○高橋衛君 私はこの両
法案に対しまして自由党を代表して賛成の意を表するものであります。
わが国の原油の生産量は現在年間三十余万キロリットル程度でありまして、わずかに国内総消費量に対して五%にも満たない程度でございます。エネルギーの資源または工業原料としての
石油の地位が近来ますます重要の度を加えて参りました点から
考えまして、またドイツ及びフランス等において、近年探鉱その他に非常な努力をいたしました結果、それぞれ三倍ないし六倍の増産に成功しているという事実から
考えましても、わが国におきましても積極的に国が探鉱試掘に努力をすべきであるということ、しこうしてかような積極的な探鉱試掘によるところの
石油資源の開発につきましては、かつて帝国
石油株式会社を特殊法人として設立し、その使命に当らしめた経緯はございまするが、今日においてはさらに精製業者等から資金を供給せしめるという点並びに
政府が新しい
立場から積極的に開発に対して進ませるという観点からも、
石油資源開発株式会社を新しく設立いたしまして、そうして帝国
石油株式会社の所有しているところの鉱業権を譲り受け、開発に邁進することは妥当の
措置であると
考える次第でございます。しかしながらこの
法案の内容を検討いたしますると、幾分不備な点もございまするので、私はこの際この
石油資源開発株式会社法案並びに
石油及び可燃性天燃ガス資源開発法の一部を
改正する
法律案に対しまして
修正の動議を提出いたしたいと存じます。
まず第一に
石油資源開発株式会社法案に対する
修正案の朗読をいたします。
石油資源開発株式会社法案の一部を次のように
修正する。
第十条第一項ただし書きを削る。
附則中第十三項を第十六項とし、第十項から第十二項まで順次三項ずつ繰り下げ、第九項の次に次の三項を加える。
(
石油鉱業権評価審査会)
10
通商産業省に、臨時に、
石油鉱業権評価審査会(以下「審査会」という。)を置く。
11
通商産業大臣は、第十条第一項の認可をしようとするときは、鉱業権の対価の額並びに対価の支払の時期及び方法について、審査会の
意見をきかなければならない。
12 前二項に定めるもののほか、審査会の組織、運営その他必要な
事項は、
通商産業省令で定める。
次にこの
修正案に対する
説明を申し上げます。
政府提案の原案によりますると、この会社が鉱業権の譲り受けをなさる際におきましては、第十条の
規定によりまして、
通商産業大臣の認可を受けることになり、かつその認可に際しましては大蔵
大臣に協議をすることに相なっておるのでございます。しかしながら第一項のただし書きによりまして、
政府が強制的に鉱業権の譲り受けをなさしめる決定をする際に当りましては、通商
産業局長が決定をするという建前になりまして、従ってこの際におきましては
通商産業大臣の認可にかからない、従って大蔵
大臣に協議を要しないという建前に相なっておるのであります。私どもはこういうふうな強制権を
発動する際においてはさらに事が重大でありますので、
通商産業大臣の認可にかからしめ、かつ大蔵
大臣に協議することが必要である、かように
考えましたので、第十条の第一項は削りまして、そういう場合におきましても
通商産業大臣の認可にかからしめるというのが第十条の一項を削らんとする
趣旨でございます。
また付則中に
石油鉱業権評価審査会を置いて、そうして鉱業権の譲り受けに際しまして、その評価につき、この審査会の
意見を聞かしめるという制度を作りますゆえんは、この新しい会社は帝国
石油株式会社から鉱業権の譲り受けを予定いたしておるのでございますが、この鉱業権の評価は非常に困難でございます。従ってこの評価自体については特に公正を期さなければならぬというふうな
趣旨からいたしまして、この評価に当りましては
通商産業大臣が認可をいたします際におきましては、特にこの
石油鉱業権評価審査会の
意見を聞いて決定するという慎重な
措置をすることといたしたのが第二段の
理由でございます。なお、この帝国
石油株式会社はかつて特殊法人として
政府が設立し、その当時民間の各鉱業会社から鉱業権の現物出資をせしめた沿革があるのであります。さらにまたその後この帝国
石油株式会社は特殊法人として探鉱並びに試掘に関しましては、
政府から、今日の価格に換貨いたしますると、三十五億円にも及ぶところの多額の国庫補助を受けておるのでございます。従ってそれらの点は十分にこの評価の際に反映して検討さるべきであるというように私どもは
考えますので、かような観点から私はいま
一つこの会社の
法案に対して当
委員会として付帯決議をつけられんことの動議を提出する次第であります。
次にその付帯決議案を朗読いたします。
一、
政府は
石油資源開発株式会社が帝国
石油株式会社より譲り受ける鉱業権の対価の額並びに対価の支払いの時期及び方法について第十条第一項の認可をするに当りては帝国
石油株式会社が特殊法人として設立されるに当り民間より強制的に鉱業権の現物出資をせしめたること、自後探鉱試掘に関し多額の国庫補助金を受けたる事実を十分考慮の上適正を期すべきである。
一、
政府は
石油資源開発株式会社の資金の確保につき万全の
措置を講じ五カ年計画の完全なる遂行に努めること。
一、
政府は
石油資源開発株式会社の設立に伴う帝国
石油株式会社の従業員の職場転換に際してはその処遇につき不当なことなきよう監督すること。
以上でございます。
次に
石油及び可燃性天燃ガス資源開発法の一部を
改正する
法律案について申し上げます。
この
法案は
石油資源開発株式会社の設立に当りまして、
石油及び可燃性天燃ガスに対する補助金の分に関して
法案を
改正せんとするものでございますが、この
政府提出の
改正法律案のうち、
改正案によりますると、
石油に伴う可燃性天燃ガスは当然これに含まれるのでございますが、純然たる天然ガスのみを目的とする会社に対しても、補助金を他の会社が行なった場合に受けることができなくなる次第でございます。その点はある程度の欠陥を生ずるおそれがございますので、その点に関し純然たる天燃ガスのみを目的として探鉱試掘をいたしました際に、かかる探鉱の試掘に対して補助をなし得るように
修正の動議を提出いたします。その
修正の動議の案を朗読いたします。
石油及び
可燃性天然ガス資源開発法の一部を
改正する
法律案の一部を次のように
修正する。
本則を次のように改める。
第一条中「その探鉱及び掘採」を「可燃性天然ガスの探鉱」に改める。
第十四条中「
石油若しくは」及び「又は二次採取法(省令で定めるものを除く。以下同じ。)」を削る。
第十五条中「又は二次採取法」を削る。
第十六条中「又は二次採取法」及び「
石油又は」を削る。
第十八条の見出し中「探鉱等」を「探鉱」に改め、同条中「、又は当該二次採取法の実施に必要な施設の工事の完了し」を削る。
第十九条中「
石油又は」を削る。
第二十条を次のように改める。
第二十条 削除
第二十一条中「前二条」を「第十九条」に改める。
第二十三条及び第二十四条中「又は第二十条」を削る。
附則第二項中「交付の決定があつた」の下に「
石油の探鉱及び二次採取法の実施に関する」を加える。
以上ただいま議案となりました二
法案に対しまして
修正並びに付帯決議の動議を提出いたしまして、賛成をいたします次第でございます。