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1955-06-17 第22回国会 参議院 地方行政委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十七日(金曜日)    午前十時五十四分開会   —————————————   委員の異動 六月十五日委員小柳牧衞君辞任につ き、その補欠として有馬英二君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長    小笠原二三男君    理事            伊能 芳雄君            小林 武治君    委員            伊能繁次郎君            西郷吉之助君            高橋進太郎君            秋山 長造君            中田 吉雄君            若木 勝藏君            松澤 兼人君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    警察庁長官   斎藤  昇君    警察庁長官官房    長       柴田 達夫君    警察庁刑事部長 中川 董治君    自治庁財政部長 後藤  博君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方行政改革に関する調査の件  (地方公務員給与に関する件)   —————————————
  2. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 委員会を開会いたします。  まず、当委員会全国知事会議から夏季手当支給に関する要望が出ておりまして、その資料委員各位に配付しておりまするが、その要望内容の第一は、夏季手当支払い繰り延べ、あるいは分割支払い、こういうものについて政府が一時融資方途を講ぜられたいという問題と、〇・七五以上のプラスアルファ国家公務員に支出するような場合においては、一時融資によることなく、的確な財源措置を講ぜられたいという要望であります。これは例年紛争になっておる問題で、もっともな今の地方財政状況においては要望であろうかと存じますが、昨日来閣僚懇談会その他において、政府の方においても国家公務員について何らかの措置がなされるようでありまするが、従って川島自治庁長官の御出席をいただいて、この点の経過報告委員長としては求めたいと存じた次第であります。従って、最初に川島国務大臣よりその経緯について御説明を願いたいと存じます。
  3. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 夏季手当増額につきましては、先般来閣僚懇談会で数回協議を重ねました。結論といたしまして、昭和三十年度予算範囲内で、超過勤務手当を繰り上げ支給をしてもいいと、その大体の標準は〇・〇五程度、支給方法等については各所管の大臣、その長にまかせる、こういう話し合いができたのであります。これにつきましては、人事院規則の改正も要しますので、この手続を今人事院においてとっておるわけでございます。地方公務員につきましても、従来からの慣例もありまするし、当然同じような方針でやるべきものだとは考えておりましたが、ただ、今日の地方の窮乏した財政で果してそれが実行し得るかどらかということにつきましては、私ども大いに憂慮をいたしているのでありますが、とりあえず大蔵大臣相談の——あるいは資金繰りに困っている公共団体に対しましては、必要分だけはこの際融資をするということだけは決定をいたしまして、自治庁なり、文部省の方から地方に通達をするような段階になりますれば、その点ははっきり明記をいたすことになっております。地方財政の現状から申しまして、資金繰りだけでなしに、財源措置をしてもらいたいという要望のあることは、知事会議から当委員会意見書として出されたことは今委員長お読みの通りであります。これも無理からんことだとは考えるのでありますが、国家公務員並びに政府機関に対する閣僚懇談会の申し合せといたしましては、現在の予算範囲内において繰り上げ支給するということなんであります。従いまして、これと違いまして、特に地方公務員に対しては財源措置をするということにつきましては、大蔵大臣関係大臣との間にはまだ協議が整っておりません。今日も午後から閣僚懇談会をやることになっておりますからして、その際にこの問題につきまして、さらに話し合いを進めたいと思っております。結論がどう出るかということはここで予想して申し上げる段階ではないのでありますが、今までの経過を一応御報告的に申し上げておきます。
  4. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記をとめて。   〔速記中止
  5. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を始めて。
  6. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 期末手当だけでなしに、給与全般につきまして、公務員給与というものは優先的に支払うべき性質のものでありまして、資金繰りに困っている府県に対しましては、自治庁におきましてそれぞれあっせんをいたしております。大蔵省並び郵政省に対しましてあっぜんをいたしまして、できるだけ公共団体希望に応じるように努力をいたしておりまして、その成果も上っていると私ども考えておるのであります。何とかやり繰りするのじゃないかとこう思っております。
  7. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) そうしますと、地方から要請があれば、今お話しになったようなあっせん等めんどうは見る、そういう方針で進んでおられるわけですか。
  8. 後藤博

