの原因にもなっておるわけでありまして、一つの命題といたしましては、ただいま各地下鉄、各地下鉄と言いましても、まだ二本しかないわけでありますが、これが都内交通の一半をになっておりますが、これは旧都市だけでありまして、市外にもそういう必要がないかどうかというのも一つの問題になるわけでございます。それで一応交通あり方から申しますと、まあ各国の例でもそうでございますが、そういった通勤地からまっすぐ入って参りますのは、地下鉄その他の高速鉄道というものを使っておるのがまあ大体の例でございまして、ただいま御指摘のありましたそれらの放射線状にある交通網を横につなぐ道路は、輸送力から言いましても、一応通勤通学というものではなくて、日常用務を足す必要のある道路がおもであります。これをバスでつなぐというのが通常の例でありまして、東京の将来におきましてもそういう方向に行くのではないか、これもこういう審議会で十分御審議願いましてから計画を立てたいと思いますが、そういうものを考えたいと思っております。もちろん私どもといたしましても、今運輸省でそういった調整関係交通政策連絡会というものを置きまして、ただいま御指摘のありましたように、ここに電車を作ってもむだではないかという御意見のように、私鉄がやろうが、国鉄がやろうが、道路を使おうが、これは国の金を使うことには変りはないのでございまして、国民経済 的にいかなる交通を与えることが、最も最小の経費で最大の効果を上げるかという、国民経済的な見地から立って日本全体の交通網考えるという基本的な研究をいたしておりますが、まだ十分成果を御報告申し上げるまでに至っていないのは遺憾でございますが、そういう意味におきまして、戦後新らしい交通あり方につきましては研究をいたしておることを報告をしていただきたいと思います。それから、ただいまの大きな道路電車を通すことはむだであるという御意見、これはごもっともでございまして、ただいま運輸省といたしましても、路面電車のことであろうと思いますが、そういう長大な路面電車を作るということは考えておりません。最近ありますたとえば志村町線のごときものは、一キロ以内延ばすことによりまして非常に付近の交通が緩和されるというような、延長いたしますことによりまして、多大の効果を上げる線に限っておるような状態でございまして、まあ大体東京都内交通につきましては、地下鉄をもってこの交通網調整する以外に方法はなかろう。あるいは御指摘のように、高速道路というようなものも考えられるのでございますが、路面交通をもって将来やるということは考えておりません。最近やっておりますのは無軌条電車と申しまして、トローリー・バス、電気で動きます自動車も大体代替させるように交通政策的には考えておるわけであります。
  20. 松原一彦

    松原一彦君 海技専門学院というものを神戸市から芦屋市に移すとなっておりますが、この海技専門学院規模及び現状を一応御説明いただきたいと思います。
  21. 富田正久

    説明員富田正久君) お答え申し上げます。海技専門学院と申しますのは、既成船員の再教育をやっておりまして、従来船に乗っておって上級免状をさらにとろうという者を収容して、これにさらに知識技能教育を施しまして上級免状をとれるようにしております。これは昭和二十年から運輸省所管でやっております。規模といたしましては、現在特修科というのがございまして、これが甲種船長科甲種機関長科甲種一等航海士科甲種一等機関士科甲種二等航測士科甲種二等機関士科それから乙種船長科乙神機関長科乙種一等航海士科乙種一等機関士科、という十学級になっております。そのほかに、なお海上で働いておる者が働きながら勉強するということで通信教育というものをやっております。これは高級船員並びに普通船員にやっておりまして、高級船員の方は一年、それから普通船員の力は四年という課程になっております。こういうことによりまして海員の素質向上と運航能力をさらに向上させるということをねらって着々効果をあげております。なお申しおくれましたが、特修科の方は乙種一等航海士科、一等機関士科を除いて、この両科は修業期間半年でございますが、他の科は一年でございます。それで現在の学生数は、学生定員特修科三百名でございます。通信教育の方は大体約七千名になっております。これが現状でございます。
  22. 松原一彦

    松原一彦君 その三百人は芦屋で全部寮に収容しますか。
  23. 富田正久

    説明員富田正久君) それは建前といたしましては総員全寮制ということでありまするが、修学生の年令構成が大体二十五才くらいから五十才を越す者もおりますので、相当家庭的の理由もございまして、その近辺に世帯のある者には学院長において特別に通学を許すようにしております。
  24. 松原一彦

    松原一彦君 今回修正で予算が少し増額しておりますが、今回の二千四百七十一万八千円というものの内訳は大体どういうことになりますか、大体でよろしうございますから……。
  25. 富田正久

    説明員富田正久君) 内訳は、新営費といたしまして鉄筋校舎三階建で三百五十五坪、二千五十九万円、それから車庫十七坪四十九万三千円、書庫鉄筋二十坪百二十万円、用地四百坪、百三十二万円、合わせて二千三百六十万三千円ということでございます。なお、先生が今御指摘になった数字はもう少し多いのでございますが、それはほかに深江の方から芦屋の方に移るための移転費、それからだいぶ芦屋の校舎がいたんでおりますので、それの改修費というものが合わせて百八十万ほど入っておると思います。
  26. 松原一彦

    松原一彦君 神戸にあったのが芦屋に引っ越すというのですか、新しい土地に越すのでしょうか、そうじゃないのですか。
  27. 河野金昇

    政府委員河野金昇君) それは神戸に商船大学と海技専門学院が一緒にやっております。海抜専門学院がずっと二十年からやっておったところへ商船大学ができまして、だんだん商船大学の方も学生がふえて来たりして、増築しなければ両方の学生を収容することが不可能になって来たわけであります。芦屋の方に海抜専門学院の寮並びに教室の一部その他があります。従ってそこへ移すというよりも増築であります。先の鉄筋の二千百何十万円というのは、これは増築の分であります。そして現在商船大学とともに深江にありますところの商船大学で必要でないものを一部分移しまして、今後は海技専門学院という船員の再教育機関は、今、課長が説明しましたように、二十五くらいから五十過ぎたような者までおりますから、そういうのが、正規の高等学校を出て行った大学と一緒で同じような教育をすることも教育目的からいってもどうかと思います。どうせ拡張しなければならない段階に参りましたから、芦屋の方に一つ所にまとめて、何と言いますか、寮生活をしつつ教育目的を達して行きたい、そういうふうで一部を移転するということになります。
  28. 松原一彦

    松原一彦君 了解しました。ただし四百坪の土地を増加するように要求しましたが、本来どのくらいの土地を一持っておりますか。
  29. 富田正久

    説明員富田正久君) 従来ございます芦屋の用地は約三千八百坪でございます。それで建物としては約千二百坪のものが現存いたしております。
  30. 松原一彦

    松原一彦君 これは付属の船を持っておりますか、持っておりませんか。
  31. 富田正久

    説明員富田正久君) 現在は持っておりません。
  32. 松原一彦

    松原一彦君 練習船はありませんか。
  33. 富田正久

    説明員富田正久君) 直属した練習船は持ちませんが、他にやはり運輸省所管で航海訓練所というのがございまして、そこで商船大学、商船高等学校、それからこの海技専門学院の学生を一括海上訓練さしております。
  34. 上林忠次

    上林忠次君 先ほどお尋ねしました郊外電車の放射状に、都心を中心にして出ておるこの横の連絡が少いじゃないかということを申し上げましたが、住宅が東京都の都心を中心に密集する、こういうことがいいのか悪いのか、国民の健康上から考えてその問題は問題があると思いますけれども、私もっと今各線の間の連絡がないために遠いところに住宅地が分散して行く、もっと放射線の間を埋め行くならば、まだまだもっと近いところで簡単に都心にこられるような場所がある、住宅の建設余地がある。それが放射線間の連絡が悪いためにあいておるというようなことで、それが理由で、私は何とか道、路の整備も各線の道路整備をしながら、間にある空地を住宅地にかえるためには、どうしても横の連絡、線間の連絡、これをやってもらいたいというようなことを申し上げておきます。これに対する御意見があるならお聞きしたいのですが、その問題はそれにしまして、今の商船学校が神戸にありまするし東京にもある。この商船大学にくっ付いているやつをどうして離すのか、私は学校にくっついておった方がいいのじゃないか、土地が狭いなら、すぐに大学にくっつけるという点で、大学と一緒に動かしたらどうか、そういうことはできないのか、無理に分けて、先生も変ってくるし、十分な教育もむずかしいと思う、そういうふうな点はどういうふうな工合に考えておりますか。
  35. 河野金昇

    政府委員河野金昇君) 大学の先生並びに海技学院の先生の寮なんかも実は芦屋にある。そこから大体先生たちは商船大学、それから海技専門学院、この海技専門学院の方が両方に分れておるわけで、芦屋の方と深江とに分れておりますが、これは何と言いましても、先ほど松原さんの御質問にも答えましたように、商船大学の方は御承知のように高等学校を出た正規の学生で、十九か、二十の連中が入って行くところであります。片方は技術は相当にあるけれども、その技術なり、学問体系が古くなっているというようなことで再訓練をするのでありますから、二十五くらいから五十過ぎたような、いわばお父さんのようなのが、子供のような者と同じところで教育を受けるということは、むしろ好ましくないような実は傾向も現われてきておるのであります。だからどうしても大学の方ももっと生徒がふえ、それから海技専門学院の方も、御承知のように、何も紫雲丸事件が起きたからどうこうということではありませんが、再教育という声が起っておったのであります。これはどうしても計画的に十分やって行かなければなりませんから、どうせもうすでに芦屋の方に千何坪というように寄宿舎やら教室の一部などがありますから、その増築の分は、むしろこの寮に近い、また教室の一部もすでにある芦屋の方にかためた方がいいのじゃないだろうか、そういうことで、それに大学が実は経過から申しますと、衆議院の何と申しますか、衆議院というよりは議員提出の法律案で作った学校であります。これはちょっと特例に属するような学校であります。従ってこの問題に関しましては、いろいろ衆議院の方におきまして、その大学ができた当時の、これは無理もあったと思うのです。議員立法でこういう学校を作るということに無理もあったと思いますが、そういう経過からかんがみて、いろいろ代議士の方々も、ただほんとうにまっすぐにものを見るというのでなしに、いろいろな経過等にかんがみてあったのであります。そこで私たち教育にそういうようなことを入れてはならないと思いまして、それで運輸省の船舶局、それから文部省の方の大学局と、それから商船大学と海技専門学院と、この四者が集まって、そうしてどういうふうにすることが一番目的を達することかできるか、議員は予算を組んだりなんかは必要であるけれども、あまりにも学校をどこにおくとか、しまいにはあの先生がいいとか、悪いとかという議論も実は出てきたのでありますから、そうなると、これはなかなか国会できめるということはむずかしいから、その四者の会談によっておきめになるならば、それでけっこうだというような結論に、実は衆議院の方でむずかしくなりましたから、実はそのむずかしい御議論をなさる方々にもお願いしまして、そういう純事務的に四者において話し合いがきまったならば、それに従おうじゃないかということになりまして、この四者の間において覚書等もかわされたようでありますから、いろいろ経過等はありますけれども、その覚書の結論先ほど私が申しましたような結論であります。その理由は別かもしれませんけれども結論はそういうことで、この芦屋の方に海抜専門学院は増築をする、しかし今後の何と申しますか、協力し合うということは当然であるというような、それから大学の方が必要とするような設備とか何かは、専門学院の方に持って行くということはしないというような、そういうこまかい事務的というか、ものの処分の仕方まで四者の間において話しがまとまったのでありまして、こういう簡単な問題が非常に衆議院においてむずかしくなりましたから、最後に事務的に四者の間に処理していただくことにして、こういう結果になったのであります。
  36. 上林忠次

