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1955-07-12 第22回国会 参議院 大蔵委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十二日(火曜日)    午前十時四十四分開会  出席者は左の通り。    委員長     青木 一男君    理事      西川甚五郎君            山本 米治君            土田國太郎君            平林  剛君    委員            青柳 秀夫君            岡崎 真一君            木内 四郎君            藤野 繁雄君            片柳 眞吉君            小林 政夫君            岡  三郎君            野溝  勝君            松澤 兼人君            井村 徳二君            中川 幸平君            最上 英子君   衆議院議員            春日 一幸君   政府委員    大蔵政務次官  藤枝 泉介君    大蔵省主税局長 渡邊喜久造君    大蔵省主計局長 森永貞一郎君    大蔵省管財局長 窪谷 直光君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省主税局税    関部長     北島 武雄君    大蔵省主計局主    計官      小熊 孝次君    大蔵省管財局国    有財産第一課長 天野 四郎君    農林省農地局営    農課長     安藤文一郎君   参考人            松浦 清一君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○余剰農産物資金融通特別会計法案  (内閣送付予備審査) ○関税定率法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○地方自治法第百五十六条第六項の規  定に基き、税関支署設置に関し承  認を求めるの件(内閣提出衆議院  送付) ○開拓者資金融通特別会計法の一部を  改正する法律案内閣提出衆議院  送付) ○国有財産特別措置法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○財団法人日本海員会館に対する国有  の財産の譲与に関する法律案(衆議  院提出)   ―――――――――――――
  2. 青木一男

    委員長青木一男君) これより委員会を開きます。  まず余剰農産物資金融通特別会計法案予備審査)、  関税定率法の一部を改正する法律案予備審査)、  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、税関支署設置に関し承認を求めるの件、  以上三案を一括議題といたします。
  3. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) ただいま議題となりました余剰農産物資金融通特別会計法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  このたび、政府アメリカ合衆国政府との間に締結いたしました「農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定」につきましては、さきに本国会提出いたしまして御承認を得ている次第でありますが、政府は、この協定に基きまして、米国余剰農産物購入に伴いアメリカ合衆国政府から借り入れ資金財源といたしまして、電源開発農地開発その他本邦経済発展を促進するための資金貸付を行うこととし、その経理を明確にするためには、新たに特別会計を設け、一般会計区分して経理することが適当であると考えましたので、ここに、余剰農産物資金融通特別会計法案提出いたしました次第であります。  次にこの法律案の概要について申し上げますと、この会計大蔵大臣が管理することとし、借入資金借り入れによる収入金並びに貸付金償還金及び利子収入等をその歳入とし、貸付金借入資金償還金及び利子並びに事務取扱費等をその歳出として経理することとし、その他この会計予算及び決算作成提出手続等会計の運営上必要な事項規定いたしているのであります。  以上がこの法律案提出いたしました理由であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願いいたします。  次に関税定率法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、今回のガット、すなわち「関税及び貿易に関する一般協定」加入のための関税交渉の結果等を考慮して、映画用フィルム税率従量税率に改めるとともに、これに伴う規定の整備を行うため、関税定率法の一部を改正しようとするものであります。  以下、改正点について簡単に御説明いたします。  わが国関税率は、昭和二十六年の改正により、すべて従価税率によることとされているのでありますが、映画用フィルムにつきましては、その取引形態特殊性のため、適正な課税価格の算定がきわめて困難であり、従来から一そう合理的な課税価格把握方法を研究するとともに、従量税率採用につきましても検討を進めておりましたところ、今般、ガット関税交渉におきまして、映画用フィルムの一部について従量税率による協定が行われましたので、これを機会に・露出済み映画用フィルム税率従量税率に改めることとしているのであります。  税率の設定に当りましては、生フィルム以外の映画用フィルムのうち、ニュース映画用のものについては、その公共性にかんがみ、一メートル又はその端数ごとに十円、ニュース映画用以外のものについては、一メートル又はその端数ごとに、三十五ミリのもの五十円、十六ミリのもの二十五円、八ミリのもの十五円となるように税率を定めております。  次に、このような従量税率採用に伴いまして、従価税率一本の建前をとっている関税定率法規定を整備し、関税は、輸入貨物価格または数量を課税標準として課するものであることを明らかにするとともに、従量税貨物について複関税報復関税及び不当廉売関税を課する場合についての規定を整備し、その他、加工または修繕のため輸出され、その輸出の許可の日から一年以内に輸入される貨物については、従価税貨物及び従量税貨物のいずれの場合にも関税を軽減することがでることとしております。  なお、この改正は、ガット譲許税率の適用と同時に施行しようとするものであります。  以上がこの法律案提出した理由であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願いいたします。  次に地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、税関支署設置に関し承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  最近における外国貿易の趨勢に伴う税関業務の増加に対応し、税関行政の円滑な遂行をはかるため、現在税関における本関出張所または税関支署出張所となっている税関官署の中から、横浜税関川崎出張所ほか七出張所税関支署に改める必要がありますので、これを提案いたした次第であります。  従来、税関支署及び税関出張所において処理すべき事務のうち税関長権限とされているものにつきましては、あらかじめ一定範囲事務につき税関長から内部委任を受けて処理する体制となっていましたが、昭和二十九年四月の関税法全面的改正に際して、同法第百七条の規定をもって税関長権限の一部を税関支署長に対して法的に委任することができることとし、税関行政事務現地において一そう簡略かつ迅速に処理し得るようにいたしたのであります。  今回税関支署に改めようとする税関官署は、いずれも(一)港湾設備背域産業等立地条件に恵まれ、貿易実績が多く、さらに将来の伸展が期待されていること、(二)本関より比較的遠距離にあって、関税法規税関長権限とされているものの委任を受けて現地において税関業務をすみやかに処理すべき場合がしばしばあること、(三)その地方における税関行政の中心となって管下の税関行政を統轄させることが適当であること等の諸条件を具備しているものでありまして、これらに税関支署としての独立性を付与することは、現地において税関業務をさらに迅速に処理することができ、税関行政遂行官民ともに多大の便益を受けることとなるものであります。  以上これら三案の提案理由を申し上げました。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
  4. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に余剰農産物資金融通特別会計法案について、事務当局から補足説明を願います。
  5. 小林政夫

    小林政夫君 ちょっとその前に政務次官に、火災共済についてあなたの方でどうお考えになりますか。これは前にあなたの方にその態度を要望しておきましたが、どうなっておりますか。
  6. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) まだ党の方の御意見も十分固まっておりませんが、この間の御要望もありますので、至急に態度をきめまして、あらためて御返事申し上げたいと考えております。
  7. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) 余剰農産物資金融通特別会計法案につきまして補足説明を申し上げたいと思います。  との特別会計は、このたび国会の御承認を得ました農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定に基きまして、日本アメリカから購入いたしました農産物購入代価に相当するところの資金、それの借り入れに関するところの経理を明確にするための特別会計であります。この協定によりますと、アメリカ合衆国から日本政府は八千五百万ドル農産物購入いたすことになっております。で、その購入いたしましたところの代価日本銀行においてアメリカ合衆国が積み立てておきまして、それに見合うところのドル日本政府借り入れる、そうしてその借り入れ条件につきましては、同協定にも規定されておりますが、その積立のうちの七〇%だけを借り入れることになっておりますが、その期間は約四十年、それから支払いは年二回、利子は三%、大体こういうような条件になっております。そのドルを借りまして、これを電源開発とか、あるいは農地改良とか、あるいは日本国経済生産性の増進のための貸付金に充てるわけでございますが、この間の経理を明らかにすることがこの会計目的とするところでございます。  大体以上のような趣旨で、この特別会計法案提出されておるわけでございますが、この法案によりまして簡単に御説明いたしたいと思います。  第一条は、この会計設置目的規定されてございます。「政府農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定に基いて借り入れ外貨資金財源として、電源開発農地開発その他本邦経済発展を促進するために行う資金貸付に関する経理を明確にするため、特別会計設置し、一般会計区分して経理する。」これが目的でございます。この会計を特別に設けた理由といたしましては、これは特殊な余剰農産物の見返りの積立金の七割なら七割というものを財源といたしまして、これを長期間にわたって貸し付けるわけでありますので、その経理を明らかにするには、やはり特別会計という形で整理することが最も妥当であろう、このように考えた次第でございます。  第二条は、これは他の特別会計にもございますように、この特別会計大蔵大臣が管理することになっております。  第三条は歳入歳出区分規定でございますが、借入資金借り入れによる収入、それから貸付金償還金、これはこの会計電源開発農地改良等について貸し付けました貸付金償還金、それから利子附属雑収入をもってその歳入といたします。それから貸付金借入資金償還金、これはアメリカの方に対する償還金でございます。それから利子事務取扱い費、これは人件費は入っておりませんで、庁費とか旅費とか、そういう種類のものでございます。それから借入資金償還に関する諸費並びに附属諸費をもってその歳出とすることになっております。それから第二項で、前項規定する貸付金の利率その他の条件は、借入資金借入条件その他の事情を勘案して大蔵大臣が定めることになっております。この貸付条件といたしましては、現在のところは大体四分程度を考慮いたしております。それから貸付期間も、これは特殊なものでございますので、大体三十年程度ということを考えております。その条件大蔵大臣がきめることになっております。  第四条、第五条、第六条は、大体他の特別会計と同じような歳入歳出予定計算書作成するとか、歳入歳出予算区分とか、予算作成提出規定でございます。  第七条は損益処理でございますが、この会計におきまして毎会計年度損益計算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れて整理し、損夫を生じたときは、積立金を減額してこれを整理するものとする。第二項は「前項規定する損益計算に関し必要な事項は、政令で定める。」この政令できめる内容といたしましては、先ほど申し上げましたように、借り入れる際におきましての条件といたしましては年三分でございますが、ただこれには選択条項がついておりまして、円で返します際には四分と、こういうことになっております。それからまた、ドルで借りるということになっておりますので、レートの変更等がありました際には、そこに損益処理上必要な計算方法をこの政令で明らかにしておくことが妥当であろうと、このように考えまして、このような規定を置いたわけでございます。  第八条は剰余金繰り入れでございまして、これは他の特別会計にも規定があるのと同じような意味でございます。  それから歳入歳出決定計算書作成、これも同様でございます。  第十条は歳入歳出決算作成及び提出で、これも他の特別会計と同様でございます。  第十一条は余裕金の預託でございますが、これも他の特別会計と同様でございます。  第十二条は、これは借入資金負担償還金等繰り入れでございますが、そのうちの第二項は、これは他の特別会計と同様でございますが、十二条では特に借入資金借り入れによる債務はこの会計負担とするということを規定しておるのでございます。これは、先ほど申し上げました協定に基きますところの借入資金借り入れ債務負担というものは、この特別会計所属であるということを明らかにする意味におきまして設けた規定でございます。  第十三条は支出未済額の繰り越しでございますが、これは「毎会計年度歳出予算における支出残額は、翌年度に繰り越して使用することができる。」このように規定を設けました。二項、三項は大体他の特別会計と同じような規定でございます。  第十四条は、実施規定でございます。  なお附則におきましては、一項では、「この法律は、公布の日から施行する。」このようになっております。それから二項は、これは一時借入金規定でございますが、「昭和三十年度に限り、この会計において支払上現金に不足があるときは、この会計負担において、一時借入金をすることができる。」これは特別会計予算予算総則におきまして五十億の借り入れ限度を認めていただいておるわけでございます。昭和三十年度に限りまして、一時借入金を必要といたしますのは、この協定が施行されまして、いろいろな手続農産物購入が行われて積み立てられまして、そうした借り入れるというまでには、いろいろな手続上のズレというような問題が起りますが、電源開発資金等につきましては、それにかかわらず、ある程度計画的に貸し付けを行う、こういうことも必要であろうかと存じて、五十億円を限度としての一時借入金を必要とすると、こういうわけで、この二項の規定が設けられているわけであります。  それから三項は、「前項規定による一時借入金限度額については、予算をもって、国会の議決を経なければならない。」これは先ほど申しました余剰農産物特別会計予算総則におきましてこの五十億の限度をきめて提出しておるわけであります。それから「第二項の規定による一時借入金は、昭和三十年度内に償還しなければならない。」これは年度内償還規定でございます。それから第五項、これは他の一時借入金と同じように、その利子支出に必要な金額は、国債整理基金特別会計繰り入れる。それから第六項は、一時借入金利子は、これは附則で設けられました特別の歳出でございますので、昭和三十年度におけるこの歳出とするということを特に規定を設けました。それから第七項は、この特別会計管理運営を直接担当する権限大蔵省設置法規定改正いたしまして挿入する、こういうことにいたしたわけであります。  以上簡単でございますが、特別会計法案につきましての説明を終ることにいたします。
  8. 青木一男

