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説明員(
小林與三次君) 町村合併で、その後問題になっている事柄について御報告申し上げたいと思います。
大体最近の
状況は資料でお配りしておきましたが、ちょうどこの十月一日で促進法が出ましてから二周年になりますから、その二周年間における概況を一応数字だけとりまとめて作っておいたのをお配りいたしたのであります。特定の
状況はその表をごらん願えばおわかり願えると思いますが、二年間で全体の計画の八四%、こういう数字になっておるのでありますが、ただこのわれわれが当初
政府で
考えた計画よりも、各府県におきましての確定計画がもう少し規模が大きくなっておりますので、その県のそれぞれの具体的の計画に比較いたしますというと、七七%という
状況でございます。これも御
承知の
通り県によって非常にアンバランスがありまして、もう九〇数%いっておる、ほんとうに数カ町村しか問題が残っていないというところと、そうでないところと今あるのでございます。これはまあこの表をごらん願えばおわかり願えるだろうと存じております。いろいろな形で一応数字だけでございましたが、作っておいたのであります。それからそのあとの方に町村合併の結果経費の節減がどの程度になっているかとか、あるいは議会の議員の数の増減がどうなっているかとか、それから合併が進むに伴うて都道府県の出先機関の機構
改革がかなり進んでおりますので、
地方事務所の廃止という形で現われておるわけでありますが、その現況もとりまとめて作っておきましたから、ごらんを願いたいと思っております。こういう数字は時々刻々に変って行っておる
状況でございます。そこで合併は最近選挙がありましてから、正直に申しまして一段落、ストップの形になっておりますが、選挙後もう数カ月経ちましたので、ぼつぼつそれぞれの府県でも合併の動きがありますし、われわれといたしましても、これからもう一ふんばりで
最後の仕上げをやるように努めたいと
考えておりますとともに、一面におきましては、新しくできた市町村の指導と申しますか、内部組織の運営の合理化という面につきましての指導を強化する必要がある、こういう
考え方で大体でき上った市町村の育成という問題をあわせ
考えながら、残った町村の合併をできるだけ推進することを
考えていきたいという
考えでおるのであります。
〔理事
伊能芳雄君退席、理事
小林武治君着席〕
しかし残っておるものはいずれもそれぞれ困難な事情がありますが、それぞれの県の事情を見れば、だんだんに進むであろうという見出はつけておるのでございます。これはどういたしましても来年度の九月で促進法が消えますので、その消えるまでどうするか、消えたあとどうするか、そういう問題につきましては、それぞれ立法的にも検討をすべき問題があるのじゃないかと存じておるのでありますが、これはまだ検討の段階でありまして、もう少し時期が進めば具体的な方策を
考えて、またいろいろ御
意見を拝聴しなくてはならぬ、こういうように
考えておるのでございます。
それからもう一つの表は、これはこの
委員会でも
お話がありましたが、従来の新町村建設計画というものについての実施の
状況がどうなっておるかと、こういうので二十九年度の
事業計画とその実施の
状況、それから三十年度、三十一年度の資料というものを一応まとめておいたのでございます。二十九年度の
事業計画は、これはごらん願いますとわかりますが、相当
事業計画に対して
仕事もある程度進んではおるのであります。しかしそれはなかなか思うようにいっておらぬというのが事実でございますが、この計画と実施の割合を表にして出してありますので、ごらんを願いたいのでありますが、それは大体まあ半分ちょっと欠けておりますが、そういう程度の計画で四一%という数字が一応出ておりますが、その程度は計画に対して実施が進んでおる、全体としてそういう数字が出ておるのであります。三十年度になりますというと、もっと合併が進んでおりますので、合併新町村が非常に多くなって、おそらくはそれに対する国の
事業費、補助費はそれほどふえておりませんから、この割合のようにはこれは正直に言っていかないだろうと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、なかなか建設計画が進まないという批評の多いのは事実でありますが、着々と進みつつあるというのもこれは事実でありまして、われわれといたしましては、いたずらに膨大な実施のできないような計画でなしに、実施可能な堅実な計画を基礎としてこれを逐次実現していく、それに対して国としてできるだけの援助を集中していく、こういう方針を今後と言え
