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久保等君 今の
会長のお言葉は、私の先ほどの
質問に対する御
答弁になっておるかと思うのでありますが、永岡
委員とのやりとりではっきりしたことは、要するに給与
総額の範囲内であるならば、その給与
総額という
金額の中には、いろいろと臨時手当あるいはその他の一般の手当というものを含めたいわゆる給与
総額、その中での操作であるならば、それがベース・アップというか、基本給の中に入れられようと入れられまいと、このことについてやっちゃいかんという別に禁止
規定があるわけでもないし、又禁止すべき何らの理由もない。従ってその問題はいわゆる労使双方の団体交渉等によって問題を解決していくという
会長の
立場からいけば、これは十分に永岡
委員の言っておったような趣旨に沿ってやっていけるという御
答弁であったかと私は思うのです。従ってその問題はその問題として一応きまりが私はついたと思う。
私はやはり、さらにもう
一つの問題は、一番当初申し上げておった第七条第二項の問題なんですか、これはやは
増収があった場合、あるいは非常に職員の
努力によって節約等がなされた場合のその残と言いますか、
予算というものは、予備金の中に繰り入れて、しかる後に今度は経営
委員会の議決を経て、特別の給与等に支給をすることができることになっておる。従って一たんは予備金に入ると思う。増収をはかった金もすべて予備金に入ると思う。そうした場合には、私は第六条のいう予備金とそれから増収による予備金増収によって予備金の中に繰り入れられた金、この二つが予備金の構成の
金額になると思うのです。しかしその場合に、やはり私は、この第七条の第二項のねらっておる趣旨というものは、先ほど申し上げたように、やはり職員の能率向上に対する何らかの企業
努力といいますか、それに対して報いてやらなければならぬというところに、この弾力条項を設けられた根本的な精神があると思う。従ってそれが給与の、仮に臨時手当であろうと、あるいはまた本質的に基本給の中にそれを繰り入れをして支給せられようと、その問題については、私はきわめて未節的な実は問題だと思うのです。特に
放送協会の場合の性格ですね。これは十分に私は先ず考えなければならないと思うのですよ。先ほどの
電波監理局長のものの
考え方からいくと、これと似通った
条文が郵政の場合の
予算総則の中にもあり、そのほかの現業官庁の
予算総則の中に同じ
条文がある。従ってこの
条文をそのまま解釈していかなければならぬという
考え方は、むしろ私は本末転倒と思っている。企業の性格、それから
協会なら
協会というものは、一体どういう基本的な
立場に立っておるのかという問題からまず考えていかなければならぬと思う。たまたま
予算総則の中にうたわれている文章がよく似通っているから、一から万事、現業官庁いわゆる公企体の
予算総則と同じように考えなければならぬということは、これこそ先ほど
会長の言われておった非常にかたくななものの
考え方だと思う。それこそまさに角をためて牛を殺すという結果になる危険性が多分にあると思う。少くともこの給与問題の解決の場というものは、どこかという問題が
一つあると思う。給与問題の解決の場は、やはり
放送協会の場合には、これは公企体と違う——公企体といいますか、いわゆる電々公社とか専売公社、国鉄だとか、ああいう
政府機関とは違う。ましてや現業官庁とは、本質的な相違があると思う。あくまでこれはそれぞれの
放送法で定められたところの責任者によって
協会の経営というものが、私は運営されなければならぬと思う。この自主独立という問題は、これは
郵政大臣といえ
ども私はむやみやたらにあまりなわ張りを広げられることは、
放送協会を作られた趣旨に反し、非常に問題が重大だと思う。従って給与問題を——給与
総額の中における操作を、一般官庁、現業官庁と同じような運営をしていくということになると、これはいわゆる
放送番組が
協会の場合には問題になるが、ひとり私は
番組編成だけの問題じゃないと思う。そういう給与問題に無用の干渉をすることは、いわゆる
協会に対する不当な圧迫を加えることになると思う。従って
予算総則の中でうたわれているこの
条文の——
予算総則の第七条の第二項の解釈の問題については、やはり違った
立場からこれを考えていく。いかに
放送協会の事業を円滑に発展させていくかという
立場から考えていくべきだと思う。その場合にやはり第七条第二項を私が危惧している点は何かというと、その点は
一つある。その点は、私は先ほどから何回も繰り返して申しておりますように、その
年度限りの臨時増収だという場合に、必ずそういう臨時増収のあった場合には、基本給の中に入れるのだというやり方をもしするならば、これは翌
年度に一体増収があるのかないのかということさえ考えないで、むやみにその
年度限りで増収があったからといって基本給をすぐ上げていくということがあったならば、健全な経営、しかも安定した
予算の
編成ということば困難になって来るだろう。従ってそういう場合は、十分見通しを立てなければならないぞということが、特別給与という場合はきめてある、
一つの標準になっておると思う。従ってそれは考慮的な数字、特別給与の給料として考えられる、想定せられる増収、しかもその増収が企業家の能率向上によって増収せられた場合の
金額というものは、基本給の中に入れられてもいけないのだという、否定する根拠は何らない。従って私は第七条第二項の解釈の問題については、ぜひ
一つ協会というものの性格、それから労使の双方の
関係の問題に関しても、これは現業官庁やあるいは一般官庁と違った、
協会独自の自主独立というものが、少くとも
政府によってむやみにその独立性が侵害されてはならんというように、やかましく
放送法が
規定しておることからいっても、総則第七条第二項の
規定については、あくまでその問題については経営者の能力に委せる。しかもそれが最終的にきまるのは一経営
委員会で取り上げて決定されるのですから、
協会の、単に一族の内部だけの、事務
当局といいますか、
関係者だけできめられるわけじゃありませんので、国民全体の経営
委員会というのが厳としてあるのですから、この経営
委員会の議決というものが私は相当重要視されるものだと思う。私はそういう趣旨から考えていきますと、拘束されない、郵政省が給与問題の細かい点まで容喙する上いうことでは、これは健全
協会の運営というものは期待できないと思う。従って第七条第二項の問題については、私はぜひそういう
考え方で、無用の、それこそ干渉、容喙というようなことも慎しんでいかなければならんと思う。
協会としても、待遇改善という中には、第七条第二項の中における弾力条項の問題について、基本給の問題についても考えていくというお考えをぜひ私は持って頂きたい、かように考えますが、先ほどの問題は
一つこれは一応解決しておりますから、私は第七条第二項そのままの問題を正面から取り上げた問題として、これは
一つ協会長あるいは
郵政大臣からも御
答弁願いたいと思う。もしそれが許されないということであるならば、どういう、
一つ法的な根拠があるか、まあどういうなにがあるかということを、反対の御趣旨を明快に承わりたいと思う。