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1955-05-17 第22回国会 参議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月十七日(火曜日)    午後一時四十四分開会   —————————————   委員の異動 四月八日委員伊能繁次郎君及び伊能芳 雄君辞任につき、その補欠として平井 太郎君及び鹿島守之助君を議長におい て指名した。 四月十一日委員西郷吉之助辞任につ き、その補欠として大谷贇雄君議長 において指名した。 四月十二日委員深川タマヱ辞任につ き、その補欠として杉原荒太君を議長 において指名した。 四月十四日委員平井太郎君、鹿島守之 助君、大谷贇雄君及び杉原荒太辞任 につき、その補欠として伊能繁次郎 君、伊能芳雄君、西郷吉之助君及び深 川タマヱ君を議長において指名した。 四月二十二日委員須藤五郎辞任につ き、その補欠として大山郁夫君を議長 において指名した。 五月十三日委員加瀬完辞任につき、 その補欠として小笠原二三男君を議長 において指名した。   委員長補欠 五月十三日中田吉雄委員長辞任につ き、その補欠として小笠原二三男君を 議長において、委員長に指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長    小笠原二三男君    理事            石村 幸作君            小林 武治君            森下 政一君    委員            伊能繁次郎君            西郷吉之助君            高橋進太郎君            安井  謙君            岸  良一君            島村 軍次君            秋山 長造君            中田 吉雄君            深川タマヱ君   国務大臣    国 務 大 臣 川島正次郎君   政府委員    警察庁長官   斎藤  昇君    警察庁次長   石井 栄三君    警察庁官房長  柴田 達夫君    警察庁刑事部長 中川 董治君    自治政務次官  永田 亮一君    自治庁財政部長 後藤  博君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    国家消防本部総    務課長     横山 和夫君    自治庁選挙部選    挙課長     降矢 敬義君    法務省刑事局参    事官      勝尾 鐐三君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (今次総選挙における改正公職選挙  法の実施状況に関する件)  (今次の地方選挙における選挙関係  法律実施状況に関する件)  (改正警察法施行状況及び本年度  予算に関する件)  (本年度消防予算に関する件)  (自治庁及び警察庁今期国会提出  予定法律案に関する件) ○連合審査会開会の件   —————————————
  2. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では、ただいまから委員会開会いたします。  午前の委員長並び理事打合会で御相談申し上げました通り、まず理事補欠互選についてお諮りいたします。理事伊能芳雄君が去る四月八日委員辞任いたされましたので、理事に一名欠員を生じておりましたところ、同君が再び委員となられました。つきましては、この際伊能君を理事に指名いたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。   —————————————
  4. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 次に、本日は改正警察法施行以来のその実施状況並び問題点等がございますなら、それらに関し、あるいは三十年度警察関係予算について警察庁当局から説明を聴取したいと存じます。本日御出席になっております方は、警察庁長官斎藤君、次長石井君、刑事部長中川君、官房長柴田君でございます。  では、御説明を願いたいと思います。
  5. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 昨年の七月警察制度改正実施をいたしまして以来、今日まさに一年になろうといたしておりまするが、制度切りかえ直後の模様は、たしか昨年の秋の当委員会で御報告を申し上げたと存じておりまするが、切りかえ自身はきわめて順調に行われまして、今日まですべて当初計画をいたしておりました通り、大体順調に経過をいたしておるのでございます。これも一に国会委員の各位のいろいろな御指導鞭撻のたまものだと厚く感謝をいたしております。  制度改正後も、特に警察運営主眼点を民主的かつ能率的な、りっぱな国民の負託にこたえ得る警察の育成ということに主眼を置きまして、警察官の民主的教養、あるいは警察事務執行の上における民衆に対する接遇、ことに第一線の事務の刷新というような点に力を注ぎ、また国民全体が特に要望されている暴力団でありますとか、あるいはヒロポンというような取締り重点を置きまして、今日まで参っておるような次第であります。御承知のように毎年一回ずつ世論調査を、以前は内閣の世論調査所ですか、そこでお願いをしておるのでございますが、それによりますると、本年の分もだんだんと警察民主化が、国民の側から眺めて完全だとは言えないけれども、一歩一歩前進をしておるということがうかがえるような結果になっておりますので、非常に喜んでおりますとともに、さらに一そう努力をいたして、もっと完全なものにして参りたい、かように努めておるようなわけでございます。昨年末の国会におきまして、制度切りかえに伴う地方費支弁財源措置が不十分であるということにこたえまして、調査の結果、約四十億の財源増額措置お願いをいたしたのであります。その後の配分施行状況を見ておりますと、地方におきましては、これではまだ十分だとは申しておりませんが、われわれの見たところ、大体これで必要な措置ができたと、かように考えておるのでありまして、本年度予算、ことに地方財政計画におきましても、これを平年度化いたしましたものを基準として、ただいま自治庁において財政計画を樹立願っておるのでございまするが、おそらく警察面におきましては、財政計画数字も大体これでまずまず今日の国庫財政の現状に照しましては、満足をすべきものではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。  警察組織の面におきましては、これは前の委員会においても申し上げましたが、統合による簡素化の結果、警察署は新警察法施行前の千五百三十四から千二百五十四、すなわち二百八十の署が減となっております。二十九年度におきまして、警察職員は一万人を整理するという計画でございましたが、これも計画通り完了いたしました、第二年目の本年は、七千五百人を減らすという計画でただいま進んでおるような次第でございます。  三十年度予算は、ただいま御審議を願っておる最中でございまするが、この概要を申し述べますると、いわゆる国費予算におきましては、昨年度は七月一日からの九ヵ月分でございましたが、これを平年度に引き延ばしますると、二十九年度は百十四億二千万ということに相なるのでございまするが、三十年度、ただいま御審議を願っておりまする予算は百十二億でございまして、総額におきまして二億一千万円の減少ということに相なっております。先ほど申しまする通り国庫財政の都合上節約すべきものをできるだけ節約をしたことによって、この二億一千の減小を見たのでございまするが、まず国費予算といたしましては、これでどうにか運営はやっていけると考えております。内容におきましては、装備において二億四千万、通信において一億八千万、教養費において四千七百万、鑑識において五千二百万、活動経費において五千百万の減でございます。ただ府県費に対する補助金が二億八千万の増、差し引き二億一千万の減、こういうことに相なっております。できるだけ経費を切り詰めて、能率的に運営をして参りたい、かように考えておるような次第でございます。  最近に行われました衆議院議員選挙取締りにつきましては、従前通り至公至平、しかも公明選挙運動にこたえることのできるだけの決意を持って、選挙取締りに臨んで参っておるのでございますが、その取締り件数の結果は、三月二十九日までの集計によりますると、検挙人員が一万八千三百七十六人、件数が一万四百五十九件ということに相なっておりまして、これは二十七年の四万八千五百十七人、件数におきまして二万四千六百六十二件に比べますると、半ばに達しない数字でございまするが、二十八年の四月施行選挙人員において一万二千九百一人、件数において九千二十八件に比べますと、約五、六割の増ということに相なっておるような次第でございます。違反の大部分はやはり買収利害誘導が大部分を占めておるような次第でございます。取締りにおきましても、できるだけ任意取調べを主としてやるように指導をいたしておるのでございますが、一万八千余りの検挙人員のうち、逮捕によって調べました者は六千人弱、五千九百八十六人ということでございます。地方選挙につきましては、お手元数字提出いたしておきましたが、これはまだ取締りの続行中でございますので、提出をいたしました数字はほんの一部分でございますから、これをもってまだ全般を知るわけには参らないと考えております。大体従前選挙と大差はないであろう、かような見通しを持っておるような次第でございます。  なお、今国会において御審議を願うべく近く提出をいたしたいと考えております法案は、銃砲刀剣類等所持取締令改正お願いいたしたいと考えております。その要点は、空気銃及び飛び出しナイフによる被害が相当多くなっております。空気銃はこれによって人命あるいは器物を損傷いたしますることが最近非常に多くなって参っておりますし、また飛び出しナイフというものが出現をいたしまして、不良青少年がこれを所持いたしまして、犯罪に用いる場合が非常に多く相なっておりますので、これらの所持を制限いたすことができるように法案改正を願いたいというのが主眼点でございます。同時にこれらに伴いまして、こういった許可、認可というようなものは、府県公安委員会がいたすことに相なっておりますが、北海道におきましては、非常に地域が広うございまするので、北海道公安委員会がさらにこれを北海道方面公安委員会に委任のできるようにいたしまして、迅速に、そして国民の便宜にいたしたい、かように考えまして、この改正法案の中に織り込んで御審議をいただきたい、かように考えております。  それから警察制度改正のときの残った懸案問題といたしまして、自治体警察に奉職しておられた方が府県警察に入られる、あるいは警察庁職員になるということによって本俸が非常に下ったわけであります。この下った場合に、府県警察におきましては調整額調整手当というものを支給をいたしておりまするが、これらは恩給の算定の基礎には相なりませんので、本俸が下っただけ上るまでの間にやめられるという人たち恩給が下るということになる、自治体警察当時にやめたならば、もっと高い恩給がもらえたのに、今やめると低い恩給しかもらえないという不都合が相生じまするので、昨年当院におかれましても、かような不合理のないように改正をするようにという御鞭撻もございました。このたび今国会恩給法改正をいたしまして、これを是正——是正と申しまするか、かような不利の起らないようにいたすように、恩給法改正お願いをいたしたいと思って、ただいま恩給局その他と折衝中でございます。これは私の方で提案をいたす法律案ではございませんが、警察法改正と関連をいたしておりまするから、ついでに申し上げまして、提案をいたされましたならば、何分のまた御支援をお願いいたしたいと存じます。
  6. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それでは選挙関係まで含めて御説明いただきましたが、その分だけはあと法務省並び自治庁当局からも伺いますので、しばらく留保しておきまして、警察法施行の現況並びに三十年度の財政問題について御質疑がありましたら……。
  7. 小林武治

    小林武治君 警察の問題で残った問題、今後問題になることは、この六月一ぱいで五大市警察がなくなる、こういうことになっておりまするが、それの移管と申しまするか、こういうことについての準備はどんなふうになっておりますか。
  8. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 御指摘通り七月一日から五大市における市警察がなくなりまして、府県警察の一部に相なるわけでございます。この実施のために実施施行政令が必要となりまするので、近く施行政令を発布の予定でございます。ただいま法制局と大体その施行政令について打ち合せが終ったような段階でございます。五市が廃止をされました場合には、当該五大府県警察組織の中の下部組織といたしまして、市警察部というものができることに法案は相なっております。で、この市警察部組織もできるだけ簡素化をはかりますると同時に、市民要望にもこたえられるように、すなわち警察運営の能率を阻害しない、そうしてまた市民要望にもこたえられるような、そういった組織という点に重点を置きまして、できるだけ行政警察に属するようなものは、この市警察部で一応総括する、そうして県本部長指揮下に属するという形をとりまして、七月一日の機構改編以後に備えたい、かように考えまして、それぞれの五市及び当該府県が、ただいま実施案について検討を加えておる、こういう状況でございます。  予算面につきましては、五大府県はそれぞれ七月以降これを府県に受け入れるための予算措置は終了いたしております。五大市におきましては、七月一日以降の予算はどこも計上いたしておられません。これは当然のことでございます。ただいまのところでは、大体スムーズに移行ができるのではないだろうか、かように考えておる次第でございます。
  9. 小林武治