    委員長青木一男君) 本案の質疑は次回にいたしますが、資料の要求がありましたら、この際お述べを願います。
  9. 松澤兼人

    松澤兼人君 政令案要綱というものは、ある程度まとまっているのですか。
  10. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) 政令案要綱は、ここで先ほど簡単に御説明いたしましたが、この特別会計法に基く政令案といたしましては、他の特別会計とほとんど同じような政令案ができる予定でございます。  なおこの会計の特殊な規定といたしましては、先ほど申し上げましたような第七条の損益計算方法と、こういうような点につきまして特別な規定が設けられるということになると思います。
  11. 小林政夫

    小林政夫君 その政令案内容が出せますか。
  12. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) 第七条の政令案でございますか、これはなるべく急いで作りまして提出するようにいたしたいと思います。
  13. 木内四郎

    木内四郎君 この会計収支見込みというのはもう大体できているのですか。もしできているなら、それを……予算は出ているのでしょう。
  14. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) 予算は出ております。特別会計予算補正(特第一号)で出ております。   ―――――――――――――
  15. 青木一男

    委員長青木一男君) それでは他に御発言がなければ、関税定率法の一部を改正する法律案について、事務当局より補足説明を聴取いたします。
  16. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 今回の関税定率法の一部を改正する法律案は、先ほど提案理由におきまして御説明申しましたように撮影済み映画用フィルム税率従量税に改めるとともに、これに伴いまして関税定率法にそれらの規定を挿入あるいは改正しようということでございます。現在のわが国映画フィルムに対する関税率は、昭和二十六年の一般的関税率改正の際に、これを従価税に改めまして、現在従価三割課税ということに相なっております。ただ輸入されますところの映画用フィルムにつきましては、取り引きの方法が御承知通りに非常に特殊なものでございまして、その八割がいわゆる歩合制でございます。すなわち輸入いたしましてから興行いたしまして得ましたところの興行収入の中から何割を支払うというような歩合制の契約でございますので、この鑑定価格をいかにつけるかということが非常にむずかしいのでございます。昭和二十六年に従価税改正いたしましてから、税関といたしましては、この課税価格をいかに把握するかにつきまして非常に苦労して参ったのでございますが、当時からただいままでは、暫定的に、とりあえず生フイルムの値段と、それに現像代焼付代。生フィルムの代金に現像代焼付代を加算いたしまして、これを、もととしてCIF値段を算出しておったのでございます。これはちょっとお考えいただきましても、きわめて不合理な課税価格であると御了承いただけるものと存じます。たとえば、職業的なものとして、画家を営んでいる方の絵の評価に当りまして、キャンバス代絵具代額ぶち代でとれを評価するような方法と言って差しつかえないかと思います。そこで税関におきましては、何とかこの適正な価格を見出すべく、ただいままで努力して参りましたが、なかなか思うような鑑定価格が出て参りませんので、場合によりましては、これを従量税に変えた方がいいのではないかというふうに私ども思っておったのでありますが、ところが今回のガットにおきます関税交渉におきまして、アメリカからこの撮影済み映画フィルムのうち、三十五ミリは――通常の、ごく普通の映画用フィルムであります。とのフィルムにつきまして、現在の鑑定価格つけ方をそのまま据え置いてもらいたい、そうして税率は三割という現行税率を据え置いてもらいたい。すなわちアメリカとしては非常に現行のやり方の盲点をついて参りまして、現在のままの鑑定価格つけ方で、現在のままの従価三割という課税でいってほしいという要求が出されたのでございました。ところが当方といたしましては、ただいま申しましたように、この鑑定価格つけ方はきわめて不合理なものでございますので、アメリカ側要求をこれを拒み続けまして、結局、各国関税率が現在従量税率であることを頭に入れまして、各国関税率も参照いたしまして、一メートル当り三十円、まあ正確に申しますと、一メートル及びその端数ごとに三十円という協定税率を結んで参ったのでございます。この協定税率で算出いたしますと、実は現在の、先ほど申しましたような不合理な鑑定価格による現行三割の課税に比べまして、約四割以上の引き上げとなるのでございます。そういたしますと、ガット規定の上から申しまして、ごく簡単に申し上げますけれども、ガット規定の上では、国定税率ではじいたところの税額と、それから協定税額と、いずれか低い方を適用することになっております。ところが一メートルまたはその端数ごとに三十円、こういう税率は、常に現在の鑑定価格によるところの従価三割よりも高い課税に相なります。そうなりますと、せっかく協定いたしました一メートル及びその端数ごとに三十円という従量税率が、関税定率法輸入税表をそのままにしておいたのでは、実はそのまま動いてこないということになりますので、それで従来から研究いたしておりましたので、これを機会に、撮影済み映画用フィルムにつきましては、すべてこれを従量税率国定税率を切りかえるというふうにいたしたのが、今回の提案趣旨でございます。法案にございますように、原則といたしまして撮影済み映画用フィルムにつきましては、フィルムの幅がいわゆる三十五ミリのものにつきましては、一メートル及びその端数ごとに五十円という税率を用います。ただしニュース用フィルムにつきましては、その公共性にかんがみまして、その五分の一の、一メートル及びその端数ごとに十円という課税をいたすことに相なっております。またその他のフィルム幅差につきましては、いわゆる十六ミリの映画用フィルムにつきましては一メートル及びその端数ごとに二十五円、さらにいわゆる八ミリの映画用フィルムにつきましては一メートル及びその端数ごとに十五円という課税をいたすことに相なっております。このような従量税率採用に伴いまして、関税定率法本法の方におきまして、規定をちょこちょこ整理する必要があったのでございます。現在は御承知通り関税定率法輸入税表従価税一本でございまして、従価税ということを前提として関税定率法本法規定されております。従量税率を一部導入いたすことによりまして、関税定率法本法につきまして、従量税率採用に伴いまして規定を整理する必要があるわけでございます。内容はほとんど字句の修正程度で大したことはないのでございます。  なおこの際、本法律案に関連いたしまして、先般行われましたガット関税交渉につきまして、その経過、結果、今後の見通し等につきまして一応御説明申し上げたいと存じます。  ガットと申しますと関税及び貿易に関する一般協定と訳しておりますが、英語ではゼネラル・アグリーメント・オン・タリフス・アンド・トレイド、G・A・T・T、ガットと呼んでいるわけでございます。一九四七年、すなわち昭和二十二年の十月に、アメリカはじめ二十三カ国がジュネーブに集まりまして協定された国際的な協定でございまして、その意図するところは、戦後の世界経済を復興するためには、各国ともお互いに関税その他通商上の障壁をできるだけ低減する必要があるという趣旨のもとに、まず各国、その当時二十三カ国でございましたが、二十三カ国が集まりまして関税交渉をいたしまして、これを最恵国約款によりまして全加盟国に及ぼすという仕組みで、関税率の低減をはかって参った仕組みでございます。その後二回にわたりまして関税交渉が行われまして、そのつど加盟国がふえて参りまして、現在では三十四カ国が加盟いたしております。このうちソ連圏に属しますのはチェコスロバキア一カ国でございまして、あとはいわゆる自由諸国家でございます。わが国昭和二十七年にまず最初にガットへの加入を申請いたしたのでございますが、二十七年の秋の総会におきましてはまだ時期が至りませんで、日本を国際社会に復帰させるということはこれは賛成であるけれども、日本ガット加入の条件とか時期等については、なお会期間委員会において審議する必要ありということになりまして、昭和二十八年の二月に会期間委員会が開催されたのでございます。その後、実はアメリカのアイゼンハワー元帥の政府におきましては、対外経済政策を根本的に検討するまでは大規模な関税交渉ができないということになりましたので、従来ガットに加入いたします場合には必ず既加盟国との間に関税交渉を行なって参ったのでありますが、その機会がございませんので、昭和二十八年の秋の総会におきまして、とりあえず現行税率のうち九二・五%に相当する品目につきまして、税率を引き上げないという約束のもとに仮加入ということになって、ただいままでに至ったのであります。ところが昨年の上半期におきまして、アメリカとしては関税交渉を行う用意ありということを声明いたしましたので、いよいよ日本ガットに加入させるための関税交渉ができる機運となって参ったのであります。この昨年の秋の総会におきまして、日本ガットに加入させるための関税交渉を、ことしの二月二十一日からジュネーブにおいて行うということが総会できまりまして、その総会の決議に従って、本年の二月二十一日からジュネーブにおきまして関税交渉が行なわれたわけでございます。