ども進めて参りたい、こういうように存じておるのであります。これはまあ大体の概況であります。
それから、なお最近の問題では、自治庁の方で問題になっておりましたのは、まあ名古屋の合併の問題と、それから神奈川と静岡の間における泉
地区帰属の問題がありましたか、名古屋の問題は自治庁、総理大臣の裁定で一応落着を見まして、その後現地におきましても、総理大臣の裁定の趣旨に従って一応おさまっておりまして、その後県と市の方でさらに今後のあり方をどうするかということについて問題を
協議する段階となっておるようであります。それから裁定を受けました町村は入るものは入りましたし、入らぬことになった町村も一応は今のところ平静に帰して、次の段階の動きを見守っておるという
状況のように見受けられるのであります。ただ一部ちょっと、まあこれはいろいろ合併問題について
考慮しなければならない問題になるかと思いますが、名古屋市に入る合併がきまった町におきまして、市に入る直前に今まで反対しておった者をいわば除名するというか、何かそういう懲罰的なものをやろうとした議会がありまして、まあわれわれといたしましても、はなはだ遺憾で、合併にきまった以上はみな仲よく入ってもらわなければ困る、こういうので県や市の方に話をして、一度除名したのを取り消すようなことを強く申し渡しをしまして、市に入る前日そういう処分をしたというような事例もありました。それを見ますというと、合併、非合併でずいぶんいろいろけんかしたしこりがそこまで残っておったということにもなるのでありますが、まあ幸いにしてその後
話し合いが円満に進んだので、今は何ともないと
考えております。
それから泉の
地区の問題が今われわれの手元に残っております係争事件の
最後の一つでございますが、これにつきましては、紛争調停
委員の方で、紛争調停をするためにいろいろ御苦労を願っておりまして、一ころまた調停が近いという時期になりましてから、現地の空気が相当また険悪
——険悪ということは語弊があるかもしれませんが、緊張いたしまして、賛否それぞれ緊張した空気の中にこれはある、それから現地からも相当目立った陳情等が中央に行われたのでありますが、これに対しまして、調停
委員の方におかれましては、そうした差し迫ったような空気のもとにおいては、とうてい平穏に調停を受け入れる空気がないので、そういう状態のもとにおいては調停を出すわけにはいかぬ、あくまでも現地を平静にして、十分調停を受け得るような態勢に置くことが先決問題である、こういう強い態度で現地を指導せられまして、幸いにして最近現地の方でも事態を平静に帰して調停を待つということに両県
知事、県会の正副議長等も約束をいたしまして、現地もそういう態勢で今おさまっているのでありまして、この事態を基礎にして調停
委員の方におかれましては、そのうちに、最も早い機会に調停案をお出しになるものとわれわれは
考えているのでありますが、その調停によって事態がおさまることを切に期待いたしておるのでございます。
それからもう一つ総理大臣のところまできておった事件として、神奈川の平塚の周辺の合併の問題が一つあったのでございますが、これは総理大臣の裁定を求めておりましたが、その後平塚の市長の新しい選挙がありましてから、平塚の市長の方ではあれは大野という町を飛び越して合併を数カ町村が強行しようとしたところに問題がありましたが、そういう無理な合併をやるのは適当じゃない、やはり合併はまず順を追って隣接の大野町から話を片づけて、それからその回りの町村に話を進めるべきだというのが新しい市長のお
考えで、そういうことで問題を
処理するように現地で進められておりますので、われわれもその処置が適当であろうというので、これもまあ一応問題は落着をいたしておるのであります。いまの泉の問題がどういう形になりますか、一応平穏に調停が出て、それに服することができれば、まあ中央にきている問題は一応は落ちつくのじゃない、だろうかと存じておるのであります。まあ一応それぞれ具体的なことにつきましては、いろいろ問題があるのはこれはもうお聞きの
通りでございますが、一応私の方からそれだけの概況だけを申し上げておきたいと存じます。