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1955-10-11 第22回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十月十一日(火曜日)    午前十一時十九分開会     —————————————   委員の異動 八月二十六日委員中川幸平辞任につ き、その補欠として深川タマエ君を議 長において指名した。 九月二十九日委員菊川孝夫君及び森崎 隆君辞任につき、その補欠として中田 吉雄君及び若木勝藏君を議長において 指名した。 本日委員若木勝藏辞任につき、その 補欠として森崎隆君を議長において指 名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長    小笠原二三男君    理事            伊能 芳雄君            伊能繁次郎君            小林 武治君            森下 政一君    委員            小幡 治和君            西郷吉之助君            高橋進太郎君            安井  謙君            岸  良一君            島村 軍次君            秋山 長造君            中田 吉雄君            森崎  隆君            小柳 牧衞君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       相原 桂次君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○委員会運営に関する件 ○委員派遣に関する件 ○派遣委員報告     —————————————
  2. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では委員会を開会いたします。  理事辞任及び補欠互選の件についてお諮りいたします。理事石村幸作君より、海外旅行のため理事辞任いたしたい旨のお申し出がございました。石村君の辞任を許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。  次に、理事補欠互選についてお諮りいたします。互選は投票によらないで、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 御異議ないと認めます。よって理事伊能繁次郎君を指名いたします。     —————————————
  5. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 次に、昨日建設、農林、社労地方行政常任委員長懇談会が行われまして、台風二十二号、二十三号による災害現地調査を行うこととなりました。その方法といたしましては、関係常任委員会委員派遣がたまたま日程を一にして行を共にする、こういう計画だそうであります。それで一班は高知、愛媛、山口として八日間、二班は大分、宮崎、鹿児島三県といたしまして八日間と計画がきまり、十月十八日に出発する予定だそうであります。それで先ほど懇談会でお諮りいたしましたように、二班すなわち四国班に対しましては、当委員会から伊能理事、一班九州方面には緑風会館委員、もし都合が悪ければ小林理事がこれに当る、こういうことで委員派遣調査のためにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ではさよう決定いたします。     —————————————
  7. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 次に、同じ災害の件でありますが、新潟市の大火による災害現地派遣の問題ですが、これまた社労建設の両委員会から委員派遣をしたいという意向のようであります。当委員会としましても、地方財政の幾多の問題をかかえておりますので、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ではさよう決定いたしまして、やはり関係委員会からそれぞれ御一緒に出かけて行くという都合から、一名の委員派遣をお願いいたしたいと存じます。一応これにつきましては、自由党の安井議君にお願いしたいと存じますが、さよう決定しておいて、自後また変更のあるときには、委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ではそのように決定いたします。     —————————————
  10. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それから今回の委員会日程について、先ほど懇談せられました点について申し上げておきます。まず明十二日は、台風二十二号、二十三号による災害に対しての政府措置を聞き、立法上、財政各般調査を進めたいと存じます。  次に十三も十四日は自治庁の三十一年度地方財政計画並び大蔵省財政懇談会に示しました地方財政資料、あるいは地方制度委員会における現在の地方財政対策進捗状況、これらの御説明政府側よりいただき、先般の委員会に引き続いて現下の地方財政問題を調査したいと存じます。十四日の午後には伊能委員より申し出のありました、バスの関係の懸案になっておるものについて関係当局から事情説明を求めたいと存じます。十四日、あるいは十五日、これらは小林理事から申し出のあります湯河原、熱海の泉地問題等もありますので、合併町村新建設計面資料自治庁から示すことになっておりますので、これらにあわして町村合併によるものの助成についてもいかがするか、議事を進めたいと存じます。大体以上の日程で今回の委員会運営をすることにいたします。     —————————————
  11. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それではただいまより先般の委員派遣による調査の御報告を願いたいと存じます。
  12. 小林武治

