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1955-10-12 第22回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十年十月十二日(水曜日) 午前十一時十三分開会
—————————————
委員
の異動 本日
委員中田吉雄
君辞任につき、その 補欠として
小林孝平
君を議長において 指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
小笠原二三男
君
理事
伊能繁次郎
君
小林
武治君
森下
政一
君
委員
小幡 治和君
西郷吉之助
君 安井 謙君 岸 良一君 島村 軍次君 秋山 長造君
小林
孝平
君 森崎 隆君 小柳
牧衞
君
国務大臣
国 務 大 臣
川島正次郎
君
事務局側
常任委員会専門
員
福永与一郎
君
説明員
警察庁警備部長
山口
喜雄
君
国家消防本部総
務課長
横山
和夫
君
自治庁財政部理
財課長
大村
襄治
君
法務省民事局長
村上
朝一君
大蔵省理財局地
方資金課長
牧野
誠一君
農林大臣官房総
務課長
檜垣
好文
君
運輸省港湾局計
画課長
坂本
信雄君
建設省計画局
都
市建設課長
高谷
高一君
建設省河川局次
長 淺村 廉君
建設省住宅局長
鎌田
隆男君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
地方行政
の改革に関する
調査
の件 (
台風
第二十二号及び第二十三号に よる
災害
に関する件)(
新潟
市の大 火による
災害
に関する件)(
新潟
海
岸決壊
に対する
財政措置
に関する 件)
—————————————
小笠原二三男
1
○
委員長
(
小笠原二三男
君)
委員会
を開会いたします。 昨日申し合せました日程に従いまして、本日は
災害関係
に関する
調査
を進めたいと存じます。
台風
第二十二号及び第二十三号による
災害
に関し、特にまた二十二
号台風下
に
新潟大火
がありましたが、この点もあわせて
関係当局
から、一応のその後
措置
せられておる
対策
について、経過の御
報告
を願いたいと存じます。
大蔵省
は、
理財局長
はまだ
見え
ませんが、
牧野地方資金課長
、
自治庁
は
川島自治庁長官
、
大村理財課長
、
農林省
からは
檜垣官房総務課長
、
建設省
からは
今井政務次官
、
淺村河川局次長
並びに
鎌田住宅局長
、
山内防災課長
、
高谷計画局都市建設課長——住宅局長
が
出張
中ですので、
建設課長
であります。
法務省
からは
村上民事局長
、
警察庁
より
山口警備部長
、
国家消防本部
から
横山総務課長
、
運輸省
から
坂本港湾局計画課長
が
見え
ております。
鈴木消防本部長並び
に
運輸省港湾局長
は
出張
中でお
見え
になっておりません。で、順次御
報告
を願いたいと存じます。まず
川島自治庁長官
。
川島正次郎
2
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 詳細なことにつきましては、各官庁の
関係官
から御
報告
申し上げたいと思うのであります。 まず
新潟
の
火災
につきまして申し上げますが、
火災
が発生いたしますと直ちに、
政府
におきましては
厚生省並び
に
建設省
より
係官
を
派遣
をいたしまして、当面の
救助対策
を講じたのでございます。その後、
建設省
におきましては詳細な
被害調査
をいたしております。これが終りますれば、これに必要な
起債
その他の
措置
をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。発火の
原因
、
被害
の
状況等
につきましては詳細に
国家消防本部
より御
報告
を申し上げますから、お聞き取りを願いたいと思うのであります。 二十二
号台風
につきましては、お
手元
に表をお配りしてあると思いますが、大体
公共施設被害状況
は
総計
八十六億でございます。これに対しましては当面の
対策
を講じましたし、なおその後
復旧策
につきまして、
建設省
、
農林省
、
運輸省
、
文部省等
におきまして、それぞれ
調査
をいたしております。
調査
が完了いたしますれば、
当該府県市町村
と打ち合せをいたしまして、必要なる
起債
その他の
財源的措置
をいたしたい、かように考えておるわけでございます。 大体のことを申し上げました。
小笠原二三男
3
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 次に、
建設省
の方から
一般
の
災害
の方を
河川局次長
、お
見え
ですか
——
どうぞ。
淺村廉
4
○
説明員
(
淺村廉
君)
建設省関係
の
土木施設
の
被害
につきまして御
報告
申し上げます。
建設省
で所管いたしております
災害復旧事業
の
対象
となる
土木施設
は、
河川
、護岸、
海岸
の堤防、それから
道路
、橋梁、
砂防施設
といったものでございまして、これらのものが
台風
二十二号並びに二十三号でどのように
被災
をしたかということにつきまして、お
手元
に
資料
が差し上げてございます。見出しは「
台風
第二十二号及び第二十三号による
被害
の概況、
建設省
」という
資料
を差し上げてございますが、
台風
の
状況等
は先ほど御
説明
がありましたと思いますので省略いたしまして、第五ページをおあけいただきます。第五ページに
公共土木施設関係
の
被害
という欄がございます。各県の
被害
がここに
報告
されたままを載せてございまして、これは
台風
二十二号によりますものと二十三号によりますものとを、便宜一表にいたしましたため、少しわかりにくくなりましたが、
カッコ書き
で出ておりますのは
台風
二十三号の分でございます。これは全然
外数
でございまして、
カッコ書き
でないものが
台風
二十二号の
被害報告額
でございます。上の方から参りまして、
鹿児島
は四百四十二カ所の
被害個所
がございまして、
被害総額
は二億一千九百九十九万円、これは
台風
二十二号の分でございます。
河川
、
海岸寺
にいろいろ
被害
がございまして、まあ
被害
を受けたおもなる
土木施設
をここに書きあげてございますが、全体でただいま
報告
の参っておりますのは二億一千九百万円
程度
でございます。
宮崎
県は四百七十二カ所で、これも
台風
二十二号の
被害額
でございますが、四億四千九百八十一万五千円という
報告
が参っております。これも
河川災害
がおもでございまして、川の名前は一番右の欄に書き込んでございます。それから
大分
県は、
台風
二十二号によりますものが九百八十四カ所で、
金額
で三億一千二百八十四万七千円、そからその下に
カッコ
をいたしまして、八十五カ所、三千八百九十六万八千円とありますのは、
台風
二十三号の
被害額
でございます。これは、
河川
、
海岸等
に主として
被害
を生じたので、一番右の欄にそのおもなる
個所
が列記してございます。それから
熊本
県は三百七カ所、三億二百七十万円。これは
台風
二十二号の
被害
でございます。これも全般的でございますが、
河川
、
道路
、
海岸等
に主として
被害
が発生いたしました。長崎県は三十九カ所、一千二百五十六万九千円。これは主として佐世保を
中心
に発生いたしましたので、
河川災害
がおもでございます。それから佐賀県は四カ所、八百七十万円。福岡県は百九十八カ所、七千九百四十九万六千円。これも
河川
、
海岸等
に主として
被害
がございました。それから高知県は二百五十九カ所、五億八百九万四千円。これが
台風
二十二号の
被害
でございます。下に
カッコ
いたしまして、二百七十五カ所、三億六千三百四十一万円、これは
台風
二十三号の
被害
でございます。
河川
、
海岸等
に主として
被害
がございました。愛媛県は八百四十八カ所、三億七百万円。
台風
二十三号の分は
カッコ書き
の百十五カ所、六千五十万円。これも
河川
、
道路
に主として
被害
がございまして、おもなる
個所
が列挙されております。香川県は二十八カ所、一千二十万円。徳島県は二百九十七カ所、一億八千百二十九万四千円。いずれも二十二号の
災害
でございます。
山口
県は著しく異っていまして、二十二号は七百五十四カ所の十三億三千六百六十五万五千円で、それから二十三号は二十五カ所、一千七百九万八千円。
河川
、
海岸
、
道路等
の
被害
でございますが、特に
金額
の大きくなっておりますのは、これは
海岸地帯
に
被害
が
相当
にあったためだと思われます。広島は二百四十七カ所、三億八百九万円。岡山が十三カ所で、九百五十万円。島根が五十二カ所、一千七百二十五万円。福島は六十一カ所、四千六百六十一万八千円。群馬四十四カ所、三千八百三十四万九千円。神奈川は百十カ所、二千百二十二万九千円。こういう工合でございます。合計で、
台風
二十二
号関係
は、全体の
被災個所
が五千百五十九カ所、
被害総額
は四十一億七千三十八万六千円でございます。なお二十三号は、全体の
被害個所
が五百カ所、全額は四億七千九百九十七万六千円ということになっております。 なお一枚めくっていただきますと、
台風
二十二号による
直轄河川災害額
という欄がございます。これは
建設省
で
直轄工事
をいたしておりまするおもなる河の
直轄工事期間
内に起りました
被害
につきまして、これは
府県
にやらせませんで、
直轄工事
で実施いたしておりますために、特にまた別に掲げてございますので、
中国
、
四国
の渡川、仁淀川、重信川、太田川、
九州
の大淀川、大野川、
大分
川、川内川、球磨川、小丸川、肝属川、五
筒瀬川
、これらのそれぞれの
被害額
を合計いたしますと、全体で六億四千四百二十万円ということになっております。 それらが
台風
二十二号並びに二十三号によりますところの
建設省所管
の
土木施設
の
被害
の
総額
でございまして、いずれもこれは
調査
あるいは
査定等
によりましてこれを確定いたしませんと、正確な
数字
はまだ決定いた、しかねる段階でございます。
査定
はもちろん至急いたすつもりでございますが、これは
地方公共団体側
におきますところの
設計書
ができませんと
査定官
の
派遣
ができませんので、それを至急急いでもらいますと同時に、私
ども
といたしましては、それができ次第、直ちに
査定官
を
派遣
して否定をするだけの態勢を整えて待機をいたしている状態であります。 それからなおこのとじになっている
最後
に、横書きで
一般被害調
というのがつけてございますが、それは
建設省
が作りましたものではございませんので、警視庁の方でお
調べ
になりましたものを私の方でいただきまして、
参考
のためにこのとじになっている
最後
につけてありますのであります。 大体
状況
を簡単に御
報告
申し上げました。
小笠原二三男
5
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 今の
説明
ですね、
地方
の
補助事業
になる分、それから
直轄分
の
対策
について、
状況
だけでなく……。
淺村廉
6
○
説明員
(
淺村廉
君) それでは、それにつけ加えまして、これに対する
対策
を申し上げます。ただいま申し上げました
被害額
のうち、
地方公共団体
で所管いたしておりますものの分、これは二十二
号関係
で四十一億七千万円、二十三
号関係
で四億七千九百万円という
報告
を受けておりますので、これに対してはただちに
査定
をいたして、その全体の
復旧事業費
というものを決定いたさなければなりませんが、これにつきましては、
地方公共団体側
の
査定
、
設計書
の作成という仕事が必要になって参りますので、これを
公共団体
において至急急いでもらいまして、これが私の方にできたという
連絡
ができ次第、
査定官
を
派遣
して、
査定
をするだけの準備をいたしております。幸い
災害査定官
も本年度十名増員をしていただきましたので、陣容といたしましては
相当
に整っておりますから、すみやかに
査定
をいたしたいと考えております。 しかしながら、
査定
を終えて
予備金
から予算を出してもらいますまでの間に、
応急工事
を当然必要といたしますので、これに対しましては、いわゆる
つなぎ資金
と言っておりますが、これを
府県
からの
連絡
によりまして、
大蔵省
に対してこの
融資
の
あっせん
を私の方でいたすことになっております。ただいま各
県いろいろ調査
中でございまして、逐次私の方に
あっせん依頼
の文書が出て参っておりますので、参り次第、次々と
大蔵省
と
連絡
をしてこの
あっせん
をいたしている次第でございます。私の方の
関係
は
資金運用部資金
から出してもらうというようなことに従来からなっております。今後もそのようになって参ると思っております。 それから
直轄関係
の
河川
の
被害
につきましては、今申し上げました
通り
、
台風
二十二
号関係——
二十三号は
報告
がございませんが、二十二号で六億四千万円
程度
でございます。これも
査定
とは申しませんが、しっかりした
調査
をいたしまして、ほんとうに必要な
金額
というものをもう一度確認しなければなりませんが、その
応急工事
につきましては、現在
直轄工事
のために各
地方建設局
に
工事費
が渡してありますので、それを一時立てかえてもらいまして、
応急工事
をやってもらう。これは従来の例になっております。当然
大蔵省
の了解を得てやるわけでありますが、さような段取りにいたすことにいたしております。 大体以上のような考えでやっております。
西郷吉之助
7
○
西郷吉之助
君
金額
は
幾ら
だ、
つなぎ融資
の。
淺村廉
8
○
説明員
(
淺村廉
君)
つなぎ融資
は、実はまだ
府県
から
報告
が参っておりますものが全部でございませんので、私
ども
といたしましては
最後
的に
幾ら
かということはちょっと判断いたしかねますが、国の方で従来の例によりまして、大体一億五、六千万円の
つなぎ資金
が出ればいいのではなかろうか。これはこちらの方でただ一方的にやるわけには参りませんのですが、その
程度
になるのではないかということを推定いたしまして、
大蔵省
の方にもお話をいたしておる次第であります。
小笠原二三男
9
○
委員長
(
小笠原二三男
君) では、次に
農林省関係
について御
説明
を願います。
檜垣好文
10
○
説明員
(
檜垣好文
君)
台風
二十二号、並びに二十三号につきまして、一括御
説明
を申し上げます。 まず
被害状況
でございますが、お
手元
に
農林水産業
の
施設
の
被害調べ
が
資料
として配付いたしてありますが、それによりますると、これは各
府県
からの
報告
でございまして、これは先ほど
建設省
の方からのお話しがありましたように、今後
現地
につきましてこの
査定
をやるのでありますが、一応各
府県
の
報告
を集計いたしましたところによりますと、
総計
四十五億二千六百万の
被害額
になっておるのでありまして、そのうち、
農地
あるいは
農業用施設
の
関係
につきましては二十二億七千六百万円、それから
開拓地
におきます
入植施設
でありますが、これが五億六千四百万円、それから治山の
関係
で七億六千万、林道が二億百万、
漁港関係
が七億二千三百万という
数字
になっておるのであります。それから以上が
施設
の
被害
でございますが、
農作物
の
被害
につきましては、
目下統計調査事務所
をもちまして鋭意
調査
をさしておるのであります。 昨年の
九州
、
四国
、あるいは
中国
におきまする