    小林武治君 今の問題につきまして、私どもうわさに聞きますれば、この五大市警察がまた実施を延長しよう、こういうふうな動きが相当ある、こういうことも聞いておりますが、これらについては何かお聞きになっておるかどうか、それを伺っておきたい。
  10. 斎藤昇

    政府委員斎藤昇君) 五市の中には、ただいま御指摘のように五大市警察をずっと存続させていくというふうに、警察法改正法案提案をすべしという運動が相当あるやに伺っております。昨年秋の臨時国会には、衆議院の方に議員提案としてさような法案提案されましたが、審議未了のうちに会期が終了いたしまして、今国会にあるいはまたそういう議案が提案をされるようなうわさは聞いておりますが、まだ確定的にどうということは聞いておりません。しかし政府といたしましては、既定方針通り、すなわち七月一日に法律の結果そのまま五大市が消滅をするというこの法律を今御改正を願おうという考えは持っておりません。現行法が最もよろしい。従って七月一日をもって当然五市警察の終止符を打つのが望ましいと、かように政府当局といたしましては考えておる次第でございます。
  11. 小林武治

    小林武治君 今の問題、私どもは一ヵ年ああいう臨時的措置をすること自体にも相当不満があったのでありますが、従いまして、これらの存続ということは、私どもとしては承認しがたいという態度一つ表明しておきたいと思いますが、それにつきましても、五大市と現在の府県との間には、警察の間にはある程度重複したものがある、こういうふうに思いまするが、実施に当りましては、これらのむだを省くというふうな工夫を十分される必要があり、いずれまたどういうふうにされるかということについても、私ども今後警察当局の腹案というものを出してもらいたいということを思っておりまするし、いずれにいたしましても、これらの実施に遺憾のないように、十分な準備早目にされるということを一つ特に希望しておきます。
  12. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 他にございませんか。——なければ一応終っておきまして、また関係する問題がありました場合に出席を願うことにいたします。   —————————————
  13. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 順序がちょっと狂いますけれども選挙関係について御説明を願っておきましたので、次に自治庁選挙部降矢課長がお見えですから、自治庁関係において今次総選挙における改正公職選挙法実施状況、あるいは地方選挙における選挙関係法律実施状況についてお述べ願いたい。  ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  14. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を始めて。
  15. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 選挙部長が所用のため出られませんので、私がかわって御報告申し上げます。  総選挙執行状況でございますが、まず投票状況といたしまして簡単に申し上げますと、当日の投票率は七五%八四であります。男女の別を申しますと、男の方が七九、女が七二%でございます。それから党派別その他の状況は皆様御承知と思いますので、省略させていただきます。ただ、政党の政治活動につきまして、私たちの方で確認をした団体の数並びに交付いたしました自動車表示板でございますが、確認した団体は六十九団体でございます。それに所属しておる候補者の数は延べ六千二百九十五名になっております。それで交付した自動車表示板は三百枚という計算になっております。  それから具体的な選挙管理事務につきまして問題になった点を申し上げますと、一つはこれは静岡県の例でございますが、投票用紙投票の前日にある投票所小使さんに保管を命じておったのでございますが、ところがこの保管につきまして、実は金庫というようなものに納置しないで、枕もとに置いて、宿直のつもりで寝ておったわけでございます。ところがそれが盗難にあいまして、投票当日発見して、投票開始時刻を五十分ばかり遅延いたしました例がございます。それから次は投票記載所氏名掲示抹消違い、あるいはある投票所では、これは点字投票用記載台でございますが、これに二十四年当時の氏名掲示になっているものをそのまま使ったという例がございます。それから選挙公報印刷関係でございますが、選挙公報候補者選挙公約、まあスローガンでございます、これを入れるときに、党派を違った人のものを入れて実は配布してしまったわけでございます。まだ配布期限までに余裕がありましたので、これを全部回収して、新しい公報を配布したという事例がございます。それから投票区に三ヵ所ないし五ヵ所氏名掲示をいたすことになっておりますが、この氏名掲示の際に党名の誤記、誤りをやったのが若干ございます。それからまた立候補辞退選挙の末に非常にたくさん出たのでございますが、この場合の氏名掲示について若干違った点がございます。これはアルバイトの学生を使ったり、あるいは通常選挙事務に慣熟していない小使さん等を使ったので、二、三問違った例が生じたわけでございます。それから不在者投票の問題につきましては、これは不在者投票管理者が正式にそこで受け付けたのでございますが、投票の当日にその不在投票十票くらいを投票管理者の方に正式に送致する手続をやらないで自分で保管してしまったというような例がございます。  総じて、前回選挙から見ますと、件数にして今申し上げたような事例が八件ありましたのですが、前面の二十七年の選挙から比べると、管理執行上遺漏があったというような事件は相当減っております。前回は、一番問題になりましたのは、御承知通り在宅投票、いわゆる不在者投票制度で、家におってそのまま投票をやれるという在宅投票制度があったのでございますが、この手続に非常に遺憾な点がございまして、二十六年の地方選挙にはこれが相当選挙無効や当選無効の訴訟の原因になったわけでございます。その点が二十七年の改正で削除されましたので、割合件数からすると減っているのじゃないか、こういうふうに考えております。  それから地方選挙につきましても、大体同じような事件がございまして、御承知かと思いますが、投票箱投票の途中開披して火箸をとり出したり、あるいは同時選挙の結果ある投票所では投票用紙交付順序を誤って三十人か五十人やったあとで気がついて投票箱を開いてそれをとり出してさらにやり直したというような事例がございます。しかしながら、地方選挙につきましては、比較的公営の点が少いものですから、氏名掲示誤記とか、あるいは選挙公報印刷の誤まりというような点、あるいは投票所における氏名掲示の違いというような点は、総選挙のときに起きた事例をすべて私たちの方で全部市町村の選管に流しまして、こういう事故のないようにということで十分周知徹底いたしましたので、割合地方選挙の際にはそういう事例は少なかったように聞いております。管理執行上特別に問題になった点というものは今のところございません。
  16. 小笠原二三男

  17. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) 今次の総選挙につきましては、検察当局といたしまして、中央におきましては、自治庁並び検察庁、各地方におきましては、それぞれ府県選挙管理委員会並び警察随時協議会を開く等、緊密な連絡をとりまして、現在までその取調べを進めて参ったのでございますが、お手元に差し上げました資料に示されておりますように、四月三十日現在で検察庁受理をした事件は、総数二万七千十一名でございます。この数は二十八年四月の投票日後七十日現在の受理数一万五千三百三名に比べまして、約一万二千名の増加になっております。半面二十七年十一月の投票日後六十日現在の四万四千六十九名に比較しまして約二万名、一万八千名ばかりの減少になっております。当初私たちの方では、二十七年の選挙あるいは二十八年の選挙のときのいろいろな要素から比較いたしまして、四万乃至五万の違反があるのではないかと一応予想しておったのでございますが、現実の数字は現在一万七千十一名でございます。その検察庁における処理状況を簡単に申し上げますと、四月三十日現在で裁判所公判請求をいたしましたものは千九百五十九名、なお略式請求をいたしましたものは四千七百六十八名、不起訴処分に付しましたものは一万一千九十六名、未済は九千百九十二名という数字になっております。お手元資料にも明らかなように、買収犯が全受理件数の八〇%、その他の選挙違反の数は約二〇%という割合になっております。このパーセンテージは過去の選挙違反における数字とほぼ同一の数字でございます。今次の選挙取締りを通じまして、前選挙に比べて若干注目すべきものと思われる数字を申し上げますと、今回の選挙では、前回差し上げました選挙資料にも明らかなように、総括主宰者は三月二十八日現在で八名、出納責任者合計四十五名でございますが、この数字は二十七年選挙の際の三月三十一日現在における総括主宰者合計八十九名、出納責任者百二十五名に比較しますと、非常な減少になっております。同じく昭和二十八年四月選挙の十月三十一日現在におきまする総括主宰者二十七名、出納責任者七十一名に比較いたしましても、減少数字になっておるのでございます。この点につきましては、現在検察庁といたしましても、あらゆる角度からこの数字的な増減について検討を加えているところでございます。それからなおこれは特に変動があったというわけではございませんが、従来選挙の場合に買収といわれる金品授受については一応実質犯ということで重大視をしていたわけでございますが、むしろ買収でないいわゆる形式犯といえるものでありましても、選挙の公正を害することの大なる形式犯につきましては、買収犯と同じやはり厳重なる態度をもって臨むべきではないかというように考えておるものでございます。  それからなお検察庁といたしましては、事件検挙処理のほかに裁判事件促進ということにつきましては、特に重大視をいたしておりまして、裁判所弁護士会等とも緊密な連絡をとって、公職選挙法のいわゆる百日裁判の精神を十分実現するように、その促進につきましては、現在特に各地方々々におきまして研究をし、また努力をしているところでございます。一応の概略は以上申し述べた通りでございます。
  18. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 御質問ございませんか。
  19. 小林武治

    小林武治君 今の検挙の中の戸別訪問ですね。これは相当ありましょうが、実は私ども地方で見ておると、戸別訪問というのはもうほとんど公然の秘密のように行われておりまして、あるいはもう警察が手がつかぬのかもしれませんが、これらは相当検挙の中に入っておるかどうか、一つ伺っておきたいと思います。
  20. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) こまかい罪種別の統計につきましては、現在私のところで整理のできておりますのは、二月二十八日現在のもので恐縮でございますが、二月二十八日現在でございますが、千五百四十五人の受理人数のうち戸別訪問が約一割の百六十六名、このパーセンテージはほぼ現在も変りがないと思っております。なお戸別訪問につきましては、一応犯罪の嫌疑がありまして、検挙されたものにつきましては、それぞれ起訴、不起訴の処分をいたしておりますが、戸別訪問の処理につきましても、その戸別訪問が選挙の公正をどの程度害したか、端的に申し上げれば、もしその戸別訪問が組織的にかつ買収等を伴うものであるならば、厳重なる方針をもって臨んでいる次第でございます。
  21. 小林武治

    小林武治君 ただいまのは衆議院選挙ですが、地方選挙の方は何かまとまったものが出ましたですか。
  22. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) 地方選挙につきましては、四月三十日現在で、正確な数字を持ち合せがございませんが、約一万人程度のものと想定いたしておりますが、戸別訪問の占める率もほぼその程度、一割前後ではないかと思います。
  23. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 警察庁の方で、中川刑事部長何か今の二点についてございますか。
  24. 中川董治

    政府委員中川董治君) まず衆議院関係の点から申しますれば、衆議院関係につきましては、ただいま長官より報告いたしました人員の約一割弱に当ります一千六百二十八人が戸別訪問事件として立件いたしておるのであります。それは長官が申しましたが、すなわち三月二十二日現在によるものでございます。  次に地方選挙関係におきましては、お手元提出いたしました資料の中にそれをお書きいたしたのでありますが、その最後の備考に書いてあります、現在日付でわかっている人員九千余のうち戸別訪問事件は一千二百幾らと、こういう数字でございます。
  25. 小林武治