    小林武治君 私は小柳委員とともに愛媛香川徳島の二県下における地方行政実情、特に財政を重点として調査したのでありまするが、これらの結果につきましての詳細は書類をもって御報告を申し上げまするので、さよう御了承をいただきまして、右につきまして二、三の視察の結果についての感想一つ申し上げておきたいと存じます。  大体のところ、これらの三県の中で愛媛県並びに徳島県が赤字県であります。また香川県は多少の黒字を出しておる、こういうふうになっております。すなわち愛媛県は約二十九年度においては五億数千万円の赤字が出る見込みであります。香川県は二十七年度は一億数千万円、また二十八年度におきましては七、八千万円、さらに二十九年度においてもなお千万円足らず黒字が出る、こういう状態になっております。次に徳島県は、私ども見ましても多少これは放漫にわたっておるのではないかというふうな感じを持つのでありまして、大体人口が八十万、そこへ予算が約九十億足らず、そこのところに現在県債が五十三億円ある。また二十九年度赤字が約十七億余になる、こういう状態でありまして、私はこれは全国でもまれな赤字県と申しまするか、多少私は財政運営についての欠陥があると、すなわち年度初めに県当局がすでに承知の上で水増し予算・あるいは俗に言うから予算を組んでおる、こういう状態でありまして、これらの県の今後につきましては、自治庁等におきましても特別の配慮をしなければなるまい、こういうふうに考えております。また地方市等においてもそれぞれ大ていの市が赤字をかかえておりますが、中でも鳴門市というような市の予算が年間二億余円に過ぎないのに赤字が二億円もある。しかもこれらの赤字についての資金のやりくりのために地方銀行から一億円借りている。またその土地の信用金庫から三千三百万円も借り入れをしておる。こういう自治団体赤字がその土地商業資本と申しまするか、中小企業に対する貸出を非常に圧迫しておる一つの例である。こういうことでありまして、全国的にも申されるのでありまするが、地方団体赤字が結局において地方商業資本、あるいは中小企業に対する融資を非常に大きく圧迫しておる、こういう事実は見のがすことができない。こういうふうに考えられるのでありまして、それにつけてもこれらの赤字のたな上げということはなるべく早くにしなければ、地方産業経済にも非常な大きな影響がさらに出てくるということの感を深くしたのであります。  なおそのほかの一般問題でありまするが、合併問題、町村合併問題につきましては、どこの県でも大体順調に進んでおる。ただ四国には飛び島が非常に多い。これらの合併についてはある程度の苦労をしておるし、またこれらについては格段の注意をしてやることが必要である、こういうふうに思うのであります。しかも合併町村育成ということにつきましては、先般もこの席で申したのでありまするが、これらの三県を通じまして、ほとんど政府育成手段を講じておらない。これらについての特別手段をぜひ講じてほしいということでありまして、われわれもこれに同感の意を表しておるものであります。また課税問題につきまして、先般申し上げましたが、住民税の課税につきましては、所得割によるものがもう少し地方自主性を持たせるため、すなわち弾力性を持たせるために何らか見立割というふうな方法が加味できないものかということが地方における大きな希望であるのでありまして、これらについても税務当局において何らかの考慮を払う必要がある、こういうふうに考えておるものであります。  次は警察に対する寄付金廃止の問題でありまするが、これは形式的には大体結果が現われており、また市町村等においては非常にこれを歓迎しておるのでありまするが、これに対しまして、一方警察本部側ではやはり現在の予算ではやれない。どうしても寄付金廃止のためには何がしかの追加予算を必要としておる。すなわち金額にしますれば、愛媛県でも五千万円程度、あるいは香川県は四千万円、徳島県は千五百万円程度の本年度追加予算をしてもらわなければ警察運営はできない、こういうふうに言われておるのであります。この点につきましては、先般寄付廃止の際に警察庁当局は大体現在予算でやれるというふうな言明をいたしておるのでありまするが、地方実情では、寄付廃止に伴ってどうしても若干の追加予算が必要であるということを強く言うておるのでありまするから、これについては一つ警察庁当局注意を喚起しておきたい、こういうふうに思っておるのであります。  なお一つ問題があったのであります。それは最近におきまして大蔵省から地方通牒を出して、地方起債を認めるに当っては、その地方における郵便貯金増加程度をしんしゃくして起債を認める、こういうふうな通牒が出ておったのでありまするが、このため地方農業協同組合等貯金が非常に伸びが悪くなっておる。町村等農協貯金というものに、相当公共団体運営には関係を持っておるのであるが、かような措置は非常に因る、こういうふうなことが言われておったのでありまするが、これも私はある程度さような事実があろうと、こういうふうに思いまするので、地方起債郵便貯金伸びのいかんによるというふうな方法はどうかと思いまするので、これらの点についても一つ大蔵省注意を喚起しておきたい、こういうふうに思うのであります。  なおもう一つ特異な現象としましては、徳島県が吉野川、あるいは離島の関係で非常に渡し舟が多い。ところがこれらの経費については自治庁当局交付税対象として経理をしておらない、こういうふうなことが言われたのでありまするが特殊事情についてはやはり自治庁当局も十分な考慮を払うべきものである、かように考えたのでございます。  それからもう一つ、これは自治法改正関係するのでありまするが、今自治団体でもって地方議会が県の事務執行、すなわち理事者職務の中に入り込んでいる形跡が相当多い、こういうようなことでありまするが、これにつきましても、現在の自治法では、たとえば県の金庫をきめるような場合、あるいは一定金額以上の請負契約をするような場合には県会の承認を得る、こういうふうな事項があるのであるが、こういういわゆる執行面にかかわるようなことが、法律でもって議会職務にされておることはどうか、こういうふうな意見も方々で聞かれたのであるが、これらも私どもとしては再考する余地がないかというふうなことを考えたのであります。  以上私の感想の二、三を申し上げたのでありますが、冒頭に申し上げましたように、詳細の事情書面報告によって御了承願うことにいたしまして、私の口頭報告はこの程度にいたしたいと存じます。
  13. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ただいまの報告質問ございませんか。
  14. 中田吉雄