状況
も
一つ
の
参考
になるので、ここに申し上げますと、特にこの問題は今回の
台風
の時期の
関係
におきましては、その
被害
の
農作物
、
被害
の特に水稲につきまして大きいのは、九月十日以降の穂が出る
出穂期
にあるものが
相当
被害
が多いのではないかというふうに考えられるのであります。そこで
九州
、
四国
、
中国
につきまして、昨年の
作付面積
から
比率
を出してみますると、大体九月十日以降になりますものが、
比率
で、
九州
では二七%、
四国
が二五%、
中国
が七%という
数字
になっておるのであります。特にこの
関係
の
被害
が大きいのではないかと考えるのであります。 それから過去の
台風
との比較をしてみますると、ちょうど二十二
号台風
は二十五年の九月十三、十四日にありました
キジア台風
と、あるいは風の
関係
、あるいは
降雨量
との
関係
がよく似ておるのでありますが、特に今回は
キジア台風
よりも
降雨量
は多少少いのでありますが、風の方は
相当
きついようでありますので、いわゆる風の害によりまするところの稲の倒伏あるいは脱粒というふうなもの等が
相当
あるように推定されるのであります。詳細は目下
統計調査部
におきまして
調査
中でございます。 それから次に
対策
でございますが、
施設
につきましては
査定
を今後行なっていくのでありますが、まずとりあえず
被害
の
状況
の
調査
のために、
農地局
、
農業改良局
、水産庁、
林野庁等
から十二名
程度
の
調査員
を
九州
、
四国
に
派遣
いたしまして、現在
調査
をいたしておる
状況
になっております。 それから
対策
でございますが、まず
農林水産業
の
施設
の
関係
の
対策
でございますが、これの
災害復旧
につきましては、すみやかに
現地査定
を実施いたしまして、これは目下のところ来月の上中旬までには完了することを目途といたして準備いたしておるのでありますが、
現地査定
をすみやかに実施いたしまして、
予備費支出
によるところの
国庫補助金
の交付をいたしますと同時に、
災害復旧事業
の
地元負担
に当る分につきましては、
農林漁業金融公庫
の
資金
を
融資
をいたしますように、目下必要な
措置
を講じておるのであります。その間におきまして
緊急施行
を必要といたしまする
事業
といたしましては、
関係庁
と協議をいたしまして、
補助金
の見返りに
つなぎ資金
の
あっせん
をいたして参りたいと思っておるのでありますが、この点につきましては、
公共団体営
の
事業
につきましては
政府資金
、特に今回は
郵政省関係
の
資金
が
農林省関係
では
融資
の
対象
となるそうでございますが、その
政府資金
の
あっせん
、あるいは
農業団体
の行いますところの
団体
による
災害復旧
の
緊急事業
につきましては、農林中金あるいは
中央銀行
の
つなぎ資金
の
融資
をいたして参りたいというふうに考えておるわけであります。
農作物
に対する
対策
でございますが、
災害
の、
台風
後の特に病虫害の防除につきましては、特に指導の万全を期しますとともに、農薬その他の資材の
確保
に努めますと同時に、
種子確保
あるいは家畜の
防疫等
にも
十分注意
をいたしまして、この
被害
の
状況
の
実情
に応じまして、財政的あるいは金融的な
措置
を講じて参りたいというふうに考えておるのであります。 それから次に
農家
の
被害
、
農林漁家
の
経営確保
でございますが、再生産を
確保
いたしますために必要な
経営資金
の
融通
並びにそれに伴います
利子補給
あるいは
損失補償
の制度が、先般の
国会
におきまして恒久的な立法ができておりますので、それに基きまして
融資
の
措置
を早急に講じ、あるいはまたすでに借り入れておりますところの
経営資金
あるいは
農林漁資金
の
償還猶予
というようなものにつきまして、
対策
を講じて参りたいと考えておるのであります。それから特に今回
漁船
の
被害
が
相当
大きかったのでありますが、これにつきましては代船の
建造
というふうなことも必要になって参りますので、それにつきましては
農林漁業資金
の
融資
の
ワク
を拡大いたしまして、必要な
措置
を講じて参りたいというふうに考えておる次第でございます。それから先般の
国会
におきまして
自作農維持創設資金融通法
が成立いたしましたが、それに基きまして、特に
被害
が甚大で
自作農
の
維持
の困難なものに対しましては、この
維持資金
の
融通
を考えて参りたいと考えておる次第であります。それからこれは当然でございますが、
農作物
あるいは
漁船等
につきましては、
被害
の
調査
を篤励いたしまして、すみやかに
共済金
あるいは
保険金
の支払いをやりますと同時に、場合によりましては、
政府
の方からの再
保険金
の
概算払い等
も必要になってくるのではないかというふうに考えておる次第であります。 それから
被害
を受けました
農家
におきまして飯米に不足するというふうな事態が生ずるところもあろうかと思われるのでありますが、それらにつきましては、
例年完全保有農家
でありまして本年に著しく
被害
を受けたものに対しましては、従来の例によりまして、米の特配を行いますと同時に、あるいは新しく米の配給をしまして代金の
延納
の
措置
をとる、これは
大蔵省
と折衝を要するのでありますが、そういう
措置
を講じたい。あるいはもうすでに昨年度の
被害
で
延納
を受けておるものにつきまして、本年どうしても完納が困難であるというようなものに対しましては、
実情
を
調査
いたしまして、必要に応じ
納入期限
の延長と申しますか、そういう
措置
を講じて参りたいというふうに考えておる次第でございます。 それから特に
農林水産業関係
の
共同利用施設等
につきましては、
災害復旧
の
措置
を
農林水産業資金
から借りて参りたいと考えておるのでありますが、
南九州
におきましては
澱粉加工場
が
相当
やられておるのであります。これにつきましては、農協の経営いたしておるものにつきましては、
農林漁業公庫
の
資金ワク
から早急に
復旧資金
の
融通
をいたしますともに、それ以外の業者の経営するものにつきてましては、
中小企業金融公庫
の
融資あっせん等
につきまして、
関係機関等
に対して
あっせん
の努力をいたして参りたいというふうに考えております。 以上
概略
でございますが……。
小笠原二三男
11
○
委員長
(
小笠原二三男
君) では、次に
警察庁山口警備部長
。
山口喜雄
12
○
説明員
(
山口喜雄
君) 二十二号、二十三号の
台風
の
被害
につきまして各省からの
説明
がございましたので、私からごく
概略
について、
資料
も差し上げてございますので、大体
概略
を申し上げたいと思います。 十月五日現在でとりまとめました
数字
が死者五十四人、
負傷者
三百十八人、行方不明十四人、
全壊戸数
が六千二百六十九戸、半壊が一万三千四十六戸、流失が百三十六戸、一部破損が六万五千百八十四、
床上浸水
が一万百八十四、床下が四万一千百八十、こういうふうになっております。
農作物
あるいは
公共建造物関係
の
被害
につきましては、
関係者
から御
説明
がございましたので省略いたします。
罹災者
の概数は十五万八千二百五十九人、
罹災世帯数
が三万三千八百六十六
世帯
、かようになっておるのであります。 きわめて概括的に申しまして、
災害
のひどうございましたのは
鹿児島
、
宮崎
、
熊本
、
山口
、
大分
というような各県のようでございます。このうち
鹿児島
、
宮崎
、
大分等
は
強風
による
被害
が多うございまして、
山口
はどちらかといいますと、高潮による
被害
を受けておるようであります。 きわめて簡単でございますが、御
説明
を終ります。 〔
委員上長退席
、
理事森下政一
君着席〕
森下政一
13
○
理事
(
森下政一
君) 今度は、
国家消防本部
がお
見え
になっていると思いますが……。
横山和夫
14
○
説明員
(
横山和夫
君) 私
ども
の方は、
台風
による全体の
被害
といいますよりも、特に二十二
号台風下
に起った
新潟
における
火災
を
中心
にそれぞれ御
報告
がありましたので、
消防
に限定しまして簡単に御
報告
申し上げます。 お
手元
の
資料
にありますように、
火災
の
一般
的な問題はここに書いてある
通り
でございますが、
消防
の方といたしましては、当時ああいう
台風襲来
の
状況
でありましたので、前日の九月三十日すでに、
火災警報
の発令と同時に、緊急の手配をいたしまして、平素の場合には三区分をいたしまして、一
出動
五台という
出動
の体制に入っておるのでありますが、特にこの場合には、第一
出動下
で十二台を出し、そうして残りを第二
出動
によって出すというような
措置
を講じ、さらに前日の三十日におきまして
自動車
の配置がえをいたしまして、特に
火災
危険の予想される
地域等
に当っておる
自動車
の
精鋭部隊
を配置するというような
措置
も講じておったのであります。
消防力
といたしましては、
新潟
市の持っておりますものが十八台、それに
消防団関係
が三台、さらに
応援消防力
が当日は二十四、五台もかけつけておるというような
状況
で、
火災戦闘
をいたしたわけであります。こまかい
実情等
はすでに
報告済み
でありますので、省略いたします。 ただ
消防
的に考えまして、あのような
大火
になりました
原因
と申しますか、そういう点につきまして、
火災発生
と同時に
係官
を
派遣
いたします。なおまた
現地
と
連絡
をとりながら現在いろいろ検討を加えておるのでありますが、結局われわれの方から見ますと、何と申しましても、
火元建物
のいわゆる
火災発見
がおくれたという点に大きい
原因
の
一つ
が考えられる。その次に、言うまでもなく、
台風
によるところの非常な
強風下
に発生したという
火災
のために、われわれの
消防力
ではこれに勝ち得なかったということに尽きるのではないかと思うのでございます。
新潟
市の
消防力
は、われわれの方で考えております基準に照らしてみますと、必ずしもその絶対数は十分ではないのでありますが、ただ他の
府県
の
都市
に比較して、必ずしもこの
都市
の
消防力
は弱かったというわけでもありませんし、なおまた
相当
な時間後には、付近から
応援消防力
が、先ほど申しましたようなわけで、かけつけておるのであります。結局要するに、
火災発見
が
消防
的に見ますならばおくれて、かけつけたときにはすでにその
建物
の中には火が回っておったという
状況
で初めて活動をしたということと、
強風
による
被害
拡大ということになるのではないかと思っております。
対策
と申しましては、私の方は御承知のようなことでありますので、直接援護の手を打つということはありませんが、何しろ今後のいろいろな問題に鑑みまして、非常に最もわれわれとしても注意を払うべきと申しますか、特殊な
火災
の形態が起ったわけでありますから、これを十分検討をいたしまして今後に備え、なおまた今後の
新潟
市の毎年起るフェーン現象下における
消防
対策
というものを十分に打ち立ててゆくように、不断の指導をいたしたいと、このように考えておるわけであります。 〔
理事森下政一
君退席、
委員長
着席〕
小笠原二三男
15
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 次に
建設省
高谷
計画局都
市建設課長
、やはり
新潟
関係
について。
高谷高一
16
○
説明員
(
高谷
高一君) 私の方の計画局
関係
の所管といたしまして、
新潟
市の
火災
復興計画でありますが、焼けると同時に、私の方から
係官
が
出張
いたしまして復興計画の指導に当りました。焼失面積は約十一万坪でありまして、それは礎小学校の方の飛び火地を含めてでありますが、今度の復興計画にはその飛び火地の方は除外いたしまして、あすこの大
通り
のところの区域約一万八千坪にわたりまして土地区画整理を実施いたしまして、そうしてこの細い
道路
などがないように、大体
消防
自動車
とかなんか、みな通過できるような区画街路を整備いたしまして、復興
事業
を実施いたす予定にしております。その
事業
費は約一億一千三百万円かかる予定になっております。何分にも市役所が全焼いたしまして、どうも図面とかなんか
資料
が全部なくなってしまいましたので、焼けた翌々日の三日から実地測量を始めまして、ちょうど今日で実地測量が全部完了すると
報告
が参っております。この換地測量ができますと、直ちに仮換地の設定をいたしまして、各地主さんあるいは借地権者の方々に、今後永久の本建築を建てられるように、仮換地の指定を急いでいたすことになっております。これには約一カ月ほどかかる予定であります。大急ぎでこれをやっております。この一億一千万円の
事業
費でありまするが、これはまだ
大蔵省
の方と十分打ち合せしておりませんが、目下
大蔵省
と折衝中でありまして、私らの方の考えといたしましては、約二カ年をもってこの
事業
を完成したいと思っております。今年度はさしあたりその半分を要求いたしまして、直ちに区画がえの整備をはかっていきたい、かように考えております。
鎌田隆男
17
○
説明員
(
鎌田
隆男君) 私から住宅の
被害
の
状況
並びにこの
対策
につきまして、私
ども
の準備いたしておりますことにつきまして申し上げます。 住宅の
被害
の
状況
につきましては、先ほど
警察庁
の方から御
説明
がありましたが、二十二
号台風
によります分が、今のところ、全壊、流失を含めまして六千四百戸
程度
と考えております。そのうちで最も大きな
被害
を受けましたのが、
鹿児島
県の四千数百戸でございます。 これに対しまして、私
ども
今
対策
を準備いたしておりますのは、まず第一に公営住宅の
災害
住宅を建設するというのが第一点でございます。これは公営住宅法によりまして、
被害
戸数、全壊、流失戸数の三割までの戸数につきまして、
現地
の要望があれば建設をいたしたい、こういうことでその
ワク
を設定いたしております。それからもう
一つ
は、半壊、破損の復旧の問題でございますが、これは、従来
現地
の、要望が非常に強いにもかかわらず、
政府
としてなかなか
対策
を講ずることがむずかしかったのでございますが、今回は住宅金融公庫に増築
融資
の
ワク
を設定いたしております。そこで、この増築
融資
を半壊の破損復旧をするというものに振り向けたい、こういうように考えておる次第でございます。それからもう
一つ
は、二十二
国会
におきまして成立を見ました住宅
融資
保険法がございます。この法律によりまして、銀行が住宅に対しまして貸し出しましたものを
政府
が保険をするということになっておりますが、この
ワク
を
災害
地に拡大いたしまして、
災害
地の罹災されました方々がその住宅の破損の復旧をする、あるいは全壊のものに対して建設をする、新築でも、増築でも、破損復旧でも、何でもけっこうでございますが、それにぜひ振り向けたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお住宅金融公庫の
融資
、これはすでに今年度個人
融資
を二万戸、もうすでに決定いたしておりますが、この
災害
地は特別の
ワク
を滅失戸数の二割ないし三割
程度
設けまして、全壊されました方々が、何とか住宅金融公庫の
融資
を受けて家を新築したいという方には貸し出すような用意をいたしております。 なお
新潟
の問題でございますが、
新潟
は全焼と半焼を含めまして、住家が九百十二戸の
被害
