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衆議院議員(福田赳夫君) ただいま菊川さんからのお話、まことにその
通りなんであります。私どもも、せっかくこれも努力いたしまして、国民の皆さんに蓄積していただきました資本を、それが不用不急な方面に無計画に使われては困る、こういう
考え方をいたしておったのであります。そのために
政府といたしましては、もともと
政府案におきましても資本蓄積助長のため政策をとって、一般減税でありますとか、また、その中でも
預貯金の全面免税というような
原案を出しておったのでありまするが、それに対しまして自由党から、さらにそれを一歩進めたい。そうして、さらにさらに蓄積をふやしまして、そうしてその蓄積は、これは国家有用の方面に効率的に使いたい。その方法として、
政府のほうで公債を発行いたしまして、金融機関に集まりましたその蓄積を、先ず公債消化のために天引きをする。こういう御
提案があったわけであります。私ども
民主党といたしましては、この
提案を見まして、その量がともかく四百三十億円というような多額なものでございまして、しかもそれを使いまして減税の百七十億円、さらに財政投融資およそ百五十億円、さらに残りの百十億円を、これは歳出の増加にあてる。こういうお
考えでありまして、この量の点におきましてそれだけのことをいたしますと、将来の財政に減税のしりというものが
昭和三十一
年度以降に相当大きく響きます。また歳出を行いますれば、その勢いというものが明
年度に大きくかぶさる。来年の財政を
考えますと、さなきだに
均衡が非常に困難であります。その上にさらに大きな重圧を加えるということになりますので、量的な問題において、まずこれは自由党とよく相談をしなければいかぬというように
考えたわけであります。それからまた公債を発行するという
考え方につきましても、私どもは資本を蓄積してこれを国家有用な面に使うということについては異存はなかったわけでありますが、しかし公債という形においてこれをやるかどうかという点につきましては、さような
考え方はとるべきでないという
考え方をとったわけであります。しかしながら自由党のおっしゃられるところの根本的な
考え方である、資本を集めてそうしてこれを有用に使うということについては意見を同じうするのであるから、その代案といたしまして、資金
委員会というものを作るということを
提案申し上げたわけであります。そうして公債の消化に限らず、広く金融機関に集まりました
預貯金は、資金
委員会に
政府が諮問いたしまして、そうしてその諮問の後におきまして、
政府は、その金融機関に集まった
預貯金を
政府の意図する方面に使うべきであるという立法をいたすという御
提案を申し上げましたところ、それに意見が一致いたしまして、ただいま資金
委員会法案というものを鋭意準備をいたしておるわけであります。かたがた、
政府、
民主党といたしましては、さような効率的使用という方針を推進いたしますために
経済自立六カ年計画というものを策定いたしまして、そうしてこれを具体化いたしまして、その線に乗ってすべての
経済政策を進めていく、またその進める手段といたしましては、この資金をこの資金
委員会に諮問いたしましてその線に乗っけて推し進める、かような
考え方をいたしております。