    上林忠次君 この海技専門学院の修業年限が何年ということは私知りませんけれども、相当の人数が、何百人、六百人、七百人という人数の学生が集まるということになりますと、その業務に支障なしに、そういうふうな何年間という長年月を、ある人員が講習のために欠けると、現場がそれだけ手薄になるのです。ここで古い連中が再訓練をやられるということになりますと、運輸省の連中が再訓練を受けたり、新しい海員としての訓練を受けたりしますけれども、そうすると、定員の中から一部、何百人という連中がそこで教育期間は現場を離れる、そうすると、現場の仕事はそれで手薄になるのではないか、短期間なら、一ヵ月とか、二ヵ月なら、これはやって行けますけれども、長期の訓練になりますと、現場の関係はどうなるのか、そんな定員に余裕があるのか。
  37. 河野金昇

    政府委員河野金昇君) それはそう長年月、すでに教育を受け、技術もある人が実際仕事に携わっておるけれども、そういう人を計画的に再訓練するのであります。これは決して国鉄と申しますか、運輸省関係の船員だけではなしに、一般の船会社等の船員なんかも再訓練するのであります。従ってこの海技専門学院に対しては、いろいろな業界の方々が機械とか、何かの利用ということに対しては協力しておるのです。これは定員の中で計画的にやっているのでありまして、現場においてそれが手薄になって、そのために事故が起きるということでなしに、むしろそういうことを未然に防ぐという意味において、古い教育を受けた人に、技術はすでにあるけれども、新しい教育を短期間の間に植え付けるということでありまして、そういう御心配をしていただくことは非常にありがたいのでありますけれども、そういうことにはならないのではないかというふうに考えております。
  38. 上林忠次

    上林忠次君 それでは何ですか、これは運輸省の職員だけではなしに、一般の連中も入れるという、普通の学校のようにやるわけですか。
  39. 河野金昇

    政府委員河野金昇君) そうです。
  40. 上林忠次

    上林忠次君 そういうふうになってくると、余計に私は大学にくっつけた方がいいのじゃないかということを申し上げたいのですが、先ほどそういうふうないろいろないきさつでできた学校というような、生まれた理由がどういうところから出てきたということを聞きまして、一応その方の追及はいたしませんけれども、私としましては、こういうふうな今の全体の海運界から、昔の訓練を受けた人を再訓練するというような意味なら、なおさら学校にくっつけて、学校の新しい最近の学問を注入するということがいい、私はそれには、今の神戸から芦屋に移転するということはおかしいじゃないかというような気持がするのです。これはお答えは要りませんけれども、そういうような気がいたします。以上のことで私は質問はありません。
  41. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 私一つだけ御注意までに申し上げたいのですが、政府提案には載っておりませんけれども、地方の海運局の数ですね、非常に多過ぎる、ことに瀬戸内を見ますと、九州にあり、四国にあり、中国にあり、大阪にあり、神戸にありということですね。これは御承知のように沿革がありまして、戦争中に税関を一緒にしたものですから、大阪も神戸も海運局を残すということで、海運局が併置されておるのです。地方局ですから、さほど……、本来ならば瀬戸内海運局一本くらいでやらないと、むしろ実行上非常に各海運局が仕事をする上にかえって困るだろうと思うのです。今そんな問題じゃありませんが、こういうところにむしろ行政組織としては、むだがある。各省を通じまして、この問題は私個人の考えですが、一番地方機関としてむだのある機構の一つだとこれは考えておりますので、適当な機会に、これはもっと仕事が動きやすいように整備されて海運局をむしろ強化される、数を減らしても強化されるという方向でお考えになるのが順当だと思っておりますが、御答弁は要りませんけれども、次の国会までによくこれをお考えになって、政府のお考えがまとまれば御提案になったらいかがかと思います。  それでは午前中は一応これで終りまして、午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十二分休憩      —————・—————    午後二時三十四分開会
  42. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 休憩前に引き続き内閣委員会を再開いたします。  まずお諮りいたします。国の防衛に関する調査として、富士山ろく演習場問題調査のため委員を派遣いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。つきましては、本院規則第百八十条の二により議員派遣請求書を議長に提出しなければならないことになっておりますが、その内容及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。     —————————————
  45. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続きまして川島国務大臣に対する総括質問を継続願いたいと存じます。  あとから他の委員から御質問があると思いますけれども、私から伺います。先般来臨時職員の問題につきまして各委員から非常に熱心な質疑があった。で、この問題は現状のままでほうっておくわけにも参らないと思いますので、政府におかれては、今後すみやかにこれに対する適当な処理方をお考えになって、具体的な案を国会に提案せられる御予定であるかどうか、その点川島長官にお伺いしたいと思います。
  46. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 常勤的非常勤労務者の職員の問題は、かねてからいろいろ御議論のあるところでございます。現在の形のままで決していいとは政府も考えておりません。臨時職員の能率の上から考えましても、給与体制の上から考えましても相当の考慮を要すべき点があると存じまして、委員長のただいまのお話しのように、なるべく速急に方針をきめまして処置をとりたいと考えております。この問題につきましては、なお給与担当の大久保国務大臣に私からよく申し伝えることといたします。
  47. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) それでは川島国務大臣に申し上げますが、これは定員法を審議いたします上に非常に必要な問題になっておりますので、この会期中にこの定員法を議了しなければならぬと思っておりますが、その審議が終りますまでに、将来に対する政府の御予定を関係大臣と御相談の上で、この委員会で御所信を披瀝していただきたいと思うのであります。
  48. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) この問題につきましては、今朝の予算委員会でもいろいろ質問があり、それに対しまして関係閣僚からそれぞれ答弁をいたしておるのでありまして、いずれも何とか処置したいとは考えたのでございますけれども、先般来も繰り返して申し上げましておるように、せっかく公務員制度調査会で調査しておるのでありますから、大体公務員制度調査会の小委員会は、五月の末一応終結をいたしまして、今内容を整理中でありまして、七月中には総会を開いてこれを審議する段取りになっております。定員法はぜひ今月中に御審議を願って可決を願いたいと思っておるのですが、それまでに的確な御無事ができるかどうかということは、ちょっと私は受け合いかねるのでありますけれども、とにかく常勤的非常勤職員については適当な考慮を払うということだけははっきり申し上げておきます。各関係閣僚もそういう意味答弁を今日の予算委員会でしたわけであります。
  49. 木下源吾

    ○木下源吾君 この農林省関係で特にこの定員を改正してふやさにゃならぬ点がある。一例をあげると、営林など、昨年北海道で風倒木が非常にたくさん出た、これを処理するに数年間を要する。さてこの処理に必要な人員はどうかというと間に合わせでいろいろやっておる。特にまた職員の中にはいろいろな区分がたくさんあるが、当然定員の中に繰り入れなければならぬものがある、こういうものを今のような機会に定員の中に繰り入れてはどうか、こういうことです。今のあなたの御答弁でいろいろ審議会の何もあろうけれども、現実にはあまりややこしいことをやっておるのです。団体交渉で……。そういうことではなく、はっきり定員に入れるものは入れてしまった方がいいのではないかと、こういうふうに考えるのですが、御所見を一つ伺いたいと思います。
  50. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 農林関係につきましても、常勤的非常勤職員は相当あるのでありますが、今、木下さんの御指摘のことはその一例でありますが、常勤的非常勤職員が数年間にわたって同じ仕事をやっておる者もあるのは現実の事実でありまして、こういう者を定員外に置くのは不都合ではないかというのが先般来の御議論でありまして、全くその通りだと考えるのでありますけれども、しかし一面から考えまして、その人は長年一つ仕事をやっても仕事の性質そのものが一時的であり、労務的でありまして、これを定員法の規定に当てはめまして、一定の資格がある任用令によって任用した公務員にやらせるのが適当か、あるいはこういうものを請負制度にするのがいいのか、出来高払いにするのがいいのかというような点もいろいろ考えなければならぬ点があるので、今日公務員制度調査会で研究をいたしておるのであります。ただこういうことは申し上げられると思うのですが、常勤的非常勤職員は数ヵ年間同じような仕事に携わっている人が、たとえ定員外であっても、ほかの公務員とはなはだしく差別的な待遇を受けるということは、これは穏当なやり方ではありませんからして、人事制度というものを根本的に直しながら、そういう人に対しましても、いろいろな方面におきまして一般公務員と同じような待遇を与えるということは考え得ると、こう考えておるのであって、定員制の問題と関連もありますが、一応切り離して考えても、そういうことはやはり考慮されなければならぬと、こう思っているのであります。
  51. 木下源吾

    ○木下源吾君 今の御説明のような面もそれはあるのです。請負にやった方がいいとか、あるいは永久的ではないというような……、ところが林業関係の常用だとか、あるいはそのためにほとんど定員と変らない一定の技術、そして条件が定員に変らないようなものがそのままになっているのですね。この数も相当あるわけなんです。それですから、あなたのおっしゃるようなものも、それはいろいろ考慮しなければならぬが、それより先にやらんならぬものがたくさんあるのではないか、これを言っておるのでありまして、この間建設政務次官が来られていろいろ御質問しましたところが、今月の定員法はまさに実情に即しておらない、まあこういうような意味答弁をなさっておるのであって、これは審議会もさることながら、早くやはり正常に復するように規定しなければ、仕事の上に熱意が欠けたり、いろいろ差しつかえが多いのではないか、こういうふうに考えますので、至急にこれを定員に繰り入れるものは繰り入れる。何もこだわっておらないで、一つおやり願いたいと、こう思うのです。そういう点について定員法に今そぐわないものがあるということだけは、長官もお認めになるだろうと思うのですが、どうですか。
  52. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 仕事が恒久的であり、しかも一定の資格を持った者を任用した公務員にやらせる方が能率的にも、責任を持たせる上にも必要だという職務につきましては、ちゃんと定員の中に入れてやる方がいいと、かように考えております。従いまして、多数にある常勤的非常勤職員につきましては、個々の問題につきましてよく調べまして、そのうち定員法の中にはっきり入れた方がいいというものは、これは当然入れるべきものだと考えております。この点を考究しようということを御返事申し上げているわけであります。   〔委員長退席、理事松原一彦君着席〕
  53. 木下源吾

    ○木下源吾君 そういうことはなかろうとは思うけれども、どうも技術者が軽んじられる傾向がある、いろいろ各省の中でも、研究面、あるいは調査の面だとか、あるいは統計の仕事だとか、そういうような技術面がややもすれば軽んじられる傾向があるのであるが、定員を充実する面においても、これを軽んじないということにしてもらいたいのですが、それには何か一つ特に技術者の置かれている実情が不利益な点を救済するような方策を何とかお考えになっておられるのかどうか。それをお尋ねしたい。
  54. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 官庁内におきまして、技術者事務系統の職員よりも軽んぜられるという傾向は、これは戦前からありました、戦争前は特に激しかったと私は思うのであります。事務中心にすべての行政機関は運用されておった結果がそうなったのでありましようけれども、戦後はこうした傾向はだんだん減っているんじゃないかというふうに私は感じを持っているわけであります。的確な資料は持ちませんけれども、感じとしてはそう思っております。定員法も、改正する際には技術者であると事務系統であるとを区別することは絶対にございません。この点につきましては公平な原則に立ってやる方針でおります。
  55. 木下源吾