    小林武治君 今の選挙取締りの問題についての議論になりまするが、投票が済まなければ検挙はしないと、こういうふうな特別な通牒でも出ておるかどうか、伺っておきたい。
  26. 中川董治

    政府委員中川董治君) 選挙違反事件捜査に当りましては、従来選挙関係の特異性にかんがみまして、投票日が済むまでは、いわゆる内偵だけやると、こういうことを中心に捜査いたした時代もあったんでございますが、一昨年以来そういうふうにやっておりますと、とかく選挙の不公正なことがやりがちだという傾向も見受けられましたので、これは関係検察庁自治庁とも十分打ち合せまして、事前に検挙して参る、こういう立場を各警察ともとっておるのであります。従いまして、今御指摘の事前検挙につきましては、事前といえども犯罪ありと思料する十分な資料がございますれば、直ちに検挙して参ると、こういう立場でございますが、ただし特異な事件でございますので、容疑の点につきまして十分の資料を得ると、こういう点につきましては、各警察とも周密な注意を払っておりますので、その十分な資料を得るに至らずして事後に検挙が行われると、こういうこともあろうかと思いますが、ただいま御指摘の点は、まあとかく不親切だと思いますが、事前検挙と申しますか、そういう立場を各警察ともとっておりますので、そのことを申し上げたいと思います。
  27. 小林武治

    小林武治君 今の戸別訪問の問題ですが、まあ戸別訪問を禁止しておること自体についてまあいろいろ問題がある、自由にしたらいいじゃないかと、こういう議論もありまするが、一応今禁止されておる。しかしこの選挙が、地方選挙等も直接その地方関係のある選挙等においては、戸別訪問というものがもうほとんど手のつけられないほど堂々といわば行われておると、こういう状態でありまするが、これらについては、警察は多少知らぬ顔をしているというか、手加減をしているというか、そんなところが一体あるかどうか、伺っておきたいですな。
  28. 中川董治

    政府委員中川董治君) 戸別訪問は御承知のごとく現行におきましては犯罪としてありますので、その犯罪捜査につきましては、各地とも密接にやっておるわけでありますが、問題はこういう事犯が相当多くなって参りますと、ことに地方選挙のごとくなって参りますと、捜査従事員との関係におきまして、発見するのがおくれる、あちらの村でもこちらの町でも選挙が行なわれて、そういった事態が相当たくさん起って参りますと、警察は大いに発見する考えはありましても、実際の内偵としては見つからぬものもあるし、見つけるのに人員等が不足する面もあろうかと思います。こういう点も考えまして、各警察におきましては、まず違反の捜査は、違反事件がないということを期待するのがまず建前でありますので、それぞれの選挙管理委員会と十分な連絡をとりまして、選挙管理委員会の方にお願いして、各候補者の事前の打合会その他をやっていただきまして、関係候補者初め運動員の方が法律を守るという態勢にまあ仕組んでいただくと、それを警察及び検察は、捜査機関はそれを保障するという意味で内偵を厳重にやっていただくと、こういう立場をとって効率的な選挙違反防止対策を講じているのでございますが、ことに御指摘地方選挙になりますと、先ほど私が申し上げましたごとく、そういう方式でやっておりましても、著しく戸別訪問事件が多いということになりますと、比較的捜査がおくれて参るということもあるかと思いますので、こういう点は今後とも各警察とも話し合いまして、そういった点の効率的な取締りをする、こういう点については一そう工夫して参りたいと思っているのであります。
  29. 秋山長造

    ○秋山長造君 自治庁にお伺いしたいのですが、この四月十五日の官報第八千四百八十五号附録資料としての「地方選挙について」という自治庁の書類ですが、これは一体自治庁長官が責任を持って出されたのでありますか。
  30. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) お答えいたします。さようでございます。
  31. 秋山長造

    ○秋山長造君 選挙部でお作りになったものでございますか。
  32. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) さようでございます。
  33. 秋山長造

    ○秋山長造君 実はあなたではどうかと思うので、私長官に聞きたいと思っておったのです。この選挙人の心がまえとしていろいろなことが書いてあるのですが、その中に、党よりも人だということを非常に強調して書いてあるんです。一体そういうことまで自治庁指導するべき筋合いのものであるかどうか、どうですか。
  34. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) これは大臣の御方針によってやったあれなんでございますが、地方選挙についてはどちらかというと、党よりも人じゃないか、国会選挙の場合とそういう意味でニュアンスが違ってきていいのじゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。
  35. 秋山長造

    ○秋山長造君 党よりも人だということは、これは大臣の御方針なんですか、今おっしゃったように……。
  36. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 大臣の——一応御決裁をいただいたのでございますが……。
  37. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ちょっと降矢説明員に申し上げておきますが、今の御答弁では大臣の御方針だと明言しておられますが、それでようございますか。
  38. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 一応御決裁をいただいたものでございますが——さように考えております。
  39. 秋山長造

    ○秋山長造君 これは降矢さんにあまりお伺いするのもどうかと思うので、これぐらいで留保しておきたいのですけれども、これは委員長お願いしたいのですがね、この地方選挙のみにとどまらず、これは重大な問題だと思うのです。それでいずれ早い適当な機会に長官に直接お尋ねしたいと思います。ぜひそういう機会を作っていただきたいと思います。
  40. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 承知いたしました。
  41. 中田吉雄

    中田吉雄君 その問題は大臣の決裁を得たということですが、そうすると、あなた方の方で起案して大臣がめくら判を押したのですか、どうですか。
  42. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) これは内部のことを申し上げてはなはだ恐縮なんでございますが、これは所管課長が管理課長になっておりまして、管理課長の方で起案して決裁を行なっているはずでございます。
  43. 中田吉雄

    中田吉雄君 それでは、秋山委員と同じように大臣がおいでになってからにしたいと思うのですが、課の方でおやりになったということですが、しかし今あなたも国会党派別だが、地方選挙は別だということを言っておられますが、いわゆる民主主義の議会政治の進んだアメリカ、ドイツ、フランス、イギリス等の諸外国の例を見て、果してそういうことが言い得るのですか。
  44. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) これは私の考え方になって、はなはだ恐縮でございますが、ニュアンスの相違としては、やはり地方選挙のほうは人が中心になるのじゃないかと、こういうふうに私は考えております。しかし、もちろん中田先生も御承知通り、アメリカの都市でも、政党というものの力を地方議会にまあ国会ほどは強く反映しないようにというような意味で、比例代表制度を都市でもとっておる所があるようでございます。もちろん、最近の傾向としては、私たちの聞いているところではそういう考え方もだんだん少くなって、比例代表制度をやめていこうという都市もあるというふうに承わっておりますが、私は、考え方としてはまあニュアンスの相違になると思いますが、そういうふうに考えております。
  45. 中田吉雄

    中田吉雄君 それでは、この次でけっこうですから、そういう議会制度割合うまくいっているイギリス、スイス、ドイツ、アメリカ等の地方議会が、果して党より人であるか、そういう議会の構成と政党分野との関係を年代別に一つ調査したのを出してもらいたいと思います。
  46. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では、ただいまの中田君の資料要求については、自治庁側に委員長からも要請しておきます。  ただ、あなたが国家公務員としての選挙課長の立場であって、党よりは人だということが地方選挙としてはニュアンスが強いという徴発言をせられておりますが、そういう考えをもって行政官として指導せられることについては、問題は残るだろうと思います。この点はあなたにお話ししてもいかぬことですから、まあこれだけにしておきます。
  47. 安井謙

    ○安井謙君 今の小林君の質問にちょっと関連して警察庁にお伺いしたいのですが、選挙法が非常に最近ひんぴんとして変るというようなことで、取締官のほうからいっても、いわゆる戸別訪問とか買収とかいったような問題については、これはまあ従来と同じような観念でやる。いわゆる形式犯といいますか、名刺を使っていくというようなものについては、かなり解釈がまちまちになって、実際の取締り上その地区で解釈が違ってくるとか、あるいはそごを来たすといったような事例はあったように思いますが、その点はどうですか。
  48. 中川董治

    政府委員中川董治君) 公職選挙法の解釈の点につきましては、御指摘のように比較的しばしば改正が行われますので、ことに文書関係等におきましては、またトラックの連呼行為等につきましては、しばしば改正が行われたのでありますが、そういった点につきまして、解釈として文字と文字との間において疑義が生ずるということは私どもいつも悩む問題でございますが、これについてぜひとも私ども行政官としては統一的な解釈をとりたいと、こういう念願をしておりまして、国会におきまして公職選挙法が成立いたしますと同時に、警察関係自治庁関係法務省関係、この関係者がしょっちゅう会合等を持ちまして、こまかい点に至るまで解釈を統一しておるわけでございます。統一いたしました解釈を、警察につきましては、私どもの手を経まして各府県にそういうものを連絡をしておるのでございます。ところが、そういうふうにわれわれ頭で考えまして一応解釈をきめましても、具体的に起る事案が想像しがたいというようなことが起ったことがある。そういう問題については地方から伺い出がございます。伺い出につきましては、法律の文字をずっと頭で整理いたしまして研究いたしまして、先ほど申しましたように、自治庁法務省と十分打ち合せして、また回答する、こういうふうに念には念を入れて解釈の統一をはかっておるのでございますが、そう言っては失礼でございますが、文字の解釈等につきましては、いわゆる人によって解釈も違って若干時間も費すことがありますが、統一した解釈をするという点につきましては非常に努力しておりますので、そういうふうに御承知願います。
  49. 安井謙

    ○安井謙君 実際の問題として、同じ選挙区の中で、警察の管轄の違いによって、解釈が異なる。また、あるいは明らかなる解釈の相違ではなく、選挙法から見てこれは違反行為であるにかかわらず、末端の取締官にそれが徹底していないために、ことに形式的な文書関係でそれが非常に見のがされるといったような傾向が非常に強かったと思いますが、その点は実際問題としてどういうふうに解決しますか。
  50. 中川董治

    政府委員中川董治君) 今の御質問の点は、先ほどの小林委員の御質問と相関連するのでございますが、私ども形式犯を蔑視するという考えは毛頭持っておりません。国会のおきめになった法律を忠実に施行する、こういう考えを持っておるのでございますが、何分にも犯罪の関係が多いものでございますので、そういった面をできることなら行われないようにする、それで警告その他の措置によって犯罪行為が行われぬことを期待する、こういう立場をとっておりますので、そういう警告等によって、文書事犯等のすべてを検挙するとは申しませんが、比較的警告によって目的を達することができるのではないかということで、警告等の措置を講じております。それにもかかわらず、あえて犯罪行為をやる分につきましては、もちろん私ども刑事訴訟法の定めるところに従いまして、厳重に捜査をいたしておるのでございます。そういう関係で、ただいま小林委員の御指摘のあったような点が、地方等においてあり得ることは私も考えておりまして、そういった点をだんだん深く選挙管理機関と捜査機関とがタイアップいたしまして、法律を守った選挙が行われる、こういう線に一ついろいろ皆さんの御協力をも得て、実施して参りたい、こういう熱意でやっておるのでございますが……。
  51. 島村軍次

