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衆議院議員(
内田常雄君)
お答えをいたします。
衆議院に所属する議員といたしまして、虚心に栗山君の御質疑を聞いておりますと、いかにもわれわれの
修正が、
衆議院の院議をもって
修正したものが、石油の
生産業者、
販売業者、
輸入業者等のぼろもうけを助けるために
修正をしたようなお話でありまして、はなはだ侮辱的なお言葉のようにも聞えますが、私は本日は
説明者の立場に立っておりますので、議論は避けて御
説明申し上げます。大体この
法律の六条は、輸入価格の
指示あるいは
出荷の
指示ということがございます。なるほど
重油の輸入が、為替の事情、今日は為替の事情はあまり考慮する必要はないようでありますけれ
ども、しかし
総合エネルギー対策の
見地から、これをだんだん抑制する必要がある場合に、
重油の需要が旺盛であるならば、いかにも価格の引き上げが起るから、何らか
政府で手を打たなければならないし、またそれが適当でありましよう。しかし同じような問題が栗山君御
承知の砂糖の輸入の問題、あるいはまた現に
衆議院商工委員会で慎重に
審議いたしておりますところの台湾からのバナナ、パイナップルの輸入問題にもあるのでありまして、現に並行
審議をしております
石炭価格についても
政府が
指示するという
規定はないのであります。標準炭価という幅のあるものを作る。しかもその標準炭価というものは、どこかの一炭鉱の標準炭極をとってみて、
一つだけ作って、それを非常に幅の広い判断の資料にするというような行き方で、直接
政府が炭価を指定するというような
考え方はとっておらない。また砂糖につきましても同じでありまして、これは砂糖の安定帯価格というものを作るようにわれわれは承わっておる。砂糖の輸入価格あるいは国内
販売価格について
政府が
指示するということになっておらない。またバナナ、パイナップルについてもさようなわけで、いかに不急不要品であれ、
国民に買われておるもので、それについても価格の
指示というものは行わないで、もしここに輸入利益が多くあがる場合には、それを入札の形によって
政府に納めさせるという構想になっておるのでありまして、今の
政府の
考え方、われわれの
考え方、私は
政府党ではありませんけれ
ども、
考え方からいたしますならば、栗山さんのお
考えのように、その重要物資あるいはその輸入の不足のために価格が騰貴するおそれのある物資についても、これは一々
政府の強権をもって価格を指定するとか、あるいは需給調整をしようという
考え方を何が故に
重油だけにするか。何も今の
重油でやるなら、
重油に限らず、砂糖につきましてもやるべきである。バナナ、パイナップル、
石炭についてもやるべきだ。その他、探せば重要な物資はあるはずでございます。従って、ことに申し上げたいことは、昨年あたりまで国際的下足物資の需給の調整に関する
法律というようなものさえありましたが、これも昨年は廃止してきておるのでありまして、その際、私
ども考えを同じくする者といたしましては、これは
重油であれ何であれ、ここで価格統制を作って、もし価格を指定いたしまして、それでも価格の上った場合には、それこそ戦争直後の価格差益に関する
規定までも置かなければならない。
政府は指定価格をある場合にはキロリットル一万円とし、次にはこれを一万三千円にしたならば、石油を保有する者に同じ
政府が指定しながら三千円の価格差益として吸い上げなければならないことになりまして、非常にここに大きな
政府の政策の転向をしなければならないことになるわけでありまして、そこで栗山さんのお話は私はよくわかりますけれ
ども、おっしゃるように
重油というものは外貨の割当によって握られているものであり、また
重油の販売につきましても、御
承知のように
販売業者の中小
企業等協同
組合というものがある。この協同
組合で、
販売価格の協定なり、あるいは
出荷数量協定なり、いろいろできますものですから、これによりまして
政府があっせんしてやることによって私は十分目的は達し得られる。もし
政府が政策を転向して、
重油なりその他の物重要資につきまして、価格統制あるいは物資の需給の調整をおやりになるならば、重要物資の需給調整法というようなものを堂々とお出し願いたい。あるいはまた価格統制法というものをもう一ぺん復活して論ずべきである。それを
重油ボイラーの
設置の
制限等のこの
法律のところにごそっと入れてきて……それでたびたび申し上げますように、
石橋通産大臣や
川上局長のようなりっぱな方が運営せられるならば、これは間違いない、われわれ常識ある者の
考え方で行われるでありましょうが、こう
法律に書いてしまえば、これはこの
法律を動かすものは
内閣であり、また一官僚であり、とんでもないことを招来するということを、私
ども、まじめに心配をいたしまして、そうして
原案の六条をかような
規定に
修正をいたしたのであります。多少の言い過ぎがございましたらおわび申し上げますけれ
ども、私
どもの
修正の立場を率直に申し上げておるのでありまして、決して
販売業者、
輸入業者から陳情を受け、それにのっとってぼろいもうけを助けるというような
考えは毛頭ありません。