    ○木下源吾君 先般も気象関係が、今日非常に災害が多いので、重大な社会問題で、その人々の意見を聞いたけれども、どうもやはりそういう所に勤務している者はあまりよくはないような、そういう感じがせられたのです。特に行政整理の場合などでも、船ならば船主と船長と機関士がいる、これはどれが欠けても船が動かないわけなんです。いつも天引きに一律に行政整理というようなことで、かじとりをなくしてしまうというような面も今日までなきにしもあらず、そういう点については十分注意をしておられるようですが、全体としてはなかなかそういうふうに行っておらぬように思います。今日も鳩山内閣が総合的だということを言われる。あるいは計画的だと言われる、そういう面でも、定員の必要なところのものを欠いて全体が動かないようなことがあっては私は困ると思うのです。そういう点に十分に気をつけておられるかどうか。
  56. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 給与規則なども、戦争前は事務系統に比べて技術者は特に低く給与表ができておったのでありますが、戦後はそうした差別待遇はないわけであります。今回四千五百人ほどの増員をする改正案の御審議を今願っているのでありまするけれども、この四千五百人の増員というものは、大体が郵政省関係と、それから厚生省の看護婦、医者など、ほとんど技術的な方面のみでありまして、事務系統の増員は極力これをふやすことをとめているのであります。昨年から今年にかけまして約六万人、そのうち三万人は警察関係でありますけれども、人員整理をしました際におきましても、主としてこれは事務系統の人員整理をしたのでありまして、技術方面に対しては、その面においても相当考慮を払っているわけでありまして、むしろ今日の傾向は、木下さんの御心配とは逆に技術者の方が優遇されているんだというふうな傾向にだんだんなりつつあるのであります。それは専務系統の人間は容易に人を得られますけれども、技術方面の人はなかなか人を得られぬむずかしい面がありまして、技術者は相当に安固な地位において仕事をしてもらう必要があるのでありまして、決して事務系統にとったような待遇はいたしておらぬのであります。
  57. 千葉信

    千葉信君 関連して……。ただいまの御答弁を聞いておりますと、私はふに落ちない点が多々あるのです。特にしろうとならいざ知らず、衆議院において人事委員長まで勤められて、この問題については相当造詣の深いはずの川島さんから、今のような御答弁をいただくと私いささか心外千万に感ずるんですけれども、ただいまのお話によりますと、まあなるほど戦前に比べると技能職、技術職の関係は、ある程度事務官もしくは法学系統の職員よりも改善のあとは見られる、これは否定できないと思うのです。しかしまだその改善のあとは、今おっしゃるようにむしろ優遇される傾向にさえきているということになると問題になると思うのです。川島さんも御承知の通り、たとえば給与の問題にしても、人事院等からのこの前の給与準則の勧告では、まだ今日でも技能職もしくは研究職等は一般事務職に比べるとなお不利益に扱われている、だからそれを公平な処遇をする必要があるから、次のようにその俸給表等を改正すべきだという勧告が出ているのです。給与準則の勧告が……。全然それが実施されておらない。だから人事院でさえも比較的冷静な立場から判断をし、研究した結果に基いて、まだ技能者や研究職等の場合には不利益に扱われているという結論がはっきり出ているのです。それが勧告されているにもかかわらず、前の内閣から今日まだ実施されようとしていないのです。だから私はこの点については、やはり長官の認識を改めてもらって十分その問題の改善について努力をしてもらいたい。私はほかの人の場合ならただいまのような御答弁をなされても黙って傾聴していることがいいかもしれませんが、長官の場合には私は黙っていられない。その点を申し上げておきます。
  58. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 先ほども申し上げたのですが、昨年から今年に引き続いてやっている行政整理六万人は主として事務系統の整理をしているわけであります。そういう際に技術者の方には手をつけない、この点において技術者は安心して仕事につくことができるんじゃないか、こういう意味で優遇されていると申し上げたわけであります。もう一つ例として申し上げましたのは、今年の増員も主として技術関係であって、事務系統はふやさないのだ、事務系統が必要な場合には大体庁内の配置転換において極力補っているのだ、こういうことを申し上げたわけでありまして、決して方針として技術者事務系統の人間よりも冷遇する考えはない、こういうことははっきり申し上げ得るのでありますが、なお千葉さんのお話の人事院勧告に対して、身をもって、前内閣より引き続いて現内閣が処理しないじゃないかということも私も同感でありまして、これは公務員制度調査会の結論が得られれば、ぜひ措置しなければならない問題だと考えております。
  59. 千葉信

    千葉信君 今までの整理の対象が、かなり大幅に事務官系統にしわ寄せしてきているということは、これは私はその点では今の長官の御答弁に同感です。ただしかし、私が先ほど関連質問をしましたのは、川島さんの今の木下君の質問に対する答弁の中に、はっきりと給与の関係等においても改善されているとおっしゃっているわけです。ですから、そういう認識では困るということです。ですから事実をあげて私は申し上げておるのですが、そうほかにもたとえば技能職、研究職等の場合には、それではその給与以外の、たとえば定員内に繰り入れるとか、あるいは定員法の関係等から検討してみても、今問題になっている常勤労務者、非常勤労務者関係の中に技能職、研究職が実に多い。こういう点なんかもこの際やっぱり長官に十分考えてもらう必要があると思います。善処を一つ要望したい。
  60. 木下源吾

    ○木下源吾君 今各省の設置法が提案されておりますが、どうも組織にこだわって定員という観念が強い。従来人を考えるのに、仕事の性質とか、仕事の量だとか、そういうものから定員というものがきまって行かなければならぬと、かように考えているのです。やはり今後もこういうように、ただ一つの組織があれば、長がやる、次長がやる、部長がやる、そういうようなことで、やられる方針なのか、実際の仕事というものは、その仕事が賠償なら賠償でどういう仕事が出て、実情はどうだから何名要るのだ、これに対しては必要なものをあるいは要請せんならぬ場合もあるだろう、そういうような計画的な面を進めて行かれる考えはありませんか。
  61. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 私は今のお説は全く同感なお説でございまして、現在定員を決定する場合に、仕事の質と量と比べて一定の標準のもとに各官庁がきめているのではないのでありまして、各官庁との話し合いで、そのときに応じてきめているというのが現実の事実でありますから、そういうものを修正をいたしまして、定員をきめるのには一定の基準を作りまして、仕事の量、質などをよく勘案してきめるのが適当じゃないかと考えたのでございますが、そういうことをはっきりきめることが、それが公務員制度調査会でありまして、この点を取り上げてやっているわけでありまして、先ほど申し上げましたように、すでに小委員会は終了いたしまして、七月には総会に付議するということになっておりますから、お説のような意見も出てくるのではないかと思っております。まだ小委員会の案を見ておりませんけれども、そういう点もすっきりした姿でもって公務員制度というものが確立されるのではないかということを期待しているわけです。
  62. 木下源吾

    ○木下源吾君 それはどうもこの第一回の行政整理のときから問題なんですよ。今ごろまで調査研究をやるといったって、よほど英断でなければためだと思うのです。同時にこの問題と関連してやっぱり給与の問題ですね、この問題とも関連があるので、これは一つ大英断でやってもらわなければ、現実にはこういうことなんだ。この間も私は風倒木処理場に行ってみました。そうすると、風倒木を伐採しましたね、伐採しまして、帰ってきてからその人たちが夜の十二時ごろまで引続いて採石を、やっている。あるいは利用面にそれを当てはめる、それで超勤手当は一銭も出ないのですね。もうほとんどくたくたになって、もうこれではとても続かぬ。   〔理事松原一彦君退席、委員長着席〕  けれども、やはりこれをやらんければほかの方の仕事が差しつかえる。ことに民間に請け負わしている仕事はどうにもならぬ。こういうことで全くひどい、辛い仕事をやっているわけです。でありますから、一面においては非常に楽なところに人員もたくさんおるが、実際の現地に行ってみますと、そういうようなことで、それも定員がほとんど充実されておらない。こういう不公平を一日も早く、これは私は今は営林局関係のことを言っておりますが、そればかりではない。どこへ行ってもこういう不公平をほんとうに早く直さんければ、進んで国家の再建だとか、あるいは復興だとかいうことに勇気をつけてやれないですよ。だから委員会だの、調査会なんといって、そんなことを今まで言っているのは私はのんきすぎるのじゃないか。大体行政整理から今日まで、このくらいの日数があるのに、しかも新内閣ができましたし、一つ鳩山内閣などは大いに勇気をふるっておやりになる方がいいのだと思うのだが、やはり旧態依然としての、そういうやり方を踏襲しておられる。こういうように考えるよりしようがないのですが、そういうわけなんですか、どういうことなんですか。
  63. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 行政機構の問題は、社会の進展に従いまして、常にそれに適応するような機構に直す必要があるのでありまして、現在私ども考えといたしましては、さしあたって根本的に機構の大変革をする考えは持っておりません。ただ必要な拡張は最小限度に認めますけれども、なるべく機構の拡大、人員の増加は、これは経費との関係がありまして抑制したいと考えておるわけであります。従いまして、今度出しました定員法の改正も必要最小限度に提案して、御審議を願っておるわけであります。お説のように、行政機構全般に対して改革を加える必要があるのかもしれませんけれども、現在鳩山内閣といたしましては、ここに直ちにそれをやろうという考えは持っていないのでありまして、一応昨年吉田内閣から引き続いて本年にわたりまして六万人の整理をしまして、それで人員整理に一応これで終ったわけでありまして、一口にこの改革と申しましても各庁間の摩擦ははなはだしいし、また人員整理をするということになれば、いろいろそこに組合との関係もありまして、これはなかなか手がつかんのでありまして、よほどの準備をしなければこれは成功しないのであります。すぐ直ちに、私どもはお説のような考えは浮んだのでありますが、それを実行しようとは今考えておりません。何としてもこれは非常に摩擦の多い仕事でありますからして、相当な準備と考慮を要するのではないか、こう思っております。
  64. 木下源吾

    ○木下源吾君 私はやたらに定員だけふやせ、ふやせと言っているのではない。たとえばこの間も建設の話を聞きますと、六千何百人おる、あるいは恩給局にも臨時職員が多数おる、こういうように、それを皆定員に入れるということを私は言っているのではないのです。ただ不公平な仕事を上やたらにしょって、やらんならん者ばかりたくさんの仕事をやって、収入もない。超勤手当もない。この不公平を何とかして是正して、進んで国の仕事に挺進するようなことに早くしたらば国家のためになるのじゃないか、こういうことなんですよ。やたらに定員をふやせ、定員をふやせと、そういうことを言っておるのではないので、そういう方針が、誰が考えても日本の実情をこれは考慮しなければならぬのだということがはっきりのみ込めれば、組合だろうが、何だろうが、おそらく国の再建、建設に挺身して協力すると、私はこう考えるのであります。いずれにしてもその不公平が一番悪いのですな。同じ仕事をしておっても待遇が悪い、あるいは給与が悪い、あるいは身分の保障もない、苦衷の訴えどころがない。こういうことでは、かえって働く人の働く意欲を減殺しておるようなものではないか。ただ頭数だけを並べて、それで仕事がでておるのだという考え方では間違いである、六万人の行政整理があるから、ただそれが済めばいい、ただそれを実施すればいい。ただその六万人の行政整理から割り出してやるのではなく、その根本をやりかえたらどうか、そういうことに対する大英断、やりかえのお考えはないか、こういうことをお尋ねしております。
  65. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 先ほど私は木下さんの御質問をはき逢えして、行政機構の根本的改正の問題かと思って御返事したのですが、ただいまの御質問は、結局やはり常勤的非常勤者を一応どうするかという問題に極言されると思うのであります。それに対しては、先ほど来御返事申し上げた通り、これは適当に処理をいたしまして、もう当然定員に入れるべきものは入れまするし、定員外で処理すべき人間でありましても、それが長年にわたって勤めたものは、やはり同じ公務員と同一の待遇を与えるような処置が必要だから、それもいたしたいと、こういうふうに申し上げて、おるわけでありまして、お設の通りのことを考えておるのであります。
  66. 木下源吾