    ○島村軍次君 取締りの問題に関連しまして、いわゆる買収及び利害誘導という選挙法の二百二十一条の規定の解釈が、なかなかむずかしい問題だと思うのでありますが、率直に申し上げて、こういうことについてはどうお考えになっておりますか。たとえば労務者を頼んで、日当を二百円、選挙法できめられた範囲で前渡しという形で千円なら千円渡した、こういう場合に、それが実際に二百二十四条の買収犯として取り上げられたという例があるようですが、そういう問題の扱いについてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  52. 中川董治

    政府委員中川董治君) この、御指摘の二百二十一条の点につきましては、最近におきましては余り改正がございませんし、この点は旧法におきましてからずっと引き続いたような内容を持っておりますので、判例等もございますので、その判例等を基礎にして判断いたすのでございますが、御質問の点は、「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって」この目的の立証という点について、個々の事案等について問題があろうと思うのであります。その点は選挙費用の前渡しというように疎明できる面がありましても、当選を得、または得しめる目的で金品を授与したということが立証できる事案等もございますので、ただいま御指摘の点は、法律解釈と申しますよりも、具体的の事犯の実態、さらにはその実態を証明するに足る証拠、証拠は物的、人的というものがございますが、証拠を中心にして問題を解明するより手はなかろうか、かように私どもは考えておるのでございます。
  53. 島村軍次

    ○島村軍次君 たとえば、労務の労務費としてか、あるいは車代としてという物的の領収証等があれば、それはいわゆる二百二十一条に該当せぬ、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。労務だということが、労務のために金を前渡しした、こういうようなことが証憑書類ではっきりすれば、それは判例等の場合はどうなっておりますか。
  54. 中川董治

    政府委員中川董治君) 御指摘の点は二百二十一条にも関連いたしますが、御存じの通り選挙費用の支出につきましては、費用の制限がございまして、出納責任者の承諾を得ずしての支出はいけない、こういう点との関連において事案を究明することになろうと思いますが、その所定の手続を経て法律の定める範囲内の労務費が支払われるということが認められる限りにおきましては、罪とならない、こう理解されると思います。
  55. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) 公職選挙法のいわゆる労務賃金の認否というのが非常にむずかしい問題なのでございますが、御承知のことと思いますが、参考になるかと思われます判例を一つ御紹介申し上げます。それは昨年の、すなわち昭和二十九年の十一月十七日の東京高等裁判所の判決でございます。これは破棄自判になりました判決で、従って一審とは見解を異にした新しい高裁の判決が示された判決でありますが、要旨を読んでみますと、「選挙運動において、現行公職選挙法の範囲内で労務賃と称する報酬の受領できる者は、選挙運動に使用される単純な労務者(選挙運動者の手足となり、その命ぜられるままに機械的に行動し、自己の判断でその候補者の当選あるいは落選に影響のあるような行動はとらないものと解する)に限るのである。たとえ肉体的の労務に服しても(たとえばポスターを貼付するようなこと)それが選挙運動者がみずから運動者の立場においてしたのであれば実費の弁償を受けるのは格別、労務賃と称する報酬を授受すれば、これは公職選挙法二百二十一条第一項第一号第四号違反となるものと解せられる。このように解しなければ、公選法二百二十一条の規定は何ら意味がないものとなるのである。」結局選挙運動者というものは労務賃をもらうというようなことは理論的にはあり得ないのだ、こういう趣旨の判例が一つございます。御参考までに申し上げます。
  56. 島村軍次

    ○島村軍次君 労務費の問題は、大体その判例でわかりましたが、たとえば自動車代の前渡し、車馬賃としてというような場合はどうなりますか。
  57. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) そのような事犯——ただいま先生の言われた通りの事犯であるということになれば、結局費用の前渡しについてのあらかじめの承認を得ておくとか、あるいは支出をした場合の支出報告書の記載高届出違い、さらに選挙運動費用の超過になるかならないかというような点で規制を受けることになると思います。従って事案の処理といたしまして、もしそのような主張が被疑者の方から出た場合には、検察庁としては十分その点についての捜査を進めまして、支出の認否を確かめた上で処理をしているはずでございます。
  58. 島村軍次

    ○島村軍次君 選挙の場合に、普通に足代と称してよくやられることなんですが、その支出の方法が制限費用の範囲内であって、しかもいわゆる善意な足代に相当するものであるということになれば、しかも出納責任者の承諾を得て出し、受領証もあるということになった場合には、取締り上の解釈では、ただいまのお話ではこの二百二十一条の解釈の罰則に入らない、こう解釈してよろしゅうございますか。
  59. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) ただいまのお尋ねのように、これが純粋な足代であるというような場合に認定できる事案というのは、検察庁で扱っている事件で、私たちの受けております報告では見当らないのでありまして、足代が主であるけれども、あるいは足代も入っているけれども、同時に選挙運動に対するお礼の意味も含まれているというのが、事件になっているままでの全部でございまして、そういう場合には、すなわち、どこまでがいわゆる足代であり、どこまでが選挙運動の費用としての金であるかという区分がつかない場合には、一応全部金銭の支出について違法性があるというのが、判例の立場になっているのであります。
  60. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこで、取締り当局の解釈上の統一を従来からはかっておいでになっておるだろうと思うのでありますが、そういう場合にただいま申し上げたような事犯で、二百円とか五百円とかという程度、そうして選挙費用の範囲内であるという場合には、それが単なる足代であるということ、それがこの二百二十一条に該当するものだという解釈はなかなかむずかしいと思うのですが、しかし善意にこれが足代だという解釈になる場合には、これに入らぬ、こういうふうな解釈の統一をやってきておりますかどうですか、これは警察当局のほうからでもけっこうです。
  61. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) 非常に恐縮ですが、この選挙法の解釈は非常にむずかしいところがございまして、抽象的にこれはこうだという解釈は、非常にしにくい点がありまして、個々のケースによって適切に処理していくというのが現状なんでございます。
  62. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこでいわゆる買収犯というような件数は、世間往々にしてたとえば何万円とかあるいは数十万円とかというのがよく新聞に出ておりますが、しかし事実問題としては、きわめて軽微なものが実際の犯罪行為として取り扱われておるような実例もあると思います。そういう場合に対しては何か解釈上——、これは具体的の事実によって判断するというお話はわかりますが、そういう問題について取扱い上の統一を期せられた例がありますか、どうですか。
  63. 中川董治

    政府委員中川董治君) ほかの文書関係等につきましては、解釈として統一するということは比較的やっておるのでありますが、二百二十一条の買収関係になりますと、事実問題が中心になろうと思いますので、ただいまの御指摘の点についても、事実関係運動報酬と認められるという限りにおいては、もちろん違反になる。それから成規の手続をやって、普通の単なる公職選挙法の認める限りにおいては合法であろうということになろうと思うのでありますが、そういう買収関係で、たとえば何万円以下であれば問題にしないというようなことは、解釈として成り立ちませんので、そういう何万円未満は問題にしないというようなそういう意味合いにおきましての統一は事柄の性質上できませんので、そういう意味合いにおきましては、事実上の具体的事案に即して、個々のケースを捜査して参る、そういうことに相なって参るのであります。
  64. 島村軍次

    ○島村軍次君 もう一つ、これは何条でしたか、具体的の事実はこういうことなんですが、部落会で会合した、その場合に、その部落会の会合者の承諾を得て、何々候補を推薦したらどうかというような発言をしたとすれば、それは選挙犯罪の中に入りますかどうか。
  65. 中川董治

    政府委員中川董治君) 今の御指摘の要点だけでは、ちょっと私イエス、ノーは言いがたいのでありますが、と申しますのは、部落会の実体が選挙演説会の実体を備えるものなれば、選挙演説の制限に従わなければならない。それから、そういう部落会で個々に運動等をやっております場合には、戸別訪問の違反になる場合がある。それから、そういう部落会に関連して金品、飲食の供与等が行われれば、二百二十一条等で、問擬され、全く公職選挙法上許されたる個々面接と認められる場合においては罪とならない、こういうことになろうかと思うのでありますが、そのいずれも実体関係が、いずれの実体をもっているかによって捜査機関ないしは最後に裁判官が判定すべき性質のものではなかろうかと思うのであります。
  66. 島村軍次

    ○島村軍次君 もう少しそれでは具体的に申し上げますと、別に選挙でなくて部落会が開催された、たまたまそれを候補者の人が聞いて、そうしてその部落会に故意で出たわけではないが、たまたまあいさつというような形で出て行ってあいさつした、それはほかには何も菓子も供与をしないし、茶菓子もいただかない、ただ立候補したというあいさつをしたとすれば、それは何かひっかかるところがありますか。
  67. 中川董治

    政府委員中川董治君) 先ほど申しましたように、事実関係によりますので、ここでこうぴたっと結論が出しがたい事案でございますけれども、今御説明された内容では、それ以外に意思の疎通関係等のない場合においては罪にならないと考えております。
  68. 安井謙

    ○安井謙君 先ほどの御質問ですが、たとえば実費弁済のための概算前渡しということにひっかけていろいろな犯罪が起り得る可能性があるわけですが、それによって摘発された場合が非常に多いと思うのです。前渡し制度、実費の概算払い制度というものは、これははっきり認められているので、それについて取締り当局としては、こういう程度のものならかまわない、いまの何万円という程度のものではない、たとえば何千円の車馬賃に当る大体常識上考えられ得るものはこれはいいのだ、というような指令を統一解釈として出されたことがあるか。それは厳重に取締るということで事実上前払い概算が非常に嫌疑の対象になっているが、その扱いを首脳部はどういうふうに扱われたかという点をお聞きしたい。
  69. 中川董治

    政府委員中川董治君) この許された選挙運動費用という点は、これはもちろん法律が根拠でございますが、法律に基きまして許された選挙運動の費用の範囲は、公職選挙法によりまして告示が行われておりますので、その告示の範囲内のことはもちろん許された行為であります。
  70. 安井謙

    ○安井謙君 だから、そういった概算払い制度というものは選挙法で明らかに認めてある。それにたとえば車馬賃として二千円なら二千円かかるであろうという概算で渡すとという制度はこれは選挙法で認められているのだが、そういうものは認められているのだということを統一解釈として、首脳部は取締官に対して十分思想の統一をした実績があるかどうかという点をお伺いしたい。
  71. 中川董治

    政府委員中川董治君) 許された選挙運動の費用はこの告示がございますので、そういった点は私ども講習会はもちろんのこと、選挙運動が始まりました場合、さらに告示等の改正された際には直ちに連絡いたしまして、許された選挙運動の費用というものはよく承知いたしております。非常に平たく申しますと、許された以外の金の授受等があった場合には、二百二十一条で問擬するという点は、第一線の捜査官もよく熟知していると思うのであります。
  72. 安井謙

    ○安井謙君 それはその通りなんだが、実際の扱いとして概算払い制度をやったがために非常に嫌疑をこうむった件数というものが、今度の衆議院なり地方選挙を通じて多くあったことは事実だ。その場合にむろんその許された選挙法の範囲なら問題ないわけだが、取締官の態度を指示するものとして、そういう実費弁済の概算前払い制度が認められているということを明確に承知させておったかどうか、そこが非常に運営上の問題だと思うのであります。先ほどの質問によると、何万円以下ならよろしいというようなことは一がいには言えないから、そういうことはやったことはありませんというお話だったが、何万円というようなものじゃなくて、そういった概算払いというものはそれは実際選挙法に触れないのだという明確な解釈の統一をはかってやられたかどうか、今度の取締りに当って。その点をはっきりとお伺いしたい。
  73. 勝尾鐐三