を受けております。これは
中心
部を焼失いたしておりますので、多少二十二
号台風
その他の地域の
被害状況
と趣きを異にいたしておりますので、この
対策
につきましても多少違った
対策
も考えております。それは、従来木造が非常に多かった
都市
商店街でございまするが、今後このあやまちを再び繰り返さないように、なるべく耐火構造の商店街にいたしたいと私
ども
は考えておるのでございますが、このためには、先ほど申し上げました
一般
的な
災害
対策
のほかに、今回成立を見ました日本住宅公団、この日本住宅公団には一万戸の分譲住宅、アパートの分譲という
事業
を持っておりますが、
現地
の要望がありますれば、この日本住宅公団をして一部商店街の建設、店舗つきの住宅を建設せしめたい、かように考えまして、ただいま準備中でござています。 大体
災害
の
状況
並びに
対策
につきまして申上げた次第であります。
小笠原二三男
18
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 次に
自治庁
大村理財課長
並びに
大蔵省
牧野地方資金課長
より、当時の
資金
繰りについて
説明
を願いたいと思います。
大村襄治
19
○
説明員
(
大村
襄治
君) 今国の
災害
に対する
つなぎ融資
の問題につきましては、先ほど来
建設省
を初め
関係
各省の
係官
から御
説明
がありましたが、応急復旧に要する各主要
事業
ごとの所要額というものの見込みができ次第、所要の
資金
措置
を講じていただくことにして、今準備を進めておる次第でございます。
資金
の分担区分といたしましては、
建設省関係
のものを
大蔵省
の
資金運用部資金
、それ以外の
事業
につきましては郵政省の簡保
資金
によって
融通
をするというふうな、分担も取りきめができておりますが、ただいま申し上げましたような手続で、所要の見込み額がわかり次第決定されるというふうなことになっております。 なお、特別の
災害
がありました
新潟
の
火災
復興
関係
につきましては、罹災直後
現地
から、
新潟
市の
災害
救助活動の費用といたしまして、三千万ほど特に至急
資金
繰りが必要であるという要望がございましたので、この点を
大蔵省
に
連絡
しまして、早急にきめていただくように現在交渉している次第でございます。 大体以上のような次第であります。
西郷吉之助
20
○
西郷吉之助
君 具体的に
金額
を言いなさい。抽象的ではわからぬ。
大村襄治
21
○
説明員
(
大村
襄治
君) ただいま言いましたように、応急復旧に要する
事業
費の
金額
は現在なお
調査
中でございまして、各主管省から私の方にまだ知らせがございませんので、具体的
金額
を申し上げるわけにはいきませんですが、進め方としてはただいま申し上げたような次第になっております。
牧野誠一
22
○
説明員
(
牧野
誠一君) 二十二号、二十三号の
台風
の
関係
の
政府資金
からの
つなぎ融資
といいますか、それの
融通
につきまして申し上げます。
災害
の
つなぎ融資
は、すでに、国から
補助金
が出るまでの間つなぎということで、応急に復旧を要するものの経費というものを、県ごとに話し合いをつけました額を
融通
するということにいたしております。二十二号、二十三号につきましては、先ほど各省からお話しがあったことと思いますが、県ごとにやはり今どんどん集まっておる段階でございまして、それでただいま各省といろいろ、一県ごとにただいま順々にその事務を処理していっているという段階でございまして、まだ
金額
がどの県が
幾ら
あるいはトータルで
幾ら
というところまでは、あとしばらくたちませんと、申し上げられないような段階でございます。 それから
新潟
の火事の問題につきましては、これは
新潟
、あちらの市と県、それぞれやはり
火災
復旧に要するいろいろな問題が起きるわけでございます。これにつきましても、
都市
計画とかあるいはその他、応急住宅とかいろいろやらなくちゃならない仕事、これに国から支出されます額が若干おくれるという間をつなぐということで、出す必要があると考えております。これもただいま各省と主計局あるいは私
ども
の方との間で話を進めておる段階でございまして、
金額
の点は目下検討中ということでございます。 それから本年の
災害
につきましては、大体
建設省関係
の
災害
につきましては
大蔵省
の
資金
運用部からと、それからそれ以外のものにつきましては簡易生命保険の金というふうに、大体
大分
けにして、そういうふうな分担でやったらどうかという話にしておりますが、仕事といたしましては、みな集まりまして進めてゆくというようにいたしておるわけでございます。
小笠原二三男
23
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 他に、先ほど申し上げた
通り
、
法務省
村上民事局長
、
運輸省
坂本港湾局計画課長
が
見え
ておりますから……。これは
新潟
関係
で
委員
の質問要求がありますので、御出席願っておるわけであります。従って、一応
報告
はこの
程度
にいたしまして、質疑に入りたいと存じますが、まず
一般
的に
災害
の問題について質疑をいただいて、それからそれが済んでから、
新潟
関係
は分離して質疑していただきたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小笠原二三男
24
○
委員長
(
小笠原二三男
君) ではさような順序で質疑を願います。
西郷吉之助
25
○
西郷吉之助
君 まず
自治庁
関係
に伺いますが、
自治庁
長官も各
地方
の
被害状況
をお聞きの
通り
、非常に多い。ことに
九州
はひどいのでありますが、今
自治庁
の課長の
説明
だと、具体的な
説明
がない。抽象論だけで、具体的にどういう
措置
をされるかということがわからないのですが、たとえば
鹿児島
をとりましても、学校建築の
被害
だけでも、県の
報告
だと、
金額
にして五億、それから先ほど
建設省
の話もあったが、住宅の全壊が約五千戸もあり、一部破損は十五万戸もあるような状態。たとえば
鹿児島
市をとれば、全壊はその四〇%に当る。全壊並びに破損を加えますと、
鹿児島
市の全戸数の四〇%ぐらいの破損率というような
状況
でありますので、これに対して、たとえば先般
委員会
で御
説明
の百十億もまだ使わないのがあるというようなことでありまするが、今回の二十二、二十三
号台風
に対して、自治体の苦しい財政の上に及ぼす影響はきわめて重大なものがありまするが、具体的に
自治庁
長官はどう対処されるのか、その具体的な方法並びに
金額
について承わりたい。
川島正次郎
26
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 西郷さんのお尋ねにお答えいたしますが、公共
施設
の復旧につきましては
補助金
が各主官庁からして配付されるのでありまするが、それに伴いまして
起債
の許可をいたすつもりでございます。大体ただいま私の方で用意いたしておりますのは、風水害等の
関係
に要するものは三十七億、それから
火災
の
関係
が十七億という
起債
の
ワク
を持っておりまして、
地方
の申請によりまして
調査
の上、これは順次許可をいたすつもりでございます。 それから特別交付金でございますが、これは大体の今後起り得る
災害
等も加えて配付方を決定するのでありまして、これは年内に配付はむずかしいのでありまして、来年になるのでありまして、そこで交付金が第四期分の支出は大体十一月末にする慣例になっておりますが、これを特に繰り上げまして、今月中に交付金の第四回分を配付いたしまして、
資金
的な応急
措置
をいたしたいと、こう考えておるわけでございます。特別交付金の方はどの
地方
に大体
幾ら
いくかということは、まだ今日決定をいたしておりません。 大体さような方針でございます。御承知を願います。
西郷吉之助
27
○
西郷吉之助
君 今具体的で、三十七億なり十七億のすでに用意がしてあるというのでございまするが、今御
説明
のほかにも、たとえば予算に具体的に実際影響を与えないで、
起債
の中で三十七億のほかに公募分等も
ワク
を拡げたり、また現在の
自治庁
の用意以外にも、あるいは臨時
国会
において予算補正をなすとか、そういうふうなお考えはあるのかないのか、それもあわせて伺いたい。
小笠原二三男
28
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 念のために
委員
に申し上げておきますが、
大蔵省
から
災害
担当の鹿野主計官もみえておりますから。
川島正次郎
29
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 大体ただいままで起りました二十二
号台風
、二十三
号台風
の影響によります
災害
の
対策
としては、現在
確保
しておりまする
金額
で間に合うという私
ども
は考えを持っております。
新潟
の
火災
につきましても大体この
程度
で間に合うのじゃないかと思うのでありますが、なお今後大きな
台風
等あるいは
火災
等が起りまして、
被害
の範囲が拡大した場合には、あらためて
財源的措置
をする必要があるかと思いますが、現在までの
被害
ならば、ただいま持っておる
ワク
内でもって処置し得る、こう考えております。
西郷吉之助
30
○
西郷吉之助
君 さらに
九州
の
被害
で、今回の
被害
では、所によっては雨量も多かったけれ
ども
、特徴として、雨量よりも、雨量が割合に少くて風が非常に強かった。従って、今先ほど
建設省
の御
説明
も住宅に対してありましたが、特徴として
一般
住宅の一部の破損、これが非常に多いのでありまするが、こういう一部破損は、全壊でもなく半壊でもないために、その補修費を出す
措置
が従来ない。今回の
台風
ではそれが非常に多いので、一部破損の個人住宅に対する
対策
が何ら今回もとられておらないように伺います。先ほど住宅局の
説明
ですと、たとえば
鹿児島
県をとっても、全壊が約五千戸ある。けれ
ども
、それについて三〇%以内は国の補助で建てるというお話。聞くところによりますると、たとえばその五千戸のうち、
鹿児島
市だけをとりますと、全壊が二百七十戸もある。今の
説明
だと三〇%というと、わずかにそのうちの八十戸、しかもその八十戸も、聞きますと、それは二カ年計画である。そうしますと、
鹿児島
市の例をとっても、全壊が二百七十戸もあるのに、本年度はそのうち二カ年計画で半分ずつとすると、四十戸しか復旧しない。そういうばかげた結果になる。そういうことでは
災害復旧
ということは、多数の全壊があっても単に名目だけで、わずかに四十戸の
復旧資金
を出す、そういうことでは何ら
災害
対策
にならぬ。これは
鹿児島
地方
を例にとっただけで、
災害
の各県も同じ
状況
であります。そういう名目だけの復旧では何ら役に立たないから、具体的にそういう点をどうするか伺いたい。 特に一部破損の住宅、
鹿児島
県を例にとっても、それが十五万戸あります。そういうものについて今回どういうふうに
措置
されるか。何ら、従来
通り
、
措置
することなく放任しておかれるのか、そういう点も具体的に
説明
願いたいと思います。
鎌田隆男
31
○
説明員
(
鎌田
隆男君) 全壊のものにつきましては、三割を公営住宅の方によります
災害
公営住宅を建設いたしたいと考えております。なおそのほかに、住宅金融公庫の貸付によりまして、
全壊戸数
の約二割ないし三割を用意いたしたいと考えております。もう
一つ
は、住宅
融資
保険法によりまして、銀行からの貸し出しの
ワク
を
災害
地に増加いたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。それから半壊または破損のものにつきましては、今回の住宅金融公庫の増築
融資
を活用いたしたい、こういうふうに考えております。なお一部破損のものにつきましては、住宅
融資
保険法によります銀行の貸し出しをいたします。そういうような
対策
をいろいろ今準備をいたしておる次第であります。
西郷吉之助
32
○
西郷吉之助
君 今あなたのお役はどういう役か知りませんが、そういう抽象論的に、銀行から
融資
するとか言われるけれ
ども
、資力のない者が大多数です。りっぱな家も復旧できない。それですから、
強風
ですぐ全壊する。金融すると言われるけれ
ども
、それは
委員会
でのあなたの答弁技術にすぎない。実際に担保力も何もない、資力のない者が復旧する、それに
融資
するといっても、どういうふうにするのですか。実際はあなたはできないでしょう。そういうふうに
委員会
で答弁するけれ
ども
、実際各県に行ったときには、資力のない、担保力もない、家を全壊した者に、何を担保にして
融資
されますか。実際はできないのです。単なる形式的な答弁ではだめなんです。そういう資力のない者にどういうふうにしたら
融資
できるか、それを伺いたい。
鎌田隆男
33
○
説明員
(
鎌田
隆男君) 全壊いたしましたもののうち資力のない方々に対しましては、公営住宅を建設いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。それから破損の場合の復旧は、全壊に対しまして割に
金額
がはらないと思われますので、銀行の
融資
あるいは住宅金融公庫の低利
資金
の
融資
を考えたいと思うのであります。
西郷吉之助
34
○
西郷吉之助
君 今の答弁も全く満足できませんが、住宅に関連してもう一点伺いますが、これは
建設省
よりも厚生省の所管かとも思いますけれ
ども
、従来
災害
で応急住宅として仮設住宅というものを作ってこられておる。それも非常に安普請ですから、たとえば
鹿児島
市の仮設住宅が四十戸あったけれ
ども
、安普請ですから、全部全壊しております。それでそれに対する
対策
も、今回六十戸くらいを坪一万二千円
程度
でやるという話ですけれ
ども
、こういうものは臨時応急的にはけっこうですけれ
ども
、今度の例をとっも全壊しておりまして、その三百名くらいの者が小学校に避難し、授業ができないものだから、屠殺場を新築しておるので、それにかりに三百名を収容しておる。それも場所が屠殺場ですから、そういうところに長くいてもらうわけにいかない。また六十戸仮設住宅を作るということであるけれ
ども
、非常に安普請ですから、風が吹くとすぐ全壊する。一時しのぎには仕方ないと思いますけれ
ども
、そういうものについても、従来の実際の
状況
から見て、もう少し堅牢な、
台風
に耐える住宅を公営住宅として建てるべきじゃないかと思いますが、そういうものについても、やはり何らの
対策
なく安普請をやれば、また次の風で全壊することはきまり切っていると思うが、そういうものについてどういうふうにされるか、伺いたい。
小笠原二三男
35
○
委員長
(
小笠原二三男
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小笠原二三男
36
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 速記を起して。
鎌田隆男
37
○
説明員
(
鎌田
隆男君) 罹災救助法によります応急の収容
施設
は厚生省の方の所管と思いますけれ
ども
、
建設省
といたしましてはなるべくすみやかに
災害
公営住宅を作りまして、この公営住宅に収容いたしたい、こういうふうに考えております。
西郷吉之助
38
○
西郷吉之助
君
自治庁
長官に重ねてお伺いします。今のように、たとえば住宅
資金