    ○木下源吾君 いろいろなことをあなたにお尋ねしておりますけれども、この根本的な、専門的なものはやはり人事院ですね。この戦後の日本の公務員制度の改革に当ってやってきておるこの人事院を、前内閣あたりは独立性をなくして、そうして政府の諮問機関的なものにしようと、こういう計画を進めたことば御承知の通りであります。ここで考えられることは、そういうように持って行くことは私は民主的な公務員制度の改革に逆行するものだ、こう考えておるのです。そこで今あなたのおっしゃる御答弁の筋道は、あくまでも公務員の制度は改革しなければならぬということに御同意のようであります。これには人事院の科学的な調査、科学的ないろいろの施策が最も妥当だと思っておりますが、まあ究極すればこの人事院の存置問題ですな。そういうものに対する政府のお考えはどうであるか。
  67. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 人事院に対しましては、前内閣時代に機構を改革するという案を持っておったことはお説の通りでありまするが、現在の公務員は団体交渉権もなし、スト権もないのであります。それがために人事院がおかれておるわけでありまして、もし人事院を廃止しますは、当然公務員に団体交渉権スト権というものを与えなければならぬ、こういうことになるのでありまして、それがいいのか、やはり人事院の制度のもとにおきまして、人事院が中間の立場において、公平に公務員の給与などをさばいてもいいのかということになりますと、これはやはり現在の制度の方がいいのじゃないか、こう考えまして、私どもといたしましては現在の人事院を廃止したり、機構を改革する意思を持っておりません。
  68. 木下源吾

    ○木下源吾君 従って、ここにはまあ人事院の総裁はおりませんけれども、明らかに人事院に関する限りは独立的な性格を尊重する、また政府もとっておきの政策によって基本的な公務員制度というか、公務員の利益を守るという立場を変更しないのが正しいのでもります。従って私は人事院関係にお尋ねするのですが、この定員の問題については、現在、しばしば今日まで行われた整理は今日の実情に即しておらない点が多々あろうと思うのであるが、こういう点について一つ所見を伺いたい。
  69. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 人事院からですか、人事院はきょうは見えていないのです。この次のときにでも……。
  70. 木下源吾

    ○木下源吾君 じゃ、あなたの方だけの分を御答弁願いたい。
  71. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 人事院のお話じゃありませんね。全体の定員お話ですね。
  72. 木下源吾

    ○木下源吾君 全体に対して定員と関連する人事院の所見も聞いておきたいと、こう思うわけです。だけれども、今いなければ、あなたの方だけで、人事院の独立性を尊重して、そうしていろいろなことをやるということであれば、それでよろしいのです。
  73. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) まあ人事院は主として勧告権でありまして、政府と国会に勧告をするわけであります。政府としましては、その勧告をできるだけ尊重して、これを法制化して、国会の御審議を願う、こういう立場におるのでありまして、人事院存立の意義から言いましても、人事院の勧告というものは尊重すべきものだと、こういうふうに考えております。
  74. 田畑金光

    ○田畑金光君 それでは一、二の点だけ、今の長官の答弁で疑問な点がありますので、それはこの間も私若干お尋ねしたわけですが、長官としては、現内閣行政機構の改革には手を染めないという方針の御説明がなされているわけであります。吉田内閣の折に、いわゆる行政制度調査会を設置されまして、長い間の研究の結果、同調査会から行政機構の改革について答申がなされているはずでります。同時にその答申の中には、中央の行政機構と合せて、地方の政府の出先機関についても大幅に簡素合理化すべきであるという趣旨の答申がなされております。ところが現内閣は、行政機構の改革については手を触れないで、その都度定員法の改正等をもってつじつまを合わされるというような御趣旨でありまするが、私はどうしても納得がいかんのは、要するに事務の簡素化、機構の改革、定員の問題、配置の問題、これは常に一貫したものでなければ、円滑な運営は期し得ないと考えるわけであります。  そこでお尋ねしたいことは、行政機構改革については、前内閣等のそういう長年の研究の成果等については考慮する意思がないのかどうか。あくまでも行政機構改革には一指も触れないという態度で今後とも臨まれるのかどうか、この点伺っておきたいと思います。
  75. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 私の申し上げておりますのは、行政機構の改革は国の行政機構全般に対して大きな変革をすることはどうかという先般の御質問に、その意思はないと、こう申し上げておるのでありまして、ただいまお尋ねの、各官庁が地方に出先機関を持っております。それが相当に能率的に悪いし、また地方の行政面との摩擦がある点が幾らもありまして、そういう点は、これは別の問題といたしまして、根本的の問題でなしに、地方行政機構の改革とにらみ合わしてそれはやりたいと思っております。この点についてはいろいろ関係官庁と相談いたしております。地方にある各省の出先機関をどうするかという点については、これは相談をいたしております。これまで手をつけないという意味じゃないのでありまして、根本的に国家の行政機構全体を今日動かす考えがあるかないかということに対しましては、それは今日ないと、こう申し上げておるわけであります。
  76. 田畑金光

    ○田畑金光君 根本的に国家行政機構については手を触れる意思がないという御説明でありまするが、そうしますと、今後とも中央の行政機構そのものについてはあくまでも手を触れないで、現在の態勢をとっていくという御方針でありますかどうか。  さらに、今お話を承わっておりますると、国の地方の出先機関については、関係官庁との話し合いで処理するものは処理していくという御答弁であります。具体的にしからば、それはどういう出先機関について問題になっているのか。と申しますのは、今回の地方自治法の一部改正を見ましても、あるいは地方財政再建の特別措置法を見ましても、当然この法律実施は地方部局の簡素合理化を要求しているわけであります。そういたしますならば、地方の自治団体に対しましては強力な行政機構の簡素化を要求しながら、中央の行政機構は一指も手を触れない、ただ出先機関についてのみそれをすると、こういうことでは行政機構の簡素化というものが国、地方一環として処理されて初めてその所期の効率を実現するものとわれわれは見るわけであります。こういう点から見ましたとぎに、どうも私は趣旨一貫せぬ方針のように見受けるわけであります。当面地方の出先機関について地方自治団体の行政機構簡素化に関連いたしまして、どういう問題を取り上げ、どのように簡素合理化されようとする方針なのか承わっておきたいと思います。
  77. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 根本問題といたしましては、省の廃止統合等はしないと、今日その考えはないということは御了解願ったと思うのであります。町方の出先機関につきましては、たとえば農林省で申し上げますると、農林省の各部局の出先機関がありまして、統計常務所もありますれば、その他の機関ども事務所がありますし、こういうものをどう処理するかということであります。それから建設省などにも出先機関が多いのではないかということもありまして、行政管理庁の立場といたしましても、また自治庁の立場といたしましても、国の出先機関に対してはある程度一つ改革を加えたいということを私どもは要求をしておるわけであります。どの役所がどういうものに対して改正を加えるかという点にはまだ至っておりませんけれども、当然改正すべきものは改正してもらいたいということを私どもの立場において要求をしておるということを申し上げているわけであります。具体的にしからば一体何を廃止するつもりか、どの部面を改正するのかと言いますと、それは今日私としてはまだ御説明するだけの段階に至っておりませんし、また資料を持っておりません。ただ方針といたしまして、そうやっているということを申し上げておるわけであります。
  78. 田畑金光

    ○田畑金光君 御答弁によりますると、具体的な案は何もお持ちはないようであります。地方自治団体に対しましては、強力な、財政面から自主的に地方自治行政を危機に追い込むほどの措置をとりながら、そしてまた今回の一連の法律改正を通じまして、地方自治団体に対しましては機構の簡素化を要求しながら、一番地方自治団体の問題になっております出先機関の処理についてすら、まだ話し合いがなされていない、あるいは何らの結論を得ていないということは、私は怠慢ではないか、こういうような感じを持つわけであります。やはりこれは国の出先機関の統合、簡素化、こういう一連の国の行政機構の改革の問題が、地方行政団体の機構の改革と関連する問題だと私は考えるわけであります。今お話のように、農林省出先機関もありまするし、あるいは建設省の出先機関もありまするし、あるいは労働省の出先機関もありまするが、そういうそれぞれの出先機関と、地方行政との関係というものは、非常に密接でありまするし、またそれに伴うて地方の財政にも相当の負担を要求しておるのが現状であります。こういうことを見て参りましたときに、今の長官のお話は、これから話し合いをするというようなことでは、ちと科学的な行政運営からいって、まことに怠慢の感じを禁じ得ないのですが、この点は何でありましょうか、これから話し合いを逐次進めていこうということであるのか、あるいは何らかの機関を設けて検討の途上にあるのかどうか、この点伺っておきたいと思います。
  79. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 地方の出先機関の問題でありますが、地方の出先機関があるがために、地方財政の負担が重くなるというもし事実がありますれば、これは当然改正しなければならぬと思っております。国の出先機関を改廃して、その一部を地方公共団体に仕事を委譲して、むしろ地方公共団体の経費が膨脹するような点があれば、これは地方公共団体の立場からして当然拒否しなければならぬという立場におかれるのではないかと思います。こういう点についてまだ成案を得ていないと、こういうことを先ほど来申し上げておるわけでありますから、国の出先機関をどう改廃するかということについては、まだ案がありませんけれども、少くとも国の出先機関があるがために、必要以上に地方の公共団体の経費が膨脹する点がありますれば、これは厳に修正しなければならぬ、こういう考えを持っております。
  80. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ちょっと速  記をとめて下さい。     午後三時二十五分速記中止      —————・—————    午後三時四十四分速記開始
  81. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。次に労働省設置法案等の一部を改正する法律案を議題といたします。
  82. 田畑金光

    ○田畑金光君 今度職業安定局に失業対策部を設けられて、今日の当面せる失業対策事業の推進をはかられるというわけでありますが、まず失業対策部の職務分掌等について御説明を願いたいと思います。
  83. 堀秀夫

    政府委員(堀秀夫君) 今回の労働省設置法案の一部を改正する法律案によりまして、現在労働省の内局でありまする職業安定局に当分の間、失業対策部を設置して、失業対策に関する事務、それから緊急失業対策法に関する事項を取り扱わせよう、こういう考え方であります。現存職業安定局の所掌する事務は、労働省設置法の第十条に規定してございますが、このうち第四号の失業対策に関する事務及び第八号に掲げました事務のうちで、緊急失業対策法の施行に関する事務を失業対策部で所管しよう、こういうものであります。ただいま職業安定局で行なっておりまする事務を大別いたしますると、労務需給の調整に関する事務、それから新しい雇用を創出するという関係に関する事務とがございますが、この後者の方を失業対策部で所掌しよういう意味であります。
  84. 田畑金光

    ○田畑金光君 本省の職業安定局に一つの部を設置して、今お話のような失業対策事業の完全をはかるという御趣旨でありまするが、本省におけるこの設置に伴って、たとえば都道府県の失業対策事業の完全をはかるという御趣旨でありまするが、本省におけるこの設置に伴って、たとえば都道府県の失業対策事業所管の労働部等の機構に何らかの改変等の影響があるのかどうか、こういうような点について……。
  85. 堀秀夫

    政府委員(堀秀夫君) 本省におきましては、ただいまのような設置がえをいたすわけでございまするが、第二線におきましては、これはさしあたり機構の整理あるいは新設等は行わない予定でございます。しかしながら、現在失業情勢の悪化に伴いまして、末端機関におきまする業務量が増大しておることは否定できない事実でございまするので、これに対処いたしまして、第一線職員の重点的合理的な配置、それから臨時職員の第一線の増員、これはただいまのところ常勤労務者を六百四十五名増員する予定にしておりまするが、このような充実を行いまして、またそれと同時に業務運営方法の能率化、あるいは改善を加える等の種々の対策を講じたいと考えておる次第でございます。
  86. 田畑金光