    説明員勝尾鐐三君) ただいまの点でございますが、いわゆる公職選挙法で支出の認められている額は、これは私たちの方でも選挙の会同の際に、次席検事あるいは検察の上官を通じて徹底さしてございます。従って公職選挙法で許された額内の支出はいかなる場合にも違法性は帯びないかと、——裏からの見方になりますが、そういう問題につきましては、それは必ずしも全部が全部そうとは言えない場合があるだろう、と申しますのは、公職選挙法で認められた額内の授受であっても、それが買収の目的で授受されているならばこれは買収になる。しかしながら実際の処理の問題に当っては、公職選挙法で一定の額についての支出を許されているのであるから、その点についてその額より以下、あるいはその額に近いような金円の授授については、その違法性については十分慎重な検討を要するものがあるという点は、解釈上検察官には明らかにしてございます。
  74. 安井謙

    ○安井謙君 私がくどく言うのは、一般に見てこの金銭の授受が伴うことは当初から疑惑を持って見られるという傾向が非常に強い。しかもこれは悪質だ、買収になる悪質のものだという観念の取締る側の方の姿、同時に文書などの形式的な違反には相当計画的なものでありながらも、これがかなり見過ごされている、その取締官の目の角度というものが非常に古い選挙法時代の買収という観念にこだわり過ぎている傾向が強くなかろうかという点があるから、今のような御質問をしたのですが、水かけ論になるかもしれませんので、これでやめます。
  75. 石村幸作

    ○石村幸作君 自治庁にちょっとお伺いいたします。自治庁公明選挙運動を非常に熱心にやって、特にその予算の増額までいろいろ骨を折られて非常に熱心に運動を展開されたと思うのですが、どうでしょう。その結果選挙違反の実態等がまあ以前というか、昨年なり二十八年ごろの選挙、こういうのに比べてここの表を見ますと、今年の選挙の方が違反がふえている。こういうのを見て、非常に熱心に公開選挙運動を展開しておるのにもかかわらずこういう結果になったことについて、どんなふうにお考えになりますか。
  76. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) その点は、私たちは部内で話しましたときはこういう考え方であります。すなわち、選挙違反というものは、公明選挙運動は二十七年から徐々にやって参りました。けれども、そう早急に件数、内容において減少するものではないと思っております。徐々にその効力を表わしてくると思っております。今度の選挙で、ただいま石村先生から御指摘のように多いじゃないかという結果に対しましては、むしろこれは検察あるいは警察当局の問題でございますが、世論がそういうふうに公明選挙をやらなきゃならないということで、まあ取締りの方においてもかなり世論のそういう傾向に従ってやりやすくなったのではないだろうか、そういう結果、必ずしも件数においてはふえておっても、公明選挙の効果としては徐々に上ってきているのではないだろうかと、こういうふうに考えておったわけでございます。
  77. 石村幸作

    ○石村幸作君 私の聞きたかったのはそこだったのです。あなたが先に早くそういうふうな結論を出してしまったのですが、そうすると、公明選挙運動の効力は相当あったと、だけれども警察の非常に熱心というか、努力というか、今まで以上に特別に警察選挙違反の摘発というか捜査、これに積極的であった、今までかつてない以上に積極的であった、その結果こういう結果が出たのだと、こういうふうにまあ解釈しておられるわけですか。
  78. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 今までよりも警察で特別に努力をされたかどうかということは、私たちはよくわからないのでございますが、まあ傾向としては公明選挙の世論というものが高まってきて、割合にやりやすくなったのではなかろうかと、こういうふうに部内では考えておった次第であります。
  79. 石村幸作

    ○石村幸作君 公明選挙の効果が表われてきてやりやすくなったというのは、だれがやりやすくなったのですか、警察の方がやりやすくなったのですか。
  80. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 違反件数が多くなったといたしますれば、まあ警察の方がやりやすくなったのではないかと、取締り当局の問題でございます。もちろん私たちといたしましても、この法の解釈、運用につきましては、十分に選管に徹底いたしまして、たとえば実質犯はとてもわかりませんけれども、文書等の形式犯につきましては、警察と選管で事前に打ち合せをいたしまして、違反文書の撤去については、警察と打ち合せをした上で、選管からまず警告を出していただきまして、そういう具体的な措置をとってやっておるわけでございます。もちろん、犯罪の検挙でございまするから、これは警察の当局にお願いしなければならんと思っております。
  81. 石村幸作

    ○石村幸作君 大体わかってきたのですが、まあ自治庁の立場とすると、検挙とか、そういうふうなことは自分の所管ではないので、しかし選挙の管理というか、選挙法の施行を総括的に見ておるわけです。そうすると、選挙そのものの実態だけでなく、この違反の検挙、そういうふうな面についてもやはり見ておられると思うのだが、三十年二月選挙以後警察当局のとられた措置、こういうふうな点が、これは違反があったら摘発するのは当りまえなことであるが、しかしそれらの点について公明妥当であったかどうかと、こういうふうな点も必ず見ていなければならぬと思うのですが、どんなお考えですか。
  82. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 具体的な事犯の検挙につきましては、私たち全然内容を聞いておりませんので、その検挙が公正妥当であったかどうかということについては判断はできかねるのでございます。ただ先ほど申し上げました通り、法の解釈、運用につきましては、警察当局と打ち合せをいたしまして、選管に指導をしておりますし、選管も具体的な——もちろんこれは形式犯だけでございますが、形式犯違反事項については、警察当局と打ち合せをしまして、警告等を発しておるわけでございます。
  83. 石村幸作

    ○石村幸作君 そこで、しつこく聞くようですけれども、もうやめますが、この検挙の内容、犯罪というか、違反の内容等について今お話しのようだったが、ただ私の公正妥当と見ておるかと尋ねたのは、悪いものを摘発し、あけるのは当りまえのことなんだが、総括的にその取締りが一方に偏しておるようなことがなかったか、妥当であったか、公明であったか、公正であったか、そのくらいのことは自治庁でも見ていなければならぬと思うのですが、どうですか。
  84. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) これは一般的にそういう全体として公正であったかどうか、一方に片寄っていないかどうかということにつきましては、部内といたしましては、そういうふうにへんぱな取扱いはしてなかったというふうに判断しております。
  85. 小林武治

    小林武治君 私はこの際自治庁の注意を一つ促しておきたいのですが、実は地方の町村長の選挙の場合に、ある村が結局無投票当選になると、こういうふうな届出締め切りのまぎわになって、その村に全然来たことのない、あるいはその村について全然関心を持たない人が立候補届出を郵便で送ると、そのために無用なというか、投票施行しなければならんと、こういうのが最近ひんぴんとして起きてきております。これらについて、無投票にすることの善悪はむろんありますが、とにかく無投票にきまった場合に、いわば地方自治体としては全く関係のない者が立候補をして、そうしてあえて選挙をさせると、こういうことをどう思われるか。現在町村長については、供託の制度も、また居住の条件も何もない。従っていまのような事態がしばしば起きる。それで地方に言わせれば、要するに無用な選挙費用の支出をやむなくされておると、こういうようなことがあるのでありますが、これについて自治庁がどういうふうに考えておるか。またこれがもし広く選挙の公正ということから見て妥当を欠くとするならば、何らかの条件をつけて、そうしてたとえばある山間の村に東京から立候補届出を出すと、こういうふうなことを防ぐ方法が何かありはせぬかと、こういうことを思うのでありまするが、問題として私は提供しておきまするからして、自治庁の考え方、またこれを不当とするならば、その防止策についても何か考えがあるかどうかということを、適当なときに一つお示しを願いたいと思います。
  86. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) はい。
  87. 小林武治

    小林武治君 しかし、そういう事実があることを御存じかどうか。
  88. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) ただいま小林先生の御指摘になりました、立候補を郵便で全然関係のない町村に送って立候補するということは私は聞いておりません。ただ村が無投票になりそうになって、急に候補者が現われて投票をするような事態になったということは二、三聞いております。で問題は、小林先生の言うように遠くから全然そこに行かないで、すぐ郵便で立候補届けを出しておるという点だけはまだ聞いておりません。
  89. 小林武治

    小林武治君 静岡県等には今の事実がひんぴんとしてあるために、町村としてはまあ迷惑と申すか、混乱をきたしたと、こういうような事例があるので、要するにその村に全然居住したこともない、またその村に何らの関心も持たぬ、こういう者が立候補届けを書留で送るということがありまするからして、その事実について一つ検討していただきたい。
  90. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では、ただいまの小林君の要請については、自治庁においても御検討の上、適当な機会に見解を示していただきたい。
  91. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 承知しました。
  92. 島村軍次

    ○島村軍次君 もう一つ伺いたいのですが、町村合併が行われまして、町村の区域が非常に広くなった。東西十数里、南北も——。そういうふうな事例がたくさんある。そこで多くの場合は自転車で運動をやっている、こういうのが実情なんですが、まあそれに対して何か改正の意見でもあるかどうかということと、それから果してさような場合に、その自動車が使われぬという結果から実際問題としては連絡という意味で自動車一台備え付けておって、そして運動をやる場所までちゃんと先へ行っておって、そして候補者がその自動車を利用していくというようなことはこれはたくさんあるのですが、そういう場合に対しての取締りとか、あるいは選挙法上そういう問題はどう解釈されますか、それを伺っておきたいと思います。
  93. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) ただいま御指摘の点でございますが、結局現行法の、公職選挙法百四十一条で、町村の選挙については自動車は使えないという点にまあ問題があるわけでございます。この点については町村会議員についてはまあともかくとして、具体的に問題になっているのは長の選挙が一番まあ問題にこのたびなったわけでございます。この点については内部的には検討いたしまして、自動車を使わせたらどうかという意見も一部にありますが、まだ選挙部として最終的な意見を決定しておりません。結局問題になりますのは、まあこの自動車の点であると思います。
  94. 島村軍次

    ○島村軍次君 自動車を実際に使った場合はどうなんですか。
  95. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) これは「主として選挙運動のために使用される自動車」を使いますと、違反になるわけでございます。表示をうけた自動車しか使えない、表示はもちろん渡さないわけでございますから、百四十一条の違反になるわけでございます。
  96. 島村軍次

    ○島村軍次君 そこでしつこいようですが、その解釈はわかりますが、連絡用で使うという場合は取締り上どうなりますか。
  97. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 連絡用でありますと「主として選挙運動のために使用される自動車」でないということになりますから、これはもちろん違反にはならないわけでございます。百四十一条は「主として選挙運動のために使用される自動車」と、こういうまあ表現をしているわけでございまするから、あるいはまあ連絡用として——ただいまの連絡用と申しましても、たとえば個人演説会場から個人演説会場に行く、通常ならばバスがあればバスにも乗れるところをハイヤーに乗って行くと、こういうような意味で連絡用を使いますれば、これは「主として選挙運動のために使用される自動車」ではない、そういうふうに解釈しているわけでございます。
  98. 島村軍次