はそういうところでは従来はなかなか、今
建設省
は
説明
するけれ
ども
、実際にはなかなか金が借りられない、こういうふうな
状況
はもう
自治庁
長官も過去の御経験でよくおわかりだと思う。そういう点につきましても、公営住宅の点についても十分な戸数が得られないでしょうが、そのためにそういう
資金
を、仮設住宅でも
鹿児島
県の例をとりますと、坪当り一万円
程度
県が出そう。しかも市や町村も一万円ぐらいそれに加えて、二万円
程度
の坪当りで建てたいというけれ
ども
、市町村はそれでなくても苦しい
状況
から、そういうものを支出する財源がない、こういう現状であります。今の
建設省
の話では、あれは非常にたよりない。ここで答弁するだけで、実際にはそういうことは行われない、金も借りられない、そういう現状です。そういうことをよく長官はおわかりだと思いますので、そういう住宅
資金
等も今後すぐにはできないかもしれませんけれ
ども
、そういうものについても
自治庁
として財源を市町村に与えるというふうなことができれば、非常に住民は住宅についても助かると思いますが、今回の二十二号、二十三号、
火災
につきましても、
自治庁
長官として、そういう事情を
説明
されて
自治庁
長官として、そういう財源を与えられるようなお考えはありませんでしょうか。
川島正次郎
39
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) ただいまのところ、私
ども
考えておりますのは、公営住宅に対する
地方
の負担分の
起債
を認めようという
程度
でありますが、今お話しのように、実際問題といたしましては、金融がなかなか困難で、
一般
の民家の復旧はできにくいことは、私
ども
認めるのでありまして、これに対する
対策
等につきましては、私限りお答えを申し上げる
資料
はないのでありまして、
関係
閣僚ともよく相談しまして、適当な機会にまたお返事することにいたします。
西郷吉之助
40
○
西郷吉之助
君 次に、
建物
に関連しても、今度の
強風
でも
鹿児島
県も非常にひどい。学校など損害を五億円も出しておる。学校の建築が
強風
に耐えられるようなコンクリートの
建物
が少いために、
九州
の
災害
各県では、風が吹くと学校がすぐこわされる。今回も
鹿児島
県で五億
程度
の学校建築の損害を出しておりますが、そういうものについても、
自治庁
長官として大いにそういう
状況
を勘案されて、今後できるだけ
強風
地帯、
台風
の来る
関係
県に対しては、学校建築等につきましても、文部省と御相談の上、できるだけコンクリート建築でやるようにしていただきたいと思いまするが、きょうの
説明
では文部省が
説明
がなかったようでありますが、こういう学校建築だけでも、これはすぐ復旧しないと授業に差しつかえる。なかなか自治体では財源がありませんから応急処置ができないと思いますので、こういう学校建築についても
自治庁
長官は特別にお考えはあるのかどうかという点について、伺っておきます。
川島正次郎
41
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 従来は、防火地帯の学校につきましてはコンクリートを認めまして、それに見合うだけの
補助金
も出しますし、また
起債
も許しておるのでありますが、
強風
地帯等につきましてはそういう
措置
はとっておりません。私は先般北海道へ行きましても痛感したんですが、ああいう寒冷地帯などは、木造よりも鉄筋コンクリートにしますると、燃料等が非常に節約ができるのでありまして、ぜひ今後は鉄筋コンクリートの建築を奨励したいという考えをもちまして、文部大臣とも話し合ったことがあるのでありまして、ただいまお話の
強風
地帯な
ども
、やはり今後考慮すべき問題ではないかと考えるのであります。今まではそういう考えはありませんが、今後におきましては一応研究いたしまして、なるべく御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
西郷吉之助
42
○
西郷吉之助
君
自治庁
長官に重ねて伺いまするが、前議会においても、議員立法で
台風
圏内に対する施策としての法律案を用意したけれ
ども
、成立はいたしませんでしたが、その点は長官もよく御承知だと思いますので、こういう
台風
圏内の自治体に対する特例の立法等も、私は実際には非常に要望されておることは御承知だと思いますが、そういうものについても今後何らか施策を発表される御意思がないのかどうか、そういう点についても伺っておきます。
川島正次郎
43
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 前
国会
のいきさつは私は承知いたしておりませんので、
強風
地帯に特に法律を定めまして、どういう施策をしたらいいかということをちょっと今思い当らないのでありますけれ
ども
、なおゆっくり、西郷さんその他
関係
の方々から御意見を聞きまして、必要ならば至急に研究をいたしまして、立法
措置
をいたします。私といたしましては、まとまった考えはまだ持っておりません。
小笠原二三男
44
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 関連して私からもお尋ねしますが、
建設省
、
農林省
、厚生省、あるいは文部省所管の
地方
財政に関連する
災害復旧事業
、これに
補助金
が出、また
地方
分は
起債
でみる、こういうことになっても、一例をあげれば、
鹿児島
、
山口
等は連年にわたる慣例的な
災害
です。それを
起債
を与えればいいんだということだけで、こういう
公共団体
が今後
地方
財政としてうまくやっていけるかどうかということになれば、基本的な問題として重大だと思う。そういう立場から
自治庁
長官としては、根本的、抜本的にこれらに対する
対策
についてば検討をせらるべきだろうと思う。そういう点について、今西郷君に御答弁になったこととも関連しますが、長官としてどういう基本的な考え方を、構想をお持ちになっているか、
地方
財政という問題から御所見を承わっておきたい。
川島正次郎
45
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) そういう点につきましては、私
ども
かねて適当な施策を必要と考えておるのでありまして、とりあえず前
国会
に連年
災害
地につきましては、特別の計算による
補助金
を支出するようなことにしまして、御協賛を得て、すでにその法律は発布になっておるのであります。今回の
災害
についても、連年
災害
の所、
山口
県、
鹿児島
県等にその法律が適用されまして、特に他の
災害
地とは異なった
補助金
が出る、こういうふうになっておるのでありまして、一応そうした
措置
はいたしておるのでありまして、なお先ほど西郷さんに対するお答えにも申し上げましたように、御意見等を伺いまして、何か新しい施策が必要ということになりますれば、なお考究はいたしたいと思います。とりあえず前
国会
におきましては連年
災害
地に対する
措置
はいたしたということだけは申し上げられるのであります。
小笠原二三男
46
○
委員長
(
小笠原二三男
君) では、
大村理財課長
にお尋ねしますが、
鹿児島
、
山口
のような累年
災害
にあうという所で、特別立法による
補助金
を出すにしても、やはり
起債
というものも
相当
出ておると思うのですが、その
起債
の償還という問題になると、
一般
地方
団体
が今困りぬいておる。なおそうしますと、こういう両県等は困るであろうと思う。こういうふうな将来の見通しとして、
起債
の償還能力があるという建前で、そういう面で見ていくとするのか。いつかは破綻を来たすのではないかと考えられるのですが、その見通しについて伺いたい。
川島正次郎
47
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 私から一応お答え申し上げますが、ことしの北海道、東北の水害の際も、特にこれは議員立法で成立したのでありますが、
災害
に対する
起債
は今後特別交付税でもって元利ともみよう、こういうことになっております。二十八年度
災害
のときもやはりそういう
措置
をとったわけでありまして、こうした非常
災害
で特に困った
地方
団体
に対しましては、
起債
は特別交付税等によりまして特別にこれを償還をする、こういう
措置
をとっておるわけであります。
大村襄治
48
○
説明員
(
大村
襄治
君) ただいまの大臣の申し上げました点を法律をかりて御
説明
いたしますと、現在
地方
交付税法の第十二条におきまして、交付税の測定単位及び単位費用を掲げてございますが、その一番おしまいに
災害復旧
費というのがございまして、
災害復旧事業
費の財源に充てた
地方
債の元利償還金については一円について九十五銭、つまり九五%のものを交付税の
対象
としてみるという仕組みにいたしてございますから、たとえその年度は
起債
で財源
措置
をいたしましたものにつきましても、後年度の公債費につきましては九五%まで財源がいわば保証されておる、そういう仕組みになっております。ただ、この法律の適用を受けますのは補助
災害復旧事業
であります。国の方から高率の補助を受けて、そうして
地方
負担額に対して
起債
措置
がされる、こういった保証があるわけでございますが、補助の伴わない単独復旧
事業
の償還費につきましては、これは特別交付税法で毎年度五〇%
程度
の手当てをいたしております。従って、完全とは言い切れないのでありますが、
相当
程度
の手当ては現在行われておるわけであります。 それからただいま大臣が申し上げました
起債
の特例法と申しますか、二十八年の
起債
の特例法は、普通補助
対象
となりますものは公共
施設
の
災害復旧事業
であります。これには当然
地方
負担に対して
起債
の財源
措置
がとられるわけでありますが、そのほかの
事業
あるいは税の減免分、こういったものは、普通の場合
起債
を財源にすることは許されないが、二十八年度の
災害
起債
特例法におきましては、そういったものも特に
起債
を財源にすることを許すと同時に、その元利締約金につきまして後年度において国庫において補給する、こういった特別
措置
を認める。そういう先例もある次第であります。御
参考
までに申し上げます。
西郷吉之助
49
○
西郷吉之助
君
自治庁
に伺いますが、本年のすでに
ワク
を決定した
起債
のうちの公募分ですが、今度の
災害
で非常に打撃を受けたような自治体では、たとえこの公界の
ワク
をもらっても、その消化が非常に困難だと思いますが、今回の
災害
もあったのですから、こういうすでに与えた公募の未消化分について、
自治庁
は積極的に何らか
あっせん
か裏打ちをするようなお考えはありませんか、長官の意見を伺いたいと思います。
川島正次郎
50
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 大体公募は都道
府県
につけまして、市町村の場合は
政府資金
でやることになって、おります。
災害
府県
につきましてはなるべく
政府資金
でやる、こういう方針をとっておるわけであります。
鹿児島
県などは
災害復旧
費
関係
は全部
政府資金
でいたすことになっております。
西郷吉之助
51
○
西郷吉之助
君 今の長官の、ちょっと納得がいかぬですが、公募でも市町村分は預金部なり担保
資金
で裏打ちをなさるのですか。そうではないのでしょう。公募分ですよ、私の言っているのは。
川島正次郎
52
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) 公募はやはり市中銀行から借りることになっております。大体公募分は
府県
、大
都市
だけに限りまして、
地方
の市町村は
政府資金
を充てるようにいたしておるわけであります。ですから、御心配のようなことはないわけであります。それから
鹿児島
県の場合は、県庁に許す場合は
災害復旧
関係
はこれは全部
政府資金
でみるように、これも処置することになっております。
西郷吉之助
53
○
西郷吉之助
君 ちょっと、今長官、勘違いしておられるようですが、私の伺うのは公募
起債
分だけのことなんです。
一般
起債
はもちろん今の御
説明
の
通り
です。公募の分について市中銀行と言われるけれ
ども
、
災害
を受けておりますから、そういう消化が非常に困難だと思うから、特に
災害
という特殊事情を考えて、公募の分についても
自治庁
が積極的に
あっせん
なり
資金
の裏打ちをなさる特別の考えはないかということを伺っているのです。
川島正次郎
54
○
国務大臣
(
川島正次郎
君) ちょっと理
財課長
から、取り扱い方ですから、御
説明
申し上げます。
大村襄治
55
○
説明員
(
大村
襄治
君) 罹災地の
団体
にすでに許可をしました公募債の消化について、
自治庁
として特に
あっせん
をするつもりはあるかという趣旨の御質問かと拝聴したのでありまするが、公募債につきましては、なるべくその
団体
の消化力を念頭におきまして配分しておりますので、ただいま大臣から申し上げました
通り
、資力の貧弱な市町村あたりにつきましては実際公募債をつけることはいたさないことにしておるわけでありますが、若干、上水道
事業
等につきまして、すでに本年度におきましても許可せられた分があるのではないかというふうに考えております。これにつきまして、特に
災害
のために消化能力がその後不振になって参ったというような事情のあるものにつきましては、御指摘の
通り
、金融機関等に特にその点の協力をお願いするようにいたしたいと思っております。なお今後
災害復旧
費について許可せられます
起債
の
資金
につきましては、これは全額
政府資金
で充当して、公募の不消化などということの起らないようにいたしたいと考えております。
島村軍次
56
○島村軍次君
農林省
所管のうちで、この表の
入植施設
の
被害
が
相当
多額に上っておるようでありますが、特に
鹿児島
県におきましては、全壊五百二十、半壊その他も合せて千三百戸というのであります。連年の
災害
でいつも目こぼしになり勝ちなのは、この入植地帯の特に家屋が悪いために非常な
災害
を受けてあとの復旧に困るということが、問題によくなるのでありますが、本年のこの
災害
については、現在の
農林省
予算のうち、あるいはまた
地方
予算のうちで、あるいは今後の
災害復旧
の予算
措置
で、十分の
措置
ができ得るかどうかという点が一点。 それからもう
一つ
は、やはり同様に、漁港
施設
については、
災害
が
個所
は多くて、しかも
被害
は
相当
激甚であるが、
災害復旧
はなかなか行われない。従ってその結果、漁獲高に非常に影響するということがいつも問題になるのですが、本年の
災害
についてはそういう問題についてどうお考えになっておりますか、
一つ
御答弁を願いたいと思います。
檜垣好文
57
○
説明員
(
檜垣好文
君)
入植施設
の点の御質問でございますが、お話のように、開拓者につきましては、入植しますときに住宅の
補助金
が出ておるのであります。どうしても経済力が弱いのでお話のような十分な住宅ができておらないのであります。それがさらに
台風
等によりまして
災害
を受けた場合には、現在やはり予備費等で
災害
の住宅の復旧の補助をいたしておりますが、これもお話のように、必ずしも十分な額ではございません。残っております資材を活用する、あるいは開拓者の労力等によりましてさらに住宅を復旧いたしておるのであります。この点につきましては私
