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1955-05-24 第22回国会 参議院 地方行政委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月二十四日(火曜日)    午前十一時六分開会   —————————————   委員の異動 五月二十三日委員西田隆男君辞任につ き、その補欠として苫米地義三君を議 長において指名した。   —————————————   出席者は左の通り。    委員長    小笠原二三男君    理事            伊能 芳雄君            小林 武治君            森下 政一君    委員            伊能繁次郎君            西郷吉之助君            高橋進太郎君            安井  謙君            岸  良一君            島村 軍次君            秋山 長造君            中田 吉雄君            赤松 常子君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    自治政務次官  永田 亮一君    自治庁行政部長 小林与三次君    自治庁財政部長 後藤  博君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    自治庁選挙部管    理課長     桜沢東兵衛君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方行政改革に関する調査の件  (今次の地方選挙における選挙関係  法律実施状況に関する件)  (町村合併促進に関する件)   —————————————
  2. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では、本日の委員会を開きます。  まず、地方行政改革に関する調査につきまして、前回今次の地方選挙における選挙関係法律実施状況に関する件について調査したのでございまするが、四月十九日官報資料掲載地方選挙について、秋山君その他からいろいろな質疑が展開されまして、川島自治庁長官は、調査の上答弁するということで留保せられております。従ってその問題を最初に取り上げたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では、その問題について政府側答弁を求めますが、本日御出席自治庁関係の方は川島自治庁長官小林行政部長説明員として降矢選挙課長桜沢管理課長がお見えになっております。
  4. 中田吉雄

    中田吉雄君 小林部長がおいでになっておりますが、これは選挙部長の職務をかねての意味ですか。何か外遊されたのですか。話を聞いておりますか。
  5. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 委員長からお答えしますが、選挙部長はイギリスへ行っているので、小林行政部長事務取扱いをなさっておられるというので、出席を求めました。
  6. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 先般いろいろお話がございました、地方選挙に際しまして、資料として官報の付録に掲載した問題でありますが、その後官報に掲載するまでのいきさつをいろいろの調査をいたしました。選挙部にある管理課主管事項でありまして、課長補佐が起草いたしまして、これを課長に提示し、大体成案を作りまして、選挙部長承認も得て、これを資料として官報編集者の方へ送ったわけでございます。御指摘の通り自治庁といたしまして、選挙に対して指導的精神を出すというような誤解を招くような仕儀になったことは、まことに遺憾でありまして、私といたしましては、特にこれは自治庁資料としては行き過ぎであるということを認めるのであります。この善後措置につきましては、いろいろ各委員の方々からしてお話もあり、今後再びこういう事態を起さないように、次長を通じて各部課長に厳重に戒告はいたしておきましたけれども、なおあの字句をどう訂正するかということについては慎重に考慮いたしまして、御趣意に沿うように取り計らいたいと、こう考えております。どうか一つそういう意味で御了解お願い申し上げたいと思います。
  7. 秋山長造

    秋山長造君 ただいま大臣からお気持の御発表があったわけですが、第一の点の管理課課長補佐から課長承認を得、課長から部長承認を得て官報に掲載したということなんですけれども、しかし、この資料そのもの自治庁という名前で官報に載せられているのです。こういう場合の、この文書についての最終的な責任というものは、結局どなたがおとりになるのですか。その点……。
  8. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 自治庁に関して、一般の仕事につきましては、むろん長官でありまする私が責任をとるわけであります。次長長官補佐役として事務全体を総括はいたしております。けれども、最終責任者としてはむろん長官でございます。
  9. 秋山長造

    秋山長造君 もう一つは、長官はこの資料自治庁として発表したことは、明らかにこれはもう文句なしに行き過ぎで間違いだという御意見だそうです。ところがどうも、まあ個人的ですけれども、自治庁の方のお話をいろんな機会に聞くところによりますと、長官がおっしゃっているのは、これは長官がおっしゃっているのであって、自治庁部内では、必ずしも長官がおっしゃるようにこの資料がそれほど行き過ぎたものではないというような見解を持っておられるように私はどうも受け取れるのですが、その点はどうですか。われわれとしては、ただここで長官から、済まなんだ、あれはどうも行き過ぎだったというごあいさつを聞いただけでは、聞くことが問題じゃないので、問題は、今後いつの選挙にも選挙のいろんな世話をされる自治庁人たち考え方の問題だと思うのです。だからここで長官から、ただ済まなかった、行き過ぎだったと言ってもらったところで、実際その局に当る自治庁役人諸君の頭がいつまでもそんな頭でやられるのだったら、これは何の意味もない。その点はどうですか。
  10. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 自治庁公務員個人として持っている意見は、これはいろいろあるかとも考えます。世間でも、地方選挙は党より人だという議論もいろいろあるのでありますからして、そういうことを個人として持つことは私個人として決してこれを責あることはできないのですけれども、しかし自治庁自体としてこういう考え方行き過ぎだと、はっきり私はこう考えております。従いまして、絶対に今後こういう間違いを再び繰り返さないということを厳重に戒告をいたしたわけであります。
  11. 秋山長造