関税交渉を行いました国は結局アメリカはじめ十七カ国でございまして、これを地域別に申しますと、アメリカ州方面におきましては、北米においてアメリカ合衆国とカナダ、中米におきまして、ドミニカ共和国、ニカラグア、南米におきましてはチリ、ウルグァイ、ペルー、合計して北米、中南米におきまして七カ国、東亜地域におきましてはインドネシア、ビルマ、パキスタンの三カ国、ヨーロッパ地域におきましてはギリシア、イタリア、ドイツ、デンマーク、フィンランド、ノールウェー、 スエーデンの以上の七カ国に相なっております。合計いたしまして十七カ国になるわけでありますが、なおこのほかに、関税交渉には至りませんでしたが、お互いに最恵国待遇を与え合おうという文書を交換した国が二カ国でございまして、すなわちセイロンとトルコでございます。すなわち、何らかの意味におきまして、今回協定をいたして参りましたのは十九カ国と相なるわけであります。今回の関税交渉に当りましては、できるだけ多くの国を関税交渉に引き込むことが、すなわち日本ガット加入に賛成する国を確保することになりますので、代表団といたしましては、ただいまあげました国のほか、比較的態度不明の国に対しましては、極力勧誘に努めたのでございまして、たとえばブラジル、ハイチ、インド、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、オーストラリアといった国々でございますが、これらの国々は、あるいは国内的事情から、あるいはまた日本商品に対する特殊な問題から、遂に関税交渉に至らなかった次第でございます。  今回の関税交渉の結果、お手元にたしかあると存じますが、日本国の加入の条件に関する議定書というのが作成されまして、六月七日から諸国に回付されておりまして、目下すでに日本を入れまして十五カ国がこれにサインいたしております。ただ関税交渉が妥結いたしまして、議定書が回付されましたが、これによって直ちに日本ガットに加入されたことにはならないのでありまして、八月十一日までに、日本の加入に関する決定書というものがございます。この決定書に対しまして、八月十一日までに既加盟国から日本の加入に対して賛成かどうかという意思表示をガット事務局に通告することに相なっておりまして、八月十一日までに、現在の加盟国三十四カ国のうちの三分の二以上、すなわち二十三カ国以上の国が日本の加入に賛成の意思をガット事務局に通告いたしますれば、その八月十一日から三十日目の、九月十日に、日本ガット加入が実現することに相なります。それとともに、日本といたしましては、今回協定いたしましたガット税率を、いわば、いわゆるガット税率を九月十日から実施する必要があるのであります。今回の関税交渉におきまして協定されました、品目、税率を総括して申し上げますと、わが国が十七カ国から受けました譲許税率は二百八十八でありまして、そのうち現行税率の引き下げと相なりましたものが二百十五でございます。残りの七十三税率現行税率の据置ということに相なります。これに対しまして、わが国が譲許いたしました関税率の数は二百四十八ございます。この二百四十八のうち、現行税率の引き下げと相なりましたものが七十五ございました。残余の百七十三は現行税率の据置ということに相なっております。今回の関税交渉の結果、日本ガットに加入できるかということは、先ほど御説明いたしましたように、八月十一日までに現在の加盟国のうちの三分の二以上が日本の加入に賛成すればいいわけでございますが、すでに日本は、十九カ国とは、あるいは関税交渉、あるいは相互に最恵国待遇を与え合うという約束をしておりますが、この十九カ国が日本の加入に賛成するととは、これは当然であろうかと私は存じますが、なお指折り数えましても、ただ各国もまだ正式態度を表明いたしておりませんので、国の名前を出すことはちょっと差し控えたいと思いますけれども、私たちの考えといたしましては、二十三カ国以上の多数を得られることは、これはほとんど疑うととができないというふうに考えております。従いまして、九月の十日から日本ガット正式加入が実現するであろうということは、これは当然の帰結かと存ずるのであります。  ガット加入によりまして、一体どんな利益があるかということを、よく説明を求められるのでございますが、ガットに加入いたしますことによりまして、ガット規定しております譲許税率、現在の加盟国との既往の三回の関税交渉によりまして妥結いたしました譲許税率に対して、わが国は一挙に均霑することに相なるということが一つの効果でございます。これはただ現在の仮加入によりまして、相当数の国から現行関税譲許税率の適用を受けておりますので、今度の正式加入によりましては、そう大きなプラスにはならないかと存じます。ただ今回の関税交渉の結果、得ました譲許税率は、これは日本の加入が実現することによって、初めて適用があるわけでございます。わが国として最も貿易上関係の深いアメリカその他の国からの関税譲許は、日本が九月十日に加入することによって初めて発動し得るようになるわけであります。これが実質的には一番大きな効果だと考えられるのであります。なおガットに加入いたしますと、関税のみならず、一般的に通商上無差別的な待遇を受けることがまあ確保されるわけでありまして、そのほか、従来日本が正式にガットに加入できなかったこと、すなわちまだ国際通商社会におきまして、日本が正当な地位を認められなかったことが、今回の仮加入によりまして、初めて正式な地位を認められることに相なるわけであります。それから将来ガットという機構を通じまして、日本の通商上の諸政策を総会において堂々と主張することもできますし、あるいは将来の国際通商の動向に日本が正式に関与できるというような、無形の利益があろうかと考えるのであります。各国から得ました譲許税率は、議定書の付属書Aに載っておりますアメリカ初め各国それぞれ国ごとに出ております。このうちで、一番重要なウエイトを持ちますものは、申すまでもなくアメリカでございます。アメリカにつきましては、関税交渉に際しまして、代表団といたしましても最も大きなウエイトを置いたものでありまして、二月二十二日から開始されまして約三カ月を費しまして妥結をいたしました。交渉の過程におきましては種々双方の主張が繰り返されたのでありますが、これにつきましては後日またあらためまして御説明申し上げます。  対米交渉の結果アメリカ関税を引き下げましたものは、わが国の主要な対米輸出品のほとんど全部にわたっているかと存ずるのであります。たとえばマグロはわが国の対米輸出の約一割を占める大きな品目でございます。しかもアメリカの国内におきましては非常に関税引き上げ運動の盛んな品目でありまして、何とかして日本のマグロ及びなまマグロ及びマグロの缶詰がアメリカに大きく流入しないようにというわけで、アメリカの太平洋岸の漁業者及び缶詰業者等が極力反対をやっておったのであります。今回の関税交渉におきまして、油づけのマグロ缶詰につきましては、現在四五%の関税率が三五%に引き下げられる。また塩水づけの缶詰につきましては、現在一二・五%の関税率を、一定の制限はございますが、ともかく、ある限度までは引き上げないという約束を取りきめたわけでございます。また、なまマグロ及び冷凍マグロにつきましては現在無税でございます。これを有税にしろという運動が熾烈でございましたが、これもわが国のなまマグロの輸出の大宗でありますビンチョー・マグロにつきまして、ともかく無税の据置をするといった工合に、なおこのほか陶磁器あるいは綿糸布、絹織物、光学機械類、玩具、竹製品その他農水産物につきまして、ほとんどわが国の重要な対米輸出品につきまして、何らかの意味におきましてアメリカ側から譲許を得ております。  アメリカ側わが国に対しまして譲許をいたしました税率の数は百九十六品目にわたりました。そのうち引き下げましたものは百七十九。据え置きが十七となっております。この引き下げた百七十九の税率のうち九十という税率は、減税の、減税と申しましても現在互恵通商協定が変りましたが、関税交渉をいたしました当時の互恵通商協定における、アメリカの大統領の権限によって引き下げ得る最大限度までの引き下げが行われております。  概括いたしまして対米交渉におきましては、アメリカ側は、従来各国に対しまして従来譲許いたしました程度あるいはそれに近い程度までの譲許を、今回の一回の関税交渉によってしてくれたというように考えるのであります。  なおその他、カナダからは五品目の関税率の引き下げ、ドイツからは九品目の引き下げ、その他、北欧諸国あるいは中南米諸国におきましても、品目の数は少いのでありますが、若干は引き下げがあります。  これに対しましてわが国が譲許いたしました税率につきましては、引き下げましたものの大部分は、原則といたしまして、わが国において生産がなかったか、あるいは、ありましてもこの引き下げの税率をもって対抗できるという見通しのもとにいたしたものであります。また、これによりましてわが国の産業に悪影響を及ぼすことは万々あるまいかと考えておるわけであります。  今回の関税交渉の結果、日本の輸出がどの程度伸びるだろうかということは、これはなかなか推定がむずかしいのでございまして、私どもも通産、農林の方々といっしょに作業をいたしたのでありますが、どうも、これも当るも八卦当らぬも八卦で、正確な数字を申し上げることは困難であるかと存じますが、私どもの側におきましては、年間約二千万ドル乃至三千万ドル程度の輸出増進は、これによって期待されようかというふうに考えておる次第であります。  はなはだ簡単でございますが、関税交渉の経過、結果、影響等を簡単に御説明申し上げました。
  17. 青木一男