    中田吉雄君 詳細は報告書によるとしまして、徳島に非常な赤字があって、放漫財政の代表的なものと言われたのですが、おもに赤字になったのは何ですか。積極的に単県事業でもやったのですか。
  15. 小林武治

    小林武治君 要するに徳島の問題は、自分の歳入というものをあまり考えないで仕事をやり過ぎた、こういうようなことが大きな原因ではないかと思っております。
  16. 中田吉雄

    中田吉雄君 その仕事のおもなものはどういうものですか。
  17. 相原桂次

    調査員相原桂次君) 御承知のように年々災害をこうむっておるところでございますので、公共事業的な事業を非常に過大に執行しておるのがおもなる原因でございます。今小林さんのおっしゃった通りでございます。
  18. 中田吉雄

    中田吉雄君 香川県がこの財政難の中で黒字を出しておるというのは注目すべきことだと思うのですが、これはどうなんですか。給与なんかをしめているのでしょうか。公共事業なんかを非常に押えているのでしょうか。そういう辺はどうなんでしょうか。
  19. 小林武治

    小林武治君 これは私は県の当局が比較的健全財政ということに注意をして、相当いろいろの点に気をつけてやってきたと、こういうことが言われるのでありますが、給与等においては他にそう劣っているというような状況には見受けられません。一番大きな原因は、要するに香川県の事情農業県である。従って昭和二十五、六年度のいわゆる朝鮮ブーム影響がなかった。こういうことが大きな原因と言われているのであります。それにつきまして、愛媛県等が最近になってこういう赤字を出したのは、税収入が、愛媛県は工場が非常に多い。そのために二十五年、二十六年の税収入が非常に多かったのを、その税収入減収についての見通しを誤まって、そうして二十七年、二十八年においても同じような歳入見積りをして、そうして歳出を組んだ、こういうことが大きな原因のように考えております。   〔委員長退席理事伊能芳雄君着   席〕
  20. 伊能芳雄