    秋山長造君 この点は私は非常に重大だと思いますので、さらに突っ込んでお尋ねしますが、戒告をされたという具体的な内容についてお示しを願いたいと思います。
  12. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 鈴木次長に対しまして、部課長その他一般庁内職員に対して、官報資料等を出す場合には上司の意見を十分ただした上に将来出さなければいかぬ、なお、党より人というような考え方についても、こういうことを自治庁の立場において発表するのでないというようなことを厳重に次長を通じて話をいたしたわけであります。私からもよくそのことは次長に申し渡してあります。
  13. 秋山長造

    秋山長造君 その点について、鈴木次長の方は長官戒告の趣旨をそっくりそのまま部下に対してお伝えになったかどうか、御確認になっておるのですか。
  14. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) まだ戒告をしたばかりでありまして、そういう手続をとることが時間的になかったのではないかと思いますが、これは当然とられます。
  15. 秋山長造

    秋山長造君 じゃその結果については、大臣の方も次長に対して戒告しっ放しではなしに、事実どういう戒告をしたかどうかということはいずれ御確認になるおつもりなんですか。
  16. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 次長からいずれ報告があることを期待しております。
  17. 秋山長造

    秋山長造君 それからもう一点お尋ねしておきますが、今後の善後措置についてですが、この資料が明らかに行き過ぎであったということはお認めになり、従ってこの行き過ぎ資料をそのままにされるというはずはないと思うのですが、今後の善後措置としては、ただ部内に対する戒告ということだけにとどまらず、問題はやはり一たん発表された、官報をもって発表されたこの資料をどう扱うかということだと思います。この資料をお取り消しになるとか、撤回されるとか、そういうおつもりがおありになりますか。
  18. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) ただいま秋山さんのお話でありますが、これをどう扱うかということについては、まだ私としては確定した考えはまとまっていないのであります。何か一つ善後措置考えてみたいと思っております。
  19. 秋山長造

    秋山長造君 これをどう扱うかということはまだきまってないようですが、しかし私はきわめて簡単な問題だと思うのです。そうめんどうくさく、こむつかしく考えられる必要はないので、これはもう間違いであった、行き過ぎであったということが、ただいまの御答弁においてもはっきりしておるのですから、そうはっきりしておる以上は、これを早い機会に私はやはり自治庁資料として発表したのは間違いだった、あるいは取り消しだということを私ははっきり官報の紙面で意思表示していただきたい。そうしないと、ここで幾ら間違いであった、行き過ぎであったと御釈明を聞いたところで、これは一たん発表された資料そのものは生きておるのですから、まだどんどんいろんな人が読むだろうと思う。また地方選挙にしても、これはこの間の選挙で終ったわけではないので、町村合併があれば、おのずからそのあと選挙が行われるでしょうし、また部分的にはいろんな補欠選挙等も今後断続して行われると思う。そういう場合に、依然としてこの資料が生きておって、そして一般選挙民もこの資料を読み、また選挙指導に当る選挙管理委員会等自治庁の意思はこれだということで、こういう指導を続けて行くということになれば、ここでの議論のやりとりとは関係なしに、この一たん発表された資料そのものはどんどん生きて働きを続けて行くわけですから、これは資料そのものを取り消すか何かということをやってもらわないと、意味はないと思うので、これが一番大切な点だと思います。その点何か早いことやっていただけませんか。
  20. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 秋山さんのお考えもっともでありますから、よく方法を考えまして、善処いたします。
  21. 秋山長造

    秋山長造君 私のお願いすることがしごくもっともだ、当然だということですから、一つぜひ至急にその点について具体的な、有効適切な処置をとっていただきますようにお願いしておきます。
  22. 中田吉雄

    中田吉雄君 ただいまの問題について長官から弁明があり、秋山委員からいろいろ質問されて尽きたと思いますが、ただいま承わりますと、課長補佐が起案され、課長はんこを押され、さらに選挙部長が押されたという。簡単にこういう重大な問題がなされるというところに、やはり自治庁全体にこういう伝統的な考えが深くあると思うのです。こういうことが今後起きないようにする措置その他については了承しますが、果してこういうことが世俗で言われているから正しいかどうか、地方自治の健全な発達のために、何といっても自治庁地方に対する影響が大きいし、私は今後もっとこういう問題の意義ということは、将来一つ適当なときにもう少しけじめをつけて、この取扱い措置については、秋山君の最後に言われた点を適当に措置されるといいと思いますが、この問題についてはもっと、鈴木次長がたびたびこんなことを選挙の最中に座談会等でも言っておられるし、このことが補佐の人が起案され、課長はんこを押し、さらに選挙部長が決裁されて、大して疑義なしにやられたということについては、そういう通念がやはりあると思う。これは前にも吉川さんが地方政治とそういう問題ということで論じておりますが、適当な機会にこの問題について再びあやまちが起きないように、それに対する理念というものを確立しなければならぬと思いますので、そういう機会を持っていただくことにして私は了解しますが、ただこの衆議院の結果を入れられたのはどういういきさつですか。こういう点も一つはっきりしておきたい。どういう意味でこんなところに入り込んだのか。管理課長答弁願います。
  23. 桜沢東兵衛