    委員長青木一男君) 法案に対する質疑は次回に譲ります。資料の要求がありましたら、この際お述べを願います。
  18. 小林政夫

    小林政夫君 ガット関係はどうですか、これを一つ。
  19. 青木一男

    委員長青木一男君) その点もあわせて資料を要求し、質疑は次回にいたしますから……。
  20. 山本米治

    ○山本米治君 これは質疑に属しますが、一番大事な点、つまりイギリスの問題ですね。これは説明にもちょっと加えていただきたいと思うのです。イギリスは非常に微妙な立場にあるようですから……。
  21. 青木一男

    委員長青木一男君) その点はゆっくり次回にいたしますから。
  22. 山本米治

    ○山本米治君 そうですか。
  23. 青木一男

    委員長青木一男君) ほかに御発言がなければ、先ほどの理事会の申し合せに基きまして、これからのお諮りする四件につきましては、質疑の終了次第、討論採決をいたしますから、そのお含みで願います。   ―――――――――――――
  24. 青木一男

    委員長青木一男君) 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、税関支署設置に関し承認を求めるの件を議題として、質疑を行います。質疑がございませんければ討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、税関支署設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を求めます。   〔賛成者挙手〕
  26. 青木一男

    委員長青木一男君) 全会一致であります。よって本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願いたいと存じます。  それから多数意見者の御署名を願います。多数意見者署名  西川甚五郎  山本 米治  土田國太郎  平林  剛  青柳 秀夫  木内 四郎  藤野 繁雄  片柳 眞吉  小林 政夫  岡  三郎  松澤 兼人  井村 徳二  中川 幸平   ―――――――――――――
  27. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に開拓者資金融通特別会計法の一部を改正する法律案議題として、質疑を行います。
  28. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 この営農及び共同製作の資金、それから営農促進対策資金、こういうふうなものの貸付金償還状況を承わりたいと思います。
  29. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) 営農資金償還状況でございますが、昭和二十九年度貸付金につきましては大体収納率が七八・九%になっております。それから参考までに二十八年度を申し上げますと九六%、二十七年度が九八%、二十六年度が九九%というような収納率になっております。大体良好な成績を挙げておるように考えるのであります。
  30. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 そうすると、三十年度予定貸借対照表によれば、収納未済が一億九千万円ありますね、こういうふうにたくさんありますのは、これは滞納の結果であると思うのでありますが、その状況はいかがでございますか。
  31. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) 現在収納未済となっているものの徴収の見通しでございますが、これは今後私の方の処理方針にもよるわけでございますが、第一番目には、比較的短期日に収納見込みのものが十五件ほどございます。それから年度末までに収納見込みのものが二千百六十二件、それから即決和解、和解によって円満に行おうというものが四千二百四十三件ございます。それから離農などをいたしまして行き先が不明な者で調査中のものが千七百十五件、それから支出命令の申し立てに対しまして訴えを提起するものが三百八十二件、そのほかが千三百九件ございます。以上のような状況でございまして、大体私の方の方針といたしましては、開拓者は何分にも資力等がないというような人も多いわけでございまして、離農してゆく者はそういう人が多いわけでございますので、そういう人に対しては即決和解の方針をもってやってゆこう、それで三年から五年の間に分割して納めさしてゆこうという方針をとってやっておるわけでございます。まあ、そういうことによりまして今までは大体収納率がふえているという状況でございます。本年度におきましても、そういうようにやってゆきたいというふうに考えております。
  32. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 入植した者で離農する者、これは現在の開拓の経営方法がどうも収支計算が立たないというような状況から離農するのじゃないかと、こう思うのですが、そういうようなことであれば、今後開拓者に対して、いかなる方法で開拓が良好に進むように、また貸付金の回収がよくいくようにしようとお考えであるか。
  33. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) 今まで離農いたしました者の原因をいろいろ調べてみますと、大体終戦直後に入りました入植者が大部分でございます。御承知のように、当時は終戦直後のことでありまして、戦災者とか引揚者というような、農業に経験のない方がだいぶ入っておりまして、そのために、農業に慣れないために離農しようというような原因が大部分だったわけでございます。で、最近の入植者につきましては、大体二、三男が主となりまして、農業経験者も多いので、だいぶ定着率が高くなっている状況でございます。  それから、今後こういうものの防止のことでございますが、今お言葉の通り、やはり経営を安定させるということが第一の目的でございまして、そういう意味におきましても、今回の予算におきましては、家畜等を入れまして、一般の水田農業と違う開拓地の畑作農業につきましては、農畜混同経営を主としまして経営の安定をさしていこうというように考えております。昨年、一昨年の冷災害等におきまする実例を見ましても、家畜を入れておる所はその打撃が非常に少くて済んでおるというような状況でざざいまして、そういう意味におきまして、今回乳牛もふえて、一億九千二百万円の貸付金を貸し付けしょうという予定になっておるのでございます。
  34. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今のお話によれば、入植は非常に奨励したい、奨励するというようなお話でありまするが、歳入歳出予算の状況を見てみますると、前年度一般会計から十四億円も繰り入れておるが、本年度は繰入金がなくて、十億円の借入金でやっていこうと、こういうふうなことになっておるのであります。どうして繰入金が少くて本年度借入金によって運営されるのか。
  35. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) ただいまの御質問の趣旨といたしましては、開拓の規模が去年よりも少くなるのじゃないかという問題と、それから一般会計からの繰り入れでなしに借入金ということでやるのではないかと、こういう二点であろうと拝察するわけでありますが、まあ開拓入植の規模自体といたしましては、これは農林省の所管ではございますが、一般会計からの繰り入れが行われずに借入金で処理するという点の問題につきましては、これは特別会計に対しましては、御承知のように、ずっと一般会計からそれを貸し付けて参ったわけでありますが、それが現在ではすでに百億を越すと、こういうふうな状態になっておるのでございます。そういう関係から見まして、また、この特別会計のそのもの設立された当初からの趣旨といたしましては、特別会計自体におきまして借入金で処理するという建前になっております。一般会計から入れるということはむしろ特例的な措置になっておる、そのためには特に法律を作らなければ入れられない、というような建前になっております。そういうような事情も合せまして、相当、一般会計からの利子のつかないような金も入っておりますし、そういうような見地から、今後借入金をもって処理いたしましても、まあ償還金というようなものを順繰りに回転いたして参りまするならば、大体開拓者資金の融通につきましては支障がないと、こういうふうに考えまして、大蔵省といたしましてはこのような措置をとったわけでございます。
  36. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それから第九条の改正ですね。今までと予算方式がだいぶ違っておるようになってきているのでありますが、従来のものをこういうふうに改正しなくてはできないという理由はどこにあるか。
  37. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) お答えいたします。実はこの特別会計法は、現在の終戦後…終戦後と申しましても比較的最近できました特別会計法の態様に比べますと若干不備な点がございまして、実は他の特別会計でございますと、大体この種のことは全部規定があるわけでございますが、この際、他の特別会計並みにこういう添付書類というようなものを明らかにいたしまして、そうして法律の体裁をととのえる。こういうところに主眼があるわけでございまして、まあ、いわば今までの不整備であったものを今回の改正に際しましてあわせて整備いたしたい。こういうふうな趣旨でございます。
  38. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 特別会計を見てみると、この会計と同じようなものがだいぶあるのでありますが、そういうふうなものも全部こういうふうな形式に改められる方針でありますか。
  39. 小熊孝次

    説明員小熊孝次君) むしろこの特別会計のみが、例えば第九条の、今度の改正前の開拓者資金融通特別会計法を見ますると、第一項について見ますと、「政府は毎年この会計歳入歳出予算を調製して歳入歳出の総予算とともにこれを帝国議会に提出しなければならない。」というふうに、帝国議会とか総予算とかいうような古い言葉を使っております。この点をまず改めなければならない。それから添付書類といたしましては、現行法といたしましては、「歳入歳出予算には、当該年度及び前年度における貸付計画表並びに前前年度末現在における第三条の公債又は借入金の発行額又は借入額及び償還額表を添附するものとする」ということで、いわゆる損益計算書的な、あるいは貸借対照表的な財務諸表の添付書類が抜けておる。こういう従来の融通会計と申しますが、一つの採算の……採算と申しますか、損益計算を明らかにしなければならないというような会計においては、ほかの特別会計においては、すべて損益計算書、貸借対照表をつけることとなっておりますが、むしろこちらの方が整備がおくれておりますので、この際これを整備いたしたいというわけで改正したわけでございます。
  40. 小林政夫

    小林政夫君 今後の償還金の見込みですね。大体どの程度……百七十億の二十九年度末における貸付残額が、将来年々どの程度償還になるか。
  41. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) ただいまの御質問からちょっとそれるかと思うのでございますが、大体現在開拓者の負債が一戸当り平均十一万七千円になっております。それで三十年度の一戸当り返済額が二万七千円になっております。それで営農開拓者資金融通による貸付金の返済額が二月当り六千円ということになっております。ただ今後の見通しといたしましては、今後またどの程度に入植者に貸し付けるかというようなこともございますので、現在のところ大体平均すれば二万七千円程度ではないか、こういうように考えております。
  42. 小林政夫

    小林政夫君 一戸当りはそうなんですけれども、大体われわれ予算の総額を見る上において、現在すなわち二十九年度末の貸付残高は百十七億だ。今おっしゃるような一戸当りの計算でいけば、大体二割程度が返済されるということになれば、年々二十三億程度償還金がある、こういうように大ざっぱに見ていいのか、そうしてこの償還金は、従来の公債及び借入金償還並びに新規貸付財源に使うということであるが、この償還金の見込額が二十三億程度であって、そのうち新らしく貸付財源にどの程度見込まれる予定なのか、そういう点を知らしてもらいたい。  そんなことくらいすぐ答えられなくちゃ……。(「採決はあと廻しにしよう」と呼ぶ者あり)
  43. 青木一男

    委員長青木一男君) それじゃこの質疑をあと廻しにいたします。   ―――――――――――――
  44. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に財団法人日本海員会館に対する国有財産の譲与に関する法律案議題として、まず提出者より提案理由説明を聴取いたします。
  45. 春日一幸

    衆議院議員(春日一幸君) お許しを得まして、ただいま議題となりました「財団法人日本海員会館に対する国有財産の譲与に関する法律案」につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、去る六月二十八日衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草提出いたしました法律案であります。  すなわち日本海員会館は、船員の福利厚生事業を行なっている財団法人でありますが、この団体の沿革につきまして申し上げますと、明治二十九年高級船員の団体である船員倶楽部が結成され、これは後に社団法人海員協会に改組されたのでありますが、一方普通船員も大正十年に日本海員組合を結成し、この組合員は、昭和四年から毎月組合費と同額の一円を醵金して、普通船員のための厚生施設をつくったのであります。ついで昭和七年財団法人日本海員会館を設立して、これにこれらの施設の所有権を移すと共に、その経営をも一切まかせ、海員組合と表裏一体の関係のもとに運営することとなったのであります。  しかして、さきの大戦が始まるに及び、海員協会及び日本海員組合は解散して日本海運報国団が設立され、その所有する財産を財団法人日本海運報国団財団に寄附したのであります。その後、昭和二十年八月戦争の終結に伴い、日本海運報国団は解散し、翌年十一月には解散団体に指定され、その附属団体としての財団法人日本海運報国団財団も昭和二十三年政令第二百三十八号の適用を受けて解散団体とみなされ、その財産は国庫に帰属し、一般に売却されることとなったのであります。しかし、これらの施設がこのように処分せられることになりますと、船員の福利厚生施設は全滅となり、日本海運にとっても重大な支障を来すこととなりますので、種々折衝の結果、これらの施設は国庫に帰属せしめるが、一般に売却はしないで運輸省に移管し、現状通り船員の宿泊休憩施設等として、日本海員財団に無償で使用せしめることとなり運輸省が厳重な監督をして今日に及んでいる次第であります。なお財団法人日本海員財団は、昭和二十六年財団法人日本海員会館と改称いたしました。  以上がこの法律案の対象となっている財産の起源及び沿革の大要でありますが、この財産は、平均して二十年以上経過しておりますので、修繕等により整備改善を要するものが多いのでありますが、国としてもその予算がなく、また日本海員会館の方でも、国有財産であるために、十分な資金を出すことができない事情にあります。従って、此の際真に船員の福利厚生施設として、十分その効果をあげるためには、この財産日本海員会館に譲与し、施設の整備拡充をはかる必要があると考えるのであります。  衆議院大蔵委員会は、右法律案提案を決定するに際しまして、政府に対し質疑をなし、その所見を求めたところ、政府においても異存なき旨の意見が開陳せられました。  以上がこの法律案提出いたしました理由であります。  何とぞ御審議を賜わりまして、すみやかに御賛成賜わらんことをお願い申し上げる次第であります。
  46. 青木一男

    委員長青木一男君) 本案につき提出者並びに政府に対して質疑を行います。
  47. 小林政夫

    小林政夫君 この附則第二項の「海技専門学院の用に供しているものについては、国は、」この海員会館に譲与した後も無償で使用することができると、こうあるわけですが、こうして無償で使用するくらいなら、海技専門学院において使用しておるものは譲与しなければいいと思うのですが、どういうわけですか。実態がよくわからないのですが。
  48. 春日一幸

    衆議院議員(春日一幸君) この海技専門学院というのは、現在運輸省のやはり附属機関であるのでございまするが、やはりそれを引き続いて運輸省が使っていきたいという御要望がございます。しかしながら、今までの歴史的に、これが海員組合の所有になっており、またその財産が造成されましたものは、この関係団体の醵金によって造成されたような歴史等もございまして、所有権はそれぞれ個々に分割しないで一括処分をいたしまするけれども、現在運輸省で御使用になっており、引き続き使用したいという御意向が表明されましたので、こういうような措置を行う、こういうことに相なっておるわけであります。
  49. 小林政夫

    小林政夫君 今のお話しだと、海技専門学校の校舎その他が海員会館の出費で作られた、しかし経営は国がやっておる。この当該国有財産というものの用地、敷地ですか、そういう経緯があるわけですか。――では具体的に、その海技専門学校の用に供している国有財産というのは何ですか。
  50. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 海技専門学院は芦屋市の打出西蔵町にございまして、土地と建物でございます。土地は三千八百六十九坪、建物が延坪で千二百五十四坪ございます。両方総計いたしまして、時価で評価いたしますと、三千五百六十三万四千円になります。
  51. 小林政夫

    小林政夫君 建物も国有建物ですか。
  52. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) そうであります。
  53. 小林政夫