    理事伊能芳雄君) 第二班の報告小笠原君から。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 第二班の派遣について御報告申し上げます。  第二班は高橋委員及び私の両名によりまして、去る八月三十一日より一週間にわたり、新潟石川の両県に参りまして、地方公共団体財政状況町村合併促進状況並びに地方税制度警察、消防その他地方行政上の諸問題について調査を行なったのでございます。調査の詳細につきましては、後刻提出いたします報告書によりましてごらんを願うこととして、当面の問題に関係ある事項につきまして、一、二簡単に概略を御報告いたしたいと存じます。  まず地方財政の問題でございますが、新潟県につきましては、各位もすでに御承知のごとく、一例をあげますれば、先般の夏季手当もいまだ半額が未支給でございますし、また例年八月上旬に支給される寒冷地手当支給見通しがつかないといったような窮迫した財政状況に陥っておる現状でございます。本県は、昭和二十五年以来累年赤字増加いたして参り、昨年度末におきましては、二十四億の赤字を見、さらに本年度予算におきましても十二億の赤字が見込まれ、総計三十六億の赤字が予想されておる次第でございます。県当局といたしましては、これが打開策として財政再建長期計画を立て、またとりあえず本年度分十二億の赤字解消策として地方事務所を統合し、三支庁とする等の機構改革、また職員昇給期間の五割延伸措置人員整理による人件費の削減、県有財産の処分、単独事業の中止等々の措置により、とにかく約六億の赤字解消をもくろんでおります。さらに残余の六億につきましては、さしあたっては交付税率引き上げを期待いたし、もしこれが二五%になりますれば、約四億五千万円の交付金が得られますが、これによって打開をはかりたい。また過年度分の二十四億の赤字につきましては、再建促進特別措置法が成立いたしますれば、これによって解消に努力するほかはないということでございました。  本県の過去の赤字原因及び本年度赤字内容につきましては、県当局より詳細説明を聴取いたし、調査をいたしてみたのでございますが、結論的に申し上げますれば、昭和二十五年のシャゥプ勧告以来自主財源がきわめて乏しく、財政状況が逐次困難となって参ったにもかかわらず、本県地理的条件からくるところの後進性を脱却するため、その財政能力に不つり合いな各般事業を行なって参りましたことと相まって、国の地方財政計画に基く基準財政需要額見積りが実際必要額より過少であったきらいがあったことに赤字の大きな原因があるのではないかと考えられた次第でございます。  次に石川県におきましても、昭和二十五年決算において約五億の赤字を見、これが圧縮に努めた結果、なお昨年度決算において約二億七千万円余の赤字となっておるのでございます。また本年度におきましても、従来に引き続き財政緊縮政策を堅持いたしまするのにかかわらず、約一億の赤字が予想される状態でございます。これがため本年度人件費の節減をはかり、職員定期昇給の五カ月延伸措置等計画いたさざるを得ない現状であるとの県当局説明でございました。本県におきましても、基準財政需要額見積り過少警察費土木費厚生労働費等各般の費目にわたっておりまして、これが赤字の大きな要素となっておりますことはいなめない事実でございます。特に新潟県、石川県ともに警察費については相当大幅な県の持ち出し分があるのでございます。しかし石川県の実情新潟県とは異り、かりに本年度において交付税率の二五%の引き上げ実施されますと、約二億程度交付金増額が可能となりますが、そうなれば一応赤字も縮小され、流通の幅も出て参る見通しでございます。  両県を通じまして、赤字克服手段として人件費がその対象とされ種々問題を惹起しておりますことは、これは県当局において人件費が単に予算上比較的大きな割合を占めている経費である点に着目いたした消極的方策と申すべく、もっと積極的に県財政の全般の再検討を行なった上で財政再建の方途を講ずべきではないかと考えられますとともに、一方政府においても、かかる事態を一刻も早く解消すべく、強力な財政援助措置をとるべきであると感じた次第でございます。  次に両県下市町村財政状況で、ございますが、本件につきましては、県当局市町村代表より説明を聴取いたし、また四カ所の市において実情調査を行なったのでございます。新潟県におきましては、十九市中十六市が、また百六十一町村中約半数が、それぞれ二十九度において合計約一億円の赤字を出しております。また、石川県におきましても、市につきましては五市中三市が、七十七町村中その半数が約一億四千万円の赤字を出しております。これらの赤字原因といたしましても、やはり基準財政需要額が実際額を下回っておる点もありますが、一方県財政圧縮によるしわ寄せ、町村合併に伴う建設計画実施のための経費増加等といったことも大きな要素となっておる状態でございます。  次に、今回の地方税改正に伴う問題でございますが、改正によりまして、新潟県におきましては、本年度約七千五百万円の減収石川県におきましては、約二千五百万円の減収見込みとのことでございました。特に新潟県におきましては、遊興飲食税改正に伴い、平年度約一億円の減収となる見込みであり、また公船領収証制度実施に伴う徴税費が約二千万円増加されることとなり、この面の国の補助を要望しておりました。なお、地方税改正に関しましては、関係当局各種業界代表より種々意見を開いて参ったのでございますが、この点は報告書に譲りたいと存じます。  次に地方財政再建促進特別措置法案につきましては、本法のみによって地方財政赤字が克服されるものではないとの意見はすでに申し上げたところでございますが、その他中央の監督権限の緩和、再建債増額及び全額政府出資による引き受け、無利子長期債といった要望が熾烈でございました。また、赤字合併市町村の場合は、再建計画によって新町村建設事業が抑制され、町村合併の目的が失われるおそれがないよう再建期間延伸措置を講ぜられたいとの要望がございました。  以上のほか、町村合併警察関係等につきましても調査を行なって参りましたが、これらも便宜報告書によってごらん願いたいと存じます。以上で報告を終ります。
  22. 伊能芳雄