    ○田畑金光君 第一線に常勤労務者六百四十五名の配置を行うというような御説明でありましたが、一体このいわゆる常勤労務者というのは職業安定局の出先機関に多いと思うわけでありますが、現在どれくらいの人員がいるわけですか。
  87. 江下孝

    政府委員(江下孝君) 本年度の予算で計上いたしておりますものが、地方庁、これは県の職業安定課、失業保険課でございます。これはございません。職業安定所、第一線の機関一般会計、特例会計合せまして千八百十二名になっております。
  88. 田畑金光

    ○田畑金光君 現在ですか。
  89. 江下孝

    政府委員(江下孝君) はい、そうです。
  90. 田畑金光

    ○田畑金光君 それからこれはちょっと話が飛びますが、毎年日雇い労務者の夏季手当の問題が一般の公務員の夏季手当の支給の問題と関連しまして出て参る問題であります。この点は中央のみならず地方においても同様に重大な問題でありまするが、この日雇い労務者の夏季手当に関して本年度はどのように処理をなされたのか、あるいはなされようとされるか、さらにまたこれに関連しまして地方都道府県等のこれに対する措置等について承わっておきたいと思います。
  91. 江下孝

    政府委員(江下孝君) お話通り、安定所に登録いたしております日雇い労働者に対しまして毎年夏、暮には就労日数の増加または賃金の増給ということで特別な収入増加をはかっておるわけでございます。で、本年でございますが、実はまだこれにつきまして明確に何日というふりにきめていないのでございます。と申しますのは、実は御承知の通り年度予算がおくれましてまだ本予算が成立いたしておりません。そういう関係でまだ決定をいたしておりません。しかしながら日雇い労働者の生活の困窮状態ということも十分承知いたしておりますので、本予算の成立を待ちましてやはり相当の就労日数の増加、あるいは賃金増給ということを考えたいと思っております。
  92. 田畑金光

    ○田畑金光君 本予算が通った暁にはどの程度の考慮をなされる御予定か、昨年と同額程度であるか、あるいはプラスアルフアを支給されるような予算措置がとれるものかどうか、この辺の事情をさらに聞かしてもらいたいと思います。
  93. 江下孝

    政府委員(江下孝君) 御承知の通りに失業対策事業の予算でございますが、これは本年度十九万人の吸収をする、特別失対合せまして二十二万ということになっておるのでございます。そこでまあ私どもとしましてはこの予算でぜひ二十二万の失業者を吸収するということで現在発足をいたしておるのでございますが、現在の段階におきましてはなかなか将来の見通しも困難な実情もございます。あるいは相当今後離職者がふえ、登録者もふえてくる野じゃないかという点も心配しておるのでございますが、いずれにいたしましても相当この予算の使用につきましては慎重に考えて参らなければならぬといりふうに考えております。そこで今御質問の点でございますが、これはまあ実は正直な話、今の今日、現在におきましてはまだどういう措置、どの程度の措置をやるかということについては決定をいたしていないのでございます。しかしながらこれは当然七月早早には出さなければならぬものでありますから至急上司と相談いたしまして決定いたしたいと思っております。
  94. 田畑金光

    ○田畑金光君 私のお尋ねしているのは昨年の基準で、一体昨年の基準はもちろん今回の予算措置等の中に当然考慮されておると私は考えまするが、少くとも昨年の基準は支給されるべきものと考えておるわけであります。この点に関しまして事務当局としてはどのような考え方で処理される御方針か、また昨年と同じようにもうすでに自由労務者の組合諸君からも強く要請されておるはずでありまするが、今日まで自由労務者の組合からどういう働きかけがなされてきたのか、この辺の事情を説明願いたいと思います。
  95. 江下孝

    政府委員(江下孝君) まあ自由労務者の組織からといたしましては、今月のもう初めごろから実は相当この問題について折衝を重ねております。それで要求といたしましては十四日分を支給して、あるいは十日分を支給してもらいたいと、こういうような要求でございます。それでいずれにしましてもこの要求は現在の予算からみまして相当困難な事情にございますので、そういう点については十分この組織の方にもお話をしておるのでございます。そこで事務的にというお話でございますが、先ほど申しあげましたように、これは実はまだきまっていないのでございますから、私が事務的にと申しましてもあとでどうなるか、変更するかもしれませんのでよくわかりませんが、まあやはり常識的に考えましてそう昨年と大きな違いはないのじゃないかというふうに考えております。
  96. 田畑金光

    ○田畑金光君 一時帰休制の問題ですが、昨一年間で一時帰休制を実施したものの人員、それから予算、あるいは産業別、企業別と、こういう点について、一年間の実績、あるいは経過について資料を持ち合わせておるならば御報告願いたいと思うのですが。
  97. 江下孝

    政府委員(江下孝君) 実は正確な資料を向こうに置いておるものでございますから数字的に申しあげられないのでございますが、一時帰休制を実施しました結果といたしまして私の記憶では全部でこの適用を受けましたのが千人から二千人の間ではなかったかと、人数でいたしましてそう思っております。まあ当初私どもが予定いたしましたよりはずっと実は少なかったのでございます。それでこれにつきまして今はいろいろ検討をいたしておるのでございますが、まあ一時帰休制というものの本来の建前が再雇用を条件とするということが一つの問題になっておりますので、そういう関係で特に事業主の方で多少これに対しましてくり込みをいたしましたのと、もう一つはこれは団体協約を必要とする、こういうことになっておりますが、団体協約を結ぶということにつきましても、また事業主側におきまして相当むずかしいという事情もございまして、そういった事情からいたしまして正直に申し上げまして思った通りの成績を上げなかったのでありますが、今後におきましてはさらにこれを改善いたしまして、でき得ればせっかくの制度でございますのでもっと多く活用できるように考えて参りたいと思っております。
  98. 田畑金光

    ○田畑金光君 吉田内閣の当時、ことに昨年の夏石炭とか、鉄鋼、造船の深刻な経営難からくる失業対策の重要な一環として、この一時帰休制度というものが取り上げられたはずであります。ところが実施された結果が、一年間にわずか千名や二千名ということでは、あの当時吉田内閣の失業対策の一環として喧伝されたこの真価というものが、明確に数字の上に結論づけられたと、こう見るわけであります。局長のお話によりますと、再雇用の条件を付されておるということや、あるいは労働協約の締結等が、この制度の利用に経営者を消極的ならしめておるようなお話でありまするが、これはもう少し根本的なあるいはこの制度の実施に伴いまして基準法の問題とか、いろいろ労働法上の諸般の問題がからまって参りまするが、そういうより深い、根本的な問題につながっておるのではなかろうかと、こう感ずるわけであります。そこで労働省といたしまして、この一時帰休制については、たとえば輪番帰休制にまたこれを切りかえるとか、いろいろなことが言われておるわけであります。従来の一年間の成果というもの、あるいは実績というものを顧慮されて、この一時帰休制度について、何らか今年は改善の準備があるかどうか、あるいはこれにかわる何らかの方途が労働省としては考えておられるのかどうか。この辺の事情を承わっておきたいと思います。
  99. 江下孝

    政府委員(江下孝君) 実は衆議院に、すでに提出いたしております失業保険法の改正法案でございますが、この法律案、いずれ参議院にも回ると思いまするけれども、これにつきまして若干内容を御説明さしていただきたいと思います。  実は一時帰休制度をとりました趣旨といたしましては、事業主の方でも賃金がなかなか払えない、ほんとうは解雇にしたい、しかしながら解雇すれば結局労働争議その他で話がつかない、将来必ずもう一度それらの解雇いたしました労働者を再採用するという見込みがあるならば、これを特別に失業保険制度を運用して適用せしめよう、こういうことでございます。実はこの失業保険制度は、先生御承知の通り、本来計画的に失業保険制度を使って行くという実は建前にはなってないので、これは思わざる不慮の失業に対しまして、一定期間の、失業生活の保障をするというのが建前でございます。そこで、そういう当然失業保険をもらうことを前提といたしました輪番帰休的な形のもの、これは失業保険法のいわば一種の乱用と申しますか、そういったことが考えられるのでございます。ただ、しかしながら現実には失業保険法を、計画的に失業保険制度を使いまして、現在相当多くの人が失業保険金をもらっておるのが実情でございます。そこで実は一時帰休制度を採用いたしましたときには、そういう計画的な利用があるということを承知いたしておりながら、時の必要に迫られまして、今日労働省としましてああいう線を打ち出したのでございますが、最近におきましては以上申し上げましたような実情でございますので、今度保険法の改正案におきましては、これは決してこれが奨励すべきことではない、望ましいと申し上げるのではございませんが、現在そういうような失業保険法の利用が非常に強くなっておりまするので、従来の制度を若干改めまして、離職前の六ヵ月から九ヵ月の被保険者期間のものにつきましては、一律に九十日の支給期間を与える。そのかわりこれらの支給につきましては、あまりこの一時帰休であろうが、あるいは季節労働者であろうが、そういうことにつきましてはそれを問わない。つまり期間によりましてこの失業保険金を支給して行く、こういう実は社会経済の実態に即するように、実は保険法を改正いたしたいと思っているのでございます。これを実施いたしますと、まあ政府がおもて向きそういうものを認めるということにはなりますが、現在の雇用情勢、また現実に失業保険制度の利用という際から考えまして、こういう制度をとることによりまして、大体私といたしましては、従来の一時帰休制にかわるものが出てくるのじゃないかと考えております。ただこの場合におきましても、あくまでこれは失業保険でございますので、やはり離職という形はこれはとらないのでございます。再採用の条件がついておりましても、離職しております期間につきましては、これは一応会社とは縁が切れるという建前にならざるを得ないと思います。こういうふうに現在のところは考えているのでございます。
  100. 田畑金光

    ○田畑金光君 まあ今の御説明を承わっておりますると、今度の失業保険法の一部改正で、たとえば離職前六ヵ月ないし九ヵ月働いていたものについては、三ヵ月の保険給付を実施をすると、こういうような御趣旨で、そのことと、この一時的帰休制度の成果というものが、労働省、あるいは政府が当初考えていたほどの成果が上らなかったことと関連のあるような御答弁のように承わりまするが、一時帰休制度の所期の成果が上らなかったというようなことで、今の失業保険法の一部改正に発展したのかどうか。この辺の関連をもう一度一つ承わりたいと思います。
  101. 江下孝

    政府委員(江下孝君) これは先ほど説明が少し足りなかったかと思いますが、実は一番問題になりますのは、現在でもございますが、季節的な労働者、あるいは一年のうちきまって一定期間失業するという労働者、必ず一定期間を経過いたしますればまた就職する、こういう人たちの実は問題でございます。そこで私は一時帰休制度と直接のこれは関連はないのでございますけれども、まあ言って見れば一時帰休制度というのは将来必ず再雇用されるという予定の、臨時の失業ということだろうと考えまして、そこで毎年繰り返すというようなものに対しまして、現在の失業保険法では必ずそれでも百八十日の給付をするという建前になっている。ただ季節的な労働当につきましては、これは除外視されているのでありますが、ただ現実の運用といたしましては、なかなか季節的なものであるか、そうでないかというような点について、明確な区分ができませんために、現在におきましてはこれらの人に全般的に失業保険を出している、こういう形になっているのでございまして、そういう点からいたしまして、まあ直接の関係はございませんが、一定期間だけを離職をするというような人たちに対しても、この制度がもし適用されるとすれば、九十日は出すと、もし被保険者期間が、短くても、九十日は出す、こういうことでございます。  それからお尋ねの点は、あるいは失業保険の一時帰休制度というものは、一時休業じゃないか、それに対して何らか工夫はないかということかともあるいは存ずるのでございますけれども、実はその点ついても検討はいたして見たのでございますけれども、やはり失業保険制度の運用ということになりますと、どうしても休業ということはうまくないのでございまして、この点につきましてはなお今後も研究はいたしたいと思いますが、現在の段階におきましては、一応以上申し上げたように措置することによって、こういう面を幾分でもカバーして参りたいというふうに考えておる次第でございます。
  102. 田畑金光