    政府委員後藤博君) 六月の資金状況は、これは私ども考えますと、資金としては交付税が三百二十億出ております。それから義務教育関係も、期末手当分がやはり出ております。そのほか国庫補助金も出ておりまして、相当額資金は出ております。それからそれぞれの県の一時借入金も、本月になりまして二十億ばかりワクが広がっておりますから、相当資金の量はあるのであります。ただ、問題は赤字府県の場合でありまして、赤字府県支払い繰り延べというものが相当ございます。その支払い繰り延べ額を幾ら払うかという問題に関連してくるのでありまして、資金は、つまり給与を出す資金はありますが、支払い繰り延べの方に持って参りまして、事業の支払いをいたしますると、逆に給与関係資金繰りがむずかしくなってくる。こういう相関関係がありまして、金としてはある程度相当行っておるのでありまするが、そういう関係で個々の県でまあ困っておる。支給を延ばしたり何かしております。  それからもう一つは、今の資金状況から参りますと、六月、七月は割合いいのでありますが、八月がやはり資金の更改がありまして、三カ月で資金をぐるぐる回しておりますのが、ちょうど八月がこの回る月であります。借りかえをする月でありまして、八月という月はあまり税も多く入って参りません。それからこちらから出るものもあまり多く出ない月でありまして、毎年資金繰りに非常に困る月でありますので、各府県とも八月のことを考えて、現在持っております資金を回そうと、そういうことを考えております。従ってその関係から七月、八月まで一応その〇・七五分をある程度繰り延べしたいということを言っておる県が相当ございます。払おうと思えば、現在私は資金の量としては六月は相当出ておりますので、払えないということは言えない、こういうふうに考えております。
  9. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ですから、いずれにせよ〇・七五の足りない分を一時融資めんどうを見てやるか、八月において一般的な資金繰りについてめんどうを見てやるか、どっちかだと思うのです。ですから、行政指導としては、今国務大臣お話しのように、この際何らかの行政指導を積極的にされるとこういうことなのか。そういう状況なんだというふうに、後藤さんの言うように客観的な情勢をただ見ているというのか。どっちなんです。
  10. 後藤博

    政府委員後藤博君) 夏季手当支給に困る所は、もちろん資金あっせんを私どもいたしたいと思っております。また今回きまりました増額分についての資金手当が必要であれば、それはそれだけということでなく、やはり全体の資金の中にぶち込んで手当をしていかなければならぬので、そういうあっせんをいたしたいと考えております。
  11. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  12. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を始めて。
  13. 秋山長造

    秋山長造君 長官にちょっとお尋ねいたします。昨今の新聞を読んでおりますと、毎日のように地方財政の破綻ですね、特にこの人件費の問題に関連して、昇給、昇格の停止であるとか、あるいはさらに夏季手当返上であるとか、まあそういう問題が毎日出ている。これは一体自治庁としてこのままほっておいていいものか。それとも何らか手を打つべきじゃないかというふうに思うのですが、長官はどういうふうにお考えになっておりますか。
  14. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) お話通り赤字に悩んでおる公共団体が非常に多いのであります。この公共団体に対しては、政府並びに公共団体自体お互いに協力して財政健全化をはかる必要があると私ども考えまして、とりあえず地方財政再建促進措置法案を出して、御審議を願っておるのでありますが、いずれ当院においても詳細に御審議を願おうと考えておるのでありまするが、決してそれだけで足れりとは考えておりません。いろいろな施策が必要なのですが、何としても赤字が深刻でありまして、制度の改廃その他いろいろな方面からこれをやらなければならぬのでありまして、三十年度並びに三十一年度年度にまたがりまして、全国財政健全化する、こういう方策でやっておるわけでありまして、とりあえず三十年度としてやり得る範囲内のことを今回提案しまして、御審議を願う、こういう方針でやっているわけでありまして、秋山さんのお話のように、今日地方財政が非常に窮迫しているということは事実でもあるし、またこれを放置できるものでないことは、私どもはよく認識しておりまして、ただいま衆議院で御審議を願っております地方財政再建促進法案は、当院においても御審議願うときには、この点につきましては十分御説明を申し上げたい、こう考えております。
  15. 秋山長造