ども
、たとえばただいま川島長官の方からお話がありましたように、あるいは寒冷地あるいは
災害
の
相当
あるというようなところにつきましては、もう少し根本的にこの住宅の復旧の
対策
を考えて参りたいというふうに思う次第であります。 次に漁港でございますが、これも御指摘のように、現在漁港の開設等をやっておりますが、それ自身もまだ十分の財政的
措置
ができておりませんところに
災害
を受けまして、かえって能率が下るというふうな問題があるのであります。これはいずれも財政的な問題に制約されておるのであります。これも結局国家
資金
の浪費にならないように、能率的に
災害
を復旧をいたしますように、まあ少い
補助金
の中から重点的に復旧をいたしております。御指摘の点につきましては、さらに一そうの努力をいたしたいと考える次第であります。
小笠原二三男
58
○
委員長
(
小笠原二三男
君) それでは
台風
災害
についてはこの
程度
にいたしまして、また議員
派遣
がございますから、
調査
の結果、必要があればこの
調査
を進めるということにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小笠原二三男
59
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 次に、
新潟
市
大火
につきまして、先ほど御
説明
いただいた点、あるいは今後の立法、あるいは
新潟
市の財政に伴う
海岸
崩壊の処置の問題、これらについて御質問を願いたいと思います。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小笠原二三男
60
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 速記を起して。
小柳牧衞
61
○小柳
牧衞
君 私は
新潟
の
災害
につきまして
政府
の所信をお伺いいたしたいのでありますが、
災害
が発生いたしますると、
政府
並びに政党方面から寄せられた御好意に対しましては、特殊の
関係
がある自分といたしましても感謝にたえないのでありまするが、将来これにつきましては一そう好意ある理解のもとにやっていただかなければならぬと思いますので、そういう立場におきまして
政府
の所信を二、三お伺いいたしたいと思うのであります。
災害
が終りますると直ちに、御承知のように、地主と、また借地人と借家人との権利利益について、いろいろの紛争を起しつつあるのでありまして、最近の情勢によりますと、弁護士の相談所、政党の相談所あるいは会議所の相談所に持ち込んだものが、すでに二百四十件もあるというような情勢であります。このような情勢では復興が非常におくれまするので、県議会も市議会もその点にかんがみまして、満場一致を以て罹災
都市
借地借家臨時処理法の適用を要望しておる次第でございます。従って、この法律を早く適用するということは、これらの紛争を処理する上におきましてきわめて適切であると思うのでありますが、これにつきまして
自治庁
並びに
法務省
の御意見を承わりたいと思います。
村上朝一
62
○
説明員
(
村上
朝一君) 今回の
新潟
市の
大火
は、
災害
の規模から申しましても、また罹災地域が市内の繁華街にわたっております
関係
から申しましても、借地借家
関係
の調整のために、罹災
都市
借地借家臨時処理法第二十五条の二の
災害
として指定する法律が出ることがきわめて望ましいと私
ども
も考えております。で、聞くところによりますと、来たるべき臨時
国会
に議員提案で、この
新潟
市の
大火
を罹災
都市
借地借家臨時処理法第二十五条の二の
災害
として指定し、かつその施行地区を定める法律が提案されるように聞いておりますので、提案になりましたならば、私
ども
としてももとより賛成でございますし、実施につきましてはできるだけ力を尽したいと、かように考えております。
小柳牧衞
63
○小柳
牧衞
君 この法律の適用の促進につきまして、いろいろ
関係者
に申し上げた際にも話があったのでありまするが、これは法律をもってその適用を決定するということになっておるのでありまして、今回のように近く
国会
が開かれるというようなことが予想される時期においては適当でありまするけれ
ども
、そうでない場合においてはずいぶん不便であると思うのでありますが、そういうようなことにつきまして立法上何かお考えになる点はないでしょうか。
村上朝一
64
○
説明員
(
村上
朝一君) 御承知のように、この罹災
都市
借地借家臨時処理法は、戦災地の復興のために、戦災地における借地借家
関係
の調整を目的として
政府
から提案された法律でございましたから、
国会
で修正になりまして第二十五条の二が加わりまして、その他の
災害
の場合にも準用するということになったのでありますが、その
災害
の指定は法律でやるということになっておりますので、場合によりますと、
災害
直後にこの法律の適用が行われるということは困難な場合も出てくるわけでございます。もしこれが政令で定めるというようなことになっておりますれば、もっと迅速に適用が行われるかとも存じますが、その点はなお、この法律が本来戦災地に対する臨時立法として立案されました
関係
上、恒久的な
災害
立法として残しておくについては、他の条文にもいろいろ検討を要するものがあるということで、実はただいま検討中でございますので、この法律の全面改正等の際には、二十五条の二の規定も十分検討いたしたいと、かように考えております。
小柳牧衞
65
○小柳
牧衞
君 この法律の適用は、今お話しのように、戦災によるものでありまするけれ
ども
、その後この法律を適用した過去の事例にかんがみましても、また今回私
ども
が直面した
災害
につきましても、臨時立法ではなく恒久的の立法にして、しかも
国会
のない場合には何か適切な処置のできるような立法処置を講じておくことが必要ではないかと思うのでありまして、その点につきまして目下考究中であるというのならば、まことにけっこうですから、その点について一そう進めていただきたいと思うのでありますが、しかし今の場合におきましては、目下これを処理する法律もないのでありまするから、どうしても行政
措置
によらなければならぬのでありまして、現に県知事、市長等はそれぞれ声明を発するとか、市民の理解を得るとか、いろいろ方法を講じておるのでありまするが、そういうような便宜の行政
措置
を法務当局としては、この法律の必要性にかんがみまして、あらかじめ適当な手を打つなり、あるいは立法
措置
を講ずるというようなことについて、何かお考えはないでしょうか。
村上朝一
66
○
説明員
(
村上
朝一君)
災害
後数カ月を経てこの法律が適用されます場合に、この罹災
都市
借地借一家臨時処理法の中で第二条及び第三条の借家人の優先的借地権と申しますか、もと借家しておった者が借地権を他に優先して設定を受けることができる規定がございますが、この規定の適用は罹災当時の借家人と借り主ということになっておりますので、たとい二、三カ月おくれましても、罹災当時の借家人がどこまでも保護されることになるわけでございます。 ただ問題は、この十条の借地権の規定でございますが、これは御承知のように、借地権というものは借地権の登記があるかあるいは借地の上の
建物
の登記がある場合でございませんと、借地の譲渡があった場合に、譲り受け人に対して借地権を対抗できなくなるわけであります。それに対する
対策
として、この十条におきましては、
災害
のときから、二十五条二の法律の施行のときから五年間は登記がなくても対抗できるという規定を置いて、借地権を保護しておるわけです。ところが、
災害
後二十五条の二の法律が出ますまでに数カ月間を置きますと、その間に土地所有権の譲渡が行われた場合、十条の保護を受けられないことになるのではないかというので、仄聞するところによりますと、この法律が出るにしても、この法律の出る前に土地を売ってしまうというような地主があるというようなことも伺ったのでありますが、本来借地権を設定してあります土地を地主が譲渡いたしまして、その結果借地権が譲り受け人に対抗できなくなった場合に、旧地主といたしましては、自己の責に帰すべき事由による履行不能ということで、債務不履行による損害賠償の責任を負わなければならぬのでありまして、この法律のない間隙に乗じて土地を売ったからといって、決して地主が利得をするわけではないのであります。で、その点あるいは誤解があるかと思いますので、この借地借家臨時処理法が来たるべき臨時
国会
に議員提案として提案される機運にあるということ、これは県当局においても十分
関係者
に周知の方法を講ぜられておるように聞いておりますし、なおもし借地権の設定してありまする土地の売買というようなことがひんぱんに行われるような傾向がございますならば、その点もさらに損害賠償の責務を生ずるというようなことも周知させましたならば、防止し得るのではないか、かように考えております。 従来の
災害
の場合の例を聞いてみますと、長いのは六カ月くらい
災害
と法律施行との間に期間がたっておる場合もございますけれ
ども
、その間に地主が土地を売って借地権が対抗できなくなったというような紛争はひんぱんに起ったようなことは聞いておりませんので、何らかの周知方法を講ずることによりまして防ぎ得るのではないか、かように考えております。
小柳牧衞
67
○小柳
牧衞
君 ただいまの御答弁によりまして了解いたしましたが、今のことはぜひ適当な方法で周知するように当局におかれても処理せられるようにお願いいたしたいと思います。 なお少し話は違いますが、ついででありますから伺っておきたいのですが、これは土地の底面整理の問題でありまするが、
新潟
にはちょうど中央にかなり大きな地積を刑務所がとっておるのであります。従来といえ
ども
その移転についてはだいぶ市民の声もあったのでありますが、今度区画整理によって住宅地がだいぶ窮迫を告げるという際には、どうしてもこれは解決をしなければならぬ問題であり、また郊外にも適当な敷地もあることも予想されておりまするので、この際に移転ということも考えていただきたいと思うのでありますが、これについて一応の御意見を承わりたいと思います。なおそういうような問題については、もちろん当局者間においてこまかしく協議しなければならぬと思いますけれ
ども
、大体の方針だけ承わりたいと思います。
村上朝一
68
○
説明員
(
村上
朝一君) 私案は所管が違いますので、その点について意見を申し上げるだけの知識がないのですが、御趣旨は所管の局長に伝えまして、十分考えて取り扱いたいと思います。
小林孝平
69
○
小林孝平
君 先ほど小柳
委員
から話がありました問題は、現に非常に紛争が起きているのです。いろいろ売ったとかなんとかいう問題は現に起きて、非常に混乱しておるのでありますから、小柳
委員
からそういう見解を何らか
政府
から発表していただくことをお願いされましたけれ
ども
、これは
政府
はそういうことをやられるかどうか、どういう形でやられるかということをはっきりお尋ねいたしたいと思います。そういうことをやっていただかなければ、これはいつまでたってもごたごたやっているのです、現に。
村上朝一
70
○
説明員
(
村上
朝一君)
新潟
においてこの
火災
のあとの土地の売買等がひんぱんに行われて、紛争が生じているというようなことでございますならば、県当局並びに
法務省
の出先機関等に
連絡
いたしまして、地元の新聞に談話を発表するとかあるいは講演会を催すとか、適当な方法でなるべく早く周知方法を講じたい、かように考えております。
小笠原二三男
71
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 私からも伺いますが、あなたの最初の小柳君に対する御答弁では、来たる臨時
国会
においては議員立法でやられるようで、そうなるならば、まあ当局としても賛成であるという御意見でしたが、ああいう
新潟
の
大火
等が起って、
政府
としては、そう
措置
すべきものであるという結論が出ておるのであるか、議員立法が出るそうだからそれでやっていこうということでいるのかどうか、
政府
の積極的な責任でそういう
措置
をとらなければならぬという決定になっているのか、この点非常にあいまいなんです。
政府
が必要と認めたら、
政府
提案で立法すべきものである。議員がやるそうだからというので、傍観しておるという
政府
の態度は、この
新潟
の
大火
に対して適当であるかどうかということは、われわれ非常に疑問とするところです。どういうことになっておるのです、
政府
は。この臨時
国会
で
政府
提案で立法すべきものである、そうして救済しなければならぬという結論を得ておるのか、また得ておるとすれば、それまでのつなぎとして暫定的には行政
措置
あるいは行政指導等でどういうふうにやろうとしておるのか、この点を明らかにしていただきたい。
村上朝一
72
○
説明員
(
村上
朝一君) これは実は民主党の政調会等に私
ども
の方からも呼ばれまして、お話を伺いますと、議員提案で次に提案をしようということにほぼきまったように伺いましたので、それならば、議員提案を押しのけて
政府
から提案する必要もないものでございますから、
資料
その他につきましてできるだけ御協力申し上げることで、議員立法で行われることが適当と、かように考えております。
小笠原二三男
73
○
委員長
(
小笠原二三男
君) そうしますと、議員立法が出ないという情勢であるならば、
政府
提案でもやるのだという腹がまえがある、しかしまあ
国会
側の方で提案するというなら御協力申し上げる。そういうことであるならば、臨時
国会
までのつなぎとして、そういう紛争が起らないような積極的な指導は
政府
としてどういうふうにしようとお考えになっておるのか。あなたの御答弁ですと、講演会あるいはその他を通じて周知徹底方をはかりたいということですが、そういうことで、やろうというふうにきまっておるのですか。
村上朝一
74
○
説明員
(
村上
朝一君) 従来の例から見ましても、
災害
とこの
災害
を指定する法律の施行期日との間に、多くは二、三カ月、長いものは六カ月から、特に長いものは一年以上たって施行されたものもございます。その間、特に周知方法を講じなければ紛争が頻発するというような事例は今までございませんでした。で、私
ども
としては、特別な
措置
はとらないつもりでおりましたけれ
ども
、ただいまお話を伺いますと、現に
新潟
ではいろいろ紛争が起きておるそうでございますので、それに応じた
対策
を、今後講じていきたいと、かように考えます。
小笠原二三男
75
○
委員長
(
小笠原二三男
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小笠原二三男
76
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 速記を起して。 もう
一つ
伺いますが、私しろうとでわからぬのですが、もしも臨時
国会
前に地主あるいは借地借家人側から訴訟が起ってくる、そうして民事事件になるという場合がかりに、あるのかないのかわかりませんが、あるとこういうようなことになっている場合に、十一月下旬の臨時
国会
でこの法律が制定せられ、公布せられるということが、その訴訟事件を無効ならしめる効力はあるのですか、ないのですか。
村上朝一
77
○
説明員
(
村上
朝一君) 借地上の
建物
が焼けたからといって、地主が今後貸さないというようなことは、本来法律的には言えないのであります。借地権の存続期間中であれば、引き続いて貸さなければならぬわけであります。ただ特別の場合に借地権が消滅する