    説明員桜沢東兵衛君) ただいまのお尋ねの点でございますが、衆議院選挙結果は、その表に関連して載せるということは実はこちらの方も考えておらなかったのでございまして、ただ資料として衆議院の結果の資料を載せようということで、ちょうどそこに余白があったので、たまたま載ったという結果になったわけでございまして、これに関連して、その事項と関連して載せたつもりではないのでございまして、御了承いただきたいと思います。
  24. 中田吉雄

    中田吉雄君 そうすると、この編集はどこでやるのですか。官報編集するところがあると思うのですが、見出し地方選挙についてというようなことで大きく、過般行われた衆議院選挙の結果についてというような見出しでもあれば、ただいま課長の言われたようなことも了承できるのですが、出されたのはあなたの方からやはり官報編集するところにこれが出されたのですか、その点はいかがですか。
  25. 桜沢東兵衛

    説明員桜沢東兵衛君) 資料は私の方から出しました。これは衆議院選挙が終りましたので、その選挙の結果の統計を参考資料として載せておこうということから出したものであります。
  26. 中田吉雄

    中田吉雄君 しかし、この官報資料の発行は毎月一日と十五日ですが、二月に選挙が行われてあるのにこんなところへぶち込んだのはなぜですか。
  27. 桜沢東兵衛

    説明員桜沢東兵衛君) それは、それまでに掲載する資料余白がなかったと申しましょうか、ちょうどそのときに適当な余白があって、それをまあ埋めたという結果になったのでございます。
  28. 中田吉雄

    中田吉雄君 まあこれは課長の方でいろいろ調べていただけば、国会勢力分野地方選挙のこの選挙結果というものはほとんど相関関係を持っておるのです。どの選挙を見たってです。たとえば昭和二十六年にしても、二十二年にしても、戦時中でも、日本のはほとんどもう国会勢力分野が直ちに地方選挙に影響するのです。特に地方財政というものは中央に依存していて、政府与党に頼まないと交付金も起債も補助金も取れないということで、われわれはそういうことから政府与党に忠勤を励んでここに入れたと、最も政治的な、党より人と言いながら最も政治的な、国家公務員のこれは人事院規則の政治的な行為というものに該当するほどはなはだ巧妙なし方で、なかなか場を積んだあんた方のところで、こんなところに載せるというのは、なかなか意味があると思うのです。これ見たら直ちに地方の人はなかなか民主党もふえているなというようなことで、援護射撃ととられるおそれが非常に大なんです。まあ今後一つこういうあやまちのないようにしていただきたいと思います。まあ一つ見て下さい。もうほとんど国会選挙地方選挙は最も正の関係の、マイナスの逆の関係相関関係でなしに、正の関係相関関係にほとんどあるのです。まあこういうことのないように一つ……。
  29. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 他に御発言もないようですから……。
  30. 秋山長造