    小林政夫君 春日衆議院議員の言われた海員会館あたりが出費しておるというのは、どういうところへ出費しているのですか。
  54. 春日一幸

    衆議院議員(春日一幸君) この提案説明の中で申し述べておりまする通り、これらの敷地並びに建物は、日本海運報国団財団の所有でありましたものを、戦後これを解散団体に指定されましたのを契機として、国の所有に当時一括移ったわけでございます。従いましてその後運輸省が使用いたしておりまする現状におきましても、すべての関係の土地、不動産、これらのものがすべて国の所有でありますと同じように、これらのものは国の所有に移ったのでありますが、そのもとは、すべてこれは船員たちの醵金によって購入されて建築されたものでありますので、従ってこのワク内において操作をされるべきであると、こういう考え方になっておるわけであります。
  55. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 海員掖済会というのがありましたが、海員のいろいろ厚生事業等をやっておりますが、その海員掖済会とこの財団法人海員会館と大体同じようなものであるかどうか、その点について。
  56. 春日一幸

    衆議院議員(春日一幸君) この法律に関連する事柄の御質問であろうと思うのでありますが、私、この掖済会の事柄はよく承知いたしておりませんが、幸い本席に、海員組合関係者でありまして、わけても掖済会の事情に明るい松浦参議院議員が御同席になっておりますので、願わくば松浦参議院議員より一つ御答弁を御聴取願いたいと思います。委員長よりよろしくお取り計らいを願いたいと思います。
  57. 青木一男

    委員長青木一男君) 参考人として松浦議員から御説明を伺うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 松浦清一

    参考人(松浦清一君) ただいま御質問になりました日本海員掖済会と財団法人日本海員会館との関係はという御質問でございましたが、日本海員掖済会と、この財団法人との関係は少しもございません。全然別個の性格でございます、事業は大体同じようでありますが。
  59. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 私はむしろ政府に伺いたいのですが、この春日さんの方の御提案、まことにけっこうだと思うのでありますが、海員掖済会というのも大体こんなような趣旨のことをやっておりますが、どちらかといえば事業が不振であるということを聞いております。海員の方々のいろいろの福祉を充実していくには、その掖済会の方も、あるいはどういう事情になっておるか知らぬけれども、適当な形で一体をなすと言うか、十分なる連携をとって、両々相待って、この海員関係のいろいろの福利を盛んにしていったらいいだろうと、こう思うわけなんであります。別々にやっておられることもやむを得ないかと思いますけれども、政府がどういうふうに考えているかということを実は伺いたかったのであります。本案に別に反対という意味じゃございませんが、ただ海員掖済会が非常に日本の海運に大事なとき、施設が不備でありまして、沈滞しているようにも思いますので、そういう点についての政府の意向を私は伺いたかった。それで御質問したわけでございます。
  60. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) その点につきましては調査いたしまして研究してみたいと思います。
  61. 小林政夫

    小林政夫君 政府の方へ聞きますが、今のことで、経過的には、附則二項のことですよ、もともと海員の醵金によってやったものだから、一応この際に全部返すという提案者の考え方でありますが、国としては、現実に使うものなんだから、一括して向うへ返してしまう、譲与してしまうということについては、実態は変らないわけですけれども、政府においては多少問題は――問題というか、こうまでしたくないという気持はないですか。
  62. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 運輸省を通じて聞いておりますところをみますと、海員会館は一旦返還を受けた後に国に寄付したいという話をしております。
  63. 小林政夫

    小林政夫君 寄付するくらいなら、君、やらぬでもいいじゃありませんか。政府は異議ないものと答弁があったと言うけれども、この点については変えてもらいたいと言ってもよさそうなものだ。
  64. 春日一幸

    衆議院議員(春日一幸君) これらの財産が一括処分を受けまして、そうして政府とも、法案提出いたしますまでの前提として、いろいろと話し合い、研究を進めたのでありますが、払い下げを受けた後において、無償で寄付するという方法をとることによりまして、国の要請にもこたえ、なお事務処理もむしろ簡単に処理ができる、こういうことで、こういうような法律案の形式をとったのでございまして、実質的には必要であるから、必要なものは現状のまま一つお使い下さい、そこで手続処理といたしましては、払い下げを受けた後においてこれを無償で寄付する、こういうことで運輸省においても御了承願った、こういうようないきさつにあるわけであります。  なお法律案といたしまして、こういうものを除いて、払い下げを、譲与を行うというようなことも考えられるのでありますが、効果といたしましては同様の効果を得ることでありますので、むしろこういうような方法の方が明確に処理ができるということで、この途を提案者としては選んだわけなんであります。
  65. 小林政夫

    小林政夫君 どうも今の春日さんの御説明を聞くと、かえって今のこういう後から無償で寄付するという手続の方がめんどうのように思うのですが、ちょっと法律案を書きかえさえすれば、そういうめんどうなようなことをやらないで済む、何か許可等について入り組んでおってはっきりしない点があるというのか。それとても無償で寄付するということならわかっていることでしょうから、かえってこの処理の方がややこしいのじゃありませんか。
  66. 春日一幸

    衆議院議員(春日一幸君) 基本的な考え方といたしましては、全国の船員たちが自分の金で醵金して作った財産だから、一応この際、財産を造成した本人たちに返していただきたい。この基本的な考え方を一応明らかに貫くためにも、この法律案によった方が、そういう要請にもこたえる形になる。しこうして、現在運輸省のお使いになっておりますことに支障を来たさないという実際的な措置を行いますためには、この附則第二項によってその要請を満たすという、基本的には何もかも私たちが作ったものであり、必要欠くべからざるものであるから、全部私たちに返して下さい、しかし現在御必要なものは、それはお使い下すってもよろしいですから、別途これは処理いたします、こういう事柄が含まれているわけであります。よろしく一つ御了承願います。
  67. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私はこの内容については特段の異存はないのでありますが、これは政府に質問いたしたいと思いますが、こういう例――戦争中の特殊法人の持っておったものを国が取り上げた――そういうようなことは相当ほかにもあるのではないかと思うのですが、こういうものを無償譲与すると、ほかにも同じようなケースがまた起ってくるのではないかというようなことが一応予想されるわけでありますが、ほかにこういうようなケースがありますかどうか。これは政府当局の方にお伺いしたいと思います。
  68. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) この問題は解散団体の財産の処分の問題でありますが、これは法務省の方で担当いたしておりまして、私どもの方に資料はなく、詳しいことは申し上げられませんが、しかし現在まだ解散団体の所属財産のうち未処分のものが相当残っておりまして、土地が三件で三千二百五十九坪、建物が十三件で一万五千四百四十六坪残っております。これは内容といたしましては水交社、それから海仁会あるいは朝鮮人連盟とか産業報国会、こういうものが残っておりますけれども、これとのバランスの問題でありますが、二十八年にも議員立法で財団法人労働科学研究所に対する国有財産の譲与に関する法律というものができまして、この先例がございますので、政府といたしましては、やむを得ないと思いまして賛成いたした次第であります。
  69. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 そうしますと、今後こういうような同じケースが出た場合においては、政府は今後も大体賛成される、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  70. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) それはその具体的なケースについて考慮いたしたいと思います。
  71. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 それからこまかいところでありますが、第二条の二項ですね、「財産を処分することができる」、こうなっておるわけですが、自分の持っているものを処分することができるという意味でありますが、他の立法例を私は知らないのですが、無償譲与をして最後に用に供することができなくなった場合に、その財産を処分することは当然でありますが、その処分をした結果相当の売得金等があった場合に、それはその譲与を受けた団体が取りっぱなしだという例は、これはあるのですか。
  72. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) その問題は用途指定の問題でありまして、国が一たん所有権を他に譲渡いたしました後におきましても、その用途を制限いたすということで、国有財産法の二十九条にもそういうような原則がございますが、それと同じように、先ほど申しましたように、財団法人労働科学研究所に対する国有財産の譲与に関する法律に一おきましても、同じように、譲与された財産の用途を指定しております。それと同じように、本法におきましても、財産の用途が指定されてあるわけでありますが、老朽化いたしました後にそれを処分し、その代金をどうするかと、いう問題は、これはすでに所有権が移転しておりますから、国はそれに対して別に請求権を持たないわけであります。
  73. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 請求権を持たないととは、はっきりしているのですが、財産を処分してそれが相当のまとまった金になった場合においても、無償譲与であるから、それはもう、くれっぱなしだと、こういうふうなのが他の慣例であるのかどうか。
  74. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) もちろんその換金されたものが海員会館本来の目的に再び使用されることをわれわれとしては希望しておりますが、特にどうこうという権利は私どもは持ちませんから、そういうふうに期待するだけです。
  75. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 それから第四条の「第一条の規定による譲与の所管大臣、」ここなんですが、これは所管大臣は実際的にはどの大臣になるのですか。
  76. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) これは国有財産と、その他の財産とによって違いまして、国有財産大蔵大臣でございます。  それから、その他の財産は、もちろん動産でございますが、その他電話の加入権等もございますけれども、そういうものは運輸大臣であります。
  77. 青木一男

    委員長青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございますせんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようであまりすが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。財団法人日本海員会館に対する国有財産の譲与に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  80. 青木一男

    委員長青木一男君) 全会一致であります。よって本法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと思います。多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名    西川甚五郎  山本 米治    土田國太郎  平林  剛    青柳 秀夫  岡崎 真一    木内 四郎  藤野 繁雄    片柳 眞吉  小林 政夫    岡  三郎  松澤 兼人    井村 徳二  中川 幸平    最上 英子   ―――――――――――――
  81. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に国有財産特別措置法の一部を改正する法律案議題として質疑を行います。なお本案につきましては衆議院におきまして修正されておりますので、修正点について便宜政府より説明を求めます。
  82. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 衆議院におきまして修正されました点は、第九条第二項に、中小企業者のために機械器具等を交換する場合におきまして、国が交換に供する方のその物につきまして時価の三割を減額した額ということで提案いたしましたけれども、これが三割五分に修正されました点であまりす。これは当初五割とか、いろいろ御要求がございまして、私どもの方といたしましては、国有財産の減額貸付譲渡には、他とのバランスがございまして、こういう場合には何割以内とか、こういう場合には何割とか、いろいろ規定がございまして、それとの権衡を失するおそれもありますので、三割といたしたのでございますが、ねらいは、なるべく減額いたしまして交換が促進されるように希望するのが、これは最終の目的でございますから、それで三割五分に私どもといたしましては異議ない旨決定いたした次第であります。
  83. 青木一男

    委員長青木一男君) 別に御発言はありませんか。
  84. 平林剛

    ○平林剛君 前回聞き漏らした点がありますから、若干質疑をいたします。第九条に関係してでありますが、旧軍用財産のうちの機械器具ですね、陸軍省や海軍省などの所管に属しておった機械器具について、当初はどのくらいの価格のものがあって、今日までそのいろいろな点で交換をした価格はどのくらいに相当しているか、その点について説明をお願いしておきたいと思います。
  85. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 当初普通財産といたしまして大蔵省が引き受けました旧軍用財産のうちの機械器具でございますが、それは四十七万台でございまして、その後処分いたしましたものが二十一万台でございまして、二十九年十二月末現在におきまして二十五万台に相なっております。
  86. 平林剛