原因
が別にございますれば格別でございますが、
一般
的に申しますと、借地権の存続期間中であれば、地主が今後貸さないということを一方的に言うことはできないことになるわけであります。なお存続期間等についても、罹災
都市
借地借家臨時処理法によりまして、借地法以外に借地権保護の規定もございますが、もし訴訟継続中にこの法律が施行されますと、口頭弁論終結当時の法律を適用するわけでございますから、訴訟の起きた時期が法律施行の時よりも前であるからといって、本来この法律のもとで勝訴すべき当事者が負けるというようなことはないと考えます。
小林孝平
78
○
小林孝平
君 ともかくそういうような
実情
が現に出て、非常にもう混乱しているのです。それで今そういう、
法務省
としてはおやりになるということをはっきりお聞きして満足しましたけれ
ども
、じゃ、それはいつおやりになるのですか。至急にやっていただかなければ、日を経るに従ってだんだん深刻になっているのです。だから、研究してだとか、そのうちになんというのじゃ困るのです。いつまでにそういうことをやられるかということを……。そんなものは簡単でしょう。
村上朝一
79
○
説明員
(
村上
朝一君) 罹災
都市
借地借家臨時処理法が近く
新潟
の
大火
に適用される機運にあるということ、適用されましたならばどういうことになるかというこの法律の内容等につきまして、
新潟
市の
一般
市民の方に周知させるような方法をできるだけすみやかにとりたいと考えます。
小林孝平
80
○
小林孝平
君 そのできるだけというのがだめなんです。
国会
の答弁はすべて、できるだけ善処する、できるだけ早く、できるだけというのが一月もある、二月もある。今度の臨時
国会
を鳩山内閣はいつ開くかわからぬ。なるべくおそくするのはこれは
政府
の考え方なんです。だから、これは困りますよ、そんなことでは。こんなもの、簡単じゃないですか。事務的なあなた方の方で起案されて、すぐ原地に人をやる。二日か三日あれば、そんなことはできると思う。なるべくと言わないで、すぐに、では三日以内、そういうことをしてもらわぬと困りますよ、実際。われわれは現に非常に迷惑をこうむっておる。このために、われわれ専門家でないのに、もういろいろの問題を持ってくる。わんわんとやって、さっぱり本質のその復興がはかどらないですよ。だから、どうですか、三日とか四日、五日、なるべく早くだから、まあ三日とか、
一つ
お願いします。こんなものは簡単ですよ。あなたがお考えになって通牒を出せばいいんです。
村上朝一
81
○
説明員
(
村上
朝一君) 簡単でありますだけに、なるべく早くと申しますことはそう長くはないと御承知願いたいと思います。今ここで三日とか五日とかいう期限を約束することもいかがと存じますので、大体その
程度
で御了承願いたいと思います。
小笠原二三男
82
○
委員長
(
小笠原二三男
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小笠原二三男
83
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 速記を起して。
小柳牧衞
84
○小柳
牧衞
君 次に交付税の問題でありまするが、先ほど西郷
委員
から御質問がありまして大体了承したのでありまするが、なお一応念を押しておきたいと思うのですが、
新潟
は御承知のように、非常に財政が苦しいわけなんでございまするが、今度の
災害
につきましても、歳入の欠陥と歳出の臨時の支出というようなことで、約三億五千万ばかり出る見込みのようでございます。従って、交付税の早期交付並びにこの特別交付金の算定については、これらの事情を十分御考慮願いたいと思うのですが、これについてあらためて
一つ
はっきり承わりたいと思うのですが。
大村襄治
85
○
説明員
(
大村
襄治
君) 交付税の点につきましては、先ほど大臣が御
説明
申し上げました
通り
でありまして、普通交付税の繰り上げ交付につきましては、第四回分の十一月分のものを十月中に交付できるようにいたしたいと、その準備を進めております。それから特別交付税につきましては、交付時期が法律上二月と指定されておりまして、これを繰り上げることは他の面でいかがかと思われる点があるわけでございますが、その算定につきましては、もちろん御指摘の
通り
、
災害
による財政需要の増高と税の減免その他による収入の減少、そういった財政事情全般の変化を念頭に置きまして、交付額の具体的な算定をいたすということになるわけでございます。先例によりましても、昨年起きました北海道の岩内町の
火災
の際におきましても、当時の罹災戸数に応じて直接の
火災
によるる
被害
を補填する分として、
相当
額を見込んだという実例もございますので、今回の分につきましてもそういった点も
参考
にして算定をいたしたいというふうに考えております。
小柳牧衞
86
○小柳
牧衞
君 次に住宅のことについて簡単にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、住宅は先ほ
ども
御
説明
あったと思いまするが、県と市で公営住宅を作ることになっておりまするし、その
関係
上国庫の
補助金
を要望しておりまするが、これはどうしても出していただきたいと思うのでありまして、そのほか国庫
融資
等についても便宜をはかっていただきたいと思いまするが、この国庫補助についての見通しはいかがでございましょうか。
鎌田隆男
87
○
説明員
(
鎌田
隆男君) 公営住宅の建設につきましては、十分こちらに見通しがございます。
現地
の要望によりまして直ちに建設をいたしまして、
補助金
の準備をいたしておるわけでございます。
小柳牧衞
88
○小柳
牧衞
君 今度の
災害
者の、業種別にしまするといろいろありまするが、特に目立って大きいのは旅館であると思います。三分の一を焼失いたしまして、しかも一流、二流という部類のものが焼けたようでありまして、旅館の公的の機能といいますか、公的の役割り等を考えまするというと、これは十分に考慮しなければならぬと思いまするし、ことに旅館は本建築ができなければ営業も開始できないことと思いまするので、他の商店、店舗とはよほど違うと思うのでありますが、こういうようなものについて、何か特別の方法はないのでしょうか。
鎌田隆男
89
○
説明員
(
鎌田
隆男君) 旅館の場合、旅館の家族のための住居分につきましては、これは住宅でございまするから考え得るのでございますけれ
ども
、その営業をやりますその他の分につきましては、ちょっと住宅と申し上げられないと思うのでございます。従いまして、店舗の場合は、住宅に対する店舗付住宅という場合に、その店舗の大きさによりますけれ
ども
、大体住宅の面積の三分の一
程度
、つまり全建築の三分の一
程度
の店舗は、店舗付住宅として考えていきたい、こういうふうに考えておるのでございますが、旅館の場合には、何しろ家族の住居部分とその他の営業部分との割合が、大部分は営業部分なんでございますので、これを住居というふうに考えることはちょっとむずかしいのではないかと思うのでございます。
一般
建築物につきましては、今のところ私
ども
としてちょっと考える方策はありませんのでございまするが、その住居部分につきましては、できるだけ援助はできると思っております。
小林孝平
90
○
小林孝平
君 関連して。さっき住宅公団の店舗付住宅の分譲ですね、これは全国一万戸分あって、それを希望によってまあやれるだろう、こう言われておりますが、これは大体希望があればほとんど完全に満足できるのですか。ほとんどそれを
査定
するとかなんとかいうことなくやれますか。この一万戸はありますけれ
ども
ね、どのくらい希望あっても、もう
査定
されることありませんですか。
鎌田隆男
91
○
説明員
(
鎌田
隆男君) どのくらいといって、その
程度
によりますけれ
ども
、大体今度の
新潟
の
火災
全部寄せましても九百戸でございます。でありまするから、この一万戸分のうちどのくらい希望がありますか、大体希望に応ぜられると考えております。
小柳牧衞
92
○小柳
牧衞
君 旅館については特別の方法がないという話でありますが、申すまでもなく、この旅館の
建物
の全部は店舗に当るようなものであって、特殊の要求であって、しかも旅館の公的の役割等も考えられまして、十分御研究願いたいと思うのであります。 次に土地区画整理のことについて伺いたいのでありまするが、土地の区画整理については、街路整理であるとか、あるいは水路の埋め立てであるとか、あるいは公園緑地の
確保
であるとか、防火
施設
であるとか、まあこういうようなことをいろいろ考えられておるのでありますが、そのために一億二千万円ばかりの経費を要するというので、その二分の一をどうしてもこれは国庫の補助を受けなければやっていけない、こういう情勢にあるようであります。これにつきまして当局のお見込みをお伺いしたいと思います。
高谷高一
93
○
説明員
(
高谷
高一君) お答えいたします。今一応
現地
へ行って指導してきた者が持って参った
事業
費が、まあ仰せのように、約一億二千万円ばかりになりますが、これを一応二カ年で完成したいというふうに考えております。ところが、昨日
現地
で実地測量の、大体の面積だとか、あるいは街路を新しく建設する図面がだいぶ完成して参ったので、正確なところによりますと、約一億一千万円
程度
の
事業
費になります。これで今
大蔵省
の
査定
を受けておりますが、多少それからまあ減額をされるのじゃないかと思うのでございますが、できるだけ一億一千万円の線でせっかく折衝中でございます。それを二カ年で完成いたすとしますと、今年度は雪がだんだん、天候の具合が悪くなって参りまして、工事量としては伸びませんので、四、六ぐらいの割合で予算を要求いたします。そうしますと、ことし約四千万円、本年度中使う予定の
事業
費が四千万円でございます。四千万円の二分の一の国庫補助でございますから、今予備費を
大蔵省
の方と交渉しているのですが、大体先ほど今年度予備費の中から約二千万円近くの金を予定しているからというお話でございましたから、でありますから、本年度は四千万
程度
の
事業
ができるというふうに確信しております。
小柳牧衞
94
○小柳
牧衞
君 ぜひ
大蔵省
との折衝について、十分な予算を取っていただくようにお願いをしたいのですが、なおこの機会におきまして、
火災
とは少し違いますけれ
ども
、自然関連することにもなりますので、今工事中であります
新潟
の海
岸決壊
の費用の負担について
政府
のお考えをお聞きしたいのでありますが、この
海岸
の決壊の理由につきましては学者間にもいろいろ意見があるようでありますけれ
ども
、大体の意見といたしましては、国の工事されました西突堤の建設工事や大河津分水工事の結果、こうなったということの意見が多いのであります。そういたしますというと、かつて内務省
直轄工事
としてやった工事の結果、こういうふうな
災害
ができてきたということは、その工事とも関連した工事とも見得るのでありますから、こういうようなことは国庫でもってその経費を支弁するのが理屈ではないかと思うのであります。しかしこういう、まあ理屈を抜きにいたしましても、ごらんになった人はみな驚かれるのでありますが、年々非常な速度をもって
海岸
砂丘を決壊しつつあるのでありまして、去年のごときはすでに信濃川と
海岸
と水が通じたというような情勢であって、この情勢をほうっておきますれば、
新潟
の最も重要な部分である西
新潟
は水にひたるというようなことでありまして、国土保安の立場から申しましても、ほうっておけないことは当然でありまして、かような仕事は、単にその
被害
地の
関係
ばかりではなくむしろ国の立場において防水工事をやっていただくのが適当ではないか、こう思うのであります。いわんや今回御承知のような
災害
に直面いたしまして、県なり市なり経費に非常に追われている際でありますから、これらの工事の性質にかんがみまして、また現段階の財政の窮乏というようなことも考慮に入れられて、全額国庫負担にこの工事をやっていただきたいと思うのでありまして、これは八月に市民大会を開きまして、この問題の解決に論議を重ねた際にも、全額国庫負担を要望するという一致の意見でありましたし、なおその後県議会並びに市議会等におきましても、そういう意向で目下進んでいる次第でありますが、これにつきまして
政府
当局の所信をお聞きしたいのであります。
坂本信雄
95
○
説明員
(
坂本
信雄君)
坂本
計
画課長
でございます。ただいまお話ございました
新潟
海岸
の決壊工事は、一日もゆるがせにできない緊急なる問題であると私
ども
も考えております。そうしてその
対策
も立てているのでございますが、その
対策
は
災害復旧
工事と防災工事の二つからなっておりまして、
災害復旧
工事の方は、国庫負担法によりまして割合多額の補助が出るのでございますが、防災工事の方は、従来
新潟
の決壊防災工事に対しましては四割という補助率にきまっておりますので、これの地元の負担は
相当
大きなものがあると考えます。私
ども
としましても早くあの工事を円滑に進めていかなければならないという観点から、もっと国の負担率を上げた方がよろしいという考えを持っておりますが、やはり同様な工事が
新潟
だけでなしに、日本のほかの地区にもございまして、この関連も考え合せまして、三十一年度の予算要求におきまして、四割を五割とするということで、実は
大蔵省
の方に御要求しておる現状でございます。その点は今後の折衝になるわけでございますが、できるだけ実現させたいということで、私
ども
は
大蔵省
の方と御協議申し上げることにしたいと思っております。
小笠原二三男
96
○
委員長
(
小笠原二三男
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小笠原二三男
97
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 速記を始めて。
小林孝平
98
○
小林孝平
君 これは非常に
運輸省
としても御考慮願っておるのですけれ
ども
、こういう例は日本の他の所にもあるからそういうのとの振り合いを考えてと、こう言われますけれ
ども
、一体これと同じようなのが日本のどこにありますか。これは世界的にないと言われているのです。あなた日本のどこにこれと同じような
——
そういう認識だからだめなんですよ。
坂本信雄
99
○
説明員
(
坂本
信雄君)
新潟
海岸
の決壊はわが国でも、おそらく世界的にも
相当
類のないことだろうと思いますが、予算的に分類を申し上げますと、これは
災害
関連
事業
の中の
災害
対策
ということに入るのでございますが、その
対策
の中でやっておりますのが
新潟
、東京、大阪、尼崎と、こう四つございます。それからこれはまた少し項が違いますが、同じような
海岸
の侵食を受けておる所に対する
対策
の工事を
海岸
防災と称してやっておりますが、これは今大阪の泉州、それから門司、徳山、こういう所でやっております。規模は東京、大阪、尼崎といいますのは地盤沈下でございまして、
新潟
の問題とは少し違っております。また泉州、門司、徳山の場合はこれは海
岸決壊
ではございますが、規模において
新潟
とは
大分
差があると思いますが、そういうものでございます。
小林孝平
100
○
小林孝平
君 それは予算的にこれは
災害復旧
、これは防災だというその分類だけじゃないのですか。そんなのはちっともこの
新潟
海
岸決壊
に対する十分な認識がないからそんなことをおっしゃるのです。そんなことは聞かなくてもわかっておりますよ。ところがこういうふうに全く異例な他に類がない、世界にもおそらく例がないと言われるこういう