    秋山長造君 もう一度長官に念を押してお願いしておきますが、この資料を取り消すなり、撤回するなり、何かのそういう具体的な善後措置をおとりになるならば、それを一つ至急にきめていただいて、そうしてそれをこの委員会至急に御報告願いたいのです。
  31. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) よろしゅうございますか。
  32. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) 承知しました。
  33. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それではこの官報資料掲載の問題につきましては、川島国務大臣の御答弁を了として、その善後措置に持つということにいたしまして、この問題はこれで打ち切りたいと存じます。  それで、今次の地方選挙における選挙関係法律実施状況に関しての調査につきましては、具体的に全国地方に問題の起っているところもあるようでございますから、これらについてはまた委員会として問題にすべき点がありました際には、改めて調査をするということにいたしておきます。
  34. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 次の第二の問題ですが、昭和三十年度地方財政計画に関する件、政府委員として後藤財政部長出席しておられます。前回の引き続きとしてこれから質疑を願いたいと存じますが、午後に予算委員会の方でこの問題の説明を聴取するという予定だそうでございまして、そちらの委員会の方からどうぞよろしくということでございましたが、それで日程をまず御相談申しておいて質疑に入りたいと存じます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  35. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では速記を起して。
  36. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 さっき委員長が言われました通り質疑に先だって、きょうは時間もありませんから、今後の法案の審議とか、そういうふうな日程一つ取りきめてはどうかと思いますが。
  37. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  38. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を始めて。  それでは懇談中にお話をしましたが、地方財政計画につきましては、時間もございませんので後日に回すことにいたします。そして、ただいまから地方行政改革に関する調査のうち、町村合併促進法に基くその合併進捗状況並び問題点等説明を求めます。
  39. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) 私よりその後の合併状況を御説明申し上げたいと思います。  五月三日現在の進捗状況資料をお配りしておきましたから、これをごらん願えば大体わかるかと思いますが、この五月三日以後の分がもう少しありますが、これで大体の大勢が御了解願えると思います。これによりますというと、一番最終の欄に町村合併全体計画に対する進捗率、もう今では二十九年度とか三十年度といっておる必要がないのでありまして、全体の計画に対してどの程度進んでおるだろうかと、こういう表を作りましたが、総計では減少町村が五千百三十一で、八二%に達しております。それで、県によりましては九〇%以上になっておる県が相当ありまして、ときには一〇五%とか、一〇六%という数字が出ております。この数字は実はもう一つ別資料と照らし合せないと工合が悪いのでございますが、この合併計画というのは、最初合併促進法ができましてから、政府の方で一応三分の一に減少するというめどで数字的に作ったのを各県に割当てました数字がございまして、県ではそれぞれ県の実情によりまして、さらに合併計画を作っておりまして、その合併計画自治庁の方で一応出した数字よりももう少し進んだ数字に実はなっておるのでございます。それでございますから、この一〇五%などと申しますというと、われわれが一応考え数字よりも一〇〇パーセントを突破しておりますが、県の合併計画によりますというと、もう少しやはり残っておるはずでございます。その数字もこれは至急に作りまして、大体県の実際の計画とその進捗の模様を御報告したいと思っております。ちょっときょう間に合いませんでしたので、御了承願いたいと思います。  それで、ごらんになるとおわかりになります通り、これは県によって非常に進んでおるところと、県によってはそれほどでもない、つまり六〇%台のところなどと、もっと少いところなどが、まあ三〇%というところが、多少非常に珍しい例がございます。それでこれらの問題の均衡をどうとるか。いずれにいたしましても、この地方選挙施行が実は一つ合併についての山でございまして、今後に残る問題につきましてはいろいろ問題があり、あるものは選挙実施によりまして問題が解決をいたしております。あるものはこの前の改正法によりまして一部任期が延長されまして、その間にこれは解決するものもあるはずでございまして、今後われわれといたしましては、そういうものをもう少し個別的に調べて、今後の対策を立てていかなくちゃならないじゃないかと存じておるのでございます。この表のあと資料は、これは今までもまあお出しいたしておりました数字でございますから、詳しい説明を省略いたしたいと思います。ごらん願いますれば、大体市関係町村関係合併数がどうなっているか、それから全体で一昨年の十月一日から今日に至るまでの市町村数の増減がどうなっているか、これは御了解願えるのでありまして、五月三日では現在数が四千九百八十九でございまして、四千八百七十九の町村が減少いたしておるのであります。一万近かった町村が現在では五千を割っておる、こういう現状になっておるのでございます。それから促進法二十三条の三で、選挙施行に関連しまして、合併手続が済んでおるものについて、任期をとりあえずしばらく延長されました措置適用状況を調べたものを一覧にいたしておきました。これをごらん願いますというと、町村合併促進協議会を設置しておったがために任期延長になったもの、これは全国で百三十三件、関係町村は三百五十五ヵ町村でございます。それからいま一つ地方自治法第七条第一項の規定によって合併申請がすでに済んでしまっておったものにつきましては、二十件で五十六ヵ町村あります。全体で四百ちょっとこえる関係町村がこの前の法律改正によりまして一応任期が延長され、大体このうちの大半はこの任期延長期間中に大よその問題の落着がつくのじゃないだろうかと存じておるのであります。何分にもまだ選挙を終りました直後で、まだ地方市町村実情も固まっておりませんので、われわれといたしましては、もうしばらくしてから県の地方課長諸君に来てもらうことになっておりますから、そこらで選挙後の情勢を十分に検討して、今後の促進に遺憾なきを期したいと、こういうふうに存ずる次第でございます。  それから実は専門員室の方から御要求になっておりました資料が実は不十分なのでございますが、町村合併についていろいろな紛争が目立っておりまして、その紛争状況についての資料を一応私の方でも素案を作っておったのでありますが、ちょっと今日見ますと、数字が少し重複しておるものが相当ありまして、それで再調査して直ちに御提出いたしますから、それは一つその際に御説明を申し上げた方がよかろうと存ずるのであります。  そのほかにお配りいたしてありますのは、今まで合併後の新町村経営状況が非常に優秀で、まあ合併町村の模範として全国になるべくその実績を知らして新しい今後の団体の参考にしたい、こういうので表彰を行なったもののきわめてラフな概況を、総理大臣表彰を行なったものと、それから自治庁長官表彰を行なったものとの概要をお配りいたしてあります。これは一つそれぞれの町村についてごらんを願いたいと存じておるのでございます。  そのほかに合併後の問題につきましては、いろいろな態様を考えますというと、一つ町村段階では話がまだ十分に熟しておらぬ、そういうものが一つあるとともに、町村段階では一応議決が終って、県の段階で留保になっておると申しますか、県の方でなお実情調査する必要があって、ちょうど県会選挙ということになったせいもありまして、県の段階で要するに継続審査か保留になっておるものが、全国的にたくさんはありませんが、大体私の計算では三十件ぐらいあるのじゃないかと思います。そういう問題が一つと、それからいま一つは、県の方へ処分申請になったけれども、県で処分が未済になって四ヵ月を経過した、そこで自治庁内閣総理大臣に対して審査の請求が来ておる、こういうものも、もう御承知のところもありますが、三件実は自治庁の方に参っておるのがございます。これも自治庁の方に参りましたものは、自治庁長官内閣総理大臣責任でそれぞれ措置すべき問題になっておるのでありまして、われわれの方といたしましては、促進法に書いてあるところによりまして、地元の事情を十分聴取して措置することになっておりますので、その意見の聴取を実はやっておる段階でございまして、現地ではちょうど選挙もありまして、意見提出がおくれておりますので、まだわれわれの方としては措置いたしておらぬのであります。至急現地意見提出を待って適切な解決をいたしたいと、こういうものが三件ございます。そのほかにもう一つは、県界合併で争いになっておる、これも御承知だろうと思いますが、静岡県と神奈川県の県境にまたがる町村分離の問題で、相当現地で問題になっておるものがありますが、これは自治紛争調停委員の制度を活用いたしまして、今紛争調停委員の方に実情調査して、適切な御解決を願いたいというのでお願いいたしておるのが一件ございます。そのあとはそれぞれの地元におけるいろいろな諸事情によるものでございますが、それらにつきましても、先ほど申し上げましたように、資料の訂正ができましたら即刻御報告いたしまして、いろいろ御指導をお願いいたしたいと存ずるのでございます。
  40. 小林武治