    ○島村軍次君 ハイヤーを使った場合には、それは「主として」の中に入りますか。これは実際の取締りはどういう扱いにしておられますか。
  99. 中川董治

    政府委員中川董治君) これはもうしょっちゅう私たちうかがわれる事件でございますが、自動車のような文明の利器は使ったらいいじゃないかというようなお説をなす方もございますが、現行公職選挙法では、町村選挙におきましては、選挙運動のために自動車を用いることができない。だから普通、通常バス等で行ける場合はバス等で行く、それで全くそういう例はないかと思いますけれども選挙運動に従事しておる方が突然病気等によってハイヤーを雇われる、こういう点については罪となりません。しかしながら、その選挙運動のために自動車を用いるという点になりますと、ただいま降矢課長説明にありました主として選挙運動のために用いるという、少くとも容疑等がございますので、そういう点は警察において調べざるを得ない、こういうことに相なっておるのであります。
  100. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 委員長からもお尋ねしておきますが、ただいまのは正確に言うて、公営であろうと私営であろうと、個人演説会のためにその地点にある地点から行く場合にも、ハイヤーを候補者が使ってはならぬ。それも「主として選挙運動のために」という中に該当する、こうなりますか。
  101. 中川董治

    政府委員中川董治君) ちょっと私言葉が足りなかったと思いますが、選挙運動のために自動車を用いるものであって、その自動車選挙運動のために主として用いられると認められる限りにおいては違反となる。それで逆に違反とならない場合を申しますと、ただいま私が申し上げました病気等の場合はもちろん違反となりませんが、その自動車をその選挙運動期間中に大体用いるということを例としないで、単にまあ輸送目的だと認められる限り、単に甲の演説会場から乙の演説会場にバスで行くのに時間等がない場合において、ちょっとハイヤーを使ったというような場合には、主として選挙運動のために自動車を用いた、こういうことにならないと、こう理解せざるを得ないと思います。
  102. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それでは降矢説明員から発言を求められておりますので……。
  103. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) 先ほど秋山先生の御質問に対しまして、私が説明員の範囲を越えたような発言をいたしまして、大臣のお考えであるかのごとくに発言したことは、私の資格の範囲を越えたものでございますので、取り消させていただきたいと思います。(笑声)
  104. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 事実上の問題について違っている点があったら……。
  105. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) それから先ほどの文書の件でございますが、これは一応次長まで話をいたしまして、私の方の総務課で官報資料の方に登載するということでまとめて出しております。従いまして、先ほどの決裁云々という文句を申し上げました点も取り消させていただきたいと思います。
  106. 秋山長造

    ○秋山長造君 では何ですか、大臣の決裁を得たということは、これはうそなんですか。
  107. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) その点でございますが、もちろん、これは次長からは話されておるかどうかでございますが、私は話してあるのじゃないかと想像しております。ただ判の上では次長まで決裁をとられておる、こういうことになっております。その点事実と違ってきますので、御訂正させていただきたいと思います。
  108. 秋山長造

    ○秋山長造君 じゃ、あなた自身が確認されていられる範囲は、次長までが範囲なんですね。
  109. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) さようでございます。
  110. 秋山長造

    ○秋山長造君 次長の判は確実にあんたはもらわれている。
  111. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) これは先ほども申し上げました通り、主管課長は管理課長でございますので、管理課のほうに確かめまして、そういうふうにされておる、こういうことでございます。従って私が直接の決裁をとったかという御質問については、管理課長の方でなされておるということをお答え申し上げます。
  112. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記をやめて。   〔速記中止
  113. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を起して。
  114. 秋山長造

    ○秋山長造君 この官報へ載った自治庁という名義の資料、これについての責任は、はんこは誰がつかれたのか知らんけれども、責任はやっぱり自治庁長官が最終的の責任を負われるわけでしょう。
  115. 降矢敬義

    説明員降矢敬義君) そのように考えております。
  116. 秋山長造

    ○秋山長造君 だから、今の問題は降矢さんはあまり追及するつもりはないので、さっきお願いしたように、自治庁長官を呼んで、できるだけ早い機会に一つこの問題を中心に質疑する時間を与えていただきたい。
  117. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 承知しました。では、以上で選挙関係を終ります。   —————————————
  118. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 次に自治庁の方をお待たせして大へん済みませんですが、消防庁関係予算説明を簡単にしていただいて、それから自治庁の方の関係に移ります。  速記をやめて。   〔速記中止
  119. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を起して。  では、ただいまより国家消防本部の総務課長横山和夫君から消防関係予算についての説明を求めます。
  120. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 消防関係の主として補助金に関するものになるかと思うのでありますが、それにつきまして御説明を申し上げたいと思います。  昭和三十年度の消防の施設に対する補助といたしまして、われわれの方で大蔵当局に要求いたしました総額は、三十一億四千二百万円ばかりでございます。その内訳は、消防のポンプ関係が十三億七千六百万円余り、火災報知機関係が一億二千七百万円ばかり、消防の専用有線電話装置関係が七千五百万円ばかり、無線の電話装置関係が一億七千九百万円ばかり、防火水槽関係が十三億余、都道府県指導監督賞が七千三百万円余、合計にいたしまして約三十一億四千二百万円余というものを要求いたしたわけでございます。これに対しまして、大蔵当局の当初示して参りましたのは、今年の予算編成における補助金整理の一般的な方針の関係等もございまして、ゼロであったのでありますが、数回による復活要求と、幸いにいたしまして、諸先生方の格別な御配慮等もいただきまして、現在予算案の中にはいって提案されております金額は二億五千六百二十八万二千円で、消防施設整備費補助といたして出ておるという状況に相なっております。これは先ほど申し上げましたように、三十一億余に対しますところの二億五千六百万円ばかりでありますから、十分の一にも満たない金額にしかなっていないという状況でございます。その内容は、お手元にただいま差し上げました資料にありますように、消防ポンプ自動車、三輪ポンプ自動車、手引動力ポンプ、小型動力ポンプ、さらに火災報知機、消防専用無線電話、それから防火水槽及び若干の指導監督費、こういう計画を一応立てて説明をいたしておるわけでございます。ただ、実際に二億五千六百万円が三十年度予算として確定いたしました暁においてこれを配分いたします場合には、若干地方の要求等を基礎として参りますので、ここに差し出しました資料通り数字ができ上るかどうか、これはわからないのでありますが、一応計画としてはこういうようにいたしておるわけであります。  なお、先ほど申しました三十一億何がしの金額は何によってはじき出したかと申しますと、常設消防力の基準及び常設消防のない地域におきましては、消防団の設備及び運営基準というこの二つの基準をもとにいたしまして、はじき出したのであります。なお、防火水槽につきましては、昭和二十六年におきまして、全国一斉に調査した要望の数量というものを基礎にいたしまして、はじき出したのであります。それを防火水槽の場合は十ヵ年で整備するという計画を持ち、その他の消防設備につきましては五ヵ年整備、こういう立場に立ちまして、今申し上げましたような数字をはじき出したのであります。  その次にもう一つ、全国の消防で非常に要望をいたしております消防団等のいわゆる消防関係者の公務災害補償に対する補助の点でございますが、これも過去の平均実績を基礎といたしまして、二分の一国庫において補助をするという観点から七千八百万円ばかりを大蔵当局に要求いたしたのでありますが、遺憾ながらこれは全面削除を経たまま、従いまして、現在御審議いただくべく政府から出されております予算案の中には、この公務災害補償関係の補助はゼロになりましたという状況でございます。  はなはだ簡単でございますが……。
  121. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では御質疑のある方は……。
  122. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 昨年一年におきまして、新たに建築されました建物の総坪数と、それから焼けました総坪数がおわかりでございましょうか。
  123. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 昨年一年間に建てました全坪数というのは、実は手元に完全の資料を持って参っておりませんので、お許しいただきますならば、この次の機会に資料として提出さしていただきたいと存じます。なお坪数の関係は、これも実はまことに恐縮でございますが、補助金関係だったと思いますが、持って参っておりませんので、これは統計書を作っておりますから、これもあとから一つ提出さしていただきたいと思います。
  124. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 それじゃついでに、せっかくその資料をお出し下さるのでしたら、最近せめて二、三年間の傾向を知りとうございますから、一緒に……。  もう一つ、全国で今消防に従事している人間が車を引いて走って火事場に行っているあれがまだ相当残っておりますのでしょうか。
  125. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 先ほどの御指摘資料はのちほど提出さしていただきます。なお、今御質問の車を引いて走っているとおっしゃいますのは、念のために申し上げますと、御承知だと思うのですが、消防の職に従事しております者は、大別いたしまして二つの種類がございます。一つはこの東京都あたりで御存じいただきますように、警察官によく似たような服装をいたしまして、俸給をいただきながらいわゆる常勤いたしております、身分上は一般職の地方公務員であります消防吏員、その数は約三万五千弱おるのでありますが、それからそれ以外に平素自分の生業に従事しながら法に課せられた消防任務を遂行するために、災害が発生すると、かけつけて消防に従事します消防団員と申しますものが約二百二、三十万おるということになっておるのであります。現在お話のポンプを引いて火事の現場にかけつけるとおっしゃいますのは、いまの後者の二百二、三十万の、しかもごく山間部に入った主として村あたりに若干まだ残っておるのでありますが、大部分はここ数年来先ほど申しましたような、またいろいろ御配慮をいただいて通過さしていただいた消防施設強化促進法に基く補助金一つの誘い水といたしまして、相当機械化されて参っております。従って手引きのポンプなり、あるいは引いて走って腕でやります腕用ポンプというようなものは、ごく限られた地域にしか残っておらない状態に相なっておると思います。
  126. 秋山長造

    ○秋山長造君 この補助金の分配について何ですか、合併町村優先というような御方針があるのですか。
  127. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) これは補助金要望書というものを市町村から出させるわけでございますが、その要望書に基いて県が指導して出しまする場合に、一応合併町村というものを重点的に考えるという方針は流しております。ただし、これはまあ合併という政府の根本的な国の方針でありますので、その線はとっておりますけれども、他の純粋消防的な見地から考えて、どうしてもここに行くべきものであるというにもかかわらず、それを押しのけて何でもかでも合併にはつぎ込まなければならぬという指導はいたしておりません。ただ査定いたします一つの標準として、合併町村は優先的に考えて行こう、こういう程度に取り扱ったわけでございます。
  128. 秋山長造