新潟
の海
岸決壊
、数年にして
新潟
が水の中に入ってしまうというような、こういう場合だからどういうことを特別にやらなきゃいかぬということをわれわれは言っておるのです。あなたのお話を聞いていると、知らない者には非常にもっともらしく、また努力していられるようだけれ
ども
、知っておる者は何だ、人をばかにしている、こういうことになってくるのです。もっと真剣に
一つ
事務当局は、少くともそれは大臣ならまあそういうようなことを言われてもいいですけれ
ども
、あなた方がそういうことを言われたのじゃ前途まことに悲しいのですよ。しかも今これに
新潟
が火事になってこの負担力が弱まっているから、これをどうしようかということを小柳さんは聞かれているんです。それに対してちっともお答えがないじゃないですか。全く見当違いのお話になって困ります。一体どうされるんですか。この負担力がなくなった、これをどうするつもりかということをお聞きしているんです。そういう努力はされてないのですか現在。
小笠原二三男
101
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 私も重ねて質問しておきますが、ああいう
新潟
の決壊のようなものは国土保全の立場からも、単に
運輸省
所管の港湾に
関係
するからということでなしに、国土保全という意味でも国の力であれが復旧を行うべきではないかということをわれわれ常識的に
現地
を見て考えるのですね、そういう点について
政府
部内において検討を加えられ、そうしてなお今言うような
新潟
の
大火
等に伴い負担能力が、もうたえられないという事態になってきて、なお市の
事業
というものも遂行が危惧せられる。従って緊急に
措置
を講じてもらいたいというのが両
委員
の質問の趣旨だと思う。それらについて全般的に討議せられたことがあるのかないのか、またないならないで今後やろうとするのかどうか、率直な御答弁を願いたい。
坂本信雄
102
○
説明員
(
坂本
信雄君)
新潟
海岸
の決壊を
政府
のどこでやるかという問題のようにお聞きいたしましたが、これは最初に非常に防波堤の根元から決壊が起ってきまして、まず
運輸省
があそこで
新潟
港の仕事をやっておりましたために、すぐ工事に着手したわけでございますが、その後だんだんと範囲が広くなって参りましたが、元来海
岸決壊
の工事は実は港湾
関係者
の方では非常にその方面の専門といたしておりまして、
相当
技術的な面でまず適任であるというふうに考えておりますし、なお
新潟
海
岸決壊
対策
委員会
というのを
現地
に作りまして、この
委員会
には
運輸省
のみならず
建設省
、それから中央気象台、それから大学というような
関係
の専門の方々の御出席を願って、いろいろ長い間にわたって検討しました結果、最近になってその
対策
について結論を得、それを実施しようとしておるわけでございます。それでまだ港湾区域内の
海岸
の問題はそれぞれ必要に応じまして
建設省
なりあるいは
運輸省
で担当しておりますが、その点については
建設省
の方ともすでにお話しの上でやっておりますので、別にそういう点では問題は起っておらないというふうに考えております。 それからもう
一つ
今度の火事がございまして、そのために地元の負担能力が減っておるが、それに対して
対策
を考えておるかという御質問と思いますが、このために非常に地元で経済的に今後問題が起るだろうということは私
ども
も考えておるところでございますが、直接にその火事の結果この海
岸決壊
防止工事にどういう処置をとるかということは、実はまだ考えておりません。今後
大蔵省
との折衝におきまして、国の負担率をできるだけ大きくしたいという考えを持っておりますが、なおそれでもっても
資金
的にこの工事が順調に進むのがむずかしいということであれば、現在では
起債
その他財政的の国の協力によりまして、この工事が円滑に進めるように処置していきたいというふうに考えております。
小林孝平
103
○
小林孝平
君 そういうことではだめなんですよ。これはもう現実の問題として、従来でもこの負担に
相当
苦しみ、それでもうこれで現在この工事によって非常に因っている。だからそんなのんきなことを言ってもらっては困るので、もう直ちにこの
対策
を
一つ
考えてもらいたい。 それから所管の問題で
委員長
から
説明
があったのは、
運輸省
の力だけではだめだから、国土保全の立場から
建設省
も協力してこの予算をとり、そうして工事をやるべきである、こういう質問なんです。これは私も前から思っていたのです。これはやるのは
運輸省
が適当である、おっしゃった
通り
。これはこのために博士が三人も、
原因
については出ているけれ
ども
、
対策
はちっともはかどっていないのです。
幾ら
博士が出ても堤防の決壊は直らないのです。そこで
運輸省
はそういう研究をされたからいいけれ
ども
、これは逆にいえば
建設省
などはこんなに金をつぎ込んでもさっぱり能率の上らんような仕事はむしろ避けられていると思うのです。これは
運輸省
に押しつけられているのじゃないかと思う。だから
建設省
も進んで協力してやるようにしてもらわなければ困るということを
委員長
は言われているのです。そういう点を
一つ
考えてもらいたい。 もう
一つ
は、こういう世界的にも類もなく、大問題になっているのを一体運輸大臣はここに視察に行かれたことがあるのですか。あなたたちはそういうことを
——
その視察に行ってみても金を出さなければこれはだめですが、こういう大問題を一度も運輸大臣が行かないで、あなたたちが四割を五割にするなんと言ったってだめですよ。今後大臣にそこへ視察に行ってもらって、根本的な
対策
を立てる気持があるかないか、
一つ
お伺いいたします。
小柳牧衞
104
○小柳
牧衞
君 今の問題はいろいろお話しのあった
通り
、非常に緊急であり重大だと思うのです。今までの計画等は私は専門家でないからわかりませんけれ
ども
、専門的見地において
相当
検討を要する点もあるのではないかと思いまするし、予算
総額
等においてもこれじゃ足りないんじゃないかというような感じもするのであります。工事の性質に考えまして、これはどうしても国の力でやるのが本筋と思うのでありまして、そのために立法的の
措置
を講ずる必要があるならば、急速に御研究の上立法的
措置
を考えられて、そうしてこういうような特殊な工事、しかも国土保安の意味もあり、また先に行われた国の工事の影響もあるし、しかもこれが当面の財政の窮乏の
都市
に対する立場からいいましても必要であるということをお考えになって、至急その点を御研究、御実施あらんことを希望いたします。
坂本信雄
105
○
説明員
(
坂本
信雄君) 今の
直轄工事
のことにつきましては、いろいろ
関係
方面等もございますので、よく研究いたしまして考えてみたいと思います。 それから大臣のことでございますが、御意向をよく大臣にお伝えいたしたいと思います。
小笠原二三男
106
○
委員長
(
小笠原二三男
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小笠原二三男
107
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 速記を起して。
小柳牧衞
108
○小柳
牧衞
君
新潟
の
大火
につきまして
消防
の立場からの御
報告
に接したのであります。
新潟
市としまして
消防
施設
が十分でなかったという点を言われたのでありまして、この点については市当局においても十分考えなきゃならぬことと思うのでありますが、しかしこれは市民
一般
のまあただ説でありますけれ
ども
、
消防
の活動が自衛隊の活動等に比べまして非常になまぬるかったというようなことを言われるのであります。しかし
消防
の
関係者
は全力を注いでやったものと思うのであります。しかし近所に家庭を持っておるというような
関係
もありましょうし、いろいろの点においてそういうような見劣りがしたのではないかと思いまするけれどす、
消防
についてはもちろんいわゆる
消防
精神というものの鼓吹なり涵養なりやっておると思うのですが、どういうふうにそういうふうなことを考えられておるのか、その点について承わりたいのであります。
横山和夫
109
○
説明員
(
横山和夫
君) 何しろ御存じのように非常に
大火
でありますし、先ほど御
報告
申し上げましたように平均風速二十数メートル、最大風速は三十二、三メートルに及ぶような
強風下
の
火災
でありましたために、個々の
消防
活動自体につきましては、しさいに検討いたしますと、あるいは今小柳
委員
からおっしゃいましたようなことがあったかとも思うのでありますけれ
ども
、われわれが現在まで
調査
いたしましたり、あるいは
現地
からの
報告
に基いて承知いたしております限りにおきましては、大体におきまして
消防
としては全力をあげて十分に
火災戦闘
をいたしたと、このように承知いたしておるわけであります。ただ先ほ
ども
申し上げましたように、
消防
といたしましては、何と申しましても早く確知いたしませんと、かりにあのような特殊な
強風下
のような
状況
でなくても
大火
になるという危険性はあるのでありますが、われわれの方で推定いたしますところでは、出火いたしました時刻はおおむね午前二時五十五分くらいじゃないかと、このように
報告
を受けておるのでありますが、
消防
が確知いたしましたのは午前三時四分に一一九番によるいわゆる
火災
報知電話によって確知をいたしております。それから相前後、まあ前よりも後だと思いますが、少しおくれまして、一番近い距離にあります望楼はちょうど死角に入るために発火地点を見得ない
状況
にありまして、遠距離にありますところの望楼で確知いたして、第二線部隊を四台でありますが、直ちに
出動
させたというような
状況
に聞いておるのであります。このようにいたしまして現場に到着してみますと、すでに
火災
は裏側の方では屋根の上から火が吹き出しておるという
状況
でありますから、これをモルタル塗りでありますところの当該
建物
について想像いたしますと、おそらく内部におきましては火の手はずっと回っておって、そのあふりが外に出ておったという
状況
に想像されますので、そういたしますと
消防
的に見ますならば、また
火災
の確知は非常におそかったということにならざるを得ないと思います。そのような点も
火災戦闘
に非常にうまくいかなかったとこう思うのであります。
消防
精神涵養の問題でありますが、これは実は先ほど
報告
に申し漏らしましたけれ
ども
、
消防
署員が
新潟
市のものにおきまして七名軽傷者を出しております。さらに
消防
団員におきましては、
新潟
市のもので二十三名の軽傷者を出したという
報告
に接しております。なお応援の
消防
署員並びに団員の中に若干の
負傷者
を出しておるような
状況
でございまして、少くとも与えられた
状況
下においては最大限度に活動したのではないか、
消防
精神の問題についても遺憾なく戦うことは戦った、
火災戦闘
をしたのではないかと思っております。平素の涵養の
状況
は結局教養訓練の問題でありますが、私らの方で教養訓練の準則を示しております。それは精神訓練の面におきまして、あるいは直接の技術訓練の面におきましてそれぞれ準則を示し、県を通じ、あるいは市自体において、さらには
消防
団は
消防
団の立場において平素訓練をやり、さらに国の教養機関においてもそうした面からやるということで、一応はわれわれとしては現段階においてはやってはおるつもりなのでありますが、ただ冒頭に申し上げましたように、ああいう特殊現象下の
大火
でありますから、個々の活動自体につきましては、あるいは御指摘のような点がないとは言いかねますが、全体的に見まするならば、一応
消防
としては活動したのではないか。このように存じておるのであります。
小柳牧衞
110
○小柳
牧衞
君 十分この
消防
精神の涵養には格段の力を注いでいただきたいと思います。率直に申しますると、自衛隊については非常に皆感謝しております。
消防
についてはもう少し何しなきゃならぬというのが町の声であるように思いますから、一そう御努力を願いたいと思いますが、さらに付け加えてお聞きしたいのは
地方
から応援に来た
消防
隊がどうにも部署につくことがいろいろの
関係
上うまくいかなかったというようなことでありまするが、ほかから応援に来たところの
消防
隊の指導なり活動についてはどういうふうにされることになっているのでしょうか。
横山和夫
111
○
説明員
(
横山和夫
君) 初めの
消防
精神並び
消防
訓練の問題につきましては十分お説を体しまして、この上ともさらに一そう研さんするように指導いたしたいと思います。 応援部隊の
関係
は、現存の法規及びわれわれの指導訓練の下におきましては、これは一応
災害
発生いたしました当該市町村が全責任を負って消火に努めるのでありますが、規模その他によりましてそのようにも参りませんので、
消防
組織法では附近の市町村と応援に関して協定をいたしまして、応援要請に基いて
出動
いたしましたり、あるいは直接要請がなくとも協定下においては応援に出かけていく、さらに実際の問題としましては、必ずしも協定が結ばれていなくても
消防
精神にのっとって救助のために出かけていくというような
実情
になっております。そのような
状況
下における現場の指揮活動は結局
新潟
に例をとりますと、
新潟
市の
消防
の最高責任者が一切の
火災戦闘
における現場指揮をとるのであります。もっと具体的に申しますならば、
消防
組織法の定めるところによって、
消防
団は
消防
長または
消防
署長の所轄の下に行動するという規程が存続しておりますので、
新潟
市の
消防
長が現場における応援隊を含めた全体の最高の指揮権者である、応援に参りました
消防
団員もこの指揮下に入って定められた部署について、その上の活動はそれぞれひっさげて行った応援隊の直接の長が指揮をしてゆくというような統制下に活動するというのが現在の建前であります。なおさらに
消防
組織法の二十四条の二という規定があるのでありますが、これによりますと、非常に大規模な
災害
が発生した場合、法律では非常事態という言葉を使っておりますが、その非常事態下におきましては、都道
府県
知事も
災害
防御のために緊急の指示をなし得るという規定があるのでありまして、
状況
によっては直接知事が緊急の指示をいたすということもあり得るかと思います。
小柳牧衞
112
○小柳
牧衞
君 せっかく
地方
から応援に行きましても、どこに行っていいかわからぬというので、だいぶちゅうちょしておったというようなことを見もし、聞きもしておるのでありますから、そういう点につきましては、将来一そう御配慮いただきたいと思います。私の質問はこれで終ります。
小笠原二三男
113
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 私からもついでに伺いますが、ああいう
新潟大火
、ことに
台風
下の
大火
という問題は不幸な問題でありますけれ
ども
、一面貴重な体験だと思う。それで
消防
運用の面、あるいは消火器、器材の面、あるいは防火住宅としての住宅建設についての面、こういう点について
消防
本部として綿密な
調査
をせられ、反省の
資料
とし、そうして今後の
措置
を講ずるというふうな、そういうもとに
調査
が進められておるのですか。あれはあれきりでもう地元の
報告
を間きっ放しで、ああそうかということになっておるのですか。
横山和夫
114
○