    小林武治君 今説明がありましたが、要するに二つの府県にまたがる合併、こういう問題について、自治庁の基本的な考え方と申しますか、これを奨励するか、あるいはしばらく保留したいのか、その点どういうふうに考えておられるか、伺いたい。
  41. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) この問題は、自治庁といたしましては、別に特別に奨励するという気持も全然ございませんが、これはまあ関係町村のつまり本当の区域の適正化の問題として、現地で十分話がつき、その方が適当だというので現地でまとまるものは、これはわれわれもきわめて仕合せだと思っておりまして、この事例も促進法ができましてから、一昨年でしたか、広島と島根の間に境界変更が行われた事例が二件あります。それから今年に入りまして、愛知県と岐阜県との間でやはり県界にまたがる紛争が円滑に行われたものが一つございます。それと最近の問題でありまして、多少こういう問題はわれわれの耳に入っておるものがありますが、今後まあできれば、つまり地元の町村の円満なる協定によって話が済むことを一番期待いたしておるのであります。不幸にしてそれぞれ法律手続上その他で中央に上ってくるものがあれば、われわれの方としても考えざるを得ませんが、まあこういう問題はできるだけ地元におきましても、大局的な立場でそれぞれ妥当な解決をせられるように切に希望いたしておるわけであります。
  42. 小林武治

    小林武治君 ただいまの問題は調停委員に付されておると、こういうことでありまするが、あの結果の扱い方は法規的にどういうことになりますか、その点を伺っておきたい。
  43. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) あれは促進法の上から申しますというと、実は県界にまたがって分村の問題が行われますのは、ある県が合併計画につき地元の市町村意見を聞くという手続がありまして、その地元の市町村意見を聞いた場合に関係町村の住民が、自分たちはその計画と違ったこちらの村に行きたいとか、あちらの村に行きたいとかいう意見を出し得る道が開いてあるのであります。その出し得るために、ある程度の住民の意思がなくちゃいかぬので、署名の手続促進法で規定されておりまして、その署名で一定数の署名が集まればその意見提出することができると、こういうことに実はなっておるのであります。そこでその意見提出がありますと、その提出に基いて関係町村の議会がそれを取り上げて処置をすればこれはまあ話がつくわけでありますが、議会がそれと違った措置をする、あるいは相反するというような場合には住民投票で決する、つまり住民投票の結果が全体の議会の意思にその部分の区域の境界変更更については勝つと、こういう規定が促進法に盛られておるわけでございます。それで今お尋ねの熱海と湯河原をめぐる問題は、神奈川県の方で湯河原かいわいの合併計画の諮問を発したときに、隣接の熱海の泉地区の住民が湯河原へ行きたいという希望で署名の手続がもう始まりかかっておったわけでありますが、その署名ということになりますと、一人々々行ってはっきり自分の名前を書くわけでありますから、そこで反対派、賛成派が相当運動と申しますか、そういうものが激しく行われ、その地域の中の住民だけでなしに、その背後というと語弊がありますが、熱海市と湯河原市も動く、あるいは両県も動いて、いかにもその署名をめぐって事態が穏やかに進みそうもなかったので、そこで両県にまたがる問題でありますので、自治紛争調停の制度にかける、かけるというと、そのかけた効果によって署名の手続が一時ストップ——促進法に書いてあります手続が調停が一応結末がつくまでストップするという政令の規定を設けまして、それで現在の段階は調停に入りましたものだから、署名の手続が全部ストップ、こういうことになっておるのでございます。法律手続上はかりに調停がうまく行って話がつくかつかんか、それはいずれにしろうまく行って分村がかりになれば、もちろんそれで話はつくし、そうでなしに調停が不調にかりに陥るということになれば、法律上は前にストップした署名の手続から住民投票の手続をもう一ぺん再開する、こういうのが現在の法律の建前になっておるのでございます。
  44. 小林武治

    小林武治君 お話のように調停というのはあくまで調停で、両者の妥協、話し合いができなければ調停は効果を現わさない、こういうことになるのですか。
  45. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) それはその通りでございます。調停ですから、関係当事者が全部同意をしなければ成立しません。
  46. 小林武治