    ○平林剛君 価格の点については……。評価額ですね。評価した価格の点では大体どのくらいになっておりますか。
  87. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 手元に完全な資料を持ち合せておりませんが、二十七年度からの資料ですと、売り払いいたしました額が、二十七年度は二十三億六千二百万円、二十八年度は三十一億八千百万円、二十九年度は九億八千六百万となっております。
  88. 平林剛

    ○平林剛君 もう一つ数字の点で聞いておきたいのでありますが、軍用財産の機械、器具について、設備改善による企業の合理化を推進するために、それぞれ政令で定めた事業者の所有しておる老朽した機械器具と交換することができるようになっておりまして、その交換が進められたと思うのでありますが、その交換する価額がひとしくない場合、その差額を取り立てることになっておりますね。そういうような行政措置をやって国が得た収入というのは、どのくらいになっておりますか。
  89. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) ことしの三月末現在におきまして、従来ずっと交換に供しまた機械は七千七百七十一台でございまして、国が交換により取得いたしました民有の機械の数が一万一千七十三台でございます。そして交換差金は三億二千七百万円でございます。それから今申しました交換により取得した民有の機械のうち、くず化して売り払った収入がありますが、台数にいたしまして八千二百六台、金額にいたしまして七千六百万円でございます。
  90. 平林剛

    ○平林剛君 そのくず化した場合ですね、ここの法律によると、「学識経験を有する者の意見を徴する」ことになっておるとありますが、大体どういう人の意見を聞いておりますか。現在までのあなたの方の措置で、どういう人たちの意見を聴取しておるか、その点についてお答えを願いたいと思います。
  91. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) ちょっと御質問が、意味が読みとれませんが、現在やっておる方法ですか、それとも今後改正によりまして新しくできます法律によって学識経験者の意見を聞く、その問題についてですか、どちらでございますか。
  92. 平林剛

    ○平林剛君 今度のくず化するというやつは、新しく設けることでしょう。従来までも大体これと同じようなことが行われていた場合には、どういう措置をとられていたのか。また今回新設をされた第九条の二の2において、くず化する場合に「学識経験を有する者の意見を徴する」と、こうありますけれども、どういうような人を予定しておるか。
  93. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 従来交換する場合におきまする評価の方法につきましては、措置法にありますように、こまかいことは政令に譲っております。その政令国有財産特別措置法施行令というのがございますが、その第五条に交換の価額の評価方法規定しておりますが、そういったような算定方式によりまして算出することになっておりまして、あまり精通者の意見を聞いておりませんけれども、今後は、このくず化の判定の困難なときにおきましては、学識経験者の意見を徴したいと思っておりますが、どんな人かと申しますと、これは機械メーカーの代表とか、あるいはいろいろとそういう方面に学識経験を持っている、いろいろそういった方面の中小企業組合の代表者とか、そういうような人を予定しております。
  94. 平林剛

    ○平林剛君 今のお話によると、多少、機械メーカーであるとか、あるいは中小企業の代表というと、どちらかというと、こういう問題についての利害に関する人が多くなっているように聞きとれるのでありますが、そういう点について、あなた方は、たとえばこういう措置を通じていろいろ利害関係にからむ問題については、どういう考えをもって対処していくか。それからもう一つは、学識経験を有する者の意見を徴する場合、どういう具体的な方法を講じてやるか。個人々々の意見を聞くのか、それとも特別な機関でも設けて、そこで相談をして公正を期するのか、こういう点について、あなたの方のお考えをお聞きしたいと思います。
  95. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) こういう問題はいろいろ利害関係が伴いますから、われわれといたしましては、あくまで処分の適正を期する等の意味合いにおきまして、公平な意見を聞くようにいたしたいと思います。そうしてその具体的な方法といたしましては、まだ成案ができておりませんけれども、われわれの方におきましては、それぞれ機械の集積場ごとにいろいろなリストを作りまして、あらかじめ財務局におきまして準備をいたし、これは九条の二にありまするように、二に該当するとか、大体三に該当するものとか、四に該当するものとか、いろいろ区わけをいたしまして、それからそういった学識経験を有する方にきていただきまして、これを確かめてみたい。そういうふうに一つやりたいと思います。
  96. 平林剛

    ○平林剛君 私の聞いている点に対する答えとしては十分じゃありませんが……。  もう一つだけ最後にお聞きいたしておきます。この特別措置法の一部を改正する法律案に対して、衆議院の大蔵委員会で付帯決議が付せられましたが、この付帯決議について、政府の考え方をお聞きしておきたいと思うのであります。たとえば「各種機械及び器具の時価の評価に当っては、学識経験者、中小企業者等の意見を徴すること。」その他三項にわたって付帯決議が付けられておりますけれども、これらについては、あなた方はどういうふうに具体的に処理するか、それについてお答え願いたいと思うのであります。
  97. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 付帯決議に三項ございますが、いずれもごもっともな御意見でございまして、十分この意にそってやって行きたいと思います。ことに最後の機械の交換のワクでありますが、これは従来に比べまして広くなるようにいたしたいと思います。具体的に申し上げますと、国有財産法の施行細則の別表といたしまして、国有財産区分種目表というのがございますが、そこにあります機械、器具の種目によって、種目の分類と申しますか、たとえば電気機械、通信機械、工作機械、木工機械、土木機械、試験及び測定器、荷役運搬機械、産業機械、船舶用機械、車両、医療用機械、雑機械及び器具と、こういうふうに分類されておりますが、この分類によって、そのワク内において交換できるようにして行きたいと思います。
  98. 岡三郎

    ○岡三郎君 戦争、終戦に伴って、通産省関係に今所属している機械器具ですね、特に軍需工場と言われたところにあるやつ、軍工廠とか、その他いわゆる直轄のところは別として、そういったような機械器具の処理が非常に乱雑なんだ。今まで……。それで、この国有財産の分についてはそうではないと私は思うのですが、結局くず化することについては私も賛成します。賛成しますが、この機械器具をくず化するか、くず化しないかという、この第九条の二項、三項、四項に、これをどう具体的に生かしていくかということについてはこれは相当問題があろうと思う。つまりくずにするという決裁をしたものが、どこかでくずじゃなくして生きていたというものが今後出てきたならば、こういったものに便乗するものが出てきたならば困ると思う。まあそういうことはないと思うけれども、そういった点で今課長から聞いたように、学識経験者云々と書いてありますが、実際にそれが適切に種分けされて、そしてくずにするものはくずにするということが確実に励行されるように、一つこれはわれわれの方の希望ですが、そういう具体的なものを一つ出してもらいたいと思う。確実にこういうふうに構成して、この付帯決議にもある通りに、実際に適正な運用をする、抽象的ではなくして、実際にそれが適正に運用されればいいと思うのですが、そういった点について境目にあるやつはこれはくず化するのか、ちゃんとほかに製品として使うのかということは、相当微妙な点があると思うのですが、そういった点を一つお願いしたいと思う、これは私の希望意見です。それだけです。
  99. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 承知いたしました。
  100. 小林政夫

    小林政夫君 大体未利用機械の六割程度をくず化するであろうという見通しなんですね、出された資料によると。金額的にはどの程度の何というか国有財産の減になっているのか、くず化することによって。今見積られている機械設備の六割がくず化する、それによって国有財産の減はどのくらいになるのか、国有財産の減というか、政府財産の減は。六月二十一日あなたの方で出された「未利用機械の処理見込について」という資料によると、機械として利用するものが三万五千台で、くず化して支障ないと認められるものは全体の六割程度と見込まれる……。
  101. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 約六万三千台見込んでございます。
  102. 小林政夫

    小林政夫君 金額では。それが今国有財産の評価で何ぼに評価されておって、少くともどのくらいにふめる、差額はどうだと……。
  103. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 台数が六万三千台で、金額として四億八千百万円を見込んでおります。
  104. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると六万台という今のくず化する機械は、国有財産の原簿では何ぼに評価されているのですか、今の六万台というのはおかしいのじゃないのですか。二十九年十二月末現在では十九万二千四百九十台である、これは大小さまざまだそうですが、大体機械として利用し得るものは三万五千台程度、そうすると差し引きして十五万七千台程度のものがスクラップ化されると、こういう程度になるのじゃないですか。四億八千一百万円というものは、本年度くず化したものの財政収入にかわるものという意味で、総体のくず価額ではないのではないですか。
  105. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 二十九年の十二月末現在におきまして国有機械の数量が二十五万五千台でございます。そしてそのうち在日米軍及び国連軍が使用しているものが一万八千台、貸付中のものが二万三千台、売り払い、所管がえ等に予定のものが二万二千台、未利用のものが十九万二千台でございます。  そうしてこの未利用の十九万二千台が今後いろいろと売り払い、あるいは減額交換、あるいはくず化等予定されているのでありますが、これを機械に種別いたしまして、電気機械が五万台、産業機械が四万一千台、工作機械が三万三千台、その他雑機械になっております。そしてこのうちどの程度くず化されるか、確定した数字は立ちませんけれども、本年度におきましては、大体未利用機械のうちの少くとも三割以上、六万三千台程度がくず化できると見込みまして、トン当り一万八千円に計算いたしまして、先に申しましたように四万八千百円と出てくるわけであります。
  106. 小林政夫

    小林政夫君 それはわかっているんですよ。あなた方の方の資料にちゃんと出ているんですから、今おっしゃった程度のことは資料に出ている。従って今の十九万二千四百九十台の未利用機械の金額は幾らに評価しているのか、国有財産の台張で。そして今あなたの言われた四万八千一百万円というのは、本年度くず化して財政収入になる金額、十九万二千台の中で生きて使えるのは三万五千台程度であれば、くず化するのは差し引き十五万七千台くらいになるが、十五万七千台というのは、それはトン一万八千円というように評価していくと、何ぼ一体政府財政の減というふうになるのか。評価が低ければ問題ない。トン一万八千円くらいに未利用機械が評価してあるならば大したことはない。
  107. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 未利用のものが十九万二千台でございますが、これが価額にして幾らありますというのは、実は売り払うとき、あるいは交換に供するとき、そういうように処分するときに、現実に評価いたしまして、それで処分しているのでございまして、あとは終戦時引き継いだままの台帳価格になっておりまして、きわめてそれは低額になっております。
  108. 小林政夫

    小林政夫君 台帳価格のままではないはずですよ、再評価基準によって評価がえをしておりやせんかということをいつだったか、管財局長だったか、あなたの方へ質問したのですが、再評価基準等によって評価がえをしたと、一般産業機械と著しく評価が低いということはないということを言っているのです。
  109. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 二十七年三月末で総合評価を行いました。しかしこれは国有財産法の施行令にありますように、それをもって台帳価格を変えないとなっておりまして、従って台帳価格は終戦時引き継いだままの価格になっております。
  110. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、今トン一万八千円くらいでスクラップ化しておっても、台帳面においては損にはならぬ、損得というとおかしいけれども、まあ一般的な、俗な言葉で言えば損にはならぬということですね。
  111. 天野四郎

    説明員(天野四郎君) 御参考のために、その二十七年三月末で総合評価いたしましたときの機械の状況がどんなふうになっているかと申し上げますと機械の台帳価格で五百九十九万になっておりまして、それが評価がえいたしました後におきましては八千七百三十六万、倍数にいたしまして十四倍になっております。
  112. 小林政夫