    秋山長造君 再建整備法でやるのだという御答弁なのですけれども一体再建整備法を実施して、そうしてそれによって地方財政健全化をやるというお話なのですけれども、しかしその再建整備法内容を検討してみると、なるほどこれはまあ考え方によれば、それによって地方赤字が何とか解決をするということを言えるかもしれぬけれども、しかしそのためには人件費だとか、今問題になっておる夏季手当返上だとか、昇給ストップだとかいうような面は、改善されるということよりも、むしろそういう方面を一そう締めて、締めた上で、締めることによって地方財政再建をやるという性格が強いのじゃないかと思う。いわんや法律がいつから施行されるのか知らぬけれども、いずれにしてもこれによって財政再建きき目が現われてくるというのは、これは相当先の話だろうと思う。ところが昇給ストップだとか、夏季手当返上だとか、そういう給与の切り下げというような問題、これはもう目前、目下の問題なのです。今もう血が出ている問題なのです。この血が出ている問題に対する対策として、来年になるのか、再来年になるのか、きき目が出てくるのはだいぶ、いずれにしても先になるようなこの法律をもって対処するのだという御答弁では、ちょっと満足できないのですが、今現に地方がこの問題で非常にごった返しているわけです。これに対してとりあえずどういう手をお打ちになるか、それについての御方針を伺いたい。
  16. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 俸給の遅配、その他資金難に苦しんでいるところは先ほども申し上げた通り、とりあえず大蔵省並び郵政省相談をいたしまして、資金手当をいたしつつあるのであります。幸いに御協賛を得まして、地方財政再建促進法通りますれば、二百億という赤字というものが、これが短期でもって切りかえ切りかえでもってそれが金融界を圧迫して金繰りができないのでありますからして、これを長期に切りかえますれば、一応その面で資金の融通はできやすくなる、こういうふうに私ども考えておりますし、またそれを期待いたしておるわけであります。これは詳しいことはいずれ申し上げますが、二百億のほかに直轄工事分担金、これは政府へ納入する金でありますが、これも今日九十億ばかりたまっておるのでありますが、これに対して赤字府県の分だけは納付を繰り延べるという措置もこれは別にとっておるわけでありまして、三百億近くのものが一応これはたな上げになるのでありまするからして、そういう措置がとられますれば、公共団体資金繰りは非常に楽になってくる。何としても二十八年度の決算じりの四百六十二億というものが重圧になって資金繰りが苦しいのでありますからして、これをまず取り除いてやるということが必要なのでありまして、そういう意味で一日も早く地方財政再建促進法の成立を私ども希望もいたし、またお願いも申し上げているわけでございます。
  17. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記をとめて。   〔速記中止
  18. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を始めて。順序ですから西郷君。
  19. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 大臣に一点伺っておきますが、今夏季手当お話がありましたが、これのみならず、本年度地方財政計画には非常な欠陥があるということは大臣が特に御承知なんで、大臣はそういう問題に対しまして補正予算を考慮しておられるのか、その点を伺っておきたい。
  20. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) これは財源関係がありますので、ここで政府としての答弁を申し上げることは不可能でありますので、何とも申し上げにくいのでありますが、その点は一つ御了解を願っておきたいと思います。
  21. 松澤兼人