    小林武治君 その場合のことを、あと何かお考えがありますか。
  47. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) これは現行法の建前では、調停で話がつかなければ、法律上のそういう自分の意思でやるよりしようがないという形になっております。これも適当かどうかという問題がありますが、われわれは調停制度を活用した以上は、ともかくいずれにしろ、現地の情勢が何か円満な形で落ちつくために最善の努力をしなくちゃならぬし、調停委員の方もその気持でやっておられまして、ぜひいずれにしろその成功を期待いたしておるのでございます。
  48. 小林武治

    小林武治君 調停には期限が付されておりますか。
  49. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) これは今の法律では期限がありません。
  50. 小林武治

    小林武治君 期限がないとすれば、これはまたいつまでも未決の状態にあるのもどうかと思いまするし、自治庁ではその点は何か期待しておりますか。
  51. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) 今お話通りでありまして、なるべく早く問題をケリをつけてもらいたいというので、調停委員の方でもいろいろ御勉強を願っておるのでございます。まあしかし少くともあの当時といたしましては非常に空気が緊迫いたしておりまして、そうしてまあこのまま放っておいてはどういうことが起るかもしれぬという、ちょっと言葉は語弊があるかもしれませんが、そういう客観情勢もありまして、ともかくも一応冷却期間をおいて現地の空気も静めぬといかぬ、静まった空気を前提として、一つ公平妥当な措置をとらぬといかぬ、こういうことであの制度が一応動いたわけでありまして、一応制度としてはまあわれわれ考えたような効果を上げて動いておるわけでありまして、今後はすみやかに究極的な解決がうまくゆくように、しかしこれもいろいろそう簡単にも正直に申しましていかぬとは思いますが、そこのところは一応関係府県、関係市町村の良識と大局的な見地からぜひ何とかおさまるようにお願いいたしたいものだと存じておるわけでございます。
  52. 小林武治

    小林武治君 これは初めてのケースで非常に大事な例だと思うので、われわれも成功することを期待しておりますが、これがもし不調になれば、原則に返ることしかないということでございますか。
  53. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) まあ今の法律の建前としてはそういうことになると思います。ただわれわれ正直に申しまして、関係町村、県内だけの分村の問題ならば、現在の促進法では知事の勧告権がございまして、県の合併促進協議会の、審議会の意見を聞いて勧告することもあって、割とスムースにゆき得る道が開けております。県間の場合につきましてはそういう強い、強いと申しますか、総理大臣がかりに権限を持つというような権限も実はありませんで、もっぱらやはり署名から住民投票という手続をとらざるを得ない実情になっております。そこらにつきましては、私はもし各県につきましていろいろな問題が今後起ってくるとは思いますが、そういう問題につきましては、あの制度では十分なのかどうか、私は相当検討を要する問題もあるのじゃないかと思っておるわけであります。これらはまあ今のテスト・ケースが一つ円滑に解決することを期待するとともに、各県におけるそういう実情にも即して、まあ今の制度でうまくゆかぬとなればいろいろな方法も一つ考えを願わなくちゃならぬのじゃないだろうか、問題は、すぐに秘密投票でやるなら問題は割とないのですが、署名というものが前提になっておるので、署名はどうしても記名でありますから、署名に行く者を妨害するというか、扇動するというか、直接両方とも衝突する、そこの問題が非常に外に現われるものだから問題が紛糾する、こういう点がどうもあるように見受けられるのでありまして、これはまた一つ皆さんの方におきましても十分御調査を願いたい、こういう問題点として研究すべき問題だろうと思っておるのでございます。
  54. 小林武治

    小林武治君 長官に伺っておきたいのですが、私はこの問題はやはり非常に困難な問題で、今の県内の問題ならば知事の勧告権というような問題もあるのですが、府県にまたがっておるものはそういう方法もないということでありまして、これはこのままで置いては、いずれにしましても非常な険悪な空気が生じてくると思うのでありますが、一つの立法論として、総理大臣なり、あるいは今の投票の方法なり何かを考える必要があると思うのですが、その点についてどういうふうにお考えになっておられますか。
  55. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) ただいまのお話は、おそらく湯河原、熱海の合併問題が非常に紛糾しておるからのいろいろの御意見だろうと思いますが、その状況は先ほど政府委員からお答え申し上げました通り、お互いに署名を始めまして、夜はかがり火をたいてお互いに妨害し合うという非常な険悪な事態に立ち至りまして、このまま放置しておくのではどういう事態が起るかわからぬというので、急遽調停委員を選任しまして、調停委員に一応頼んだわけでありますが、法的の根拠が非常に薄いので調停委員がどういう調停をしますか、その結果にあるいは期待ができないことがあり得るかと思うのであります。ただいま小林さんのお尋ねの何かもっと強力な立法措置はどうかという御意見でありまするが、今私は突然の問題で、それに対してはっきりしたお答えを申し上げるだけの準備はできておりませんけれども、現在の法律ではあまりに基礎が薄弱でありまして、こういう紛糾の場合に英断を下すということはできないようになっておりますからして、この点は一つ十分考究をいたすことにいたしますから、さように御了解を願います。
  56. 小林武治