    小林政夫君 その点は了承いたしましょう。それから衆議院の付帯決議の中で、中小企業関係の交換についての周知徹底の方法について特に注意いたしておりますが、どういう交換可能の機械があるとか、時価より三割五分値引して、どういう機械器具が交換してもらえるとかということを周知徹底させる方法ですね、一部の者が知って、一部の者は知らないということが今までもあるし、今度どういう方法で関係者へ周知徹底させるのか、伺いたい。
  113. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 今回中小企業の交換の減額をいたしますにつきましては、すでに事前の措置といたしまして、中小企業庁を通じまして、各府県を通じて一応こういうふうな二とを考えて国会提案いたしておる、ついては調査を早急にする必要があるので、さらに交換の希望の向きを調査してほしいということを連絡をいたしまして、それに基きまして、各府県が中心になりまして、こういうような国有機械を使います中小企業者の代表者も入れまして一応予備調査を現在いたしている段階でございます。なおかつこういうふうな提案がございますので、特別に取り急ぎ交換をしてもらいたいという希望があれば格別でありますが、そうでない、若干待てるという方方については、もうしばらく時期をお待ちになってはいかがでございますかというようなこともあわせて連絡をいたしておりますので、この点につきましてはすでに各中小企業者は十分承知いたしていると思いますけれども、さらにこの点は重要なことでございますので、法案が成立いたしますれば、直ちにその措置を全国的に周知徹底させる道を講じたいというふうに考えております。
  114. 小林政夫

    小林政夫君 交換してもらえる、こういう道が開かれているんだということは大てい知っていると思うが、どういう国有機械がどこにあるかということについての周知徹底ですね。まあ自分はこういう機械を持っているから、これに該当する何かいい機械があれば交換したい、こう思っておっても、具体的に自分が持っている機械と交換可能な機械があるのかないのか、まあこういう国有財産たる機械器具の台帳のようなものが中小企業者の方ではわからない。まあ言ってこい、そうすれば何か引き合わしてみるという程度では、どうも機会均等にならないんじゃないかという気がするんですが……。
  115. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) この点はすでにもう交換の制度を始めましてから二年に相なっております。部内にありますいろいろな台帳等につきまして、利用できるものは活用いたしておりますが、何しろ台帳の記載というものは非常に簡単なものでございますから、現物を見ていただきませんと判定ができないようでございます。従いましてすでにまあ予備調査といたしまして、県の職員等と同行いたしまして、代表者の方々に見てもらいますと同時に、実際に機械の閲覧ということをいたしております。先般の衆議院の大蔵委員会で、その閲覧の程度がもう少し親切に見てやれという、まことにごもっともな御意見がございまして、まあそういうふうに自由な閲覧をいたしまして、現物をやはり見ませんと、現実に交換いたしますというような方々は書類だけではどうもやはりよく判定ができないようでございます。これらの点につきましては、十分その点の現物の閲覧について親切に措置して参りたいというふうに考えております。
  116. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 この旧軍の所有の土地建物、この土地建物の一例をあげてみれば、滑走路、こういうようなものが現在では全く利用がされないだろうと想像されるものがそのまま残してあります。こういうようなものは早く元の地主に、所有者に払い下げて、そうして農耕地にして、食糧増産に寄与した方がよいと思っておるのでありますが、そういうふうなまず第一に土地の払い下げについてはどういう基準で払い下げようとしているのであるか、また実際その地方の実情から見て、将来において滑走路や何やに使用しないということが明らかであったならば、すみやかに払い下げすべきじゃないかと思っておりますが、この点お伺いしたい。
  117. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 大体従来もお考えのような方針でやっておりますが、ただ飛行場等につきましては、ほとんど全部が農耕地に転活用されましたものが大部分でありますが、中には滑走路が相当厚い舗装といいますか、コンクリートの舗装になっておりまして、これをひっくり返して農耕地に復元するというにはなかなか大へんだというふうなこともありましたために、全国的に見ましても数カ所滑走路だけが残っているというところがございますけれども、大体滑走路以外のものはすでに転活用されておるのでありまして、滑走路が残っておりますところは、若干民間航空等で利用したいというふうな航空局の方の考え方もございますが、航空局の方でもなかなかそとまでのはっきりした見通しが立ちがたいというようなことから、まだ未決のままで残っているところも仰せのようにございます。これらにつきましては、さらに検討を加えまして、もうこれは民間航空に必要なし、また防衛庁で使う必要がないということになりますれば、なるべくすみやかに転活用を考えるべき筋合いでございますので、その辺につきましては、さらに検討を加えて参りたいと思っております。
  118. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それから旧軍の建物で引揚者なんかが使っているものがある。引揚者の使っているものであるから、その住宅の家賃というものは非常に安い。しかしその家が古い建物であるから修理しなければ住めない。各地方で公共団体が、それはだれが管理しているか知りませんが、そういった場合に、住まっているところの家が雨が漏るとか何とかいうことで困る。しかし政府にいってもそれを修理してくれない。であるから地方の公共団体がそれを修理しなければ入れないということになっておる地方が相当にあると思っている。こういうふうなところは、本来からいえば、政府の所有であるけれども、地方公共団体に迷惑をかけているというようなことでありますから、そういうようなものであったならば、この際地方公共団体が引揚者住宅その他の利用しているものであるならば、過去におけるあなた方の金を出しているところの関係もあるから、無償で譲与するとか何とかいう適当の方法を考えないかどうか承わりたい。
  119. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 現在引揚者その他生活困窮者の収容施設に使っておりますものは無償で貸し付けるという制度が開かれております。それをさらに進めまして、一般に所有権を移してしまうということがいいかどうかということにつきまして、私どもも実は過去におきましても考えてみたことはあるのでございますが、どうもそとまでいくのは行き過ぎではなかろうかというふうに現在は考えておりますが、御意見もございますので、さらに検討をいたしてみたいと思っております。
  120. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 無償で貸し付けているというようなことであっても、その建物の修理は地方公共団体がやらなくちゃ住まわれない。もしも政府がそういうような建物を持っておって、それを政府の方で修理して、そして無償で貸し付けてくれるということだったらこの上ない。しかし所有しているととろのものは所有しているけれども、修理はしてくれない。引揚者のような困っている者に立ち退き命令をするわけにはいかないということになれば、地方公共団体がやむを得ず自分の金を投じて修理していなければならない。すなわち、政府の建物に地方公共団体が出費をしていかなければならない、こういうふうなことであれば不合理であるから、もしも政府の方で保有しておくということだったらば、修理して住宅になるようにしてもらいたい。もしそういうことががきないというととだったらば、実際上地方公共団体が数年にわたって修理を加えているということであれば、地方公共団体に無償で払い下げるべきものではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
  121. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) ちょっと私一般的なことを申し上げましたのでありますが、そのほかに、現行法の国有財産特別措置法でございますが、これは一定の時限を切っているのでありまして、特別措置法を施行いたしましたその際に、戦災者、引揚者、または保護を要する生活困窮者の収容施設に供しておりますものの譲与の道が開かれております。従いまして、私が先ほど申し上げましたのは、この問題のほかに、一般的の問題として申し上げたのでありますが、現在開かれておりますのは、特別措置法ができましたときでございますので、昭和二十七年、その当時すでにそういうものに供しておったものにつきましては譲与の道が開かれておる。ただこの法律の運用につきましてやや困難な問題は、その後更生をされまして、相当、家賃等も負担ができるという方々が相当あるのであります。従いまして、そういう方々が相当の割合を占めているということでは、やはりこの法律の精神から見まして、公共団体に譲与ということはむずかしいということから、ある一定の集団の施設になっておりますものが非常に多いのでございますが、その中でやはり入れかえを漸次やりまして、ほんとうに生活困窮者を収容している施設につきましては、現行法の第五条の三号という規定でありますが、その規定の活用をやっておるのであります。そういうことでございます。  それから、さらにこれを法律施行の際というふうに限定しないでやる必要があるかどうかということになりますと、やはりこれは行き過ぎではなかろうか。大体法律施行の際に、昭和二十七年でございますので、まあ引揚者等も大体とにかくおおむねの者が引き揚げてきたような状況でございます。それから戦災を受けられた方々もすでに収容済みのものでございますので、大体現行法の制度で適切な処置がやっていけるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  122. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今お話しのような点がありますが、実際問題をいろいろ聞いてみますというと、さらに検討を加える必要があるところが相当あろうと思いますから、さらに一つ検討を加えていただきたいと思っております。  それからもう一つは、軍のいろいろな住宅を作るような場合においては、土地は借用の場合と買収の場合と両方あって、現在買収された国有地と民有地とが非常に錯綜しておるところの土地があって、その上に軍の建物が建って、住宅になっておるようなところもある。こういうふうなところはすみやかに何とか方法を講じていかなくっちゃ、一方の方においては引揚者その他が住まっておる。その土地は国有地でもあれば民有地でもある。その土地代金のいろいろの徴収にも困っておるというようなところがありますから、こういうような点も一つさらに御検討をお願いしたいと思っております。
  123. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 私どももそういうケースがあるのを耳にいたしておりまして、こういうような問題につきましては、さらに早急に処置をしなければ、いる人も困りますし、またいろいろな世話をしておる公共団体もなかなか御迷惑のようであります。できるだけすみやかに適切な処理を進めて参りたいと思っております。
  124. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それからこれはこの前の委員会で私お尋ねしたのですが、長崎の国立療養所の問題、これは厚生省が使用しておって、農林省の所管なんです。いろいろの成り行きはありますが、できるだけすみやかに国有財産だから、両方の方で移管がえができるように処置していただきたいと思っておりますが、いかがでございますか。
  125. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 具体的な問題は私ちょっと承知いたしておりませんが、調査いたしました上で処理をいたしたいと思います。
  126. 小林政夫

    小林政夫君 まあ旧軍港都市に非常に事例が多いわけですが、大きい国有財産を便っておる工場等を民間に使用せしめておる、それから国が使用料をとっておる。その当該市町村は、まあ国有財産の使用に、固定資産税にかわる特別なその使用者税というようなものである程度財政収入をはかろうとしても、なかなかたくさんももらえないしということで、できれば国へ納める国有財産使用料の内割で当該市町村村にある程度収入になるような方法を講じてもらいたいと、こういう陳情が最近活溌なんです。まあ非常に大きな面積を国有地としてとり、そこにある程度施設がある。これが普通の状態において使用されるならば、その当該市、地方自治団体としては固定資産税としての収入がある。今のままじゃ収入がない。同時にまた行政費は割合要ると、こういうことで、それのみが原因でありませんが、旧軍港都市は非常に財政的に困っておるという事態があるわけです。そういう点について、主計局長がおられますが、何かいい考えはございませんか。
  127. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 御承知のように固定資産税は所有者にかけるということになっておりますので、両三年前までは各軍港都市ともに税金はとっておりませんでした。ところがどうもそれでは、相当膨大な面積を占めておりますために収入が非常に少いといいうことから、それぞれ市の条例によりまして、国有財産の使用者税というのを作ってやっておったのであります。これを今のお話だと一応国が徴収をしまして、何か地方交付税のような格好、それに準じたような形で市町村にやったらどうかというふうな御意見かと思いますが、私から御答弁申し上げていかがかと思いますけれども、どうもこれは地方税の徴収を国がかわってやってやるということに実は相なるのでありまして、いささかか適当ではないのじゃないか。いわゆる固定資産税が地方の責任において徴収されていると同じように、使用者税についてもやはり地方税として、地方の責任と地方の努力でやっぱり徴収なさるべき筋合いのものじゃないかというふうに私は考えております。
  128. 小林政夫

