○森下政一君 新聞で見ただけのことなんで、ほんとうかどうかわかりませんがね。新聞の伝えるとうろによると、大蔵省では来年の
予算規模というものが一兆円をこえるということを予想して、それがためには一体どこに
財源を求めるか、それがためには国の税制というものが現状のままではよくない、何とか税制の
改革を断行して、それによって増収をはかるということが必要なんじやないかというふうな意図の下にまた税制審議会のようなものを作って、早急に成案を得て、それによって来
年度の見通しを立てたいというふうな計画があるやのことを新聞で見たのであります。そこで私は川島長官が
地方財政計画、あるいは
地方財政の赤字の解消について、ひとり本
年度だけじゃなく、三十、三十一年の両
年度にわたって何とか根本的な
改革を断行して、赤字の悩みを解消さしたいという意図を持っているということはよくわかるのです。その気持はよくわかる。しかしまた、三十
年度の今御提案になっていることだけで成果を上げ得るということは私も期待することはできぬと思うのです。だけれども、先刻来各
委員が
財政計画についての心配のあまり、何とか抜本的な
改革を断行する必要があるのではないかということを力説するが、私はこの段階において自治庁自体も、たとえば地元税制審議会とか何とかいうような衆知を集めるような機関を作って、ひとり自治庁の事務当局なり大臣だけのお考えでなしに、広く朝野の
意見を徴視して、何とか根本的な
改革をするということに乗り出されるべきじゃないかということを痛切に感ずるのです。たとえば私どもの
地方行政の
委員の手元に全国知事会あたりからしきりに陳情が参りましたり、
交付税の税率がとうていその百分の二十二くらいでは赤字の解消は及ぶべくもない、すべからく百分の三十を要請したいというようなことをしきりに言ってくる。先ほど私は、本
年度に出してくる赤字については極度に各
地方自治団体の節約によって、何とか百四十億を赤字にならぬようにしたいというような
財政計画に立て直すという話を聞いたときに、どうもそれでは信憑性がないではないですか、ペーパー・プランとしてはなるほどそうなっておっても、各
地方団体の長官たちがどうもこんな無理なことを押しつけられるというような考え方を持っているのでは、何も権威のない
地方財政計画になるのではないかということをお尋ねしたときに、いやそんなことはないということを長官おっしゃったが、どうも私は今度の
財政計画といわずね
地方財政再建整備のための措置法のごときもいろいろ世間で批判のあるということはね結局根本において
財源措置というものが十分でないということだと私は思うので、これは非常な決意をもって、自治庁をあげて抜本的な
改革を断行するだけの何らか施策をなさるべきじゃないかということを考えるのですが、そうでないと一方大蔵省がそういうような税制審議会のごときものを設けて、着々
予算全体としての
規模についての見通しをもって税制のあり方に検討を加えようというときに、自治庁が手おくれになっちゃいかぬと私考えるのですが、その辺どうでしょうか、長官の御決意は。