    ○田畑金光君 まあこの辺で終りたいのですが、最近この綿紡の操業短縮でまた新しくこの面から失業問題が考えられているわけです。五月以降一二%の操業短縮をやっておるが、さらに今の国際的な市況や内需の面からいうと操業短縮を強化しなければならぬ、こういう問題が出ておるわけであります。こういう紡績産業における不況の問題とまた関連いたしまして、たとえば今問題となっておりまする特需関係の大量解雇の問題が出ておるわけであります。あるいは駐留軍労務者の本年度四万前後の首切りが予想される。こういうような事態になっておるわけであります。こういうような新しく発生も、また予想される産業の不振から来る、あるいはアメリカ側の予算削減に基づくこういう失業対策等について十分な顧慮が払われておると考えるわけでありますが、政府といたしましてこん特需労務者、あるいはまた紡績産業の不振から来る失業者に対しまして何らか積極的な失業対策の面からする顧慮等が払われておるのか、どうか、この辺お尋ねしておきたいと思います。
  103. 江下孝

    政府委員(江下孝君) 実はこの綿業につきましては私どもも近時操短等による労働者の余剰が出るというように聞いておりまするが、実はまだその点については具体的にどういうふうにそれでは失業当が出て参るかということにつきまして、確かな情報を実は手にいたしておりません。しかしながらもちろんこれにつきましては当然適切な失業対策を考えなければならないと思っております。  特需関係でございますが、これもまあ本年度中には相当減を見るだろう、駐留軍関係も二万程度は減るであろうというような一応の予測を立てております。そこでまあ最近におきまして一番大きく問題になりましたのはこの特需関係といたしまして神奈川県の追浜にあります富士モータースの首切り問題でございますが、これはこの七月をもちまして三千五百人程度を、二つの工場でございますが整理するというやむなきにいたったのでございます。これにつきましては、今現実に神奈川県地労委等で問題が争われておりますけれども、まあ私どもといたしましては、特に特需の問題につきましてはこれはできるだけアメリカとも事前の折衝をいたしまして、早期に失業の予測を立てるということ、あるいは一時に大量に失業者が出ないようにということで、実は十分折衝を従来いたしてきたのでございましたが、現実にはまあこういう事態に相なっておるのでございます。政府全体といたしましても特にこの特需等、あるいは駐留軍等につきましてはアメリカとも早期に離職見込み等を把握いたしまして、これに対して適切な対策を考えたいというふうに思っておるのでございます。で、今申し上げました富士モータースの問題でございますが、これは実は非常に人員も多うございますので、神奈川県に特に富士モータースの被整理者に対しまするところの配置転換対策の本部を設置いたしまして、知事、労使双方が入りまして、特別に個人々々にその技能に向く職業を大々的にあっせんしていく、でなお神奈川県にはただいま総合補導所がございまして、逐次拡充をいたしております。この総合補導所等にも必要な方々は入っていただきまして、技能訓練を受け、そうして適職につくということについても考えていきたいと思っております。無技能者につきましては、これはなかなか配置転換が困難でございますが、以上申し上げましたような方々はほとんど全部が失業保険の適用を受けるのでございますので、とりあえずといたしましては、そういう失業保険制度によって救済をいたしたい、なお無技能者等につきましては、職業補導等にも行けないという方につきましては、これは最後の線といたしまして公共事業、あるいは失業対策事業というものを積極的に起しまして、一時的な失業の救済をいたしたいというふうに考えておるのでございます。
  104. 田畑金光

    ○田畑金光君 この深刻な失業に関連しまして、よく新聞等で失業保険金の不正受給とか、あるいは詐欺と申しますか、いろいろこういう問題が惹起されているようであります。これは深刻な社会的な情勢の生み出した一つの悲劇だ、こう見ておりますが、この一年間にそういう事件と申しますか、事件の件数あるいは金額、こういうような点、あるいは産業別等、地域別等の資料がありますならば、一つ説明願いたいと思います。
  105. 江下孝

    政府委員(江下孝君) 詳細な資料につきましては、また後ほど申し上げたいと思いますが、二十九年一年間で失業保険金を不正に受給したと思われる金額は約二億であったと思っております。この一番大きい原因といたしましては、架空の被保険者を作りまして、労使がなれ合いで失業保険のための必要な証票を作って安定所に持って行く、そして金をもらう、こういうのが非常に多い。いま一つは、失業保険金は当然働いていないということが条件になるのでございますが、働きながら失業保険金を詐取して行くのが多いのでございます。そこでこれらに対しましては私どもも一番頭を痛めているのでございますが、卒直に申し上げまして、実は現在のこの失業保険関係の職員の数からいたしまして、一人々々につきまして的確な調査をいたすということは困難でございます。しかしながらこれは何とかして大事な税金によるお金でございますので防止しなければならないということで各安定所に、特に大きい安定所でございますが、不正受給の調査員というのを昨年度から設置いたして、この不正受給調査員がときどき不意打ちをいたしまして事業所を調べるとか、あるいは非保険者の行動を調べるとか、こういうことをいたしております。これらの人たちによっての不正の発覚は相当な額に上っているのでございます。何と申しましてもこの保険法自体は悪いことをしないという前提に立っておるほど非常に善意にできている法律でございますので、これをくぐろうという気持でやりますと、相当実は穴もあるわけでございます。そこで今回の改正案におきましては、その点につきましてもある程度の防止対策を盛り込んで作っております。被保険者個々につきまして、安定所に台帳を整備いたしまして、インチキがきかないような形をとると、その他二、三の点につきまして相当不正受給の防止という点について意を用いて改正案を作成したのでございます。
  106. 田畑金光

    ○田畑金光君 まあ安定所が盛えるということは決してけっこうな話ではないんですけれども、しかし今の日本の情勢から申しますと、職業安定機関を充実しなければならないということは、今の一つの不正受給の問題をとらえても十分察知ができるわけであります。こういうことを考えてみましたときに、今回の第一線に配置する人員等について、常勤労務者として予算を確保されたようでありまするが、この程度の人員でもって輻湊する事務の処理ができるかどうか、この点に関しまして予鈴折衝の面等において——これらの点もちろん御答弁はできるという御答弁だと思いますが——今後全国の各地における職業安定行政の機能を十分に果す御自信を持っているかどうか、この点を承わっておきます。
  107. 江下孝

    政府委員(江下孝君) 仰せの通り、現在安定所の業務は非常に増加いたしております。私どもとしましては、事務的に大蔵省と定員増加につきまして実は相当猛烈に折衝もいたしたのでございましたけれども、まあ全般の定員増の抑制方針という面からいたしまして、今申しあげました程度の常勤労務者の増加に終ったのでございます。正直に申しまして、相当これはつらいのでございますけれども、しかしながら安定行政には相当深くこの道に働いておりますエキスパートも相当おることでございますので、私どもといたしましてはできるだけこれらの職員の能力に実は期待をいたしまして、さらに今後のこの折衝という点に待つことにいたしまして、今回はこ程度においたのでございます。やれるかとおっしゃられればまあやれると言わざるを得ないのでありますが、実情は相当苦しいことは申し上げざるを得ないと思います。
  108. 田畑金光

    ○田畑金光君 最後に申し上げますが、末端の職業安定所の職員の仕事を見ますると、ある意味においては生命の危険をかけてやらなければならぬような場面もあれわけでありまして、こういう重大な仕事が、しかも比常勤労務者というような自分で処理されているということは、この行政を充実し、円滑な推進をはかる上から言って非常にこれは遺憾なことだと考えるわけであります。当然定員法上の定員を正規に増員を要求する、こういう身分の安定した形において職業安定行政の末端機関を動かさなければならぬと私は考えているわけであります。ことにまた、府県の行政において当面の失業対策事業等については、相当多くの予算の地方負担というものが現実にあるわけであります。従いましてこの失業対策事業費の、たとえば労働費とか事務費とか資材費等については、今日の地方公共団体の赤字の現実をよく考えられて、少くとも今回の特別失業対策事業費における、これらの事務費や資材費等については、今回の地方公共団体の赤字の現実をよく考えられて、少くとも今回の特別失業対策事業費において、これらの事務費や資材費、あるいは労働費の単価引き上げに応ずるような措置が失業対策事業費一般についてとらるべきではなかろうか。かように私は考えるわけであります。さらにまた、これに関連いたしまして、地方公共団体の赤字が、結局失業対策事業の適時適切なあるいは地域に応ずる処理をはかることを拒んでいる傾向もあるわけでありまして、こういう点は十分留意されて今後の、本年度の職業安定の行政が、単に本省の机上計画やあるいは本省の机の上の計算だけに終らないで、末端に浸透するよう適切な指導を私は希望したしまして質問を終ります。
  109. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ちょっと速記やめて。   〔速記中止〕
  110. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。  それでは先ほど川島大臣の所用のために中絶いたしましたが、行政機関職員定員法についての質疑を続行いたします。
  111. 田畑金光

    ○田畑金光君 先ほど質問に関連いたしますが、現内閣といたしましては、行政機構の根本的な改革というものについては、何ら顧慮されていない、こういうお話しがあったわけであります。そうしますと、たとえば前内閣に置かれました行政制度調査会、こういうような機関等を設置して、中央の行政機構、各省庁等の権限、機構についての研究等についても顧慮されないという方針であるのかどうか、この辺、もう一度承わりたいと思います。
  112. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 吉田内閣時代に制度調査会ができまして、いろいろ検討した案もできたように聞いておりますが、実は内閣行政審議会という制度がございまして、これは今はちょっと活動いたしておりませんけれども委員は全部任期がきておりますので、最近に新たに委員お願いいたしまして、学識経験者等にお集まりを願いまして、行政機構の改革についての諮問をすることになっております。行政審議会は、これはかねてあるのでありまして、今までちょっと活動を中止いたしておりましたが、私が長官になりましてから、これを全面的に活用いたしまして、行政機構を不断に検討したい、こういう考えでおります。従いまして先ほど田畑委員お話しの、地方の出先機関なんという問題も、これらにかけまして、十分検討いたしたい、こう考えております。
  113. 田畑金光

    ○田畑金光君 私、そこで矛盾も感ずるのですが、現内閣がこれから設置し、委員を任命されようと考えておられる行政審議会は、その趣旨、その任務とするところは、おそらく前内閣行政制度調査会と大同小異じゃないかと、こう見ておるわけであります。今の御説明によりますると、これから委員を任命し、行政機構の問題等についてもこの審議会諮問をする、こういうことになって参りますると、諮問をして、その答申が出ても、機構というものについては改変を加えないのか、何らの改善を施さないのか。先ほど来の御答弁によりますると、根本的な行政機構については何ら考えていない、そういうような御答弁であります。そうしますと、行政審議会を設置して、何を諮問しようというお考えであるのか、この点がどうも私ふに落ちないわけであります。
  114. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 私が繰り返して申し上げておりますることは、省の改廃等、そうした大きな根本的の行政機構を変える意思は今持っておらぬと申し上げたのであります。しかしながら行政機構は多極多様でありまして、先ほどから御議論のありまする各府県にある出先機関ども、むろん行政機構の部面でありまして、それらに対しましては、常にこれは必要なものは置きますし、必要のなくなったものは、これは整理して行くということは当然でありまするから、そういう面に対しましては、十分検討を加えたいと思っておるのであります。行政審議会は新たに置くのであります。かねてあったのでありますけれども、今まで委員の任期がきて中止しておりましたので、新しく委員を任命しかえまして諮問をするわけでありまして、この点は前回の当委員会に、たしか私はそういうことを御説明申し上げたかと思っておるのですが、むろん諮問機関でありまするからして、答申案全部々すぐに採用するとは申し上げませんが、十分尊重しまして、政府の責任におきまして、とるべき案をとりまして、近い国会に提案する、こういう段取りにいたしたいと存じております。
  115. 田畑金光