    小林武治君 今の問題は、これはもうこの一例にとどまらず、今後もこういう事態は発生してくる。しかしその結果はいずれの場合にもきわめて私は険悪な空気が出てくると思うので、これを今の法律のままにまかしておくということでは、私は解決できないと思うのでありますから、この方法についてはわれわれも考えたいと思いますが、自治庁当局でもどうしたらいいかというようなことを一つ至急成案を得られたい、こういうふうに思っております。これは全国的の問題になり得ると思いますから、その点を一つ要望しておきますから、しかるべきときにお話しを願いたいと思います。
  57. 川島正次郎

    国務大臣川島正次郎君) ただいまの御意見よく承わりました。相当研究もし、考慮もいたします。
  58. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私はちょっと町村合併について資料をお願いしたいと思うのです。と申しますのは、ただいま御配付いただきましたのでは、町村合併の実態はわからないわけです。従って町村合併した、たとえば二ヵ村が一村になったのか、あるいは三ヵ村とか四ヵ村とかそういうものでなったのか、そういうもう少し実態のわかる数字をいただきたい。従って新しい町村が従来はこの程度であったけれども、人口数においてはこうなったとか、あるいは面積はこうなったとかいうことの実態をもう少しわかる資料をちょうだいしたいと思います。私はこの際なぜそれをお願いするかと申しますと、どうも町村合併において、私らも提案者の一人であったのですが、非常に数字としては進捗しておるのです。われわれの予想より進捗しておるのですが、その間どうも、むしろこれは自治庁というよりも各地方庁で無理をしたんじゃないか、たとえば合併しなければ起債をくれない、あるいは補助金もくれない、あるいはこうだという、われわれ法案としては予想しなかったところの行政手段によって強制され、従って町村合併が若干法自体の予想したものよりもゆがめられておるのではないか、言いかえるならば、町村というものは、どこまでも地域社会であって、国の第一線の地方自治団体であるにかかわらず、それが何か行政区画なりあるいは地方事務所的な考え方でやられると、従ってその合併に当ってはあらゆる行政手段を使って、今のようなゆがめられた形において相当無理をしたんじゃないかという気がするのであります。町村というものは、私から申し上げるまでもなく、歴史的な長い伝統を持って自然発生的にこの地域社会として成立すべきものが、そういうゆがめられた形において単に合併したということになりますと、これは大きな禍根を将来に残すのではないかと思いますので、そこいらの配慮等から見まして、今申し上げた何か町村合併の内容のわかるような資料一つちょうだいしたいと思います。
  59. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ようございますか。
  60. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) よろしゅうございます。
  61. 中田吉雄

    中田吉雄君 町村合併促進法が、何か国会にかけられた当時と比べると、今の合併の規模が非常に大合併になっているようですが、これはやはりおよそ適正な規模というものの説明を受けた当時の倍以上にもなっているようですが、最近のやはり指導方針は大合併の方針に変っておるのですか。
  62. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) 今の中田委員のお尋ねは、高橋委員のお気持とも大体似たようなお気持だと思いますが、先ほど申しました通り、われわれはやはりこれは地域社会として現在の実情に応じたまとまりを持ったもの、こういう前提でものを考えて参りました。ところが実際現地実情を見ておりますと、それよりやや大きな計画になっております。この資料も前にお配りしたこともあるかと思いますが、また必要ならお配りしますが、われわれの計画よりも県の計画の方がもう少し大合併になっておりまして、それどころか実際の合併を見ますと、場合によっては、さらにそれよりも大きくなっておるケースが少くないのであります。と申しますのは、やはり実際現地のいざ合併という話になると、二ヵ村か三ヵ村でというより、数ヵ村ということの方が話が早いと申しますが、まとまりがいいと申しますか、そういう事情もあって大きくなったという例が一つ。もう一つは、どうも市域の拡張ということが広くなり過ぎる、これまた語弊があるかもしれませんが、われわれの今の市の段階は落着いておりますけれども、今日ではほとんどそういう問題はありませんが、今までの経過を見ますというと、できるものならばそれぞれの市に隣接している地帯でまとまった町村ができればいいと思うのでありますが、市へ入りたい希望が強くなりまして、それで市の区域が非常に広くなっている、こういうケースが少くないのでありまして、市の方ではむしろまとまってこじんまりとやろうという方針をとっている市もありますが、逆にちょっと広がった方がいいという妙な——、妙と言うと語弊がありますが、そういう感じのところもありまして、そこで区域が全体として広くなったというケースがあるわけであります。われわれは必ずしもそういう考えはございませんで、やはりそれぞれほどほどのところでまとまるものならまとまった方が一番いいと考えているのであります。ただその地域でどうにも市へくっつけるよりしようがないという所は、これはやむを得ぬと思っておりますが、それで全体としては前に考えておったような基本的な考え方を基礎にはいたしておりますが、実情はそうでありまして、しかしそんなにえらい開きがあるかというと、そんなにえらい開きがあるわけじゃございませんが、大体の傾向はそういうふうになっております。
  63. 中田吉雄