    松澤兼人君 一つだけお伺いしたいのですが、先ほど秋山君からお話のありました再建促進特別措置法、まあこの問題はいずれ議題となると思います。そして現実の問題としては夏季手当の問題がある。私はこの三十年度というものは地方財政にとってまことにもう生きるか死ぬかの問題だろうと思うのですが、これは国務大臣決意の問題でもあり、国会としてもこの問題は総合的に取り上げる必要があると思う。そういう形式のものが考えられるかどうかということは別として、たとえばある国会救農国会という特別の性格を持った国会をやったことがある。そういう名前じゃありませんけれども、災害とか農村関係とかということに重点を置いた、中心にしたところの国会を開いたことがある。われわれはもし国会の中の情勢がうまくいくならば、臨時国会でも開いて地方行財政を確立するための、それを中心の題目とした臨時国会というようなものを開く必要があるんじゃないか、そのためにはやはり自治庁としてもあらゆる再建計画なり、行政改革なり、あるいは財政の確立の方途というような資料を順備しなければいけないと思うのです。その決意があるかどうか。あるいは臨時国会でも開くということになるならば、それに対する計画が果して可能であるかどうかという見通しについて、一つ決意のほどを承わりたいと思います。
  22. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 私個人決意ならば幾らでも申し上げられるのですが、この問題は西郷さんの御質問に対してお答えを申し上げたのと同様な意味でありまして、ここで明言はできない問題であります。しかし地方財政をどういう方法で根本的に建て直すかということについては、私個人としても相当の案を持っておりまするし、またこれは関係閣僚とも相談をいたしておるのであります。ただこれを御説明する段階に至らないのでありまして、決して放置するのではありません。地方財政をどうして根本的に建て直すかということについては相当決意を持ち、また私案も持っております。いずれ非公式の懇談会等にはそういう点を申し上げられる機会もあるんじゃないかと思いますけれども、この席で言うだけの段階になっておらないのでありますから、それは一つ御了解願いたい。
  23. 松澤兼人

    松澤兼人君 川島さんに私お尋ねしたのは、臨時国会でももし開くというようなことになれば、一つ地方行財政の問題を中心にして真剣にやってみたらどうだ、それに対してそういうことが望ましいとか、あるいはそういうものが開かれるならば、自治庁として事務的にいろいろ行財政改革についての計画なり案なりができるかどうかということを私聞いておるのです。一切の抱負、経綸はそういう機会でけっこうなんです。
  24. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) その点につきましては、日夜大いに苦慮しておりまして、今、一日も早く試案だけは作りたいということをやっておるのでありまして、なるべく御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
  25. 若木勝藏

    若木勝藏君 プラスアルファの問題につきまして、先ほど経過の御報告がありましたが、この問題についてはきょう閣僚懇談会において協議するつもりだ、こういうふうなお話であります。そこで私お聞きしたいのは、これはまあ国家公務員の方にははっきり出るようにきまっております。地方公務員財源の問題でどうなるかわからぬということになれば、もし地方公務員に渡らぬということになると、これは公務員均衡上重大な問題である。そういう点から単なるいわゆる協議というような形でおいでになるお考えであるのか。どうしてもこれは均衡地方公務員に出さなければならないという固い決意をもって、何らかの腹案を持っておられるのか、そういう点伺いたいと思います。
  26. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 昨年の実績を見ましても、プラスアルファがいかなかった公共団体もありまするし、またいったのもありまして、地方公務員全体の姿としては決してこれはいいやり方ではないと私は考えております。ただ、公共団体が別の責任において別の財政運営をやっておるのでありまするからして、そういういかない地区というような事態が出たのだと思います。なるべくそういうような事態の出ないようにしたいと思って今日心配しておる次第でありまして、結論はどうなるかということはむろんこれは申し上げられませんが、私といたしましては、なるべくでこぼこのないようにということを考えて今心配をしておるわけであります。先般大蔵大臣と数回交渉の結果、とりあえず資金措置だけはしようという段階までは来たわけであります。それをもう一歩進めるかどうかということは、私は文部大臣、それから警察担当大麻大臣大蔵大臣の間でもって交渉を進めているわけであります。
  27. 若木勝藏

    若木勝藏君 そのお気持はよくわかりましたが、どうしてもこれは地方公務員にもまんべんなくつけるようにするという固い決意で御協議していただくことを希望いたします。
  28. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記をとめて。   〔速記中止
  29. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を起して。  では懇談会にいたします。    午前十一時二十六分懇談会に移る    ————————    午前十一時五十三分懇談会を終る
  30. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それでは速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会    ————————