    ○田畑金光君 省の改廃等は考えていない、よくわかります。先ほどの木下君の質問に対しまして、人事院等の存置については、あくまでも人事院制度の置かれた当初の精神にのっとってこれを存置する、こういうような御方針と承わりました。吉田内閣のときに人事院を廃止いたしまして、国家人事委員会議でしたか、こういう制度に切りかえるような意図があったわけであります。そうしますと現内閣は、吉田内閣考え方等とはあくまでも異なつて、この人事院制度の設けられました趣旨をどこまでも尊重されて行うとする御方針と承わったわけでありまするが、この点あらためて政府の方針をお聞きしたいと思います。
  116. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 公務員には労働三権がないのでありまするから、それにかわって人事院が公務員の利益を擁護する機関でありまするからして、もし人事院を廃止しますれば、当然公務員にも労働三権を与えなければならぬという議論が起るのであります。今日のところは、人事院の機構によって公務員を擁護するのが適当だ、こう考えております。従いまして人事院を廃止する考えはございません。
  117. 田畑金光

    ○田畑金光君 よくわかりました。人事院の制度を存置するのは、あくまでも公務員の労働基本権に制限を加えたその代償として人事院制度が置かれたのであるから、人事院はあくまで存置し、そうしてこの制度を尊重するという御趣旨はよくわかったわけであります。そこで、私伺いたいのでありまするが、今公務員は公務員の待遇の改善を常に希望し、また政府当局にも要望をいたしておるわけであります。ことに人事院か近く七月に入りますると、当然国家公務員法の二十八条でありましたか、これに基きまして、いわゆるものと期待いたしております。当然待遇改善に関する勧告等がなされるものと期待しておるわけであります。そこで、この点は人事院当局に質問する問題でありまするから、私、川島長官にお尋ねしようと思っておりませんが、昨年の七月に、御承知のように人事院は地域給の改善についての勧告をなしておるわけであります。その後、この地域給の勧告に対しましては、衆参両院の人事委員会において修正をされて、それが解散前の国会に、二十一国会でありすか、二十一国会に提案されたわけであります。解散のためにこれが廃案となったわけでありまするが、今国にあらためて議員立法として衆議院に提案をされているわけであります。先ほどの話によりますると、川島長官は、人事委員長であられたように承わったわけでありまして、この辺の事情は一番よく詳しいことと考えております。ことに二十一国会における地域給改正については、当時の与党であった民主党も含んで、人事委員会には満場一致で提案をなさったはずであります。ところが今国会に議員立法として提案をなされておるにかかわらず、衆議院における内閣委員会において、小委員会をもって検討をされておると聞いておりまするが、政府においても、人事院においても、この地域給制度の点に関しまして、何ら積極的な誠意を示してくれる傾向がないわけであります。ことに少くとも昨年の夏に地域に関しまして、人事院が、勧告いたしましたことは、先ほど川島長官のお話しの人事院制度を尊重する、人事院制度ができたのは要するに公務員の労働基本権制限に伴う代替の制度であるから、これを尊重すると、こういう御意向であるといたしまするならば、地域給制度について政府はどのように考えておられるのか、どのように尊重、されようとする御意図であるのか、この辺を一つお聞かせいただきたいと思います。
  118. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 昨年人事院から給与準則の改訂と地域給の改訂の勧告が政府と国会とになされたのでありまして、地域給の問題を取り上げて御質問でございまするが、御承知の通り現在の各地方を通じての物価指数なり生活費なりを計算をいたしますると、大体平均をいたして参りまして、むしろ東京あたりよりも地方の方がものによっては高いものができまして、地域差というものを置く必要性が今日ではほとんどなくなっておるのでありまして、むしろ地域差があるがために公務員の配置転換、異動に非常な支障をきたしまして、私ども人事委員長をやっております当時からこれは問題になりまして、将来地域差というものを廃止すべきものだという議論に立ちまして、一昨年の暮れにベース・アップの際に一応一号俸だけ本俸に繰り入れた措置をとったのを御承知かと思うのでおりますが、あの当時ベース・アップは九・四でありましたが、実際に四・四だけがアップでありまして、五〇はこれは地域給を一級本俸に繰り入れた措置であったわけであります。ところがその後市町村の合併が各地方に行われそして、同じ市町村内で地域差のある所が多数できまして、同じ市町村内で二級くらいの地域差のあるのはざらにあるのであります。二級俸違えば一割ちがうのでありまして、それがために公務員の異動には非常に各地方とも困難をいたしております。従いましてベース・アップのたびに一級ずつ減らして行くのだというやり方では、とうてい現在の実情に適応しないのだからして、地域差というものをこれを廃止しようじゃないか、こういうことが当時衆議院における人事委員会の総意でありましたが、しかし一方地域を見ますると非常に不公平でアンバランスがある。たとい地域差を廃止しても地域給そのものをなくするのではないのでありまして、何か違った形になるかもしれませんが、現在与えておるその給与を減らすということは、これはとうていできないのでありまするから、地域差の廃止で地域給の廃止ではないのであります。そこで地域差を廃止するときに現在ある地域給のアンバランスを是正して、それにすべり込ませようと、こういう二つの考えで私どもは人事の関係審議したわけであります。現内閣になりましてから私は自治庁長官になりまして、地方財政を扱っておりまするので、地域給に関しましては、特に関係が深いのでありまして、給与担当の大久保国務大臣中心といたしまして、私も参画して、大蔵省の給与担当の課長、人事院の給与局長、また国会の専門員なとが集まりまして、数次会合いたしまして、まず、いかにして地域差というものをなくなして一本化するということの協議をし、数種の案ができておるのでありまするけれども、犠牲なくしてこれをやろうというところに困難性がありまして、どれを見てもどうも公平に行かないので、まだもって結論が出ないわけであります。そういう関係で衆議院内閣委員会では、特に地域給の小委員会を設けまして、この問題を取り扱っておりまするし、また公務員制度調査会におきましても、地域給の問題を特に取り扱ってもらいまして、早急に結論を出すように要請をいたしておるわけであります。地域差をなくなすということと、それから地域給のアンバランスをなくなすこととは、これは不可分の関係に立っておるわけであります。そういう進行状態なのでありまして、今日のような時代に、地域給をこのまま放置することはとうていできないのでありまするからして、できるだけ早くこれに対する処置をつけたい、こう考えて熱心にやっておるわけであります。
  119. 田畑金光

    ○田畑金光君 お話を承わっておりますというと、熱心におやりになっておるようでありまするが、これまた衆議院内閣委員会の小委員会審議に万事をゆだねておるようでもありまするし、あるいはまた公務員制度調査会の結論に万事を頼っておるようにお聞きするわけであります。また地域給をなくしようとすることも、確かに町村合併に伴う公務員の異動等の場合を顧慮いたしました場合に、われわれとしても問題があることも承知いたしております。あるいはまた地域給のアンバランスについても、これまた是正しなければならぬという問題については同感であります。ただ私の聞かんとする骨子は、昨年は御承知のように人事院は給与のペース・アップについての勧告は保留したわけであります。本日は資料を持ってきておりませんが、ただ勧告を保留すると、こう言いましても、民間給与のベース・アップの率等を考えたときに、当然公務員の給与ベースについても十分な考慮を払わなくちゃならぬが、しかし今日の経済状態、あるいは政府のとらんとする財政政策等、諸般の事情を考えたとき、ことしは勧告をやめて、報告にかえるというようなことが、あの人事院の報告の骨子になっておるわけであります。そこで昨年は要するに、人事院は勧告をやめて報告に終っておるわけであります。そうしてその人事院が地域給については、かくかくの改善を加うべしというような勧告をなしておるわけであります。大体予算にいたしますると、七十四、五億になると聞いておるわけでありまするが、そうなりますると、川島長官のように、あるいは現政府のように、人事院制度を尊重しよう、しかも、その人事院制度というものは公務員の労働基本権に制限を加えたその補充の制度があるから尊重しなくちゃならぬ、こういうことになって参りまするならば、当然政府は、この地域給の勧告等については予神化の努力を払うべきだと私は考えるわけであります。ましてや先ほど申し上げたように、川島長官も人事委員長としてこの地域給のアンバランス是正についての議会における審議には十分加わっておられるはずであります。そういうことを考えましたときに、私のお問いしたいことは、地域給の問題は一例でありまするが、人事院制度を尊重されようとする現内閣でありまするならば、この地域給制度等については、十分勧告を尊重するという結論が出てくると思うわけでありますが、あらためてこの点についてお尋ねしたいと思います。
  120. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 人事院の勧告は政府としましては、むろん尊重して、適当の措置をとるべきだと思いするが、地域給に関しましては先ほども申し上げた通り、前回の衆議院の審議の際におきましても、まず地域差をなくなそうという前提に立って相談をしたのでありまして、地域差をなくなすこと等につきましては、ほったらかしてはいないのでありまして、各方面の衆知を集めてやっておるわけであります。地域差をいかにしてなくなそうかということがきまりますれば、同時に地域給のアンバランスもこの際是正しよう、こういう考えに立っておるのでありまして、私といたしましては人事院の勧告を無視するというような考えは毛頭持っておらぬのでありまして、ただ地域差をなくなすことが実際に困難で、あるがために延びておるのだ、こういうわけであります。むろん案ができますれば、相当の予算措置が当然必要であります。これも案がでぎれば、政府としてはやらなければならぬ、こう考えております。
  121. 田畑金光

    ○田畑金光君 地域差をなくするという作業でありまするが、その作業を先ほどお話によりますると、公務員制度調査会で進められておるのかどうか。また地域差をなくするということは、もう少し一つ内容について、どうしてなくしょうとするのか、私、不勉強でわかりませんが、その辺の、どういうような根拠に基いて、いろいろな経済的な問題もありましょうし、一つどういうような根拠に基いて地域差をなくするという作業を進めておるのか、この内容についてもう少し説明を願いたいと思います。
  122. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 作業の方を申し上げますと、この内閣ができますると、直ちに大久保担当国務大臣中心にしまして、自治庁関係の私が加わりまして、大蔵省、人事院並びに国会の専門員等、数回集まってもらって協議をいたしましたが、いろいろな案ができたのですけれども、どれを見ても、どうも結論が出ない。結局これは今せっかくやっておる公務員制度調査会でもって取り上げて、至急に検討してもらおうじゃないかということになりまして、あらためて公務員制度調査会に移しまして、公務員制度調査会でもって取り上げて検討しておるのであります。一方衆議院における内閣委員会の進行のことは、私は実は寡聞で承知しておらぬのでありますが、その会議にも出ておりませんけれども、今お話のように、地域給の小委員会を設けまして、おそらく地域差をいかにしてなくなすかという案について検討を加えておるのじゃないかと思うのであります。国会方面におきましても、また政府においても、両方で研究をいたしておるというのが、今日仕事を進めている段階であります。  それから内容は一体どういう内容かと申し上げますと、これは私自身にも一、二の試案がありまして、これは協議会には出したのでありますけれども、まだ決してそれは完全な案じゃありませんで、結局結論は得ません。他の、大蔵省方面からも案が出ましたけれども、これまた意見の一致を見ません。三種の案が出ていることはこれは事実でありますが、どれもまだ結論に到達いたしておりません。それがために地域給の解決がおくれている、こういう今日の現状であります。
  123. 田畑金光