    理事伊能芳雄君) 御質問でも……。
  23. 中田吉雄

    中田吉雄君 新潟県の赤字ですが、後進性を取り戻すためにいろいろの仕事をしたことが原因のような御報告でしたが、やはりそれは調査の結果どうなんでしょう。あとあとやはり県のいろいろななんで戻ってくるような、ただ総花的にと言いますが、ここでは赤字だが、将来回収と言いますか、戻るというふうに見ていいんでしょうか。それともう一つは、延伸をどこでもやっているのですが、これは自発的にやっているのでしょうか、何か自治庁がサゼスチョンでもやっているのでしょうか。全国的に三カ月とか五カ月でやっているのですか、そういうことについては何も見受けられませんでしたか。
  24. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 それは私から。あれですね、新潟が二十四億の赤字、まあ主としてはこれは今の北村君の前のあれじゃないですかな。大きな原因は二十九年度に約九億ぐらいの平衡交付金見積り増をしたのですね。そうしてまあ大体ある意味から言えば濫費した、こういうことなんです。それからもう一つは、福島県との関係もあって、電気県営電気でやって、約三十億円ぐらい注ぎ込んでおるのですね。もちろん大部分は起債ですけれども、人件費もそれにつぎ込んでいる、こういったようなことが重なり合って大体あの程度のものができたのじゃないかと思うのですが、ただ新潟県の場合は、そういうような半面において将来の県営電気収入とか、あるいは場合によってはそれを売却することによってそれを幾分かは返せるというような問題もあり、それから何といっても人口が二百万以上多いのですから、全体の財政規模が今のお話しの愛媛県なりあるいは徳島県とは本質的に違うと思うのです。従ってこれはやりようによってはそういう本質的な赤とも言えないのじゃないか、そこいらがあると思います。それから今の昇給や何かをやっているという点は、これは全国的な問題じゃないのですけれども、やはりあれなんでしょうね、私の想像ではやはり赤字の出た所でどうしても大蔵省から短期融資を借りますね、そのときに昇給なりあれを野放しではというようなことで若干そういうサジェスチョンもあったのじゃないかと思います。指令その他ではっきり出たという書面はなかったですね。   〔理事伊能芳雄退席委員長着席〕  それからもう一つちょっと新潟県の違うところは、ほかの所では昇給や何かを切り捨てなんですね、ところがあそこじゃ一応借りておく、将来よくなったら返すのだとこういう形でやっているので、その点はむしろほかの県よりはまあ……
  25. 中田吉雄