    中田吉雄君 自治庁関係から出ている資料なんかでは、やはり人口八千程度が適当な規模で、行政費が非常に少くて、しかも効率が上るというようないろいろな適正規模というものを算定して、高等数学なんかを使ったりしていろいろ算定して、大体それが一番いいというそういうことで算定して出ているわけですが、最近の完了したあとにおける経過なんかで見ると、一万六千ぐらいにだんだんなっているのですが、その根拠はどうなっているのかわからない。しかし自治庁差し向けの地方課長が私の県にも来ているが、最近では大合併を大いにやっておりますが、自治庁としてはそうすると、昭和二十八年ごろの適正規模の算定というものがどうしてそんなに変ってきたのですか。
  64. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) それは最低八千を基準に実は促進法も書いておりますが、少くとも八千未満のものは解消したいという計算になりますから、そういうものをくっつけますというと、どうしても一万二、三千、四、五千ぐらいに私はなるだろうと思います、その町村の人口の関係から。そこで大体われわれはやはり一万二、三千ぐらいが手ごろじゃないかというような実は感じを持っておったわけであります。それはどれが一番適当かということになると、なかなかはっきりした数字も出て来ませんが、いろいろな従来の規模等と人口と、それから市の職員構成と行政費の構成というものを考えて、やはりそういう学校の規模とか、あるいは市の社会福祉施設の規模とか、やはりほんとうは一万ちょっといった方がいいのじゃないか。ともかく八千未満は困るが、より適当だというところはそこらじゃないかと、こういうふうに思っておりますが、今お話通り、県で作った計画全国の平均は一万五、六千ですが、県によりましては二万をこえているところもあります。どうもそこらのところはおもしろいのですが、二万をこえているのは東北、岩手はおそらくそうだと思いますが、ああいうところは面積が膨大で、山も多いのでありまして、平地、平場地帯と少し事情が違うのでありますけれども、山形もやっぱりそうです。山形の実情を聞きますと、最初やっぱり平均一万ちょっとの案を作っておったのですが、それで県の試案を発表しましたところが、どうしてもまとまらない。そこでやっぱりもう少し大きくしないと実情に沿わぬというので、二万前後の案を作ったらしいです。そうするというと、それで非常に調子がよくなりまして、現在山形が実は、合併が一番進んでおる。日本で一番進んでおるのは山形でございますが、そのようになったようでございまして、やっぱり個々の町村の組み合せ上どうにもやむを得んという場合もあったのじゃないだろうか、こういうふうに考えておるわけであります。われわれの考え方がレベルがこう上った、そういう気持では別段ございませんが、そういう実情になっております。
  65. 中田吉雄

    中田吉雄君 最初八千程度からそういうふうに変ったことはわかるのですが、それとコストと効率とか、いろいろな問題を八千程度でやったようなことで計算して見られたこともあるのですか、それはどうなんですか。
  66. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) 今ちょっとここに持っておりませんけれども、人口段階別にいろいろその数字を出して見たものはございます。しかし、これも正直に言って、先ほど高等数学というお話、それほど正確かと言われますと、従来の実績を集めたものを基礎として帰納的に集計をした経験数字ですね、それで出したものはございますから、これはまた……。
  67. 中田吉雄

    中田吉雄君 お願いします。  町村合併促進法に、その長がその区域内にある公共的な団体に合併を勧告するという規定がどこかにあるように思いますが、最近共済組合ですか、農協、あれをやっているのですが、そういう指導方針でやっているのですか。あれはどうですか。
  68. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) あれは最初合併計画を作るときに、政府で作りました推進本部で各省の委員も集まりまして、合併の基本計画というか、指導方針、そういうものを作りまして、そのうちで地域内の団体をどうするか、こういうやっぱり問題がありまして、そのときに各省の代表者も、それはやっぱり行政団体はできるだけ集めたほうがよかろう、しかしそこは無理をしちゃいかぬというので、基本的にはそこで考え方をきめまして、農林省の方で今の農業共済とか農業委員会をどうするかという大筋はまとめるという基本的な方向で通牒を作りまして、その通牒を自治庁の方にも相談がありまして、一緒で地方に流しましたのはもう一年以上たっておると思いますが、そういうものがございます、だいぶ前ですが。われわれといたしましては、やっぱり特に農業共済なども性質上からいえば、できるだけ従来のままよりも市町村の区域でまとめて力を強化した方がよかろう、こういう基本的な考え方は持っております。最近具体的の指導の問題は、だいぶ前に通牒を出したので、特に今農林省が特別にどうこうやっておられるかということはちょっと今記憶ありませんが、大筋の考え方はそういう考え方で、できるものなら市町村を基礎にしてまとめてもらって、強力な団体を結成していただいた方がよかろう、こういう考えは持っております。
  69. 中田吉雄

    中田吉雄君 どういうものから順んにやられる、そういう通牒、指導方針ですね、たしか農業共済はやはりそういう段階に入っていると思うのですがね、一つその傾向なんかを見せていただきたいと思う。そうしてあとからいろいろ質問したいと思います。
  70. 小林与三次

    政府委員小林与三次君) 承知しました。
  71. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それでは本日はこの程度にいたしまして、また後日具体的な問題点等説明もいただいて調査を進めたいと存じます。  では、先ほどの懇談中の申し合せによりまして、本日はこれで散会いたします。    午後零時二十五分散会    ————・————