説明員
(
横山和夫
君) お説の
通り
まあ一面から申しますと、まことに将来のために貴重な研究をすべき、また体験を与えられた機会でありますので、われわれの方も
災害
発生当日直ちに当面の
調査
のために係員を数名
派遣
したのでありますが、さらに今
委員長
の仰せのようにフェーン現象下における
台風
発生であり、必ずしもフェーン現象を伴わなくても、
台風
の発生下では平生の
消防力
、あるいは平生の
消防
戦術というものでは到底克服しきれないということを目の前に体験いたしましたので、すでに第二陣と申しますか、これは今仰せのような要請にこたえるべく技術陣を
派遣
すべく準備をいたしております。なおこれは
新潟
市の方におきましても単に
消防
関係
だけでなくて、他の科学技術者の参集を願って、総合的に検討を加えたいという御要望もあるようでありまして、そのために研究団の中にも私
ども
の研究所長以下技術者を
派遣
するようにいたしておりますので、そういう綿密なる
調査
に基いて、仰せのような特殊
状況
下の
災害
対策
については、われわれの分野から
一つ
の結論を得るように
一つ
十分に検討いたしたい、このように思い、今申し上げましたような
措置
をいたしておるのであります。
小笠原二三男
115
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 次に警備部長に伺いますが、出火の
原因
については確定したのでございますか。
山口喜雄
116
○
説明員
(
山口喜雄
君) 残念ながらまだ確定いたしておりません。
小笠原二三男
117
○
委員長
(
小笠原二三男
君) その際
消防
の鑑識の方の協力等も得ておるのでありますか。警察
関係
だけでやっているのですか。
山口喜雄
118
○
説明員
(
山口喜雄
君) 犯罪の容疑があればこれは警察でやりますが、火事の場合には
消防
の方と協力をいたしましてやっておるのであります。
小笠原二三男
119
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 中央からもそのための人が
派遣
されておりますか。
山口喜雄
120
○
説明員
(
山口喜雄
君) 即日警視正一人と、科学捜査研究所から技官二名
派遣
されております。
小笠原二三男
121
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 次に
大村理財課長
に伺いますが、先ほど聞くと、
都市
計画が一億一千万
程度
半額が国庫から出て、あとは県市の負担と、こういうことになるわけですが、その他公営住宅で県あるいは市の部分もあるでありましょう、地元の負担が大きい。これらは全部
起債
を充当するということになるわけでございますか。特別な援助をせられる向きがあるのでございますか。
大村襄治
122
○
説明員
(
大村
襄治
君) ただいまお尋ねのありました、
災害
復興のための部市計画の区画整理
事業
あるいは公営住宅の建設
事業
に伴いますところの
地方
団体
の負担額に対しては、大体全額を
起債
で財源
措置
いたしたいと考えております。特に
災害
復興のための住宅建設あたりは急を要するものでもありますので、現年債の予備費として
起債
の方の
ワク
も用意してありますので、それを活用することによりまして、万全の
措置
を講じたいと思っております。
小笠原二三男
123
○
委員長
(
小笠原二三男
君) それから県の方の
関係
でございますが、当面市が重点で、峠の部分としてはそう大したことがないようにも考えられるけれ
ども
、結局は県がめんどうを見なければならぬ、あるいは国が一々補助、助成をしない部分についても、県が負担しなければならない部分も多いと思うのですね。ところが
新潟
県では寒冷手当の支給もいまだ
——
あるいは月給の支給もできるかできないかということで具体的に
資金
繰りに困っておる。それにこういう
大火
の問題が起って、当面やっぱり
資金
上は非常に窮迫しておると思うのです。こういうことについて、この前の
委員会
において、再建債として一応予定せられておるものの
つなぎ融資
ということで希望をとっておるのだと言っておりますが、聞くところによると、
新潟
県は八億
程度
要求しておるという話ですが、これは他の
団体
とは違って速急に何らかそういうものがあればめんどうを見てやる必要がないかということを考えますが、特別なこういう点について迅速に事を運ぶということはどういうふうになっておるのですか。これは
牧野
資金
課長にも伺いたいと思います。
大村襄治
124
○
説明員
(
大村
襄治
君) 一応
自治庁
として、
新潟
県の財政
資金
についてとっております
措置
につきましてお話を申し上げたいと思います。
新潟
県の財政が非常に窮迫しておって、日常の給与の支払い等にも事欠いてきているという点はまことに御指摘の
通り
でありまして、この
新潟
市の
火災
が起る前におきましても、そういった点につきまして必要な
資金
措置
をなるべく早く講じたいと思いまして、この点は
大蔵省
とも共同で
調査
をしておった次第でございます。さらに
火災
によりまして、新たな財政需要が生じて参りまして、当面の責任者は市でございますが、御指摘の
通り
各
事業
費につきまして県の分担
関係
も出て参りますし、さらに国庫
補助事業
以外におきましても、県の支出すべき経費というものが生じて参りますことも十分予想されますので、さらにその
資金
繰りの苦しさというものが増強して参ることは必至だと思いますので、前からやりかけていましたことを一そうこの際早く実現したいと、かように考えております。
小笠原二三男
125
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 具体的には再建、復興の方は……。
牧野誠一
126
○
説明員
(
牧野
誠一君)
新潟
県の財政につきましては、最近の
火災
の問題以前にいろいろ問題があるわけでございます。これは御承知のことだと存じますが、ただいま二十九年度の末で二十数億円赤字を抱えておるというような状態にあるように聞いております。実は昨年、二十八年度の末で、九月末の出納閉鎖期に締めましたところ、たしか十二億くらいの赤があったはずでございます。その後この二十九年度においては赤字は累増させないから、むしろだんだんに健全化の方にいくというような県からのお話もございまして、私
ども
大蔵省
といたしましても数億円の
融通
を去年行なってきたわけであります。ところが何と申しますか、事志と反したか、よくはわかりませんが、とにかく一年たってみたら約千億の赤字がそれに追加されてふえておったという形に相なっておるわけであります。それでわれわれ
大蔵省
の
資金
運用部というものの仕事を預かっておりますこの
関係
としましても、郵便貯金の蓄積というようなものが
資金
源の大部分のものでございます。とういうようなものを三年に十億赤がふえる、これは赤のふえる
原因
についてはいろいろ意見が人によって違うし、議論もあるところだと思います。十億ふえるという異例なふえ方をいたしておるという所に引き続きこれを出していくかということになりますと、これは二の足を踏まざるを得ないということになりまして、ただいまのところ
新潟
県に対しまして、昭和三十年度四月からただいままでのところ実は短期
資金
の
融通
はいたしておらないという形になっておるわけでございます。それでそこへただいま
火災
あるいはそれに付随するいろんな問題が起きまして、県の方も非常に金繰りに窮しておる、それからまた県の方としても財政を立て直すためにいろんな努力をしているというようなお話もいろいろございまして、ただいまその
一般
的な金繰りについてどうしたらいいのかということで、われわれ部内でもいろいろこれは緊急に協議して決定せなければいかぬ問題だということで検討を続けている、非常に苦慮しているような次第でございます。それから
災害
の
関係
のものにつきましては、これは市と県とのいろんな金の区分というものはこれはまだ未確定な要素もございますが、
災害
のために
都市
計画をやり、
道路
、住宅建設をやるというような
関係
でいろいろ金の要る問題も起きると思いますが、これにつきましては、
国庫補助金
の決定などがかなりおくれるという分についてはこれは応急の
つなぎ資金
ということで出す、これはほかの
府県
と同様に、あるいはほかの市町村と同様に迅速に処理いたしたいというふうに考えているわけでございます。
小笠原二三男
127
○
委員長
(
小笠原二三男
君) そうしますと何と申しますか、財政再建の促進
措置
法ですか、あれによって一応つなぎとして出すということで各
府県
が財務当局へ要請している、
新潟
においても要請していると思うのですが、これらはこの
大火
等にかんがみて、特殊なめんどうをみてやるという段階には、
新潟
はなっておらないということでございますか。
牧野誠一
128
○
説明員
(
牧野
誠一君) ただいまのお話、ちょっと私
ども
の言葉が足りなかった点もあると思うのですが、財政再建
関係
の
政府資金
として百十億というようなものを実は投
融資
計画、それに基きます
地方
債計画というものを計上しておるわけでございます。これは法案が継続審査となっている
関係
上、ほかの方に流用しないで全額留保するというようなことで今
措置
しておりますが、これは短期
融通
の問題とは実は
関係
がございません。短期
融通
は短期
融通
といたしまして、そのための本年度ふえる
資金
でどうするというような計画というものは実はないわけでございます。それは戦前におきましては
資金
運用部、もと預金部と申しましたが、その
資金
を短期と長期に分けて
融通
の計画をきめておったということはあるわけでございます。戦後は、長期
資金
の
融通
だけを計画として決定しておるという形でございます。それで
資金
運用部といたしましても、
地方
債のほかにも開発銀行、電源開発、
中小企業金融公庫
、その他の公庫類とか、あるいは国鉄とか、いろいろございますんで、それに
融通
する量を本年度なら本年度千数百億ときめますと、これは長期
資金
として
融通
するようきめるわけでございますが、これにつきまして、郵便貯金のふえていく時期と、それから長期
資金
として出る時期との間に若干のズレがございます。その間に日本銀行の余裕金というような形で
資金
運用部の
資金
が浮くという分を、これは
地方
団体
に対してだけ短期
融通
という形で、年度内の財政調整
資金
ということで、食糧証券のような形で
融通
しておるという形でございます。これは
郵政省関係
の簡易保険の方も同様だと存じます。これを何億やるかというようなことは、
資金
繰りの
関係
で、ただいまのように郵便貯金がふえないと非常に窮屈になるというふうになりますし、郵便貯金のふえ方が多いときは割合に楽になるという
状況
になるわけでございます。時期的な問題で、
融通
計画自体には
関係
はない問題だと存じます。
小笠原二三男
129
○
委員長
(
小笠原二三男
君) この前の
委員会
で、
理財局長
あるいは
自治庁
の長官を呼んで、あの百十億というものを財調
資金
に使うようなことをしなければ、今の
資金
繰りという問題とからんで困るんじゃないかということで、他の問題もあって質問した際に、
地方
財務局に対してどういう指示を与えておるかということを局長が御
説明
になった際に、財調
資金
としてこれを使うんだ、それならそれは将来の結局長期債に変るんだから、そうならば
地方
財政法違反でないだろうというような問題等で論議された。それは今各県の希望をとりまとめ中である、至急金は出すんだという話があったわけなんです。従って、その財調
資金
として使わるべき部分を事務的に分けているというものが、
新潟
県においてはああいう
大火
等の問題で、もともと困っておるものが当面また困ってくる。だから別途至急出せるという方法を講じてもらえるのか、もらえないのか、こういうことを尋ねておる。
西郷吉之助
130
○
西郷吉之助
君
委員長
が今の
資金
課長の
説明
に対して質問された
通り
、今の
資金
課長の答弁を聞きますと、先月二十三日の
大蔵省
理財局長
の言明とは全然違います。こういうでたらめなことを言ってもらっては困る。これは上席の
理財局長
なり
自治庁
長官が
説明
して、われわれは納得がいった。今
委員長
が言った
通り
疑点をただしたが、もし再建整備法案が議会を通らぬときには、そのときに法的
措置
をとるという
理財局長
の言明と、今の
資金
課長の話とは全然違う。そういうのでは困るので、そういう点は、
委員長
に希望しておきますが、明日の
委員会
の劈頭、今の
資金
課長の
説明
と食い違っている点を
大蔵省
の責任者を呼んできて、はっきりさしてもらいたい。
牧野誠一
131
○
説明員
(
牧野
誠一君) その金自体がしるしがついていない
関係
上、これがあれだというようなことはちょっと言えない問題があるわけでございまして、ただ
融通
計画としては、長期債の
融通
計画だけしかきめていない。それで短期
融通
はそのときだけの
資金
繰りの範囲内で、可能な範囲において
融通
するということを申し上げたわけでございますが、御議論をいろいろ私も一緒に伺っておりまして、それは
地方
財政の窮迫に対して
融通
される
資金
というものを、これの中に本質上短期
資金
として
融通
を形式はしているが、実体的には長期
資金
的なものがあるじゃないか、そういうようなものをどうするかというお話に対しまして、これは
地方
財政再建整備法案が近い機会に成立をすれば、それによって長期債に振りかえることを考えておる、それからさらに、そういう法案が成立しなかったような場合、その場合これを長期
資金
に振りかえようとすると、赤字の転がしとか、あるいは退職手当に関する
資金
というようなものを
地方
債として長期債とすることは現行法でできませんので、そういうような場合に新らしい立法が必要であろうというような
理財局長
からのお話である、そういう意味だと私申し上げたわけであります。
小笠原二三男
132
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 私の理解したところでは、百十億の行政整理退職金を含む再建債そのものの内訳として、どれだけが当面
融資
されるかはわからないが、財調
資金
として、この法案が通らない過程において困っておる赤字
団体
にこれを利用させたい、そのための通牒を出しておる、その通牒の内容等で論議があった。そして将来この法律ができないという場合には
地方
財政法違反になる、長期債になるから、その場合には特別な立法をしてでもやるのだ、こういうことであの再建債の、どの
程度
までかはわからないのですが、希望をとってみた上で、どうしても当面必要であるというものは出してやるのだというふうにわれわれは理解しているのです、財調
資金
として出してやるのだというふうに。それが今課長が言われているのは全然別だ。何も再建債とか何とかいうことでなくて、短期の財調
資金
としての
資金
繰りはそのつどつど適宜にやることであって、その金を使っていいとか何とかいうことはきまっていない、それは全部保留している、こういうことではずいぶん話の理解の仕方が別ですが。速記をとめて。 〔速記中止〕
小笠原二三男
133
○
委員長
(
小笠原二三男
君) 速記を始めて。 それでは本日はこの
程度
にいたしまして、また
現地
調査
をした結果を見て、必要があれば
災害関係
の
調査
を進めます。 散会いたします。 午後二時十六分散会