    中田吉雄君 再建法継続審査になったときに、当委員会としては、再建法に該当する団体が非常に困るだろう、調整資金ですね、十分の配慮をするようにといったのです。新潟なんかはやはり出しているのでしょうか、小林さんが言われたように、地元銀行、信連その他からやっているのでしょうか、その辺はどうなんでしょうか。
  26. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 それは短期融資としては若干出しているのじゃないのですか。それからもう一つは、北村君に聞くと簡易保険や何かから、それから農協から若干借りておる、こういうようなことでしたね。ですから大っぴらにあの再建整備法を前提にした金としての形では来ていない、こういうことでしたね。
  27. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) その点は委員長からもお答えしますが、最近新潟県知事に会って聞いてみたところ、先般の委員会で材政再建の方のあの金をどう融資しているかという問題がありましたが、それを尋ねてみましたら、今各県が金額要望しておる段階であって、まだそれの決定を見ないが、新潟県としては八億願っておる、そして大体五億願えればこの急場が切り抜けられる、こういうことでありました。
  28. 小林武治

    小林武治君 私の視察したところでは、愛媛県は過般二百数十名の整理と申しますか、希望退職ですか、こういうものを一応済ました。それから徳島県はさようの提案をしたところが、反対があって知事が取り下げた、こういうことになっておりますが、その向きのことは新潟県はどういうふうになっておりますか。
  29. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 新潟県もそういうことを考えて職員組合の方と折衝しておったようでありますが、調査後最近聞いてみますと、新潟大火その他の問題があって最終的な結論を得ないでおるが、十二月県会あたりに問題を提起する、こういうような話でありました。それから石川県の方もまた同様希望退職、人員整理と申しますか、それを一部やるということでありました。
  30. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 新潟県の二十九年度年度はどれくらいの赤字でしたか。
  31. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 二十九年度は二十四億のうち約十億ぐらいでしたかな。
  32. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 九億か十億……。
  33. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 実は昨年の九月ほかの用務であそこへ行ったときに、県庁へ寄って、当時やはり二十億近い赤字を出しておった。それでどうするんだと言うと、副知事が一名いなくて一名だけ出てきて、財政課長がもっぱら計画しておるところで、ぜひその線でやっていきたいということで財政課長の説明を聞いてくれというので、財政課長の説明を聞いたら、五年間で二十億近い赤字解消するという非常にりっぱな計画だったんです。で今のお話のように後進性を取り戻すために事業をやり過ぎた、そのために赤字が出たんだが、今後五カ年間にりっぱに赤字解消をやるので、そのためには教員、一般職員を通じて三年間に教員の方を千人でしたか、それから一般職員を四、五百人ほど逐次三年計画で縮減をはかってゆく、そうして五年間にはとにかくこの赤字を取り戻すというりっぱな計画だったんです。で二十九年度は第一年度であったのがすでに相当赤字を出してしまった、五カ年計画の第一年度赤字解消に出発するんじゃなくて、むしろ赤字をプラスしてきた、こういうふうに見ていいわけですね。
  34. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 その当時の財政課長というのは今秘書課長をしているんだな、で私は聞いたわけですよ。一体上の方は上の方として事務当局としてこんなのはもう少し計画性がなかったのかと言ったんだけれども、どうもやはり事務当局だけのあれじゃない、上の方の政治的なあれもあって、どうしても——と言って言葉を濁しておったが、まあ去年知事選挙もあったし、あなたに話した当時のようにはすぐ切りかえるということはできなかった。そうして一番大きな原因は二十九年度当初において八億だか九億の歳入過大見積りというか、平衡交付金が来るものという前提で——あれを国会が補正予算でも組んで平衡交付金が来るだろうからという前提のもとで組んだやつが、年度の途中からそんなのは来ないということがわかってやることができなかったんじゃないかと思いますね。
  35. 小林武治

    小林武治君 もう一つお聞きしたいんですが、新潟県の県営電気といいますか、これはどのくらいの規模のものなんですか。
  36. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 これは大体今かけているのが三十億近いですね。そうして第一期工事が現在までできているのは二万八千キロでしたかな、私の聞いたのでは、第二次工事まで入れて約五万キロの電気だと言っていた。
  37. 小林武治