    ○田畑金光君 私のお尋ねしておりますることは、地域差をなくするという考え方が川島自治庁長官の試案と、大蔵省の案でありますか、それから国会専門員の案等があるようでありますが、私のお尋ねしているのは、その地域差をなくするというその案は、どんな科学的な根拠に基いてそれぞれの案が立案されているのか、たとえば物価の問題等もありましょうし、あるいはいろいろな機構の問題等もありましょうし、寒冷地というような要素等もありましょうし、いろいろなことがあると思います。経済の動いている条件とか、または物価の動きとか、私のお尋ねしているのは、どんな尺度によって一つの基準を立てられて地域差というものをはかっておられるのか。実際その尺度と申しますか、その基準の内応について私はお尋ねしているのです。
  124. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 地域差をなくなすのですから……、基準があれば地域差がつけられるのですが、今日の現況では物価指数は全国的に平均しているし、生活費も大体同じようになっているし、また生活費なども東京など幅の広い生活ができますからして、最低生活もできれば、ぜいたくな生活もできる。地方に勤めている公務員というのは、もう一本の生活ですからして、なかなかゆとりがないのだと、現にごく簡単に言えば、雑誌なんかで地方定価は五円も高いのですからして、地方の方がまあ野菜なんかでは安いでしょう。しかし医療費なんかは地方が高いということもありまして、全国的に見て今日公務員の生活というものはだんだん平均化しているのですからして、地域差というものはなくなした方がよかろう。しかし一ぺん与えている給与をこれを取り上げることは、これは不可能でありますからして、今までの公務員がすでにもらっている給与を、これを基礎にして生活を立てておるのでありますからして、廃止するのでなくして、地域差をなくなすということはどうしても必要でありまして、ただ地域給の是正だけではこれを始終繰り返していなければならぬのでありまして、またアンバランスが出てくる。現にもう地域差というものは今日給与体系の方じゃ最も不便な、いわば給与体系としては、悪法だと言えば言い過ぎかもしれませんが、そういうような形になっておるのでありまするからして、地域差をなくなすこと自体がもう絶対に必要になってきているのであります。それとあわせて地域給の是正を考える。地域差をなくなすときに、一応今日のアンバランスを是正して調子を合せて地域差をなくそう、こういう考えに立っておるのでありまして、今御質問のどういう基準で地域差をなくなすかということは、これは地域差をつけるならば基準がありますけれども、基準がないのであります。絶対もうなくなして一本にしようと、零級から四級まであるのを一つにしようと、こういうことなんですから、地域差をたくなすということは、だから基準という御質問を受けても、ちょっと御返事に困るのです。
  125. 田畑金光

    ○田畑金光君 大体わかりました、考え方が……。そこで問題は、それは一つのまあ経済的な条件と申しますか、国民経済の発展あるいは正常化、こういうふうなことから、だんだんといわゆる地域的な不均衡をおのずから是正して行くということになろうと私考えるわけであります。まあ都会の生活といなかの生活とがかっては大きな隔たりがあったのに、要するに国民経済の正常化に伴うてそのような地域的な違いというものがだんだんなくなってきた、こういうことをさっきから言われているのだと、こう感じるわけです。そうでしょう。
  126. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) そうです。
  127. 田畑金光

    ○田畑金光君 そこで、まあしかし、それは願わしいことだけれども、また将来はそういうようにあってほしいことですが、現実の問題としてはまたそこまでは日本の経済も行っていないということ、それからさらに先ほど長官のお話しにもありましたように、現実に地域給というものが各段階別にあるということ、これがまた一つの既得権といえば既得権であるということ、こういうような問題があるわけであります。しかも人事院はいろいろな情勢の検討の上に立って、昨年の時点においてですよ。昨年の時点において地域給の勧告というものがなされておるわけであります。そういうことを見ましたときに、先ほど長官は、人事院制度を尊重するとおっしゃったが、尊重するということは私は単に……答弁にならないと思っております。裏づけがなくちゃならぬと思っております。その裏づけは具体的に言うと、予算というものでなければならぬと思うわけであります。この点に関しまして、どうも政府の方針と申しますか、対策というものがこの間質問をしてもそうでありますが、本日質問してもいつも公務員制度調査会の結論を待つと、こういうことで逃げておるように私は見受けるわけであります。だから公務員制度調査会に諮問されるにしても、結論を待たれるにしても、根本の人事院の勧告は尊重するのだと、こういうことならば、当然これは実施をしてもらわなければならぬ、すべきだと考えるわけでありまするが、この点もう一度承わります。
  128. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 人事院の勧告を尊重する意味があればこそ地域給を政府で扱っておるわけでありまして、それについてもただ地域差をなくなすだけでは、地域給のアンバランスを是正するだけでは、地域給問題は解決しないのでありまして、今日現に行われている公務員の配置転換には非常に困っておるのでありますからして、この機会にすぽっと地域差というものをなくなそうと、これが地域給の是正である。もっと一段飛離した大きな問題として取り上げておるのでありますからして、これをあわせてやろうというのでありまして、人事院の勧告を全然無視したわけならば、地域給問題を扱わないでもいいのでありまするけれども、それを尊重しながら、いかにして公務員の給与体系というものを合理化しようかと、こういう点に苦心をしておるわけでありまして、人事院の勧告というものを頭から無視してかかっていると、こういう意味じゃないのでありまして、尊重しながら給与体系を合理化するのには、一方において人事院は勧告しないけれども、地域差をなくなす必要がより以上に重大だと、こういう観点に立って研究がされたわけであります。いたずらに公務員制度調査会の陰に隠れるとか何とかいうのじゃないのでありまして、これはまじめに、事実困っているのですから、各地方やそれから国家公務員の場合も困っておりまして、被害者がたくさんあるのです。東京から地方へ転勤すれば二割も三割も俸給が減りまして、現に困っている者が幾らもあるのでありますからして、これはどうしても解決しなければならぬ問題でありますからして、これはまじめに考えておるわけであります。決して公務員制度調査会にまかしたから、こういうわけじゃないのですから、そこは一つ御了解願いたいと思います。
  129. 田畑金光

    ○田畑金光君 まあ、あなたのお考えの地域差をなくする、これが公務員制度の円滑な通常上どうしても必要だということは私も理解できるわけです。しかし現実に私先ほど申し上げたように、日本の経済というものはそこまで正常化されていないということと、それと、また今日まで現実に地域給というものが各段階別にあるということ、このまああるべき姿というものと現実というものの間に私は隔たりがあると思っております。これをいかに調整するかということが長官なんかの御苦労だと、私はこう考えるわけですが、そうしますと、公務員制度調査会という機関は今何を中心として研究を進めておるわけですか。どんな問題を取り上げておるのか。それで、またいつごろまでに、たとえば結論が出るのか。これは私の今尋ねておることは、予算ということと関連いたしまするし、それを離れてはまた議論の価値もない問題でもありまするので、やはり時間といす。公務員制度調査会に研究をまかして諮問しておいて、いつまでも結論を得ない。議会においては公務員制度調査会の答申を待ってするすると行っても、いつまでたってもこれは解決できないのです。で、今お話の公務員制度調査会はどういう内容を取り扱っておるのか。そしてまた今私が質問をしているような諸点についてはいつごろ結論が出るのか。さらにまた先ほど来論議をされておりまするいわゆる常勤労務者や常勤的非常勤の職員の取扱い等について、いつごろ結論が出るという見通しであるのか。この辺の見通しを、見通しというよりも、この辺の御説明を願いたいと思います。
  130. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 大体の話は給与担当の大久保国務大臣から私は聞いてはおるのですが、ここでお答えを申し上げて、また間違うといけませんからして、大久保国務大臣一つ次回に出席させまして、大久保国務大臣から説明をさせるようにいたしたいと思います。直接私は公務員制度調査会の事務は担当をいたしておりませんから、どういう事項をいつごろまでやるかということを、はっきり私として申し上げることはここで遠慮いたしておきたいと思います。
  131. 田畑金光

    ○田畑金光君 そう逃げられたのでは私の質問結論を得ないで、聞きっぱなしということになって困るのですよ。私はあくまでも公務員制度調査会がどの程度審議段階にあるのか、その答申がいつごろなされるものか、それを明確に御説明を受けなければ、長官が先ほど来人事院の制度を尊重するという、この尊重の具体的な裏づけ今の御答弁では非常に不満です。長官としても各質問者に対して、公務員制度調査会の答申を待つ、こう答えられている以上は、万事が公務員制度調査会の答申に依存されておるような形であるから、やはり質問の核心に答えられるためには、この辺の事情を明確に直接の所管大臣でなくても、重要な関係大臣でありまするから……。
  132. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 私が知っている範囲のことをお答え申し上げてもいいのですが、やっぱし担当の責任ある大臣からお答え申し上げた方が間違いないと思って、今のような御答弁を申し上げたのです。私の知っている限りにおきましては、時期的には小委員会に移しまして、研究の結果、小委員会は大体一応終りまして、七月中には総会を開いて、総会に付議するのだと、こういう段取りになっておるのだということは聞いておるのですが、これはただ私が聞いておるだけであって、責任ある政府の答えだと、こう言われると、これは大久保担当大臣からお聞きを願いませんと、間違いますが、大体そういう段取りになって進んでおるようでございます。すでに小委員会結論は出て、小委員会で今整理中で、七月中には総会を開いて、総会に付議するのだ。あるいは八月に入るかもしらぬとも言っていましたが、大体七月中にやりたいというようなことを言っていました。それが今の段取りでしてそれ以上のことは私としてはここで責任ある答弁をするだけの資料を持ち合せておらぬわけです。
  133. 田畑金光

    ○田畑金光君 そうしますと、小委員会はすでに終了して、今整理の段階にある。そうして七月中には総会を持つ。それで答申はいつごろになるという予定ですか。
  134. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 七月中、おそくも八月の初めには総会に付議するのだ。ここまでの話を私は担当大臣から聞いておるのでありまして、それ以後の扱いにつきましては私まだ関与しておりません。この問題は私は全然担当外でして、ここで責任ある答弁をすることはちょっと差し控えたいのでありまして、やはり担当大臣からお聞き取り願った方が間違いないと思います。大体私が始終連絡をとって聞いている程度度をここで参考に御報告申し上げたのですが、そういうふうにお聞き取り願いたい。
  135. 田畑金光

    ○田畑金光君 今日は五時も過ぎておりますし、また明後日継続して御質問いたします。同時に明後日大久保国務大臣にも御出席を願って、私は公務員制度調査会が現在どのような措置を検討しているのか。あるいはこの公務員制度調査会において研究の成果がどの程度進んでおるのか。いつごろ答申になる予測か。それでまたこの答申に基いて政府は予算措置その他についてどのような御方針であるのか。この点を明後日大久保国務大臣の御出席を求めて説明を受けたいと思います。
  136. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 川島大臣に申し上げますが、実は大体審議が終れば明後日定員法を採決するところまで進めたいと思っております。それで今、田畑委員から質問がありましたように、臨時職員の問題等につきまして各委員から熱心な質疑があります。これに対する政府の態度をはっきりしてもらいたいという要望があります。でありますから、今、田畑委員からも申されましたように、明後日しかるべき時間に、川島大臣が直接にお答えができないということであれば大久保国務大臣にも御連絡を願いまして、大久保国務大臣の出席をしていただいて、田畑委員の今質疑されたような問題に対する政府の態度を表明していただくように希望しておきます。
  137. 川島正次郎

    ○国務大臣川島正次郎君) 委員長お話よく了承いたしました。大久保国務大臣にその通り伝えて、明後日出席するようにいたします。
  138. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時十九分散会      —————・—————