    ○秋山長造君 それがですね。この額は少いですから、一府県おそらく五、六百万でしょう。額が少いものだからどうしても本部の方の方針は幾つかの方針の中の一つとして合併町村ということを考えておられるに過ぎなくても、それが地方に流れて行くと、それが一つの査定になってしまう、実情は。だから合併町村以外はもうてんでワクに入り込む余地はない、そういう実情になっておるのです。私今度国会選挙なり、地方選挙なりを通じてあちこち歩いて、歩いたついでにいろいろな機会に聞いてみたのですが、これはもう合併町村でなければ全然もらえぬ、こういうことになっております。そうなると、やはりもちろん町村合併ということは重要な問題なんです。ただしかし、何でもかでも全部町村合併をくっつけて、火事でも合併町村の火事は消してもいいけれども、合併せぬ町村は放っておけというような、そういうことになったのじゃもう行き過ぎも何もはなはだしいと思う。その点はどうですか。この法律施行されてからもうやがて二年になるが、この法律施行した結果地方の実態はどうなっておるか、あるいは補助金か末端においてどのように分配されておるかというようなことについて、消防本部でよく御調査になっておるのですかどうですか。
  129. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 今秋山先生から御指摘のように、私の方でも県によりましては御指摘のようなケースがないでもないということは十分実はわかっておるわけでございます。先ほど申し上げましたように方針としましては、四つ、五つ査定基準としてとりましたものの一つとして合併という条件を考えるということにすぎないのでありますが、確かに御指摘のようなケースがないとははかりがたいのでありまして、市町村に出ております実態は、国の方から個々の一つ々々につきまして、内閣総理大臣の指令書というものが出て参りますから、その集計によってどの町、どの村に最終的に行っておるということもわかりますし、なお一方合併云々の状況は別に自治庁資料によってわかりますから、これを突き合して見るならば実情は十分わかるので、われわれの方も概略はこれは把握いたしております。
  130. 秋山長造

    ○秋山長造君 じゃ、その消防本部の方としては、府県において合併町村優先というようなことでこの補助金を分配するということは適当ではないという御見解ですか。
  131. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 先ほど申しましたように、大体四つ、五つの基準の中の一つとして合併町村ということでありますから、たとえ数百万円の限られた金額でも、合併以外の他の条件のものは全部オミットして、合併でなければやらないという方針を断固としてとるということになりますならば、これはわれわれの方の方針とは相反するということは言えると思います。
  132. 秋山長造

    ○秋山長造君 四つとか五つとか基準をきめておられるその基準は、おのずから第一、第二、第三と番号をふってあると思う。あなたの方で町村合併が何番目ぐらいに書いてあるか。
  133. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 第一、第二という番号は打ってありません。
  134. 秋山長造

    ○秋山長造君 やはりずっと書けば、おのずから順序ができてくるんでね。一番初めに合併町村ということを書いておられれば、地方へ通牒を出された場合に、もうあとの方は見ずに初めの合併町村でいいということになってしまう。
  135. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 書いてありますように——これはちょうど原文を持ち合しておりませんので、記憶をたどって申し上げるわけなんですが、配分に当っては合併等の条件、あるいは当該市町村の持っておる消防力というものと基準消防力との差というものを勘案する場合には、かりにポンプに限定して申しますならば、そのポンプというものの不足状況と他の消防の施設の不足状況というものの相関的な条件というものを考慮する、さらには当該市町村の財政状況、これは特に補助金を必要とするということと、全額補助金でありませんので、残りの三分の二分についての負担能力があるかということについても検討するというような条件をずっと棒書きに書いてあるわけでありまして、別に合併を第一に書き、以下を第二というやり方にはしてないのであります。
  136. 秋山長造

    ○秋山長造君 この点は、今若干そういう例があるかもしれぬという程度にしか認識しておられぬようですけれども、これは私はほとんどの県がこの式でやっておるんじゃないかと思うのですがね。この点はまあもちろんこういう面からででも町村合併に一つの呼び水を与えるということもこれはわかりますけれども、しかし消防という、火事が出た場合に消すという問題と町村合併という問題は、そう私は必然的な関係はないと思いますよ。むしろどっちかと言えば、この時代の大勢である町村合併に立ちおくれたり、あるいは合併したくってもあまり貧弱町村であるために、どこからもはねのけられてどこにも合併してもらえないというような、何かよくよくの理由のある所が取り残されておるのだと思うのです。今の段階では財政力があっても、自分の感情なり何なり意思で合併に応じないというのは、これは少いと思うのです。むしろ合併したくてもできないという特殊な事情の所が多いだろうと思うのです、今のところでは……。そういう所は大体十中八、九までこれは財政力が非常に貧弱だし、で、そうすると、消防施設を整備し、ポンプを買いかえようといっても、これはとてもできないのですよ、補助金でももらわん限りは。またそういうところに限って一般住民の強制寄付ということが非常に行われておるというようなことだから、一つその点は十分実態をもう一度調査していただいて、そしていやしくもこの消防施設の整備強化という問題と町村合併という問題はそうくっつけてしまわれぬように、もっとゆとりのある分配のやり方をやってもらうように、これは一つぜひあなたの方から各府県指導していただきたい。指導していただけますか。
  137. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 先ほど申し上げましたように、何でもかでも町村合併の条件だという方針をとっておりませんので、今秋山委員の御指摘のように、やはり他の消防条件というものも十分考えるべきだということは感じておりますので、この予算通りました暁における執行段階におきましては、十分御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
  138. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ちょっと委員長からもお尋ねしておきますが、この補助金関係で見まして、この基準台数、機数、これは一応わかりますが、不足そのものとにらんで、本年度の台数、機数はどういう根拠をもってこういう数字が出たのかお尋ねしたい。たとえば消防ポンプ自動車が九十六台分の三分の一の補助金だとか、あるいは三輪ポンプ自動車がたしか八十四台分で、それの三分の一だとか、ひどいのになると火災報知機ですね、これが受信装置としてたった五機である。こういうのはどういう根拠をもってこういうことになったのか。  第二としましては、消防ポンプで例をとれば、三千百十五台、そのまんまもう動かないものとして、使えないものが出ればふえるわけですが、しかしそういうのは見ないで、動かないものとしても、九十六台ずつ年々ふやすなら三十年もかかる。ですから大蔵省としては、これは年度計画を何か認めてこういうふうに台数を割り出しているのか、大蔵省との話合いではどういう方針に今後なっておるのかですね、この二点をお伺いしておきたいと思います。
  139. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) お答えいたします。  第一点の方でございますが、これは先ほど申し上げました水利におきましては十ヵ年計画、その他のものは基準によるところの整備五ヵ年計画というようなことで、昭和二十八年度から発足をいたしているわけでございますが、その場合の内訳は個々の種目について全国の不足状況というものを勘案してそれぞれの台数をはじいたというのが基本の計画でございます。ところがこの予算内容につきましては、それぞれを三十一億余の要求にかかわらず二億五千六百万円に予算項目について縮めて参りましたので、こういう非常に微々たる数字になって参った、こういうことに相なるわけであります。しからばお尋ねの第二点のような査定の段階においてどういうまあ話し合いにしているかということでございますが、これは実は従来としては先ほど申しましたように、三十一億余の要求をいたして、それには裏づけになる数字の根拠があるわけでございますけれども、財政の関係でこういうふうに縮めて参りましたので、結局昨年の当初の実績が御承知のように三億であったわけでございます。それが途中で削減のために約七分の減を見ております。二億七千九百万円ばかりが昨年度の実績ということになりますが、その実績を一応頭に置いて、それに若干大蔵事務当局の技術的な何か計数を用いまして、こういう金額を出したようでありまして、二億五千六百万円ということに縮められて参りますと、基本計画関係というのは、これは非常にくずれてくるのでありまして、おかしなことですが、昨年度の三億という実績からこの金額をはじいたという以外には、これが固ってくる段階の説明はつきかねるのではないか、こういうふうに思います。
  140. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 重ねてお伺いいたしますが、では将来について消防庁と大蔵当局との間に何らかの意見の一致点を見出したという点は何らない、手放しでただこういうふうに削減されているということでございますか。それとともに第二点としては、実際問題として九十六台、あるいは八十四台というものをあなたの方で適正に全国的に配分できる自信がおありですか。
  141. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 第一点の大蔵当局との意見の問題でありますが、これは何と申しますか、われわれの要求とあまりにも食い違うのでありまして、完全なる意見の一致点を見出してこの金額にきまったといういきさつにはならぬと思います。ただ最後に閣議決定でこういうことに落ちつかざるを得ないということになりましたので、不本意ながらもそれを承知せざるを得ない、こういう経緯をたどったと思うのであります。  なお第二点の配分の関係でございますが、これは当初の要求通り計画でありますならば、われわれの方としても基本計画実施一つ年度としての方策がとり得られるのでありますけれども、遺憾ながらそういう実情になっておりませんので、このワク内において地方から出て参りますところの要望書にはこの実績がついておりますから、それを見ながら府県当局とも十分相談しまして、与えられた金額内の最高度の活用をはかりたいという点の努力をいたしたい、こう思うわけであります。
  142. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では、他に御発言もないようですから、消防関係説明聴取はこれで終ります。   —————————————
  143. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 次に、相当時間も経過しておりますが、自治庁関係といたしまして、今国会提出予定法案関係の御説明と、地方財政計画が明日お示しいただけるそうですが、それらについて、今日まで自治庁当局の考えられておった諸点、並びに各関係団体からのいろいろの要望が出ておりますが、それらについての、自治庁側としての公式な今日まで見解を表明しておる点について御説明を願いたい。
  144. 永田亮一

    政府委員(永田亮一君) 自治庁関係のもので、このたびの国会提出予定いたしております法律案は全部で十一件ございます。これはお手元に御配布してあると思いますが、その中で予算関係のあるものは衆議院の方で先に審議お願いいたしまするが、予算関係のないものは参議院の方からなるべく早く提出いたしまして、御審議を願いたいと思っております。閣議の提出の日はおそくとも二十七日までに全部出し、それから法案の方は、どんなにおそくなっても五月三十一日までには上程をいたしたいと考えております。なお、法案の内容につきましては後藤財政部長から御説明を申し上げます。
  145. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 今の御説明の、予算関係のない法案というのは参議院から出すそうですが、その法案を一々御指摘願いたい。
  146. 永田亮一

    政府委員(永田亮一君) まるきり予算関係のないという法案は、二枚目のところにあります地方公営企業法の一部を改正する法律案であります。そのほか、多少関係のあると思われますものが、一番初めの地方自治法の一部を改正する法律案、その次の都道府県職員の退職年金及び退職一時金の基礎となる在職期間等の通算に関する法律案、それからその次の地方公務員法の一部を改正する法律案、それから終りの方の地方債証券公庫法案、以上であります。
  147. 小林武治

    小林武治君 今の問題で、参議院へお出しになろうという自治庁の意向はきまったのですか。何をお出しになろうかということ……。
  148. 永田亮一

    政府委員(永田亮一君) ただいま決定いたしておりますのは、一番初めに申し上げました地方公営企業法の一部を改正する法律案、これだけが決定いたしております。
  149. 小林武治

    小林武治君 いつも申し上げていることですが、一つ多少の無理をしても法案をある程度こちらへ先に出していただかなければ、あと審議に必ず差しつかえを生ずる。従って場合によるとわれわれもある程度責任を持てない。こういうこともあるのですから、この点は至急一つ御相談なさって、がまんのできるものはこちらへ先議をさしてもらう、こういうことにしてもらいたい。従ってその向きの一つ御相談をなさって、われわれの方にこういうものを出すということを早目一つお知らせをいただく必要があると思う。
  150. 永田亮一

    政府委員(永田亮一君) できるだけただいまの小林委員の御期待に沿うように、事務局とも相談いたしまして、早く上程をいたしたいと考えております。
  151. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  152. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を始めて。  ではただいま政務次官から御説明になった関係法律案のうち、財政関係のものについて御説明願います。
  153. 後藤博