    小林武治君 それにつきまして、主として起債で扱っているんですが、実は徳島県が同様な県営電気をやって八十一倍の予算県営電気をやっておる。そうしてそれが全部公営企業の起債によっておる。で徳島県が今言うように十七億も赤字が出るというのに資金繰りについては割合に苦しんでおらぬ、非常に不思議だと、こういうんですね、県営電気の方はとにかく多少支払いをおくらしておる。それに何か資金繰りの妙があるんじゃないか、こういうことを言っておりましたが、新潟県の方もそっちの金を多少でも利用しておるというような様子がないものかということなんです。
  38. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 むしろ新潟県の場合は本予算から若干積み立てして、起債のほかに——、それと徳島の場合どうですか。新潟の場合はやはり発電条件がよくて非常に建設コストが割安だというのであれは県営にいったので、計画としてはそれが完成して今に出るころになると、相当それの関係の収支はそう問題になるほどでもなかったようですが。
  39. 小林武治

    小林武治君 今の問題、私は地方の県営事業として非常に考えなければならぬと思うのですが、徳島県の県営電気は来年度完成する。しかも最初から三、四年は赤字経常になる、こういうことを言うておる。赤字をしょい込むために県営をやっておるというふうな関係にわれわれはみてきたわけです。これらについては将来こういうふうな県営事業については相当考えなければならぬ。また徳島県自体でも今の知事は最初からこう赤字じゃたまらぬ、何とか県営電気の経営方法、あるいはその他どういうふうにするかということについて再検討しなければならぬ、こういうことを言うておりますが、要するに公営企業というものが赤字を出す傾向のものがしばしばある。こういうことについては政府当局の方は考えなければならぬ、こういうふうに思っておりますが。
  40. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 それで私はざっくばらんに、北村君にはどうせ今の電気じゃ自分で配電したり何かして売電などできないのですから、そういう意味から言えば、むしろ東北配電等に売って、そうして幾らかでも赤字の足しにでもしたらどうかという話をしてみた。北村君自身はそういうことも将来考えてみたい、しかし何せいあれはおそらくあれなんでしょう、新潟県とすれば、只見川を中心として福島県との関係もあって、そこいらの関係でやはりコストも安いというので県営でいったのでしょうが、そこは将来今の小林さんの御指摘になったような線で問題を考えてみたい、こう言っておりましたね。
  41. 中田吉雄

    中田吉雄君 これは小林君、県営発電が採算とれるのは、通産省がやはり売電の単価を非常に低くきめることが——ですから業者としては、電気を買うところとしては自家発電をやるよりか、公共事業でやらして安い単価で買うのでこれくらい会社としては有利なことはない。問題は通産省が大口消費者の立場に立って県官発電あるいは小水力発電と業者とのあっせんの基本的な立場で、ですからこの財政難のときに起債で借りて発電して安い単価で売る、会社もこれくらいいいことはないのです。そこらが非常に大きな問題ですがね。しかし鳥取県でやっておるのはそれでも採算が合っておりますね。私調べてみますと、二千キロの県営発電ですけれども、それはやはり元利償還しても一般会計にかなり繰り入れられる。ちょっと私から見ると、新潟徳島で初めから赤字というのはどうもおかしいと思う。
  42. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 いや建設中だから赤字ということはあり得ない。あり得ないが、もう一つあなたの言う通り、その電気を今の電気会社へ売るにしても生産費で制限を食っておる。それだからそこの利益というものが出ないで……
  43. 中田吉雄

    中田吉雄君 原価主義でとにかく幾ら投じたかという、それをペイするだけの売電単価を通産省できめるのですよ。
  44. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 だからそこに問題がある。
  45. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ちょっと速記とめて。    午後零時五分速記中止      —————・—————    午後零時二十九分速記開始
  46. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君)速記を始めて下さい。  本日はこの程度で散会いたします。次回は明十二日午前十時より開会いたします。    午後零時三十分散会      —————・—————