    小林政夫君 いや、ちょっとあなたのとり方が違うのは、使用者税として徴収する際に非常に相手方の事業がうんともうかっている、いわゆる担税力があるという場合には問題がない、比較的スムースにとれる。ところが現実はそう担税力がある状態でもないところが多いうです。むしろ国が使用料としてとる中で、当該市にまあその国有財産があるわけですから、使用者税を新しく賦課するかわりに、使用料の中から何ぼか当該市町村へ還付するというか、国が固定資産税を払うというふうな意味から、ちょっとまあおかしいのですけれども、理論的には行政費、それだけの国有財産を管理をする、守をするというか、俗な言葉や言えば守をする場合には当該市である程度の、直接的でなくても、間接的に行政費を負担する面もあるわけけですから……。
  129. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) まあ私ども使用料として徴収したものを当該市町村へやるというふうなことまでは考えてありませんが、ただ使用料の決定の際にはそれを考慮いたしておりまして、従いまして必ずしも使用者税額、その実額そのものということになりますと、なかなか行政事務がやりにくいものでございますから、一応使用者税がかかっておりますところは、それを考慮いたしまして、大体それに見合う金額を、普通の計算から出て参りました使用料から減額をしてやっておるのであります。ただ従来この使用者税をかけておらなかった、今度新しくかけるというふうなときにつきましては、大体年度初めからかけてもらいたい、当該進行中の年度につきましては、すでに予算でも見ておりますので、その年度に使用者税をかけて、貸付料の算定をさらにやり直すということでは困るから、翌年度からやってもらいたい。従いまして、初めてかけるときにもそうでございまするし、また若干使用者税を上げたいというような場合につきましても、年度がわりからやってもらいたいというような注文はつけておりますけれども、それに大体見合う金額というのは使用料から控除するという考え方で今日まできておるのでありまして、どうもそれ以上に、かわって徴収してやるというところまで、私どもとして、私自身は、使用料の徴収に非常に苦心をいたしておりまして、どうも人のととろでお手伝いするというところまでなかなか行きかねるというふうに考えます。
  130. 小林政夫

    小林政夫君 そういうふうに使用者税額を考慮して使用料をきめるとということであれば、本日のところ私は了承いたします。
  131. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 旧軍港の転換事業に対しては、政府がいろいろと御配慮あずかっていることはまことに感謝にたえないのだが、御承知のように転換事業はみんな非常に困っているから、その困っている関係上、つい代金の支払いがおくれて、延滞利息を払わなくちゃできないというふうになってくると思っておるのでありますが、そういうような場合に、現在は延滞利息は五銭でありますが、あるいは今度すべての方面で金利が引き下げられたのでありますから、五銭というのも、政府が民間に支払われるところの金利、すなわち二銭七厘くらいに引き下げられるような御計画はないかどうか承わりたいと思います。
  132. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 延滞利息はごく最近までお話しのように五銭ということにいたしております。それをまあ最近金利水準が下って参りまして、それからまた一般の金融機関等を調べましても、やや延滞利息が下ってきておるようであります。それでたしか七月一日だと思いましたが、それからは延滞利息を日歩四銭、一銭だけ引き下げをいたしました。なお、これをさらに下げるべきかどうかということになりますと、どうも皆さん、滞納しておられる方々が、銀行から借りているという人もわからんということから、どうも滞納、使用料の納入がなおざりになる心配も非常にございます。なお民間を調べてみましても、やはり普通の利息と期限を経過いたしました遅延利息とは差別をつけてやっているのが大体の慣習のようでございますので、大体四銭というところでやっていったらどうだろうかというようなことから、先般一銭だけ下げまして、四銭ということにいたした次第でございます。
  133. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 それからこれも局長にはいろいろ御迷惑をかけておるようなものですが、使用料の問題ですね。使用料の問題が、御承知のように転換事業でありますからある程度考慮していただかなくちゃできないと、また三十年度は引き上げを据え置くということで御配慮はお願いした、その結果を見てということでありましたが、それでも現在の状態からいえば、非常に困っておるのでありますから、何とかこういうふうなものを、転換法ができた経緯に鑑みまして、一そう御考慮をお願いしたいと思うのでありますが、その点どうでしょうか。
  134. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) これは軍港都市のみならず、ほかの方にもまあそういうふうな御要望はあるのでありますが、一方財政法の原則によりますと、とにかく時価でやれということになっております。これに対しまして、例外はそれぞれ法律で明定をされておるものに限るという建前なんであります。たとえば、この中小企業の保管の価額でありますが、従来もやはり実行上減額ができないかというようなお話しもあったのでありますが、これはやはりどうもできないというようなことから、今般御審議を願っておりますようなことにしておるのであります。そういうふうに、財政法の原則に対しましての例外はやはり法律でもってきちんときめてやる必要があるというふうに考えております。  ただ行政の問題といたしましては、一時に負担が急激に増加するということとは、なかなかこれは実際問題としてうまくいかない。従いまして、財政法の原則をくずすわけではございませんけれども、経過的に、一時に上げるのをしばらく数年間にならして上げようというふうな措置を従来とも講じてきたことは、藤野先生御承知通り昭和二十五年において例の地代、家賃の統制が撤廃になりまして、そのときすでに一般の民間の土地、建物の使用料と国有財産の使用料とが非常に開きが出ておったのであります。と申しますのは、国の方は忠実に統制令を守っておりましたが、民間の方は非常にくずれてきております。その後統制が撤廃されましてから、民間では逐次時価修正が行われておるのであります。国の財産の使用料につきましても、やはり時価ということが原則でございますので、それに近づけることが必要なわけでありますが、それはやはり一挙にやるということもなかなか実際問題としては実情に即しないということから、漸次といいますか、暫定的に今年は何割上げにとどめるというようなことで今日まで参ったわけであります。  なお、国有財産の軍港地等につきまして、普通の計算をやりますと、なお修正を要すべき要素は残っております。しかしながら、こういうふうな三十年度が一般の財政政策として地固めの政策をやっていくということでございますれば、それとの歩調を合せて、とにかく三十年度は二十九年度と同額に据え置くということに大蔵省内で決定をいたしまして、それで三十年度の使用料というものは決定をいたすということにいたしまして、財務局で今その仕事をやっておるわけであります。これでもなかなかお苦しいという話は私ども耳にいたしておりますが、これを積極的にさらに下げていくということはどうもむずかしいことでございます。三十一年度の問題になりますと、さらにこれはあらためて検討をしてみなければ、私どもとしても結論が出ないわけでありますが、今やっておりますものを積極的に下げるというふうなことは困難であろうというふうに考えております。
  135. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 議事進行について。今日この法案を今御採決になるのかどうか、御採決になるとすれば、質疑が非常に続いているようでございまして、私自身としては、決算委員会の方が一時からございますので、そういうわけで、はなはだ、どこで区切りになるかわからんものですから、質疑の方がどんどん続くようなら、委員長の方で適当にお取り計らいを願って、もう相当時間もたっておりますので、御処置を願いたいと思います。
  136. 青木一男

    委員長青木一男君) 他に御発言があるようなら、青柳委員提案のように休憩しようと思いますが、いかがでしょうか。もしなければ採決をいたします――。  それでは他に御発言がないようでありますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。   これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  138. 平林剛

    ○平林剛君 私は若干希望意見を述べまして賛成をいたしたいと思います。  一つは旧軍用財産の機械器具のくず化につきましては、特にくず化する場合の運営に当り、学識経験者等の意見を徴して具体的措置をとるようになっておりますが、とかくこういうことは形式的になるおそれがあると思うのであります。こういう運営に当ってはそれが形式的なものに終らないように、あるいは運用に当っては公正に行われるような措置を特に配慮することを要望いたしたいと思うのであります。またできるだけこれらの措置は計画を立てて、なるべく早い機会にけりをつけてしまう、こういうことを希望しておきたいと思うのであります。そうでないと、だらだら行なっている間に、いろいろなこれに関連をした事件が起りやすいものでありますから、そういう点を特に希望しておきたいと思います。
  139. 青木一男

    委員長青木一男君) 他に御発言がないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。国有財産特別措置法の一部を改正する法律案衆議院送付通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  141. 青木一男

    委員長青木一男君) 全会一致でございます。よって本案は衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は慣例により委員長に御一任を願いたいと思います。それから多数意見者の署名を願います。   多数意見者署名    西川甚五郎  土田國太郎    平林  剛  岡崎 真一    藤野 繁雄  山本 米治    片柳 眞吉  中川 幸平    井村 徳二  青柳 秀夫    木内 四郎  最上 英子    小林 政夫   ―――――――――――――
  142. 青木一男

    委員長青木一男君) 先ほど保留いたしました開拓者資金融通特別会計法の一部を改正する法律案議題として、先ほど留保した答弁を求めます。
  143. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) 先ほどはどうも失礼いたしました。  来年度以降の償還金償還の見通しでございますが、来年度以降も本年度と同じ程度貸付を行うという予定の見通しで申し上げますと、三十一年が十億一千百万円、三十二年が十一億八千五百万円、三十三年が十一億一千百万円というようなふうになっております。それでピークでは大体二十億程度償還の見通しでございます。
  144. 小林政夫

    小林政夫君 いつごろになるのですか、ピークは。
  145. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) それは四十一年ごろでございます。四十一年度に二十億五千五百万円の償還になっております。
  146. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると来年度以降、たとえば本年度資金運用部資金から十億の融資を得ましたが、三十一年度以降は同じ程度の開拓事業をやるとして、借入金の方の計画はどうなりますか。
  147. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) 三十一年の資金運用部の借り入れの計画は八億四千六百万円、三十二年が七億七百万円、三十三年が六億八百万円というふうに進めておりまして、だんだんと漸減していく予定でございます。
  148. 小林政夫

    小林政夫君 ピーク時には減らぬということですね。
  149. 安藤文一郎

    説明員安藤文一郎君) ピーク時では二億八千二百万円程度借り入れになります。
  150. 青木一男

    委員長青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了した亀のと認めて御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 青木一男

    委員長青木一男君) これより採決に入ります。  開拓者資金融通特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  153. 青木一男

    委員長青木一男君) 全会一致であります。よって本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続は慣例により委員長に御一任願いたいと思います。  それから多数意見者の御署名を願います。    多数意見者署名    西川甚五郎  土田國太郎    平林  剛  岡崎 真一    藤野 繁雄  山本 米治    片柳 眞吉  中川 幸平    井村 徳二  青柳 秀夫    木内 四郎  最上 英子    小林政夫
  154. 青木一男

    委員長青木一男君) では本日はこれにて散会いたします。    午後一時十八分散会    ――――・――――