    政府委員(後藤博君) 先ほど、委員長から御質問ございました財政計画の問題でありますが、事務的には一応先週完了いたしまして、次官会議、閣議に報告したのでありますが、いろいろ政府全体の御意見もございまして、財政計画の改訂をいたしております。まあ、私ども事務的な考えでは、新聞に出ておりましたように、ある程度の財源不足額を出しておったのでありますが、そういう格好ではいけないということでありまするので、全体の考え方を変えまして、今、数字をまとめておりますので、明日は財政計画の御説明はできると考えております。
  154. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記をとめて。   〔速記中止
  155. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 速記を始めて。  地方財政計画のそれについて、まだ正式に案は示されておりませんが、今の簡単な説明に関連して、御質問ございましたら願います。
  156. 秋山長造

    ○秋山長造君 ここで何か書いたものが出てから、そこまでさかのぼって私は質問したいと思っておる。ですからこれは後藤さんにあまり言うても気の毒だから。だけれども、ただ全面的に改訂をされているとおっしゃるのだけれども、新聞に出ているように、帳面づらの数字だけつじつまを合せるようなことをやられては、はなはだ困るのですが、改訂の仕方はどの程度に改訂をやっておられますか。
  157. 後藤博

    政府委員(後藤博君) 私どもの考え方では、ある程度の財源不足が歳入歳出の関係で出るわけであります。従ってその出ました歳入不足額というのは、実行上節約をする、また、重点的に施策を行う、こういう考え方に立つのがいいのではないかと思っておったのでありますが、そういうことではなくて、その実行上やるということではなくて、その実行上のものもある程度計画化してもらいたいということでありまして、そうしますと、ある程度の従来の財政需要及び歳入の関係の見方を多少変えていかざるを得ない、こういうことで全面的な改正と申しましても、まあ歳入歳出両方にわたってのある程度の改訂をしたということでありまして、これはまあ個々に申し上げた方がいいと思いますけれども、そういう意味で実行上の節約ないしは重点的に施策を行うという方針を計画化したと、一言に申しますとそういうことになっているわけであります。従って歳出と歳入とはぴちっと合ったような数字に結論は出ております。
  158. 秋山長造

    ○秋山長造君 この実行上のものを計画してもらいたいというのはだれが言うのですか。
  159. 後藤博

    政府委員(後藤博君) 政府全体の意向がそうでありますので、私どもはそれに従うわけであります。
  160. 中田吉雄

    中田吉雄君 これは委員長にお取り計らい願いたいのですが、我々新聞で拝見いたしますと、最初は一兆六百億くらいの財政計画が出ておる、その次には一兆四百億ですか、それから最近百四十何億かのアンバランスのやつ、四回ぐらい、五回ぐらいですか、出るようですから、一つ最終案が出るときには第一次案と比較対照して、問題の所在がどこにあるかということがよくわかるように一つお願いしておきたい。その点一つ委員長お願いしたいと思います。
  161. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) そういうことが一目に見えるような資料を御提出願えますか。
  162. 後藤博

    政府委員(後藤博君) 実は一兆八百億というのも一兆三百億というのもあったのでありますが、これは昨年の十月ごろに本年の財政需要を想定いたしましたときの資料であります。しかも従来の財政規模の見足りなかった部分を是正した額であります。従ってまあ問題になりますところは、一番大きな額は従来の給与費その他の見足りなかった額を入れるか入れぬ、かという問題でありまして、その額は大体給与費その他で財政規模の是正を要する額が財政需要額総額で申しますと、五百億ぐらいであります。その五百億を抜くか抜かぬかによって非常に変って参ります。それからもう一つ政府の方の公共事業その他の事業は、事業の分量が、どういうふうに変るかということによって非常に変ってくるわけであります。その前の給与の問題は依然として今でも大体五百億ぐらいの財政需要は残っておるわけでありますが、これははずしております。それから公共事業その他の地方負担分総事業費、これは大分落ちております。災害その他の一関係のものが落ちておりますし、一般公共のものも落ちております。従ってその関係で財政規模が落ちてくる。これは当然落ちてくるわけであります。昨年われわれが一兆八百億という推定をいたしましたときと比べて、数字を国の予算に合わしてやりますると当然に落ちてくるのでありまして、その誤差が相当あります。その二つが大きな要素でありまして、あとの要素はそう変ったものではございません。まあ昨年の十月の推定時代にわれわれの思っておりましたほど財政規模が伸びなかったということは、国の予算関係から出てきておりますので、それに先ほど申しました二つの点だけを御覧になれば、大体その差は察して、ごらんになれば出てくる、こういうふうに考えております。書類を作れとおっしゃいましても、比較表を作りましても、それはあまり意味がないものではないかと私は思っております。ですから、もちろん給与費の問題、それから公共事業の臨時事業全体がどのくらい落ちておるかということは申し上げるつもりでおりますけれども、それでもって大体その差額は推定できるのでありまして、一々項目を並べましても、それは案外意味がないのではないかと私どもは考えております。
  163. 中田吉雄

    中田吉雄君 問題の所在がわかればいいのです。
  164. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 少くとも最近までの事務当局案と申しますか、そういう案であったものを今いじくっておる。いじくって出たものと最近全国知事会その他で御説明になったものとは、比較対照表として出していただきたい。いかがですか。
  165. 後藤博

    政府委員(後藤博君) 知事会で話をしましたのは、大分前の数字を使って大まかな話を出しておりますので、それはちょっと標準にならないかと思います。
  166. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) それでは私の申し上げようが悪かったんですが、閣議にお出しになったのと、今度いじくっているのとの比較対照表を出していただきたい。
  167. 後藤博

    政府委員(後藤博君) これはちょっと私一存でお出しするわけには参りませんので、帰って相談させていただきたいと思います。
  168. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 相談してむろんけっこうですから、そういうことで取り運ぶように善処していただきたい。
  169. 森下政一

    ○森下政一君 私ちょっと伺いたいのですがね。私も不案内で非常な愚問かもしれぬが、新聞で見ると百四十億とかの赤字がある。それらを御相談になって、そんなものでは工合が悪いというので、今のように歳入、歳出バランスのとれたものになって出てくるということですが、そういうふうにどのようにでも細工ができそうなら、結局それは、そういう地方財政計画というものがどういう役に立つんだ、それは一体それが府県を拘束するのか、どう考えたらいいのかということを一ぺん教えてほしい。そのもの自体の持っているどこに値打ちがあるかということを教えてくれませんか。
  170. 後藤博

    政府委員(後藤博君) 財政罰、画の意義ということですが、財政計画というものは、一昨年までは交付金を算定する一つの基準であると同時に、中央の国の施策がどの程度地方に行われるかという、国の施策を地方にわからせるための一つの方式であると同時に、地方が行政運営をする場合の一つの指針を与える、こういう意味で作ったものであります。一等最初の交付金の算定の基準としての性格は私はなくなったと思っております。しかしあとの国の施策はどういうふうに地方の行財政に影響する、こういうふうなことが一目にしてわかるというような計画であるという点は残っております。それから国が地方団体一つの行財政の運営の基準を与えるという点も私は残っていると思います。ただ国の、地方団体予算と違いますところは、予算は現実の地方団体の自体の財政需要を何して行くものでありまして、国から見ますと、当然出さなければならないようなもの以外のものが入っているわけであります。従って国としてはこの限度の、地方団体に対してはこの限度の補償をするという意味がやはり財政計画の上にあるわけであります。そういう意味で私ども財政計繭というものは依然としてやはり作って行くべきではないか、かように考えておる次第であります。
  171. 森下政一

    ○森下政一君 そうすると、たとえば実際の外都道府県予算ということになってくると、人件費その他給与の問題なんかそうですが、おのずからこうしなければならない、こういうふうなそれぞれの事情もある。だから許される観閲のことをやるべきだと思いますが、往々にして政府がそれを財政需要を見込むとき見込み方が非常に少い、そういうことが今日地方団体の非常に財政上の赤字がふえてくる一つの原田なんです、というようなことも知事あたりはわれわれに説明しますが、おそらくそういう事情もあるだろうと私は思う。そうすると、国が非常に窮屈なことを承知しながらそういう計画を立てておる、それは何にもならぬことじゃないかという気がするんだ。今あなた方が考えたことをどっかの閣議に出して見せると、それは工合が悪いということで変ってしまうというになると、どうですか、地方同体が非常にそれを権威のあるものとして眺めるというほどの実際的には効果のあるものですか。
  172. 後藤博

    政府委員(後藤博君) 私は先ほど申しました二、三の点につきましては、やはり一つの意味がある、かように考えております。ただめちゃくちゃに財政計画をいじくり回して、そうしてそれでもってわれわれは事が済んでいるというふうには私ども考えておりません。やはり財政計画を基礎にして、やはり地方団体の要求を国の施策の上に反映して行く、予算の上に反映して行くという努力をやはりしなければならない、かように考えております。
  173. 秋山長造

    ○秋山長造君 ちょっと私さっきの資料につけ加えて、もう一つ資料お願いしておきたいのは、せんだって配られた財政白書は去年の白書と違って、三十年度地方財政の問題点というあの去年の白露にあったのがことしは全然ないのですね。ただ過去のことだけ書いて将来のことを書いていない。あれは何か理由があるのですか。
  174. 後藤博

    政府委員(後藤博君) あれは官房でやっておりますので、私の所管ではないのでありますが、私が聞いておりますのは、白書というのはいわゆるホワイト・ペーパーでありまして、意見のつかないものを白書という、こういうふうなものであるから、やはり白書らしく意見をつけないで事実を盛ったものにすべきである、こういうことから私は抜いたものと考えております。そういうふうに聞いております。
  175. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうすると、今までのはこれは反則だったわけですね。——まあそれはいいです。ただ、せんだって地方選挙のたしか初めごろだったと思うのですが、地方新聞に大きくその点だけ切り離して、自治庁から三十年度地方財政の問題点という記事が大きく出たことがある。ちょっと私その切り抜きを持って来てないのですけれども、そういうものを自治庁の財政部から出されたのじゃないですか、三十年度地方財政の問題点というような……。その資料はたしかあるのじゃないかと思うので、それを一つ次の委員会資料として出してほしい。
  176. 後藤博

    政府委員(後藤博君) どういうものを言われるのかわかりませんが、そういうものが出たかどうか、私もよく存じませんけれども、調べてお答えいたしたいと思います。
  177. 秋山長造

    ○秋山長造君 僕は切抜きを持っていたのだけれども……。
  178. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  179. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では速記を起して。  それでは自治庁関係法律案に関する説明に関しましては、後日適当な機会に譲ることといたしまして、本日の調査事項は一応これで終りたいと存じます。   —————————————
  180. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 次に、当委員会地方道路譲与税法案が予備審査として付託せられておりまするが、同じく大蔵委員会の方にはこれの母法とも考えられる地方道路税法案が付託せられております。従って、審議の必要上地方道路税法案の付託せられている大蔵委員会と、この法案について連合審査をするように当委員会として申し入れたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  181. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) 異議ないものと認めて、さよう決定いたします。  その取り扱いについては、大蔵委員長と相談の上、日時その他は決定したいと思いますので、御一任願いたいと存じます。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  182. 小笠原二三男

    委員長小笠原二三男君) では、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十八分散会    ————————